育成システム
【課題】 藻類等の生物育成において、自動制御可能な生物育成システムを提供する。
【解決手段】 育成対象物の育成計画情報を生成する育成計画情報生成手段と、育成対象物を育成する育成手段と、前記育成手段を制御する育成手段制御手段と、前記育成対象物の育成状態情報を獲得する育成状態情報獲得手段と、前記育成計画情報および前記育成状態情報を比較して調整情報を生成する調整情報生成手段とを備え、前記調整情報生成手段から生成した調整情報に基づき、前記育成手段制御手段が、前記育成手段を制御することを特徴とする育成システム。
【解決手段】 育成対象物の育成計画情報を生成する育成計画情報生成手段と、育成対象物を育成する育成手段と、前記育成手段を制御する育成手段制御手段と、前記育成対象物の育成状態情報を獲得する育成状態情報獲得手段と、前記育成計画情報および前記育成状態情報を比較して調整情報を生成する調整情報生成手段とを備え、前記調整情報生成手段から生成した調整情報に基づき、前記育成手段制御手段が、前記育成手段を制御することを特徴とする育成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、育成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
石油等の化石燃料の枯渇等の資源問題および大気中の二酸化炭素の低減等の環境問題を解決する手段として、サトウキビおよびトウモロコシ等の植物を発酵させて製造するバイオエタノールが注目されている。しかしながら、サトウキビおよびトウモロコシ等のバイオエタノールの原料は、そもそも食糧として生産されるものであり、開発途上国の食糧問題とリンクして問題視されている。この問題を解決するために、海洋で藻類を培養し、培養した藻類をバイオエタノールの原料にすることが提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−11721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の藻類の培養は、培養容器、培養する藻類の種類、培養条件等のハード面での検討はあるが、システム的に省力化および効率化等を推進することに関しての検討は無かった。また、この問題は、藻類に限らず、生物全般の育成システムに関する問題でもり、さらに結晶成長等の無生物の成長等、成長の概念がある分野に共通の問題でもある。
【0005】
そこで、本発明は、藻類等の生物育成において、自動制御可能な生物育成システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の育成システムは、
育成対象物の育成計画情報を生成する育成計画情報生成手段と、
育成対象物を育成する育成手段と、
前記育成手段を制御する育成手段制御手段と、
前記育成対象物の育成状態情報を獲得する育成状態情報獲得手段と、
前記育成計画情報および前記育成状態情報を比較して調整情報を生成する調整情報生成手段とを備え、
前記調整情報生成手段から生成した調整情報に基づき、前記育成手段制御手段が、前記育成手段を制御する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、藻類等の生物育成において、自動制御可能な生物育成システムの提供が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の育成システムの一例の概要を示す図である。
【図2】本発明の育成システムにおける計画・製造制御を例示する図である。
【図3】本発明の育成システムの情報管理手段を例示する図である。
【図4】本発明の育成システムの全体概要を例示する図である。
【図5】本発明の育成システムの全体概要を例示する別の図である。
【図6】本発明の育成システムにおける拠点別システムの構成を例示する図である。
【図7】本発明の育成システムにおけるIDテーブルの一例を示す図である。
【図8】本発明の育成システムにおけるCADの制御方法を例示する図である。
【図9】図1に示す育成システムにおける監視・装置制御について説明するための図である。
【図10】本発明の育成システムのセンサーの一例を示す図である。
【図11】本発明の育成システムの装置間関連マップの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の育成システムにおいて、前記育成計画情報生成手段、前記育成手段、前記育成手段制御手段、前記育成状態情報獲得手段および前記調整情報生成手段が、自己判断実行手段を有し、前記自己判断実行手段で生成した自己判断実行情報を相互に送受信可能であることが好ましい。
【0010】
本発明の育成システムにおいて、さらに、統合管理手段を有し、前記統合管理手段に、前記育成計画情報生成手段、前記育成手段制御手段および前記調整情報生成手段が含まれることが好ましい。
【0011】
本発明の育成システムにおいて、前記統合管理手段が、さらに、情報管理手段を有し、前記情報管理手段が、階層構造で情報を管理することが好ましい。
【0012】
本発明の育成システムにおいて、前記統合管理手段が、仮想空間情報生成手段を有し、前記仮想空間情報生成手段により生成した仮想空間に、システムの一部または全部を視認可能に表現することが好ましい。
【0013】
本発明の育成システムにおいて、前記統合管理手段が、管理対象事項と、前記管理対象事項毎に付与された識別とを関連付けたテーブルを有し、前記テーブルに基づき、管理対象事項を管理することが好ましい。
【0014】
本発明の育成システムにおいて、育成対象物の育成場所が複数あり、前記各育成場所に、少なくとも、前記育成手段および前記育成状態情報獲得手段が配置されていることが好ましい。
【0015】
本発明の育成システムにおいて、さらに、前記各育成場所に、前記各育成場所の情報を管理する育成場所情報管理手段を有することが好ましい。
【0016】
本発明の育成システムにおいて、前記育成計画情報生成手段が、育成計画を変更する場合、変更作業中は、変更前の育成計画情報のコピーを生成し、前記コピーに従って前記育成手段制御手段により前記育成手段が制御され、変更作業後は、変更後の育成計画情報に従って前記育成手段制御手段により前記育成手段が制御されることが好ましい。
【0017】
本発明の育成システムにおいて、前記育成計画情報生成手段が、システム外の通信回線網を介して、システム外の携帯端末と接続可能であり、前記携帯端末によって、前記育成計画生成手段を制御可能であることが好ましい。
【0018】
本発明の育成システムにおいて、前記育成計画情報生成手段が、システム外の情報にアクセス可能なシステム外情報所在管理手段を有することが好ましい。
【0019】
本発明の育成システムにおいて、さらに、作業者用のICタグを有し、前記統合管理手段が、前記ICタグの情報によって作業者を管理することが好ましい。
【0020】
本発明の育成システムにおいて、前記各手段が、アラーム手段を有し、前記各手段の作動に問題が生じた場合、前記アラーム手段によりアラーム情報が生成され、前記アラーム情報が、作業者に送信されることが好ましい。
【0021】
本発明の育成システムにおいて、育成対象物が、生物(自然物)であることが好ましいが、本発明はこれに限定されず、例えば、結晶成長における結晶等の成長の概念がある無生物であってもよい。
【0022】
本発明の育成システムにおいて、前記生物は、藻類であることが好ましいが、本発明はこれに限定されず、例えば、藻類以外の植物、牛、馬、豚、鶏等の家畜類を含む動物、魚介類等が挙げられる。前記植物としては、例えば、レタス、トマト等の野菜類、リンゴ、みかん等の果物、バラ、菊等の花、植木、盆栽等が挙げられる。
【0023】
以下、本発明について、具体例をあげて説明する。ただし、本発明は、下記の例に限定および制限されない。
【0024】
図1に、本発明の育成システムの一例の概要を示す。本例の育成システムは、育成対象物が、藻である。図示のとおり、この育成システム100は、水槽101と、水タンク111と、バルブ112と、CO2ボンベ121と、バルブ122と、水位センサー141と、流速センサー142と、水温センサー143と、CO2センサー144と、光センサー145と、カメラ151とを含む。水槽101、水タンク111およびCO2ボンベ121は、前記「育成手段」に該当する。バルブ112、バルブ122、水位センサー141、流速センサー142、水温センサー143、CO2センサー144および光センサー145は、前記「育成手段制御手段」に該当する。カメラ151は、前記「育成状態情報獲得手段」に該当する。水タンク111およびCO2ボンベ121は、それぞれ、バルブ112およびバルブ122を介して、水槽101に連通している。水槽101は、藻102と、水103とを含む。光センサー145は、水槽101に照射される光131を制御する。光131は、例えば、太陽光であってもよいし、発光ダイオード(LED)等の光照射手段から照射される光であってもよい。カメラ151は、藻102の育成状態情報を獲得する。カメラ151は、例えば、デジタルカメラである。この育成システム100は、さらに、藻類の育成計画情報を作成する育成計画情報生成手段(この詳細については、後述する)と、前記育成計画情報および前記育成状態情報を比較して調整情報を生成する調整情報生成手段とを含む(図示せず)。この育成システム100は、調整情報生成手段から生成した調整情報に基づき、CO2濃度の調整や、温度の調整等、育成環境制御を行う。
【0025】
図2は、本発明の育成システムにおける計画・製造制御を例示する図である。図示のとおり、本発明の育成システムにおいては、生物(自然物、例えば、藻)のデザイン、設計、試作、生産技術の確立、製造および保守の各工程が融合されたシステムとして作用する。これに対し、人工物の設計・製造では、コンカレントエンジニアリングを行うとしても、デザイン、設計、試作、生産技術の確立、製造、保守の各工程が、シーケンシャルに、上流から下流に流れる。また、人工物の設計・製造では、次工程への受渡しには、人手が介在する。一方、本発明の育成システムは、人手では手間がかかり過ぎるため、基本的に完全自動制御される。
【0026】
図3は、本発明の育成システムの情報管理手段を例示する図である。この情報管理手段は、階層構造で情報を管理する。図示のとおり、この情報管理手段は、トップレイヤと、拠点単位レイヤと、拠点毎設備レイヤと、装置・サブシステムレイヤとを含む。トップレイヤは、拠点単位レイヤの各拠点(拠点A、拠点B、・・・)と連携しており、システム全体の情報を管理する。拠点単位レイヤの各拠点(例えば、拠点A)は、拠点毎設備レイヤの拠点A全体情報および各設備(水槽A、水槽B、・・・)と連携しており、拠点A全体の情報および各設備の情報を管理する。拠点毎設備レイヤの各設備(例えば、水槽A)は、装置・サブシステムレイヤの個々の装置・サブシステム(育成装置A、育成装置B、センサーA、センサーB、ソフトA、・・・)と連携しており、各装置・サブシステムの情報を管理する。このように、この情報管理手段は、複数の拠点(育成場所)に対応し、各拠点全体と、各拠点の個々の装置・サブシステムを制御可能である。また、例えば、前記拠点A全体情報において、後述のように、作業者を管理することも可能である。この情報管理手段では、(1)基本的に完全自動制御され、(2)個々の装置・サブシステムは、自己判断実行手段を有し、集中制御は行われず、(3)個々の装置・サブシステムは、自己判断実行情報を相互に送受信しながら分担された機能を実行し、(4)作業者は、装置・サブシステムからアラーム情報が送信された時に対応作業を行い、(5)システム全体が正常動作中であるかの確認、または、作業者がシステム動作を強制変更させる場合のために、システムの一部または全部(例えば、藻類の育成状態)の可視化、遠隔監視・操作が可能となる。
【0027】
図4は、本発明の育成システムの全体概要を例示する図である。図示のとおり、この育成システムは、設計・製造の融合制御11と、生物育成リアルタイムCAD(以下、単に「CAD」という)12と、生物育成の監視・装置制御(以下、単に「監視・装置制御」という)13と、周辺システム連携14とを含む。周辺システム連携14は、藻のライフサイクルマネージメントシステム15、藻の種管理(投入計画)システム16、藻の出荷管理(出荷計画)システム17等の周辺システムと連動している。CAD12は、前記「育成計画情報生成手段」に該当し、藻の固体情報、藻のアセンブリ情報、藻の収穫情報、藻の育成方法の情報、藻の育成履歴情報等の情報を生成する。監視・装置制御12は、育成装置、センサー、ロボット、ネットワーク、ソフト等の情報を扱う。設計・製造の融合制御11は、CAD12および監視・装置制御13と連動しており、(1)CAD12と監視・装置制御13の並列実行制御、(2)設計と製造の誤差フィードバック制御、(3)現実/仮想の共通空間制御、(4)設備と育成状況を監視し、クラウド(システム外の通信回線網)を介した遠隔操作を行う(これらの詳細については、後述する)。具体的には、設計・製造の融合制御11は、後述のように、設計と製造に誤差が発生した場合は、チェックアウトで設計調整し、設計調整中も育成の監視と装置制御は稼動し、チェックインで通常復帰する。また、設計・製造の融合制御11は、後述のように、現実/仮想の各空間で同一の管理対象事項(モノ)は、同一のIDで管理し、作業者の介在制御を容易にする。さらに、設計・製造の融合制御11は、監視、遠隔操作も可能であり、かつ、基本的に完全自動制御であり、緊急時は作業者にアラーム情報を送信する。周辺システム連携14は、設計・製造の融合制御11および前記周辺システム15〜17等と連動しており、基本的に完全自動制御であるため大量となる情報の所在管理を行い、管理情報量を削減する。このように、本発明の育成システムの全体概要は、CAD12、監視・装置制御13、現実/仮想の共通空間制御等を行う設計・製造の融合制御11、周辺システム連携14、および前記周辺システム15〜17等をつなぐICTネットワークから構成される。本発明の育成システムは、拠点(育成場所)の状態の遠隔監視、または遠隔操作も可能とする。すなわち、本発明の育成システムは、CAD12と監視・装置制御13とが融合され、また、前述のように装置・サブシステムが自己判断実行手段(例えば、実行プログラム)を有するため、遠隔操作が可能である。前記実行プログラムは、遠隔で置換え可能である。
【0028】
図5は、本発明の育成システムの全体概要を例示する別の図である。図示のとおり、この育成システムでは、データベース(DB)が、5階層構造で管理されている。トップレイヤ、監視地区レイヤ、拠点集合レイヤ、拠点別レイヤおよび拠点内レイヤの各レイヤのDBには、それぞれ、そのレイヤ自身のデータと、他のレイヤのデータのコピーとが格納されている。監視地区レイヤは、例えば、国内および国外、複数の国外等、監視地区に対応したレイヤである。拠点集合レイヤは、例えば、国内および国外、複数の国外等、複数拠点の集合に対応したレイヤである。拠点内レイヤは、例えば、1拠点の複数プラントに対応したレイヤである。このように、この育成システムは、装置・サブシステムに加え、各拠点の施設も自己判断実行手段を有することで、クラウドを介した監視センター機能を実現させる。すなわち、この育成システムでは、各拠点におけるローカルデータ管理(ローカル管理/ファイルサーバ)を導入・利用し、ローカルデータを分散管理することにより、ネットワーク負担を軽減している。また、この育成システムは、データの所在情報(URL等)を、監視センターで集中管理する。そして、この育成システムは、クラウドを介すると言っても、現実のネットワーク技術で、各レイヤ自身のデータと、他のレイヤのデータのコピーとの所在に配慮している。さらに、この育成システムは、DBにレイヤの概念を持ち込むことにより、情報開示のON/OFF、情報更新のON/OFF、セキュリティの強化、データ保全(事業継続性の強化)を実現する。監視センターは、前記「統合管理手段」に該当する。
【0029】
図5に示す育成システムでは、DBは、監視センターによるセンター管理とされているが、必ずしもセンター管理が最適とは言えない。例えば、装置やセンサーの実行性能の解析の結果、拠点内のDBでデータ管理された方が性能が上であり、データ保全も充分であれば、拠点内のレイヤでデータ管理し、コピーを他のレイヤにも持たせることが好ましい。図6は、本発明の育成システムにおける拠点別システムの構成を例示する図である。図示のとおり、この拠点別システムは、拠点別レイヤと、プラントA、プラントB、プラントC等の各プラント毎の拠点内レイヤとを含み、各レイヤのDBには、それぞれ、そのレイヤ自身のデータと、他のレイヤのデータのコピーとが格納されている。
【0030】
前述のとおり、図4に示す育成システムでは、現実/仮想の各空間で同一の管理対象事項(モノ)は、同一のIDで管理し、作業者の介在制御を容易にする。例えば、同一の装置を同一のIDで管理することで、拠点(育成場所)において、作業者がその装置の保守作業を行っている時には、他の作業者によるその装置の遠隔操作をできなくする。前記管理対象事項は、IDテーブルで管理することが好ましい。図7に、IDテーブルの一例を示す。図示のとおり、このIDテーブルは、横軸(列)で一つの管理対象事項を扱う。このIDテーブルの縦軸(行)は、管理対象事項の数に応じたものとなる。
【0031】
例えば、藻は、絶えず活動している。このため、図4に示す育成システムにおいて、育成計画を変更する場合でも、装置制御を停止するのは好ましくない。そこで、育成計画の変更作業中は、変更前の育成計画情報のコピーを作成し、前記コピーに従って装置を制御(チェックアウト)し、変更作業後は、変更後の育成計画情報に従って装置を制御(チェックイン)することが好ましい。チェックインで、前記コピーは不要になるので削除する。このチェックアウト/チェックインの仕組みを持たせることで、複数の作業者による遠隔からの変更においても、不整合を生じることがない。また、現実/仮想の各空間で同一の管理対象事項(モノ)を同一のIDで管理することで、例えば、遠隔からの作業者のアクセスに対し、拠点(育成場所)で他の作業者が操作中の管理対象事項(モノ)に対してのみアクセスを禁止する等、個別にアクセスの可否を制御することが可能となる。
【0032】
図4に示す育成システムにおいて、CAD12は、例えば、(1)藻に関する情報から、種から収穫までのプロセスを設計(履歴としても保存)、(2)拠点(育成場所)のレイアウト設計(現場合わせ施工等の形状処理も含む)、(3)各育成装置、センサー、ロボット、ソフト、およびネットワークの設計(装置やセンサー等に内蔵するプログラムの設定変更、待機系の設計も含む)、(4)装置やセンサー等の会話環境の定義(複数機器間の関連付けのマップの設定、変更を含む)、(5)監視・装置制御13との連携方式の定義(何を監視させるかを定義)、(6)遠隔監視・操作の方法定義(カメラからの画像の画像処理方法を定義)、(7)同一IDテーブルの定義(拠点(育成場所)の管理対象事項(モノ)を、RFID(Radio Frequency Identification)により実際に識別可能にする)、(8)作業者の介在の定義(管理対象事項(モノ)に貼り付けたICタグに、作業者が何をすべきかを書き込む)等の機能を有する。図8は、CADの制御方法を例示する図である。図示のとおり、CAD25は、CAD−DB24を含み、監視センター21とクラウド22を介して接続された拠点情報DB23からCAD−DB24にアクセスすることで、監視、遠隔操作可能である。なお、拠点情報DB23と、CAD−DB24とからなるDB構成は、拠点毎に設けられる。また、前記チェックアウト/チェックインの仕組みで育成計画の変更を行う場合には、変更前の育成計画情報のコピーがCAD−DB24に格納される。さらに、CAD25は、システム外の通信回線網(本例では、携帯電話網)26を介して、システム外の携帯端末(本例では、携帯電話)27と接続されている。これにより、例えば、出張中等に、遠隔監視・操作を行いたい場合に、携帯電話を利活用することが可能である。なお、携帯電話27による遠隔操作で、相当量の計算が必要な場合には、CAD25に計算させて、結果を受け取ることができる。また、前述のとおり、拠点(育成場所)において、作業者がある装置を保守中であれば、その装置は遠隔操作から排他制御される。前記携帯端末は、携帯電話に限定されず、例えば、スマートフォン等であってもよい。
【0033】
つぎに、図9を参照して、図1に示す育成システム100における監視・装置制御について説明する。図示のとおり、この育成システム100では、例えば、水位センサー141から水位が下がったとの情報がバルブ112に送信されると、バルブ112が開口し、水タンク111から水槽101に水103が供給される。また、この育成システム100では、例えば、CO2センサー144からCO2の濃度が低いとの情報がバルブ122に送信されると、バルブ122が開口し、CO2ボンベ121から水槽101にCO2が供給される。このように、この育成システム100では、育成装置やセンサー等が、自己判断実行手段(例えば、実行プログラム等)を有し、自立的に動作する。また、この育成システム100では、育成装置やセンサー等が、自己判断実行手段で生成した自己判断実行情報を相互に送受信可能であるため、育成装置やセンサーの連動等により、システム全体の自動運転が可能である。図10に、センサーの一例を示す。図示のとおり、このセンサーは、感知部と、制御部と、実行プログラム(実行PG)とを含む。このセンサーにおいて、実行PGは、遠隔で置換え可能である。
【0034】
実行PGを持つ各装置の関連付けのために、各拠点で装置間関連マップを保持することが好ましい。図11に、装置間関連マップの一例を示す。このマップでは、「○」が、連動可能であることを表す。したがって、このマップは、装置Aと装置B、装置Bと装置Cが連動可能であることを示している。このマップには、「○」によるON/OFF制御に加えて、双方向運動、片方向運動等のバリエーション定義の機能を持たせることも可能である。また、マップ制御を簡単にするために、マップへのアクセスは、関数で行うことが好ましい。作業者が遠隔でマップを変更すれば、装置間の関係が変更される。また、作業者は、実行PGにバグやバージョンアップが発生しても、遠隔で実行PGを置換え可能である。これらにより、遠隔「制御」よりもさらに上の、遠隔「操作」が可能となる。
【0035】
前述のとおり、図4に示す育成システムにおいて、設計・製造の融合制御11は、下記(1)〜(4)を行う。
【0036】
(1)CAD12と監視・装置制御13の並列実行制御
CAD生成情報(どんな育成プロセスかの設計=育成計画情報)と、装置制御情報(実際の情報)の2者から、比較情報を取り出し、ワークテーブル上にて、コンピュータ処理(比較や作業者の関与が必要な場合には、作業者が調整・変更オペレーション)する。
【0037】
(2)設計と製造の誤差フィードバック制御
CAD生成情報と、装置制御情報とを比較して(カメラからの画像データを画像分析(輪郭抽出等)し、藻育成状態を分析)、自己判断実行手段を有する装置やロボットにより育成を制御する。また、CAD生成情報から、離散系シミュレーション情報を生成(離散系シミュレーションは、別々の動きをする管理対象事項(モノ)を総合的にシミュレーション)し、その出力結果と、装置制御情報を比較することも行う。
【0038】
(3)現実/仮想の共通空間制御
現実と仮想で、同一の管理対象事項(モノ)は、同一IDで管理し、現実世界モデルを、コンピュータ上に構築する。現実世界を3次元モデル表現し、3次元モデルを直接操作する。3次元モデルを操作すると、実際の設備の管理対象事項(モノ)も追随する(遠隔医療のようなシステム)。この時、前述のように、排他制御が行われる。前記3次元モデルは、2次元の方が、作業者が判別しやすい場合には2次元モデルとする。
【0039】
(4)設備と育成状況の監視、クラウドを介した遠隔操作
拠点Bと拠点Cの育成システムを、拠点Aから遠隔操作可能とする。さらに、育成システムの展開が進んでも、全ての拠点(育成場所)を遠隔で監視・操作を可能とする。また、遠隔操作で、設備の位置変更等、どうしても、拠点(育成場所)で作業しなければならない事象については、ログに貯めておき、緊急対処の必要がなければ、まとめて現場作業を行うことも可能とする。このログに貯めておく事象が存在する場合には、CAD生成情報と装置制御情報に、差分が発生することになるが、ログに貯めたものは、設計変更を滞留させる制御を行う。
【0040】
図4に示す育成システムでは、基本的に完全自動制御であるため、必要な情報量が多くなる。例えば、収穫計画から、いつまでに、どのライン(水槽)で、どれだけの藻を育成するかにより、育成計画がなされ、その育成のために、どの種類の藻の種(藻の子供)をどれだけ準備するかという手配(購買)と連動することになる。さらには、藻の育成のためにCO2をどれだけ手配するか(パイプラインで入手するか)、海水をどれだけ引くか等、環境資源の手配も必要になる。そこで、周辺システム連携14により、全ての情報を、この育成システムで抱え込むのではなく、周辺システムとの情報連動をはかる。ここで、周辺システム連携14は、CAD生成の属性として、周辺システムが持つ情報への所在管理(リンク生成)情報を生成する。
【0041】
つぎに、本発明の育成システムにおける作業者の管理について説明する。作業者には、ICタグを持たせる。このICタグは、どのような作業者であるか自動判別する。ICタグとしては、例えば、アクティブ型ICタグが挙げられる。アクティブ型ICタグは、例えば、ICタグ自体が電源を内蔵し、一定間隔で電波を発射しており、この電波をリーダ(レシーバ)で検知する。アクティブ型ICタグは、例えば、温度、湿度、加速度、照度等を検出するセンサーとしての機能を持たせることも可能である。装置は、自己判断実行手段を有するため、保守が必要であれば、作業者にアラーム信号を送信する。また、作業者の拠点(育成場所)への入場/退場の管理は、ICタグで行う。作業者が装置の保守を行う場合、装置のICタグをRFIDリーダライタで読み取れば、どのような作業を行えばよいか、携帯端末に、画面表示で案内がなされる。また、ある装置の保守が終了したことを携帯端末から入力すると、次にどの装置の保守を行えば良いのかが案内される。これにより、装置の保守におけるミスや無駄な作業を廃絶できる。作業者が拠点(育成場所)で作業した結果(装置の状態変更)は、サーバに送信され、サーバのDBが更新される。作業記録のフォーマットを定義しておき、自動的にデータが埋め込まれるようにしておくと、作業報告が容易となる。サーバのDBには、履歴も残す。各装置において、自動運転ができないような問題が発生した場合には、作業者にアラーム情報を送信する。このアラーム情報は、まず、サーバに送信され、エスカレーションする場合には、例えば、夜中であっても作業者の携帯電話に送信される。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明によれば、藻類等の生物育成において、自動制御可能な生物育成システムを提供することができる。本発明は、植物工場、魚の養殖工場、家畜の生産工場等に幅広く適用することができる。
【符号の説明】
【0043】
11 設計・製造の融合制御
12 生物育成リアルタイムCAD
13 生成育成の監視・装置制御
14 周辺システム連携
15 藻のライフサイクルマネージメントシステム
16 藻の種管理(投入計画)システム
17 藻の出荷管理(出荷計画)システム
21 監視センター
22 クラウド(システム外の情報通信網)
23 拠点情報DB
24 CAD−DB
25 CAD
26 携帯電話網
27 携帯電話
100 育成システム
101 水槽
102 藻
103 水
111 水タンク
112 122 バルブ
121 CO2ボンベ
131 光
141 水位センサー
142 流速センサー
143 水温センサー
144 CO2センサー
145 光センサー
151 カメラ
【技術分野】
【0001】
本発明は、育成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
石油等の化石燃料の枯渇等の資源問題および大気中の二酸化炭素の低減等の環境問題を解決する手段として、サトウキビおよびトウモロコシ等の植物を発酵させて製造するバイオエタノールが注目されている。しかしながら、サトウキビおよびトウモロコシ等のバイオエタノールの原料は、そもそも食糧として生産されるものであり、開発途上国の食糧問題とリンクして問題視されている。この問題を解決するために、海洋で藻類を培養し、培養した藻類をバイオエタノールの原料にすることが提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−11721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の藻類の培養は、培養容器、培養する藻類の種類、培養条件等のハード面での検討はあるが、システム的に省力化および効率化等を推進することに関しての検討は無かった。また、この問題は、藻類に限らず、生物全般の育成システムに関する問題でもり、さらに結晶成長等の無生物の成長等、成長の概念がある分野に共通の問題でもある。
【0005】
そこで、本発明は、藻類等の生物育成において、自動制御可能な生物育成システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の育成システムは、
育成対象物の育成計画情報を生成する育成計画情報生成手段と、
育成対象物を育成する育成手段と、
前記育成手段を制御する育成手段制御手段と、
前記育成対象物の育成状態情報を獲得する育成状態情報獲得手段と、
前記育成計画情報および前記育成状態情報を比較して調整情報を生成する調整情報生成手段とを備え、
前記調整情報生成手段から生成した調整情報に基づき、前記育成手段制御手段が、前記育成手段を制御する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、藻類等の生物育成において、自動制御可能な生物育成システムの提供が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の育成システムの一例の概要を示す図である。
【図2】本発明の育成システムにおける計画・製造制御を例示する図である。
【図3】本発明の育成システムの情報管理手段を例示する図である。
【図4】本発明の育成システムの全体概要を例示する図である。
【図5】本発明の育成システムの全体概要を例示する別の図である。
【図6】本発明の育成システムにおける拠点別システムの構成を例示する図である。
【図7】本発明の育成システムにおけるIDテーブルの一例を示す図である。
【図8】本発明の育成システムにおけるCADの制御方法を例示する図である。
【図9】図1に示す育成システムにおける監視・装置制御について説明するための図である。
【図10】本発明の育成システムのセンサーの一例を示す図である。
【図11】本発明の育成システムの装置間関連マップの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の育成システムにおいて、前記育成計画情報生成手段、前記育成手段、前記育成手段制御手段、前記育成状態情報獲得手段および前記調整情報生成手段が、自己判断実行手段を有し、前記自己判断実行手段で生成した自己判断実行情報を相互に送受信可能であることが好ましい。
【0010】
本発明の育成システムにおいて、さらに、統合管理手段を有し、前記統合管理手段に、前記育成計画情報生成手段、前記育成手段制御手段および前記調整情報生成手段が含まれることが好ましい。
【0011】
本発明の育成システムにおいて、前記統合管理手段が、さらに、情報管理手段を有し、前記情報管理手段が、階層構造で情報を管理することが好ましい。
【0012】
本発明の育成システムにおいて、前記統合管理手段が、仮想空間情報生成手段を有し、前記仮想空間情報生成手段により生成した仮想空間に、システムの一部または全部を視認可能に表現することが好ましい。
【0013】
本発明の育成システムにおいて、前記統合管理手段が、管理対象事項と、前記管理対象事項毎に付与された識別とを関連付けたテーブルを有し、前記テーブルに基づき、管理対象事項を管理することが好ましい。
【0014】
本発明の育成システムにおいて、育成対象物の育成場所が複数あり、前記各育成場所に、少なくとも、前記育成手段および前記育成状態情報獲得手段が配置されていることが好ましい。
【0015】
本発明の育成システムにおいて、さらに、前記各育成場所に、前記各育成場所の情報を管理する育成場所情報管理手段を有することが好ましい。
【0016】
本発明の育成システムにおいて、前記育成計画情報生成手段が、育成計画を変更する場合、変更作業中は、変更前の育成計画情報のコピーを生成し、前記コピーに従って前記育成手段制御手段により前記育成手段が制御され、変更作業後は、変更後の育成計画情報に従って前記育成手段制御手段により前記育成手段が制御されることが好ましい。
【0017】
本発明の育成システムにおいて、前記育成計画情報生成手段が、システム外の通信回線網を介して、システム外の携帯端末と接続可能であり、前記携帯端末によって、前記育成計画生成手段を制御可能であることが好ましい。
【0018】
本発明の育成システムにおいて、前記育成計画情報生成手段が、システム外の情報にアクセス可能なシステム外情報所在管理手段を有することが好ましい。
【0019】
本発明の育成システムにおいて、さらに、作業者用のICタグを有し、前記統合管理手段が、前記ICタグの情報によって作業者を管理することが好ましい。
【0020】
本発明の育成システムにおいて、前記各手段が、アラーム手段を有し、前記各手段の作動に問題が生じた場合、前記アラーム手段によりアラーム情報が生成され、前記アラーム情報が、作業者に送信されることが好ましい。
【0021】
本発明の育成システムにおいて、育成対象物が、生物(自然物)であることが好ましいが、本発明はこれに限定されず、例えば、結晶成長における結晶等の成長の概念がある無生物であってもよい。
【0022】
本発明の育成システムにおいて、前記生物は、藻類であることが好ましいが、本発明はこれに限定されず、例えば、藻類以外の植物、牛、馬、豚、鶏等の家畜類を含む動物、魚介類等が挙げられる。前記植物としては、例えば、レタス、トマト等の野菜類、リンゴ、みかん等の果物、バラ、菊等の花、植木、盆栽等が挙げられる。
【0023】
以下、本発明について、具体例をあげて説明する。ただし、本発明は、下記の例に限定および制限されない。
【0024】
図1に、本発明の育成システムの一例の概要を示す。本例の育成システムは、育成対象物が、藻である。図示のとおり、この育成システム100は、水槽101と、水タンク111と、バルブ112と、CO2ボンベ121と、バルブ122と、水位センサー141と、流速センサー142と、水温センサー143と、CO2センサー144と、光センサー145と、カメラ151とを含む。水槽101、水タンク111およびCO2ボンベ121は、前記「育成手段」に該当する。バルブ112、バルブ122、水位センサー141、流速センサー142、水温センサー143、CO2センサー144および光センサー145は、前記「育成手段制御手段」に該当する。カメラ151は、前記「育成状態情報獲得手段」に該当する。水タンク111およびCO2ボンベ121は、それぞれ、バルブ112およびバルブ122を介して、水槽101に連通している。水槽101は、藻102と、水103とを含む。光センサー145は、水槽101に照射される光131を制御する。光131は、例えば、太陽光であってもよいし、発光ダイオード(LED)等の光照射手段から照射される光であってもよい。カメラ151は、藻102の育成状態情報を獲得する。カメラ151は、例えば、デジタルカメラである。この育成システム100は、さらに、藻類の育成計画情報を作成する育成計画情報生成手段(この詳細については、後述する)と、前記育成計画情報および前記育成状態情報を比較して調整情報を生成する調整情報生成手段とを含む(図示せず)。この育成システム100は、調整情報生成手段から生成した調整情報に基づき、CO2濃度の調整や、温度の調整等、育成環境制御を行う。
【0025】
図2は、本発明の育成システムにおける計画・製造制御を例示する図である。図示のとおり、本発明の育成システムにおいては、生物(自然物、例えば、藻)のデザイン、設計、試作、生産技術の確立、製造および保守の各工程が融合されたシステムとして作用する。これに対し、人工物の設計・製造では、コンカレントエンジニアリングを行うとしても、デザイン、設計、試作、生産技術の確立、製造、保守の各工程が、シーケンシャルに、上流から下流に流れる。また、人工物の設計・製造では、次工程への受渡しには、人手が介在する。一方、本発明の育成システムは、人手では手間がかかり過ぎるため、基本的に完全自動制御される。
【0026】
図3は、本発明の育成システムの情報管理手段を例示する図である。この情報管理手段は、階層構造で情報を管理する。図示のとおり、この情報管理手段は、トップレイヤと、拠点単位レイヤと、拠点毎設備レイヤと、装置・サブシステムレイヤとを含む。トップレイヤは、拠点単位レイヤの各拠点(拠点A、拠点B、・・・)と連携しており、システム全体の情報を管理する。拠点単位レイヤの各拠点(例えば、拠点A)は、拠点毎設備レイヤの拠点A全体情報および各設備(水槽A、水槽B、・・・)と連携しており、拠点A全体の情報および各設備の情報を管理する。拠点毎設備レイヤの各設備(例えば、水槽A)は、装置・サブシステムレイヤの個々の装置・サブシステム(育成装置A、育成装置B、センサーA、センサーB、ソフトA、・・・)と連携しており、各装置・サブシステムの情報を管理する。このように、この情報管理手段は、複数の拠点(育成場所)に対応し、各拠点全体と、各拠点の個々の装置・サブシステムを制御可能である。また、例えば、前記拠点A全体情報において、後述のように、作業者を管理することも可能である。この情報管理手段では、(1)基本的に完全自動制御され、(2)個々の装置・サブシステムは、自己判断実行手段を有し、集中制御は行われず、(3)個々の装置・サブシステムは、自己判断実行情報を相互に送受信しながら分担された機能を実行し、(4)作業者は、装置・サブシステムからアラーム情報が送信された時に対応作業を行い、(5)システム全体が正常動作中であるかの確認、または、作業者がシステム動作を強制変更させる場合のために、システムの一部または全部(例えば、藻類の育成状態)の可視化、遠隔監視・操作が可能となる。
【0027】
図4は、本発明の育成システムの全体概要を例示する図である。図示のとおり、この育成システムは、設計・製造の融合制御11と、生物育成リアルタイムCAD(以下、単に「CAD」という)12と、生物育成の監視・装置制御(以下、単に「監視・装置制御」という)13と、周辺システム連携14とを含む。周辺システム連携14は、藻のライフサイクルマネージメントシステム15、藻の種管理(投入計画)システム16、藻の出荷管理(出荷計画)システム17等の周辺システムと連動している。CAD12は、前記「育成計画情報生成手段」に該当し、藻の固体情報、藻のアセンブリ情報、藻の収穫情報、藻の育成方法の情報、藻の育成履歴情報等の情報を生成する。監視・装置制御12は、育成装置、センサー、ロボット、ネットワーク、ソフト等の情報を扱う。設計・製造の融合制御11は、CAD12および監視・装置制御13と連動しており、(1)CAD12と監視・装置制御13の並列実行制御、(2)設計と製造の誤差フィードバック制御、(3)現実/仮想の共通空間制御、(4)設備と育成状況を監視し、クラウド(システム外の通信回線網)を介した遠隔操作を行う(これらの詳細については、後述する)。具体的には、設計・製造の融合制御11は、後述のように、設計と製造に誤差が発生した場合は、チェックアウトで設計調整し、設計調整中も育成の監視と装置制御は稼動し、チェックインで通常復帰する。また、設計・製造の融合制御11は、後述のように、現実/仮想の各空間で同一の管理対象事項(モノ)は、同一のIDで管理し、作業者の介在制御を容易にする。さらに、設計・製造の融合制御11は、監視、遠隔操作も可能であり、かつ、基本的に完全自動制御であり、緊急時は作業者にアラーム情報を送信する。周辺システム連携14は、設計・製造の融合制御11および前記周辺システム15〜17等と連動しており、基本的に完全自動制御であるため大量となる情報の所在管理を行い、管理情報量を削減する。このように、本発明の育成システムの全体概要は、CAD12、監視・装置制御13、現実/仮想の共通空間制御等を行う設計・製造の融合制御11、周辺システム連携14、および前記周辺システム15〜17等をつなぐICTネットワークから構成される。本発明の育成システムは、拠点(育成場所)の状態の遠隔監視、または遠隔操作も可能とする。すなわち、本発明の育成システムは、CAD12と監視・装置制御13とが融合され、また、前述のように装置・サブシステムが自己判断実行手段(例えば、実行プログラム)を有するため、遠隔操作が可能である。前記実行プログラムは、遠隔で置換え可能である。
【0028】
図5は、本発明の育成システムの全体概要を例示する別の図である。図示のとおり、この育成システムでは、データベース(DB)が、5階層構造で管理されている。トップレイヤ、監視地区レイヤ、拠点集合レイヤ、拠点別レイヤおよび拠点内レイヤの各レイヤのDBには、それぞれ、そのレイヤ自身のデータと、他のレイヤのデータのコピーとが格納されている。監視地区レイヤは、例えば、国内および国外、複数の国外等、監視地区に対応したレイヤである。拠点集合レイヤは、例えば、国内および国外、複数の国外等、複数拠点の集合に対応したレイヤである。拠点内レイヤは、例えば、1拠点の複数プラントに対応したレイヤである。このように、この育成システムは、装置・サブシステムに加え、各拠点の施設も自己判断実行手段を有することで、クラウドを介した監視センター機能を実現させる。すなわち、この育成システムでは、各拠点におけるローカルデータ管理(ローカル管理/ファイルサーバ)を導入・利用し、ローカルデータを分散管理することにより、ネットワーク負担を軽減している。また、この育成システムは、データの所在情報(URL等)を、監視センターで集中管理する。そして、この育成システムは、クラウドを介すると言っても、現実のネットワーク技術で、各レイヤ自身のデータと、他のレイヤのデータのコピーとの所在に配慮している。さらに、この育成システムは、DBにレイヤの概念を持ち込むことにより、情報開示のON/OFF、情報更新のON/OFF、セキュリティの強化、データ保全(事業継続性の強化)を実現する。監視センターは、前記「統合管理手段」に該当する。
【0029】
図5に示す育成システムでは、DBは、監視センターによるセンター管理とされているが、必ずしもセンター管理が最適とは言えない。例えば、装置やセンサーの実行性能の解析の結果、拠点内のDBでデータ管理された方が性能が上であり、データ保全も充分であれば、拠点内のレイヤでデータ管理し、コピーを他のレイヤにも持たせることが好ましい。図6は、本発明の育成システムにおける拠点別システムの構成を例示する図である。図示のとおり、この拠点別システムは、拠点別レイヤと、プラントA、プラントB、プラントC等の各プラント毎の拠点内レイヤとを含み、各レイヤのDBには、それぞれ、そのレイヤ自身のデータと、他のレイヤのデータのコピーとが格納されている。
【0030】
前述のとおり、図4に示す育成システムでは、現実/仮想の各空間で同一の管理対象事項(モノ)は、同一のIDで管理し、作業者の介在制御を容易にする。例えば、同一の装置を同一のIDで管理することで、拠点(育成場所)において、作業者がその装置の保守作業を行っている時には、他の作業者によるその装置の遠隔操作をできなくする。前記管理対象事項は、IDテーブルで管理することが好ましい。図7に、IDテーブルの一例を示す。図示のとおり、このIDテーブルは、横軸(列)で一つの管理対象事項を扱う。このIDテーブルの縦軸(行)は、管理対象事項の数に応じたものとなる。
【0031】
例えば、藻は、絶えず活動している。このため、図4に示す育成システムにおいて、育成計画を変更する場合でも、装置制御を停止するのは好ましくない。そこで、育成計画の変更作業中は、変更前の育成計画情報のコピーを作成し、前記コピーに従って装置を制御(チェックアウト)し、変更作業後は、変更後の育成計画情報に従って装置を制御(チェックイン)することが好ましい。チェックインで、前記コピーは不要になるので削除する。このチェックアウト/チェックインの仕組みを持たせることで、複数の作業者による遠隔からの変更においても、不整合を生じることがない。また、現実/仮想の各空間で同一の管理対象事項(モノ)を同一のIDで管理することで、例えば、遠隔からの作業者のアクセスに対し、拠点(育成場所)で他の作業者が操作中の管理対象事項(モノ)に対してのみアクセスを禁止する等、個別にアクセスの可否を制御することが可能となる。
【0032】
図4に示す育成システムにおいて、CAD12は、例えば、(1)藻に関する情報から、種から収穫までのプロセスを設計(履歴としても保存)、(2)拠点(育成場所)のレイアウト設計(現場合わせ施工等の形状処理も含む)、(3)各育成装置、センサー、ロボット、ソフト、およびネットワークの設計(装置やセンサー等に内蔵するプログラムの設定変更、待機系の設計も含む)、(4)装置やセンサー等の会話環境の定義(複数機器間の関連付けのマップの設定、変更を含む)、(5)監視・装置制御13との連携方式の定義(何を監視させるかを定義)、(6)遠隔監視・操作の方法定義(カメラからの画像の画像処理方法を定義)、(7)同一IDテーブルの定義(拠点(育成場所)の管理対象事項(モノ)を、RFID(Radio Frequency Identification)により実際に識別可能にする)、(8)作業者の介在の定義(管理対象事項(モノ)に貼り付けたICタグに、作業者が何をすべきかを書き込む)等の機能を有する。図8は、CADの制御方法を例示する図である。図示のとおり、CAD25は、CAD−DB24を含み、監視センター21とクラウド22を介して接続された拠点情報DB23からCAD−DB24にアクセスすることで、監視、遠隔操作可能である。なお、拠点情報DB23と、CAD−DB24とからなるDB構成は、拠点毎に設けられる。また、前記チェックアウト/チェックインの仕組みで育成計画の変更を行う場合には、変更前の育成計画情報のコピーがCAD−DB24に格納される。さらに、CAD25は、システム外の通信回線網(本例では、携帯電話網)26を介して、システム外の携帯端末(本例では、携帯電話)27と接続されている。これにより、例えば、出張中等に、遠隔監視・操作を行いたい場合に、携帯電話を利活用することが可能である。なお、携帯電話27による遠隔操作で、相当量の計算が必要な場合には、CAD25に計算させて、結果を受け取ることができる。また、前述のとおり、拠点(育成場所)において、作業者がある装置を保守中であれば、その装置は遠隔操作から排他制御される。前記携帯端末は、携帯電話に限定されず、例えば、スマートフォン等であってもよい。
【0033】
つぎに、図9を参照して、図1に示す育成システム100における監視・装置制御について説明する。図示のとおり、この育成システム100では、例えば、水位センサー141から水位が下がったとの情報がバルブ112に送信されると、バルブ112が開口し、水タンク111から水槽101に水103が供給される。また、この育成システム100では、例えば、CO2センサー144からCO2の濃度が低いとの情報がバルブ122に送信されると、バルブ122が開口し、CO2ボンベ121から水槽101にCO2が供給される。このように、この育成システム100では、育成装置やセンサー等が、自己判断実行手段(例えば、実行プログラム等)を有し、自立的に動作する。また、この育成システム100では、育成装置やセンサー等が、自己判断実行手段で生成した自己判断実行情報を相互に送受信可能であるため、育成装置やセンサーの連動等により、システム全体の自動運転が可能である。図10に、センサーの一例を示す。図示のとおり、このセンサーは、感知部と、制御部と、実行プログラム(実行PG)とを含む。このセンサーにおいて、実行PGは、遠隔で置換え可能である。
【0034】
実行PGを持つ各装置の関連付けのために、各拠点で装置間関連マップを保持することが好ましい。図11に、装置間関連マップの一例を示す。このマップでは、「○」が、連動可能であることを表す。したがって、このマップは、装置Aと装置B、装置Bと装置Cが連動可能であることを示している。このマップには、「○」によるON/OFF制御に加えて、双方向運動、片方向運動等のバリエーション定義の機能を持たせることも可能である。また、マップ制御を簡単にするために、マップへのアクセスは、関数で行うことが好ましい。作業者が遠隔でマップを変更すれば、装置間の関係が変更される。また、作業者は、実行PGにバグやバージョンアップが発生しても、遠隔で実行PGを置換え可能である。これらにより、遠隔「制御」よりもさらに上の、遠隔「操作」が可能となる。
【0035】
前述のとおり、図4に示す育成システムにおいて、設計・製造の融合制御11は、下記(1)〜(4)を行う。
【0036】
(1)CAD12と監視・装置制御13の並列実行制御
CAD生成情報(どんな育成プロセスかの設計=育成計画情報)と、装置制御情報(実際の情報)の2者から、比較情報を取り出し、ワークテーブル上にて、コンピュータ処理(比較や作業者の関与が必要な場合には、作業者が調整・変更オペレーション)する。
【0037】
(2)設計と製造の誤差フィードバック制御
CAD生成情報と、装置制御情報とを比較して(カメラからの画像データを画像分析(輪郭抽出等)し、藻育成状態を分析)、自己判断実行手段を有する装置やロボットにより育成を制御する。また、CAD生成情報から、離散系シミュレーション情報を生成(離散系シミュレーションは、別々の動きをする管理対象事項(モノ)を総合的にシミュレーション)し、その出力結果と、装置制御情報を比較することも行う。
【0038】
(3)現実/仮想の共通空間制御
現実と仮想で、同一の管理対象事項(モノ)は、同一IDで管理し、現実世界モデルを、コンピュータ上に構築する。現実世界を3次元モデル表現し、3次元モデルを直接操作する。3次元モデルを操作すると、実際の設備の管理対象事項(モノ)も追随する(遠隔医療のようなシステム)。この時、前述のように、排他制御が行われる。前記3次元モデルは、2次元の方が、作業者が判別しやすい場合には2次元モデルとする。
【0039】
(4)設備と育成状況の監視、クラウドを介した遠隔操作
拠点Bと拠点Cの育成システムを、拠点Aから遠隔操作可能とする。さらに、育成システムの展開が進んでも、全ての拠点(育成場所)を遠隔で監視・操作を可能とする。また、遠隔操作で、設備の位置変更等、どうしても、拠点(育成場所)で作業しなければならない事象については、ログに貯めておき、緊急対処の必要がなければ、まとめて現場作業を行うことも可能とする。このログに貯めておく事象が存在する場合には、CAD生成情報と装置制御情報に、差分が発生することになるが、ログに貯めたものは、設計変更を滞留させる制御を行う。
【0040】
図4に示す育成システムでは、基本的に完全自動制御であるため、必要な情報量が多くなる。例えば、収穫計画から、いつまでに、どのライン(水槽)で、どれだけの藻を育成するかにより、育成計画がなされ、その育成のために、どの種類の藻の種(藻の子供)をどれだけ準備するかという手配(購買)と連動することになる。さらには、藻の育成のためにCO2をどれだけ手配するか(パイプラインで入手するか)、海水をどれだけ引くか等、環境資源の手配も必要になる。そこで、周辺システム連携14により、全ての情報を、この育成システムで抱え込むのではなく、周辺システムとの情報連動をはかる。ここで、周辺システム連携14は、CAD生成の属性として、周辺システムが持つ情報への所在管理(リンク生成)情報を生成する。
【0041】
つぎに、本発明の育成システムにおける作業者の管理について説明する。作業者には、ICタグを持たせる。このICタグは、どのような作業者であるか自動判別する。ICタグとしては、例えば、アクティブ型ICタグが挙げられる。アクティブ型ICタグは、例えば、ICタグ自体が電源を内蔵し、一定間隔で電波を発射しており、この電波をリーダ(レシーバ)で検知する。アクティブ型ICタグは、例えば、温度、湿度、加速度、照度等を検出するセンサーとしての機能を持たせることも可能である。装置は、自己判断実行手段を有するため、保守が必要であれば、作業者にアラーム信号を送信する。また、作業者の拠点(育成場所)への入場/退場の管理は、ICタグで行う。作業者が装置の保守を行う場合、装置のICタグをRFIDリーダライタで読み取れば、どのような作業を行えばよいか、携帯端末に、画面表示で案内がなされる。また、ある装置の保守が終了したことを携帯端末から入力すると、次にどの装置の保守を行えば良いのかが案内される。これにより、装置の保守におけるミスや無駄な作業を廃絶できる。作業者が拠点(育成場所)で作業した結果(装置の状態変更)は、サーバに送信され、サーバのDBが更新される。作業記録のフォーマットを定義しておき、自動的にデータが埋め込まれるようにしておくと、作業報告が容易となる。サーバのDBには、履歴も残す。各装置において、自動運転ができないような問題が発生した場合には、作業者にアラーム情報を送信する。このアラーム情報は、まず、サーバに送信され、エスカレーションする場合には、例えば、夜中であっても作業者の携帯電話に送信される。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明によれば、藻類等の生物育成において、自動制御可能な生物育成システムを提供することができる。本発明は、植物工場、魚の養殖工場、家畜の生産工場等に幅広く適用することができる。
【符号の説明】
【0043】
11 設計・製造の融合制御
12 生物育成リアルタイムCAD
13 生成育成の監視・装置制御
14 周辺システム連携
15 藻のライフサイクルマネージメントシステム
16 藻の種管理(投入計画)システム
17 藻の出荷管理(出荷計画)システム
21 監視センター
22 クラウド(システム外の情報通信網)
23 拠点情報DB
24 CAD−DB
25 CAD
26 携帯電話網
27 携帯電話
100 育成システム
101 水槽
102 藻
103 水
111 水タンク
112 122 バルブ
121 CO2ボンベ
131 光
141 水位センサー
142 流速センサー
143 水温センサー
144 CO2センサー
145 光センサー
151 カメラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
育成対象物の育成計画情報を生成する育成計画情報生成手段と、
育成対象物を育成する育成手段と、
前記育成手段を制御する育成手段制御手段と、
前記育成対象物の育成状態情報を獲得する育成状態情報獲得手段と、
前記育成計画情報および前記育成状態情報を比較して調整情報を生成する調整情報生成手段とを備え、
前記調整情報生成手段から生成した調整情報に基づき、前記育成手段制御手段が、前記育成手段を制御する
ことを特徴とする育成システム。
【請求項2】
前記育成計画情報生成手段、前記育成手段、前記育成手段制御手段、前記育成状態情報獲得手段および前記調整情報生成手段が、自己判断実行手段を有し、前記自己判断実行手段で生成した自己判断実行情報を相互に送受信可能である
ことを特徴とする請求項1記載の育成システム。
【請求項3】
さらに、統合管理手段を有し、
前記統合管理手段に、前記育成計画情報手段、前記育成手段制御手段および前記調整情報生成手段が含まれる
ことを特徴とする請求項1または2記載の育成システム。
【請求項4】
前記統合管理手段が、さらに、情報管理手段を有し、
前記情報管理手段が、階層構造で情報を管理する
ことを特徴とする請求項3記載の育成システム。
【請求項5】
前記統合管理手段が、仮想空間情報生成手段を有し、
前記仮想空間情報生成手段により生成した仮想空間に、システムの一部または全部を視認可能に表現する
ことを特徴とする請求項4記載の育成システム。
【請求項6】
前記統合管理手段が、管理対象事項と、前記管理対象事項毎に付与された識別とを関連付けたテーブルを有し、前記テーブルに基づき、前記管理対象事項を管理する
ことを特徴とする請求項4または5記載の育成システム。
【請求項7】
育成対象物の育成場所が複数あり、前記各育成場所に、少なくとも、前記育成手段および前記育成状態情報獲得手段が配置されている
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の育成システム。
【請求項8】
さらに、前記各育成場所に、前記各育成場所の情報を管理する育成場所情報管理手段を有する
ことを特徴とする請求項7記載の育成システム。
【請求項9】
前記育成計画情報生成手段が、育成計画を変更する場合、
変更作業中は、変更前の育成計画情報のコピーを生成し、前記コピーに従って前記育成手段制御手段により前記育成手段が制御され、
変更作業後は、変更後の育成計画情報に従って前記育成手段制御手段により前記育成手段が制御される
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の育成システム。
【請求項10】
前記育成計画情報生成手段が、システム外の通信回線網を介して、システム外の携帯端末と接続可能であり、前記携帯端末によって、前記育成計画情報生成手段を制御可能である
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の育成システム。
【請求項11】
前記育成計画情報生成手段が、システム外の情報にアクセス可能なシステム外情報所在管理手段を有する
ことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の育成システム。
【請求項12】
さらに、作業者用のICタグを有し、
前記統合管理手段が、前記ICタグの情報によって作業者を管理する
ことを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の育成システム。
【請求項13】
前記各手段が、アラーム手段を有し、
前記各手段の作動に問題が生じた場合、前記アラーム手段によりアラーム情報が生成され、前記アラーム情報が、作業者に送信される
ことを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の育成システム。
【請求項14】
育成対象物が、生物であることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の育成システム。
【請求項15】
前記生物は、藻類である請求項14記載の育成システム。
【請求項1】
育成対象物の育成計画情報を生成する育成計画情報生成手段と、
育成対象物を育成する育成手段と、
前記育成手段を制御する育成手段制御手段と、
前記育成対象物の育成状態情報を獲得する育成状態情報獲得手段と、
前記育成計画情報および前記育成状態情報を比較して調整情報を生成する調整情報生成手段とを備え、
前記調整情報生成手段から生成した調整情報に基づき、前記育成手段制御手段が、前記育成手段を制御する
ことを特徴とする育成システム。
【請求項2】
前記育成計画情報生成手段、前記育成手段、前記育成手段制御手段、前記育成状態情報獲得手段および前記調整情報生成手段が、自己判断実行手段を有し、前記自己判断実行手段で生成した自己判断実行情報を相互に送受信可能である
ことを特徴とする請求項1記載の育成システム。
【請求項3】
さらに、統合管理手段を有し、
前記統合管理手段に、前記育成計画情報手段、前記育成手段制御手段および前記調整情報生成手段が含まれる
ことを特徴とする請求項1または2記載の育成システム。
【請求項4】
前記統合管理手段が、さらに、情報管理手段を有し、
前記情報管理手段が、階層構造で情報を管理する
ことを特徴とする請求項3記載の育成システム。
【請求項5】
前記統合管理手段が、仮想空間情報生成手段を有し、
前記仮想空間情報生成手段により生成した仮想空間に、システムの一部または全部を視認可能に表現する
ことを特徴とする請求項4記載の育成システム。
【請求項6】
前記統合管理手段が、管理対象事項と、前記管理対象事項毎に付与された識別とを関連付けたテーブルを有し、前記テーブルに基づき、前記管理対象事項を管理する
ことを特徴とする請求項4または5記載の育成システム。
【請求項7】
育成対象物の育成場所が複数あり、前記各育成場所に、少なくとも、前記育成手段および前記育成状態情報獲得手段が配置されている
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の育成システム。
【請求項8】
さらに、前記各育成場所に、前記各育成場所の情報を管理する育成場所情報管理手段を有する
ことを特徴とする請求項7記載の育成システム。
【請求項9】
前記育成計画情報生成手段が、育成計画を変更する場合、
変更作業中は、変更前の育成計画情報のコピーを生成し、前記コピーに従って前記育成手段制御手段により前記育成手段が制御され、
変更作業後は、変更後の育成計画情報に従って前記育成手段制御手段により前記育成手段が制御される
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の育成システム。
【請求項10】
前記育成計画情報生成手段が、システム外の通信回線網を介して、システム外の携帯端末と接続可能であり、前記携帯端末によって、前記育成計画情報生成手段を制御可能である
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の育成システム。
【請求項11】
前記育成計画情報生成手段が、システム外の情報にアクセス可能なシステム外情報所在管理手段を有する
ことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の育成システム。
【請求項12】
さらに、作業者用のICタグを有し、
前記統合管理手段が、前記ICタグの情報によって作業者を管理する
ことを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の育成システム。
【請求項13】
前記各手段が、アラーム手段を有し、
前記各手段の作動に問題が生じた場合、前記アラーム手段によりアラーム情報が生成され、前記アラーム情報が、作業者に送信される
ことを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の育成システム。
【請求項14】
育成対象物が、生物であることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の育成システム。
【請求項15】
前記生物は、藻類である請求項14記載の育成システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−229402(P2011−229402A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−99663(P2010−99663)
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【出願人】(000232092)NECソフト株式会社 (173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【出願人】(000232092)NECソフト株式会社 (173)
【Fターム(参考)】
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