耐熱性排水トラップ
【課題】温度の高い排水が排出されても割れや変形が無く、更には、寒冷地の温度差がある地域や、冬期に用いられたり、更には太陽の紫外線にも耐えうる耐熱性排水トラップを提供する。
【解決手段】合成樹脂製であって、内部に封水を備える本体部1と、本体部1内に排水が流入させるための開口である流入口2と、本体部1内の排水を本体部1外へ排水させるための流出口3と、から構成される耐熱性排水トラップにおいて、前記本体部1に補強用リブ4を構成した。
【解決手段】合成樹脂製であって、内部に封水を備える本体部1と、本体部1内に排水が流入させるための開口である流入口2と、本体部1内の排水を本体部1外へ排水させるための流出口3と、から構成される耐熱性排水トラップにおいて、前記本体部1に補強用リブ4を構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱湯が排水されるなどして耐熱性が要求される耐熱性排水トラップである。
【背景技術】
【0002】
図16に示したように、現在、自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機が普及して久しい。この自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機はタンク内に水を貯水してタンク内の水を温めて利用するものであるが、このタンク内の水は90℃以上の温度に沸き上げられており、このタンク内の沸騰したお湯を排水したり、更にはタンク内の水が温度上昇時に発生する膨張水の処理のため、排水を行わなければならない。この排水は通常、温度が90℃以上であり、いわゆる熱湯が排水される。この自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機には排水装置である排水トラップが必要となる。
また、自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機は屋外に設置されるが、屋外の環境下では、夏場は40℃、冬場は0℃以下となるようなことが多く、屋内に用いられる排水トラップに対してはるかに厳しい環境下に置かれることとなる。
従って、自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機を用いる排水トラップは、耐熱性及び耐候性に耐えうる排水トラップを用いなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−115574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の条件をクリアする排水トラップとして、鋳鉄製の排水トラップがあるが、鋳鉄製の排水トラップは、必然的に費用が高くなってしまうため、比較的安価な合成樹脂製とするほうが良い。
しかしながら、合成樹脂は周囲温度の急激な変化により、熱膨張(熱が加えられると膨張する)と熱収縮(冷却されると収縮する)が何度も繰り返されると合成樹脂自身が劣化し、割れや変形が発生してしまう。
また、上記したような自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機は屋外に設置されるため、熱湯以外にも太陽光の紫外線にも影響される上、特に寒冷地では、冬期の外気温度と自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機の排水の熱湯温度という、急激な温度差によって、急激に合成樹脂が熱膨張と熱収縮を発生させ、割れがかなりの確率で発生していた。
【0005】
従って、本発明の耐熱性排水トラップは、温度の高い排水が排出されても割れや変形が無く、更には、寒冷地の温度差がある地域や、冬期に用いられたり、更には太陽の紫外線にも耐えうる耐熱性排水トラップを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1は、合成樹脂製であって、内部に封水を備える本体部1と、本体部1内に排水が流入させるための開口である流入口2と、本体部1内の排水を本体部1外へ排水させるための流出口3と、から構成される耐熱性排水トラップにおいて、前記本体部1に補強用リブ4を構成したことを特徴とする耐熱性排水トラップである。
【0007】
本発明の請求項2は、前記補強用リブ4を、本体部1の熱膨張方向又は熱収縮方向に沿うように構成されることを特徴とする前記段落0006に記載の耐熱性排水トラップである。
【0008】
本発明の請求項3は、前記補強用リブ4を本体部1底面5に構成したことを特徴とする前記段落0006又は段落0007に記載の耐熱性排水トラップである。
【0009】
本発明の請求項4は、前記補強用リブ4を、本体部1に備えられる封水部6の周囲に構成したことを特徴とする前記段落0006乃至段落0008のいずれか一つに記載の耐熱性排水トラップである。
【0010】
本発明の請求項5は、前記補強用リブ4を、底面5の中心軸から外側方向に向かうように放射状に構成されていることを特徴とする前記段落0006乃至段落0008のいずれか一つに記載の耐熱性排水トラップである。
【0011】
本発明の請求項6は、前記補強用リブ4を、平面視円もしくは多角形状であって、且つ底面5の中心軸と同軸に構成されている前記段落0006乃至段落0008または段落0010のいずれか一つに記載の耐熱性排水トラップである。
【0012】
本発明の請求項7は、前記補強用リブ4を、本体部1外面から外側方向に凸出して構成されるリブ形状であることを特徴とする前記段落0006乃至段落0011のいずれか一つに記載の耐熱性排水トラップである。
【0013】
本発明の請求項8は、前記補強用リブ4を、本体部1外面から内側方向に凹溝状に構成されるリブ形状であることを特徴とする前記段落0006乃至段落0012のいずれか一つに記載の耐熱性排水トラップである。
【0014】
本発明の請求項9は、前記耐熱性排水トラップを、自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機8に用いられる耐熱性排水トラップであることを特徴とする前記段落0006乃至段落0013請求項8のいずれか一つに記載の耐熱性排水トラップである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1に記載の耐熱性排水トラップは、本体部1に補強用リブ4を構成したことから、自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機8から排水される熱湯や寒冷地における外気温の低さによる合成樹脂製の排水トラップの熱膨張及び熱収縮が発生し難く、合成樹脂製の排水トラップに割れ等が発生しない。また、補強用リブ4によって表面積が増えることにより、補強用リブ4が放熱板の役割を果たすことができ、より熱膨張及び熱収縮の発生を押さえることが出来る。
本発明の請求項2に記載の耐熱性排水トラップは、補強用リブ4を本体部1の熱膨張方向又は熱収縮方向に沿うように構成したため、熱膨張又は熱収縮の伸張方向又は収縮方向に対応することができ、より効果的に合成樹脂製の排水トラップの熱膨張及び熱収縮が発生し難くすることができ、合成樹脂製の排水トラップに割れ等が発生しない。
本発明の請求項3に記載の耐熱性排水トラップは、補強用リブ4を本体部1底面5に構成したことから、排水の流下方向となり、より強く熱による負荷が加わりやすい底面5の熱膨張又は熱収縮を効果的に防止することができる。
本発明の請求項4に記載の耐熱性排水トラップは、補強用リブ4を、本体部1に備えられる封水部6の周囲に構成したことから、排水が常時貯水されて熱による負荷が加わりやすい封水部6付近の熱膨張又は熱収縮を効果的に防止することができる。
本発明の請求項5に記載の耐熱性排水トラップは、補強用リブ4を、底面5の中心軸から外側方向に向かうように放射状に構成したことから、底面5の中心から外側方向に向かう放射状方向の熱膨張と、外側方向から中心方向に向かう放射状方向の熱収縮を効果的に防止することができる。
本発明の請求項6に記載の本発明は、補強用リブ4を、円もしくは多角形状であって、且つ底面5の中心軸と同軸に構成したので、底面5の外縁円周(多角)方向に沿うように拡径方向へ広がる熱膨張と、外縁円周(多角)に沿うように縮径方向に縮む熱収縮を効果的に防止することができる。
本発明の請求項7に記載の耐熱性排水トラップは、補強用リブ4を、本体部1外面から外側方向に凸出して構成されるリブ形状としたから、より効果的に熱膨張又は熱収縮を防止することができる。
本発明の請求項8に記載の耐熱性排水トラップは、補強用リブ4を本体部1外面から内側方向に凹溝状に構成されるリブ形状としたから、より効果的に熱膨張又は収縮を防止することができる。
本発明の請求項9に記載の耐熱性排水トラップは、自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機8に用いられる耐熱性排水トラップとしたことから、熱湯が排水される上に屋外に配置される自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機8の排水トラップでも、割れ等発生することないので、安価な合成樹脂製の排水トラップを用いることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1実施例の、耐熱性排水トラップを自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機に用いた際の概略図である。
【図2】第1実施例の耐熱性排水トラップの断面図である。
【図3】第1実施例の耐熱性排水トラップの補強用リブを示す、一部省略底面図である。
【図4】第2実施例の、耐熱性排水トラップを浴室に用いた際の断面図である。
【図5】第2実施例の耐熱性排水トラップの斜視図である。
【図6】第2実施例の耐熱性排水トラップの一部切り欠き斜視図である。
【図7】第3実施例の、耐熱性排水トラップを洗面ボウルに用いた際の断面図である。
【図8】第3実施例の耐熱性排水トラップの、図9における左側面図である。
【図9】第3実施例の耐熱性排水トラップの正面図である。
【図10】第3実施例の耐熱性排水トラップの、図9における右側面図である。
【図11】第3実施例の耐熱性排水トラップの、図9における底面図である。
【図12】第3実施例の耐熱性排水トラップの断面図である。
【図13】第3実施例の耐熱性排水トラップの斜視図である。
【図14】その他の実施例を示す、耐熱性排水トラップの補強用リブを示す、一部省略底面図である。
【図15】補強用リブを示す部分拡大図である。
【図16】従来例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本実施例の耐熱性排水トラップは、屋外に設置される自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機8の排水に用いられる。
図1乃至図3に記載したように本発明の耐熱性排水トラップは、合成樹脂から構成され、以下に記載する本体部1と、流入口2と、流出口3と、補強用リブ4と、防臭パイプ7と、封水部6と、目皿13と、から構成される。
本体部1は、有底円筒状の箱体であって、後記する流入口2や流出口3、封水部6等が構成される。
流入口2は、本体部1の上方に開口された穴であって、上方から流下される排水を本体部1内部へと流入させる為の開口である。
流出口3は、本体部1内部に流入した排水を本体外部へと排水させる開口であり、本実施例では配管を介して雨水桝9へと接続されてなる。
補強用リブ4は、図3に示すように、本体部1の底面5から外側方向に向けて凸出して構成して成り、底面5の中心軸から放射状に伸びる補強用リブ4と、更には、底面5の中心軸から円弧状に複数補強用リブ4が構成される。
防臭パイプ7は、流入口2に取り付けられる円筒状の部材であって、後記する封水部6内に下端を配置することで、本体部1内に封水を形成することができる。
封水部6は、本体内部に常時排水を貯水させることで、下水からの異臭や害虫を逆流させないために構成される。
目皿13は、流入口2に設置される部材であって、自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機8からの排水中のごみや、屋外に設置されているため、屋外の落ち葉などのゴミを捕集するために構成される。
【0018】
上記のように構成された耐熱性排水トラップは、以下のように排水される。
当該実施例では、図1に示したように自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機8の排水口の直下に適宜隙間を設けて配置固定されているが、自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機8から熱湯が排水された場合は、目皿13を介して耐熱性排水トラップの流入口2から本体部1内へ流入し、封水部6を経由して流出口3から雨水桝9へと排出される。
このとき、熱湯が本体部1内に流入して急激に本体内部の温度が上昇し、素材である合成樹脂の熱膨張が発生するが、底面5に構成された補強用リブ4により、合成樹脂の熱膨張を極力抑えることができる。また、寒冷地等で急激に冷却されたとしても、補強用リブ4を構成しているから冷却による収縮を極力抑えることが出来る。
また、底面5の中心軸から放射状に伸びる補強用リブ4を構成したことから、本体部1底面5の中心方向から外側方向、即ち放射状方向への熱膨張又は、本体部1底面5の外側方向から中心方向、即ち放射状方向に向けての熱収縮の発生を効果的に防止することが出来る。
また、底面5の中心軸から円弧状に複数構成される補強用リブ4を構成したことから、本体部1底面5の円周方向に沿って発生する熱膨張又は熱収縮を効果的に防止することができる。
また、自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機8の排水は、規格によってタンクの排水口から排水トラップまでの間を最低50mmの隙間を設けなければならないと規定されているため、タンクからの排水が勢いがつき直接的に排水トラップに排水される為、排水トラップの底面5に負荷応力が過大に加わるが、本実施例では本体部1底面5に補強用リブ4を構成したことから、底面5に加わる熱湯と排水の荷重の負荷応力に耐えうることが出来る。
以上のように、補強用リブ4を構成したから、本願発明の耐熱性排水トラップは、熱による熱膨張や冷却による熱収縮に対して、割れなど発生させる事が無くなった。
また、補強用リブ4を構成したことにより、本体部1の表面積が大きくなるので、補強用リブ4が放熱板の効果となり、より熱膨張及び熱収縮を防止することができる。
【0019】
第2実施例の耐熱性排水トラップは、屋内に設置される浴室の排水に用いられる。
本実施例は、図4に示したように浴室の洗い場パン12の排水口に本発明の耐熱性排水トラップが接続固定され、洗い場パン12上の排水と浴槽11からの排水が排水される。
図4乃至図6に記載したように本発明の耐熱性排水トラップは、合成樹脂から構成され、以下に記載する本体部1と、流入口2と、流出口3と、封水部6と、補強用リブ4と、防臭パイプ7と、から構成される。
本体部1は、有底円筒状の箱体であって、後記する流入口2や流出口3、封水部6等が構成される。
流入口2は、本体部1の上方に開口された穴であって、上方から流下される排水を本体部1内部へと流入させる為の開口である。
流出口3は、本体部1内部に流入した排水を本体外部へと排水させる開口であり、本実施例では配管を介して下水管へと接続されてなる。
封水部6は、本体内部に常時排水を貯水させることで、下水からの異臭や害虫を逆流させないために構成される。本実施例では、本体部1内に構成されたオワン状の部材により、常時排水を貯水することができ、封水部6を形成することが出来る。
補強用リブ4は、図5乃至図6に示したように、オワン状の封水部6側面に、外側方向に向けて凸出して格子状に構成される。また、図示しないが本体部1の封水部6底面5にも、外側方向に向けて凸出して構成し、更に底面5の中心軸から放射状に伸びる補強用リブ4が構成される。
防臭パイプ7は、流入口2に取り付けられる円筒状の部材であって、後記する封水部6内に下端を配置することで、封水と協同して本体部1内に封水を形成することができる。
【0020】
上記のように構成された耐熱性排水トラップは、以下のように排水される。
当該実施例では、浴室の洗い場パン12の排水口に接続固定されているが、浴槽11もしくは洗い場パン12から排水された場合は、耐熱性排水トラップの流入口2もしくは枝管から本体部1内へ流入し、封水部6を経由して流出口3から最終的には下水管へと排出される。
このとき、熱湯が本体部1内に流入して急激に本体内部の温度が上昇し、素材である合成樹脂の熱膨張が発生するが、底面5に構成された補強用リブ4により、合成樹脂の熱膨張を極力抑えることができる。また、寒冷地等で急激に冷却されたとしても、補強用リブ4を構成しているから冷却による収縮を極力抑えることが出来る。
また、当該実施例の補強用リブ4は、本体側面に格子状に構成されているから、熱膨張/熱収縮による上下方向の熱膨張/熱収縮及び外周側面方向に発生する熱膨張/熱収縮を効果的に防止することが出来る。
以上のように、補強用リブ4を構成したから、本願発明の耐熱性排水トラップは、熱による熱膨張や冷却による熱収縮に対して、割れなど発生させる事が無くなった。
【0021】
第3実施例の耐熱性排水トラップは、図7に示したように、屋内に設置される洗面ボウル10の排水に用いられる。
図7乃至図13に記載したように本発明の耐熱性排水トラップは、合成樹脂から構成され、以下に記載する本体部1と、流入口2と、流出口3と、封水部6と、補強用リブ4と、から構成される。
本体部1は、管体であって、後記する流入口2や流出口3、封水部6等が構成される。
流入口2は、本体部1の上方に開口され、上方から流下される排水を本体部1内部へと流入させる為の開口である。また、本実施例では、洗面ボウル10の排水口に接続されて成る。
流出口3は、本体部1内部に流入した排水を本体外部へと排水させる開口であり、本実施例では配管を介して下水管へと接続されてなる。
封水部6は、本体部1である管体をU字状に屈曲して構成したいわゆる「U字トラップ」を構成する。このU字状に屈曲した部分に常時排水が貯水されて封水が構成されるので、下水からの害虫や異臭を逆流させない構成となっている。
補強用リブ4は、図8乃至図11及び図13で示したように、本体部1のU字状に屈曲した箇所の外周の周面方向に沿うように、外側方向に凸出して構成されるとともに、更には、U字状の封水部6の底面付近に、排水の進行方向に沿うように凸出して構成された補強用リブ4が構成されている。
【0022】
上記のように構成された耐熱性排水トラップは、以下のように排水される。
当該実施例では、洗面ボウル10に配管されている為、洗面ボウル10から熱湯が排水された場合は、耐熱性排水トラップの流入口2から本体部1内へ流入し、封水部6を経由して流出口3から最終的には下水管へと排出される。
このとき、熱湯が本体部1内に流入して急激に本体内部の温度が上昇し、素材である合成樹脂の熱膨張が発生するが、底面5に構成された補強用リブ4により、合成樹脂の熱膨張を極力抑えることができる。また、寒冷地等で急激に冷却されたとしても、補強用リブ4を構成しているから冷却による収縮を極力抑えることが出来る。
また、本体部1のU字状に屈曲した箇所の外側方向に凸出して構成された補強用リブ4により、U字部分(封水部6分)が、中心から封水部6分の端縁方向にむかって発生する本体部1の熱膨張と、又、封水部6分の端縁方向から中心方向に向かって発生する熱収縮の両者を効果的に防止することが出来る。
以上のように、補強用リブ4を構成したから、本願発明の耐熱性排水トラップは、熱による熱膨張や冷却による熱収縮に対して、割れなど発生させる事が無くなった。
【0023】
本発明の耐熱性排水トラップは、上記の実施例に限定されるものではなく、請求項の範囲を超えない程度に、適宜変更は可能である。
例えば、上記実施例ではワン型排水トラップやU字トラップで実施しているが、その形状を特定するものではなく、封水を備えた排水トラップであれば特に問題はない。
また、上記実施例では、補強用リブ4を図15右部分に示したように外周面から外側方向に凸出する凸リブで構成されているが、図15左部分に示したように外周面から内側方向に凸出して表面では凹溝状に構成される凹リブで構成しても構わない。
また、上記実施例では、自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機8に用いられているが、これに限定されるものではなく、耐熱性が必要とされる排水トラップであれば特に問題はない。
また、上記実施例では、本体部1底面5に構成した補強用リブ4を平面視円形状に構成しているが、図14に示したように多角形状に構成しても構わない。
【符号の説明】
【0024】
1:本体部
2:流入口
3:流出口
4:補強用リブ
5:底面
6:封水部
7:防臭パイプ
8:自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機
9:雨水桝
10:洗面ボウル
11:浴槽
12:洗い場パン
13:目皿
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱湯が排水されるなどして耐熱性が要求される耐熱性排水トラップである。
【背景技術】
【0002】
図16に示したように、現在、自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機が普及して久しい。この自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機はタンク内に水を貯水してタンク内の水を温めて利用するものであるが、このタンク内の水は90℃以上の温度に沸き上げられており、このタンク内の沸騰したお湯を排水したり、更にはタンク内の水が温度上昇時に発生する膨張水の処理のため、排水を行わなければならない。この排水は通常、温度が90℃以上であり、いわゆる熱湯が排水される。この自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機には排水装置である排水トラップが必要となる。
また、自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機は屋外に設置されるが、屋外の環境下では、夏場は40℃、冬場は0℃以下となるようなことが多く、屋内に用いられる排水トラップに対してはるかに厳しい環境下に置かれることとなる。
従って、自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機を用いる排水トラップは、耐熱性及び耐候性に耐えうる排水トラップを用いなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−115574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の条件をクリアする排水トラップとして、鋳鉄製の排水トラップがあるが、鋳鉄製の排水トラップは、必然的に費用が高くなってしまうため、比較的安価な合成樹脂製とするほうが良い。
しかしながら、合成樹脂は周囲温度の急激な変化により、熱膨張(熱が加えられると膨張する)と熱収縮(冷却されると収縮する)が何度も繰り返されると合成樹脂自身が劣化し、割れや変形が発生してしまう。
また、上記したような自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機は屋外に設置されるため、熱湯以外にも太陽光の紫外線にも影響される上、特に寒冷地では、冬期の外気温度と自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機の排水の熱湯温度という、急激な温度差によって、急激に合成樹脂が熱膨張と熱収縮を発生させ、割れがかなりの確率で発生していた。
【0005】
従って、本発明の耐熱性排水トラップは、温度の高い排水が排出されても割れや変形が無く、更には、寒冷地の温度差がある地域や、冬期に用いられたり、更には太陽の紫外線にも耐えうる耐熱性排水トラップを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1は、合成樹脂製であって、内部に封水を備える本体部1と、本体部1内に排水が流入させるための開口である流入口2と、本体部1内の排水を本体部1外へ排水させるための流出口3と、から構成される耐熱性排水トラップにおいて、前記本体部1に補強用リブ4を構成したことを特徴とする耐熱性排水トラップである。
【0007】
本発明の請求項2は、前記補強用リブ4を、本体部1の熱膨張方向又は熱収縮方向に沿うように構成されることを特徴とする前記段落0006に記載の耐熱性排水トラップである。
【0008】
本発明の請求項3は、前記補強用リブ4を本体部1底面5に構成したことを特徴とする前記段落0006又は段落0007に記載の耐熱性排水トラップである。
【0009】
本発明の請求項4は、前記補強用リブ4を、本体部1に備えられる封水部6の周囲に構成したことを特徴とする前記段落0006乃至段落0008のいずれか一つに記載の耐熱性排水トラップである。
【0010】
本発明の請求項5は、前記補強用リブ4を、底面5の中心軸から外側方向に向かうように放射状に構成されていることを特徴とする前記段落0006乃至段落0008のいずれか一つに記載の耐熱性排水トラップである。
【0011】
本発明の請求項6は、前記補強用リブ4を、平面視円もしくは多角形状であって、且つ底面5の中心軸と同軸に構成されている前記段落0006乃至段落0008または段落0010のいずれか一つに記載の耐熱性排水トラップである。
【0012】
本発明の請求項7は、前記補強用リブ4を、本体部1外面から外側方向に凸出して構成されるリブ形状であることを特徴とする前記段落0006乃至段落0011のいずれか一つに記載の耐熱性排水トラップである。
【0013】
本発明の請求項8は、前記補強用リブ4を、本体部1外面から内側方向に凹溝状に構成されるリブ形状であることを特徴とする前記段落0006乃至段落0012のいずれか一つに記載の耐熱性排水トラップである。
【0014】
本発明の請求項9は、前記耐熱性排水トラップを、自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機8に用いられる耐熱性排水トラップであることを特徴とする前記段落0006乃至段落0013請求項8のいずれか一つに記載の耐熱性排水トラップである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1に記載の耐熱性排水トラップは、本体部1に補強用リブ4を構成したことから、自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機8から排水される熱湯や寒冷地における外気温の低さによる合成樹脂製の排水トラップの熱膨張及び熱収縮が発生し難く、合成樹脂製の排水トラップに割れ等が発生しない。また、補強用リブ4によって表面積が増えることにより、補強用リブ4が放熱板の役割を果たすことができ、より熱膨張及び熱収縮の発生を押さえることが出来る。
本発明の請求項2に記載の耐熱性排水トラップは、補強用リブ4を本体部1の熱膨張方向又は熱収縮方向に沿うように構成したため、熱膨張又は熱収縮の伸張方向又は収縮方向に対応することができ、より効果的に合成樹脂製の排水トラップの熱膨張及び熱収縮が発生し難くすることができ、合成樹脂製の排水トラップに割れ等が発生しない。
本発明の請求項3に記載の耐熱性排水トラップは、補強用リブ4を本体部1底面5に構成したことから、排水の流下方向となり、より強く熱による負荷が加わりやすい底面5の熱膨張又は熱収縮を効果的に防止することができる。
本発明の請求項4に記載の耐熱性排水トラップは、補強用リブ4を、本体部1に備えられる封水部6の周囲に構成したことから、排水が常時貯水されて熱による負荷が加わりやすい封水部6付近の熱膨張又は熱収縮を効果的に防止することができる。
本発明の請求項5に記載の耐熱性排水トラップは、補強用リブ4を、底面5の中心軸から外側方向に向かうように放射状に構成したことから、底面5の中心から外側方向に向かう放射状方向の熱膨張と、外側方向から中心方向に向かう放射状方向の熱収縮を効果的に防止することができる。
本発明の請求項6に記載の本発明は、補強用リブ4を、円もしくは多角形状であって、且つ底面5の中心軸と同軸に構成したので、底面5の外縁円周(多角)方向に沿うように拡径方向へ広がる熱膨張と、外縁円周(多角)に沿うように縮径方向に縮む熱収縮を効果的に防止することができる。
本発明の請求項7に記載の耐熱性排水トラップは、補強用リブ4を、本体部1外面から外側方向に凸出して構成されるリブ形状としたから、より効果的に熱膨張又は熱収縮を防止することができる。
本発明の請求項8に記載の耐熱性排水トラップは、補強用リブ4を本体部1外面から内側方向に凹溝状に構成されるリブ形状としたから、より効果的に熱膨張又は収縮を防止することができる。
本発明の請求項9に記載の耐熱性排水トラップは、自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機8に用いられる耐熱性排水トラップとしたことから、熱湯が排水される上に屋外に配置される自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機8の排水トラップでも、割れ等発生することないので、安価な合成樹脂製の排水トラップを用いることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1実施例の、耐熱性排水トラップを自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機に用いた際の概略図である。
【図2】第1実施例の耐熱性排水トラップの断面図である。
【図3】第1実施例の耐熱性排水トラップの補強用リブを示す、一部省略底面図である。
【図4】第2実施例の、耐熱性排水トラップを浴室に用いた際の断面図である。
【図5】第2実施例の耐熱性排水トラップの斜視図である。
【図6】第2実施例の耐熱性排水トラップの一部切り欠き斜視図である。
【図7】第3実施例の、耐熱性排水トラップを洗面ボウルに用いた際の断面図である。
【図8】第3実施例の耐熱性排水トラップの、図9における左側面図である。
【図9】第3実施例の耐熱性排水トラップの正面図である。
【図10】第3実施例の耐熱性排水トラップの、図9における右側面図である。
【図11】第3実施例の耐熱性排水トラップの、図9における底面図である。
【図12】第3実施例の耐熱性排水トラップの断面図である。
【図13】第3実施例の耐熱性排水トラップの斜視図である。
【図14】その他の実施例を示す、耐熱性排水トラップの補強用リブを示す、一部省略底面図である。
【図15】補強用リブを示す部分拡大図である。
【図16】従来例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本実施例の耐熱性排水トラップは、屋外に設置される自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機8の排水に用いられる。
図1乃至図3に記載したように本発明の耐熱性排水トラップは、合成樹脂から構成され、以下に記載する本体部1と、流入口2と、流出口3と、補強用リブ4と、防臭パイプ7と、封水部6と、目皿13と、から構成される。
本体部1は、有底円筒状の箱体であって、後記する流入口2や流出口3、封水部6等が構成される。
流入口2は、本体部1の上方に開口された穴であって、上方から流下される排水を本体部1内部へと流入させる為の開口である。
流出口3は、本体部1内部に流入した排水を本体外部へと排水させる開口であり、本実施例では配管を介して雨水桝9へと接続されてなる。
補強用リブ4は、図3に示すように、本体部1の底面5から外側方向に向けて凸出して構成して成り、底面5の中心軸から放射状に伸びる補強用リブ4と、更には、底面5の中心軸から円弧状に複数補強用リブ4が構成される。
防臭パイプ7は、流入口2に取り付けられる円筒状の部材であって、後記する封水部6内に下端を配置することで、本体部1内に封水を形成することができる。
封水部6は、本体内部に常時排水を貯水させることで、下水からの異臭や害虫を逆流させないために構成される。
目皿13は、流入口2に設置される部材であって、自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機8からの排水中のごみや、屋外に設置されているため、屋外の落ち葉などのゴミを捕集するために構成される。
【0018】
上記のように構成された耐熱性排水トラップは、以下のように排水される。
当該実施例では、図1に示したように自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機8の排水口の直下に適宜隙間を設けて配置固定されているが、自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機8から熱湯が排水された場合は、目皿13を介して耐熱性排水トラップの流入口2から本体部1内へ流入し、封水部6を経由して流出口3から雨水桝9へと排出される。
このとき、熱湯が本体部1内に流入して急激に本体内部の温度が上昇し、素材である合成樹脂の熱膨張が発生するが、底面5に構成された補強用リブ4により、合成樹脂の熱膨張を極力抑えることができる。また、寒冷地等で急激に冷却されたとしても、補強用リブ4を構成しているから冷却による収縮を極力抑えることが出来る。
また、底面5の中心軸から放射状に伸びる補強用リブ4を構成したことから、本体部1底面5の中心方向から外側方向、即ち放射状方向への熱膨張又は、本体部1底面5の外側方向から中心方向、即ち放射状方向に向けての熱収縮の発生を効果的に防止することが出来る。
また、底面5の中心軸から円弧状に複数構成される補強用リブ4を構成したことから、本体部1底面5の円周方向に沿って発生する熱膨張又は熱収縮を効果的に防止することができる。
また、自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機8の排水は、規格によってタンクの排水口から排水トラップまでの間を最低50mmの隙間を設けなければならないと規定されているため、タンクからの排水が勢いがつき直接的に排水トラップに排水される為、排水トラップの底面5に負荷応力が過大に加わるが、本実施例では本体部1底面5に補強用リブ4を構成したことから、底面5に加わる熱湯と排水の荷重の負荷応力に耐えうることが出来る。
以上のように、補強用リブ4を構成したから、本願発明の耐熱性排水トラップは、熱による熱膨張や冷却による熱収縮に対して、割れなど発生させる事が無くなった。
また、補強用リブ4を構成したことにより、本体部1の表面積が大きくなるので、補強用リブ4が放熱板の効果となり、より熱膨張及び熱収縮を防止することができる。
【0019】
第2実施例の耐熱性排水トラップは、屋内に設置される浴室の排水に用いられる。
本実施例は、図4に示したように浴室の洗い場パン12の排水口に本発明の耐熱性排水トラップが接続固定され、洗い場パン12上の排水と浴槽11からの排水が排水される。
図4乃至図6に記載したように本発明の耐熱性排水トラップは、合成樹脂から構成され、以下に記載する本体部1と、流入口2と、流出口3と、封水部6と、補強用リブ4と、防臭パイプ7と、から構成される。
本体部1は、有底円筒状の箱体であって、後記する流入口2や流出口3、封水部6等が構成される。
流入口2は、本体部1の上方に開口された穴であって、上方から流下される排水を本体部1内部へと流入させる為の開口である。
流出口3は、本体部1内部に流入した排水を本体外部へと排水させる開口であり、本実施例では配管を介して下水管へと接続されてなる。
封水部6は、本体内部に常時排水を貯水させることで、下水からの異臭や害虫を逆流させないために構成される。本実施例では、本体部1内に構成されたオワン状の部材により、常時排水を貯水することができ、封水部6を形成することが出来る。
補強用リブ4は、図5乃至図6に示したように、オワン状の封水部6側面に、外側方向に向けて凸出して格子状に構成される。また、図示しないが本体部1の封水部6底面5にも、外側方向に向けて凸出して構成し、更に底面5の中心軸から放射状に伸びる補強用リブ4が構成される。
防臭パイプ7は、流入口2に取り付けられる円筒状の部材であって、後記する封水部6内に下端を配置することで、封水と協同して本体部1内に封水を形成することができる。
【0020】
上記のように構成された耐熱性排水トラップは、以下のように排水される。
当該実施例では、浴室の洗い場パン12の排水口に接続固定されているが、浴槽11もしくは洗い場パン12から排水された場合は、耐熱性排水トラップの流入口2もしくは枝管から本体部1内へ流入し、封水部6を経由して流出口3から最終的には下水管へと排出される。
このとき、熱湯が本体部1内に流入して急激に本体内部の温度が上昇し、素材である合成樹脂の熱膨張が発生するが、底面5に構成された補強用リブ4により、合成樹脂の熱膨張を極力抑えることができる。また、寒冷地等で急激に冷却されたとしても、補強用リブ4を構成しているから冷却による収縮を極力抑えることが出来る。
また、当該実施例の補強用リブ4は、本体側面に格子状に構成されているから、熱膨張/熱収縮による上下方向の熱膨張/熱収縮及び外周側面方向に発生する熱膨張/熱収縮を効果的に防止することが出来る。
以上のように、補強用リブ4を構成したから、本願発明の耐熱性排水トラップは、熱による熱膨張や冷却による熱収縮に対して、割れなど発生させる事が無くなった。
【0021】
第3実施例の耐熱性排水トラップは、図7に示したように、屋内に設置される洗面ボウル10の排水に用いられる。
図7乃至図13に記載したように本発明の耐熱性排水トラップは、合成樹脂から構成され、以下に記載する本体部1と、流入口2と、流出口3と、封水部6と、補強用リブ4と、から構成される。
本体部1は、管体であって、後記する流入口2や流出口3、封水部6等が構成される。
流入口2は、本体部1の上方に開口され、上方から流下される排水を本体部1内部へと流入させる為の開口である。また、本実施例では、洗面ボウル10の排水口に接続されて成る。
流出口3は、本体部1内部に流入した排水を本体外部へと排水させる開口であり、本実施例では配管を介して下水管へと接続されてなる。
封水部6は、本体部1である管体をU字状に屈曲して構成したいわゆる「U字トラップ」を構成する。このU字状に屈曲した部分に常時排水が貯水されて封水が構成されるので、下水からの害虫や異臭を逆流させない構成となっている。
補強用リブ4は、図8乃至図11及び図13で示したように、本体部1のU字状に屈曲した箇所の外周の周面方向に沿うように、外側方向に凸出して構成されるとともに、更には、U字状の封水部6の底面付近に、排水の進行方向に沿うように凸出して構成された補強用リブ4が構成されている。
【0022】
上記のように構成された耐熱性排水トラップは、以下のように排水される。
当該実施例では、洗面ボウル10に配管されている為、洗面ボウル10から熱湯が排水された場合は、耐熱性排水トラップの流入口2から本体部1内へ流入し、封水部6を経由して流出口3から最終的には下水管へと排出される。
このとき、熱湯が本体部1内に流入して急激に本体内部の温度が上昇し、素材である合成樹脂の熱膨張が発生するが、底面5に構成された補強用リブ4により、合成樹脂の熱膨張を極力抑えることができる。また、寒冷地等で急激に冷却されたとしても、補強用リブ4を構成しているから冷却による収縮を極力抑えることが出来る。
また、本体部1のU字状に屈曲した箇所の外側方向に凸出して構成された補強用リブ4により、U字部分(封水部6分)が、中心から封水部6分の端縁方向にむかって発生する本体部1の熱膨張と、又、封水部6分の端縁方向から中心方向に向かって発生する熱収縮の両者を効果的に防止することが出来る。
以上のように、補強用リブ4を構成したから、本願発明の耐熱性排水トラップは、熱による熱膨張や冷却による熱収縮に対して、割れなど発生させる事が無くなった。
【0023】
本発明の耐熱性排水トラップは、上記の実施例に限定されるものではなく、請求項の範囲を超えない程度に、適宜変更は可能である。
例えば、上記実施例ではワン型排水トラップやU字トラップで実施しているが、その形状を特定するものではなく、封水を備えた排水トラップであれば特に問題はない。
また、上記実施例では、補強用リブ4を図15右部分に示したように外周面から外側方向に凸出する凸リブで構成されているが、図15左部分に示したように外周面から内側方向に凸出して表面では凹溝状に構成される凹リブで構成しても構わない。
また、上記実施例では、自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機8に用いられているが、これに限定されるものではなく、耐熱性が必要とされる排水トラップであれば特に問題はない。
また、上記実施例では、本体部1底面5に構成した補強用リブ4を平面視円形状に構成しているが、図14に示したように多角形状に構成しても構わない。
【符号の説明】
【0024】
1:本体部
2:流入口
3:流出口
4:補強用リブ
5:底面
6:封水部
7:防臭パイプ
8:自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機
9:雨水桝
10:洗面ボウル
11:浴槽
12:洗い場パン
13:目皿
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂製であって、
内部に封水を備える本体部1と、
本体部1内に排水が流入させるための開口である流入口2と、
本体部1内の排水を本体部1外へ排水させるための流出口3と、
から構成される耐熱性排水トラップにおいて、
前記本体部1に補強用リブ4を構成したことを特徴とする耐熱性排水トラップ。
【請求項2】
前記補強用リブ4は、本体部1の熱膨張方向又は熱収縮方向に沿うように構成されることを特徴とする前記請求項1に記載の耐熱性排水トラップ。
【請求項3】
前記補強用リブ4を本体部1底面5に構成したことを特徴とする前記請求項1又は請求項2に記載の耐熱性排水トラップ。
【請求項4】
前記補強用リブ4を、本体部1に備えられる封水部6の周囲に構成したことを特徴とする前記請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の耐熱性排水トラップ。
【請求項5】
前記補強用リブ4は、底面5の中心軸から外側方向に向かうように放射状に構成されていることを特徴とする前記請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の耐熱性排水トラップ。
【請求項6】
前記補強用リブ4は、平面視円もしくは多角形状であって、且つ底面5の中心軸と同軸に構成されている前記請求項1乃至請求項3または請求項5のいずれか一つに記載の耐熱性排水トラップ。
【請求項7】
前記補強用リブ4は、本体部1外面から外側方向に凸出して構成されるリブ形状であることを特徴とする前記請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の耐熱性排水トラップ。
【請求項8】
前記補強用リブ4は、本体部1外面から内側方向に凹溝状に構成されるリブ形状であることを特徴とする前記請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載の耐熱性排水トラップ。
【請求項9】
前記耐熱性排水トラップは、自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機8に用いられる耐熱性排水トラップであることを特徴とする前記請求項1乃至請求項8のいずれか一つに記載の耐熱性排水トラップ。
【請求項1】
合成樹脂製であって、
内部に封水を備える本体部1と、
本体部1内に排水が流入させるための開口である流入口2と、
本体部1内の排水を本体部1外へ排水させるための流出口3と、
から構成される耐熱性排水トラップにおいて、
前記本体部1に補強用リブ4を構成したことを特徴とする耐熱性排水トラップ。
【請求項2】
前記補強用リブ4は、本体部1の熱膨張方向又は熱収縮方向に沿うように構成されることを特徴とする前記請求項1に記載の耐熱性排水トラップ。
【請求項3】
前記補強用リブ4を本体部1底面5に構成したことを特徴とする前記請求項1又は請求項2に記載の耐熱性排水トラップ。
【請求項4】
前記補強用リブ4を、本体部1に備えられる封水部6の周囲に構成したことを特徴とする前記請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の耐熱性排水トラップ。
【請求項5】
前記補強用リブ4は、底面5の中心軸から外側方向に向かうように放射状に構成されていることを特徴とする前記請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の耐熱性排水トラップ。
【請求項6】
前記補強用リブ4は、平面視円もしくは多角形状であって、且つ底面5の中心軸と同軸に構成されている前記請求項1乃至請求項3または請求項5のいずれか一つに記載の耐熱性排水トラップ。
【請求項7】
前記補強用リブ4は、本体部1外面から外側方向に凸出して構成されるリブ形状であることを特徴とする前記請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の耐熱性排水トラップ。
【請求項8】
前記補強用リブ4は、本体部1外面から内側方向に凹溝状に構成されるリブ形状であることを特徴とする前記請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載の耐熱性排水トラップ。
【請求項9】
前記耐熱性排水トラップは、自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機8に用いられる耐熱性排水トラップであることを特徴とする前記請求項1乃至請求項8のいずれか一つに記載の耐熱性排水トラップ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−117251(P2011−117251A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−278039(P2009−278039)
【出願日】平成21年12月7日(2009.12.7)
【出願人】(000157212)丸一株式会社 (158)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月7日(2009.12.7)
【出願人】(000157212)丸一株式会社 (158)
【Fターム(参考)】
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