説明

羽毛搬送装置及び羽毛選別装置

【課題】羽毛の選別を効率的にしかも精度よく行う。
【解決手段】羽毛搬送装置は、エッジが延びる方向に沿って所定の間隔をおいて形成された複数の貫通孔を有する無端ベルトと、無端ベルトに供給する複数の羽毛が収納された羽毛供給部と、無端ベルトの下側走行領域に隣接する隣接面を有し隣接面において貫通孔に対向する部分に、貫通孔の整列方向に延びるとともに内部に貫通する溝が形成された中空部材と、中空部材に連結し中空部材内の空気を外部に排出させるエア排出部とを備える。羽毛供給部は下側走行領域の下側に隙間をおいて配置された羽毛収納容器と、羽毛収納容器の下側に配置され羽毛収納容器に空気を噴出するエア噴出器とを有する。羽毛収納容器はその球面側がエア噴出器側に位置し球面の最下点に形成されたエア導入口を備え、エア導入口に向けてエア噴出器から空気が吹き付けられて羽毛収納容器から羽毛を吹き上げて、無端ベルトに羽毛を供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、羽毛をダウン、フェザー、ファイバーなどに選別する羽毛選別装置、及び羽毛選別装置に適用され、羽毛を搬送する羽毛搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
羽毛は、かなり以前から寝具や衣料などの羽毛製品の詰め物として用いられており、ダウン、フェザー及びファイバーの3種類に大別されている。ここで、ダウンは、水鳥の胸部に密生し、羽軸がなくタンポポの種子の綿毛のような形状をしている羽毛である。フェザーは、水鳥の腹部や翼の部分に生えている羽軸を持った羽毛である。ファイバーは、ダウンファイバーとフェザーファイバーとに分けられる。ダウンファイバー及びフェザーファイバーは、それぞれ、ダウン及びフェザーから羽軸を分離した羽枝である。ダウンファイバー及びフェザーファイバーは、それぞれ、1本の状態まで完全に分離されている。
【0003】
羽毛を用いる羽毛製品の値段は、羽毛の混合比率によって決定されている。したがって、羽毛の混合比率は、羽毛が市場で取引される際に、検査される。羽毛の混合比率の検査は、予め決められており、検査される羽毛から3gの試料を取り出す取出ステップと、取り出された試料から羽毛の種類(ダウン、フェザー、ファイバー)を選別する選別ステップと、選別された羽毛の種類の比率を求める測定ステップとを行う。なお、羽毛の混合比率は、重量比で決定される。
【0004】
現在においても、選別作業は手作業によって行われている。しかし、選別作業は、手作業で行うので、多くの作業時間を要し、この結果、必要な人件費は多額になるという問題がある。また、混合比率の精度は、選別作業を行う作業者の熟練度に応じて異なるという問題がある。このような問題を解決するため、現在、羽毛の選別の機械化が望まれている。
【0005】
そこで、従来、風力を利用して羽毛を選別する風力選別装置が使用されている。例えば、風力選別装置は、試料を収容した収容ボックスとこれに隣接するように水平方向に並べて配置された3つの選別ボックスとを有し、送風機から吹き出される風によって収容ボックスの羽毛を選別ボックスの上方に吹き飛ばす。
【0006】
吹き飛ばされた羽毛は、これらの空気抵抗、質量(浮力)の違いに応じて吹き飛ばされる距離が異なるので、羽毛の質量に応じた選別ボックスに落下する。このようにして、風力選別装置は羽毛の種類を選別する。つまり、羽毛のうち、一番遠くに配置された選別ボックスにもっとも軽いダウンが落下し、その手前の選別ボックスにフェザーが落下し、もっとも手前の選別ボックスに大きなフェザーが落下する。このように、従来の風力選別装置は、一般的に、羽毛の空気の抵抗及び浮力並びに質量の差を利用して選別する。
【0007】
また、特許文献1には、収容ボックスの内部の空気をイオン化させるイオン化ステップと、イオン化された空気により収容ボックスの羽毛のうちダウンを生来の姿形に復元させて、浮上させるダウン浮上ステップと、浮上させたダウンを吸引装置によって吸引、回収する回収ステップとを実行するイオン化選別装置が記載されている。これにより、羽毛からダウンを選別することができる。
【0008】
特許文献2には、その羽毛が羽毛回収ボックスに向かって飛ばされる方向とほぼ同じ方向の気流を噴射させて、エアカーテンを形成させる噴射装置を有する噴射選別装置が記載されている。このエアカーテンの気流により、羽毛のうち、空気抵抗の少ない、比重の軽いダウンを効率よく選別することができる。
【特許文献1】特開昭61−54263号公報
【特許文献2】特開昭61−125379号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、発明者は、風力を利用して羽毛を選別する風力選別装置、すなわち、羽毛の空気抵抗と浮力との差を利用して羽毛の選別をする風力選別装置の有効性について検討した。発明者は、実験で、表1に示す10種類の羽毛(ダウン(大、中、小)、類似ダウン(大きめ、小さめ)、スモールフェザー(大、中、小)、スモールフェザー幹羽軸固め、ダウンファイバー)についてこれらが浮上するときの風速を測定し、これらの風速に差が生じるか否かを調べた。
【0010】
測定に用いた実験装置は、上下面に開口を有する筒状の四角柱と、この四角柱の下部に、上部に向かって気流を生じさせるDCファンとを有する。測定は、DCファンを低速回転から高速回転に順次作動させて、四角柱内に入れられた羽毛が上昇し始めるときのDCファンに印加された電圧を測定した。なお、風速はDCファンに印加される電圧に応じて変えられるようになっており、電圧と風速の関係は、熱流速計を用いて測定した。測定結果を表1に示す。
【0011】
【表1】

【0012】
表1に示すように、ダウン小とダウンファイバーとが上昇する風速は他の羽毛が上昇する風速に比べて顕著な差があるので、風力選別装置は、ダウン小及びダウンファイバーとそれら以外の羽毛とを有効に選別することができる。しかし、測定結果によれば、ダウンを浮上させるために必要な風速とフェザーを浮上させるために必要な風速とは、ほとんど差がない。そのため、風力選別装置は、風速を変化させて羽毛からダウンとフェザーとを正確に選別することができないという問題を有する。
【0013】
本発明は、このような問題点を解決し、羽毛を選別する作業を機械化し、かつ、選別作業の精度を向上させる羽毛選別装置及びその羽毛選別装置に適用する羽毛搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
発明者は、前記目的を達成するため、羽毛の選別作業の内容に着目して、以下の発明をした。具体的には、羽毛の選別作業は、作業者が試料から1つ羽毛を取り出す取出作業と、作業者の目視による羽毛の種類を特定する認識作業とをしているので、発明者は、取出作業の代わりにベルトに設けた複数の孔のそれぞれに羽毛を吸着させ、認識作業の代わりに、吸着された羽毛を画像認識で選別する羽毛選別装置及びその羽毛選別装置に適用する羽毛搬送装置を発明した。
【0015】
(1) これのエッジが延びる方向に平行な方向に沿って所定の間隔をおいて形成された複数の貫通孔を有する無端ベルトと、前記無端ベルトを張設させる少なくとも2つのローラと、前記ローラの少なくとも1つのローラを回転させる駆動部と、前記無端ベルトに供給する複数の羽毛が収納された羽毛供給部と、前記無端ベルトの下側走行領域に隣接する隣接面を有し、該隣接面において前記貫通孔に対向する部分に、前記貫通孔の整列方向に延びるとともに内部に貫通する溝が形成された中空部材と、前記中空部材に連結し、前記中空部材内の空気を外部に排出させるエア排出部とを備え、各貫通孔は、前記羽毛のいずれよりも小さく、前記羽毛供給部は、前記下側走行領域の下側に隙間をおいて配置され、前記羽毛が収納された略半球状の羽毛収納容器と、前記羽毛収納容器の下側に配置され前記羽毛収納容器に空気を噴出するエア噴出器とを有し、前記羽毛収納容器はその球面側が前記エア噴出器側に位置し、前記球面の最下点に形成されたエア導入口を備え、前記エア導入口に向けて前記エア噴出器から前記空気が吹き付けられて前記羽毛収納容器から前記羽毛が吹き上げられ、前記中空部材は、前記無端ベルトの内側に設けられ、前記下側走行領域の内側に近接又は当接し、前記貫通孔のうち前記下側走行領域の貫通孔は、前記溝の開口に位置し、前記エア排出部は、前記貫通孔のうち前記下側走行領域に位置する貫通孔から前記溝を介して空気を吸引して、吹き上げられた羽毛のうちの少なくとも1つを貫通孔に保持させることを特徴とする羽毛搬送装置。
【0016】
(1)の発明は、無端ベルトに、羽毛供給部に格納された羽毛のいずれの羽毛の大きさよりも小さい複数の貫通孔を形成している。このため、エア排出部が中空部材の内部の空気を排出することにより、無端ベルトは、下側走行領域の近傍に吹き上げられた羽毛のそれぞれを確実に各貫通孔に吸着させて、1つの貫通孔に対して少なくとも1つの羽毛を保持する。
【0017】
また、吸着された羽毛は、貫通孔を塞ぐので、羽毛を吸着した貫通孔は、他の羽毛を吸着しにくくなる。このために、複数の羽毛を同時に保持することがほとんどないので、1つの貫通孔は、羽毛供給部に格納されていた複数の羽毛のうち1つの羽毛を吸着することができる。
【0018】
さらに、羽毛収納容器を略半球状として、球面の最下点に形成されたエア導入口から空気を吹き付けるようにしたので、球面を滑り落ちて羽毛が集まる位置に空気が吹き付けられることになって、効率よく羽毛を吹き上げることができる。
【0019】
(2) 前記エア噴出器には噴出する空気の風量を調節する風量調整手段が備えられていることを特徴とする(1)記載の羽毛搬送装置。
【0020】
(3)前記エア噴出器はファンを備え、前記風量調整手段は前記ファンと同期して回転し当該回転に応じて風量に強弱をつける風量調整板であることを特徴とする(2)記載の羽毛搬送装置。
【0021】
(2)又は(3)の発明では、羽毛供給容器に噴射する風量を調整しているから、一旦吹き上げられた羽毛を羽毛供給容器に落下させることができる。
【0022】
(4) 前記羽毛収納容器と前記下側走行領域との間には、前記羽毛収納容器から吹き上げられた羽毛を前記下側走行領域に案内する案内部材が配置されていることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに羽毛搬送装置。
【0023】
(4)の発明では、案内部材によって羽毛収納容器から無端ベルトの下側走行領域に、吹き上げられた羽毛を効果的に案内することができる。
【0024】
(5) 前記羽毛供給部は前記無端ベルトよりも上側に延在した筐体であり、前記無端ベルトよりも上側において前記羽毛供給部はその延在方向に向かって徐々に開く形状を有していることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の羽毛搬送装置。
【0025】
(5)の発明では、羽毛供給部の上側をその延在方向に向かって徐々に開いた形状としたので、羽毛供給部の天井付近に羽毛が滞留するという事態を回避することができる。
【0026】
(6) 前記無端ベルトは前記羽毛供給部を貫通して配設されており、前記下側走行領域の前記羽毛供給部からの出口部側に位置づけられ、前記下側走行領域の移動方向に略平行にしかも前記移動方向と逆向きに空気を供給する空気供給部を有することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の羽毛搬送装置。
【0027】
(6)の発明では、下側走行領域の移動方向に略平行にしかもこの移動方向に逆向きに空気を供給するようにしたので、無端ベルトの下側走行領域に保持されなかった羽毛が羽毛供給部の外側に放出されてしまうという事態を回避することができる。
【0028】
(7) これのエッジが延びる方向に平行な方向に沿って所定の間隔をおいて形成された複数の貫通孔を有する無端ベルトと、
前記無端ベルトを張設させる少なくとも2つのローラと、
前記ローラの少なくとも1つのローラを回転させる駆動部と、
前記無端ベルトに供給する複数の羽毛が収納された羽毛供給部と、
前記無端ベルトの上側走行領域に隣接する隣接面を有し、該隣接面において前記貫通孔に対向する部分に、前記貫通孔の整列方向に延びるとともに内部に貫通する溝が形成された中空部材と、
前記中空部材に連結し、前記中空部材内の空気を外部に排出させるエア排出部と、を備え、
各貫通孔は、前記羽毛のいずれよりも小さく、
前記羽毛供給部は、前記上側走行領域の上側に配置されており、
前記中空部材は、前記無端ベルトの内側に設けられ、前記上側走行領域の内側に近接又は当接し、
前記貫通孔のうち前記上側走行領域の貫通孔は、前記溝の開口に位置し、
前記エア排出部は、前記貫通孔のうち前記上側走行領域に位置する貫通孔から前記溝を介して空気を吸引して、前記羽毛供給部に収納された羽毛のうちの少なくとも1つを貫通孔に保持させることを特徴とする羽毛搬送装置。
【0029】
(7)の発明では、無端ベルトの上側走行領域の上側に羽毛収納部を配置して、上側走行領域に位置する貫通孔から中空部材の溝を介して空気を吸引するようにしたので、羽毛収納容部においては、羽毛が下向きに移動する状態となり、羽毛収納部の天井部分から羽毛が飛散することがない。また、無端ベルトの上側走行領域において、羽毛を吸着しているので、吸着時点で羽毛が垂れ下がるという事態を回避することができる。この結果、良好な状態で撮像を行うことができ、羽毛の種別判定の精度が向上することになる。
【0030】
(8) 前記上側走行領域の前記羽毛供給部からの出口部側に位置づけられ、前記上側走行領域の移動方向に略平行にしかも前記移動方向と逆向きに空気を供給する空気供給部を有することを特徴とする請求項7項記載の羽毛搬送装置。
【0031】
(8)の発明では、無端ベルトの上側走行領域の移動方向に略平行にしかもこの移動方向に逆向きに空気を供給するようにしたので、羽毛が羽毛供給部の外側に放出されてしまうという事態を回避することができるばかりでなく、上側走行領域に付着した余分な羽毛を除去することができる。
【0032】
(9) 前記羽毛供給部は、第1の供給部と該第1の供給部に連続する第2の供給部とを有し、
前記第1の供給部は前記第2の供給部に対して前記無端ベルトの上側走行領域の移動方向下流側に位置づけられており、
前記第1の供給部の高さは前記第2の供給部の高さよりも高いことを特徴とする(8)に記載の羽毛搬送装置。
【0033】
(9)の発明では、羽毛供給部を第1及び第2の供給部に分けて、第1の供給部を上側走行領域の移動方向下流側に位置づけて、第1の供給部の高さを第2の供給部の高さよりも高くしたので、羽毛供給部の出口側から、空気供給部によって供給された空気が第2の供給部で循環して、第2の供給部で羽毛が舞い、その結果、上側走行領域に余分な羽毛が吸着することを防止することができる。
【0034】
(10) 前記貫通孔の代わりに、複数の貫通孔部が所定のパターンで規定された貫通孔群を用いるようにしたことを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載の羽毛搬送装置。
【0035】
(10)の発明では、貫通孔群を用いるようにしたので、確実に羽毛を無端ベルトに保持できる。
【0036】
(11) (1)〜(10)のいずれかに記載の羽毛搬送装置と、前記無端ベルトに保持された羽毛の種別を識別する識別装置と、識別装置による前記羽毛の識別タイミングを検出するタイミング検出装置とを有することを特徴とする羽毛選別装置。
【0037】
(12) 前記識別装置は、前記無端ベルトが保持する羽毛を撮像して撮像画像を得る撮像部と、前記撮像画像を処理して当該羽毛の種別を判別する画像処理部とを有し、前記タイミング検出装置は前記撮像部による撮像タイミングを検出することを特徴とする(11)に記載の羽毛選別装置。
【0038】
(13) 前記タイミング検出装置は、前記無端ベルトの上側走行領域又は下側走行領域に配置され、前記上側走行領域又は下側走行領域を挟んで互いに対向する発光部及び受光部を備え、前記識別装置は前記発光部からの光が前記貫通孔を介して前記受光部で受光されたとき、前記撮像部による撮像を実行制御する制御手段を有することを特徴とする(12)に記載の羽毛選別装置。
【0039】
(11)〜(13)の発明では、羽毛が、羽毛を識別(撮像)すべき位置にあるか否かを判定して、羽毛を識別することができ、その結果、確実に羽毛の識別を行うことができる。
【0040】
(14) 前記撮像部よりも前記下側走行領域又は前記上側走行領域の下流側で前記無端ベルト上の羽毛を回収する羽毛回収部を備えることを特徴とする(13)に記載の羽毛選別装置。
【0041】
(15) 前記羽毛回収部は、前記羽毛の種別毎に設けられた羽毛回収ボックスと、前記羽毛回収ボックスに前記羽毛を吸引する吸引手段とを有し、前記制御手段は前記画像処理部による種別判定結果に応じて前記吸引手段を制御して、前記羽毛の種別に対応する前記羽毛回収ボックスに前記羽毛を回収するようにしたことを特徴とする(14)に記載の羽毛選別装置。
【0042】
(16) 前記吸引手段は、前記羽毛回収ボックスに接続され前記羽毛回収ボックスから排気を行う排気ファンと、前記制御手段によって制御され前記排気ファンを選択的に前記羽毛回収ボックスに接続する選択手段とを有することを特徴とする(15)に記載の羽毛選別装置。
【0043】
(17) 前記選択手段は前記羽毛回収ボックス毎に対応して備えられ、前記羽毛回収ボックスの出口側に配置された電磁弁であり、前記制御手段は、前記種別判定結果に応じて前記電磁弁を開閉制御することを特徴とする(16)に記載の羽毛選別装置。
【0044】
(14)〜(17)の発明では、羽毛の種別に応じて互いに異なる羽毛回収ボックスに羽毛を簡単に回収できるという効果がある。
【0045】
(18) 前記羽毛回収ボックスは開閉可能な扉部を備え、前記羽毛回収ボックスには前記羽毛よりも小さい網目を有するカップ状の回収容器が配置され、前記回収容器は前記羽毛回収ボックスの入口側にその開口端部が向けられていることを特徴とする(15)〜(17)のいずれかに記載の羽毛選別装置。
【0046】
(18)の発明では、カップ状の回収容器に羽毛が回収され、しかも回収容器を容易に羽毛回収ボックスから取り出すことができる。
【発明の効果】
【0047】
本発明によれば、複数の羽毛からなる試料から1つの羽毛を分離した状態で画像処理部に搬送することが可能になるので、選別作業は機械化され、選別の作業効率が向上するという効果がある。また、画像認識によって羽毛の種類を判別するため、高い精度で選別をすることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
以下、本発明の実施形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
【0049】
図1は、本発明の実施の形態による羽毛搬送装置の一例の概略構成を示す模式図である。図2は、図1に示す羽毛搬送装置の部分拡大斜視図である。図3は、図1に示す羽毛搬送装置を底部から見た部分拡大斜視図である。図4は、図1に示す羽毛搬送装置の一部拡大図である。
【0050】
羽毛搬送装置1は、羽毛Fを保持しかつ搬送する羽毛搬送部2と、羽毛搬送部2に羽毛を供給する羽毛供給部3とを備える。
【0051】
<羽毛搬送部>
羽毛搬送部2は、無端ベルト4と、無端ベルト4を張設させる駆動側ローラ5及び従動側ローラ6と、駆動側ローラ5を回転させる駆動部10とを備える。つまり、羽毛搬送部2は、羽毛Fを搬送させる無端ベルトコンベア方式の搬送部である。
【0052】
無端ベルト4は、これのエッジe(図2参照)が伸びる方向に平行な方向に沿って所定の間隔をおいて形成された複数の貫通孔4aを有する。すなわち、無端ベルト4の中央には、無端ベルト4の移動方向、換言すれば、駆動側ローラ5の回転軸に対して直角方向に等間隔に並んだ複数の貫通孔4aが形成されている。無端ベルト4は、所定の張力を付与された状態で、駆動側ローラ5と従動側ローラ6とに架けられる。
【0053】
なお、本明細書では、駆動側ローラ5と従動側ローラ6との間の無端ベルト4のうち下側の無端ベルト4の領域を下側走行領域と称する。また、駆動側ローラ5と従動側ローラ6との間の無端ベルト4のうち上側の無端ベルト4の領域を上側走行領域と称する。
【0054】
駆動側ローラ5と従動側ローラ6との間には、横断面が矩形状の角筒材7が配置されている。具体的には、角筒材7は、無端ベルト4の下側走行領域に当接又は近接するように、無端ベルト4の内側に配置されている。図2に示すように、角筒材7は、この内部に空間Sを形成している。また、角筒材7の長手方向の両端部は、気密状に塞がれている。したがって、角筒材7は中空部材として作用する。
【0055】
角筒材7において従動側ローラ6の軸線方向に直角の一方の側面に、空間Sに連通する排気口7bが形成されている。排気口7bは、後述する支持体9の近傍に形成されており、排気口7bには、排気ブロア18aが気密的に配置されている。
【0056】
角筒材7は、下側走行領域に隣接している隣接面7c(図3参照)において、貫通孔4aに対向する部分に、貫通孔4aの整列方向に伸び、角筒材7の内部の空間Sに貫通する溝7aが形成されている。
【0057】
図1に示すように、角筒材7の一端には、駆動側ローラ5を支持する支持体8,8が備えられている。支持体8,8は、駆動側ローラ5の両端を支持する軸受け(図示せず)を有している。支持体8の一方には駆動側ローラ5を回転駆動させる駆動部10が設置されている。駆動部10の出力軸は、駆動側ローラ5に相対的回転不能に接続されている。駆動部10としては、例えば、直流モータや、ステッピングモータが採用される。
【0058】
図3に示すように、角筒材7の長手方向の他端部には、支持体9,9が固定されている。支持体9,9は従動側ローラ6の両端を支持する軸受けBを有している。
【0059】
駆動部10は、駆動側ローラ5を回転駆動させることにより、無端ベルト4を循環移動させる。図示の例では、駆動側ローラ5は図1において反時計方向CCWに回転される。駆動側ローラ5を回転させることにより、無端ベルト4は、駆動側ローラ5から角筒材7の下側、つまり、隣接面7cの近傍を通って従動側ローラ6に移動させ、また、従動側ローラ6から角筒材7の上側を通って駆動側ローラ5に移動させる。このとき、下側走行領域にある複数の貫通孔4aは、溝7a上を移動する。
【0060】
<羽毛供給部>
羽毛供給部3は、無端ベルト4の下側走行領域の下側に隙間をおいて配置されている。羽毛供給部3には、下側走行領域の一部分B1に供給される複数の羽毛Fが収納されている。
【0061】
羽毛供給部3は、羽毛Fを収納する円筒形の収納室11と、収納室11の内部に羽毛Fを吹き上げるための空気を供給するエア噴射器12とを備える。
【0062】
エア噴射器12には、吸気口13a及び排気口13bが形成されたケース本体13と、ケース本体13の内部に設置された2つのファン14と、排気口13bに設置されかつ羽毛Fよりも小さい複数の孔が形成されたカバー15とが備えられている。ファン14は、これが作動することにより、排気口13bから排気された空気がカバー15の下側から上側に流れるように、ケース本体13に取り付けられている。
【0063】
収納室11の対向する側面には、それぞれ、開口部11a,11bが形成されている。開口部11aは、無端ベルト4の下側走行領域の移動方向における上流側に位置し、開口部11bは、無端ベルト4の下側走行領域の移動方向における下流側に位置する。
【0064】
羽毛搬送部2は、無端ベルト4及び角筒材7が両開口部11a,11bを貫くように、収納室11に取り付けられている。したがって、無端ベルト4の下側走行領域の一部分B1及び上側走行領域の一部分は収納室11の内部に配置され、また、駆動側ローラ5及び従動側ローラ6は収納室11の両側に配置される。
【0065】
また、エア噴射器12は、無端ベルト4の下側走行領域がエア噴射器12に対向するように、収納室11における無端ベルト4及び角筒材7の下方に設置される。そのため、エア噴射器12から供給された空気は、排気ブロア18aの作動により、下側走行領域の一部分B1の貫通孔4a及び排気口7bを通って収納室11の外に排気される。
【0066】
図4に示すように、羽毛除去部17は、開口部11b及び角筒材7の隣接面7cに配置されている。羽毛除去部17は、貫通孔4aに保持された余剰の羽毛Fを除去し、かつ、収納室11内に吹き上げられ、無端ベルト4に保持されていない羽毛Fが開口部11bから収納室11の外に出ることを防止する。羽毛除去部17は、角筒材7側すなわち直方体の上部が開口している凹部17aを有する。無端ベルト4の下側走行領域は、角筒材(直方体)7の隣接面7cと凹部17aの側部17cとによって形成された隙間17b内に配置されている。
【0067】
凹部17aは、これの底部17dに隣接し、下側走行領域の移動方向に対して反対の方向に開口するスリット17eを有する。チューブ16は、これの先端16aがスリット17eに向くように、底部17dに配置されている。したがって、チューブ16の先端16aが羽毛除去部17に無端ベルト4の搬送方向に対して反対の方向に向けて固定されている。
【0068】
チューブ16には、飛散防止ブロア18bから供給された空気は、チューブ16から無端ベルト4の移動方向に対して反対の方向に噴射されるように、飛散防止ブロア18bが連結されている。
【0069】
ところで、無端ベルト4に吸着された羽毛Fが羽毛除去部17を通過する際に吹き飛ばされないようにするため、隙間17bの付近をできるだけ無風状態することが望ましい。そこで、チューブ16は、チューブ16から噴射された空気が直接的に無端ベルト4に吸着された羽毛Fに当たらないように、凹部17aの底部17dに配置されている。つまり、無端ベルト4の下側走行領域とチューブ16との間は、所定間隔Wだけ離れている。
【0070】
ここで、無端ベルト4の貫通孔4aに吸着された複数の羽毛Fのうち、余分な羽毛Fを吹き飛ばすためには、羽毛除去部17を通過する前の余分な羽毛Fに、所定の風すなわち空気の流れを与える必要がある。そのため、スリット17eから噴射される空気を拡散噴射させて羽毛Fに当たるように、間隔Wを調節することが望ましい。
【0071】
次に、本実施形態の羽毛搬送装置1による羽毛の搬送動作について説明する。
【0072】
<羽毛搬送装置の動作>
モータ10を作動させることにより、無端ベルト4が駆動側ローラ5及び従動側ローラ6を循環移動する。このとき、下側走行領域にある貫通孔4aが、いずれも、角筒材7の溝7aが開口している位置にあるように、無端ベルト4は隣接面7cに接触しながら移動する。
【0073】
収納室11に3gの羽毛Fを試料として供給する。羽毛Fを供給した後に、ファン14を作動させることにより、吸気口13aから排気口13b及びカバー15の孔15aを介して収納室11に供給される気流が形成される。羽毛Fはファン14ひいてはカバー15の孔15aから吹き出される風によって上方に吹き飛ばされる。上方に吹き飛ばされた複数の羽毛Fは、空気抵抗により、互いに分離される。
【0074】
また、排気ブロア18aを作動させることにより、排気ブロア18aは空間S内の空気を吸引し、吸引された空気を角筒材7ひいては収納室11の外に排出する。そのため、空間Sの気圧が減圧するから溝7aから空間Sに空気が入り込む。これにより、溝7aは隣接する無端ベルト4の下流走行領域を隣接面7cに密着するように、無端ベルト4を吸引する。さらに、下流走行領域の下側にある空気が下流走行領域の貫通孔4a及び溝7aを通って空間Sに流れる空気流が発生する。つまり、排気ブロア18aが作動すると、空間S内にある空気が排気されるので、溝7a及び下側走行領域の貫通孔4aを介して羽毛供給部3の空気を吸い込む。
【0075】
したがって、ファン14によって飛ばされ、互いに分離された羽毛Fは、無端ベルト4の貫通孔4aに吸着される。
【0076】
無端ベルト4は、駆動側ローラ5の回転により開口部11bを通って従動側ローラ6に向けて移動している。また、下側走行領域の貫通孔4aは、溝7aの開口に位置しているので、貫通孔4aに吸着された羽毛Fは、これが吸着された状態を維持しながら、無端ベルト4の移動によって開口部11bを介して収納室11の外部に搬送される。
【0077】
ここで、複数の羽毛Fが1つの貫通孔4aに吸着している場合や貫通孔4aへの吸着が不十分な羽毛Fは、羽毛除去部17のスリット17eから、無端ベルト4の下側走行領域の移動方向に対して反対の方向に噴射される空気によって除去され、収納室11に戻される。なお、隙間17bにおける空気の動きすなわち隙間17bにおける風速はほぼ零になっているので、無端ベルト4に吸着している羽毛Fが羽毛除去部17を通過してもほとんど吹き飛ばされない。
【0078】
また、ファン14によって飛ばされた羽毛Fうち、開口部11a,11bから収納室11の外に出ようとする羽毛Fがある場合、例えば、開口部11aと無端ベルト4の上側走行領域及び下側走行領域とが形成する隙間や、開口部11bと無端ベルト4の上側走行領域が形成する隙間には、可撓性部材を収納室11に取り付けて、開口部11a,11bの開口量を小さくする。
【0079】
なお、羽毛Fが無端ベルト4の下側走行領域と開口部11bとが形成する隙間から収納室11の外に出そうになっても、羽毛除去部17のスリット17eから噴射される空気によって、収納室11の外へ飛散しようとする羽毛Fが収納室11に戻される。
【0080】
羽毛搬送部2によって羽毛供給部3の外部に搬送された羽毛Fは、後述する撮像装置20に向かって搬送され、撮像装置20によって羽毛Fの画像が取り込まれる。取り込まれた画像は画像認識処理を施して、羽毛Fの種類が判定される。そして、羽毛Fは回収装置23によって回収される。回収された羽毛Fはこれの種類の選別の結果に基づいて、所定の選別容器に移動させられる。これにより、羽毛Fは、これの種類に応じて、選別される。
【0081】
回収装置23は、予め設定された羽毛の種類の他に、選別不可能と判定された場合に回収させる選別不可能容器を有してもよい。又は、回収装置23は、回収ブロア18cに連結された吸引ポートを羽毛Fの種類の数だけ用意し、羽毛の判別結果に基づいて所望の吸引ポートに切り換えて、羽毛を回収する構成にしてもよい。
【0082】
<羽毛選別装置>
図5は、図1に示す羽毛搬送装置1を備えた羽毛選別装置30(羽毛選別装置の一例)の構成を示すブロック図である。羽毛選別装置30は、羽毛搬送装置1と、撮像装置20と、画像処理装置21と、ホストコンピュータ22とを備える。
【0083】
撮像装置20は、収納室11の開口部11bより下流に配置されている。この撮像装置20によって撮影された羽毛Fの画像データは画像処理装置21に送られる。撮像装置20としては、例えば、CCDカメラが採用される。
【0084】
画像処理装置21は、撮像装置20から出力される画像データを受信する画像入力部21aと、画像データのノイズを除去及び正規化などの処理を行う前処理部21bと、羽毛Fの識別に必要となる本質的な特徴を抽出する特徴抽出部21cと、羽毛Fの識別のための参照用のモデルパターンが記憶されているメモリ部21dと、モデルパターンと特徴抽出部21cによる抽出パターンとを比較して羽毛Fをダウン又はフェザーに識別する識別部21eと、識別結果に基づいて選別データを出力する出力部21fとを有している。
【0085】
画像処理装置21から出力される選別データは、ホストコンピュータ22に送信される。ホストコンピュータ22は、受信した選別データに基づいて、飛散防止ブロア18b及び回収装置23を駆動制御する。ホストコンピュータ22は、無端ベルト4の貫通孔4aに吸着されている羽毛Fを、回収装置23によって吸引させて回収させるとともに、回収した羽毛Fを、これの蓄積先を選別データに基づいて決定された所定の選別容器(図示せず)に搬送される。その結果、羽毛Fの選別が機械的に行われる。
【0086】
ホストコンピュータ22は、これから信号を出力して、ファン14、角筒材7の排気口7bに連結される排気ブロア18a、チューブ16に連結される飛散防止ブロア18bを制御する。
【0087】
<駆動電圧と流速との関係>
図6は、ブロア18a,18b,18cに印加する駆動電圧Eと流速vとの関係を示すグラフである。ブロア18a,18b,18cに印加する電圧Eが上昇すれば流速vも速くなる関係にある。そのため、ホストコンピュータ22からの命令に応じてブロア18a,18b,18cの駆動電圧Eを変えることによって、流速vを変えることができる。例えば、排気ブロア18aの駆動電圧Eを制御することにより、貫通孔4aにおける羽毛Fの吸着力が制御される。
【0088】
<排気ブロアの設定>
貫通孔4aの径が大きい場合、羽毛Fが貫通孔4aに入り込みすぎてしまうことがある。他方、貫通孔4aの径が小さい場合、羽毛Fを保持するための吸着力が得られないことがある。
【0089】
図5に示すように、羽毛Fが無端ベルト4の貫通孔4aに吸着された羽毛Fは、画像認識によって羽毛Fの形状が整っており、その種類を識別することができる程度に、保持されていることが望ましい。
【0090】
そこで、貫通孔4aは、ファイバーが入り込まないように、0.3mmの直径にすることが好ましい。また、無端ベルト4の移動速度は0.09m/sに設定されており、貫通孔4aは50mmの間隔で無端ベルト4に形成されている。また、羽毛除去部17においてスリット17eの大きさは縦7mm×横40mm、隙間17bの大きさは縦5mm×横40mm、間隔Wの大きさは21mmにそれぞれ設定されている。また、排気ブロア18aの設計仕様を表2に示す。
【0091】
【表2】

【0092】
発明者は、表2に示す設計仕様の排気ブロア18aを用いて、羽毛Fの吸着力の安定性を測定した。測定は、排気ブロア18aから送られる空気の流速vが変化するように、排気ブロア18aを駆動させて行われた。測定の結果、直径0.3mmの貫通孔4aにおける吸引圧が8.15kPaにあるとき、羽毛Fの吸着力が安定した。
【0093】
<識別装置の有効性の検証>
次に、発明者は、以下に示す手順で、撮像装置20によって撮影された貫通孔4aに吸着した100サンプルの羽毛Fの画像の認識可能率と、ファン14に印加する電圧Eとの関係を調べた。ファン14に入力した電圧Eは、0,35,40,50,60Vである。なお、試験試料にはダウン80%、その他15%の羽毛を使用した。より具体的には、試験試料は、ダウン、スモールフェザー、ラージフェザー、水鳥の損傷フェザー、陸鳥フェザー、ダウンファイバー、フェザーファイバー及びきょう雑物からなる組成成分の羽毛を用いた。
【0094】
検査の対象となった羽毛製品から2つの試験試料を採取する。各試験試料は3gの質量の羽毛からなる。試験作業者は各試験試料について以下の第1次選別及び第2次選別を行い、組成混合率の算出を行う。
【0095】
(第1次選別)
(1)フェザーの採取及びその種類毎の分別
試験作業者は、各試験試料から複数のフェザーを採取する。試験作業者は、採取された各フェザーの元羽軸をピンセットで挟み、挟んだフェザーを試験作業者の親指の腹と人差し指の腹とで軽くブラッシングして、挟んだフェザーをこれに付着しているダウンファイバー及びフェザーファイバーを取り除く。そして、挟まれたフェザーは、試験作業者の目視により、スモールフェザー、ラージフェザー、損傷フェザー及び陸鳥フェザーのいずれかの種類に分類される。
【0096】
分類は、試験作業者がフェザーを複数のビーカーのいずれかに入れることにより行われる。複数のビーカーのそれぞれには、スモールフェザー、ラージフェザー、損傷フェザー及び陸鳥フェザーの名称が付されている。
【0097】
(2)ダウン及びファイバーの採取
次に、試験作業者は、残った各試験試料からダウン及びファイバーをピンセットで取り出して、ダウン及びファイバー用のビーカーに入れる。
【0098】
(3)きょう雑物の採取
最後に残ったきょう雑物はきょう雑物用のビーカーに入れる。
【0099】
(4)質量の測定
採取されたスモールフェザー、ラージフェザー、損傷フェザー、陸鳥フェザー、ダウンファイバー及びフェザーファイバー並びにきょう雑物のそれぞれの質量を0.1mgの精度で測定する。
【0100】
(第2次選別)
次に、試験作業者は、1次選別で選別したダウン及びファイバーを均一に混合して混合体を得た後、その混合体の上層、中層及び下層からランダムに約0.2gの2次選別試験試料を採取する。
【0101】
試験作業者は、この2次選別試験試料からダウンとダウンファイバーとフェザーファイバーときょう雑物とを選別する。具体的には、試験作業者は、2次選別試料から1つのダウンをピンセットで挟み、2次選別試料から取り出す。取り出されたダウンは、試験作業者によって、挟まれた状態のまま、軽く4、5回振られる。これにより、ダウンに付着しているダウンファイバーは落される。
【0102】
また、試験作業者は、ダウンに突き刺さったり、からまったりしているフェザーファイバーを注意深く1つずつ抜き取る。このようにして、試験作業者は、2次選別試料からダウン、ダウンファイバー及びフェザーファイバーを、それぞれ、ダウン用、ダウンファイバー用及びフェザーファイバー用のビーカーに選別する。そして、残った2次選別試験試料はきょう雑物として、2次きょう雑物用のビーカーに採取される。それぞれの質量[mg]を求める。
【0103】
(組成混合率の算出)
試験作業者は、以下の式によって、各試験試料に対する各組成混合率[%]を求め、求めた2つの試験試料の組成混合率の平均値を小数点以下1桁まで表して、組成混合率を算出する。
【0104】
ただし、一方の試験試料のダウンの混合率と他方の試験試料のダウンの混合率との差が3%以上あった場合、試験作業者は、さらに別の2つの試験試料について上述の測定を行い、測定された別の2つの試験試料とすでに測定された2つの試験試料との平均値を求めた。
【0105】
Xa=(Wa×100)/(Wa+Wb+Wc+Wd+Wm+Wn)
【0106】
Xb=(Wb×100)/(Wa+Wb+Wc+Wd+Wm+Wn)
【0107】
Xc=(Wc×100)/(Wa+Wb+Wc+Wd+Wm+Wn)
【0108】
Xd=(Wd×100)/(Wa+Wb+Wc+Wd+Wm+Wn)
【0109】
Xe1=(Wm×Wy1×100)/{(Wa+Wb+Wc+Wd+Wm+Wn)×(Wx+Wy1+Wy2+Wz)}
【0110】
Xe2=(Wm×Wy2×100)/{(Wa+Wb+Wc+Wd+Wm+Wn)×(Wx+Wy1+Wy2+Wz)}
【0111】
Xg=(Wm×Wz×100)/{(Wa+Wb+Wc+Wd+Wm+Wn)×(Wx+Wy1+Wy2+Wz)}+(Wm×100)/(Wa+Wb+Wc+Wd+Wm+Wn)
【0112】
Xf=100−(X1+Xb+Xc+Xd+Xe1+Xe2+Xg)
【0113】
ここで、Waは1次選別によるスモールフェザーの質量[mg]であり、Wbは1次選別によるラージフェザーの質量[mg]であり、Wcは1次選別による損傷フェザーの質量[mg]であり、Wdは1次選別による陸鳥フェザーの質量[mg]であり、Wmは1次選別によるダウンファイバー及びフェザーファイバーの質量[mg]であり、Wnは1次選別によるきょう雑物の質量[mg]であり、Wxは2次選別によるダウンの質量[mg]であり、Wy1は2次選別によるダウンファイバーの質量[mg]であり、Wy2は2次選別によるフェザーファイバーの質量[mg]であり、Wzは2次選別によるきょう雑物の質量[mg]である。
【0114】
また、Xaはスモールフェザーの混合率[%]であり、Xbは損傷フェザーの混合率[%]であり、Xcは陸鳥フェザーの混合率[%]であり、Xe1はダウンファイバーの混合率[%]であり、Xe2はフェザーファイバーの混合率[%]であり、Xfはダウンの混合率[%]であり、Xgはきょう雑物の混合率[%]である。
【0115】
図7に測定結果を示す。図7は、羽毛の認識可能率とファン14に印可する電圧との関係を示すグラフである。ここで、画像処理装置21が画像を認識することができる状態は、次に示す状態a及びbに分類される。状態aは、1つ若しくは2つのダウン、フェザー又はファイバーが1つの貫通孔4aに保持されている状態であり、認識可能状態である。状態bは、1つ若しくは2つ以上のダウンが1つの貫通孔4aに保持されている状態であり、認識可能かもしれない状態である。両状態以外の状態は、認識不可能状態である。
【0116】
すなわち、1つの羽毛Fが1つの貫通孔4aに吸着している場合、撮像装置20は、画像処理装置21が羽毛Fの種類を選別することができる画像を得ることができる。2又は3つのダウンが1つの貫通孔4aに吸着している場合であっても、撮像装置20は、画像処理装置21が吸着された羽毛Fがダウンであることを選別することができる画像を得ることはできる。
【0117】
しかし、1つの貫通孔4aに、フェザー又はファイバーを含む複数の種類の羽毛Fが吸着されている場合には、撮像装置20は、画像処理装置21がフェザーやファイバーを識別することができる画像を得ることができない。
【0118】
図7に示す測定結果によれば、羽毛選別装置30は、ファン14を作動させない場合であっても、76%の認識可能率を有する。また、羽毛選別装置30は、これに別の公知の画像認識方法を採用することにより、86%の認識可能率を得ることができる。
【0119】
一般に、ファン14に印加する電圧が高くなるにつれて、羽毛Fの吹き上がる速度が速くなる。このため、互いにくっついていた複数の羽毛Fが上昇するとき、これら羽毛Fは、大きな空気抵抗を受けるので、そのような羽毛Fは互いに分離されて舞い上がる。したがって、1つの貫通孔4aに1つの羽毛Fが吸着されやすくなるので、ファン14に印加する電圧が高くなるにつれて、羽毛選別装置30は、高い認識可能率を有する。
【0120】
つまり、風力を上げることによって、絡み合った状態の複数の羽毛Fが舞い上がる場合、複数の羽毛Fは大きな空気抵抗を受けるので、複数の羽毛Fは互いに分離される。しかし、羽毛Fに強い風を吹き当てて、互いに分離させることには限界があるが、認識可能率を90%にすることができた。
【0121】
<試料の回収率>
また、上述の組成混合率は、選別後の合計質量を用いて、ダウン、フェザー、ファイバーなどの比率を算出しているので、羽毛の混合比率は選別後の質量比で決定される。このため、羽毛選別装置30が選別して求めた羽毛の混合比率の値の信頼性は、収納室11内に供給した羽毛の合計質量と収納室11の外に搬送した羽毛すなわち回収装置23に回収された羽毛の合計質量とが同一に近いほど、高い。
【0122】
表3に試料の回収率を求める測定結果を示す。ここで、回収率は、0.4gの試料を収納室11に供給して、羽毛選別装置30によって回収装置23に回収された羽毛の合計質量を測定して、求めた。
【0123】
【表3】

【0124】
表3に示すように、回収装置23は、約90%の試料を回収したことがわかる。このような回収率は、実用に耐えうる回収率である。試料の回収率の測定を行っている間に、羽毛が回収装置23の外部に出て行く様子は目視されなかったことから、羽毛選別装置30による羽毛の選別の後から、回収装置23による羽毛の回収までの間に、羽毛が回収装置23の外に飛散してしまったことや、静電気によって羽毛が羽毛搬送装置1にくっついてしまったことが考えられる。
【0125】
そのような場合、羽毛選別装置30に羽毛Fが外部に飛散することを防止する機構を設けたり、羽毛供給部3の内部や羽毛の搬送経路に関わる部分に帯電防止剤などを塗布しておいたりすることにより、回収率を上げることできる。又は、未回収分の羽毛を別途、手作業で選別してもよい。
【0126】
また、選別作業時間を短縮するためには、貫通孔4aの数を増やしたり、あるいは無端ベルト4の速度を上げたり、貫通孔4aを複数列に配置したりしてもよい。そのようにすることにより、選別作業時間を短縮することができる。
【0127】
ここで、図8を参照して、羽毛選別装置の他の例について説明する。この羽毛選別装置は図5で説明した羽毛選別装置30とはその構成が異なっており、図1で説明した羽毛搬送装置1とその構成が異なる羽毛搬送装置を有している。したがって、ここでは、羽毛選別装置及び羽毛搬送装置をそれぞれ符号40及び41で示す。なお、図8において、図1及び5と同一の構成要素については同一の参照番号を付すことにし、必要に応じて説明を省略する。
【0128】
まず、羽毛搬送装置41について説明すると、羽毛搬送装置41は、前述した羽毛搬送部2と羽毛供給部3とを備えている。そして、前述したように、羽毛搬送部2では、羽毛供給部3から供給された羽毛Fを無端ベルト4に保持して搬送する。羽毛供給部3は、角筒状の収納室11と、収納室11の内部に羽毛Fを吹き上げるための空気を供給するエア噴射器12とを有しており、このエア噴射器12はケース本体13を備えている。このケース本体13には、半球状の羽毛収納部42が配設されており、その開口面側が上向きとなっている。そして、この開口面は羽毛Fよりも十分大きな孔を有する網状のカバー体42aで覆われている。一方、羽毛収納部42の底面(最下部)42bには羽毛Fよりも十分小さな孔が多数形成されている。
【0129】
前述の底面42bに対向して、ダクト43の噴出口43aが位置づけられ、このダクト43は、ケース本体13から導出されて、送風装置(ブロア)44に接続されている。この送風装置44は静電気除去ブロアであり、送風装置44を駆動すると、ダクト43から噴出された空気によって、羽毛収納部42に収納された羽毛Fがカバー体42aの孔を通って収納室11に供給される(吹き上げられる)ことになるが、静電気除去ブロアを用いているので、吹き上げられた羽毛Fが、静電気によって収納室11の内壁に付着することがない。
【0130】
ダクト43の噴出口43aに、図9に示す風量調整板45を配置するようにしてもよい。図示の風量調整板45は、円板状の本体部45aと、この本体部45aに一体に成形されて、径方向外側に延びる複数の羽板部45bを有している。図示の例では、3枚の羽板部45bが120度の角度をおいて配置されている。そして、この風量調整板45はモータなどの駆動源によって、本体部45aの中心軸45cを回転軸として低速で回転駆動される。この結果、ダクト43から噴出す風が風量調整板45によって調整され、送風に強弱がつけられることになる。送風が弱の際には、吹き上がった羽毛Fが落下しやすくなる。また、羽毛収納部42の内側面に落下した羽毛は、送風が弱の際には、円弧状の斜面に沿って滑り落ちることになる。
【0131】
加えて、図10に示すように、羽毛収納部42から無端ベルト4の下側走行領域に達する筒状の案内部46を収納室11に配設するようにしてもよい。図示の案内部46は、その両端が開口されており、上方に向かって徐々にその径が小さくなる形状となっている。このように、案内部46を収納室11に配設すると、今まで収納室11に飛散した羽毛Fが、羽毛収納部42から無端ベルト4に案内されることになって、無端ベルト4に羽毛Fが集中することになり、無端ベルト4に羽毛Fを効率的に付着させることができる。
【0132】
なお、図8に示すように、無端ベルト4の上側に位置する収納室11に羽毛Fが飛散することがあり、このように天井部分まで吹き上げられた羽毛Fは天井部分近傍に溜まりやすい(つまり、送風装置44による送風によって羽毛Fが天井部分に溜まりやすくなってしまう)。このため、例えば、図11に示すよう、無端ベルト4の上側に位置する収納室11において、その側壁47aを上方に向かって徐々に径が大きくなるようにしたところ、天井部分47に羽毛Fが飛散しないことが確認できた。さらに、図1又は図8に示す例においては、無端ベルト4の上側に位置する収納室11の高さ(無端ベルト4の上側走行領域と天井部分との距離)をH1(m)としたが、高さH1では天井部分に羽毛Fが滞留するという現象が確認された。このため、無端ベルト4の上側に位置する収納室11の高さをH2(H2>H1)としたところ、天井部分に羽毛Fがほとんど滞留しなくなった。そして、無端ベルト4の上側に位置する収納室11の高さを、送風装置44の送風量及び無端ベルト4の移動速度などに対して規定するようにすると、天井部分に滞留する羽毛Fを少なくすることができる。
【0133】
吹き上げられた羽毛Fは、前述したように、無端ベルト4の下側走行領域に保持されて搬送される。なお、無端ベルト4と角筒材7との関係は、図2で説明したので、ここでは省略する。図1に示す例で説明したように、開口部11bには羽毛除去部17が配設され、この羽毛除去部17によって、貫通孔4a(図8には示さず)に保持された余剰の羽毛Fを除去するとともに、収納室11に吹き上げられて、無端ベルト4に保持されていない羽毛が開口部11bから収納室11の外に出ることを防止している。
【0134】
ところで、羽毛除去部17として、図4で説明したものを用いると、飛散防止ブロア18bから、底部17dに配設されたチューブ16を介して凹部17aに送風を行っている関係上、どうしても上部側に位置する隙間17bに十分な空気が流れない。そして、隙間17bは、その間隔が極めて狭いため、湿度が高くなって、この部分(隙間17b)に羽毛Fが詰まりやすくなるという事態が発生する。
【0135】
このような不具合を防止するため、ここでは、例えば、図12に示す羽毛除去部17を用いるようにした。なお、図12において、図4に示す構成要素と同一の構成要素については同一の参照番号を付す。図12に示すように、十分な距離をおいて、凹部17aに向けてファン48を配置した(図4に示すチューブ16は備えられていない)。一方、開口部11bの近傍において、凹部17aには、凹部17aの高さよりも小さい遮蔽板49が配設されている。
【0136】
図示のように、遮蔽板49は搬送方向に対して傾斜しており、図示の例では、遮蔽板49は、その上側が下側よりも搬送方向上流側に位置するように傾けられている。したがって、無端ベルト4と遮蔽板49の上端との間には、隙間49aが形成され、遮蔽板49の下端と底部17dとの間には隙間49bが形成される。
【0137】
前述のように、遮蔽板49は傾斜して配置されているため、隙間49a及び49bは広くなり、直接ファン48から送風を行うため、図中実線矢印で示すように、空気の流れがスムーズとなって、隙間49aにも空気がスムーズに流れることになる。この結果、隙間49aにおいて湿度が高くなることがなく、羽毛Fが溜まりやすくなるという事態を回避できる。
【0138】
図13には、羽毛除去部17のさらに他の例が示されている。図4で説明した羽毛除去部17においては、チューブ16から噴射した空気が、不可避的に凹部17aの側部17cに当たって、反対側に流れる。つまり、無端ベルト4の搬送方向への空気流が生じる。一方、無端ベルト4に保持された羽毛Fは極めて軽いため、この空気流によって羽毛Fがなびくという事態が発生することがある。このように羽毛Fがなびくと、羽毛を撮像する際、良好な画像が得られないことがある。
【0139】
そこで、図13に示す羽毛除去部17を用いて、無端ベルト4に保持された羽毛Fのなびきを防止するようにした。図示の例では、羽毛除去部17は、一側面(図中上側面)、つまり、角筒材7側が開口された横断面凹形状の除去本体部(凹部)50を有しており、上記の上側面に沿って無端ベルト4の下側走行領域が位置づけられている。除去本体部50の底面50aの略中央部には貫通孔部50bが形成されており、この貫通孔部50bを覆うようにして底面50aには、両端が開口されたダクト体51が連結されている。
【0140】
図示のように、ダクト体51の一開口面(連結面)は、対向する他方の開口面(入口面)に対して斜めに切断されており、この結果、ダクト体51は除去本体部50の底面50aに対して斜めに傾斜して取り付けられることになる。ダクト体51は貫通孔部50bよりも十分大きく、この結果、連結面(開口面)の一部分のみが貫通孔部50bとオーバラップし、残りの部分は底面50aとオーバラップしている。
【0141】
図示の羽毛除去部17は、その一端(図13において左端)が図8に示す開口部11bから収納室11に挿入されている。そして、入口面51aからブロア(図示せず)によって送風が行われる。実線矢印で示すように、ダクト体51に空気が流入する。前述したように、ダクト体51は除去本体部50に対して斜めに取り付けられ、しかも連結面の一部分のみが貫通孔部50bとオーバラップしているから、図示のように底面50aに当たった空気は屈曲することになる。
【0142】
いずれにしても、ダクト体51に流入した空気は、全て貫通孔部50bを通過して斜め方向(無端ベルト4の搬送方向に対して斜め反対方向)に除去本体部50に流出する。そして、除去本体部50において、空気は搬送方向下流側(つまり、開口部11b側)に移動する。つまり、除去本体部50において流入した空気が搬送方向下流側に移動することがない。
【0143】
これによって、収納室11に吹き上げられて、無端ベルト4に保持されていない羽毛が開口部11bから収納室11の外に出ることが防止される。一方、前述のように、空気は無端ベルト4の搬送方向下流側に流れないから、搬送方向下流側において、無端ベルト4に保持された羽毛Fがなびくことはない。そして、後述する撮影部は、無端ベルト4の搬送方向下流側に位置しているから、常に良好に羽毛を撮像することができる。
【0144】
再び、図8を参照して、羽毛除去部17よりも無端ベルト4の搬送方向下流側には、撮像部52が位置づけられている。この撮像部52は、例えば、図5に関連して説明した撮像装置20、画像処理装置21、及びホストコンピュータ22を有しており、無端ベルト4に保持された羽毛Fを撮像する。
【0145】
さらに、撮像部52よりも僅かに搬送方向下流側には、光学センサ体53が配置されている。この光学センサ体53は、支持枠部53aを備えており、この支持枠部53aは、前述の角筒材7の上面に配設されている。そして、この支持枠部53aには、発光部53b及び受光部53cが支持され、発光部53bと受光部53cとは、無端ベルト4の上側走行領域を挟んで対向する位置関係にある。
【0146】
ここで、図14(a)〜(c)を参照すると、図13においては、支持枠部53aは省略されている。前述したように、無端ベルト4には貫通孔4aが無端ベルト4の移動方向(搬送方向)に沿って所定の間隔で形成されており、発光部53bの光軸に貫通孔4aが位置すると、発光部53bからの光が受光部53cに達し、受光部53cで受光される。これによって、受光部53cがオンする。
【0147】
ところで、撮像部52、つまり、撮像装置20と光学センサ体53との位置関係は、発光部53bの光軸が貫通孔4aに位置して受光部53cがオンした際、撮像装置20が下側走行領域の貫通孔4a、つまり、羽毛Fに位置するように設定される。つまり、後述するように、受光部53cのオンと、撮像装置20と貫通孔4aとの位置は同期している。
【0148】
図5に関連して説明したように、無端ベルト4で搬送される羽毛Fは撮像装置20で撮像された後、回収装置23によって無端ベルト4から除去される(つまり、貫通孔4aには羽毛Fが保持されていない状態なる)。したがって、上側走行領域においては、貫通孔4aは羽毛Fによって塞がれていない。
【0149】
図14(a)に示す状態においては、発光部53bの光軸が貫通孔4aに位置していないから、受光部53cはオフ状態である。図14(a)〜(c)には示されていないが、受光部53cがオフ状態であると、撮像部52、つまり、ホストコンピュータ22は撮像を行わない。
【0150】
無端ベルト4が走行して、図14(b)に示すように、発光部53bの光軸が貫通孔4aに位置すると、受光部53cがオン状態となり、このオン状態をホストコンピュータ22が検知する。そして、ホストコンピュータ22は撮像装置20をオンして無端ベルト4に保持された羽毛Fを撮像する(図14(c)参照)。なお、図14(c)に示す状態では、発光部53bの光軸は、貫通孔4aから若干ずれた位置となり、受光部53cはオフ状態となる。
【0151】
このようにして、光学センサ体53によって無端ベルト4に形成された貫通孔4aを検知して、無端ベルト4に保持された羽毛Fを撮像するようにしたので、別に検知体などの部材を設ける必要なく、的確に羽毛Fの撮像を行うことができる。
【0152】
羽毛Fの撮像の後、無端ベルト4に保持された羽毛Fは、回収装置23によって回収される。ここでは、羽毛Fの回収を確実にするため、図15に示す構造を採用した。図15に示すように、角筒材7の上面には、ノズル部54が支持され、一方、無端ベルト4の下側には、搬送方向上流側に延びる回収カバー55が配設されている。そして、この回収カバー55に回収ホース56が取り付けられて、ノズル部54と対向している(実際には、羽毛Fの種別に対応した数の回収ホース56が回収カバー55に取り付けられている)。
【0153】
無端ベルト4に保持された羽毛Fを回収する際には、ノズル部54から空気を噴出す。これによって、無端ベルト4の貫通孔4aに取り込まれた羽毛Fを貫通孔4aから離脱する方向に移動させる。一方、後述するように、回収ホース56は吸引されており、貫通孔4aから離脱した羽毛Fは回収ホース56に吸引される。
【0154】
図1及び図16を参照すると、回収装置23は、羽毛の種別に対応して複数の回収ボックス57を有しており(例えば、羽毛の種別に応じて5個の回収ボックス57を有している(図1及び図16においては、2個の回収ボックス57のみが示されている))、これら回収ボックス57にはそれぞれ回収ホース56が接続され、回収ボックス57はそれぞれ電磁弁(弁部)58を介して排気管59に接続されている。なお、回収ボックス57の各々にはコップ状の軽量容器60が収納され、この軽量容器60は網状に成形されている。そして、開口面側が回収ホース56側に臨んでいる。
【0155】
羽毛Fを回収する際には、排気管59を介して排気が行われる。この結果、回収ホース56は羽毛Fを吸引することになる。前述したように、無端ベルト4に保持された羽毛Fは撮像装置20で撮像され、この画像に応じてホストコンピュータ22が羽毛の種別を判定する。そして、ホストコンピュータ22は、この判定結果に応じて対応する種別の電磁弁58を開く。これによって、当該種別に対応する回収ホース56のみから吸引が行われることになって、羽毛Fは回収ボックス57に達し、軽量容器60に収納されることになる(なお、軽量容器60の網目は羽毛よりも十分に小さい)。
【0156】
このようにして、羽毛の種別毎に異なる回収ボックス57(つまり、軽量容器60)に羽毛が回収されることになる。なお、回収ボックス57には扉が設けられており、羽毛回収の後、扉を開いて軽量容器60を取り出す。そして、そのまま、例えば、電子上皿天秤で回収された羽毛を軽量することができる。
【0157】
ところで、無端ベルト4に羽毛を保持する際、その吸引力を増加させるため、無端ベルト4に形成する貫通孔4aを、図17に示す貫通孔群61とするようにしてもよい。図示の例では、図2で説明した貫通孔4aを5個、サイコロの”5”状に配列したものを貫通孔群61としている。そして、図示の例では、各貫通孔4aの径を0.3mm、貫通孔4a同士の間隔を、1mmとしている。このようにして、貫通孔群61を無端ベルト4に形成するようにすれば、吸引力が向上するばかりでなく、貫通孔群61が形成された面で羽毛を吸着・保することができる。
【0158】
なお、図17に示す貫通孔群61は一例であり、いずれにしても貫通孔群が複数の貫通孔を有するようにすれば、吸引力を向上させて確実に羽毛を無端ベルト4に保持することができる。
【0159】
図17に示す貫通孔群61を無端ベルト4に形成する際には、図18に示すように、角筒材7の底面には部分的に3本のスリット(溝)7a、71a、及び71bが形成される。スリット7aは、図2で説明したスリットであり、このスリット7aは、羽毛供給部(吹き上げ部)、撮像部に対応する部分(撮像部領域)、及び回収部に対応する部分(回収部領域)に亘って延びている。スリット71a及び71bはスリット7aに平行に延び、スリット7aの両側にそれぞれ形成されている。そして、スリット71a及び71bは撮像部領域及び回収部領域に亘って延びている。
【0160】
具体的には、スリット71aは、図17に示す貫通孔群61の真ん中を除く一方列側の貫通孔4aに対応し、スリット71bは、図17に示す貫通孔群61の真ん中を除く他方列側の貫通孔4aに対応する。このようにして、スリット71a及び71bを形成するようにすれば、スリット7a、71a、及び71bを介して吸引されることになって、撮像部領域では、羽毛Fが無端ベルトに確実に保持されることになって、羽毛Fの撮像を良好に行うことができる。
【0161】
なお、回収部領域においては、羽毛Fを確実に回収するため、スリット7a、71a、及び71bを介した吸引力を弱める必要があるので、例えば、スリット7a、71a、及び71bを覆うようにして、目の細かいネット62を配設することが望ましい。ネット62を配設しない場合には、スリット71a及び71bを撮像部領域にのみ形成するようにしてもよい。
【0162】
続いて、本発明の実施の形態による羽毛選別装置で用いられる羽毛搬送装置の他の例について説明する。図19を参照すると、図示の羽毛搬送装置は図8で説明した羽毛搬送装置とはその構成が異なるので、ここでは符号72を付し、かつ図8に示す羽毛搬送装置41と同一の構成要素については同一の参照番号を付す。
【0163】
図示の例では、羽毛供給容器(羽毛供給部)73が無端ベルト4の上側走行領域側に配設されており、この羽毛供給容器73には羽毛Fが収納されている。角筒材(中空部材)7はその溝7a(図19には示さず)が形成された面(隣接面)が上側走行領域に向くようにして(つまり、隣接又は接近して)、無端ベルト4の内側に配置されている。図示のように、羽毛供給容器73は、開口された天井部分を有する第1の容器部73aと天井部分が閉塞された第2の容器部73bとを有しており、第1及び第2の容器部73b及び73bは互いに連続している。そして、第1の容器部73aの高さ(図中上下方向)は第2の容器部73bの高さよりも高く、第1の容器部73aは、第2の容器部73bに対して無端ベルト4の上側走行領域の移動方向下流側に位置づけられている。
【0164】
角筒材7には、図8で説明したように、排気口7bが設けられており、この排気口7bからの排気によって、羽毛供給容器73中の空気は無端ベルト4の上側走行領域の貫通孔4a(図19には示さず)を通って排気口7bから排気される結果、羽毛供給容器73に収納された羽毛は、無端ベルト4の上側走行領域の貫通孔4aに保持されることになる。
【0165】
このように、羽毛供給容器73では、羽毛Fは下側、つまり、無端ベルト4の上側走行領域側に溜まるため(つまり、吹き上げられることがないため)、羽毛Fが羽毛供給容器73(つまり、第1の容器部73a)の天井部分から飛散することがない。
【0166】
図示のように、羽毛供給容器73の側面(無端ベルト4の上側走行領域の搬送方向下流側の側面、つまり、第1の容器部73aの側面)には上側走行領域に平行にかつ上側走行領域に近接して、図13で説明した羽毛除去部(空気供給部)17が配設されている。そして、この羽毛除去部17によって、空気が上側走行領域の搬送方向下流側に吹き付けられる。これによって、羽毛Fが羽毛供給容器73の外に漏出することを防止するとともに、上側走行領域に余分に付着した羽毛を分離させるとともに、羽毛を第2の容器部73b側に移動させるようにしている。
【0167】
図19には示されていないが、羽毛除去部17よりも上側走行領域の下流側には、図8で説明した撮像部52、回収装置23の回収ホース56が配置され(図中Pで示す部分)、無端ベルト4の下側走行領域には図8及び図14で説明した光学センサ体53が配設されている。そして、図8に関連して説明したように、光学センサ体53で撮像タイミングを検出して、撮像部52で羽毛Fの撮像を行い、撮像後羽毛Fを回収装置23で回収する(この結果、下側走行領域において貫通孔4aには羽毛Fは保持されていない(貫通孔4aから羽毛Fは除去されている))。
【0168】
上述のように、図示の羽毛搬送装置72においては、無端ベルト4の上側走行領域側に羽毛供給容器73を配設して、羽毛供給容器73を第1及び第2の容器部73b及び73bに分けるとともに、第1の容器部73aを第2の容器部73bに対して、無端ベルト4の上側走行領域の移動方向下流側に位置づけている。このため、羽毛除去部17から空気を流入させると、第2の容器部73b内においては、図中実線矢印で示すように、空気が循環し、羽毛が舞うことになる。そして、排気口7bからは排気が行われているから(つまり、無端ベルト4に形成された貫通孔4aを介して角筒材7から排気が行われているから)、第2の容器部73bにおいて無端ベルト4に羽毛が保持される。一方、第1の容器部73aにおいては、前述したように、羽毛除去部17から流入する空気によって上側走行領域に余分に付着した羽毛が分離する。
【0169】
さらに、図19に示す例では、無端ベルト4の上側走行領域において、羽毛Fを吸着しているので、羽毛Fを吹き上げて、無端ベルト4の下側走行領域に吸着する場合に比べて、吸着時点で羽毛Fが垂れ下がるという事態を回避することができる。この結果、良好な状態で撮像を行うことができ、羽毛Fの種別判定の精度が向上する。
【0170】
また、羽毛Fを吹き上げて、羽毛Fを無端ベルト4に保持する際には、羽毛Fは自然落下するから、吹き上げ風量を大きくしないと、無端ベルト4の下側走行領域付近の羽毛の量が少なくなってしまい、無端ベルト4に良好に羽毛を吸着できなくなってしまうという事態が生じる。一方、図19に示す例では、羽毛供給容器73中において羽毛Fは自然落下し、しかも排気口7bからの排気によって無端ベルト4に吸着しているので、排気量が少なくても良好に羽毛Fを無端ベルトの上側走行領域に吸着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0171】
【図1】本発明の実施の形態による羽毛選別装置の一例で用いられる羽毛搬送装置の一例の概略構成を示す模式図である。
【図2】図1に示す羽毛搬送装置の部分拡大斜視図である。
【図3】図1に示す羽毛搬送装置を底部から見た部分拡大斜視図である。
【図4】図1に示す羽毛搬送装置の一部拡大図である。
【図5】図1の羽毛搬送装置を備えた羽毛選別装置の要部を示す説明図である。
【図6】ブロアの駆動電圧と流速との関係を示すグラフである。
【図7】エア供給装置の風速と画像処理による認識可能率との関係を示すグラフである。
【図8】本発明の実施の形態による羽毛選別装置の他の例を概略的に示す模式図である。
【図9】図8に示す羽毛選別装置で用いられる風量調整板の一例を示す図である。
【図10】図8に示す羽毛供給部の変形例を示す図である。
【図11】図8に示す羽毛供給部の収納室の変形例を概略的に示す図である。
【図12】図8に示す羽毛除去部の一変形例を概略的に示す図である。
【図13】図8に示す羽毛除去部の他の変形例を概略的に示す図である。
【図14】図8に示す羽毛選別装置において、無端ベルトに保持された羽毛を撮像するタイミングを説明するための図であり、(a)は受光部がオフ状態を示す図、(b)は受光部がオン状態を示す図、(c)は撮像タイミングを示す図である。
【図15】図8に示す羽毛選別装置において回収部の構造を概略的に示す断面図である。
【図16】図8に示す羽毛選別装置で用いられる回収装置の一例を拡大して概略的に示す図である。
【図17】図8に示す羽毛選別装置で用いられる無端ベルトに形成される貫通孔群の一例を示す図である。
【図18】図8に示す羽毛選別装置において、角筒材に形成されるスリットのパターン形状の一例を示す図である。
【図19】本発明の実施の形態による羽毛選別装置で用いられる羽毛搬送装置の他の例の概略構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0172】
1…羽毛搬送装置
2…羽毛搬送部
3…羽毛供給部
4…無端ベルト
4a…貫通孔
5…駆動側ローラ
6…従動側ローラ
7…中空部材(角筒材)
7a…溝
7b…排気口
11…収納室
12…エア噴射器
14…ファン
16…チューブ
17…羽毛除去部
17a…凹部
17d…底部
17e…スリット
18a…排気ブロア
18b…飛散防止ブロア
18c…回収ブロア
20…撮像装置
21…画像処理装置
21a…画像入力部
21b…前処理部
21c…特徴抽出部
21d…メモリ部
21e…識別部
21f…出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
これのエッジが延びる方向に平行な方向に沿って所定の間隔をおいて形成された複数の貫通孔を有する無端ベルトと、
前記無端ベルトを張設させる少なくとも2つのローラと、
前記ローラの少なくとも1つのローラを回転させる駆動部と、
前記無端ベルトに供給する複数の羽毛が収納された羽毛供給部と、
前記無端ベルトの下側走行領域に隣接する隣接面を有し、該隣接面において前記貫通孔に対向する部分に、前記貫通孔の整列方向に延びるとともに内部に貫通する溝が形成された中空部材と、
前記中空部材に連結し、前記中空部材内の空気を外部に排出させるエア排出部と、を備え、
各貫通孔は、前記羽毛のいずれよりも小さく、
前記羽毛供給部は、前記下側走行領域の下側に隙間をおいて配置され、前記羽毛が収納された略半球状の羽毛収納容器と、前記羽毛収納容器の下側に配置され前記羽毛収納容器に空気を噴出するエア噴出器とを有し、
前記羽毛収納容器はその球面側が前記エア噴出器側に位置し、前記球面の最下点に形成されたエア導入口を備え、前記エア導入口に向けて前記エア噴出器から前記空気が吹き付けられて前記羽毛収納容器から前記羽毛が吹き上げられ、
前記中空部材は、前記無端ベルトの内側に設けられ、前記下側走行領域の内側に近接又は当接し、
前記貫通孔のうち前記下側走行領域の貫通孔は、前記溝の開口に位置し、
前記エア排出部は、前記貫通孔のうち前記下側走行領域に位置する貫通孔から前記溝を介して空気を吸引して、吹き上げられた羽毛のうちの少なくとも1つを貫通孔に保持させることを特徴とする羽毛搬送装置。
【請求項2】
前記エア噴出器には噴出する空気の風量を調節する風量調整手段が備えられていることを特徴とする請求項1記載の羽毛搬送装置。
【請求項3】
前記エア噴出器はファンを備え、前記風量調整手段は前記ファンと同期して回転し当該回転に応じて風量に強弱をつける風量調整板であることを特徴とする請求項2記載の羽毛搬送装置。
【請求項4】
前記羽毛収納容器と前記下側走行領域との間には、前記羽毛収納容器から吹き上げられた羽毛を前記下側走行領域に案内する案内部材が配置されていることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の羽毛搬送装置。
【請求項5】
前記羽毛供給部は前記無端ベルトよりも上側に延在した筐体であり、前記無端ベルトよりも上側において前記羽毛供給部はその延在方向に向かって徐々に開く形状を有していることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の羽毛搬送装置。
【請求項6】
前記無端ベルトは前記羽毛供給部を貫通して配設されており、
前記下側走行領域の前記羽毛供給部からの出口部側に位置づけられ、前記下側走行領域の移動方向に略平行にしかも前記移動方向と逆向きに空気を供給する空気供給部を有することを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の羽毛搬送装置。
【請求項7】
これのエッジが延びる方向に平行な方向に沿って所定の間隔をおいて形成された複数の貫通孔を有する無端ベルトと、
前記無端ベルトを張設させる少なくとも2つのローラと、
前記ローラの少なくとも1つのローラを回転させる駆動部と、
前記無端ベルトに供給する複数の羽毛が収納された羽毛供給部と、
前記無端ベルトの上側走行領域に隣接する隣接面を有し、該隣接面において前記貫通孔に対向する部分に、前記貫通孔の整列方向に延びるとともに内部に貫通する溝が形成された中空部材と、
前記中空部材に連結し、前記中空部材内の空気を外部に排出させるエア排出部と、を備え、
各貫通孔は、前記羽毛のいずれよりも小さく、
前記羽毛供給部は、前記上側走行領域の上側に配置されており、
前記中空部材は、前記無端ベルトの内側に設けられ、前記上側走行領域の内側に近接又は当接し、
前記貫通孔のうち前記上側走行領域の貫通孔は、前記溝の開口に位置し、
前記エア排出部は、前記貫通孔のうち前記上側走行領域に位置する貫通孔から前記溝を介して空気を吸引して、前記羽毛供給部に収納された羽毛のうちの少なくとも1つを貫通孔に保持させることを特徴とする羽毛搬送装置。
【請求項8】
前記上側走行領域の前記羽毛供給部からの出口部側に位置づけられ、前記上側走行領域の移動方向に略平行にしかも前記移動方向と逆向きに空気を供給する空気供給部を有することを特徴とする請求項7記載の羽毛搬送装置。
【請求項9】
前記羽毛供給部は、第1の供給部と該第1の供給部に連続する第2の供給部とを有し、
前記第1の供給部は前記第2の供給部に対して前記無端ベルトの上側走行領域の移動方向下流側に位置づけられており、
前記第1の供給部の高さは前記第2の供給部の高さよりも高いことを特徴とする請求項8記載の羽毛搬送装置。
【請求項10】
前記貫通孔の代わりに、複数の貫通孔部が所定のパターンで規定された貫通孔群を用いるようにしたことを特徴とする請求項1〜9いずれか1項記載の羽毛搬送装置。
【請求項11】
請求項1〜10いずれか1項記載の羽毛搬送装置と、
前記無端ベルトに保持された羽毛の種別を識別する識別装置と、
識別装置による前記羽毛の識別タイミングを検出するタイミング検出装置とを有することを特徴とする羽毛選別装置。
【請求項12】
前記識別装置は、前記無端ベルトが保持する羽毛を撮像して撮像画像を得る撮像部と、前記撮像画像を処理して当該羽毛の種別を判別する画像処理部とを有し、
前記タイミング検出装置は前記撮像部による撮像タイミングを検出することを特徴とする請求項11記載の羽毛選別装置。
【請求項13】
前記タイミング検出装置は、前記無端ベルトの上側走行領域又は下側走行領域に配置され、前記上側走行領域又は前記下側走行領域を挟んで互いに対向する発光部及び受光部を備え、
前記識別装置は前記発光部からの光が前記貫通孔を介して前記受光部で受光されたとき、前記撮像部による撮像を実行制御する制御手段を有することを特徴とする請求項12記載の羽毛選別装置。
【請求項14】
前記撮像部よりも前記下側走行領域又は前記上側走行領域の下流側で前記無端ベルト上の羽毛を回収する羽毛回収部を備えることを特徴とする請求項13記載の羽毛選別装置。
【請求項15】
前記羽毛回収部は、前記羽毛の種別毎に設けられた羽毛回収ボックスと、
前記羽毛回収ボックスに前記羽毛を吸引する吸引手段とを有し、
前記制御手段は、前記画像処理部による種別判定結果に応じて前記吸引手段を制御して、前記羽毛の種別に対応する前記羽毛回収ボックスに前記羽毛を回収するようにしたことを特徴とする請求項14記載の羽毛選別装置。
【請求項16】
前記吸引手段は、前記羽毛回収ボックスに接続され前記羽毛回収ボックスから排気を行う排気ファンと、
前記制御手段によって制御され前記排気ファンを選択的に前記羽毛回収ボックスに接続する選択手段とを有することを特徴とする請求項15記載の羽毛選別装置。
【請求項17】
前記選択手段は前記羽毛回収ボックス毎に対応して備えられ、前記羽毛回収ボックスの出口側に配置された電磁弁であり、
前記制御手段は、前記種別判定結果に応じて前記電磁弁を開閉制御することを特徴とする請求項16記載の羽毛選別装置。
【請求項18】
前記羽毛回収ボックスは開閉可能な扉部を備え、
前記羽毛回収ボックスには前記羽毛よりも小さい網目を有するカップ状の回収容器が配置され、前記回収容器は前記羽毛回収ボックスの入口側にその開口端部が向けられていることを特徴とする請求項15〜17いずれか1項記載の羽毛選別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−143629(P2008−143629A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−330457(P2006−330457)
【出願日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(803000115)学校法人東京理科大学 (545)
【出願人】(501105015)財団法人科学技術振興会 (2)
【Fターム(参考)】