説明

美顔用マッサージ器

【課題】 吸引機構とマッサージ機能を併せ持ち、しかもコンパクトで使用場所の限定が少なく、従来の製品より使用感度が向上し、効果の大きい美顔用マッサージ器を提供する
【解決手段】 吸引口1と吸引室9を具備してなる吸引ヘッドと、吸引口1を構成する周縁部2に回転可能な状態で設けられてなる複数のボール3と、吸引室9を負圧にするための吸引機構を有し、吸引機構は、吸引室9の減圧と大気圧への開放を、一定のシーケンスで繰り返すことが可能で、かつ前記シーケンスを制御するプログラムを少なくとも一つ具備する美顔用マッサージ器であり、ボール3として永久磁石を用いることや、利用者の目的に沿ったプログラムを選択することで、健康や美容に対する効果を向上できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚に当接した吸引口を、移動することによるマッサージ機能と、停止することによりつぼ刺激による血行促進機能を併せ持つ美顔マッサージ器の関わるもので、特に、吸引と大気圧への開放を、一定のシーケンスで繰り返すようにプログラムされた美顔用マッサージ器に関するものである。
【技術背景】
【0002】
近年の健康や美容に対する関心の高揚により、全身または顔などの局部を対象としたマッサージ具が種々考案され、実用に供されている。これらの中で、血行促進と併せて、リンパマッサージ並びにつぼ刺激と称されるそれぞれの方法が、主に美容のために実践されている。
【0003】
身体には血液循環の他、リンパ液の循環が存在する。リンパ系の大きな機能の一つに免疫があるが、血液が回収しきれなかった組織液や老廃物を回収する機能も有する。従って、リンパマッサージの実践により、健康や美容への効果が得られることが期待出来る。
【0004】
また、身体には多数のつぼが存在する。肩凝りや疲れをとるためにつぼを刺激し血液の流れを良くすることで、改善できるのは周知の通りである。「凝り」とは筋肉に老廃物が溜まり血液循環が悪くなり柔軟性を失った状態である。「凝り」をほぐすには、つぼに直接刺激を与える方法が効果的である。顔も例外ではなく、多くのつぼが点在しそれを直接刺激することで、より血行が促進される。
【0005】
顔全体のリンパマッサージと、点在するつぼ刺激を組み合わせることで、美容効果は一層高まる。マッサージは物理的な効果だけでなく、マッサージよる刺激が快感に繋がるような方法が望ましい。つまり、「気持ち良い」という感覚は、副交感神経に働きかけ、メンタルな面での美容効果の向上に繋がる。
【0006】
前記の理由で、マッッサージは、その方法が気持ちよく、被施術者がリラックスした状態で行うのが理想である。しかしながら一部美容方法、器具には逆に痛みや苦痛、不快感を伴うものがある。
【0007】
例を挙げると、エステティックサロンで一般的に行われている、脂肪減少のためのもみだし方法などは、指先で脂肪細胞を潰すため、マッサージを受ける際に、かなりの痛みを伴う。マッサージを受けた部分がうっ血し、痣が残る場合もある。痩せるためにはマッサージの間我慢を強いられることになる。
【0008】
マッサージ器具においても、皮膚に触れる部分の温度や素材による触感、マッサージの方法や刺激の方法に起因し、苦痛や不快を感じるものがある。
【0009】
特許文献4には、皮膚表面に電気的な刺激を与える方法が開示され、筋肉に刺激を与え美肌効果を期待できるとされているが、顔に刺激を与える際に、細かい皮膚表面の傷、たとえて言えばひげそりあとのような、傷がある場合に、電気刺激による痛みを伴うと考えられる。また、歯の治療に金属が使われている場合も同様である。
【0010】
リンパマッサージのように、顔全体に刺激を与え、血液やリンパ液の流れを促すものと、つぼや筋肉の凝りにピンポイントで刺激を与える二つの方法が組み合わさることで、効果が増大する。刺激について言えば緩急があり、リズミカルで、痛みや不快感を伴わない程度に強弱のある刺激がもっとも心地よいと考えられる。
【0011】
リンパマッサージとして、特許文献1には、球状ないしは粒状のゲルマニウムを、一部が表面に突出するように埋没したローラが開示され、マッサージとゲルマニウムの効果が謳われている。しかしながら、ゲルマニウムが人体の健康や美容に効果を奏することは、科学的、医学的に必ずしも十分な検証がなされていないようである。
【0012】
また、吸引することにより、皮膚の老廃物を除去できたり、吸引口の部分にローラやボールを設けることにより、マッサーシ効果が期待できたりする美顔用マッサーシ器も、考案されている。このような例として、特許文献2には、一対のローラと当該ローラの間に設けられた吸引室を有するマッサーシ器が開示されている。また、特許文献3には、吸引口と当該吸引口を構成する周縁部に、複数のボールを回転可能な状態で配設した吸引器が開示されている。
【0013】
しかしながら、前者においては、ローラによるマッサージなので、対象となる身体の部位は凹凸の少ない、腹部、大腿部、臀部に限定され、凹凸の多い部位に適用させるため、ローラを小型化しても、ローラは一方向にしか動かせないので、使用に際し、頻繁に持ち替えたり、皮膚表面から離したりする必要がある。
【0014】
後者においては、脂肪減少のため吸引量を一定に保った状態で回転反復運動を行うマッサージ方法がとられている。エステティックサロンで行うもみ出し方法を、器具で行うわけであるが、もみ出し方法同様、マッサージの際に苦痛がともなうという課題が残る。特に顔のように脂肪組織の薄い箇所では、より苦痛を感じるのではないかと考えられる。
【0015】
さらに、両者ともに一定の吸引力で、吸引しながら移動するという方法でマッサージを行うため、ピンポイントでつぼを刺激することは難しい。止まった状態で吸引を続ければ、吸引している部分がうっ血する恐れがある。つぼに刺激を与えるだけの吸引力を持ってすればうっ血の恐れや痛みを伴い、逆に吸引力を弱めれば効果が期待出来ないという結果となる。
【0016】
皮膚に密着しているアタッチメントを移動させる際にも課題が残る。吸引によって負圧がかかり脂肪層は上方向に吸い上げられる。両者のアタッチメントが皮膚表面上を移動する際、脂肪層は常に上方向に吸い上げられた状態である。上方向に脂肪層を吸引しながら、アタッチメントを水平方向に動かすには力が必要である。アタッチメントを移動させる際、ローラもしくは回転するボールを使用することで力の軽減をしたとしても、操作者に負担がかかることには変わりがないように考えられる。
【0017】
従来の吸引式美顔器では、マッサージは脂肪組織を吸引して行われる。脂肪層の厚い部分では本来のマッサージ効果が期待出来るが、脂肪層の薄い、たとえば額やこめかみといった箇所のマッサージの効果は、殆ど期待出来ないという課題が残る。
【0018】
吸引力が一定の場合、音の課題がある。一定の音が続くより、間隔をあけて聞こえる、さらにいえばリズム感がある音の方が多くの人は心地良いと感じる傾向にある。一定の吸引力で移動する場合、聞こえてくるモータ音はフラットである。顔をマッサージする場合、耳の近くでフラットなモータ音をマッサージ中聞かされているのはかなり苦痛である。
【0019】
両者は身体の対象となる部位により、アタッチメントを替えてマッサージするとこともできる。いずれにしても、吸引するためのモータは一つであり、より広い部位、例えば腹部や大腿部といった吸引を可能にするためのモータを使用しているためで、アタッチメントを替えても、生ずる音の大きさは変わらず、耳に近い顔のマッサージ中は一層大きな音が響くという課題がある。
【0020】
顔のマッサージにおいて、交感神経を鎮めリラックスした状態で行うのが美容効果を高める。すなわち交感神経が副交感神経へ移行する、眠りを誘うような音が理想的である。
【0021】
さらに使用場所に言及すると、一般には高温多湿の環境においては、皮膚の表面で発汗が起き、血液も流れやすく、老廃物の除去ならびに凝りの解消という点で好都合で、例えば入浴の際、全身がリラックスした状態で用いることで、マッサージ効果が増大すると考えられる。それには機器の防水が不可欠になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】 特開2008−119181号公報
【特許文献2】 特許第4083225号公報
【特許文献3】 特許第4375680号公報
【特許文献4】 特開2008−173230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
従って、本発明の課題は、前記の課題に鑑み、吸引機構とマッサージ機能を併せ持ち、しかもコンパクトで使用場所の限定が少なく、従来の製品より使用感度が向上し、効果の大きい美顔用マッサージ器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明は、前記課題の解決のため、吸引口にボールを配したマッサージ器の全体の構成と、吸引機構にリズミカルに吸引を行う機能を付与することで、マッサージ効果を向上させることを検討した結果、なされたものである。
【0025】
即ち、本発明は、吸引口と吸引室を具備してなる吸引ヘッドと、前記吸引口を構成する周縁部に回転可能な状態で設けられてなる複数のボールと、前記吸引室を負圧にするための吸引機構を有し、前記吸引機構は、前記吸引室の減圧と大気圧への開放を、一定のシーケンスで繰り返すことが可能で、かつ前記シーケンスを制御するプログラムを少なくとも一つ具備することを特徴とする美顔用マッサージ器である。
【0026】
また、本発明は、前記ボールが永久磁石を含むことを特徴とする、前記の美顔用マッサージ器である。
【0027】
また、本発明は、前記周縁部における前記ボールの内側に、前記周縁部とほぼ同じ形状を有する永久磁石を配置してなることを特徴とする、前記の美顔用マッサージ器である。
【0028】
また、本発明は、前記吸引口が円形であることを特徴とする、前記の美顔用マッサージ器である。
【0029】
また、本発明は、前記吸引機構がダイヤフラムポンプを具備することを特徴とする、前記の美顔用マッサージ器である。
【0030】
また、本発明は、前記吸引ヘッドが交換可能であることを特徴とする、前記の美顔用マッサージ器である。
【0031】
また、本発明は、前記吸引ヘッドと、前記吸引機構と、前記吸引機構を駆動する電源が一体となっていることを特徴とする、前記の美顔用マッサージ器である。
【0032】
また、本発明は、前記吸引ヘッドが、前記吸引機構及び前記吸引機構を駆動する電源を収納してなる本体と分離可能で、前記吸引室と前記吸引機構が、可撓性を有するホースで接続されてなることを特徴とする、前記の美顔用マッサージ器である。
【0033】
また、本発明は、防水機能を具備することを特徴とする、前記の美顔用マッサージ器である。
【発明の効果】
【0034】
本発明の美顔用マッサージ器は、前記の構成を具備し、吸引と負圧の解放をリズミカルに行えることから、吸引口の皮膚への吸着が過度になることがなく、皮膚表面を移動できるので、顔全体を吸引移動しながらマッサージする方法と、停止した状態でつぼや凝りに刺激を与えるマッサージ方法の二つ使用方法が可能となる。
【0035】
つまり、本発明による、美顔用マッサージ器においては、吸引口の周縁部に回転可能な状態で複数のボールが配されているので、使用部位に吸引口を押しあてながら、方向の制限なく移動出来る。また周縁部が円形であるので、移動方向に制限が少なく、小鼻や目の周囲など細かい部分に密着させる事が可能で吸引力が保持可能で、しかも持ち手を替えることなく、効果的なマッサージを施すことが出来る。
【0036】
また本発明の美顔用マッサージ器においては、吸引口の周縁に配するボールとして永久磁石を用いることにより、赤血球に含まれるヘモグロビンに構成要素として含まれる鉄イオンに働きかけて血流を促す。さらに磁力線が血液中のイオンを増加させ、イオンが神経糸に働きかけることで、マッサージ効果を増進する。
【0037】
ここで用いる永久磁石として、特に材質的な限定はなく、できるだけ高磁束密度が得られる方が、本発明の目的に適うので、例えば、Nd−Fe−Bのような希土類磁石が望ましいが、安価な、安価なフェライト系の磁石でも使用可能である。さらにはプラスチック磁石のような材料でも使用可能なのは勿論である。
【0038】
なお、吸引口の周縁に配するボールとして、永久磁石を用いない場合であっても、鉄、ニッケルなどの磁性材料からなるボールを用い、周縁部の内側に、周縁部と同様形状の永久磁石を配することで、磁性材料からなるボールが磁化され、磁力線を放射するので、永久磁石のボールを用いた場合とほぼ同じ効果が得られる。しかも、この構成によれば、汎用の鋼球などを用いることができるので、製造コストの低減が期待できる。また、アルミナやジルコニアのようなセラミックボールを用いても、永久磁石自体に由来する磁力線が、効果が奏することは勿論である。
【0039】
また、本発明の美顔用マッサージ器においては、使用者に快感を喚起させる、またはリラックス状態に導くシーケンスをプログラミングした吸引機構を有することが可能である。前記機構で皮膚への刺激は、負圧と負圧からの解放のサイクルによって行われている。負圧をかけ、その負圧が最高に到達するまでの時間、つまり減圧速度と、その後負圧を解放し負圧を最小にするまでの時間、つまり昇圧速度を、一定のシーケンスまたは曲線を生成するようにプログラミングされている。
【0040】
前記吸引機構により、マッサージ中に発生する音は、一般的に心地良いと感じられる、同じ波形が周期的に繰り返され、規則性のある波形を持つ音である。そして、事前にプログラミングされたシーケンスは、操作者によって選択可能であり、操作者の肌の状態や気分にあったマッサージが提供出来る。
【0041】
前記機構で皮膚への刺激は、負圧と負圧からの解放のサイクルによって行われている。負圧がピークになるまで脂肪組織は上方へ吸引されるが、その後脂肪細胞は負圧から解放されもとの状態に戻る。負圧がゼロの状態が周期的に起こり、吸引ヘッドの移動は負圧が負荷されない状態の時に行われる。よって、操作者はリンパの流れに沿ったマッサージを、自在に施すことが可能で、効果がより期待できる。痛みやうっ血の恐れがないのは言うまでもない。
【0042】
前記機構により、従来の吸引式美顔器で課題となっていた脂肪層の薄い部分、たとえば額やこめかみといった部分のマッサージが可能である。
【0043】
前記吸引機構により、少ない真空度でも効果が期待できるため、モータ駆動装置および吸引室構成装置を含む、構成要素のすべて小型化と軽量化が出来、吸引口と吸引機構、駆動モータ、コントローラを一体化とした形状も可能で、また、分離型の形状であっても、コンパクト化に寄与し、携帯性やハンドリングに優れている。そして、一体型、分離型のいずれの場合も、吸引ヘッドを交換可能の構造とすることで、使用目的に従って別なものを使用できる他、洗浄が容易で衛生を確保できる。
【0044】
さらに、電源として、電磁誘導や電磁界共鳴などを利用したワイヤレス充電が可能な二次電池を用いることが、コードなど余分な部品を不要とすることになり、一層のコンパクト化に寄与する。
【0045】
また、本発明においては、防水機能を付与することでたとえば浴室のような高温多湿で、直接水分と接することか不可避な環境でも使用可能となり、前記の理由から、マッサージ効果を増進する事が可能である。
【0046】
ここで形状について言及すると、一体型の構造の場合であれば、たとえば浴室などでも置き場所をとらず、かつ衛生を考慮し、吸引ヘッド部分が他の物に触れないように、吸引ヘッド側と反対側に平坦な底部を形成して自立できるものとするのが望ましい。また、前記の理由から分離型の構造の場合、ケーシング内にコントローラ、吸引ヘッド、ホースが収まる構造とするのが望ましい。
【0047】
また、前記機構により機器が作動中発生する音は、吸引のみで生じるフラットな音ではなく、ダイヤフラムポンプを介することで、リズミカルで心地良い音に変化可能で、この音はマッサージ中のリラックス効果を高め、副交感神経の働きを促す事で美容効果の向上が期待できるのは前記の通りである。さらに、使用感とリラックス作用を向上するために、吸引ヘッドの内部に骨伝導による伝音手段を付加することで、使用中に利用者が愛聴している音楽を聴くことが可能となり、効果の増加が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】 本発明に係る美顔用マッサージ器の一体型の一例を示す図、図1(a)は正面図、図1(b)は側面図。
【図2】 本発明に係る美顔用マッサージ器の分離型の一例の内部を示す平面図。
【図3】 分離型の美顔用マッサージ器に用いられる吸引ヘッドの一例を示す図、図3(a)は側面図、図3(b)は正面図。
【図4】 本発明に係る美顔用マッサージ器の分離型の一例の外観を示す平面図。
【図5】 分離型美顔用マッサージ器のケーシングの外観を示す図、図5(a)は平面図、図5(b)は側面図。
【図6】 通常の正弦・余弦曲線のシーケンスの第一の例。
【図7】 通常の正弦・余弦曲線のシーケンスの第二の例。
【図8】 吸引の勾配を大きく、解放の勾配を小さく設定したシーケンスの例。
【発明を実施するための形態】
【0049】
次に本発明の実施の形態について、具体的な図を参照しながら説明する。
【0050】
図1は、本発明に係る美顔用マッサージ器の一体型の一例を示す図で、図1(a)は正面図、図1(b)は側面図である。図1において、1は吸引口、2は吸引口を構成する周縁部、3はボール、4a、4bは吸引力調整ボタン、5a、5bはプログラム選択ボタン、6は充電ランプ、7は二次電池充電ソケット、8は自立用の底部、9は吸引室、10は上部ケーシング、11はコネクタ、12は可撓ホース、13はマクロプロセッサなどを含む制御用電子回路基板、14は下部ケーシング、15はダイヤフラムポンプ、16はモータ、17は二次電池である。
【0051】
この例では、ボール3として、表面にニッケルメッキを施したNd−Fe−B磁石を用いていて、磁力線の効果が期待できる。上部ケーシング10と下部ケーシング14の接合部は摺動可能となっていて、吸引口2の角度を変えることができる構造となっていて、顔のような凹凸の多い表面における移動を容易にする。また、周縁部2は例えばシリコーンゴムのような皮膚を傷つけない材質で構成される。
【0052】
図2は、本発明に係る美顔用マッサージ器の分離型の一例の内部を示す平面図であり、図3は分離型の美顔用マッサージ器に用いられる吸引ヘッドの一例を示す図で、図3(a)は側面図、図3(b)は正面図である。図2及び図3において、18はケーシング、19は吸引ヘッド、20は二次電池、21はモータ、22は二次電池充電ソケット、23はコネクタ、24は可撓ホース、25はダイヤフラムポンプと可撓ホースを接続するためのコネクタ、26はダイヤフラムポンプ、27は吸引ヘッドと可撓ホースを接続するためのコネクタ、28はボール、29は吸引口である。
【0053】
また、図4は、本発明に係る美顔用マッサージ器の分離型の一例の外観を示す平面図であり、図5は、図2及び図4に示した分離型美顔用マッサージ器のケーシング18の外観を示す図で、図5(a)は平面図、図5(b)は側面図である。図4及び図5において、31a、31bはプログラム選択ボタン、32a、32bは吸引力調整ボタン、31は二次電池充電ソケット、33a、33bはカバーである。
【0054】
図2ないし図4に示したように、本発明の分離型の美顔マッサージ器においては、吸引ヘッド19は、コネクタ23、25、27を介して可撓ホース24に接続され、非使用時は、本体に部分に設けられた収納スペースに収納可能で、カバー32a、32bにより異物などと接触しないようになっていて、衛生を確保できる。
【0055】
本発明の美顔マッサージにおいては、吸引機構の駆動モータがマイクロプロセッサ搭載コントローラによって作動する。そして、様々の件及び目的にあった種々の吸引シーケンスを、マイクロプロセッサのチップに、インストール可能である。
【0056】
たとえば、吸引力、つまり吸引室の真空度を増大させるとレート(サイクル)が減少し、真空度を減少させるとサイクルが増大させることも可能である。皮膚の感覚は、真空が増大されていく過程で吸引力を感じ、吸引力が減少している過程で吸引力からの解放を感じるため、常に吸引されている状態とは異なり、リズミカルで心地良い刺激を感じるとともに、吸引、解放といった二つの刺激でよりマッサージ効果を向上する。
【0057】
また、前記のように吸引のシーケンスが設定可能で、吸引を持続するだけでないことから、吸引口を顔の一定の部位に停止させた状態での、つぼ刺激マッサージも可能である。
【0058】
具体的なシーケンスの一例について言及すると、例えば、2.67kPa(20mmHg)から33.3kPa(250mmHg)の範囲内で変化させると同時に、吸引サイクル全体を最大真空度で約47サイクルル/分から最小真空度で約78サイクル/分まで変化させて、加えられる真空か低い場合にサイクルの数を増加させるようにすることも可能である。
【0059】
さらに、吸引室の圧力と時間の関係、つまり圧力を縦軸、横軸を時間とした曲線を、通常の正弦・余弦曲線としたり、減圧する際と解放する際の勾配を変化させたりすることも可能である。図6と図7は、通常の正弦・余弦曲線でサイクル数を変えたシーケンスの例で、図8は吸引の勾配を大きく、解放の勾配を小さく設定したシーケンスの例である。
【0060】
以上に説明したように、本発明の美顔マッサージ器においては、使用者の状態や目的に沿った、様々なシーケンスで、吸引と解放を繰り返すことが可能であり、美顔効果の向上に寄与するものである。なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の分野における通常の知識を有する者であれば想到し得る、各種変形、修正を含む、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても、本発明に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0061】
1,29 吸引口
1,29 吸引口
2 周縁部
3,28 ボール
4a,4b,30a,30b 吸引力調整ボタン
5a,5b,31a,31b プログラム選択ボタン
6 充電ランプ
7,22,30 二次電池充電ソケット
8 自立用の底部
9 吸引室
10 上部ケーシング
11,23,25,27 コネクタ
12,24 可撓ホース
13 制御用電子回路基板
14 下部ケーシング
15,26 ダイヤフラムポンプ
16,21 モータ
17,20 二次電池
18 ケーシング
19 吸引ヘッド
32a,32b カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引口と吸引室を具備してなる吸引ヘッドと、前記吸引口を構成する周縁部に回転可能な状態で設けられてなる複数のボールと、前記吸引室を負圧にするための吸引機構を有し、前記吸引機構は、前記吸引室の減圧と大気圧への開放を、一定のシーケンスで繰り返すことが可能で、かつ前記シーケンスを制御するプログラムを少なくとも一つ具備することを特徴とする美顔用マッサージ器。
【請求項2】
前記ボールは、永久磁石からなるボールまたは磁性材料からなるボールの少なくともいずれかを含むことを特徴とする、請求項1に記載の美顔用マッサージ器。
【請求項3】
前記周縁部における前記ボールの内側に、前記周縁部とほぼ同じ形状を有する永久磁石を配置してなることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の美顔用マッサージ器。
【請求項4】
前記吸引口は、円形であることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の美顔用マッサージ器。
【請求項5】
前記吸引機構は、ダイヤフラムポンプを具備することを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の美顔用マッサージ器。
【請求項6】
前記吸引ヘッドは交換可能であることを特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の美顔用マッサージ器。
【請求項7】
前記吸引ヘッドと、前記吸引機構と、前記吸引機構を駆動する電源が一体となっていることを特徴とする、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の美顔用マッサージ器。
【請求項8】
前記吸引ヘッドは、前記吸引機構及び前記吸引機構を駆動する電源を収納してなる本体と分離可能で、前記吸引室と前記吸引機構は、可撓性を有するホースで接続されてなることを特徴とする、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の美顔用マッサージ器。
【請求項9】
防水機能を具備することを特徴とする、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の美顔用マッサージ器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−106926(P2013−106926A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−270654(P2011−270654)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【特許番号】特許第4936263号(P4936263)
【特許公報発行日】平成24年5月23日(2012.5.23)
【出願人】(511115480)
【Fターム(参考)】