説明

羽根つき餃子及びその製造法

【課題】香ばしくサクサ感を持った羽根状バリを形成し、せんべい状の皮膜のパリパリ感が維持されて、食味良好で見栄えが良い焼き餃子、及び、その製造法を提供すること。
【解決手段】焼き餃子を調理製造する際に、酸化デンプン及び/又は酸処理デンプン、又は酸化デンプン及び/又は酸処理デンプンを含有する穀粉或いはデンプンからなるコーティング材を、餃子皮外部又は焼き面周辺部に塗布し、焼成することにより、香ばしくサクサ感を持った羽根状バリを形成し、せんべい状の皮膜のパリパリ感が維持されて、食味良好で見栄えが良い焼き餃子を製造する。本発明で用いられる酸化デンプンは、濃度5重量%の水懸濁液を90℃に加熱し、10分間保持し、50℃まで冷却した条件で、粘度を測定したときに、5〜800mPa・sである酸化デンプンが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼き餃子において、香ばしく、サクサ感を有する羽根状バリを形成した羽根つき餃子、及びその製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
焼き餃子は、今や庶民的な料理の一つであり、摂食量は、膨大である。餃子には、焼き餃子、水餃子などが知られているが、中でも日本では、焼き餃子が主流である。一般的には、餃子は、ミンチ肉、キャベツ等の野菜、ニンニク等を細かくカッティングし、小麦粉から作られた餃子皮で包んで作られる。これを、「焼く」または、「スープ中で加熱」して、調理される。焼き餃子は、「焼く」方法により、調理されたものであるが、更に詳細に説明すると、フライパン又は専用の餃子焼器に、薄く油を塗り、この上に餃子を並べ焼き目をつける、ここに水を加え蓋をして、蒸し焼きにする。焼き餃子の食感として、表面の皮に香ばしく焦げ目がつき、内部がジューシーであることが求められる。このとき、餃子皮に付着していたトリ粉により、いわゆる「バリ」ができる。この「バリ」の出現により、焼き餃子がいかにも香ばしく焼けたように見える。
【0003】
焼き餃子において、焼き餃子の焼き面に、パリパリとした食感(クリスピー感)を付与するためのいくつかの方法が開示されている。例えば、特開平10−271978号公報及び特開2005−198666号公報には、焼き調理した餃子の表面に、食用油を付着させたり、焼き面に多重の皮を有する餃子を焼き調理することにより、焼き調理直後、或いは調理後いったん冷凍保存又は冷蔵保存した焼き餃子を喫食直前に再加熱調理した場合に、焼き餃子特有の好ましいクリスピー感を付与する方法が開示されている。また、特開平6−245740号公報には、水、油脂、乳化剤に対し、穀物粉及び/又はタンパク質を添加して乳化させたエマルジョンを、餃子の焼き面につけて焼くことにより、パリッとした食感、香ばしい風味を付与することについて開示されている。ここで用いられる穀物粉としては、米粉、小麦粉、とうもろこし粉等の穀物粉や、コーンスターチ等の澱粉やα化澱粉等の加工澱粉が挙げられている。
【0004】
更に、再公表特許2004−004493(WO2004/004493)には、焼き餃子等の焼き目のパリパリ感の劣化を抑制するために、穀物粉と、かさ密度3.0ml/g以上の粉末状の澱粉加水分解物とを含む、パリパリ感劣化抑制剤を、麺体皮の外表面に付着させる方法が開示されている。この方法で用いられる穀物粉としては、小麦粉、米粉、とうもろこし粉等の穀物粉や、小麦澱粉、コーンスターチ、α化澱粉等が挙げられている。
【0005】
また、特開2002−306140号公報には、焼き餃子の焼面のせんべい状の皮膜が、焼き立てのパリパリした食感を維持できるために、ハイアミロース澱粉を含有するコーティング材を餃子皮外部及びその周辺部に塗布する方法が開示されている。この方法で用いられるハイアミロース澱粉としては、通常の澱粉よりアミロースが高い澱粉として、一般的な穀物由来の澱粉、地下茎由来の澱粉、と共に、アミロース含量が50%或いは70%のハイアミロースコーンスターチが挙げられている。また、これらの澱粉は、生澱粉のままでも、α化処理されていてもよく、エステル化、エーテル化、酸処理などの化工が施されていてもよいことが示されている。
【0006】
これらの焼き餃子の製造法は、餃子の焼き面や焼き底面にパリパリした食感を付与するように改良されたものであるが、香ばしくサクサ感を持った羽根状バリを形成し、せんべい状の皮膜のパリパリ感が維持されて、食味良好で見栄えが良い焼き餃子という観点から見れば、必ずしも満足のいくものではなかった。通常、焼き餃子の製造に際しては、トリ粉を用いる場合が多く、一般には、餃子皮を作成する場合のトリ粉として、小麦粉や、馬鈴薯澱粉や、トウモロコシ澱粉が使われるが、あまり多くこれらのトリ粉を使った「バリ」は、小麦粉の場合は、弾力が出すぎ、馬鈴薯澱粉の場合は、硬くなりすぎる。
【0007】
【特許文献1】特開平6−245740号公報。
【特許文献2】特開平10−271978号公報。
【特許文献3】特開2002−306140号公報。
【特許文献4】特開2005−198666号公報。
【特許文献5】再公表特許2004−004493(WO2004/004493)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、香ばしくサクサ感を持った羽根状バリを形成し、せんべい状の皮膜のパリパリ感が維持されて、食味良好で見栄えが良い焼き餃子、及び、その製造法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を解決すべく、食味良好で見栄えが良い焼き餃子の提供について、鋭意研究する中で、焼き餃子を調理製造する際に、酸処理デンプン、酸処理デンプンを含有する穀粉或いはデンプン;酸化デンプン、酸化デンプンを含有する穀粉或いはデンプンからなる群から選択される少なくとも1つ以上のコーティング材を、餃子皮外部又は焼き面周辺部に塗布し、焼成することにより、香ばしくサクサ感を持った羽根状バリを形成し、せんべい状の皮膜のパリパリ感が維持されて、食味良好で見栄えが良い焼き餃子を製造することができることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明者は、食味良好で見栄えが良い焼き餃子の製造について検討する中で、焼き餃子の具、餃子の皮の食感、味もさることながら、焼き餃子の焼き面のような餃子の外観も餃子の食味や見栄えに重要であると考えた。そして、食味良好で、外観的に美味しく見せるためには、餃子の焼き具合以外にも、餃子を焼成することによって形成される、羽根状のバリ、すなわち、いわゆる「餃子の羽根」又は「バリ」が重要なファクターであることを見い出した。そして、「餃子の羽根」としては、見た目は薄くなるものが良く、実際に食したときには、サクサ感を持った香ばしいものが望ましいことを見い出した。
【0011】
そこで、鋭意検討する中で、酸化デンプン及び/又は酸処理デンプンを、餃子皮外部又は焼き面周辺部に塗布し、焼成することにより、見た目が薄く、実際に食したときには、サクサ感を持った香ばしい羽根状バリを形成することができ、せんべい状の皮膜のパリパリ感が維持されて、食味良好で見栄えが良い焼き餃子を製造することができることを見い出した。本発明において、コーティング材として用いる酸化デンプン又は酸処理デンプンは、酸化デンプン自体又は酸化デンプンを含有する穀粉或いはデンプン、又は酸処理デンプン自体又は酸処理デンプンを含有する穀粉或いはデンプン、の形で用いられる。本発明において、サクサ感を持った香ばしい羽根状バリを形成するためには、酸化デンプンまたは酸処理デンプンは、コーティング材全量に対して、少なくとも30重量%含有させることが望ましい。また、本発明においては、コーティング材に、キシロース等の糖を添加して、焼き餃子の焼き色を向上することができ、炭酸カルシウムやリン酸カルシウム、ラード粉末を添加して、「餃子の羽根」の網目の向上を図ることができる。
【0012】
本発明において、酸化デンプン又は酸化デンプンを含有する穀粉或いはデンプン、及び/又は、酸処理デンプン又は酸処理デンプンを含有する穀粉或いはデンプン、からなるコーティング材を、餃子皮外部又は焼き面周辺部に塗布するには、酸化デンプン、酸処理デンプン、或いは酸化デンプン、酸処理デンプンをトリ粉(穀粉或いはデンプン)に含有させ、該トリ粉を餃子の製造工程の一部で使用し、餃子皮外部に塗布するか、或いは、焼き餃子を調理製造する際に、酸化デンプン、酸処理デンプン、或いは酸化デンプン及び/又は酸処理デンプンを含有する穀粉或いはデンプンのスラリー溶液を、餃子にからめるか又は焼き器に注ぐかして、餃子皮外部又は焼き面周辺部に塗布するかして行なうことができ、該コーティング材を、餃子皮外部又は焼き面周辺部に塗布した餃子を、焼き工程で焼成することにより、食感及び外観的にも優れた「餃子の羽根」又は「バリ」を効率的に作ることができる。
【0013】
本発明において用いられる酸化デンプン又は酸処理デンプンは、酸化デンプン又は酸処理デンプン成分中の酸化デンプン又は酸処理デンプンが、濃度5重量%の水懸濁液を90℃に加熱し、10分間保持し、50℃まで冷却した条件で、粘度を測定したときに、5〜800mPa・sであることが好ましい。また、該酸化デンプン又は酸処理デンプンの調製原料としては、小麦デンプン、トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、米デンプン、又はサゴデンプンであることが特に好ましい。本発明において、焼き餃子は、焼成することにより、香ばしくサクサ感を持った羽根状バリを形成し、せんべい状の皮膜のパリパリ感が維持されて、食味良好で見栄えが良い焼き餃子として、提供することができるが、酸化デンプン又は酸化デンプンを含有する穀粉或いはデンプン、又は、酸処理デンプン又は酸処理デンプンを含有する穀粉或いはデンプンからなるコーティング材を、餃子皮外部又は焼き面周辺部に塗布した、焼成することにより羽根状バリを形成する羽根つき餃子製造用の冷蔵或いは冷凍のような形で保存又は流通するための餃子調製品として提供することもできる。
【0014】
すなわち具体的には本発明は、(1)焼き餃子を調理製造するに際し、酸処理デンプン、酸処理デンプンを含有する穀粉或いはデンプン;酸化デンプン、酸化デンプンを含有する穀粉或いはデンプンからなる群から選択される少なくとも1つ以上のコーティング材を、餃子皮外部又は焼き面周辺部に塗布し、焼成することにより羽根状バリを形成することを特徴とする羽根つき餃子の製造法や、(2)酸化デンプン及び酸処理デンプンからなる群のうち少なくとも1つ以上を、コーティング材全量に対して、少なくとも30重量%含有させたコーティング材を用いることを特徴とする前記(1)記載の羽根つき餃子の製造法や、(3)コーティング材を、トリ粉の形で餃子皮外部又は焼き面周辺部に塗布することを特徴とする前記(1)又は(2)記載の羽根つき餃子の製造法や、(4)コーティング材を、スラリーの形で餃子皮外部又は焼き面周辺部に塗布することを特徴とする前記(1)又は(2)記載の羽根つき餃子の製造法や、(5)コーティング材のスラリーを、焼き器に注ぎ、焼き面周辺部に塗布することを特徴とする前記(4)記載の羽根つき餃子の製造法や、(6)酸化デンプン及び/又は酸処理デンプンの成分中の酸化デンプン又は酸処理デンプンが、濃度5重量%の水懸濁液を90℃に加熱し、10分間保持し、50℃まで冷却した条件で、粘度を測定したときに、5〜800mPa・sである酸化デンプン及び/又は酸処理デンプンを用いることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか記載の羽根つき餃子の製造法や、(7)酸化デンプン及び/又は酸処理デンプンの調製原料が、小麦デンプン、トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、米デンプン、又はサゴデンプンであることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれか記載の羽根つき餃子の製造法や、(8)コーティング材に、キシロース及び/又は炭酸カルシウム、キシロース及び/又はリン酸カルシウム及び/又はラード粉末を添加することを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれか記載の羽根つき餃子の製造法からなる。
【0015】
また、本発明は(9)前記(1)〜(8)のいずれか記載の製造法によって製造された羽根状バリを形成した羽根つき餃子や、(10)酸処理デンプン、酸処理デンプンを含有する穀粉或いはデンプン;酸化デンプン、酸化デンプンを含有する穀粉或いはデンプンからなる群から選択される少なくとも1つ以上のコーティング材を、餃子皮外部又は焼き面周辺部に塗布したことを特徴とする、焼成することにより羽根状バリを形成する羽根つき餃子製造用餃子調製品からなる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の羽根つき餃子の製造法により、見た目が薄く、実際に食したときには、サクサ感を持った香ばしい羽根状バリを効率的に形成することができ、せんべい状の皮膜のパリパリ感が維持されて、食味良好で見栄えが良い焼き餃子を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、焼き餃子を調理製造する際に、酸処理デンプン、酸処理デンプンを含有する穀粉或いはデンプン;酸化デンプン、酸化デンプンを含有する穀粉或いはデンプンからなる群から選択される少なくとも1つ以上のコーティング材を、餃子皮外部又は焼き面周辺部に塗布し、焼成することによって、羽根状バリを形成する羽根つき餃子の製造法からなる。本発明において使用する酸化デンプンは、生デンプン又は加工デンプンを原料とするものが使用され、生デンプン又は加工デンプンを次亜塩素酸処理等で、低粘度化したデンプンが使用される。また、本発明において使用する酸処理デンプンは、生デンプン又は加工デンプンを原料とするものが使用され、生デンプン又は加工デンプンを塩酸、硫酸などの希薄な酸溶液に浸漬し低粘度化したデンプンが使用される。該酸化デンプン、酸処理デンプンの原料となるデンプンとしては、一般に食用に使われるデンプン及び、加工デンプンが使用される。
【0018】
生デンプンとしては、例えば、タピオカデンプン、馬鈴薯デンプン、トウモロコシデンプン、高アミローストウモロコシデンプン、小麦デンプン、ワキシートウモロコシデンプン等が使用できる。加工デンプンとしては、上記生デンプンの弱く加工処理したデンプンが選ばれる。上記原料としては、特に、小麦デンプン、トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、米デンプン、サゴデンプン及びそれらの加工デンプンが好ましい。
【0019】
デンプンの酸化物は、例えば、生デンプンまたは加工デンプンの35〜45重量%程度の水性スラリーに対して、2〜20重量%程度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を滴下しながら、室温で30〜150分間程度撹拌して、酸化又は漂白することにより、調製することができる。デンプンの酸処理物は、例えば、生デンプンまたは加工デンプンの35〜45重量%程度で20〜50℃の水温の水性スラリーに対して、塩酸、硫酸を水性スラリー液のpHを1〜2.5程度に調整し、1〜30時間程度撹拌して、調製することができる。
【0020】
本発明において、酸化デンプン又は酸処理デンプンは特定範囲の粘度を有する酸化デンプン又は酸処理デンプンを使用することが好ましい。酸化デンプン、又は酸処理デンプンの評価は、5%の水懸濁液を90℃に加熱し、10分間保持し、その後、蒸発した水を補給しながら、50℃まで冷却し、その温度での粘度をB型回転粘度計で測定するにより求めることができる。
【0021】
この条件で測定した場合、5〜800mPa・sの範囲の酸化デンプン又は酸処理デンプンを使用することが好ましい。800mPa・s以上の場合は、できた餃子の羽根の食感が重く好ましくなく、5mPa・s以下では、餃子の羽根がネチャつく感じになり、好ましくない。
【0022】
本発明においては、上記酸処理デンプン、酸処理デンプンを含有する穀粉或いはデンプン、酸化デンプン又は酸化デンプンを含有する穀粉或いはデンプンからなる群のうち少なくとも1つ以上からなるコーティング材を、餃子皮外部又は焼き面周辺部に塗布し、焼成することにより羽根状バリを形成した羽根つき餃子を製造することができるが、該コーティング材の餃子皮外部又は焼き面周辺部への塗布は、該酸化デンプン、或いは酸化デンプンをトリ粉(穀粉或いはデンプン)に含有させ、該トリ粉を餃子の製造工程の一部で使用し、餃子皮外部に塗布するか、或いは、焼き餃子を調理製造する際に、酸化デンプン及び/又は酸処理デンプン、或いは酸化デンプン及び/又は酸処理デンプンを含有する穀粉或いはデンプンのスラリー溶液を、餃子にからめるか又は焼き器に注ぐかして、餃子皮外部又は焼き面周辺部に塗布するかして行なうことができる。該コーティング材を、餃子皮外部又は焼き面周辺部に塗布した餃子を、焼き工程で焼成することにより、食感及び外観的にも優れた「餃子の羽根」又は「バリ」を効率的に作ることができる。
【0023】
本発明においては、上記条件により調製された酸化デンプン及び/又は酸処理デンプンを用いることにより、食感、外観上好ましい「餃子の羽根」を作ることができるが、該酸化デンプンからなるコーティング材に、キシロース等の糖類を添加することにより、焼き色を更につけることができる。また、炭酸カルシウムやリン酸カルシウムを0.1〜1%の範囲で添加すること、またはラード粉末を5〜30%の範囲で添加することにより、網目を細かい、軽い食感にすることができる。本発明の方法により、食感及び外観的にも優れた羽根つき餃子を製造することができるが、本発明は、「餃子の羽根」にかかわる要件として重要な(1)焼き色が自然できれいなこと、(2)適度に口どけがよく、サクサ感を持っていること、(3)網目が細かくきれいなこと等、「焼き餃子」に要求される望ましい要件を全て満たすことができる。
【0024】
以下実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明が、これらの実施により限定されるものではない。
【実施例1】
【0025】
各種デンプン原料を次亜塩素酸ナトリウムにて酸化処理し、各種酸化デンプンを得た。また、各種デンプン原料を硫酸にて酸処理し、各酸処理デンプンを得た。粘度は、5%、50℃の条件で測定した。結果を表1及び表2に示す。
【0026】
【表1】

【0027】
【表2】

【実施例2】
【0028】
実施例1の酸化デンプン又は酸処理デンプン各4gを蒸し水70mLに懸濁し、餃子5個と一緒にフライパンで焼いた。「餃子の羽根」の評価を表3−1、表3−2、表3−3、表3−4に従い行った。結果を表4及び表5に示した。また、比較例として、中程度架橋トウモロコシデンプンと中程度架橋タピオカデンプンを使ったものを評価した。
【0029】
【表3−1】

【0030】
【表3−2】

【0031】
【表3−3】

【0032】
【表3−4】

【0033】
【表4】

【0034】
【表5】

【実施例3】
【0035】
実施例1の酸化デンプン又は酸処理デンプンを、餃子1ヶ当たり各1gを餃子にまぶし焦げ目をつけてから蒸し水70mLを加え、フライパンで焼いた。「餃子の羽根」の評価を表3−1、表3−2、表3−3、表3−4に従い行った。また、比較例として、中程度架橋トウモロコシデンプンと中程度架橋タピオカデンプンを使ったものを評価した。結果を表6及び表7に示した。
【0036】
【表6】

【0037】
【表7】

【実施例4】
【0038】
実施例1に示した試作品9の原料にあらかじめキシロースを0〜5%混合し、実施例2の方法で焼き色の改善効果を評価した。結果を、表8に示す。
【0039】
【表8】

【実施例5】
【0040】
実施例1に示した試作品2の原料にあらかじめ炭酸カルシウムを0.1〜1%混合し、実施例2の方法で網目の状態を評価した。結果を、表9に示す。
【0041】
【表9】

【実施例6】
【0042】
実施例1に示した試作品1(未酸化処理トウモロコシデンプン)に試作品4を、混合して、トリ粉をつくり、実施例3の方法により、焼き餃子を作り、「餃子の羽根」を表3−1、表3−2、表3−3、表3−4に従い行った。結果を表10に示す。
【0043】
【表10】

【実施例7】
【0044】
実施例1に示した試作品まる数字の原料にあらかじめ、ラード粉末(ミヨシ油脂株式会社:マジックファット205)を5〜30%混合し実施例2の方法で網目を表11に食感を表12の評価をした。結果を、表11、表12に示す。
【0045】
【表11】

【0046】
【表12】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼き餃子を調理製造するに際し、酸処理デンプン、酸処理デンプンを含有する穀粉或いはデンプン;酸化デンプン、酸化デンプンを含有する穀粉或いはデンプンからなる群から選択される少なくとも1つ以上のコーティング材を、餃子皮外部又は焼き面周辺部に塗布し、焼成することにより羽根状バリを形成することを特徴とする羽根つき餃子の製造法。
【請求項2】
酸化デンプン及び酸処理デンプンからなる群のうち少なくとも1つ以上を、コーティング材全量に対して、少なくとも30重量%含有させたコーティング材を用いることを特徴とする請求項1記載の羽根つき餃子の製造法。
【請求項3】
コーティング材を、トリ粉の形で餃子皮外部又は焼き面周辺部に塗布することを特徴とする請求項1又は2記載の羽根つき餃子の製造法。
【請求項4】
コーティング材を、スラリーの形で餃子皮外部又は焼き面周辺部に塗布することを特徴とする請求項1又は2記載の羽根つき餃子の製造法。
【請求項5】
コーティング材のスラリーを、焼き器に注ぎ、焼き面周辺部に塗布することを特徴とする請求項4記載の羽根つき餃子の製造法。
【請求項6】
酸化デンプン及び/又は酸処理デンプンの成分中の酸化デンプン又は酸処理デンプンが、濃度5重量%の水懸濁液を90℃に加熱し、10分間保持し、50℃まで冷却した条件で、粘度を測定したときに、5〜800mPa・sである酸化デンプン及び/又は酸処理デンプンを用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の羽根つき餃子の製造法。
【請求項7】
酸化デンプン及び/又は酸処理デンプンの調製原料が、小麦デンプン、トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、米デンプン、又はサゴデンプンであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の羽根つき餃子の製造法。
【請求項8】
コーティング材に、キシロース及び/又は炭酸カルシウム、キシロース及び/又はリン酸カルシウム及び/又はラード粉末を添加することを特徴とする請求項1〜7のいずれか記載の羽根つき餃子の製造法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか記載の製造法によって製造された羽根状バリを形成した羽根つき餃子。
【請求項10】
酸処理デンプン、酸処理デンプンを含有する穀粉或いはデンプン;酸化デンプン、酸化デンプンを含有する穀粉或いはデンプンからなる群から選択される少なくとも1つ以上のコーティング材を、餃子皮外部又は焼き面周辺部に塗布したことを特徴とする、焼成することにより羽根状バリを形成する羽根つき餃子製造用餃子調製品。