説明

置き畳用縁枠

【課題】 置き畳の種類や畳数などに迅速且つ簡便に対応して枠組みすることのできる縁枠の提供。
【解決手段】 肉厚寸法凡そ10mm〜30mm、巾寸法凡そ3cm〜5cm、長さ寸法凡そ70cm〜190cmとなした帯状のストレート部材を作成し、該ストレート部材の1つは長さ方向の底面部中央にガイド溝を全長に亘り、若しくは両端或いは片端の一定長さ範囲で穿設したものとなし、これに対し他のストレート部材は片端部に対し、これと直交する状態で且つ上記ガイド溝に係合止着させるものとする長さ寸法を凡そ3cm〜20cmとなした嵌合部材を突出させ、これに対し他の片端部はその端縁から長さ方向の底面部中央に一定長のガイド溝を穿設し、又別途上記ガイド溝に嵌入させる繋ぎ部材を作成し、これらストレート部材と繋ぎ部材とを適宜組合せ使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は専ら床板上の適当箇所へ、和式感覚に使用する置き畳みを取り囲むための置き畳用縁枠に関する。
【背景技術】
【0002】
図8は従来品の実施状況を示すものであって、二帖、三帖、四帖、四帖半などに応じ、相当長さ寸法の木片材10,10,・・・を縦、横方向に用意し、これで置き畳みを取り囲んだのち、その隅角部pの対合部をネジ釘などの使用で止着させたものとなすのである。図面は折り畳み二帖用のものを示している。
【特許文献1】特願2003−130344
【非特許文献1】極東産業株式会社 カタログ「ニュー畳ライフ」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の如く従来の木枠は置き畳み用として畳帖数に合わせたものを夫々れに用意するのであり、畳帖数の組合せに応じて多種類のものを作成用意しておく必要がある。ところで、近年では昔の帖寸法に拘らない規格外の寸法のものもあって、これらに対する縁枠の作成は特定品となることから手間が掛かり且つ高価とならざるを得ないものとなっている。
本発明は斯有る問題点を解決せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、ボードや合成樹脂或いは木材などを使用し、肉厚寸法凡そ10mm〜30mm、巾寸法凡そ3cm〜5cm、長さ寸法凡そ70cm〜190cmとなした帯状のストレート部材を作成し、該ストレート部材の1つは長さ方向の底面部中央にガイド溝を全長に亘り、若しくは両端或いは片端の一定長さ範囲で穿設したものとなし、これに対し他のストレート部材は片端部に対し、これと直交する状態で且つ上記ガイド溝に係合止着させるものとする長さ寸法を凡そ3cm〜20cmとなした嵌合部材を突出させ、これに対し他の片端部はその端縁から長さ方向の底面部中央に一定長のガイド溝を穿設し、又別途上記ガイド溝に嵌入させる繋ぎ部材を作成し、これらストレート部材と繋ぎ部材とを適宜組合せ使用して必要な大きさ寸法の置き畳外周を取り囲むための方形枠を作成させるものとなしたことを特徴とする。このさい、片端に嵌合部材を取付けてなるストレート部材の長さ寸法は凡そ80cm〜180cmとなされる。また、嵌合部材にはその適所に疣体を取付け、且つ該嵌合部材と係合止着する他のストレート部材のガイド溝内に対し、上記疣体を嵌入させる穴体を穿設したりする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、一定長さの帯状板体となした底面部の長さ方向へガイド溝を全長に亘り、若しくは両端或いは片端の一定長さ範囲に穿設したストレート部材と、片端部の直交する方向へ上記ガイド溝と嵌合係着を可能にする一定長の嵌合部材を突設させ、且つ該部を除く帯状板体の底面部長さ方向へガイド溝を穿設したストレート部材との組合せにより、適宜な帖数の置き畳の外周を簡便迅速且つ適確に取り囲む枠体を組み立てて美観を呈するためのものとなすことができるものである。
具体的には使用者側で好みの帖数やその敷き状態にマッチする如く、自由に各ストレート部材の長さを切断しながらコーナー箇所では1つのストレート部材に於ける突設させた嵌合部材を、今1つのストレート部材のガイド溝へ嵌合させて止着させるようになすのであり、而してその他端が長い場合には適宜切断し、或いは不足する場合は他のストレート部材を別途繋ぎ部材を使用しながら接合して必要寸法のものが得られるようにするのである。
【0006】
とりわけ、本発明によればコーナー箇所に別途コーナー部材を必要とせず、即ち上記二つのストレート部材を組合せ使用するだけで簡便迅速且つ適確に構成することができるのであり、このさい嵌合部材を突設させたストレート部材の作成は、今1つのストレート部材を作成する同様の作成工程で製造することができる上で優れるのである。従って別途単独のコーナー部材を個々に作成する場合に対比すると、格段に製作工数が削減でき且つコストの低減化に寄与するものとなる。また、枠組の構成を堅牢化できるものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は本発明の置き畳用縁枠1を示すものであって、1Aはそのストレート部材の1つである。ここに、ストレート部材1Aは硬質ボード、合成樹脂や木材から図示の如き帯状の平板体に製造されるのであり、その肉厚寸法tは凡そ10mm〜90mm、巾寸法sは凡そ3cm〜5cmであり、且つ全体の長さ寸法kは短いもので凡そ80cm、長いもので190cmとなされる。而して、該帯状の平板体下面に於ける中央付近には、巾寸法eを凡そ10mm〜25mm、深さ寸法fを凡そ5mm〜15mmとなしたガイド溝2を全長に亘り、若しくは両端或いは片端の一定長さ範囲で穿設したものとなしてある。
【0008】
図2は他の1つのストレート部材1Bであって、上記1Aと同様に硬質ボード、合成樹脂や木材などから製造されるのであり、その帯状平板体となされる大きさ寸法は1Aのものと同一である。又その平板体底面に於ける中央付近に同一寸法関係のガイド溝2が穿設されることも同様であるが、ただ本部材1Bのガイド溝はその長さ方向の全長に設けるのではなく、図示例の如く片端縁部の一定長さ範囲(凡そ30cm)のみに設けるのであり、これに対し他の片端縁部の側面mには、直交する状態に長さ寸法を凡そ3cm〜20cm程度となした嵌合部材3を突設させたものとなしてある。而して、該嵌合部材3は上記したストレート部材1Aのガイド溝2と係合止着されるものとなされるのである。
【0009】
図3は繋ぎ部材4を示すものであって、これは上記図示の各ストレート部材1A,1Bを反転使用して方形枠を形成させるさい、コーナー箇所を除く中間箇所の接合部に於けるガイド溝2間に対し、適宜嵌入させて両者の係合止着が行われるようにするためのものである。
【0010】
図4は上記したストレート部材1A,1Bを使用して折り畳み二畳の置き畳5の周囲を取り囲んだ縁枠の実施態様平面図である。
【0011】
図5は同じく上記したストレート部材1A、1B及び繋ぎ部材4を使用して折り畳み三畳の置き畳6の周囲を取り囲んだ縁枠の実施態様平面図である。
【0012】
図6は同じくストレート部材1A,1B及び繋ぎ部材4を使用して4畳半の周囲を取り囲んだ縁枠の実施態様平面図である。
【0013】
本発明品に於いて嵌合部材3を備えたストレート部材1Bは、少なくともその長さ寸法を80cm以上のものとすることが好ましく、これは凡そ畳半畳分の最小畳を取り囲む縁枠を対象としたさいの必要条件からである。而して、三畳、四畳半、6畳、・・・などの如く大きくなる場合、ストレート部材1A,1Bの接合箇所に対しては繋ぎ部材4を夫々れのガイド溝2間を跨ぐように嵌入させて嵌合止着するのであり、あと適宜市販の接着テープなどを使用してこの裏面を貼着させておくようにすると良い。
【0014】
本発明に於けるストレート部材1A及び1Bは、後者がその片端部箇所に嵌合部材を突設させたものとなされる点で異なるが、実質的に同一製造工程で作成し、嵌合部材はその延長作業で作成することができるのであり、従って従来のコーナー部材を別途に製造したりすることが全く不要となり、大きくコストの低減化に寄与するものとなる。而して、コーナー箇所ではストレート部材1Bの嵌合部材3をストレート部材1Aのガイド溝2に嵌入させるだけの簡単な作業で済むことから、迅速な作業性に優れるものとなるのである。また、部材間の接合がガイド溝と該溝内へ一定長さ範囲で嵌入される繋ぎ部材により行われることは、方向性に優れ且つ安定した堅牢な係合止着の行われるものとなる上で優れるのである。
【0015】
図7は他の実施例を示すものであって、図中Aは上記実施例で図2に示したストレート部材1Bの嵌合部材3に対し、疣体vを取付けたものであり、同Bはこれと接合させるものとなす他のストレート部材1Aのガイド溝2内へ、上記疣体vと係合させる穴体wを穿設したものである。本例では上記疣体vと穴体wとが相互に嵌合することにより、より強固で安定した枠縁が形成される上で著効を奏する。このさい上記疣体v及び穴体wは適当間隔で複数設けることができる。なお、上記一連の連結作業で繋ぎ部材にもその片端或いは両端に疣体を設け、且つこれと嵌合するストレート部材側のガイド溝内に対し、適宜穴体を穿設したりするようになしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本考案に係るストレート部材1Aを反転させて底面側から見た斜視図である。
【図2】同じくストレート部材1Bを反転させて底面側から見た斜視図である。
【図3】繋ぎキーの斜視図である。
【図4】二畳の置き畳の周囲を取り囲んだ縁枠の実施態様平面図である。
【図5】三畳の置き畳の周囲を取り囲んだ縁枠の実施態様平面図である。
【図6】四畳半の置き畳の周囲を取り囲んだ枠縁の実施態様平面図である。
【図7】ストレート部材の他の実施例を示すものである。
【図8】従来品を示すものである。
【符号の説明】
【0017】
1A ストレート部材
1B ストレート部材
2 ガイド溝
3 嵌合部材
4 繋ぎ部材
v 疣体
w 穴体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボードや合成樹脂或いは木材などを使用し、肉厚寸法凡そ10mm〜30mm、巾寸法凡そ3cm〜5cm、長さ寸法凡そ70cm〜190cmとなした帯状のストレート部材を作成し、該ストレート部材の1つは長さ方向の底面部中央にガイド溝を全長に亘り、若しくは両端或いは片端の一定長さ範囲で穿設したものとなし、これに対し他のストレート部材は片端部に対し、これと直交する状態で且つ上記ガイド溝に係合止着させるものとする長さ寸法を凡そ3cm〜20cmとなした嵌合部材を突出させ、これに対し他の片端部はその端縁から長さ方向の底面部中央に一定長のガイド溝を穿設し、又別途上記ガイド溝に嵌入させる繋ぎ部材を作成し、これらストレート部材と繋ぎ部材とを適宜組合せ使用して必要な大きさ寸法の置き畳外周を取り囲むための方形枠を作成させるものとなしたことを特徴とする置き畳用縁枠。
【請求項2】
片端に嵌合部材を取付けてなるストレート部材の長さ寸法は凡そ80cm〜180cmとなしたことを特徴とする請求項1記載の置き畳用縁枠。
【請求項3】
嵌合部材に疣体を取付け、且つ該嵌合部材と係合止着する他のストレート部材のガイド溝内に対し、上記疣体を嵌入させる穴体を穿設したものとなしたことを特徴とする請求項1又は2記載の置き畳用縁枠。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−70527(P2006−70527A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−253939(P2004−253939)
【出願日】平成16年9月1日(2004.9.1)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2004年(平成16年)8月20日 「敷物新聞」に発表
【出願人】(503169356)有限会社 タネモト (1)
【Fターム(参考)】