説明

肌着類

【課 題】保湿及び美肌効果を発揮するマイクロカプセル微粒子が、肌着類の肌に接触する面に耐洗濯性を有するように固着されてなる肌着類の提供。
【解決手段】マイクロカプセル微粒子が表面に固着した肌着類であって、マイクロカプセルは滲出成分を有する微粒子よりなり、かつ該微粒子内からの該滲出成分の滲出によって肌表面の皮膚常在菌を選択的に育成することによって保湿及び美肌効果を発揮せしめる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保湿及び美肌効果を発揮するマイクロカプセル微粒子が、肌着類の肌に接触する面に耐洗濯性を有するように固着されてなる肌着類に関する。
また、本発明は、糖アルコール及び有機酸が滲出するように含有されている、肌着類の肌に接触する面に固着されたマイクロカプセル微粒子の滲出成分によって、肌に存在する皮膚常在菌を選択的に育成するようにして肌の保湿及び美肌効果を改善する肌着類に関する。
更に詳しくは、本発明は、肌着に固着した該微粒子の滲出成分により、肌の表面をpH4.5〜6.0に保ち、糖アルコールを肌に供給して、肌に存在する皮膚常在菌のうち、特に表皮ブドウ球菌を選択的に育成して、肌の保湿及び美肌効果が改善された肌着類に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビタミンC、ビタミンE、海藻エキス等のスキンケア剤を繊維製品に固着してスキンケア効果を有する肌着が発表されたが、機能性成分の安定性や耐洗濯性に問題があった。問題の改善策としてサイクロデキストリンに機能性成分を包接して痩身効果のある繊維材料(特開2004−027372号公報)、スクワランをサイクロデキストリンに包接したスキンケア衣類(特開平06−322670号公報)があるが、サイクロデキストリンの包接により固定の安定性は改善されたが、繰り返し洗濯に対する耐洗濯性が改善されていない。アスコルビン酸類やトコフェロール類等をホルマリン系樹脂を主成分とするマイクロカプセルに含有させて下着類に付着することも知られている(特許第2562233号)が、マイクロカプセルはセルに透過性を有する成分でなければセルを破壊しない限り中身成分が機能しない欠点があり、実用面で問題がある。また、衛生加工肌着として肌着に有効成分を固着する技術(特開2004−308063号)があるが、同様に従来の欠点があった。
【0003】
糖アルコールを用いて皮膚常在菌を選択的に育菌・抗菌する皮膚外用剤の開発も知られている。たとえば、特開2000−302674号公報によれば、ファルネソールとキシリトールの配合物は、皮膚常在菌に選択的な抗菌効果を有するので皮膚疾患の治療と予防の皮膚外用剤として用いる抗菌剤として有効としており、特開2000−302673号公報では、ファルネソール及び/又はキシリトールを配合した皮膚外用剤は、選択的に皮膚常在菌に抗菌効果を発揮して、アトピー性皮膚炎の治療に有効とされている。さらに、特開2002−302404号公報では、細菌は分泌物等により覆われてバイオフィルムを形成しているので、このバイオフィルムがバリヤーとなって抗菌剤が作用し難い状態にある。その糖アルコールは、バイオフィルムを減少又は除去するので、抗菌効果を得る抗菌助剤として有効とするものであるが、上述するような問題点を解決できなかった。
【0004】
【特許文献1】特開2004−027372号公報
【特許文献2】特開平06−322670号公報
【特許文献3】特許第2562233号公報
【特許文献4】特開2004−308063号公報
【特許文献5】特開2000−302674号公報
【特許文献6】特開2000−302673号公報
【特許文献7】特開2002−302404号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本来、皮膚は、皮膚常在菌の存在により分泌される成分の作用により、自然に肌の潤いと美肌効果が維持できる仕組みになっている。しかしながら、たとえば肌の露出により肌を冷したり、紫外線に曝したりしたときには、有益な皮膚常在菌を減少させることとなり、乾燥肌、荒れ肌、アトピー肌等を招き易くなる。
そこで、本発明では、従来の抗菌作用を活用する考えとは、逆の発想に基づき、善玉菌を育成して美容に活用する方法に着目した。すなわち、皮膚常在菌を選択的に育成して皮膚の美容に活用する発想として、糖アルコールにより、皮膚常在菌で有害な黄色ブドウ球菌(いわゆる、悪玉菌)を抗菌すると同時に、表皮ブドウ球菌(いわゆる、善玉菌)を選択的に育成することとした。具体的には、善玉菌を育成することにより、該善玉菌より分泌されるタンパク質分解酵素が肌において豊富になり、角層剥離が活発化して皮膚が(1)リニューアルされる保湿及び美肌効果を改善することができる。
なお、「角層剥離」とは、角質細胞同士を接着している“デスモソーム”というペプチドを酵素で分解して角質を剥離して、いわゆる“垢”となって肌より脱落し、一方、該分解によって(2)アミノ酸が産生し、このアミノ酸が自然保湿因子として機能して肌の潤いが得られるという保湿及び美肌効果を発揮する。
【0006】
そこで、本発明では、上述するように皮膚に存在する常在菌の中で表皮ブドウ球菌のような善玉菌のみを選択的に育成して、有害な病原性の悪玉菌を消滅させるには、pH4.5〜6.0の環境で糖アルコールを供給し、さらに糖アルコール及び酸成分の供給を繰り返し、洗濯性の優れた肌着類の具現化することを本発明の課題とする。
この課題の解決には、糖アルコール自体、水溶性であって、サイクロデキストリンによる包接では、耐洗濯性の持久効果を得ることが困難であるので、糖アルコールと有機酸を含有する滲出性のマイクロカプセルを作成することが必要で、育菌・抗菌効果のある耐洗濯性を有する肌着として実現することで、肌着の着用で着用者の意識なしに、美肌となる肌着類を提供することが可能となった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の構成を基本とすることで上記課題を解決した。
(1)マイクロカプセル微粒子が表面に固着した肌着類であって、マイクロカプセルは滲出成分を有する微粒子よりなり、かつ該微粒子内からの該滲出成分の滲出によって肌表面の皮膚常在菌を選択的に育成することを特徴とする肌着類。
(2)微粒子が、平均径3〜8μmの大きさであることを特徴とする(1)の肌着類。
(3)微粒子のシース成分が、ポリアクリル系樹脂又はポリウレタン系樹脂であることを特徴とする(1)又は(2)の肌着類。
(4)微粒子の滲出成分が、糖アルコール及び有機酸を配合した油性成分からなることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の肌着類。
(5)糖アルコールが、オリゴサッカライド、キシリトール、又はファルネソールより選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の肌着類。
(6)油性成分が、オリーブ油、ホホバ油、スクワラン、スクワレン、流動パラフィン、パラフィン又はワックスより選ばれた1種又は2種以上の成分であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の肌着類。
(7)肌着、下着、ボトム、ズボン下、寝巻き、靴下、ソックス、パンスト、Tシャツ、ランジェリー、ブラウス、ブラジャー又はスポーツウェアより選ばれた肌に直接接触する衣類であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の肌着類。
【0008】
本発明の糖アルコール及び有機酸が滲出するように含有されてなるマイクロカプセルは、水中油滴による合成樹脂モノマー又はプレポリマーの懸濁重合により得ることができる。粒子の大きさが10μm以上は、肌着類の染色がパステル調に変色するので好ましくない。好ましくは8μm以下がよい。3μm以下は、該マイクロカプセル粒子の製造が困難である。合成樹脂成分としては、ポリアクリル系、又はポリウレタン系のモノマー又はプレポリマーを水中油滴による懸濁重合により微粒子化する。具体的には、本発明者の出願にかかる特許第3610301号を改良し、水溶性の糖アルコール及び有機酸を含有する滲出性のマイクロカプセル微粒子を得ることが可能となる。すなわち、特許第3610301号では、懸濁重合により滲出性のマイクロカプセル微粒子の製造について、成分が滲出し難い場合には滲出補助剤として低分子ポリエチレン、パラフィン、トリグリセライドより選ばれたものを配合し、成分が滲出し過ぎる場合には滲出抑制剤としてシリカ粉末等に成分を含浸したものを配合する技術であるが、本発明では、含有させる有効成分が水溶性の糖アルコールであり、水中油滴による乳化・懸濁重合工程で有効成分が水系に溶出して乳化が困難である。乳化時を高温度にして液状に保って乳化し、懸濁重合時の低温度では乳化成分を固化して溶出を防止することを考えて、ワックス又はパラフィンの融点を利用した配合で水系溶出を改良した。
【0009】
また、本発明における糖アルコールは、オリゴサッカライド、キシリトール又はファルネソールより選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。有機酸は、クエン酸、リンゴ酸又は酒石酸より選ばれたものを用いる。糖アルコール及び有機酸を水中油滴の油性成分に配合するために、オリーブ油、ホホバ油、スクワラン、スクワレン、流動パラフィン又はパラフィンより選ばれた油性成分を担体として用いる。
【0010】
本発明では、マイクロカプセル微粒子に上記糖アルコールと有機酸を含有する成分を5〜50重量%含有させて用いることを特徴とするものである。50重量%以上を含有する10μm以下の微細マイクロカプセルを水中油滴重合で得ることは難しい。5重量%以下の含有では滲出成分が乏しく、好ましくない。肌着類に該微粒子を付与するには、浸漬法、塗布法、噴霧法又はプリント法があるが、これらの方法に特定するものではない。肌着類の全面に付与してもよいが、ソックスのかかと部のように部分的に付与してもよい。糖アルコールと有機酸を含有させる油性成分としては、スクワランは油性感がなく感触がよいので、好ましいが、マイクロカプセル微粒子の滲出性を高めるには、さらに流動パラフィンやパラフィン、ワックスを添加して高温で乳化して冷却し、懸濁重合をすることが効果的である。
【0011】
マイクロカプセル微粒子を肌着に固着するには、ポリウレタン系、エポキシ系、アクリル系等のバインダー液に配合して、処理液に浸漬して絞液・乾燥により固着させる。他に、塗布法、噴霧法、又はプリント法があり、固着の方法を特定するものではない。肌着類の全面に固着してもよいが、ソックスのかかと部のように部分的に固着してもよい。
本発明の処理の対象となる肌着類としては、肌着、下着、ボトム、ズボン下、寝巻き、靴下、ソックス、パンスト、Tシャツ、ランジェリー、ブラウス、ブラジャー、又はスポーツウェア等の肌に直接接触する衣類が挙げられる。
【発明の効果】
【0012】
本発明で得られる肌着類を着用すると、マイクロカプセルの滲出成分により表皮ブドウ球菌を選択的に育成する結果、該菌が分泌するタンパク質分解酵素が豊富になり、該酵素により角質剥離が促進されて皮膚のリニューアルにより優れた保湿及び美肌効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の肌着により、皮膚常在菌の選択的な育成は、肌着に固着したマイクロカプセルより滲出する成分により、接触する肌表面のpHを4.5〜6.0に保って、糖アルコールに滲出により、善玉菌の表皮ブドウ球菌の育成に適する環境を提供することにある。この環境では、悪玉菌の黄色ブドウ球菌に抗菌の環境となる。pH6以上になると、悪玉菌の育成に適する環境となり、好ましくない。
【0014】
本発明では、本発明で得られた肌着類の着用により肌の保湿及び美肌効果をもたらすメカニズムは次のように考えられる。
すなわち、肌着類を着用すると、肌着類に固着したマイクロカプセルの滲出成分により表皮ブドウ球菌を選択的に育成する結果、該菌が分泌するタンパク質分解酵素が豊富になり、該酵素により角質剥離が促進されて皮膚のリニューアルにより保湿及び美肌効果が得られる。角質剥離とは、角質細胞同士を接着しているフィラグリンなるペプチドの分解によるもので、この分解によりアミノ酸が産生され、このアミノ酸が自然保湿因子として機能して皮膚の潤いが得られることにより保湿及び美肌効果が得られる。
【0015】
本発明では、糖アルコールを善玉菌の育成に機能させ、悪玉菌には抗菌として機能させ、善玉菌の分泌物の増加により、自然の摂理を利用して肌の保湿及び美肌効果をもたらすのである。マイクロカプセル表面の滲出成分は、肌着の洗濯によって一時的には除去されるが、その後2〜3日経過すれば、成分が滲出するので、繰り返し洗濯に対して一時的に微粒子表面が洗浄されても、滲出効果により効果が継続するのである。このような効果は一般のマイクロカプセルでは得られない。
【0016】
以下に本発明の肌着類について、実施例に基づいて具体的に説明する。
【0017】
〔実施例1〜5〕
(A)メタクリル酸メチル/(B)エチレングリコールジメタクリルレート/(C)スクワラン/(D)ワックス/(E)糖アルコール/(F)クエン酸=(A)50/(B)6/(C)25/(D)5/(E)A/(F)1、重量部からなるポリマー混合物300gを、懸濁安定剤液としてクラレ(株)ポバール220の2.0%水溶液600gに250rpmで撹拌しながら30℃で投入し、重合開始剤であるアゾ化合物系開始剤として、日本ヒドラジン(株)のABN-V0.6gを加えて、30℃で10分撹拌した後に、55℃で2時間反応させた。
反応は、窒素ガス中で行った。その後、次亜塩素酸ナトリウム5gを加えて30分撹拌し、ポバール220を分解して室温に冷却した。次いで、反応物を固液分離して、水で十分に洗浄した後に、70℃で12時間乾燥して、平均粒子径7μmのポリアクリル酸系樹脂粒子に糖アルコールの配合Aを表1に示されるような滲出性マイクロカプセルを得た。
【0018】
〔実施例6〜10〕
(A)イソシアネートプレポリマー/(B)スクワレン/(C)パラフィン/(D)糖アルコール/(E)クエン酸=(A)60/(B)20/(C)5/(D)B/(E)1、重量部からなる混合物300gを、懸濁安定剤液としてクラレ(株)ポバール220の2.0%水溶液600gに350rpmで撹拌しながら30℃で投入し、60℃で2時間反応させた。その後、次亜塩素酸ナトリウム5gを加えて30分撹拌し、ポバール220を分解して、100℃でトルエン分留した。次いで、反応物を固液分離して、水で充分に洗浄した後に、70℃で、12時間乾燥して、平均粒子径6μmのポリウレタン系樹脂粒子に糖アルコールの配合Bを表2に示す滲出性のマイクロカプセルを得た。
【0019】
スーパーフレックスE-2000(第一工業製薬株式会社製品、ポリウレタン系接着剤、固形分50重量%乳化液)に水を加えて固形分10重量%に希釈した1Lに、実施例によるマイクロカプセルを100g混合して撹拌した。該混合液に肌着用綿メリヤスを浸漬してマングルで絞液し、液の付与率を基の生地重量に対して90重量%付与して、95℃で30分乾燥した。加工した肌着の生地を、洗濯に対する染色堅牢度試験法JISL0844に基づき、B法合成洗剤1号により40℃で30分の洗濯を行って乾燥した。
【0020】
【表1】

【0021】
【表2】

【0022】
ポリアクリル系マイクロカプセルを、ポリウレタン系接着剤により実施例の如く綿メリヤスに固着して、赤外線分析器によりキシリトールの吸収3360.1110.1090.1063.1010. cm-1を測定して、滲出性及びその耐洗濯性を表3、表4に示した。繰り返し洗濯を行い、その中で1回目と5回目と10回目について洗濯前と洗濯後の、赤外線分析器によるキシリトールの確認結果を表3、表4に示した。洗濯を行って測定して3日間放置して4日目に洗濯を行い、キシリトールの測定はその洗濯の前と後について実施したので、1回目の洗濯から数えて5回目の洗濯は、4日×4=16日目に行ったことになり、10回目の洗濯は4日×9=36日目に行ったことになる。30回目の洗濯には116日必要である。
【0023】
【表3】

【0024】
【表4】

【0025】
表3、表4に示すように、いずれも洗濯前には糖アルコールの存在が確認されたが、洗濯後には確認されなかった。このことは微粒子の表面に存在する糖アルコールは洗濯により洗浄除去されるが、3日間の放置で肌着表面に滲出することを意味する。また、このことは、洗濯により肌着表面の糖アルコールは洗濯により洗い流されるが、この洗濯を30回(116日後)繰り返しても、この滲出の効果が衰えないことを示している。
【0026】
実施例1〜10の処方による微粒子で処理した肌着用綿メリヤス([0019]に加工条件を記載した生地)を試料として、表皮ブドウ球菌を1×106個/cc、黄色ブドウ球菌1×10個/cc、の同量を配合してJIS1902繊維製品の抗菌試験方法に準じて菌数測定を行った。12時間培養による菌数の変化を表5に示した。
【0027】
【表5】

実施例1〜10はいずれも(1)表皮ブドウ球菌(善玉菌)は106から1011〜13に著しく増加しており、繰り返し洗濯を行ってもその効果を保持している。(2)黄色ブドウ球菌(悪玉菌)は106から102〜3に低減しており抗菌効果が現れている。102レベルでは菌は殆ど機能しないと云われている。
本発明は、肌に直接使用する化粧用具に安全・衛生を求める社会の強いニーズに対応する技術として期待される。比較例では、逆に(1)表皮ブドウ球菌(善玉菌)が低減して、(2)黄色ブドウ球菌(悪玉菌)が増加している。これでは衛生的に問題である。
【0028】
〔殺菌、保湿効果の確認〕
本発明による実施例では、表皮ブドウ球菌が著しく育成し、黄色ブドウ球菌が低減しているのに対して、比較例では逆に表皮ブドウ球菌が低減し、黄色ブドウ球菌が著しく増加している。
実施例5により加工した綿肌着を、1日着用して洗濯を行い3日放置して滲出期間を保って4日後に再度着用を行い、肌着4着を次々と着用して1ヶ月間の着用を20名に継続試験をした結果、肌に潤いが顕著に認められた人は90%に相当する18名であった。乾燥肌の10名は全員に保湿効果が得られた。角層剥離による美肌効果は80%の16名に認められた。このように肌着の着用に肌の保湿及び美肌効果のあることが確認された。肌にかゆみのあった6名については全員かゆみを感じなくなった。
上述するように、表5に示すように、実施例の工程によって得られた肌着の着用により、肌に潤いが顕著に認められた人が大半であり、特に乾燥肌の全員に保湿効果があることが確認できた。また、角層剥離による美肌効果も認められた。しかも、肌にかゆみのあった者についても、かゆみを感じなくなる効果があった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロカプセル微粒子が表面に固着した肌着類であって、該マイクロカプセルは滲出成分を有する微粒子よりなり、かつ該微粒子内からの該滲出成分の滲出によって肌表面の皮膚常在菌を選択的に育成することを特徴とする肌着類。
【請求項2】
微粒子が、平均径3〜8μmの大きさであることを特徴とする請求項1の肌着類。
【請求項3】
微粒子のシース成分が、ポリアクリル系樹脂又はポリウレタン系樹脂であることを特徴とする請求項1又は2の肌着類。
【請求項4】
微粒子の滲出成分が、糖アルコール及び有機酸を配合した油性成分からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の肌着類。
【請求項5】
糖アルコールが、オリゴサッカライド、キシリトール、又はファルネソールより選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の肌着類。
【請求項6】
油性成分が、オリーブ油、ホホバ油、スクワラン、スクワレン、流動パラフィン、パラフィン、又はワックスより選ばれた1種又は2種以上の成分であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の肌着類。
【請求項7】
肌着、下着、ボトム、ズボン下、寝巻き、靴下、ソックス、パンスト、Tシャツ、ランジェリー、ブラウス、ブラジャー又はスポーツウェアより選ばれた肌に直接接触する衣類であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の肌着類。

【公開番号】特開2006−291425(P2006−291425A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−117327(P2005−117327)
【出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(591254958)株式会社タイキ (35)
【出願人】(000001339)グンゼ株式会社 (919)
【Fターム(参考)】