説明

耳式体温計

【課題】 被検者の耳腔内にプローブを的確かつ容易に挿入することが可能な耳式体温計を提供する。
【解決手段】 温度検出素子と赤外線検出素子とを備え、該温度検出素子により検出された環境温度と該赤外線検出素子により検出された相対温度とを用いて、被検者の体温を測定する耳式体温計100であって、中空の筒状体によって形成され、前記耳腔内に挿入されるプローブ101と、測定者の指に装着するための装着機能106〜108を有し、該装着機能106〜108を用いて該測定者の指に装着した場合に、前記プローブ101の支持位置が、該測定者の手指末節部の手掌面に対向する位置となるように、前記プローブを支持する装着部102、104とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耳式体温計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、耳腔内にプローブを挿入し、鼓膜またはその周辺の温度を検出することで、被検者の体温を測定する耳式体温計が実用化されている。
【0003】
耳式体温計は、一般に、環境温度を検出する温度検出素子(例えば、サーミスタ)と、耳腔内の温度測定部位(鼓膜またはその周辺)から放射される赤外線を検出する赤外線検出素子(例えば、冷接点と温接点とからなるサーモパイル)とを備えており、それぞれの検出素子の検出温度に基づいて、被検者の体温を算出することとしており、他の方式の体温計と比較して、体温の測定を短時間で高精度に行うことができるという利点を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−241362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、耳式体温計の場合、耳腔内にプローブが的確に挿入されず(つまり、適切な測定状態を確保できず)、耳腔内の温度測定部位から放射される赤外線を適切に検出できなかった場合には、測定誤差が大きくなるという問題がある。特に、乳幼児等のように、一定時間、静止させておくことが困難で、かつ測定者による支えなどが必要な被検者の場合には、このような問題が顕著になる。
【0006】
これに対して、従来の耳式体温計は、例えば、図17に示すように、測定者または被検者自身が、本体部下方を支持しながら測定を行うことを前提としていたため、耳腔内への挿入において、プローブ部の先端を高精度に位置合わせすることは必ずしも容易ではなかった。また、本体部の支持において片方の手が完全に塞がるため、乳幼児等のように、測定に際して測定者が手で支える必要がある被検者の場合には、高精度な測定がより困難なものとなっていた。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、被検者の耳腔内にプローブ部を的確かつ容易に挿入することが可能な耳式体温計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明に係る耳式体温計は以下のような構成を備える。即ち、
環境温度を検出する温度検出素子と、被検者の耳腔内の温度測定部位から放射される赤外線を検出することで該温度測定部位の相対温度を検出する赤外線検出素子とを備え、該温度検出素子により検出された環境温度と該赤外線検出素子により検出された相対温度とを用いて、被検者の体温を測定する耳式体温計であって、
中空の筒状体によって形成され、前記耳腔内に挿入されるプローブ部と、
測定者の指に装着するための装着機能を有し、該装着機能を用いて該測定者の指に装着した場合に、前記プローブの支持位置が、該測定者の手指末節部の手掌面に対向する位置となるように、前記プローブを支持する装着部とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、被検者の耳腔内にプローブ部を的確かつ容易に挿入することが可能な耳式体温計を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る耳式体温計100の外観構成を示す図である。
【図2】耳式体温計100の正面図及び側面図である。
【図3】測定者が耳式体温計100を装着した様子を示す図である。
【図4】耳式体温計100を用いて体温測定を行う様子を示した図である。
【図5】耳式体温計100の検出素子収納体の構成を示す図である。
【図6】耳式体温計100全体の機能構成を示す図である。
【図7】耳式体温計100における体温測定処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る耳式体温計800の外観構成を示す図である。
【図9】耳式体温計800の正面図及び側面図である。
【図10】測定者が耳式体温計800を装着した様子を示す図である。
【図11】耳式体温計800を用いて体温測定を行う様子を示した図である。
【図12】本発明の第3の実施形態に係る耳式体温計1200のプローブ部の構成を示す図である。
【図13】耳式体温計1200全体の機能構成を示す図である。
【図14】耳式体温計1200における体温測定処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】本発明の第4の実施形態に係る耳式体温計1500全体の機能構成を示す図である。
【図16】耳式体温計1500における体温測定処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】従来の耳式体温計の外観構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の各実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0012】
[第1の実施形態]
1.耳式体温計の外観構成
はじめに、本発明の第1の実施形態に係る耳式体温計100の外観構成について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る耳式体温計100の外観構成を示す図である。
【0013】
図1において、101はプローブ部であり、耳腔内の温度測定部位(好ましくは鼓膜及び/又はその周辺)から放射される赤外線を検出するために耳腔内(外耳道)に挿入される。プローブ部101は、耳腔内への挿入が可能となるよう、先端の外径寸法が約7mmの筒状形状となっている。
【0014】
102はプローブ支持部であり、一方の面においてプローブ部101を支持する。また、プローブ部101を支持する面に対向する面111には、指固定壁103が設けられており、耳式体温計100を測定者の指に装着した際の、当該指のX軸方向(プラス方向及びマイナス方向)及びY軸方向(プラス方向)の位置を規定している。
【0015】
なお、プローブ支持部102の面111のY軸方向の長さは、概ね、測定者の指の先端から第1関節付近までの長さとなっており、面111上であって、プローブ部101を支持する支持位置に対向する位置に、測定者の指の腹(指紋がある部分。手指末節部の手掌面側の部分)が接触するよう構成されている。これにより、プローブ部101の先端を被検者の耳腔内に挿入した際に、プローブ部101の先端が耳壁に接触する感覚を、測定者は指先で敏感に感じ取ることが可能となる。
【0016】
104は耳式体温計100全体を制御する固定部であり、プローブ支持部102の面111と同一平面を形成する面112を有しており、耳式体温計100が測定者の指に装着された際に、測定者の指の第1関節よりも根元側の部分が接触するよう構成されている。なお、本実施形態における耳式体温計100では、固定部104のY軸方向の長さが、概ね、測定者の指の第1関節から第2関節までの長さとなるように構成されているものとする。これにより、測定者は第2関節で指を折り曲げる動作を自由に行うことができ、耳式体温計100を被検者の耳腔内に挿入した際に、指先で微小角度の調整を行うことができるようになる。つまり、プローブ部の先端の位置合わせを高精度に行うことが可能となる。
【0017】
なお、固定部104の面112には、指固定壁105が設けられており、耳式体温計100を測定者の指に装着した際の、当該指のX軸方向(プラス方向及びマイナス方向)の位置を規定している。
【0018】
また、固定部104の側面には、測定者の指に巻かれる装着帯106、108が設けられており、プローブ支持部102の面111及び固定部104の面112に測定者の指が載置された状態で、該測定者の指に装着帯106を巻き、その先端の装着リング107に、装着帯108を通したうえで、X軸方向(マイナス方向)に引っ張ることにより、測定者の指を耳式体温計100に安定して固定することができる(つまり、装着帯106、108、装着リング107は、耳式体温計100を測定者の指に装着するための装着機能を実現するものであり、当該装着機能により装着されるプローブ支持部102及び固定部104は、一体で、装着部としての役割を果たす)。
【0019】
なお、装着帯106及び装着帯108にはそれぞれ、雄型の面ファスナーと雌型の面ファスナーとが備えられており(不図示)、装着帯108をX軸方向(マイナス方向)に引っ張った状態で、装着帯108を装着帯106に罫着固定できるように構成されている。
【0020】
2.耳式体温計100の正面及び側面の構成
次に、耳式体温計100の正面及び側面の構成について説明する。図2(a)は、耳式体温計100の正面図であり、図2(b)は、耳式体温計100の側面図である。
【0021】
図2(a)に示すように、固定部104の面112と対向する面211上(プローブ部101を支持する支持位置と同じ側の面)には、表示部201が設けられており、測定された被検者の体温を表示する。また、面211上には、電源スイッチ202が設けられており、押圧操作により耳式体温計100の電源のON/OFFを制御することができる。
【0022】
また、図2(b)に示すように、固定部104の側面には、測定開始スイッチ203が設けられており、電源がONとなった状態で押圧操作されることで、測定の開始を指示することができる。204はスピーカであり、測定開始スイッチ203が押圧操作された場合や、体温測定が終了した場合等に、音声を出力する。205はLED素子であり、耳式体温計100の内部状態に対応して点灯が制御される。
【0023】
3.耳式体温計100の装着状態
次に測定者が耳式体温計100を装着した状態について図3を参照しながら説明する。図3に示すように、測定者の指の先端部が指固定壁103に接触することで、測定者の指のY軸方向(マイナス方向)及びX軸方向(プラス方向及びマイナス方向)の位置が規定される。
【0024】
また、装着帯106の先端に設けられた装着リング107に装着帯108が通され、装着帯108がX軸方向(マイナス方向)に引っ張られることで、測定者の指の第1関節と第2関節の間の部分が、固定部104に固定される。
【0025】
上述したように、耳式体温計100が測定者の指に装着された状態では、測定者は指の第2関節を折り曲げることができ、これにより、被検者の耳腔内へのプローブ部101の挿入に際して、測定者はプローブ部101の先端の位置を微調整することができる。
【0026】
また、測定者の指の腹が、プローブ支持部102の面111上であって、プローブ支持部102がプローブ部101を支持する支持位置に対向する位置において面111に接触するため、測定者は、プローブ部101の先端が耳壁に接触する感覚を、指先で敏感に感じ取ることができる。
【0027】
なお、図3に示すように、耳式体温計100は、測定者のいずれかの指(通常は、人指し指)に安定して固定されるため、測定者は、被検者の体温測定に際して、耳式体温計100が装着された指以外の指を、自由に使うことができる。
【0028】
4.耳式体温計100による体温測定
次に測定者が耳式体温計100を装着して、被検者の体温測定を行う様子を図4を参照しながら説明する。図4に示すように、耳式体温計100を測定者の右手の人差し指に装着した場合、右手人差し指以外の指は自由に使うことができる。このため、測定者は、被検者の顔を両手(左手のすべての指と、右手の人差し指以外の指と)で、押えることができる。
【0029】
このように、本実施形態に係る耳式体温計100によれば、測定に際して、被検者を両手で押えることができるため、安定した状態(被検者が静止した状態)での体温測定が可能となり、測定誤差の発生を低減させることが可能となる。
【0030】
5.プローブ部101の構成
次にプローブ部101の構成について説明する。プローブ部101は先端に開口部が形成された中空筒状体により形成されており、開口部近傍には、環境温度を検出する温度検出素子(例えば、サーミスタ)と、耳腔内の温度測定部位(鼓膜またはその周辺)から放射される赤外線を検出する赤外線検出素子(例えば、冷接点と温接点とからなるサーモパイル)とが収納された検出素子収納体が固定されている。
【0031】
図5は、検出素子収納体の一部を破断して示した外観斜視図である。図5に示すように、検出素子収納体は、取付け基部材503を備え、取付け基部材503上には、環境温度を検出する温度検出素子であるサーミスタ501と、耳腔内の温度測定部位から放射される赤外線を検出する赤外線検出素子502とが固定されている。
【0032】
サーミスタ501は、使用環境温度である絶対温度を検出できるように調整されている。また、外気温度がサーミスタ501に伝達されるよう、取付け基部材503はアルミ材等の良熱伝導体により構成されており、かつ、サーミスタ501は、取付け面の表面積が大きくなるように取付け基部材503に固定されている。
【0033】
更に、サーミスタ501には、電極リード507が取付けられており、検出温度は電極リード507を介して出力される。
【0034】
一方、赤外線IRを検出する赤外線検出素子502は、相対温度を検出するように調整されている。
【0035】
本実施形態に係る耳式体温計100では、赤外線検出素子502として、熱電対型(サーモパイル型)の検出素子を用いている。このため、図5に示すように、取付け基部材503の台座503b上に固定されるウエハ担体502c上には、花弁状に形成された温接点502aと、冷接点502bとが形成される。
【0036】
各温接点502aと冷接点502bとは異種金属から形成され、かつ直列に接続されており、取付け基部材503に対して絶縁状態で固定された電極リード508に向かってリード線が接続されている。なお、温接点502aで囲まれる範囲Hは、赤外線を吸収しやすくするために黒色塗装されている。
【0037】
このような構成のもと、赤外線検出素子502では、各接点間において発生した起電力に基づいて、相対温度の検出を行う。
【0038】
そして、耳式体温計100では、被検者の体温を、温度検出素子により検出された検出温度に、赤外線検出素子により検出された検出温度を加えることで算出する。なお、この算出処理の詳細については、例えば特開平11−123179号公報に詳しく記載されているので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0039】
更に、検出素子収納体は、2つの検出素子を囲い込むように形成された筒状の容器部材505を備え、容器部材505は、外周面505aと、孔504を有する天井面とから構成される。
【0040】
容器部材505も取付け基部材503と同様にアルミ材、ステンレス材等の良熱伝導体から形成されており、外気温度がサーミスタ501に伝達されやすい構成となっている。また、孔504には赤外線を透過させるセラミック素材からなる窓部材506が固定されている。
【0041】
なお、図5に示す検出素子収納体の場合、取付け基部材503にはその縁部から半径方向に向かって外側鍔部503aが延設されており、これにより検出素子収納体は、プローブ部101の内壁に保持されることとなる。
【0042】
6.耳式体温計100の機能構成
次に耳式体温計100の機能構成について図6を用いて説明する。図6は、耳式体温計100の機能構成を示すブロック図である。なお、図6に示す構成または部品のうち、既に説明済みの構成または部品については同様の参照番号を附すこととし、ここでは詳細な説明は省略する。
【0043】
図6に示すように、プローブ部101の検出素子収納体に内蔵されたサーミスタ501は、電極リード507を介して実装基板上の増幅部605に接続されている。また、赤外線IRを検出する赤外線検出素子502は、電極リード508を介して実装基板上の増幅部606に接続される。
【0044】
実装基板上に配された制御部601には、CPU602と記憶素子であるRAM603及びROM604とが配されており、サーミスタ501により検出された検出温度と、赤外線検出素子502により検出された検出温度とに基づいて、被検者の体温の算出を行う。
【0045】
また、制御部601には、LED素子205と、表示部201と、スピーカ204と、電源スイッチ202と、測定開始スイッチ203とがそれぞれ接続されている。
【0046】
表示部201は、制御部601において算出された被検者の体温を表示する。また、測定開始スイッチ203が押圧操作された場合には、測定モードに移行したことを示す絵文字等のキャラクタを表示する。
【0047】
LED素子205は、測定開始スイッチ203が押圧操作されると緑色に点灯し、被検者の体温の測定が完了すると、赤色に点灯する。スピーカ204は、測定開始スイッチ203が押圧操作された場合や、被検者の体温の測定が完了した場合に、音声を出力する。
【0048】
なお、制御部601は、電源スイッチ202が押圧操作されることにより、ボタン電池608(電源部)からの電力供給を受けて動作するよう構成されているものとする。
【0049】
7.体温測定処理の流れ
次に耳式体温計100における体温測定処理の流れについて説明する。図7は、耳式体温計100における体温測定処理の流れを示すフローチャートである。
【0050】
電源スイッチ202が押圧操作されると、体温測定処理が開始され、ステップS701では、測定開始スイッチ203が押圧操作されたか否かを判定する。ステップS701において、測定開始スイッチ203が押圧操作されたと判定された場合には、ステップS702に進む。
【0051】
ステップS702では、サーミスタ501及び赤外線検出素子502において検出された検出温度を取得する。
【0052】
ステップS703では、ステップS702において取得された検出温度に基づいて、制御部601が被検者の体温を算出する。また、算出した被検者の体温を表示部201に表示する。
【0053】
ステップS704では、制御部601において被検者の体温を算出する処理が完了したことを報知するために、LED素子205を赤色に点灯させる。また、スピーカ204より音声を出力し、体温測定処理を終了する。
【0054】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る耳式体温計100では、装着部(102及び104)及び装着帯106、107を配し、測定者の指に装着できる構成とするとともに、装着時に測定者の指が接触する面111、112に指固定壁(規定部材)を設け、装着時の測定者の指の位置を規定する構成としたことで、耳式体温計100の測定者の指への安定装着を実現した結果、測定者が、被検者の体温測定に際して、両手を使うことができるようになった。
【0055】
また、耳式体温計100を装着した場合であっても、測定者が指の第2関節を自由に折り曲げることができるよう固定部104の長さを規制したことにより、プローブ部101の耳腔内への挿入に際して、プローブ部101の先端の位置を微調整できるようになった。
【0056】
更に、耳式体温計100を装着した際に、測定者の指の腹が、プローブ支持部102の面111上の、プローブ部101の支持位置と対向する位置で、面111に接触するように構成したことで、プローブ部101の先端が耳壁に接触する感覚を、測定者が指先で敏感に感じ取ることができるようになった。
【0057】
この結果、耳式体温計において、被検者の耳腔内にプローブ部を的確かつ容易に挿入することが可能となった。
【0058】
なお、上記説明では、プローブ部101がプローブ支持部102に対して略直交する方向に突出するものとしていたが、本発明はこれに限定されず、プローブ支持部102に対して斜めに突出するように構成してもよい。
【0059】
また、上記説明では、プローブ支持部102の面111及び固定部104の面112は平面としたが、本発明はこれに限定されず、中央がくぼんだ曲面により形成してもよい。この場合、指の形状に一致することとなり、耳式体温計100装着時の安定性がより向上することとなる。
【0060】
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、装着部(102及び104)及び装着帯106、108を用いて耳式体温計100を測定者の指に装着する構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、指サック式の装着部により装着する構成としてもよい。また、上記第1の実施形態では、耳式体温計100を装着した際に、プローブ支持部102と固定部104とが同じ側(つまり、プローブ部101と固定部104とが同じ側)にくるように配置したが、本発明はこれに限定されず、例えば、プローブ部と固定部とは、異なる側に配置するようにしてもよい。以下、指サック式の装着部を有し、装着時にプローブ部と固定部とが反対側に位置する配置とした耳式体温計について説明する。
【0061】
1.耳式体温計の外観構成
はじめに、本発明の第2の実施形態に係る耳式体温計800の外観構成について説明する。図8は、本発明の第2の実施形態に係る耳式体温計800の外観構成を示す図である。
【0062】
図8において、801はプローブ部であり、耳腔内の温度測定部位(好ましくは鼓膜及び/又はその周辺)から放射される赤外線を検出するために耳腔内(外耳道)に挿入される。プローブ部801は、耳腔内への挿入が可能となるよう、先端の外径寸法が約7mmの筒状形状となっている。
【0063】
802はプローブ支持/指固定部であり、測定者の指が挿入され、耳式体温計800が測定者の指に固定されるよう、有底の中空筒状体により構成されている。
【0064】
803は耳式体温計800全体を制御する本体部であり、プローブ支持/指固定部802上であって、プローブ部801が支持されている支持位置に対して対向する位置に配されている。なお、本体部803には、Z軸方向(プラス方向、プローブ部801の突出方向と反対方向)に向けて表示部821が設けられており、測定された被検者の体温を表示する。また、本体部803には、電源スイッチ822が設けられており、押圧操作により耳式体温計800の電源のON/OFFを制御することができる。
【0065】
更に、本体部803には、測定開始スイッチ823が設けられており、電源がONとなった状態で押圧操作されることで、測定の開始を指示することができる。なお、824はスピーカであり、測定開始スイッチ823が押圧操作された場合や、体温測定が終了した場合等に、音声を出力する。また、825はLED素子であり、耳式体温計800の内部状態に対応して点灯が制御される。
【0066】
2.耳式体温計800の正面及び側面の構成
次に、耳式体温計800の正面及び側面の構成について説明する。図9(a)は、耳式体温計800の正面図であり、図9(b)は、耳式体温計800の側面図である。
【0067】
図9(a)、(b)に示すように、プローブ支持/指固定部802は、全体として測定者の指の形状に則した形状を有しており(中空筒形状であって、先端部に近づくにつれ、細くなる形状を有しており)、これにより、測定者は、体温測定時に、耳式体温計800を安定して保持することができる(つまり、プローブ支持/指固定部802の内壁は、挿入された指を把持することで、耳式体温計800を測定者の指に装着するための装着機能を実現している)。
【0068】
プローブ支持/指固定部802は、その先端部901まで測定者の指が挿入された状態において、測定者の指の腹がくる位置において、プローブ部801を支持している。つまり、プローブ支持/指固定部802の先端部901からプローブ部801の支持位置までの長さは、測定者の指の先端から第1関節までの長さの概ね半分程度となっている。
【0069】
これにより、プローブ部801の先端を被検者の耳腔内に挿入した際に、プローブ部801の先端が耳壁に接触する感覚を、測定者は指先で敏感に感じ取ることが可能となる。
【0070】
また、プローブ支持/指固定部802の先端部901から後端部902までの長さは、測定者の指の先端から第2関節までの長さよりも短くなるように構成されている。これにより、測定者は第2関節で指を折り曲げる動作を自由に行うことができ、耳式体温計800を被検者の耳腔内に挿入した際に、指先で微小角度の調整を行うことができるようになる。つまり、プローブ部の先端の位置合わせを高精度に行うことが可能となる。
【0071】
なお、図9(a)、(b)に示すように、本体部803は、プローブ支持/指固定部802の後端部902から突き出るようにして配置されているが、本体部803は、プローブ部801の支持位置とは反対側に位置しているため(つまり、挿入された測定者の指が折れ曲がる方向とは反対側に位置しているため)、指先の動作と干渉することはない。
【0072】
3.耳式体温計800の装着状態
次に測定者が耳式体温計800を装着した状態を図10を参照しながら説明する。図10に示すように、測定者の指の先端部がプローブ支持/指固定部802に挿入されることで、耳式体温計800は測定者の指に安定して装着されることとなる。
【0073】
上述したように、耳式体温計800が測定者の指に装着された状態では、測定者は指の第2関節を自由に折り曲げることができ、これにより、被検者の耳腔内へのプローブ部801の挿入に際して、測定者はプローブ部801の先端の位置を微調整することができる。
【0074】
また、測定者の指の腹が、プローブ支持/指固定部802内の内壁であって、プローブ部801の支持位置に対応する位置において接触するため、測定者は、プローブ部801の先端が耳壁に接触する感覚を、指先で敏感に感じ取ることが可能となる。
【0075】
なお、図10に示すように、耳式体温計800は、測定者のいずれかの指(通常は、人差し指)に安定して固定されるため、測定者は、被検者の体温測定に際して、耳式体温計800が装着された指以外の指を自由に使うことができる。
【0076】
4.耳式体温計800による体温測定
次に測定者が耳式体温計800を装着して、被検者の体温測定を行う様子を図11を参照しながら説明する。図11に示すように、耳式体温計800を測定者の右手の人差し指に装着した場合、右手人差し指以外の指は自由に使うことができる。このため、測定者は、被検者の顔を両手(左手のすべての指と、右手の人差し指以外の指と)で、押えることができる。
【0077】
このように、本実施形態に係る耳式体温計800によれば、測定に際して、被検者を両手で押えることができるため、安定した状態(被検者が静止した状態)での体温測定が可能となり、測定誤差の発生を低減させることが可能となる。
【0078】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る耳式体温計800では、プローブ支持/指固定部802を配し、測定者の指に安定して装着できる構成としたことで、測定者が被検者の体温測定に際して、両手を使うことができるようになった。
【0079】
また、耳式体温計800を装着した場合であっても、測定者が指の第2関節を自由に折り曲げることができるようプローブ支持/指固定部802の長さを規制したことにより、プローブ部801の耳腔内への挿入に際して、プローブ部801の先端の位置の微調整ができるようになった。
【0080】
更に、耳式体温計800を装着した際に、測定者の指の腹が、プローブ支持/指固定部802内において、プローブ部101の支持位置に対応する位置に接触する構成としたことにより、プローブ部801の先端が耳壁に接触する感覚を、測定者は指先で敏感に感じ取ることができるようになった。
【0081】
この結果、耳式体温計において、被検者の耳腔内にプローブ部を的確かつ容易に挿入することが可能となった。
【0082】
なお、上記説明では、プローブ部801がプローブ支持/指固定部802に対して略直交する方向に突出するものとしていたが、本発明はこれに限定されず、プローブ支持/指固定部802に対して斜めに突出するように構成してもよい。
【0083】
[第3の実施形態]
上記第1及び第2の実施形態では、測定開始スイッチ203(または823)を固定部104(または本体部803)の側面に配する構成とした。しかしながら、被検者が乳幼児等の場合、体温測定に際して、耳式体温計100または800が装着された指以外の指は、被検者を押えるために使用される。このため、プローブ部101(または801)を耳腔内に挿入した状態で、測定開始スイッチ203(または823)を押圧操作することは必ずしも容易ではない。
【0084】
そこで、本実施形態に係る耳式体温計(耳式体温計1200と称す)では、プローブ部が耳腔内に的確に挿入された場合に、これを検知し、自動的に測定を開始する構成とした。以下、本実施形態の詳細について説明する。
【0085】
1.耳式体温計1200のプローブ部の構成
はじめに耳式体温計1200のプローブ部1201の構成について説明する。図12は、本発明の第3の実施形態に係る耳式体温計1200のプローブ部1201の構成を示す図である。図12(a)に示すように、プローブ部1201の先端には、静電容量型センサ1202(接触の有無を検知する検知手段)が円周方向に4つ取り付けられている。これにより、耳式体温計1200では、プローブ部1201の先端が被検者に接触したことを検知することができる。
【0086】
図12(b−1)は、被検者の耳腔内にプローブ部1201が的確に挿入された状態を示している。図12(b−1)に示すように、プローブ部1201の先端において、円周方向に設けられた4つの静電容量型センサ1202により、耳穴を形成する側壁の前面部分に接触したことが検知されると、耳式体温計1200では、被検者の耳腔内にプローブ部1201が的確に挿入されたと認識する。
【0087】
一方、図12(b−2)は、被検者の耳腔内にプローブ部1201が的確に挿入されなかった状態を示している。図12(b−2)に示すように、プローブ部1201の先端において、円周方向に設けられた4つの静電容量型センサ1202のうちのいずれか1つ以上の静電容量型センサ1202により、耳穴を形成する側壁の前面部分に接触しなかったことが検知されると、耳式体温計1200では、被検者の耳腔内にプローブ部1201が的確に挿入されなかったと認識する。
【0088】
2.耳式体温計1200の機能構成
次に耳式体温計1200の機能構成について図13を用いて説明する。図13は、耳式体温計1200の機能構成を示すブロック図である。なお、図6において説明した機能構成と重複するブロックについては共通の参照番号を付すことで説明を省略し、ここでは、図6との相違点を中心に説明する。
【0089】
本実施形態に係る耳式体温計1200では、測定開始スイッチ203を配する代わりに、静電容量型センサ1202がプローブ部1201に配されており、配線1301を介して増幅部1302に接続されている。これにより、静電容量型センサ1202の検出結果が、制御部601に送信されることとなり、制御部601では、被検者の耳腔内にプローブ部1201が的確に挿入されたか否かを認識することができる。
【0090】
3.体温測定処理の流れ
次に耳式体温計1200における体温測定処理の流れについて説明する。図14は、耳式体温計1200における体温測定処理の流れを示すフローチャートである。なお、図7において説明した工程と重複する工程については共通の参照番号を付すことで説明を省略し、ここでは、図7との相違点を中心に説明する。
【0091】
電源スイッチ202が押圧操作され、体温測定処理が開始されると、本実施形態に係る耳式体温計1200では、ステップS1401において、静電容量型センサ1202の出力がすべてONであるか否かを判定する。ステップS1401において、静電容量型センサ1202の出力がすべてONであると判定された場合には、ステップS1402に進み、適切な測定状態にあることを報知する。具体的には、表示部201では、測定モードであることを示す絵文字を表示する。また、LED素子205を緑色に点灯する。その後、ステップS702〜S704の処理を実行する。
【0092】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る耳式体温計1200では、測定開始スイッチを配する代わりに、プローブ部1201の先端に静電容量型センサ1202を配し、プローブ部1201が耳腔内に的確に挿入されたか否かを検知可能な構成とした。
【0093】
また、静電容量型センサ1202による検知の結果、プローブ部1201が耳腔内に的確に挿入されたと認識した場合には、自動的に測定を開始させる構成とした。
【0094】
この結果、体温測定時に、耳腔内にプローブ部1201を挿入した状態で、測定者が測定開始スイッチを押圧操作する必要がなくなった。
【0095】
つまり、プローブ部1201の先端を耳腔内に挿入し、体温測定を行う際の、測定者の手による操作手順を簡略化させることが可能となった。
【0096】
[第4の実施形態]
上記第3の実施形態では、測定開始スイッチ203(または823)を固定部104(または本体部803)の側面に配する代わりに、プローブ部1201の先端に静電容量型センサ1202を配する構成としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、所定の音声を認識する音声認識部及びマイクロフォンを配し、所定の音声が入力された場合に、これを検知し、自動的に測定を開始させる構成としてもよい。音声認識部及びマイクロフォンを配した場合においても同様に、体温測定を行う際の、測定者の手による操作手順を簡略化させることが可能になるという利点を享受することができるからである。以下、本実施形態の耳式体温計(耳式体温計1500と称す)の詳細について説明する。
【0097】
1.耳式体温計1500の機能構成
はじめに耳式体温計1500の機能構成について図15を用いて説明する。図15は、耳式体温計1500の機能構成を示すブロック図である。なお、図6において説明した機能構成と重複するブロックについては共通の参照番号を付すことで説明を省略し、ここでは、図6との相違点を中心に説明する。
【0098】
本実施形態に係る耳式体温計1500では、測定開始スイッチ203を配する代わりに、音声認識部1501及びマイクロフォン1502が配されており、これにより測定者が発声した特定の音声を認識する。音声認識部1501では、特定の音声を認識すると、認識した旨を制御部601に送信する。
【0099】
2.体温測定処理の流れ
次に耳式体温計1500における体温測定処理の流れについて説明する。図16は、耳式体温計1500における体温測定処理の流れを示すフローチャートである。なお、図7において説明した工程と重複する工程については共通の参照番号を付すことで説明を省略し、ここでは、図7との相違点を中心に説明する。
【0100】
電源スイッチ202が押圧操作され、体温測定処理が開始されると、本実施形態に係る耳式体温計1500では、ステップS1601において、特定の音声が認識されたか否かを判定する。ステップS1601において、特定の音声が認識されたと判定された場合には、ステップS702に進む。その後、ステップS702〜S704の処理を実行する。
【0101】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る耳式体温計1500では、測定開始スイッチを配する代わりに、音声認識部及びマイクロフォンを配し、測定者による特定の発声を認識する構成とした。
【0102】
これにより、体温測定時に、耳腔内にプローブ部を挿入した状態で、測定者が測定開始スイッチを押圧操作する必要がなくなり、特定の発声を行うだけで、自動的に体温測定を開始させることが可能となった。
【0103】
つまり、プローブ部の先端を耳腔内に挿入し、体温測定を行う際の、測定者の手による操作手順を簡略化させることが可能となった。
【0104】
[第5の実施形態]
上記第3の実施形態では、測定開始スイッチを配する代わりに、静電容量型センサを配し、上記第4の実施形態では、測定開始スイッチを配する代わりに、音声認識部及びマイクロフォンを配する構成としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、静電容量型センサと音声認識部及びマイクロフォンとを両方配する構成としてもよい。
【0105】
この場合、静電容量型センサの検出結果に基づいて、プローブ部1201の耳腔内への挿入が的確に行われたことを耳式体温計が認識すると、耳式体温計ではこれを報知し(例えば、LED素子の点灯状態を変更し、あるいは、スピーカから所定の音声を出力し)、測定者が当該報知に応じて、特定の発声を行った場合に、体温測定を自動的に開始する。
【0106】
このような構成とすることで、測定者は、プローブ部1201の耳腔内への挿入が的確に行われたことを認識したうえで、体温測定の開始を指示することが可能となる。
【符号の説明】
【0107】
100・・・第1の実施形態に係る耳式体温計、101・・・プローブ部、102・・・プローブ支持部、103・・・指固定壁、104・・・固定部、105・・・指固定壁、106・・・装着帯、107・・・装着リング、108・・・装着帯、111・・・面、112・・・面、201・・・表示部、202・・・電源スイッチ、203・・・測定開始スイッチ、204・・・スピーカ、205・・・LED素子、211・・・面、501・・・サーミスタ、502・・・赤外線検出素子、502a・・・温接点、502b・・・冷接点、502c・・・ウエハ担体、503・・・基部材、503a・・・外側鍔部、503b・・・台座、504・・・孔、505・・・容器部材、505a・・・外周面、506・・・窓部材、507・・・電極リード、508・・・電極リード、800・・・第2の実施形態に係る耳式体温計、801・・・プローブ部、802・・・プローブ支持/指固定部、803・・・本体部、821・・・表示部、822・・・電源スイッチ、823・・・測定開始スイッチ、824・・・スピーカ、825・・・LED素子、901・・・先端部、902・・・後端部、1200・・・第3の実施形態に係る耳式体温計、1201・・・プローブ部、1202・・・静電容量型センサ、1500・・・第4の実施形態に係る耳式体温計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
環境温度を検出する温度検出素子と、被検者の耳腔内の温度測定部位から放射される赤外線を検出することで該温度測定部位の相対温度を検出する赤外線検出素子とを備え、該温度検出素子により検出された環境温度と該赤外線検出素子により検出された相対温度とを用いて、被検者の体温を測定する耳式体温計であって、
中空の筒状体によって形成され、前記耳腔内に挿入されるプローブと、
測定者の指に装着するための装着機能を有し、該装着機能を用いて該測定者の指に装着した場合に、前記プローブの支持位置が、該測定者の手指末節部の手掌面に対向する位置となるように、前記プローブを支持する装着部と
を備えることを特徴とする耳式体温計。
【請求項2】
前記装着部は、前記測定者の指に装着された場合に、該測定者の指の先端から該測定者の第2関節までの間におさまるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の耳式体温計。
【請求項3】
前記装着部は、測定した前記被検者の体温を表示する表示部を更に備え、該表示部は、前記装着部上であって、前記プローブの支持位置と同じ側の面を形成する第1の面上に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の耳式体温計。
【請求項4】
前記装着機能は、前記装着部の側面を形成する第2の面上から延設された装着帯であって、前記第1の面に対向する第3の面上に、前記測定者の指が載置された場合に、該指の外周面に対して周方向に巻くことで、該指を該第3の面上に固定する装着帯により実現されることを特徴とする請求項3に記載の耳式体温計。
【請求項5】
前記第3の面上には、前記測定者の指が載置された場合に、該指の先端部の位置を規定する規定部材が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の耳式体温計。
【請求項6】
前記装着部は、前記測定者の指が挿入される中空の筒状体により形成されており、前記装着機能は、該挿入された指を把持する該中空の筒状体の内壁により実現されることを特徴とする請求項2に記載の耳式体温計。
【請求項7】
測定した前記被検者の体温を表示する表示部を更に備え、該表示部は、前記装着部上であって、前記プローブの支持位置に対向する位置において、前記プローブの突出方向と反対方向に向かって配置されていることを特徴とする請求項6に記載の耳式体温計。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2012−70919(P2012−70919A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−217718(P2010−217718)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】