説明

義歯安定剤セツト

【課題】義歯が歯茎に完全な状態で固定するまでに時間を要する事、又固定後に口にする食事、水分等が義歯と歯茎の隙間から入る毎に安定剤の成分が次第に溶け出して違和感を覚え、同時に粘着力が低下してゆくものである。
【解決手段】クリーム状粘着タイプ義歯安定剤を熱し、半液体状にして義歯の安定剤として使用する事で義歯と歯茎とがより一層持続力を持って固定し、又製剤が溶け出す違和感も少ないその使用方法と、それに伴う用具等の提供をする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水溶性高分子を主基剤とするクリーム状粘着タイプ義歯安定剤を熱し、半液体状固定タイプ義歯安定剤にするための用具に関する。
【背景技術】
【0002】
義歯安定剤は作りたての新しい義歯を使用している人に対しては、不必要ではあるものの、同じ義歯を長い間使用している人達は、歯茎が細り義歯が歯茎に
対して不具合となってガタツキ始める為、そうした義歯と歯茎を固定するための、パウダー状、シート状など、いろいろな義歯安定剤があるが、その中で一般的に良く使用されているものが、水溶性高分子を主基剤とするクリーム状粘着タイプ義歯安定剤と、酢酸ビニル樹脂を主基剤とする密着タイプの義歯安定剤がある。
【0003】
後者の、酢酸ビニル樹脂を主基剤とする密着タイプは、チユ‐ブ容器から弾力性の有る安定剤を押し出し、義歯の床全体に均等に広げ、それを上下の歯を噛み締める事で、義歯からはみ出した余分な安定剤を取り除き、再度その義歯を歯茎に取り付け使用するものである。
【0004】
この様なため、取り付けに面倒な事、及びまだ改良の余地がある薬品の臭い、又エタノールを使用しているために口の中でピリピリ感を覚えるもので、この味
と臭いは少し敏感な人に対しては使用しずらいもので、チューインガムと類似した樹脂等を含んだ製剤が、義歯と歯茎との隙間を埋めて、義歯を歯茎に取り付ける時、その中の空気を追い出して吸盤の作用により義歯を歯茎に固定させるもので、使用後に義歯を取り外し、水洗いして続けて2、3日間使用する事が出来る反面、歯茎に対して固定する義歯の状態は不安定なものである。
【0005】
一方、前者のクリーム状粘着タイプの安定剤は、チューブ容器からクリーム状の柔らかな安定剤を押し出し、義歯が歯茎と密着する義歯の要所の部分に塗布し、その義歯を歯茎に嵌め込んで、義歯を歯茎に固定させるものである。
【0006】
こうしたクリーム状粘着タイプの義歯安定剤は、メーカーにより使用される成分がほぼ同様のもの、又はその成分の配合量等が異なり、これらの事によって、各々の安定剤の粘着力に特徴を持つもので、一般的にメトキシエチレン無水マレイン酸共重合体塩、カルボキシメチルセルロースナトリウム等の主要成分からなる安定剤を義歯床に取り付け、義歯を歯茎に取り付けた後、それらの隙間から入る唾液等により膨潤させ、その粘着力によって義歯を歯茎に固定させることが出来るもので、食品の中でプリンやゼリーなどを固める成分等を使用し体に対して無害である反面、義歯のガタツキが酷い人にとつては接着力及びその持続力が弱いため、満足している人は少ないのである。
【0007】
又、この安定剤は、義歯が歯茎に完全な状態で固定するまでに、時間を要する事と、固定後に口にする食事、又は水分等が義歯と歯茎の隙間から入る毎に、今度は安定剤の成分が次第に溶け出して違和感を覚え、同時に粘着力が低下してゆくものである。
【0008】
これらの溶け出した安定剤の成分は、体内に入り排泄されるが、義歯のガタツキ具合が酷い人にとっては接着力及び持続力が弱いため、一日に何回となく義歯が歯茎から緩みだし、その都度安定剤を取り付けて、義歯を使用している人々が非常に多い状況なのである。
【特許文献1】実公平5−20328号 公報
【特許文献2】特開平10−165421号公報
【特許文献3】特開平9−12421号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記に記載した如く、一般的に使用されている義歯安定剤は、密着タイプとクリーム状の粘着タイプの2種類で、そのうちクリーム状粘着タイプの安定剤は、義歯の歯茎に密着する部分に取り付けて、その義歯を歯茎に取り付けてから、徐々に唾液等が義歯と歯茎の隙間から入って混ざる事により、粘着力が出るために、義歯と歯茎が完全な状態で固定するまでには時間を要し、又使用中に製剤が溶け出す違和感と粘着力が弱いため、一日に何回となく義歯に安定剤を付け直し、使用している人が非常に多い状況なのである。
【0010】
この様な状況の中で、義歯安定剤を使用する全ての人は粘着力が強く、又製剤が溶け出す違和感の少ない、義歯安定剤を望んではいるものの、口の中で使用する義歯安定剤の成分によっては、直接身体に悪影響を及ぼすために、使用出来る成分の範囲が限られて、全ての面で満足のゆく製品の開発が進みにくいものであったが、本発明は、クリーム状粘着タイプ義歯安定剤の使用成分を其の儘で、又は片栗粉を加えて、この様な問題点の解決を目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、クリーム状粘着タイプ義歯安定剤(5)を其の儘、又は片栗粉を加えたものを熱して、半液体状固定タイプ義歯安定剤(5a)にしてから、義歯(1)(1A)が歯茎(1B)に密着する要所の各部分(1a)(1b)(1c)(1d)、又は(2a)(2b)(2c)へ置き、義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に取り付けてから、一旦取り外し、歯茎(1B)の表面、又は義歯(1)(1A)の前記要所の各部分に取り付いた半液体状(5a)に、唾液、又は水分を含ませてから、再度義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に取り付けるか、又は半液体状(5a)に、唾液、又は水分を含ませる時、同時に義歯(1)(1A)の前記要所の部分(1a)(1b)、(2a)(2b)に、安定剤(5)を取り付けてから義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に取り付けるものである。
【0012】
この様に、安定剤(5)を熱し、半液体状(5a)にして使用するために、使用時に必要な安定剤(5)の分量、又はその安定剤(5)の分量に片栗粉を加えたものを、熱と水に強く、熱を伝え易い紙製、合成樹脂製、金属製、ガラス製等による素材のもの、又はこれらの素材の組み合わせによって作られた、袋状の用具(2)(2A)、並びに容器(8)(16)等に入れて密封し、熱湯内、又はレンジ内で熱する事が出来る様にしたものである。
尚、家庭内等で使用されている電子レンジは、主に料理用として作られている為に、極小さい物は温める事が出来ず、金属製以外の小さい物は、容器等に水を入れ、その中に入れて温める等の工夫が必要である。又安定剤(5)は、メーカーによって使用成分、及び成分の配合量の違いなどから、熱する事により一層柔らかくはなるものの、短時間熱しただけではドロドロとした半液体状にならないものもある。
【0013】
又、チューブ(15)等から使用時に必要な安定剤(5)の分量を取り出し、安定剤(5)の儘、又はその安定剤(5)に片栗粉を加えたものを、前記で述べた同様の素材等による袋状の用具(2)、又は容器(8)に入れ、それを紙製、合成樹脂製、金属製等のシート状のもので包み、クリップ(E)、接着用テープ等により密封したもの、又は前記シート状素材だけで包んで密封し、熱湯内又はレンジ内で熱する事が出来る様にしたもので、其のうち、金属製素材の物だけはレンジでの使用が出来ないため、熱湯内に於いて熱するものである。
【発明の効果】
【0014】
上記で述べた様に、本発明は、安定剤(5)を其の儘、又は片栗粉を加えて熱し、半液体状(5a)にして、前記明細書
【0015】
内に記載した接着方法により、義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に取り付ける事により、安定剤(5)の使用時と比べ、義歯(1)(1A)が歯茎(1B)に完全に固定する時間を大幅に短縮させ、又義歯(1)(1A)と歯茎(1B)を一層確りと固定させる事が出来るのである。
【0016】
又、安定剤(5)の通常使用の場合、義歯(1)(1A)が歯茎(1B)に固定してから時間が経つにしたがって、製剤が口の中で溶け始める事により、違和感を覚えるが、安定剤(5)を前記に記載の如く熱し、半液体状(5a)にして使用する事により、安定剤(5)に含まれている成分の特性が変化する事と同時に、片栗粉を加えた事により、安定剤(5)と共に熱せられた片栗粉は、その特性により冷えた時に固まる、そうした片栗粉の特徴を活かしたもので、それらの事が義歯(1)(1A)と歯茎(1B)が固定した後、徐々に安定剤(5)の時よりも製剤自体が硬く弾力性に富む物となり、時間が経っても製剤の溶け出しが少ないために、違和感に拘る事もなく、同時に接着力の持続性も増すことで、長時間確りと義歯(1)(1A)が歯茎(1B)に固定するもので、特に義歯(1)(1A)と歯茎(1B)のガタツキ具合が酷い人に対しては、安定剤(5)に片栗粉を加え、熱して使用する事で、より一層接着力が強いものとなり、非常に効果を発揮する義歯安定剤になるのである。
【0017】
又、義歯(1)(1A)と歯茎(1B)との固定の度合いも、従来の粘着性による固定度合いと比べ、確りと義歯(1)(1A)が歯茎(1B)に固定されるため、食事、会話
等全てに於いて、自分の歯と頗る類似した固定度合いとなり、しかも長時間この様な状態を保つ事が出来るなど、数々の効果を生み出す事が出来たのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0019】
現在、数多い種類の義歯安定剤が市販されている中で、水溶性高分子を主基剤とするクリーム状、所謂ネリ状の粘着タイプの義歯安定剤(5)は、上顎用義歯(1)、又は下顎用義歯(1A)の要所の各部分(1a)(1b)(1c)(1d)、又は(2a)(2b)(2c)に安定剤(5)を塗布してから、歯茎(1B)へ義歯(1)(1A)を嵌め込み取り付けてから、安定剤(5)の成分が唾液又は水分等を含む事により、粘着力を生み出す、そうした成分の特性を活かし、義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に固定させる医療用具としての安定剤(5)で、これらの安定剤(5)に使用されている主成分としては、メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体塩、白色ワセリン、カルボキシメチルセルロースナトリウム使用の安定剤(5)、又はメトキシエチレン無水マレイン酸共重合体塩、白色ワセリン、カルメロースナトリウム使用の安定剤(5)、及びメトキシエチレン無水マレイン酸共重合体、CMCナトリウム、ポリエチレングリコール使用の安定剤(5)など製薬会社等により、成分の相違及び成分の分量、配合など、それぞれ異なるものからなる安定剤(5)で、これら全ての使用方法は、前記で述べた如く同様の使用方法で、義歯(1)(1A)に安定剤(5)を塗布してから、歯茎(1B)に取り付け固定させるものである。
【0020】
一方、これらの安定剤(5)を使用時に安定剤(5)の儘で、又は片栗粉を加えたものを、熱湯内、又はレンジ内で熱し、クリーム状のものから半液体状(5a)にして、安定剤(5)と同様に、義歯(1)(1A)の歯茎(1B)に密着する要所の各部分に置き、その義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に取り付けた後、一旦義歯(1)(1A)を歯茎(1B)より取り外し、歯茎(1B)等に取り付いた半液体状(5a)の表面に、唾液又は水分を含ませてから、再度義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に取り付ける事により、其の侭安定剤(5)を使用した時と比べ、義歯(1)(1A)が歯茎(1B)に固定する即効力と接着力とが、頗る強力でより確りと固定し、又その持続力にも優り、同時に半液体状(5a)が溶け出す違和感も少ない安定剤(5)の使用方法で、安定剤(5)に含まれている成分の特異性と、並びに片栗粉の特徴を、この様な方法により生み出し、又適用したものである。
【0021】
上記で述べた様な安定剤(5)を熱し、半液体状(5a)にして使用するために、使用時に必要な安定剤(5)の分量を、熱と水に強く、又熱を伝え易い紙製、合成樹脂製、金属製、又はガラス製による素材のもの、並びにこれらの素材の組み合わせによって作られた、袋状の用具(2)(2A)、又は容器(8)(16)等に入れ密封してから小さな鍋等の熱湯内、又はレンジ内で熱する事が出来る様にしたものである。
【0022】
又、同様にチユーブ(15)等から、使用時に必要な安定剤(5)の分量を取り出して、それに片栗粉を加えたもの等を、袋状の用具(2)、又は容器(8)等に入れ、それを紙製、合成樹脂製等のシート状のもので包み、クリップ(E)や接着用テープを使用して密封するか、又は直接袋状の用具(2)及び容器(8)の口の部分をクリップ(E)や接着用テープ、輪ゴム等で密封し、熱湯内、又はレンジ内で熱する事が出来る様にするものである。
【0023】
又、チューブ(15)等から、紙製、合成樹脂製、及び金属製等のシート状素材に、使用時に必要な安定剤(5)の分量、又は片栗粉を加えたものを包み、クリップ(E)、又は接着用テープ、輪ゴム等で封をして、密封したものも同様に使用する事が出来るものである。
【0024】
この様に、使用時に必要な安定剤(5)の分量、又はその安定剤(5)に片栗粉を加えて密封したものを、ほんの僅かな時間熱湯内、又はレンジ内で熱する事により、密封された安定剤(5)は、これらの内部で一層柔らか物になるものと、安定剤(5)によってはドロドロとした半液体状(5a)になるのである。
【0025】
上記の様に、安定剤(5)が半液体状(5a)になった熱湯内の袋状の用具(2)(2A)、又は容器(8)(16)及びシート状等で包んだものを取り出し、袋状の用具(2)(2A)の口から、又は袋状の用具(2A)の切り口部分(4)を切り開き、又容器(8)の口(9)及び容器(16)の口部分のキャップ(19)を取り、又シート状などで密封したものはハサミなどで端を切り開き、中身の半液体状(5a)を義歯(1)(1A)の歯茎(1B)に密着する要所の各部分(1a)(1b)(1c)(1d)、又は(2a)(2b)(2c)へ置き、極僅かの間、半液体状(5a)を冷やしてから、その義歯(1)(1A)を歯茎(1B)へ嵌め込む様にして取り付けるものである。又金属製以外の素材によって前記記載の如く各種の方法で密封した安定剤(5)を半液体状(5a)にするために、水を入れた容器等に入れてからレンジ内で熱しても、半液体状(5a)にして同様に使用する事が出来るものである。
【0026】
この様にして、義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に取り付けた後、上下の歯で暫く噛み締めておく事で、半液体状(5a)が、義歯(1)(1A)と歯茎(1B)に密着する前記要所の各部分に十分行き渡り、半液体状(5a)を義歯(1)(1A)並びに対する歯茎(1B)の各部分に確りと取り付ける事が出来るのである。
【0027】
この様な状態から暫くして、一旦義歯(1)(1A)を歯茎(1B)から取り外し、歯茎(1B)の表面、又は対する義歯(1)(1A)の部分に取り付いた半液体状(5a)の表面を、舌でサラッと嘗める程度の唾液、又は水分を含ませてから、義歯(1)(1A)を再度歯茎(1B)に取り付けて、僅かの間上下の歯を噛み締めたままにする事で、ピタッと義歯(1)(1A)が安定剤(5)の使用時には考えられぬ程の即効力で、確りと強力に歯茎(1B)に接着固定され、しかも半液体状(5a)にした事により、製剤が溶け出す違和感も少なく、この様な状態を約一日間持続させ、プラスチック床、及び金属床の義歯(1)(1A)に対して使用する事が出来るのである。又、一旦義歯(1)(1A)を歯茎(1B)から取り外し、半液体状(5a)の表面を、舌でサラッと嘗める程度の唾液を含ませて、義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に取り付けた時、義歯(1)(1A)と歯茎(1B)の不具合等により、確り固定しない場合には、直ぐ又取り付け直す事により、確実にその効果を発揮する固定の状態にする事が出来るのである。
【0028】
又、義歯(1)(1A)が歯茎(1B)に対してガタツキが少ない人などは、半液体状(5a)を取り付けた義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に取り付けて、其の侭使用する事が出来る人、又それでは接着力が多少弱いと感じる人などには、義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に取り付けてから、一旦取り外すまでの間をより短くする事等で、確りと強く義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に固定させる事が出来るのである。
【0029】
又、半液体状(5a)を、義歯(1)(1A)の歯茎(1B)に密着する要所の各部分に取り付けてから、義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に取り付け、上下の歯で確りと噛み締めながら暫くして、義歯(1)(1A)を歯茎(1B)より取り外し、舌を使って唾液を歯茎(1B)の各表面部分に取り付いた、半液体状(5a)に含ませる方法が、例えば水を脱脂綿等に含ませて、義歯床上に取り付いた半液体状(5a)に含ませるより、義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に固定させる為の作業が素早く、しかも簡単に出来るものである。
【0030】
又、半液体状(5a)にして、その半液体状(5a)を義歯(1)(1A)の歯茎(1B)に密着する要所の各部分(1a)(1b)(1c)(1d)、又は(2a)(2b)(2c)に適度に置くか、又はヘラ(F)等を使って適度に均し、ドロドロ、又は更に柔らかになった半液体状(5a)が多少冷えてきた時、義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に取り付ける事が、より確実に義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に固定させる要因に繋がるものでもある。
【0031】
この様に、複数の成分からなる安定剤(5)は、唾液、又は水分を含ませる事により、粘着性による接着力が生まれる特性を持っている外に、安定剤(5)を一度熱して、半液体状(5a)にしてから、唾液、又は水分と結合する事により、義歯(1)(1A)が歯茎(1B)に確りと固定する即効力と同時に、強い接着力を生み出す特異
性を持つ物である事が解ったのである。しかしながら現在、一般的に安定剤(5)に使用されている成分は熱する事により分解するとの見解から、安定剤(5)のこの様な使用方法はなさていなかったものである。
【0032】
又、元来義歯を使用する多くの人の願望として、義歯安定剤(5)を使用し、義歯が歯茎に確りと長時間持続して固定され、しかもそれが自分の歯と類似した固定度合いとなり、又製剤の溶け出す違和感もなく、飲食、会話等に何等支障がない、こうした安定剤(5)によって義歯を使用する事を、誰もが求めている事なのである。
【0033】
これらの事を十分頭に入れ、安定剤(5)の粘着力を如何にこれ以上、違和感なく強いもにする事が出来るものか、いろいろと模索をした結果、義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に取り付ける時、双方が接し密着する義歯(1)(1A)と歯茎(1B)の面に対し、どの様にして同量に近い安定剤(5)を、双方に対して取り付ける事ができるか、又その事により、今まで義歯(1)(1A)だけに安定剤(5)を塗布したものよりも接着力が双方より生まれて、一層強く固定する事が出来るとの発想から、対する歯茎(1B)に対し、素早く安定剤(5)を塗布する事が出来るものかとの一案が、安定剤(5)を熱し半液体状(5a)にして使用する事としたものである。
【0034】
この方法により、義歯(1)(1A)の歯茎(1B)に密着する要所の各部分に、半液体状(5a)を置きそれを歯茎(1B)に取り付けた時、その義歯(1)(1A)の部分に密着した歯茎(1B)の各部分に、素早く半液体状(5a)を取り付けることが出来、又その半液体状(5a)の表面に唾液、又は水分を含ませる事により、今まで試みられていなかった接着力の強い、弾力性の物質に半液体状(5a)が変化して、それらが義歯(1)(1A)と歯茎(1B)を互いに強く合体させ、又義歯(1)(1A)と歯茎(1B)が固定する即効力と強い接着力、及びそれを持続する力に加え、製剤が溶け出す違和感も少ない、そうした全ての効力が自分の歯と頗る類似した義歯(1)(1A)の固定度合いとなり、合体された歯茎(1B)から、こうした状態の感覚が、はっきり伝わって来るのである。
【0035】
この様に、半液体状(5a)にして特にその効果が増す安定剤(5)として、主要成分がメトキシエチレン無水マレイン酸共重合体塩、白色ワセリン、カルボキシメチルセルロースナトリュウム使用の安定剤(5)、及びメトキシエチレン無水マレイン酸共重合体塩、白色ワセリン、カルメロースナトリュウム使用の安定剤(5)で、他の安定剤(5)で主要成分がメトキシエチレン無水マレイン酸共重合体、CMCナトリュウム、ポリエチレングリコールを使用の安定剤(5)は、もともと前記の安定剤(5)と比べ、通常の使用方法の場合でも粘着力が劣るものであるが、それでも半液体状(5a)にして同様の方法で使用する事により、其の侭で使用する時よりも接着力が増すものである。
【0036】
この様に、安定剤(5)を熱し半液体状(5a)にして使用する事で、前記で述べた如く、義歯安定剤としてより多くの効果が得られ、又同時に義歯(1)(1A)と歯茎(1B)それぞれのガタツキ具合に合せながら、使用する半液体状(5a)の分量を調節する事により、全ての人に満足するものとなるのである。
【0037】
又、時として使用中に、歯茎(1B)より義歯(1)(1A)が緩み始めた場合には、義歯(1)(1A)を歯茎(1B)より取り外し、食べかす等を除いてから、安定剤(5)を義歯(1)(1A)の歯茎(1B)に密着する要所の各部分(1a)(1b)(1c)、又は(2a)(2b)(2c)に補強する程度の安定剤(5)を取り付けて、義歯(1)(1A)と歯茎(1B)に取り付いたまま残っている半液体状(5a)と合せて、義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に取り付け直す事により、再度素早く強固に固定させる事が出来るのである。
【0038】
この様な事からも、義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に取り付ける方法を、請求項1内に記載した如く、歯茎(1B)の表面、又は義歯(1)(1A)の歯茎(1B)に密着する要所の各部分に取り付いた半液体状(5a)の表面に、唾液、又は水分を含ませる時、同時に義歯(1)(1A)が歯茎(1B)に密着する要所の部分(1a)(1b)(1c)、(2a)(2b)(2c)に安定剤(5)を取り付けてから、義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に取り付けて固定する、こうした半液体状(5a)と安定剤(5)とを合せて使用する事で、半液体状(5a)が義歯(1)(1A)と歯茎(1B)とを確り固定させる即効力に、安定剤(5)の粘着力とが相俟って、安定剤(5)と半液体状(5a)双方の、そうした長所である特性を十分活かし、安定剤(5)だけの使用時と比べ、一段と義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に強力に、しかも素早く接着固定させ、又それを持続させる事にも優れた安定剤の使用方法となり、人それぞれの義歯(1)(1A)と歯茎(1B)とのガタツキの具合に合せ、半液体状(5a)だけで、又はこの様に半液体状(5a)と安定剤(5)とを一緒に使用する事で、義歯安定剤としての効果をより一層発揮する事が出来るものとなるである。
【0039】
又、水溶性高分子を主基剤とする安定剤(5)を、義歯(1)(1A)並びに歯茎(1B)の双方に同量に近い安定剤(5)を取り付ける事により、接着力が増す一つの要因であるとの考えから、安定剤(5)に新たな成分を加えたもの、及び類似した成分を使用したもので、例えクリーム状でない義歯安定剤でも、熱して半液体状の物にして使用する事で、義歯安定剤としてその使用効果があるものは、本発明の半液体状(5a)と同様のものであり、又安定剤(5)が例え粉末、錠剤のものであっても使用成分が同様、又は類似しているものであれば、それらのものを半液体状(5a)にして使用する事も不可能な事ではないのである。又安定剤(5)に加える片栗粉も、類似した成分で例え化学的な物でも体に悪影響がない物であれば、同様に使用する事が出来るものである。
【0040】
又、安定剤(5)の分量を間違えて熱したり、都合等によって使用せず半液体状(5a)が残った場合、再度熱して使用すると接着力が低下し、こうした場合は新しい安定剤(5)に多少混ぜ、それを熱する事により支障なく残った半液体状(5a)にしたものを、再度使用する事が出来るのである。
【0041】
この様に安定剤(5)を使用時に必要とする分量、又はその安定剤(5)の分量に、片栗粉を加えたものを密封し、僅かな時間熱する事で半液体状固定タイプ義歯安定剤(5a)にしてから、前記に記載した使用方法により、クリーム状粘着タイプ義歯安定剤(5)の弱点を全て解消する事が出来たのである。
【0042】
これらの事により、安定剤(5)を使用時に必要とする分量を入れ密封する事が出来る、袋状の用具(2)(2A)と、袋等に入れた片栗粉を、安定剤(5)と同一のパッケージに収め、使用者に対しての利便性を図るため、義歯安定剤(5)とセットにしたものである。
【0043】
又、容器(8)(16)も、袋等に入れた片栗粉と一緒に、上記袋状の用具(2)(2A)と同様に安定剤(5)と同一のパッケージに収め、義歯安定剤(5)とセットにするものである。
【0044】
この様に、安定剤(5)と同一のパッケージに収める、袋状の用具(2)(2A)及び容器(8)(16)は、使い捨て用として、薄い簡単な素材等で作り、それらを複数同一のパッケージに収めたもの、又は丈夫な素材、例えばチューブ容器の素材などに使用されるアルミ二ウム、ラミネート、又はプラスチック等の素材等を使用して作り、使用後に洗う等して再度使用する事が出来きるものを、安定剤(5)と同一のパッケージに収め、義歯安定剤(5)とセットにするのである。
【0045】
又、使用時に必要とする安定剤(5)の分量を密封し、熱して半液体状(5a)にして使用する為に、袋状の用具(2)(2a)及び容器(8)(16)と、シート状素材、クリップ(E)、接着用テープ、ヘラ(F)、袋等入り片栗粉、及び輪状付き部材(14)等をいろいろ組み合わせ、これらを安定剤(5)と同一のパッケージに収め、義歯安定剤(5)とセットにするものである。又義歯安定剤(5)セットとは別に、スペアー用として、或いはそれぞれを別々に求める人のため、袋状の用具(2)(2A)又は容器(8)(16)並びにシート状の素材等、及び袋等入り片栗粉それぞれを、別々のパッケージに収めるものである。
【0046】
又、使用時に必要とする安定剤(5)の分量をいろいろな方法によって密封する事により、外出時に於いて太いチューブ容器に入ったままの安定剤(5)よりも、特に近場の場合には携帯用として持ち歩く時、大変便利なものである。
【0047】
しかしながら、本発明は、持ち運ぶ時にも便利なものではあるものの、若し外出途中で必要となった場合には、せめて茶碗(D)等の容器と熱湯、又はレンジ等が必要で、安定剤(5)を半液体状(5a)に出来ない場合には、前記で述べた如く補強する程度の安定剤(5)を使用して、義歯(1)(1A)等に取り付き残った半液体状(5a)と合せて再度、歯茎(1B)部分に取り付ける事により、素早く確リと固定してこの様に密封させた安定剤(5)を、便利に使用する事が出来るのである。
【0048】
又、永い間同じ義歯(1)(1A)を使用しているうちに、歯茎(1B)が細ってガタツキ始め、義歯安定剤を使用し始めるものであるが、人によってそれぞれ歯茎(1B)の細る部分が異なる事で、それぞれの人の義歯(1)(1A)が歯茎(1B)にきちんと密着する要所の部分へ、半液体状(5a)を多めに置く様にする事が、より確りと義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に固定させる事が出来るのである。
【0049】
こうした、義歯(1)(1A)と歯茎(1B)とが良く密着している部分を知る方法として、半液体状(5a)を義歯(1)(1A、)に取り付けから、それを歯茎(1B)に取り付けて一旦取り外した時、義歯(1)(1A)が歯茎(1B)に取り付いた、義歯(1)(1A)の接着部分の半液体状(5a)の状態をチェックして見る事により、義歯(1)(1A)と歯茎(1B)とが接している部分の状態が良く解るものである。
【0050】
この様に、安定剤(5)を使用時に必要とする分量、又はその安定剤(5)の分量に片栗粉を加え、前記に記載した如くそれぞれの方法で密封し、僅かの間熱して半液体状(5a)としたものを、義歯の安定剤として上記の記載の様に使用する事により、安定剤(5)を其の侭使用する時と比べ、素早く、長時間確りと固定し、しかも違和感が少ないために、自分の歯とより類似した感覚をもたらすものとなり、一日を爽快に過ごす事が出来るのである。
【実施例】
【0051】
この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0052】
上顎用義歯(1)床の歯茎(1B)へ密着する、要所の各部分(1a)(1b)(1c)(1d)を示したものが図1(a)(b)である。
【0053】
その上顎用義歯(1)床の要所の各部分(1a)(1b)(1c)(1d)へ、チューブ(15)内の安定剤(5)を塗布するものが図2(a )(b)で、又同様に下顎用義歯(1A)の要所の各部分(2a)(2b)(2c)へ、チューブ(15)内の安定剤(5)を塗布するものが図3(a)(b)である。
【0054】
図2(a)(b)及び図3(a)(b)の様に、安定剤(5)を義歯(1)(1A)の歯茎(1B)に密着する要所の各部分へ取り付けて、その義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に合せて取り付け、上、下の歯を噛み合わせて使用している内に、義歯(1)(1A)と歯茎(1B)の隙間から、唾液、又は水分等が含まれる事で、徐々に安定剤(5)の粘着力が出てくるもので、それ故、義歯(1)(1A)と歯茎(1B)が完全に固定するまでには、時間を要するものである。
【0055】
そして又、固定された後、今度は時間が経つに従い口にした水分、並びに唾液等が義歯(1)(1A)と歯茎(1B)の隙間から入る毎に、安定剤(5)の製剤が溶け出して違和感を覚えると同時に、安定剤(5)の効力が徐々に失われ、歯茎(1B)に取り付き固定していた義歯(1)(1A)が緩み出して来るのである。
【0056】
この様な安定剤(5)を熱と水に強く、熱を伝え易い紙製、合成樹脂製、金属製等による素材を使用した、袋状の用具(2)図4(a)(b)、及び袋状の用具(2A)図5 (a)(b)(c)に、それぞれの人が使用時に必要とする安定剤(5)の分量、又はその安定剤(5)の分量に片栗粉を加え、密封してから熱して半液体状(5a)にするものである。
【0057】
こうした袋状の用具(2)の開いた口の部分から、チューブ(15)内の安定剤(5)を入れ図4(b)、その後口を閉じ密封する方法として、クリップ(E)、接着用テープ、輪ゴム等を使用して、口の部分を閉じて密封するか、又は袋状の用具(2)の口周辺の内側に、双方が対向する位置部分に、チャック付きポリ袋(G)と同様の凸凹状のチャック(H)、又はマジックテープ(登録商標)を取り付けた、袋状の用具(2)によって密封するものであるが、袋状の用具(2)にこの様な方法でチャック(H)等を取り付けた場合、口の部分より半液体状(5a)を取り出す時、袋状の用具(2)の内側部分に取り付けたチャック(H)等の部分に、半液体状(5a)がひっ掛かり、こびり付く為、一つの袋状の用具(2)で何度も使用する袋状の用具(2)には、あまり勧める方法とは言えないが、比較的薄手の素材で図4(a)(b)の様に切り裂き部分(4)等を設けた、使い捨て用の袋状の用具(2)には適したものである。
【0058】
又、袋状の用具(2A)は図5(a)(b)(c)に示した様に、袋状のものに蓋(3)部分設けたもので、その蓋(3)の部分に、封筒等と同様の方法で、蓋(3)の裏側部分に接着させるための接着剤(6)を取り付け、密封する事が出来る様にしたもので、これと同様の方法で、接着剤(6)に代えて、凸凹状のチャック(H)、又はマジックテープ(登録商標)の片方を取り付けた袋状の用具(2A)の蓋(3)の裏側部分を、同本体の表面部分にもう片方のチャック(H)、又はマジックテープ(登録商標)を取り付けて双方が重なる様に折り曲げる図5(a)事により 密封する事が出来る様にするものである。
【0059】
又、図4(a)(b)及び図5(a)(b)(c)の図で示した袋状の用具(2)(2A)は、主に使い捨て用としての袋状の用具(2)(2A)で、切り口部分(4)は袋状の用具
(2)(2A)内に必要とする安定剤(5)を入れ、熱した後に、その切り口部分(4)を切り開き、中味の半液体状(5a)を取り出す様にしたもので、勿論この様な切り口部分(4)を設けずとも、ハサミ等で縁を切る事により、同様に使い捨て用のものとして使用する事が出来るものである。又この他に丈夫な素材を使用して、切り口(4)の無い袋状の用具(2)(2A)で、使った後に洗う等して再度使う事が出来る、袋状の用具(2)(2A)も使用するものである。
【0060】
この様な袋状の用具(2)(2A)を使用して、必要とする安定剤(5)の分量、又はその安定剤(5)の分量に、、片栗粉を加えてから密封し、それを熱して半液体状(5a)にする他の方法が、容器(16)図6及び図7(a)(b)と、容器(8)図8(a)(b)(c)である。
【0061】
これらの容器(8)(16)は、当然袋状の用具(2)(2A)と同様に使用する素材によって、使い捨てのものも作る事が出来るが、前記に記載した様に、チューブ等で使用している、アルミ二ウム、ラミネート、プラスチック等の素材によって作り、何度でも使用後に洗って使用出来る方が費用面においては良い方法である反面、使い捨ての方が使用し易いものである。
【0062】
又、容器(16)図6、図7(a)(b)は、本体に安定剤(5)を入れる口の部分に密封するための蓋(17)と、熱した後に半液体状(5a)の取り出し口にキャップ(19)を備えたもので、これらも袋状の用具(2)(2A)と同様に、容器(16)の蓋(17)に代えて、蓋(17)を被せる位置付近の容器(16)内側周辺に、互いが対向する部分双方に、凸凹状のチャック(H)を取り付けた容器(16)にする事も出来、特にラミネートの様な柔らかい素材を使った容器(16)であれば、容易く密封することが出来る。又、例え容器(16)本体に少々硬い素材の物を使用しても、凸凹状のチャック(H)の取り付け周辺を、柔らかい素材で繋いだ容器(16)等にすれば使用する事が出来き、又容器(16)の使用素材に見合った大きさと丈夫な凸凹状チャック(H)を取り付ける事で、十分に使用する事が出来るものである。
【0063】
又容器(8)、図8(a)(b)(c)は、半液体状(5a)の取り出し口(9)を備えたゴンドラ風の船の形をした器具(8)で、図8(b )の如く開らいている上方部分より、必要な安定剤(5)の分量をチューブ(15)より入れてから、図8(c)の様に容器(8)の開いた部分を、色々な形をした各種のクリップ(E)で挟んで閉じるか、又は接着用テープ等で塞いで密封するものである。
【0064】
この様な、容器(8)(16)及び前記袋状の用具(2)(2A)等で共通の、使用する材料の材質で重要なポイントは、熱した後、如何に中味の半液体状(5a)を、余す事無く口の部分、又は切り口より指先等で本体を挟み、簡単に外部へ押し出し易く、使える事が出来るもので、例えばチューブ容器で使用されている柔らかなラミネートの素材、及び紙製、その他の合成樹脂製、金属製等の薄めの素材、又は薄めで弾力性のある素材等による、容器(8)、(16)及び袋状の用具(2)(2A)が望ましいものであるが、これ等に類似した素材及びその他の素材によっても使用する事は出来る。
【0065】
又、図6、図7(a)(b)の容器(16)、及び図8(a)(b)(c)の容器(8)の形も、これらの図に示したものに限らず、又、袋状の用具(2)(2A)も同様にいろいろな形のもの、例えば箱形、長方形、円形、楕円形、筒の形、半円形、三角形、逆三角形、ハート形等の形にしたものにし、上記で述べた使用する材料の材質の重要性と同様に、形に於いても半液体状(5a)になった中味の全てを容易く外部へ出し、しかも義歯(1)(1A)の要所の各部分に確りと置き易い形にする事も、合せて大切な要点となるものである。
【0066】
又、容器(8)などに、必要とする安定剤(5)の分量、又はそれに片栗粉を加えたものを入れた後、紙製、合成樹脂製、金属製、ガラス製等のシート状の素材で包み、密封してそれらのシート状の綴じ目の部分を、クリップ(E)、又は接着用テープ等で止める事によっても、十分に使用する事が出来る。
【0067】
又、これら上記で述べた、袋状の用具(2)(2A)及び容器(8)(16)の他に、紙製、合成樹脂製、金属製等のシート状の素材上に、必要とする安定剤(5)の分量、又はそれに片栗粉を加えたものをのせてから包み、シート状の綴じ目の部分を、クリップ(E)、又は接着用テープ、輪ゴム等で止めるなどして密封しても、同様に使用する事が出来るものである。
【0068】
この様に、使用時に必要とする安定剤(5)の分量を、チューブ(15)等より取り出し、それに片栗粉を加える等してから、いろいろな方法で密封して熱湯内で熱する時に、輪状付き部材(14)図9(a)の、布製の細紐(11)、又は合成樹脂製の細紐(12)等の片方先端に弾力性の輪状部材(13)と、その反対の先端に紙製、合成樹脂製等の手持ち部材(10)を付け備えた輪状付き部材(14)を使用して、密封したそれぞれの安定剤(5)を輪状部材(13)内に嵌め込んで、フライパン(A)内の熱湯で安定剤(5)を熱する時点が図9(b)で、又同様に茶碗(D)などの容器に薬缶(C)、ポット等で熱湯を入れ、安定剤(5)を熱するものが図9(c)である。
【0069】
上記で述べた事は、密封した全ての安定剤(5)を熱湯内で熱する時に、輪状部材(14)を使用する事と言う訳ではなく、特に高年令者に対しての安全性を考えた場合の含みもあっての事で、箸などで熱湯内の密封した安定剤(5)を摘むなどしてしても、簡単に取り扱う事が出来、又袋状の用具(2)(2A)及び容器(8)(16)に、紅茶等のティーバックに取り付けてある、糸の先端部分に、紙製等の手持ち部材を取り付けたものと同様のものを取り付ける事も出来る。
【0070】
又、使用時に必要とする安定剤(5)の分量、又はそれに片栗粉を加えてから、入れて密封する、袋状の用具(2)(2A)及び容器(8)(16)並びにシート状の素材等を、透明な素材で作り、安定剤(5)が熱せられる事で、変色する染料を加えた安定剤(5)を使用して、その変色の状態を見ながら、安定剤(5)の熱し加減を判断し、半液体状(5a)にして使用する事も出来る。
【0071】
又、袋状の用具(2)(2A)の素材で、熱と水に強い紙製の袋で、その内部部分を体に影響がない樹脂加工をしたもの、又は即席カレーのパック等に使用されているアルミ製素材によるものなども使用する事が出来、又袋状の容器(2)(2A)の表面と、容器(8)(16)の内部又は表面の部分に、横線等による用量メモリを入れたもの等も使用する事が出来る。
【0072】
こうした素材等と共に、いろいろな工夫をした、袋状の用具(2)(2A)及び容器(8)(16)等を熱湯内又はレンジ内で熱した後、袋状の用具(2)(2A)及び容器(8)(16)内の半液体状(5a)を、上顎用義歯(1)の歯茎(1B)に密着する要所の各部分に置くものが図10(a)(b)であり、又同様に、下顎用義歯(1A)に置く時点を示したものが図11(a)(b)である。
【0073】
この様に、義歯(1)(1A)の歯茎(1B)に密着する要所の各部分に半液体状(5a)を置くか、又は図12で示したヘラ(F)の薄い先端部分(3a)等を使って均等に、或いは人それぞれの、義歯(1)(1A)と歯茎(1B)とが確っかり密着する部分を重点に置いたり、又はヘラ(F)で均すものである。又図12のヘラ(F)の形も
こうした役目を果たすものであれば、他の形、他のものでも使用する事が出来き、又義歯(1)(1A)を使用後に取り外し、ぬるま湯に暫く浸けた後、取り付いている半液体状(5a)を、義歯床より取り除くための掃除用として、ヘラ(F)の両先端部分(3a)(4a)を使用するものである。
【0074】
この様に、いろいろな方法によって使用時に必要なクリーム状粘着タイプ義歯安定剤(5)の分量、又はそれに片栗粉を加えたものを密封し、これらを熱して半液体状固定タイプ義歯安定剤(5a)にしたものを使用して、義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に固定させるものである。尚、凸凹状のチャック(H)が取り付けられたポリ袋(G)が図13である。
【産業上の利用可能性】
【0075】
今後、益々高年令化が進む中で、こうした医療用具を進歩させる事は大変重要な事で、義歯を使用している人にとっては、食物を確っかりと噛む事、又そうした状態を長時間保つ事は全ての人の願いであって、従来のものとは多少の手間を必要とするが、その効果を知る事で十分に理解され、浸透するまでに多少の時間を要するものの、義歯を使用する者にとって価値ある物であるとの考えから、必ずや多くの人々に対しての需要が増え、産業上十分に役立つものと考える。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】(a)は上顎用義歯の斜視図である。(b)は上顎用義歯の床部分の平面図である。
【図2】(a)は上顎用義歯の床部分に、チューブ容器内のクリーム状義歯安定剤を摘出した時点の斜視図である。(b)は上顎用義歯の床部分に、チューブ容器内のクリーム状義歯安定剤を摘出した時点の平面図である。
【図3】(a)は下顎用義歯の歯茎と密着する要所の各部分へ、チューブ容器内のクリーム状義歯安定剤を摘出した時点の斜視図である。(b)は図(a)の平面図である。
【図4】(a)は本発明の袋状の用具の側面図である。(b)は本発明図(a)の袋状の用具の口部分から、チューブ容器内のクリーム状義歯安定剤を入れる時点の斜視図である。
【図5】(a)は本発明の蓋付き袋状用具の側面図である。(b)は本発明図(a)の蓋付き袋状用具の蓋の部分を開けた時点の側面図である。(c)は本発明図(b)の蓋付き袋状用具の蓋の部分を開け、チューブ容器内のクリーム状義歯安定剤を入れる時点の斜視図である。
【図6】本発明の容器の蓋を取り外し、チューブ容器内のクリーム状義歯安定剤を入れる時点の斜視図である。
【図7】(a)は本発明の容器図6に蓋及びキャップを取り付けた時点の側面図である。(b)は本発明の容器図(a)を熱した後、キャップを取って中味の半液体状安定剤を取り出す時点の実施図である。
【図8】(a)は本発明の容器の部分に、半液体状となった安定剤をスムーズに取り出す凹型の口部分を設けた正面図である。(b)は本発明の容器図(a)の容器内へ、チューブ容器内のクリーム状義歯安定剤を入れる時点の側面図である。(c)は本発明の容器図(b)の開き部分をクリップによって挟んで閉じ、密封した時点の側面図である。
【図9】(a)は本発明の細紐の一方先端に弾力性の輪状の部材と、反対部分先端に手持ち部材を取り付けたものの平面図である。(b)は本発明の図(a)の用具を使用し、フライパン内の熱湯で密封した安定剤を半液体状にする時点の実施図である。(c)は本発明の図(a)の用具を使用し、茶碗等の容器内の熱湯で密封した安定剤を半液体状にする時点の実施図である。
【図10】(a)は本発明の半液体状義歯安定剤を袋状の用具から、上顎用義歯の床部分へ置く時点の斜視図である。(b)は本発明の半液体状義歯安定剤を容器から、上顎用義歯の床部分へ置く時点の平面図である。
【図11】(a)は本発明の半液体状義歯安定剤を袋状の用具から、下顎用義歯の歯茎に密着する要所の各部分へ置く時点の斜視図である。(b)は本発明の半液体状義歯安定剤を容器から、下顎用義歯の歯茎に密着する要所の各部分へ置く時点の平面図である。
【図12】本発明の半液体状義歯安定剤を義歯床上で均す為、又使用後の義歯を掃除する為のヘラの斜視図である。
【図13】本発明の袋状の用具等の口部分に凸と凹状の部材を取り付け、その双方を重ね合わせる事で口を閉じる事が出来るチャック付きポリ袋を見本とした斜視図である。
【符号の説明】
【0077】
1、上顎用義歯
2、袋状の用具
3、袋状の用具の蓋
4、袋状の用具の切り裂き口
5、クリーム状粘着タイプ義歯安定剤
6、袋状の用具裏蓋部分に取り付けた接着剤
7、袋状の用具裏蓋部分の接着剤のカバー紙
8、容器
9、容器に設けた安定剤の取り出し口
10、指で挟み持つ部材
11、布製の細紐、又は糸
12、合成樹脂製の細紐、又は糸
13、弾力性の輪状部材
14、熱湯内取り扱い用具
15、クリーム状義歯安定剤入りチューブ容器
16、チューブ容器
17、チューブ容器式の上蓋
18、チユーブ容器式取り出し口に被せるキャップ
1A、下顎用義歯
1B、歯茎
2A、蓋付き袋状用具
1a、上顎用義歯床の前歯から向って左側部分
1b、上顎用義歯床の前歯から向って右側部分
1c、上顎用義歯床の前歯の上部部分
1d、上顎用義歯床の中央部分
2a、下顎用義歯の前歯から向って右側部分
2b、下顎用義歯の前歯から向って左側部分
2c、下顎用義歯の前歯の下側部分
3a、ヘラの先部分
4a、ヘラ先と反対方向の先端部分
5a、半液体状固定タイプ義歯安定剤
A、フライパン
B、ガス台
C、薬缶
D、茶碗等の容器
E、各種のクリップ
F、ヘラ
G、チャック付きポリ袋
H、チャック(凸凹状のファスナー)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水溶性高分子を主基剤とするクリーム状粘着タイプ義歯安定剤か、又はその義歯安定剤に片栗粉、並びに片栗粉と同様の成分を加えてから熱して、半液体状固定タイプ義歯安定剤にするための用具に関する。
【背景技術】
【0002】
義歯安定剤は作りたての新しい義歯を使用している人に対しては、不必要ではあるものの、同じ義歯を長い間使用している人達は、歯茎が細り義歯が歯茎に対して不具合となってガタツキ始める為、そうした義歯と歯茎を固定するための、パウダー状、シート状など、いろいろな義歯安定剤があるが、その中で一般的に良く使用されているものが、水溶性高分子を主基剤とするクリーム状粘着タイプ義歯安定剤と、酢酸ビニル樹脂を主基剤とする密着タイプの義歯安定剤がある。
【0003】
後者の、酢酸ビニル樹脂を主基剤とする密着タイプは、チユ‐ブ容器から弾力性の有る安定剤を押し出し、義歯の床全体に均等に広げ、それを上下の歯を噛み締める事で、義歯からはみ出した余分な安定剤を取り除き、再度その義歯を歯茎に取り付け使用するものである。
【0004】
この様なため、取り付けに面倒な事、及びまだ改良の余地がある薬品の臭い、又エタノールを使用しているために口の中でピリピリ感を覚えるもので、この味と臭いは少し敏感な人に対しては使用しずらいもので、チューインガムと類似した樹脂等を含んだ製剤が、義歯と歯茎との隙間を埋めて、義歯を歯茎に取り付ける時、その中の空気を追い出して吸盤の作用により義歯を歯茎に固定させるもので、使用後に義歯を取り外し、水洗いして続けて2、3日間使用する事が出来る反面、歯茎に対して固定する義歯の状態は不安定なものである。
【0005】
一方、前者のクリーム状粘着タイプの安定剤は、チューブ容器からクリーム状の柔らかな安定剤を押し出し、義歯が歯茎と密着する義歯の要所の部分に塗布し、その義歯を歯茎に嵌め込んで、義歯を歯茎に固定させるものである。
【0006】
こうしたクリーム状粘着タイプの義歯安定剤は、メーカーにより使用される成分がほぼ同様のもの、又はその成分の配合量等が異なり、これらの事によって、各々の安定剤の粘着力に特徴を持つもので、一般的にメトキシエチレン無水マレイン酸共重合体塩、カルボキシメチルセルロースナトリウム等の主要成分からなる安定剤を義歯床に取り付け、義歯を歯茎に取り付けた後、それらの隙間から入る唾液等により膨潤させ、その粘着力によって義歯を歯茎に固定させることが出来るもので、食品の中でプリンやゼリーなどを固める成分等を使用し体に対して無害である反面、義歯のガタツキが酷い人にとつては接着力及びその持続力が弱いため、満足している人は少ないのである。
【0007】
又、この安定剤は、義歯が歯茎に完全な状態で固定するまでに、時間を要する事と、固定後に口にする食事、又は水分等が義歯と歯茎の隙間から入る毎に、今度は安定剤の成分が次第に溶け出して違和感を覚え、同時に粘着力が低下してゆくものである。
【0008】
これらの溶け出した安定剤の成分は、体内に入り排泄されるが、義歯のガタツキ具合が酷い人にとっては接着力及び持続力が弱いため、一日に何回となく義歯が歯茎から緩みだし、その都度安定剤を取り付けて、義歯を使用している人々が非常に多い状況なのである。
【特許文献1】実公平5−20328号 公報
【特許文献2】特開平10−165421号公報
【特許文献3】特開平9−12421号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記に記載した如く、一般的に使用されている義歯安定剤は、密着タイプとクリーム状の粘着タイプの2種類で、そのうちクリーム状粘着タイプの安定剤は、義歯の歯茎に密着する部分に取り付けて、その義歯を歯茎に取り付けてから、徐々に唾液等が義歯と歯茎の隙間から入って混ざる事により、粘着力が出るために、義歯と歯茎が完全な状態で固定するまでには時間を要し、又使用中に製剤が溶け出す違和感と粘着力が弱いため、一日に何回となく義歯に安定剤を付け直し、使用している人が非常に多い状況なのである。
【0010】
この様な状況の中で、義歯安定剤を使用する全ての人は粘着力が強く、又製剤が溶け出す違和感の少ない、義歯安定剤を望んではいるものの、口の中で使用する義歯安定剤の成分によっては、直接身体に悪影響を及ぼすために、使用出来る成分の範囲が限られて、全ての面で満足のゆく製品の開発が進みにくいものであったが、本発明は、クリーム状粘着タイプ義歯安定剤の使用成分を其の儘で、又は片栗粉を加えて、この様な問題点の解決を目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、クリーム状粘着タイプ義歯安定剤(5)を其の儘、又は片栗粉を加えたものを熱して、半液体状固定タイプ義歯安定剤(5a)にしてから、義歯(1)(1A)が歯茎(1B)に密着する要所の各部分(1a)(1b)(1c)(1d)、又は(2a)(2b)(2c)へ置き、義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に取り付けてから、一旦取り外し、歯茎(1B)の表面、又は義歯(1)(1A)の前記要所の各部分に取り付いた半液体状(5a)に、唾液、又は水分を含ませてから、再度義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に取り付けるか、又は半液体状(5a)に、唾液、又は水分を含ませる時、同時に義歯(1)(1A)の前記要所の部分(1a)(1b)、(2a)(2b)に、安定剤(5)を取り付けてから義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に取り付けるものである。
【0012】
この様に、安定剤(5)を熱し、半液体状(5a)にして使用するために、使用時に必要な安定剤(5)の分量、又はその安定剤(5)の分量に片栗粉を加えたものを、熱と水に強く、熱を伝え易い紙製、合成樹脂製、金属製、ガラス製等による素材のもの、又はこれらの素材の組み合わせによって作られた、袋状の用具(2)(2A)、並びに容器(8)(16)等に入れて密封し、熱湯内、又はレンジ内で熱する事が出来る様にしたものである。
尚、家庭内等で使用されている電子レンジは、主に料理用として作られている為に、極小さい物は温める事が出来ず、金属製以外の小さい物は、容器等に水を入れ、その中に入れて温める等の工夫が必要である。又安定剤(5)は、メーカーによって使用成分、及び成分の配合量の違いなどから、熱する事により一層柔らかくはなるものの、短時間熱しただけではドロドロとした半液体状にならないものもある。
【0013】
又、チューブ(15)等から使用時に必要な安定剤(5)の分量を取り出し、安定剤(5)の儘、又はその安定剤(5)に片栗粉を加えたものを、前記で述べた同様の素材等による袋状の用具(2)、又は容器(8)に入れ、それを紙製、合成樹脂製、金属製等のシート状のもので包み、クリップ(E)、接着用テープ等により密封したもの、又は前記シート状素材だけで包んで密封し、熱湯内又はレンジ内で熱する事が出来る様にしたもので、其のうち、金属製素材の物だけはレンジでの使用が出来ないため、熱湯内に於いて熱するものである。
【発明の効果】
【0014】
上記で述べた様に、本発明は、安定剤(5)を其の儘、又は片栗粉を加えて熱し、半液体状(5a)にして、前記明細書段落番号0011内に記載した接着方法により、義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に取り付ける事により、安定剤(5)の使用時と比べ、義歯(1)(1A)が歯茎(1B)に完全に固定する時間を大幅に短縮させ、又義歯(1)(1A)と歯茎(1B)を一層確りと固定させる事が出来るのである。
【0015】
又、安定剤(5)の通常使用の場合、義歯(1)(1A)が歯茎(1B)に固定してから時間が経つにしたがって、製剤が口の中で溶け始める事により、違和感を覚えるが、安定剤(5)を前記に記載の如く熱し、半液体状(5a)にして使用する事により、安定剤(5)に含まれている成分の特性が変化する事と同時に、片栗粉を加える事により、安定剤(5)と共に熱せられた片栗粉は、その特性により冷えた時に固まる、そうした片栗粉の特徴を活かしたもので、それらの事が義歯(1)(1A)と歯茎(1B)が固定した後、徐々に安定剤(5)の時よりも製剤自体が硬く弾力性に富む物となり、時間が経っても製剤の溶け出しが少ないために、違和感に拘る事もなく、同時に接着力の持続性も増すことで、長時間確りと義歯(1)(1A)が歯茎(1B)に固定するもので、特に義歯(1)(1A)と歯茎(1B)のガタツキ具合が酷い人に対しては、安定剤(5)に片栗粉を加え、熱して使用する事で、より一層接着力が強いものとなり、非常に効果を発揮する義歯安定剤になるのである。
【0016】
又、義歯(1)(1A)と歯茎(1B)との固定の度合いも、従来の粘着性による固定度合いと比べ、確りと義歯(1)(1A)が歯茎(1B)に固定されるため、食事、会話等全てに於いて、自分の歯と頗る類似した固定度合いとなり、しかも長時間この様な状態を保つ事が出来るなど、数々の効果を生み出す事が出来たのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0018】
現在、数多い種類の義歯安定剤が市販されている中で、水溶性高分子を主基剤とするクリーム状、所謂ネリ状の粘着タイプの義歯安定剤(5)は、上顎用義歯(1)、又は下顎用義歯(1A)の要所の各部分(1a)(1b)(1c)(1d)、又は(2a)(2b)(2c)に安定剤(5)を塗布してから、歯茎(1B)へ義歯(1)(1A)を嵌め込み取り付けてから、安定剤(5)の成分が唾液又は水分等を含む事により、粘着力を生み出す、そうした成分の特性を活かし、義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に固定させる医療用具としての安定剤(5)で、これらの安定剤(5)に使用されている主成分としては、メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体塩、白色ワセリン、カルボキシメチルセルロースナトリウム使用の安定剤(5)、又はメトキシエチレン無水マレイン酸共重合体塩、白色ワセリン、カルメロースナトリウム使用の安定剤(5)、及びメトキシエチレン無水マレイン酸共重合体、CMCナトリウム、ポリエチレングリコール使用の安定剤(5)など製薬会社等により、成分の相違及び成分の分量、配合など、それぞれ異なるものからなる安定剤(5)で、これら全ての使用方法は、前記で述べた如く同様の使用方法で、義歯(1)(1A)に安定剤(5)を塗布してから、歯茎(1B)に取り付け固定させるものである。
【0019】
一方、これらの安定剤(5)を使用時に安定剤(5)の儘で、又は片栗粉を加えたものを、熱湯内、又はレンジ内で熱し、クリーム状のものから半液体状(5a)にして、安定剤(5)と同様に、義歯(1)(1A)の歯茎(1B)に密着する要所の各部分に置き、その義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に取り付けた後、一旦義歯(1)(1A)を歯茎(1B)より取り外し、歯茎(1B)等に取り付いた半液体状(5a)の表面に、唾液又は水分を含ませてから、再度義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に取り付ける事により、其の侭安定剤(5)を使用した時と比べ、義歯(1)(1A)が歯茎(1B)に固定する即効力と接着力とが、頗る強力でより確りと固定し、又その持続力にも優り、同時に半液体状(5a)が溶け出す違和感も少ない安定剤(5)の使用方法で、安定剤(5)に含まれている成分の特異性と、並びに片栗粉の特徴を、この様な方法により生み出し、又適用したものである。
【0020】
上記で述べた様な安定剤(5)を熱し、半液体状(5a)にして使用するために、使用時に必要な安定剤(5)の分量を、熱と水に強く、又熱を伝え易い紙製、合成樹脂製、金属製、又はガラス製による素材のもの、並びにこれらの素材の組み合わせによって作られた、袋状の用具(2)(2A)、又は容器(8)(16)等に入れ密封してから小さな鍋等の熱湯内、又はレンジ内で熱する事が出来る様にしたものである。
【0021】
又、同様にチユーブ(15)等から、使用時に必要な安定剤(5)の分量を取り出して、それに片栗粉を加えたもの等を、袋状の用具(2)、又は容器(8)等に入れ、それを紙製、合成樹脂製等のシート状のもので包み、クリップ(E)や接着用テープを使用して密封するか、又は直接袋状の用具(2)及び容器(8)の口の部分をクリップ(E)や接着用テープ、輪ゴム等で密封し、熱湯内、又はレンジ内で熱する事が出来る様にするものである。
【0022】
又、チューブ(15)等から、紙製、合成樹脂製、及び金属製等のシート状素材に、使用時に必要な安定剤(5)の分量、又は片栗粉を加えたものを包み、クリップ(E)、又は接着用テープ、輪ゴム等で封をして、密封したものも同様に使用する事が出来るものである。
【0023】
この様に、使用時に必要な安定剤(5)の分量、又はその安定剤(5)に片栗粉を加えて密封したものを、ほんの僅かな時間熱湯内、又はレンジ内で熱する事により、密封された安定剤(5)は、これらの内部で一層柔らか物になるものと、安定剤(5)によってはドロドロとした半液体状(5a)になるのである。
【0024】
上記の様に、安定剤(5)が半液体状(5a)になった熱湯内の袋状の用具(2)(2A)、又は容器(8)(16)及びシート状等で包んだものを取り出し、袋状の用具(2)(2A)の口から、又は袋状の用具(2A)の切り口部分(4)を切り開き、又容器(8)の口(9)及び容器(16)の口部分のキャップ(19)を取り、又シート状などで密封したものはハサミなどで端を切り開き、中身の半液体状(5a)を義歯(1)(1A)の歯茎(1B)に密着する要所の各部分(1a)(1b)(1c)(1d)、又は(2a)(2b)(2c)へ置き、極僅かの間、半液体状(5a)を冷やしてから、その義歯(1)(1A)を歯茎(1B)へ嵌め込む様にして取り付けるものである。又金属製以外の素材によって前記記載の如く各種の方法で密封した安定剤(5)を半液体状(5a)にするために、水を入れた容器等に入れてからレンジ内で熱しても、半液体状(5a)にして同様に使用する事が出来るものである。
【0025】
この様にして、義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に取り付けた後、上下の歯で暫く噛み締めておく事で、半液体状(5a)が、義歯(1)(1A)と歯茎(1B)に密着する前記要所の各部分に十分行き渡り、半液体状(5a)を義歯(1)(1A)並びに対する歯茎(1B)の各部分に確りと取り付ける事が出来るのである。
【0026】
この様な状態から暫くして、一旦義歯(1)(1A)を歯茎(1B)から取り外し、歯茎(1B)の表面、又は対する義歯(1)(1A)の部分に取り付いた半液体状(5a)の表面を、舌でサラッと嘗める程度の唾液、又は水分を含ませてから、義歯(1)(1A)を再度歯茎(1B)に取り付けて、僅かの間上下の歯を噛み締めたままにする事で、ピタッと義歯(1)(1A)が安定剤(5)の使用時には考えられぬ程の即効力で、確りと強力に歯茎(1B)に接着固定され、しかも半液体状(5a)にした事により、製剤が溶け出す違和感も少なく、この様な状態を約一日間持続させ、プラスチック床、及び金属床の義歯(1)(1A)に対して使用する事が出来るのである。又、一旦義歯(1)(1A)を歯茎(1B)から取り外し、半液体状(5a)の表面を、舌でサラッと嘗める程度の唾液を含ませて、義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に取り付けた時、義歯(1)(1A)と歯茎(1B)の不具合等により、確り固定しない場合には、直ぐ又取り付け直す事により、確実にその効果を発揮する固定の状態にする事が出来るのである。
【0027】
又、義歯(1)(1A)が歯茎(1B)に対してガタツキが少ない人などは、半液体状(5a)を取り付けた義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に取り付けて、其の侭使用する事が出来る人、又それでは接着力が多少弱いと感じる人などには、義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に取り付けてから、一旦取り外すまでの間をより短くする事等で、確りと強く義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に固定させる事が出来るのである。
【0028】
又、半液体状(5a)を、義歯(1)(1A)の歯茎(1B)に密着する要所の各部分に取り付けてから、義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に取り付け、上下の歯で確りと噛み締めながら暫くして、義歯(1)(1A)を歯茎(1B)より取り外し、舌を使って唾液を歯茎(1B)の各表面部分に取り付いた、半液体状(5a)に含ませる方法が、例えば水を脱脂綿等に含ませて、義歯床上に取り付いた半液体状(5a)に含ませるより、義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に固定させる為の作業が素早く、しかも簡単に出来るものである。
【0029】
又、半液体状(5a)にして、その半液体状(5a)を義歯(1)(1A)の歯茎(1B)に密着する要所の各部分(1a)(1b)(1c)(1d)、又は(2a)(2b)(2c)に適度に置くか、又はヘラ(F)等を使って適度に均し、ドロドロ、又は更に柔らかになった半液体状(5a)が多少冷えてきた時、義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に取り付ける事が、より確実に義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に固定させる要因に繋がるものでもある。
【0030】
この様に、複数の成分からなる安定剤(5)は、唾液、又は水分を含ませる事により、粘着性による接着力が生まれる特性を持っている外に、安定剤(5)を一度熱して、半液体状(5a)にしてから、唾液、又は水分と結合する事により、義歯(1)(1A)が歯茎(1B)に確りと固定する即効力と同時に、強い接着力を生み出す特異性を持つ物である事が解ったのである。しかしながら現在、一般的に安定剤(5)に使用されている成分は熱する事により分解するとの見解から、安定剤(5)のこの様な使用方法はなさていなかったものである。
【0031】
又、元来義歯を使用する多くの人の願望として、義歯安定剤(5)を使用し、義歯が歯茎に確りと長時間持続して固定され、しかもそれが自分の歯と類似した固定度合いとなり、又製剤の溶け出す違和感もなく、飲食、会話等に何等支障がない、こうした安定剤(5)によって義歯を使用する事を、誰もが求めている事なのである。
【0032】
これらの事を十分頭に入れ、安定剤(5)の粘着力を如何にこれ以上、違和感なく強いもにする事が出来るものか、いろいろと模索をした結果、義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に取り付ける時、双方が接し密着する義歯(1)(1A)と歯茎(1B)の面に対し、どの様にして同量に近い安定剤(5)を、双方に対して取り付ける事ができるか、又その事により、今まで義歯(1)(1A)だけに安定剤(5)を塗布したものよりも接着力が双方より生まれて、一層強く固定する事が出来るとの発想から、対する歯茎(1B)に対し、素早く安定剤(5)を塗布する事が出来るものかとの一案が、安定剤(5)を熱し半液体状(5a)にして使用する事としたものである。
【0033】
この方法により、義歯(1)(1A)の歯茎(1B)に密着する要所の各部分に、半液体状(5a)を置きそれを歯茎(1B)に取り付けた時、その義歯(1)(1A)の部分に密着した歯茎(1B)の各部分に、素早く半液体状(5a)を取り付けることが出来、又その半液体状(5a)の表面に唾液、又は水分を含ませる事により、今まで試みられていなかった接着力の強い、弾力性の物質に半液体状(5a)が変化して、それらが義歯(1)(1A)と歯茎(1B)を互いに強く合体させ、又義歯(1)(1A)と歯茎(1B)が固定する即効力と強い接着力、及びそれを持続する力に加え、製剤が溶け出す違和感も少ない、そうした全ての効力が自分の歯と頗る類似した義歯(1)(1A)の固定度合いとなり、合体された歯茎(1B)から、こうした状態の感覚が、はっきり伝わって来るのである。
【0034】
この様に、半液体状(5a)にして特にその効果が増す安定剤(5)として、主要成分がメトキシエチレン無水マレイン酸共重合体塩、白色ワセリン、カルボキシメチルセルロースナトリュウム使用の安定剤(5)、及びメトキシエチレン無水マレイン酸共重合体塩、白色ワセリン、カルメロースナトリュウム使用の安定剤(5)で、他の安定剤(5)で主要成分がメトキシエチレン無水マレイン酸共重合体、CMCナトリュウム、ポリエチレングリコールを使用の安定剤(5)は、もともと前記の安定剤(5)と比べ、通常の使用方法の場合でも粘着力が劣るものであるが、それでも半液体状(5a)にして同様の方法で使用する事により、其の侭で使用する時よりも接着力が増すものである。
【0035】
この様に、安定剤(5)を熱し半液体状(5a)にして使用する事で、前記で述べた如く、義歯安定剤としてより多くの効果が得られ、又同時に義歯(1)(1A)と歯茎(1B)それぞれのガタツキ具合に合せながら、使用する半液体状(5a)の分量を調節する事により、全ての人に満足するものとなるのである。
【0036】
又、時として使用中に、歯茎(1B)より義歯(1)(1A)が緩み始めた場合には、義歯(1)(1A)を歯茎(1B)より取り外し、食べかす等を除いてから、安定剤(5)を義歯(1)(1A)の歯茎(1B)に密着する要所の各部分(1a)(1b)(1c)、又は(2a)(2b)(2c)に補強する程度の安定剤(5)を取り付けて、義歯(1)(1A)と歯茎(1B)に取り付いたまま残っている半液体状(5a)と合せて、義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に取り付け直す事により、再度素早く強固に固定させる事が出来るのである。
【0037】
この様な事からも、義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に取り付ける方法を、請求項1内に記載した如く、歯茎(1B)の表面、又は義歯(1)(1A)の歯茎(1B)に密着する要所の各部分に取り付いた半液体状(5a)の表面に、唾液、又は水分を含ませる時、同時に義歯(1)(1A)が歯茎(1B)に密着する要所の部分(1a)(1b)(1c)、(2a)(2b)(2c)に安定剤(5)を取り付けてから、義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に取り付けて固定する、こうした半液体状(5a)と安定剤(5)とを合せて使用する事で、半液体状(5a)が義歯(1)(1A)と歯茎(1B)とを確り固定させる即効力に、安定剤(5)の粘着力とが相俟って、安定剤(5)と半液体状(5a)双方の、そうした長所である特性を十分活かし、安定剤(5)だけの使用時と比べ、一段と義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に強力に、しかも素早く接着固定させ、又それを持続させる事にも優れた安定剤の使用方法となり、人それぞれの義歯(1)(1A)と歯茎(1B)とのガタツキの具合に合せ、半液体状(5a)だけで、又はこの様に半液体状(5a)と安定剤(5)とを一緒に使用する事で、義歯安定剤としての効果をより一層発揮する事が出来るものとなるのである。
【0038】
又、水溶性高分子を主基剤とする安定剤(5)を、義歯(1)(1A)並びに歯茎(1B)の双方に同量に近い安定剤(5)を取り付ける事により、接着力が増す一つの要因であるとの考えから、安定剤(5)に新たな成分を加えたもの、及び類似した成分を使用したもので、例えクリーム状でない義歯安定剤でも、熱して半液体状の物にして使用する事で、義歯安定剤としてその使用効果があるものは、本発明の半液体状(5a)と同様のものであり、又安定剤(5)が例え粉末、錠剤のものであっても使用成分が同様、又は類似しているものであれば、それらのものを半液体状(5a)にして使用する事も不可能な事ではないのである。又安定剤(5)に加える片栗粉も、類似した成分で例え化学的な物でも体に悪影響がない物であれば、同様に使用する事が出来るものである。
【0039】
又、安定剤(5)の分量を間違えて熱したり、都合等によって使用せず半液体状(5a)が残った場合、再度熱して使用すると接着力が低下し、こうした場合は新しい安定剤(5)に多少混ぜ、それを熱する事により支障なく残った半液体状(5a)にしたものを、再度使用する事が出来るのである。
【0040】
この様に安定剤(5)を使用時に必要とする分量、又はその安定剤(5)の分量に、片栗粉を加えたものを密封し、僅かな時間熱する事で半液体状固定タイプ義歯安定剤(5a)にしてから、前記に記載した使用方法により、クリーム状粘着タイプ義歯安定剤(5)の弱点を全て解消する事が出来たのである。
【0041】
これらの事により、安定剤(5)を使用時に必要とする分量を入れ密封する事が出来る、袋状の用具(2)(2A)と、袋等に入れた片栗粉を、安定剤(5)と同一のパッケージに収め、使用者に対しての利便性を図るため、義歯安定剤(5)とセットにしたものである。
【0042】
又、容器(8)(16)も、袋等に入れた片栗粉と一緒に、上記袋状の用具(2)(2A)と同様に安定剤(5)と同一のパッケージに収め、義歯安定剤(5)とセットにするものである。
【0043】
この様に、安定剤(5)と同一のパッケージに収める、袋状の用具(2)(2A)及び容器(8)(16)は、使い捨て用として、薄い簡単な素材等で作り、それらを複数同一のパッケージに収めたもの、又は丈夫な素材、例えばチューブ容器の素材などに使用されるアルミ二ウム、ラミネート、又はプラスチック等の素材等を使用して作り、使用後に洗う等して再度使用する事が出来きるものを、安定剤(5)と同一のパッケージに収め、義歯安定剤(5)とセットにするのである。
【0044】
又、使用時に必要とする安定剤(5)の分量を密封し、熱して半液体状(5a)にして使用する為に、袋状の用具(2)(2a)及び容器(8)(16)と、シート状素材、クリップ(E)、接着用テープ、ヘラ(F)、袋等入り片栗粉、及び輪状付き部材(14)等をいろいろ組み合わせ、これらを安定剤(5)と同一のパッケージに収め、義歯安定剤(5)とセットにするものである。又義歯安定剤(5)セットとは別に、スペアー用として、或いはそれぞれを別々に求める人のため、袋状の用具(2)(2A)又は容器(8)(16)並びにシート状の素材等、及び袋等入り片栗粉それぞれを、別々のパッケージに収めるものである。
【0045】
又、使用時に必要とする安定剤(5)の分量をいろいろな方法によって密封する事により、外出時に於いて太いチューブ容器に入ったままの安定剤(5)よりも、特に近場の場合には携帯用として持ち歩く時、大変便利なものである。
【0046】
しかしながら、本発明は、持ち運ぶ時にも便利なものではあるものの、若し外出途中で必要となった場合には、せめて茶碗(D)等の容器と熱湯、又はレンジ等が必要で、安定剤(5)を半液体状(5a)に出来ない場合には、前記で述べた如く補強する程度の安定剤(5)を使用して、義歯(1)(1A)等に取り付き残った半液体状(5a)と合せて再度、歯茎(1B)部分に取り付ける事により、素早く確リと固定してこの様に密封させた安定剤(5)を、便利に使用する事が出来るのである。
【0047】
又、永い間同じ義歯(1)(1A)を使用しているうちに、歯茎(1B)が細ってガタツキ始め、義歯安定剤を使用し始めるものであるが、人によってそれぞれ歯茎(1B)の細る部分が異なる事で、それぞれの人の義歯(1)(1A)が歯茎(1B)にきちんと密着する要所の部分へ、半液体状(5a)を多めに置く様にする事が、より確りと義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に固定させる事が出来るのである。
【0048】
こうした、義歯(1)(1A)と歯茎(1B)とが良く密着している部分を知る方法として、半液体状(5a)を義歯(1)(1A、)に取り付けから、それを歯茎(1B)に取り付けて一旦取り外した時、義歯(1)(1A)が歯茎(1B)に取り付いた、義歯(1)(1A)の接着部分の半液体状(5a)の状態をチェックして見る事により、義歯(1)(1A)と歯茎(1B)とが接している部分の状態が良く解るものである。
【0049】
この様に、安定剤(5)を使用時に必要とする分量、又はその安定剤(5)の分量に片栗粉を加え、前記に記載した如くそれぞれの方法で密封し、僅かの間熱して半液体状(5a)としたものを、義歯の安定剤として上記の記載の様に使用する事により、安定剤(5)を其の侭使用する時と比べ、素早く、長時間確りと固定し、しかも違和感が少ないために、自分の歯とより類似した感覚をもたらすものとなり、一日を爽快に過ごす事が出来るのである。
【実施例】
【0050】
この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0051】
上顎用義歯(1)床の歯茎(1B)へ密着する、要所の各部分(1a)(1b)(1c)(1d)を示したものが図1(a)(b)である。
【0052】
その上顎用義歯(1)床の要所の各部分(1a)(1b)(1c)(1d)へ、チューブ(15)内の安定剤(5)を塗布するものが図2(a )(b)で、又同様に下顎用義歯(1A)の要所の各部分(2a)(2b)(2c)へ、チューブ(15)内の安定剤(5)を塗布するものが図3(a)(b)である。
【0053】
図2(a)(b)及び図3(a)(b)の様に、安定剤(5)を義歯(1)(1A)の歯茎(1B)に密着する要所の各部分へ取り付けて、その義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に合せて取り付け、上、下の歯を噛み合わせて使用している内に、義歯(1)(1A)と歯茎(1B)の隙間から、唾液、又は水分等が含まれる事で、徐々に安定剤(5)の粘着力が出てくるもので、それ故、義歯(1)(1A)と歯茎(1B)が完全に固定するまでには、時間を要するものである。
【0054】
そして又、固定された後、今度は時間が経つに従い口にした水分、並びに唾液等が義歯(1)(1A)と歯茎(1B)の隙間から入る毎に、安定剤(5)の製剤が溶け出して違和感を覚えると同時に、安定剤(5)の効力が徐々に失われ、歯茎(1B)に取り付き固定していた義歯(1)(1A)が緩み出して来るのである。
【0055】
この様な安定剤(5)を熱と水に強く、熱を伝え易い紙製、合成樹脂製、金属製等による素材を使用した、袋状の用具(2)図4(a)(b)、及び袋状の用具(2A)図5 (a)(b)(c)に、それぞれの人が使用時に必要とする安定剤(5)の分量、又はその安定剤(5)の分量に片栗粉を加え、密封してから熱して半液体状(5a)にするものである。
【0056】
こうした袋状の用具(2)の開いた口の部分から、チューブ(15)内の安定剤(5)を入れ図4(b)、その後口を閉じ密封する方法として、クリップ(E)、接着用テープ、輪ゴム等を使用して、口の部分を閉じて密封するか、又は袋状の用具(2)の口周辺の内側に、双方が対向する位置部分に、チャック付きポリ袋(G)と同様の凸凹状のチャック(H)、又はマジックテープ(登録商標)を取り付けた、袋状の用具(2)によって密封するものであるが、袋状の用具(2)にこの様な方法でチャック(H)等を取り付けた場合、口の部分より半液体状(5a)を取り出す時、袋状の用具(2)の内側部分に取り付けたチャック(H)等の部分に、半液体状(5a)がひっ掛かり、こびり付く為、一つの袋状の用具(2)で何度も使用する袋状の用具(2)には、あまり勧める方法とは言えないが、比較的薄手の素材で図4(a)(b)の様に切り裂き部分(4)等を設けた、使い捨て用の袋状の用具(2)には適したものである。
【0057】
又、袋状の用具(2A)は図5(a)(b)(c)に示した様に、袋状のものに蓋(3)部分設けたもので、その蓋(3)の部分に、封筒等と同様の方法で、蓋(3)の裏側部分に接着させるための接着剤(6)を取り付け、密封する事が出来る様にしたもので、これと同様の方法で、接着剤(6)に代えて、凸凹状のチャック(H)、又はマジックテープ(登録商標)の片方を取り付けた袋状の用具(2A)の蓋(3)の裏側部分を、同本体の表面部分にもう片方のチャック(H)、又はマジックテープ(登録商標)を取り付けて双方が重なる様に折り曲げる図5(a)事により 密封する事が出来る様にするものである。
【0058】
又、図4(a)(b)及び図5(a)(b)(c)の図で示した袋状の用具(2)(2A)は、主に使い捨て用としての袋状の用具(2)(2A)で、切り口部分(4)は袋状の用具
(2)(2A)内に必要とする安定剤(5)を入れ、熱した後に、その切り口部分(4)を切り開き、中味の半液体状(5a)を取り出す様にしたもので、勿論この様な切り口部分(4)を設けずとも、ハサミ等で縁を切る事により、同様に使い捨て用のものとして使用する事が出来るものである。又この他に丈夫な素材を使用して、切り口(4)の無い袋状の用具(2)(2A)で、使った後に洗う等して再度使う事が出来る、袋状の用具(2)(2A)も使用するものである。
【0059】
この様な袋状の用具(2)(2A)を使用して、必要とする安定剤(5)の分量、又はその安定剤(5)の分量に、、片栗粉を加えてから密封し、それを熱して半液体状(5a)にする他の方法が、容器(16)図6及び図7(a)(b)と、容器(8)図8(a)(b)(c)である。
【0060】
これらの容器(8)(16)は、当然袋状の用具(2)(2A)と同様に使用する素材によって、使い捨てのものも作る事が出来るが、前記に記載した様に、チューブ等で使用している、アルミ二ウム、ラミネート、プラスチック等の素材によって作り、何度でも使用後に洗って使用出来る方が費用面においては良い方法である反面、使い捨ての方が使用し易いものである。
【0061】
又、容器(16)図6、図7(a)(b)は、本体に安定剤(5)を入れる口の部分に密封するための蓋(17)と、熱した後に半液体状(5a)の取り出し口にキャップ(19)を備えたもので、これらも袋状の用具(2)(2A)と同様に、容器(16)の蓋(17)に代えて、蓋(17)を被せる位置付近の容器(16)内側周辺に、互いが対向する部分双方に、凸凹状のチャック(H)を取り付けた容器(16)にする事も出来、特にラミネートの様な柔らかい素材を使った容器(16)であれば、容易く密封することが出来る。又、例え容器(16)本体に少々硬い素材の物を使用しても、凸凹状のチャック(H)の取り付け周辺を、柔らかい素材で繋いだ容器(16)等にすれば使用する事が出来き、又容器(16)の使用素材に見合った大きさと丈夫な凸凹状チャック(H)を取り付ける事で、十分に使用する事が出来るものである。
【0062】
又容器(8)、図8(a)(b)(c)は、半液体状(5a)の取り出し口(9)を備えたゴンドラ風の船の形をした器具(8)で、図8(b )の如く開らいている上方部分より、必要な安定剤(5)の分量をチューブ(15)より入れてから、図8(c)の様に容器(8)の開いた部分を、色々な形をした各種のクリップ(E)で挟んで閉じるか、又は接着用テープ等で塞いで密封するものである。
【0063】
この様な、容器(8)(16)及び前記袋状の用具(2)(2A)等で共通の、使用する材料の材質で重要なポイントは、熱した後、如何に中味の半液体状(5a)を、余す事無く口の部分、又は切り口より指先等で本体を挟み、簡単に外部へ押し出し易く、使える事が出来るもので、例えばチューブ容器で使用されている柔らかなラミネートの素材、及び紙製、その他の合成樹脂製、金属製等の薄めの素材、又は薄めで弾力性のある素材等による、容器(8)、(16)及び袋状の用具(2)(2A)が望ましいものであるが、これ等に類似した素材及びその他の素材によっても使用する事は出来る。
【0064】
又、図6、図7(a)(b)の容器(16)、及び図8(a)(b)(c)の容器(8)の形も、これらの図に示したものに限らず、又、袋状の用具(2)(2A)も同様にいろいろな形のもの、例えば箱形、長方形、円形、楕円形、筒の形、半円形、三角形、逆三角形、ハート形等の形にしたものにし、上記で述べた使用する材料の材質の重要性と同様に、形に於いても半液体状(5a)になった中味の全てを容易く外部へ出し、しかも義歯(1)(1A)の要所の各部分に確りと置き易い形にする事も、合せて大切な要点となるものである。
【0065】
又、容器(8)などに、必要とする安定剤(5)の分量、又はそれに片栗粉を加えたものを入れた後、紙製、合成樹脂製、金属製、ガラス製等のシート状の素材で包み、密封してそれらのシート状の綴じ目の部分を、クリップ(E)、又は接着用テープ等で止める事によっても、十分に使用する事が出来る。
【0066】
又、これら上記で述べた、袋状の用具(2)(2A)及び容器(8)(16)の他に、紙製、合成樹脂製、金属製等のシート状の素材上に、必要とする安定剤(5)の分量、又はそれに片栗粉を加えたものをのせてから包み、シート状の綴じ目の部分を、クリップ(E)、又は接着用テープ、輪ゴム等で止めるなどして密封しても、同様に使用する事が出来るものである。
【0067】
この様に、使用時に必要とする安定剤(5)の分量を、チューブ(15)等より取り出し、それに片栗粉を加える等してから、いろいろな方法で密封して熱湯内で熱する時に、輪状付き部材(14)図9(a)の、布製の細紐(11)、又は合成樹脂製の細紐(12)等の片方先端に弾力性の輪状部材(13)と、その反対の先端に紙製、合成樹脂製等の手持ち部材(10)を付け備えた輪状付き部材(14)を使用して、密封したそれぞれの安定剤(5)を輪状部材(13)内に嵌め込んで、フライパン(A)内の熱湯で安定剤(5)を熱する時点が図9(b)で、又同様に茶碗(D)などの容器に薬缶(C)、ポット等で熱湯を入れ、安定剤(5)を熱するものが図9(c)である。
【0068】
上記で述べた事は、密封した全ての安定剤(5)を熱湯内で熱する時に、輪状部材(14)を使用する事と言う訳ではなく、特に高年令者に対しての安全性を考えた場合の含みもあっての事で、箸などで熱湯内の密封した安定剤(5)を摘むなどしてしても、簡単に取り扱う事が出来、又袋状の用具(2)(2A)及び容器(8)(16)に、紅茶等のティーバックに取り付けてある、糸の先端部分に、紙製等の手持ち部材を取り付けたものと同様のものを取り付ける事も出来る。
【0069】
又、使用時に必要とする安定剤(5)の分量、又はそれに片栗粉を加えてから、入れて密封する、袋状の用具(2)(2A)及び容器(8)(16)並びにシート状の素材等を、透明な素材で作り、安定剤(5)が熱せられる事で、変色する染料を加えた安定剤(5)を使用して、その変色の状態を見ながら、安定剤(5)の熱し加減を判断し、半液体状(5a)にして使用する事も出来る。
【0070】
又、袋状の用具(2)(2A)の素材で、熱と水に強い紙製の袋で、その内部部分を体に影響がない樹脂加工をしたもの、又は即席カレーのパック等に使用されているアルミ製素材によるものなども使用する事が出来、又袋状の容器(2)(2A)の表面と、容器(8)(16)の内部又は表面の部分に、横線等による用量メモリを入れたもの等も使用する事が出来る。
【0071】
こうした素材等と共に、いろいろな工夫をした、袋状の用具(2)(2A)及び容器(8)(16)等を熱湯内又はレンジ内で熱した後、袋状の用具(2)(2A)及び容器(8)(16)内の半液体状(5a)を、上顎用義歯(1)の歯茎(1B)に密着する要所の各部分に置くものが図10(a)(b)であり、又同様に、下顎用義歯(1A)に置く時点を示したものが図11(a)(b)である。
【0072】
この様に、義歯(1)(1A)の歯茎(1B)に密着する要所の各部分に半液体状(5a)を置くか、又は図12で示したヘラ(F)の薄い先端部分(3a)等を使って均等に、或いは人それぞれの、義歯(1)(1A)と歯茎(1B)とが確っかり密着する部分を重点に置いたり、又はヘラ(F)で均すものである。又図12のヘラ(F)の形もこうした役目を果たすものであれば、他の形、他のものでも使用する事が出来き、又義歯(1)(1A)を使用後に取り外し、ぬるま湯に暫く浸けた後、取り付いている半液体状(5a)を、義歯床より取り除くための掃除用として、ヘラ(F)の両先端部分(3a)(4a)を使用するものである。
【0073】
この様に、いろいろな方法によって使用時に必要なクリーム状粘着タイプ義歯安定剤(5)の分量、又はそれに片栗粉を加えたものを密封し、これらを熱して半液体状固定タイプ義歯安定剤(5a)にしたものを使用して、義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に固定させるものである。尚、凸凹状のチャック(H)が取り付けられたポリ袋(G)が図13である。
【産業上の利用可能性】
【0074】
今後、益々高年令化が進む中で、こうした医療用具を進歩させる事は大変重要な事で、義歯を使用している人にとっては、食物を確っかりと噛む事、又そうした状態を長時間保つ事は全ての人の願いであって、従来のものとは多少の手間を必要とするが、その効果を知る事で十分に理解され、浸透するまでに多少の時間を要するものの、義歯を使用する者にとって価値ある物であるとの考えから、必ずや多くの人々に対しての需要が増え、産業上十分に役立つものと考える。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】(a)は上顎用義歯の斜視図である。(b)は上顎用義歯の床部分の平面図である。
【図2】(a)は上顎用義歯の床部分に、チューブ容器内のクリーム状義歯安定剤を摘出した時点の斜視図である。(b)は上顎用義歯の床部分に、チューブ容器内のクリーム状義歯安定剤を摘出した時点の平面図である。
【図3】(a)は下顎用義歯の歯茎と密着する要所の各部分へ、チューブ容器内のクリーム状義歯安定剤を摘出した時点の斜視図である。(b)は図(a)の平面図である。
【図4】(a)は本発明の袋状の用具の側面図である。(b)は本発明図(a)の袋状の用具の口部分から、チューブ容器内のクリーム状義歯安定剤を入れる時点の斜視図である。
【図5】(a)は本発明の蓋付き袋状用具の側面図である。(b)は本発明図(a)の蓋付き袋状用具の蓋の部分を開けた時点の側面図である。(c)は本発明図(b)の蓋付き袋状用具の蓋の部分を開け、チューブ容器内のクリーム状義歯安定剤を入れる時点の斜視図である。
【図6】本発明の容器の蓋を取り外し、チューブ容器内のクリーム状義歯安定剤を入れる時点の斜視図である。
【図7】(a)は本発明の容器図6に蓋及びキャップを取り付けた時点の側面図である。(b)は本発明の容器図(a)を熱した後、キャップを取って中味の半液体状安定剤を取り出す時点の実施図である。
【図8】(a)は本発明の容器の部分に、半液体状となった安定剤をスムーズに取り出す凹型の口部分を設けた正面図である。(b)は本発明の容器図(a)の容器内へ、チューブ容器内のクリーム状義歯安定剤を入れる時点の側面図である。(c)は本発明の容器図(b)の開き部分をクリップによって挟んで閉じ、密封した時点の側面図である。
【図9】(a)は本発明の細紐の一方先端に弾力性の輪状の部材と、反対部分先端に手持ち部材を取り付けたものの平面図である。(b)は本発明の図(a)の用具を使用し、フライパン内の熱湯で密封した安定剤を半液体状にする時点の実施図である。(c)は本発明の図(a)の用具を使用し、茶碗等の容器内の熱湯で密封した安定剤を半液体状にする時点の実施図である。
【図10】(a)は本発明の半液体状義歯安定剤を袋状の用具から、上顎用義歯の床部分へ置く時点の斜視図である。(b)は本発明の半液体状義歯安定剤を容器から、上顎用義歯の床部分へ置く時点の平面図である。
【図11】(a)は本発明の半液体状義歯安定剤を袋状の用具から、下顎用義歯の歯茎に密着する要所の各部分へ置く時点の斜視図である。(b)は本発明の半液体状義歯安定剤を容器から、下顎用義歯の歯茎に密着する要所の各部分へ置く時点の平面図である。
【図12】本発明の半液体状義歯安定剤を義歯床上で均す為、又使用後の義歯を掃除する為のヘラの斜視図である。
【図13】本発明の袋状の用具等の口部分に凸と凹状の部材を取り付け、その双方を重ね合わせる事で口を閉じる事が出来るチャック付きポリ袋を見本とした 斜視図である。
【符号の説明】
【0076】
1、上顎用義歯
2、袋状の用具
3、袋状の用具の蓋
4、袋状の用具の切り裂き口
5、クリーム状粘着タイプ義歯安定剤
6、袋状の用具裏蓋部分に取り付けた接着剤
7、袋状の用具裏蓋部分の接着剤のカバー紙
8、容器
9、容器に設けた安定剤の取り出し口
10、指で挟み持つ部材
11、布製の細紐、又は糸
12、合成樹脂製の細紐、又は糸
13、弾力性の輪状部材
14、熱湯内取り扱い用具
15、クリーム状義歯安定剤入りチューブ容器
16、チューブ容器
17、チューブ容器式の上蓋
18、チユーブ容器式取り出し口に被せるキャップ
1A、下顎用義歯
1B、歯茎
2A、蓋付き袋状用具
1a、上顎用義歯床の前歯から向って左側部分
1b、上顎用義歯床の前歯から向って右側部分
1c、上顎用義歯床の前歯の上部部分
1d、上顎用義歯床の中央部分
2a、下顎用義歯の前歯から向って右側部分
2b、下顎用義歯の前歯から向って左側部分
2c、下顎用義歯の前歯の下側部分
3a、ヘラの先部分
4a、ヘラ先と反対方向の先端部分
5a、半液体状固定タイプ義歯安定剤
A、フライパン
B、ガス台
C、薬缶
D、茶碗等の容器
E、各種のクリップ
F、ヘラ
G、チャック付きポリ袋
H、チャック(凸凹状のファスナー)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリーム状粘着タイプ義歯安定剤(5)の特性を活かし、使用上の効果を一層アツプさせるため、熱湯内、又はレンジ内で安定剤(5)の儘、又は安定剤(5)に片栗粉を加えたものを熱して、半液体状固定タイプ義歯安定剤(5a)にしたものを、義歯(1)(1A)が歯茎(1B)に密着する要所の各部分(1a)(1b)(1c)(1d)、又は(2a)(2b)(2c)へ置き、義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に取り付けてから一旦取り外し、歯茎(1B)の表面、又は義歯(1)(1A)の前記要所の各部分に取り付いた義歯安定剤(5a)に、唾液、又は水分を含ませ、再度、義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に取り付ける事、又は義歯安定剤(5a)に唾液、又は水分を含ませる時、同時に義歯(1)(1A)の前記要所の各部分に義歯安定剤(5)を取り付けて、義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に取り付けるため、必要とする義歯安定剤(5)の分量を入れ密封する事が出来る袋状の用具(2)(2A)、又は容器(8)(16)と、袋入り片栗粉を義歯安定剤(5)と同一のパッケージに収めた義歯安定剤セツト。
【請求項2】
請求項1に記載の袋状の用具(2)(2A)、及び容器(8)(16)を、袋状の用具(2)並びに容器(8)と、シート状素材、クリップ(E)、接着用テープ、ヘラ(F)及び輪状付き部材(14)に代えて、いろいろな組み合わせにした、請求項1に記載の義歯安定剤セット。
【請求項3】
請求項1に記載の義歯安定剤セットのスペアー用として、それぞれを別々のパッケージに収さめた、袋入り片栗粉と、袋状の用具(2)(2A)、又は容器(8)(16)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリーム状粘着タイプ義歯安定剤(5)の特性を活かし、使用上の効果を一層アツプさせるため、熱湯内、又はレンジ内で安定剤(5)の儘、又は安定剤(5)に片栗粉を加えたものを熱して、半液体状固定タイプ義歯安定剤(5a)にしたものを、義歯(1)(1A)が歯茎(1B)に密着する要所の各部分(1a)(1b)(1c)(1d)、又は(2a)(2b)(2c)へ置き、義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に取り付けてから一旦取り外し、歯茎(1B)の表面、又は義歯(1)(1A)の前記要所の各部分に取り付いた義歯安定剤(5a)に、唾液、又は水分を含ませ、再度、義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に取り付ける事、又は義歯安定剤(5a)に唾液、又は水分を含ませる時、同時に義歯(1)(1A)の前記要所の各部分に義歯安定剤(5)を取り付けて、義歯(1)(1A)を歯茎(1B)に取り付けるため、必要とする義歯安定剤(5)の分量を入れ密封する事が出来る袋状の用具(2)(2A)、又は容器(8)(16)、並びに袋入り片栗粉を義歯安定剤(5)と同一のパッケージに収めた義歯安定剤セツト。
【請求項2】
請求項1に記載の袋状の用具(2)(2A) 、及び容器(8)(16)を、袋状の用具(2)並びに容器(8)と、シート状素材、クリップ(E)、接着用テープ、ヘラ(F)及び輪状付き部材(14)に代えて、いろいろな組み合わせにした、請求項1に記載の義歯安定剤セット。
【請求項3】
請求項1に記載の義歯安定剤セットのスペアー用として、それぞれを別々のパッケージに収さめた、袋入り片栗粉と、袋状の用具(2)(2A)、並びに容器(8)(16)。
【請求項4】
クリーム状粘着タイプ義歯安定剤(5)に片栗粉、又はその成分を加えた義歯安定剤(5)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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