胃腸管内に固定される装置および固定方法
【課題】
【解決手段】本発明は、最小限の侵襲での埋め込みのために構成され、動物の胃腸管腔の少なくとも一部分(119)にしっかりと位置決めして保たれるような寸法とされたアンカ(108)に関する。このアンカは、細長い弾性部材から中心軸(115)の周囲に環状の波状パターンを形成されたラジアルばね(100)を含んでいる。このアンカは、中央の管腔を画定するとともに、外周のまわりでかなりのたわみを可能にしつつ、半径方向外向きの力をもたらす。このアンカは、一般的には着脱可能であるが、周囲の体構造へのさらなる固定のために、針状突起物(640)などの固定具を備えることができる。いくつかの実施形態においては、アンカが、固定されている部位を着脱可能な部位へと接続するコネクタ(1405)を備えている。
【解決手段】本発明は、最小限の侵襲での埋め込みのために構成され、動物の胃腸管腔の少なくとも一部分(119)にしっかりと位置決めして保たれるような寸法とされたアンカ(108)に関する。このアンカは、細長い弾性部材から中心軸(115)の周囲に環状の波状パターンを形成されたラジアルばね(100)を含んでいる。このアンカは、中央の管腔を画定するとともに、外周のまわりでかなりのたわみを可能にしつつ、半径方向外向きの力をもたらす。このアンカは、一般的には着脱可能であるが、周囲の体構造へのさらなる固定のために、針状突起物(640)などの固定具を備えることができる。いくつかの実施形態においては、アンカが、固定されている部位を着脱可能な部位へと接続するコネクタ(1405)を備えている。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
この出願は、2003年12月9日付の米国特許仮出願第60/528,084号および2004年2月13日付の米国特許仮出願第60/544,527号の利益を主張する。上記出願の教示の全体は、参照により本明細書に引用したものとする。
【背景技術】
【0002】
疾病対策センター(CDC)によれば、米国の人口の60パーセント超が太りすぎであり、ほぼ20パーセントが肥満である。これは、米国内の成人のうちの3880万人について、体格指標(BMI)が30以上であるということである。BMIは、その人の体重(単位はキログラム)を身長(単位はメートル)の二乗で除算したものとして定義される。臨床的に病的な肥満と判断されるためには、少なくとも以下の3つの条件のうちの1つに合致していなければならない。すなわち、(i)BMIが35を超えるか、(ii)100ポンドの体重超過であるか、あるいは(iii)「理想的」な体重を100%を超えて上回るかである。体重が350ポンドを超える者について、超肥満という分類も存在する。
【0003】
肥満は、厄介な健康問題である。この過剰な重量の保持にかかわる甚大な負荷ゆえ、各器官に悪影響が及び、神経系および循環系についても同様である。国立糖尿病/消化器・腎疾患研究所(NIDDK)の推定によれば、2000年において、肥満に直接関係する死者が280,000人に上る。さらに、NIDDKは、米国において肥満に関する直接的な医療のコストが、510億米ドルに上ると推定している。さらに、米国人は、1年について330億米ドルを減量に関する製品に費やしている。このような経済的コストおよび消費者の意欲的な関与にもかかわらず、肥満の蔓延は、憂慮すべき速度で広がり続けている。米国において1991年から2000年までに、肥満は61%増加した。米国の問題に限らず、全世界における肥満の範囲も、劇的に増え続けている。
【0004】
医療システムに対する主要なコストの1つは、肥満に関係する合併症から生じている。2型糖尿病が、人口の7.3%に上っている。これら2型糖尿病の人々のうち、ほぼ半分が臨床的に肥満であり、3分の2が肥満に近づいている。他の合併症としては、高血圧症、冠動脈疾患、高コレステロール血症、睡眠時無呼吸症、および肺高血圧症が挙げられる。
【0005】
肥満の生理学および心理学は複雑であるが、その原因はきわめて単純であり、すなわち現代社会において見られるカロリーの過剰摂取と少ないエネルギー消費との組み合わせにあることは、医学的に意見の一致するところである。処置方法は、きわめて直感的に思い至るように思われるが、治療法の確立は、医療科学の最良の努力でさえも悩まされ続けている複雑な問題である。ダイエットは、多くの人々にとって、適切な長期的解決策にはなりえない。ひとたびBMIが30を超えてしまうと、生活習慣を大幅に変えることのみが唯一の解決策である。
【0006】
食べたいという要求を低減することによって摂食の問題に対抗すべく、患者の体の構造を外科的に変えてしまう試みが、これまでに多数存在している。早期に満腹感が得られるよう胃の容積を小さくするための胃サプリング術または胃プラスティー術が、1980年代および1990年代の初期に行なわれた。当初は体重の減少を達成することができたが、減少を維持することはできなかった。理由は完全には明らかにされていないが、いくつかの要因が関係していると考えられている。その1つは、胃が時間とともに伸び広がって体積が増加する一方で、心理的因子に、小さくなった胃袋で完全に飽食するための新しい方法をみつけるように、患者を誘導することにある。
【0007】
現在のところ、体重減少を長期にわたってもたらすことに成功している外科的処置が2つ存在し、それらは、ルー・ワイ(Roux‐en‐Y)胃バイパス手術および十二指腸スイッチ付き胆膵路転換手術(BPD)である。どちらの手術も、胃のサイズを小さくするとともに、栄養素の吸収に利用できる腸の有効長さを短くする。胃のサイズを小さくすることによって、胃の容量および患者の食物摂取能力が小さくなる。十二指腸をバイパスすることによって、脂肪、高糖、および炭水化物に富んだ食物の消化をさらに困難にできる。この手術の目的の1つは、このような食品を摂取したとき、ダンピング症候群を生じさせることで、患者にフィードバックをもたらすことにある。ダンピングは、炭水化物が最初に十二指腸で調整されることなく空腸に直接進入した場合に生じる。結果として、大量の流体が、腸の内壁から食物へと放出される。全体としての効果が、患者に頭のふらつきを感じさせ、深刻な下痢をもたらす。さらに、この手術は、理由は未だ明らかにされていないが、糖尿病に対する迅速な治療効果も有している。
【0008】
生理学的に単純であるように思われる反面、これらの手術の作用について正確な仕組みは理解されていない。現時点での理論は、ふさわしくない食物を大量に摂取したときに、食道への逆流およびダンピングの両者から負のフィードバックがもたらされるというものである。最終的に患者は、これらの両問題を回避するためには、手術後の体の構造によって課される食物に関する制限に従わなければならないことを、学習する。BPD手術においては、空腸の長さの多くがバイパスされて吸収不良が引き起こされ、したがってカロリーの摂取が少なくなる。実際には、BPD手術においては胃のサイズはそれほど小さくされず、従って患者は、吸収の減少を補うために充分な量の食物を摂取することができる。この手術は、長期にわたる吸収不良に関するいくつかの深刻な副作用ゆえ、最も病的な肥満のために留保されている。
【0009】
残念なことに、これらの手術は、大きな代価を伴っている。外科的施術の不完全率の高さが憂慮すべきほどであり、11%が矯正のための外科的介入を必要とする。これらの手術においては、初期の小さな腸閉塞が2〜6%の割合で生じ、死亡率が約0.5〜1.5%になると報告されている。手術は、有効な解決策であるように考えられるが、現在の侵襲的な手術は、これらの厄介な割合ゆえに受け入れられるものではない。これらの手術に腹腔鏡の技術を適用することによって、手術上の厄介事を減らすことができるが、依然として、きわめて病状の悪い患者を高い手術のリスクにさらすこと、および医師にきわめて高いレベルの熟練を要求することにかわりはない。
【0010】
小腸における吸収を低減させるための装置が、提案されている(米国特許第5,820,584号(Crabb)、米国特許第5,306,300号(Berry)、および米国特許第4,315,509号(Smit)を参照)。しかしながら、これらの装置は、今までのところ上手く導入されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
肥満の治療のための医療用の装置の使用において、主要な試みの1つは、胃腸管内に装置を固定することにある。食道、胃、および腸の生まれつきの管腔は、この生まれついての管腔を極力傷つけないような寸法とされている内視鏡および/またはカテーテルなどの配送用装置の直径に比べ、比較的大きな直径を呈している。さらに、体の当該部位の筋肉の自然の収縮が、当該部位に埋め込まれた装置に大きな応力およびひずみを加え、事態を複雑にしている。さらには、腸内の気泡など他の力が腸の直径を局所的にさらに増大させることによって、事態を複雑にする可能性もある。
【0012】
このように、大きくかつ変化しうる直径と筋肉の収縮と組み合わせにより、内部に埋め込んだ装置に脱離が生じる傾向にある。さらには、腸の自然の蠕動収縮が、内部に埋め込まれた装置を、通常の糜粥の通過とともに下流側(遠位側)へと押し流そうとし、あるいは後戻りの収縮ゆえに上流側(近位側)へと押し戻そうとする。
【0013】
管腔内配置など、手術を伴わない埋め込み方法は魅力的であるが、大径の管腔へと取り付けられるべく構成される挿入装置に、さらなる課題をもたらす。これらの装置は、約20〜30ミリメートル(mm)の設置後のための直径を有し、好ましくは、これよりも大幅に小さい開口から挿入される。侵襲が最小限である胃腸管へとアクセスするための技法は、生まれついての体腔を通じての(例えば、経口、経直腸の)挿入である。さらに、管腔への傷を少なくするため、アクセス用チャネルの直径が、管腔そのもの直径よりも小さいことが好ましい。すなわち、腸へのアクセスは、作業用カテーテルの内径、すなわち約12mmの内径に限定されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、カテーテル技術に拠る埋め込みのために構成され、腸などの胃腸管の少なくとも一部分にしっかりと位置して保たれるような寸法とされているアンカを提供することによって、これらの課題を解決する。このアンカは、細長い弾性部材から形成され、そのような弾性部材が中心軸の周囲の環状の波状パターンへと形作られてなるラジアルばねを含んでいる。したがって、アンカは、半径方向外向きの力をもたらしながら、その外周のまわりで大きく撓むことができる。このような撓みは、カテーテル技術に拠る送達を可能にしつつ、追従性をもたらして装置を確実に周囲の体構造へと適合させるために、重要である。
【0015】
環状の波状部材は、自身の中心軸に沿ってアンカの2つの開放端の間に形成される管腔を画定している。埋め込まれたとき、アンカの中心軸は、胃腸管の中心軸に実質的に整列し、糜粥が装置を通過できるようにする。さらに、このアンカ装置は、組織の侵食の可能性を最小限にする充分な柔軟性および追従性を提供することによって、組織への傷を最小限にしつつ、しかも組織に堅固な係止および封止点をもたらす。
【0016】
アンカは、針状突起物、外科用外科用ホチキス、および縫合糸などの機械的な固定具、ならびに/あるいは外科用接着剤などの他の固定具を使用して、体内に着脱可能に取り付けることができる。他の実施形態においては、アンカが、体内に固定して取り付けられる部位を含んでいる。さらに、コネクタを設け、着脱可能部位を前記固定部位へと取り付けるように構成できる。少なくとも1つの用途として、肥満症の治療を含む。さらなる用途としては、腸の障害の治療が挙げられる。これらの用途においては、アンカが、スリーブまたはバリア(障壁)を腸内にしっかりと埋め込むことができるようにする。埋め込まれたとき、スリーブが、腸の当該部位における食物の摂取を阻止するように機能し、かつ/または食物への通常のホルモン応答を引き起こさせる。
【0017】
本発明は、半径方向に圧縮可能な波状アンカを備える胃腸用埋め込み装置に関する。波状アンカは、中心軸の周囲の細長い弾性部材によって形成され、中央の管腔を定めている。弾性部材が、装置の第1の端部と第2の端部との間で、振幅パターンを定めている。波状アンカは、動物の体の胃腸管の生まれついての管腔に挿入されるように、構成されている。中央管腔は、食道、胃、十二指腸、空腸、回腸、および/または結腸などの腸であってよい。
【0018】
いくつかの実施形態においては、波状アンカの振幅パターンが、少なくとも4つの振幅を有している。一般的には、弾性部材は、金属、合金、プラスチック、またはこれらの材料の組み合わせから形成される。例えば、弾性部材は、一般的にニチノールと称されるニッケル‐チタニウム合金など、形状記憶合金を含むことができる。
【0019】
いくつかの実施形態においては、細長い弾性部材が、複数のストランドを含んでいる。さらに、複数のストランドのうちのいくつかが、異なる物理的特性を有してもよい。さらに一般的には、細長い弾性部材が、或る物理的特性を持つ第1の長さ部分と、第1の長さ部分の物理特性と関連した別の物理的特性を持つ第2の長さ部分とを含むことができる。例えば、物理的特性とは、弾性、厚さ、および/または断面形状であってよい。
【0020】
波状アンカの中央管腔は、緩められた状態と圧縮された状態との間で可変である直径を定めている。さらに、アンカの第1の端部と第2の端部とが、或る軸方向の長さによって隔てられている。特に、埋め込まれたときの直径に対する軸方向の長さの比は、少なくとも約1(例えば、30×30mm、または40×40mm)である。緩められた状態(すなわち、埋め込み前)において、長さ対直径の比は、0.8と低くてもよい。いくつかの実施形態においては、緩められた状態の直径が約45mmであり、これが埋め込み時に約30mmへと圧縮される。
【0021】
さらに装置は、波状アンカを胃腸管の生まれつきの管腔へと固定するための造作を備えることができる。例えば、この造作は、波状アンカと生まれつきの管腔との間に形成される干渉を伴う嵌め合いを備えることができる。これに代え、あるいはこれに加えて、前記造作が、機械的な固定具、化学的な固定具、およびこれらの組み合わせを備えることができる。化学的な固定具としては、外科用の接着剤が挙げられ、機械的な固定具としては、針状突起物、縫合糸、外科用ホチキス、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0022】
いくつかの実施形態においては、埋め込み装置が、複数の針状突起物を使用して生まれつきの管腔へと固定される。これらの針状突起物は、装置の一方の端部を巡って配置することができる。さらには、埋め込み装置を、装置の同じ端部または他方の端部を巡って配置される複数の針状突起物をさらに使用して固定することができる。一般的には、それぞれの針状突起物は、一端が装置へと取り付けられ、他端が装置から離れるように延びて生まれつきの管腔の筋肉組織へと係合するような寸法とされている細長い部材を備えている。いくつかの実施形態においては、針状突起物が生物分解性である。そのような生物分解性の針状突起物は、アンカを周囲の組織へと一時的に固定するように機能するため、埋め込みによく適している。その後、分解の後には、アンカが自由に脱離でき、腸への適用においては、自然の蠕動が、第2の外科手術を必要としない体からのアンカの取り出しを助けることができる。
【0023】
さらに、本発明は、上流端に波状アンカを接続して有する非支持の可撓スリーブを使用する処置方法に関する。このスリーブは、動物の体の胃腸管の生まれつきの管腔への埋め込みのために構成されている。
【0024】
さらに、本発明は、動物の胃腸管の生まれつきの管腔へと挿入されるように構成された第1の環状部材、前記第1の環状部材を前記生まれつきの管腔内に固定して取り付けるための固定具、胃腸用の埋め込み物、および前記第1の環状部材と前記胃腸用の埋め込み物との間を着脱可能に接続するためのコネクタを供える胃腸用埋め込み装置に関する。固定具は、機械的な固定具、化学的な固定具、およびこれらの組み合わせであってよい。例えば、機械的な固定具は、1つ以上の針状突起物、縫合糸、外科用ホチキス、およびこれらの組み合わせであってよい。
【0025】
さらには、この胃腸用埋め込み装置は、第2の環状部材を備えることができる。第2の環状部材は、上流端および下流端の間に中央管腔を定める細長いスリーブを含むことができる。コネクタは、第1の環状部材および胃腸用埋め込み物のうちの一方に取り付けられ、第1の環状部材および胃腸用埋め込み物のうちの他方の造作と係合するように構成された締め具であってよい。これに代え、あるいはこれに加えて、コネクタが、磁気による引力によって動作することができる。例えば、コネクタが、第1の環状部材および胃腸用埋め込み物のうちの一方に取り付けられ、第1の環状部材および胃腸用埋め込み物のうちの他方の造作と係合するように構成されている磁石を備えることができる。
【0026】
またさらに、本発明は、胃腸用埋め込み装置を埋め込むためのプロセスに関する。このプロセスは、動物の胃腸管の生まれつきの管腔へと第1の環状部材を挿入するステップを含んでいる。次いで、この第1の環状部材が、前記生まれつきの管腔内に固定して取り付けられる。次に、胃腸用の埋め込み物が用意され、前記第1の環状部材へと着脱可能に接続される。当然ながら、前記第1の環状部材を固定して取り付けるステップは、機械的な固定具、化学的な固定具、またはこれらの組み合わせなどの固定具を用意するステップを含んでいる。例えば、機械的な固定具は、針状突起物、縫合糸、外科用ホチキス、およびこれらの固定具の任意の組み合わせであってよい。
【0027】
いくつかの実施形態においては、胃腸用の埋め込み物が、上流端および下流端の間に中央管腔を定める細長いスリーブなど、第2の環状部材を備えている。
【0028】
着脱可能な接続は、締め具を用意するステップ、前記締め具を前記第1の環状部材および前記胃腸用埋め込み物のうちの一方に取り付けるステップ、および前記第1の環状部材および前記胃腸用埋め込み物のうちの他方の造作を、前記締め具に係合させるステップを含むことができる。これに代え、あるいはこれに加えて、着脱可能な接続は、磁気による引力によって動作するコネクタを用意するステップを含んでいる。このコネクタが、前記第1の環状部材および前記胃腸用埋め込み物のうちの一方に接続され、前記第1の環状部材および前記胃腸用埋め込み物のうちの他方の造作に、磁気によって係合する。
【0029】
本発明の上記の目的、ならびに他の目的、特徴および利点は、添付の図面に示される本発明の好ましい実施形態についての以下のさらに詳しい説明から、明らかになるであろう。添付の図面においては、同一の参照符号は、種々の図の全体を通じて同じ部分を指し示している。図面は必ずしも比例尺ではなく、本発明の原理を説明することに重点が置かれている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下で、本発明の好ましい実施形態を説明する。
【0031】
本発明は、最小限の侵襲での埋め込みのために構成され、動物の胃腸管の少なくとも一部分にしっかりと位置して保たれるような寸法とされているアンカに関する。このアンカは、細長い弾性部材から形成され、そのような弾性部材が中心軸の周囲で環状の波状パターンへと形作られてなるラジアルばねを含んでいる。したがって、アンカが半径方向外向きの力をもたらしながら、外周のまわりで大きく撓むことが可能である。この撓みは、カテーテル技術に拠る送達(例えば、管腔内への)を可能にしつつ、追従をもたらして装置を確実に周囲の体構造に適合させるために重要である。
【0032】
埋め込まれたとき、アンカの中心軸が、胃腸管の中心軸に実質的に整列し、糜粥が装置を通過できるようにする。さらに装置は、弾性を有しかつ腸にぴったりと適合する寸法とされながら、しかも腸の収縮を許容するのに充分な追従性をもつ。さらに、波状のパターンが、アンカを半径方向に大きく圧縮できるようにし、カテーテルの作業用チャネル内へと取り付けできるようにしている。またさらには、刺激を最小限にするため、アンカが呈する腸との接触の表面積が小さい。
【0033】
アンカは、針状突起物、外科用外科用ホチキス、および縫合糸などの機械的な固定具、ならびに/あるいは外科用接着剤などの他の固定具を使用して、体内に着脱可能に取り付けることができる。他の実施形態においては、アンカが、体内に固定的に取り付けられる部位と、着脱可能な部位へと着脱可能に接続されるように構成されたコネクタとを備えている。少なくとも1つの用途として、肥満症および他の腸障害の治療を含む。これらの用途においては、アンカが、スリーブまたはバリアを、腸内にしっかりと埋め込むことができるようにする。埋め込まれたとき、スリーブが、腸のうちのスリーブによって覆われる部位について、食物の摂取を阻止するように機能できる。
【0034】
またさらに、アンカ装置は、充分な柔軟性および追従性を提供することによって組織への傷を最小限にするように設計されている。これにより、アンカ装置は、組織の侵食の可能性を最小限にしつつ、組織に堅固な係止点をもたらす。実際、材料、形状、および/または寸法の少なくとも1つを変化させることによって、アンカ装置の追従性をきわめて容易に変化させることができる。
【0035】
動物の体の胃腸管の生まれつきの管腔へと挿入されるように構成された装置の一実施形態が、図1Aおよび1Bに示されている。装置は、中心軸115の周囲に形成され中央管腔を画定している細長い弾性部材を有するラジアルばね100を備えている。ラジアルばね100は、軸115に沿って隔てられた第1の端部105および第2の端部110を有している。明らかに、弾性部材が、第1および第2の端部105、110の間の振幅パターンを規定している。一実施形態においては、広くアンカ100と称されるラジアルばね100が、相互接続された複数のセグメント、レッグ、またはストラット120’、120’’(総称して120)を含んでいる。例えば、図示のアンカ100は、10本のレッグ120を含んでいる。
【0036】
有益なことに、生まれつきの管腔へと埋め込まれたこの波状アンカが、周囲の生体構造の直径に適応する。緩んだ状態における典型的な直径D1は、成人の腸のサイズを代表する約25〜45mmといった大きな直径の範囲にあることができる。好都合なことに、このラジアルばねは、折り畳みが可能であり、緩んだ状態の直径D1から、約12mmまたはそれ以下である圧縮された状態の典型的な直径D2へと、圧縮することが可能である。生まれつきの管腔内の所望の位置に挿入された後、ラジアルばね100が展張状態へと広がることができるよう、外部からの力を解放することができる。理想的には、ラジアルばね100の展張された状態の直径D3は、ラジアルばね100によって生まれつきの管腔に対し外向きの付勢力がもたらされるよう、緩められた状態の直径D1と圧縮された状態の直径D2の間にある。
【0037】
圧縮された状態にある本発明の実施形態の側面の概略図が、図1Cに示されている。図に示されているとおり、ラジアルばね100の形状が、緩められたばねの状態と圧縮されたばねの状態との間に大きな直径比をもたらすために役立っている。例えば、この直径比は、2対1〜3対1を超えるなど、かなり大きくなることができる。さらに、ラジアルばね100の2つの端部105、110は、緩められた状態においては距離L1によって隔てられ、圧縮された状態においては、わずかに長い距離L2によって隔てられている。アンカの最小長さは、ねじりに対する抵抗力を持っていて、アンカの中心軸を当該アンカが埋め込まれてなる生まれつきの管腔の中心軸に実質的に整列した状態に保とうとするように、選択できる。さらに、アンカの最大長さを、例えば十二指腸上流部に埋め込まれたときに胆管の開口を塞ぐことがないよう、アンカが必要以上に長くないことを確実にするように選択できる。緩められた状態の典型的な長さL1は、約1〜2インチの範囲であってよい。いくつかの実施形態においては、L1が、約1.25〜1.5インチの間である。さらには、この波状のアンカを、一端が他端よりも大きくなる(例えば、上流側の開口が下流側の開口よりも大きい)ように先細りにすることができる。このような先細りは、上流側へと移動しようとする装置にいくらかの抵抗力をもたらし、上流側に配置される針状突起物の、周囲の組織との係合を強力にする。このように、十二指腸に埋め込まれるアンカにおいて、先細りの形状は、幽門を通過して胃へと入ろうとする移動に対する抵抗力を、アンカにもたらす。
【0038】
ラジアルばねの外向きの力は、寸法および使用される材料によって制御可能である。いくつかの用途においては、ラジアルばね100が、胃腸管内に医療用の装置を固定するためのアンカを提供する。例えば、アンカを、供給チューブを固定するために使用することができる。腸内への挿入を意図した用途など、いくつかの用途においては、膨張力が、アンカ100を常に腸の管腔と連係した状態に保つために充分でありながら、周囲の組織に大きな刺激をもたらすほどには大きくない。さらに、アンカの膨張力が小さいほど、装置による組織の侵食が少なくなる傾向にある。
【0039】
アンカ100の追従性は、使用されるフィラメントまたはワイヤの結節点の数(ピッチ)および直径によって選択可能である。一般に、振幅パターンに含まれている結節点が多くなると、装置はより追従性がよくなる。さらに、フィラメントまたはワイヤの直径が大きくなると、装置の追従性が悪くなる。レーザ・カット装置など、いくつかの実施形態においては、ワイヤ(例えば、矩形の形状である)の幅および厚さの両者を変化させることができる。したがって、全体としての装置の追従性を、少なくとも波状パターンならびにワイヤ形状および/またはワイヤ直径から、決定することができる。いくつかの実施形態においては、ラジアルばねが、直径が0.012〜0.020インチのワイヤおよび少なくとも5つの結節点を使用する。
【0040】
波状アンカ200の一実施形態の斜視図が、図2Aに示されている。波状アンカ200によって画定される中央の管腔が、z軸215に整列している。波状パターンが、おおむね、z軸215から所定の半径方向の距離にある仮想の円筒に沿って形成されている。波状の形状は、z軸215に沿った最大値および最小値の間で延びている。見てのとおり、波状アンカ200は、図示の5つの結節点など、複数の結節点を備えることができる。一般的には、3つ以上の結節点が、中央の管腔を画定するために使用される。さらに、図示のとおり、波状アンカ200を形成している部材の両端を、接合部225において接合することができ、あるいは他の方法で一体に連結することができる。溶接、接着、機械的なクリンプ、締め付けスリーブ、およびこれらの組み合わせを、接合部225を形成すべく使用することができる。
【0041】
波状アンカ200は、中実ワイヤの単ストランド(より線の1本)など、ただ1本のフィラメントから形成することができる。あるいは、波状アンカ200を、複数撚りのワイヤなど、複数のフィラメントから形成することができる。さらには、複数撚りのワイヤの個々のストランドを、異なる物理的特性(例えば、直径、弾性)を有するように選択することができる。このようにして、波状アンカ200の全体としての追従性および弾性を、種々の特性を有する個々のストランドを選択して組み合わせることによって、制御することができる。さらに、波状アンカ200を、波状パターン全体を形成する連続的な部材(典型的には、細長い部材の両端を接続する接続部を1つ有している)から形成でき、あるいは互いに接続されて一体となって波状パターンを形成する複数のセグメントから形成できる。
【0042】
ワイヤおよび/またはフィラメントは、生体適合性の任意の弾性材料から製作することができる。例えば、材料は、金属、合金、プラスチック、およびこれらの材料の組み合わせであってよい。いくつかの実施形態においては、材料が、ステンレス鋼などのばね用金属である。他の実施形態においては、材料が合金である。好ましくは、合金は、大きな力の印加および大きな運動に耐えることができ、そのような大きなひずみから復帰することができる超弾性合金である。
【0043】
超弾性合金の一例は、一般的にニチノールと称されているニッケル‐チタニウム(NiTi)化合物である。或る特定の実施形態においては、波状アンカ200が、約0.012インチ〜約0.020インチの直径を有する1本のニチノール・ワイヤから作られている。膨張力が、装置を体構造の局所にしっかりと固定するために充分でない可能性があるため、いくつかの実施形態は、係止のための造作を備えている。例えば、図2Bを参照すると、いくつかの係止具255が、波状アンカ200に組み合わせられている。このようにして、体へとしっかりと固定されて保たれるという波状アンカの能力が、フックおよび/または針状突起物255の追加によって向上する。
【0044】
図3A〜3Dは、5つの結節点を有する波状パターンの他の典型的な実施形態の概略図である。図3Aにおいては、波状パターンが正弦波状であり、装置の長さの2分の1である最大値(すなわち、+L/2)から、長さのマイナス2分の1である最小値(すなわち、−L/2)まで、z軸に沿って延びている。図示のとおり、このパターンが、装置の直径の半分(すなわち、D/2)に等しい半径を有する仮想の円筒に沿って、2πラジアンの円周距離にわたって続いている。図3Bは、交互のピッチの直線セグメントによって形成される振幅パターンを示しており、隣接するセグメントが、それらの端部において曲線セグメントによって互いに接続されている。図3Cは、交互のピッチの隣接直線セグメントによって形成される同様の振幅パターンを示しているが、ここでは、隣接するセグメントが、それらの端部において誇大な曲線セグメントによって互いに接続されている。このような誇大な曲線セグメントは、装置の端部が直面する応力を低減でき、材料の疲労の可能性を少なくすることができる。最後に図3Dを参照すると、装置の一実施形態が、交互のピッチの複数の実質的に直線状のセグメントを備えており、ここでは、隣接するセグメントがループを使用して一体に接続されている。ループは、各結節点において細長い部材をπラジアンを超えて曲げることによって、形成することができる。
【0045】
好都合なことに、ワイヤから形成されたアンカ装置は、製造が簡単である。例えば、装置を、図2および3に示した環状の波のいずれかへと作り上げた1本のニチノール・ワイヤから形成することができる。ワイヤの両端を、連続的なワイヤ構造を形成すべく接合でき、あるいは他の方法で一体に固定することができる。例えば、ワイヤの端部を、溶接、接着、機械的なクリンプ、締め付けスリーブ、およびこれらの組み合わせを使用して、一体に接合することができる。明らかに、形状、材料の選択、および装置の構成によって当初の形状および寸法を失うことなく、かなりの変形量で装置を半径方向に圧縮することができる。例えば、装置は、最大約45mmになる成人の腸の直径など、きわめて大きい直径D1にすることができ、一方、半径方向の圧縮または12mm以下の小さな直径D2を有する送達システム内へ詰め込みを好都合にすることができる。さらに、この装置によってもたらされる半径方向の力を、当該装置を構成するワイヤの直径によって制御することが可能である。
【0046】
図4は、アンカが医療用の装置に取り付けられてなる本発明の実施形態の側面概略図を示している。この典型的な実施形態において、医療用の装置は、細長いスリーブである。図示のとおり、波状アンカ415の上流端が、周囲に波状の形状を形成して有する環状のリングを形成している。好ましくは、アンカ415の近傍のスリーブの材料が、このアンカ415の形状に一致するように切り込まれている(例えば、「チューリップ」状の端部を形成している)。このような構成は、スリーブ400の上流端におけるシールの形成を容易にするとともに、たわみを伴うアンカ415の独立した運動を可能にする。すなわち、種々の「チューリップの花弁」からなる上流端が、スリーブ材410がそれらを拘束しないため、独立してたわむことができる。さらには、据え付け時、このチューリップ状の上流端が、胃腸管に埋め込まれたときに、その全周に沿って確実なシールを形成する。好都合なことに、このようにあつらえられた取り付けによれば、食物が背後に回り込みうる非支持の材料が、装置の縁の間に残されることがない。
【0047】
一般に、胃腸用埋め込み装置であるスリーブ装置400の上流端は、体内への可逆な固定のために構成される。しかしながら、スリーブ装置400は、当該装置が配置される開口を支持するものではない(すなわち、ステントではない)ため、大きな膨張力を必要としないことは明らかである。したがって、スリーブ装置400は、少なくとも1つのアンカ装置または固定装置415を、スリーブ400に取り付けて備えている。上流側スリーブ・アンカ415の目的は、主として、スリーブ400を所定の位置に保持することにある。加えて、アンカ415は、スリーブ410が確実に体構造の局所に対する流体シールとして作用するように、いくらかの半径方向の力をもたらす。このようなシールは、腸に対する用途において特に重要である。腸においては、糜粥の流れをスリーブ装置400の管腔内にとどめ、糜粥が装置の周囲を通過する可能性を低減または排除することが望まれる。有利なことに、胃による推進力が、糜粥をスリーブ装置400内へと押し込むように機能し、糜粥の大部分が装置へと進入することを確実にする。
【0048】
図示のとおり、アンカ装置415をスリーブ410へと、スリーブ410の上流端において固定することができる。スリーブ材をアンカ415へと、機械的および/または化学的な接合によって、溶接によって、さらには/あるいは縫合糸などの他の機械的な固定具を使用して、取り付けることができる。いくつかの実施形態においては、アンカ415が、スリーブ410の内側層と外側層との間に挟みこむことによって、スリーブ410へと固定される。すなわち、いくつかの実施形態においては、スリーブ410の材料が、アンカ装置415の半径方向外側を巡って広がっている。このようなやり方で、装置400の上流端から測定して長さL2まで、材料を折り返すことができる。一般に、長さL2は、アンカ415の軸方向の広がりL1よりも大である。好都合なことに、材料410の二重層が、アンカ415の下流端から下流方向に測定して距離L3だけ伸びている。重なり合った材料410を、重なり合いの端部420の付近において一体に固定することができる。例えば、2つの層を、中間線420に沿って一体に縫い合わせることができる。あるいは、2つの層を、同じ線420に沿って化学的に、あるいは熱によって一体に接合することができる。
【0049】
一般に、スリーブは支持されておらず、刺激または腸の通常の機能への影響が最小限であるように選択された材料特性を有している。すなわち、スリーブ材料410は薄く、軽量であり、柔軟であり、かつ生体適合性である。たとえば、スリーブ410を、ウレタンおよび/またはシリコーン・ゴムなどのエラストマー材料から形成することができる。あるいは、スリーブ410を、フッ素重合体および/またはポリオレフィンなどの実質的に非エラストマーの材料から形成することができる。フッ素重合体のいくつかの例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、パーフルオロアルコキシ(PFA)、エチレン‐テトラフルオロエチレン(ETFE)、およびポリフッ化ビニリデン(PVDF)が挙げられる。ポリオレフィンのいくつかの例としては、ポリエチレンおよびポリプロピレンが挙げられる。腸内スリーブ410は、好ましくは、薄肉であって支持されておらず、外部からの最小限の圧力で折り畳みうる柔軟な材料で作られている。したがって、この非支持の薄肉材料は、もとより折り畳み可能な状態にあり、スリーブ410の管腔内に圧力が形成されるだけで広がる。いくつかの実施形態においては、スリーブ材料の厚さは、約0.001インチ未満である。スリーブは、好ましくは、約0.3未満の摩擦係数を有する低摩擦材料から形成される。より好ましくは、摩擦係数が、約0.2未満である。摩擦係数が小さいことで、体内へのスリーブ410の挿入が容易になり、さらに糜粥の通過が容易になる。
【0050】
明らかにこの設計にはストラットのネットワークが存在しておらず、周囲の組織へと加わる実質的な力は、ワイヤそのものの外表面の面積に沿う力のみである。例えば、直径0.016インチのワイヤで形成され、1インチの長さL1および約1.8インチの直径D1を有している結節点が5つの正弦波状アンカは、約0.224平方インチの表面積を呈する。これは、アンカ415に接し、あるいはアンカ415によって何らかの影響を受ける組織(すなわち、ワイヤ・アンカに接触する組織のみ)の表面積を、典型的なステント式の装置に比べて劇的に低減する。したがって、このアンカが腸の上部にファーター乳頭部124(図6)に近接して埋め込まれた時、たとえスリーブ410がファーター乳頭部124を横切って上方を延びても、中身を十二指腸へと出すファーター乳頭部124が、このアンカによって妨げられる可能性がきわめて少ない。より長く、よりステント状である装置は、ファーター乳頭部124を覆うように位置して、これを妨げる可能性がより高い。さらに一般的には、スリーブを、胃腸管内の他の位置に係止してもよい。例えば、スリーブを腸内へと延ばしつつ、アンカを胃の中に配置することができる。これに替え、あるいはこれに加えて、スリーブをファーター乳頭部124の下流において十二指腸に係止でき、あるいは空腸または回腸など、腸のさらに遠方の部位に係止することができる。
【0051】
このような軽量な材料は、上流方向へと逆流しやすい。いくつかの場面において、還流は、材料410の一部分がアンカ415の上流端を超えて延びることにつながる。この状況は、腸の下流側において生じる背圧からもたらされ、通常は望ましくない。有利なことに、上述の重なり合いが、このような還流に抗するため、スリーブ410の上流端においてさらなるひずみ緩和をもたらす。
【0052】
上流側のアンカを含む非支持のスリーブの上流端の一部の断面が、図5A〜5Cに示されている。上流側のアンカ450を、スリーブ材料410の2つの層の間に挟むことができる。図示のとおり、スリーブ410の上流端を、内部にアンカ450を事実上囲んで、自身の上へと折り返すことができる。スリーブ455の二重層を延長し、アンカ450の下流端から下流方向へと延びる所定の長さにわたって続けることができる。このような二重層は、追加のひずみ緩和をもたらすことができる。このスリーブ構成を固定するため、2つの層410、455を一体に張り合わせることができる。例えば、層410、455を、縫合、外科用ホチキス、ならびに/あるいは化学的または熱的な接合部材420を使用して、張り付けることができる。図5Bに示した他の実施形態においては、スリーブ410を、3つ以上の層455を形成するように折り畳むことができ、二重層よりもさらに大きな支持および剛性をもたらすことができる。またさらに、図5Cに示すように、スリーブ410を、支持部材460の周囲へと折り畳むこともできる。
【0053】
次に図6を参照すると、本発明の胃腸用組み込み装置の一実施形態が、動物の体の胃腸管の生まれつきの管腔へと埋め込まれて示されている。この典型的な埋め込みにおいては、アンカ108が、非支持の可撓スリーブ110を、十二指腸の内部に係止している。詳しくは、アンカが、幽門105のすぐ下流側に位置する十二指腸球部119に配置されている。十二指腸球部119において係止を行なう少なくとも1つの利点は、十二指腸106の他の部分に比べて運動が比較的少ない点にある。さらに、十二指腸球部119の運動は、収縮および直線移動というよりはむしろ、限られた収縮となる傾向にある。またさらに、十二指腸球部119の周囲の筋肉組織は、比較的厚さが大きく、幽門105から離れるにつれて薄くなり、アンカ108の取り付けを容易にしている。厚い組織は、針状突起物を使用するアンカにおいて特に好都合である。
【0054】
十二指腸球部119における係止からもたらされる少なくとも1つの利点は、幽門105が、通常どおり開閉できるという点にある。すでに述べたように、アンカ108の長さは、ファーター乳頭部124が妨げられることがないよう、最小限である。平均的な成人において、幽門105とファーター乳頭部124との間のこの距離は、少なくとも約2インチである。したがって、アンカ108の長さは、好ましくは約2インチ未満である。さらに、すでに述べたように、スリーブ110の胃102への逆流に抗するべく幽門105の下流側に当接してストッパとして機能するフレアを、アンカ108の上流端に設けることができる。このフレアは、胃102からアンカ108およびスリーブ110の中心へと糜粥を導くうえでも役に立つ。またさらに、このフレアは、上流側に位置する針状突起物と周囲の組織との係合を強化するうえでも役に立つ。
【0055】
図7は、生まれつきの管腔へと挿入された本発明の胃腸用組み込み装置の一実施形態のさらに詳細な縦断面図である。一般に、生まれつきの管腔610は、腸600などの中空の器官の内部に形成されている。腸600の断面は、いくつかの異なる層を含んでいる。例えば、腸600は、食物の通過を助けるための筋肉組織を含む筋肉層605を備えている。さらに、腸は、粘膜層615を管腔の内表面に沿って備えている。腸において、粘膜層615は、緩い組織で形成された粘膜の層である。図4に示したものと同様の胃腸用埋め込み物620が、腸600内に固定されて示されている。すなわち、胃腸用埋め込み物620は、波状アンカ630を細長いスリーブ625の上流端に接続して有している。胃腸用埋め込み物620の上流端は、複数の針状突起物を少なくとも2つの層に配置して備えている。すなわち、アンカ630の上流端の付近に位置する針状突起物640’、640’’(総称して640)の上流層、および針状突起物645’、645’’(総称して645)の下流層である。いくつかの実施形態においては、下流側の針状突起物645が、アンカ630の下流端の近くに位置している。他の実施形態においては、下流側の針状突起物646’、646’’(総称して646)が、アンカ630の上流端により近く位置しており、上流側の針状突起物640よりもわずかに下流側であってもよい。図示のとおり、針状突起物640、645は、好ましくは粘膜層615を貫いて筋肉層605へと延びているが、筋肉層605を貫通してはいない。
【0056】
さらに詳しくは、次に図8Aを参照すると、針状突起物740、745を波状アンカ730へと直接取り付けることができる。例えば、1つ以上の針状突起物740、745を、波状アンカの1つ以上のレッグまたはストラット730へと固定することができる。針状突起物740、745を、溶接、接着、またはクリンプ手段によって、ストラット730へと固定することができる。さらには、針状突起物740、745を、締め具または添え継ぎなどの機械式の固定具700を使用して、ストラット730へと固定することができる。いくつかの実施形態においては、針状突起物740、745を、ストラット730に連続に形成することができる。これに代え、あるいはこれに加えて、針状突起物740、745を、ストラット730上に成型することができる。例えば、針状突起物を、第1の材料を支持ストラット730上へと射出成型することによって形成できる。針状突起物を、完全に形成したアンカ730上へと射出成型してもよく、さらには/あるいはワイヤなどの基材上へと射出成型し、これをその後にアンカ730へと形成してもよい。そのような射出成型技法は、第1の材料からなる分解性の針状突起物を、ステンレス鋼またはニチノールなどの第2の材料から形成された支持アンカ730へと形成すべく、適切にアレンジされる。例えば、分解性の針状突起物を、ポリラクチド(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、および/またはポリパラジオキサノン(PDS)から形成することができる。好都合なことに、分解性の材料の構成に応じて、それらを所定の期間の埋め込みの後に分解されるように形成できる。いくつかの実施形態においては、多数の針状突起物740、745(例えば、80本の針状突起物)が、波状アンカの周囲に設けられる。
【0057】
いくつかの実施形態においては、針状突起物740、745が、アンカ730の中心軸を含む平面内に位置している。すなわち、針状突起物が、軸方向の成分および半径方向の成分を含むが、横方向の成分は含まずに、外向きに延びている。あるいは、針状突起物が、横方向の成分を有する方向へと、中心軸から外向きに延びてもよい。例えば、針状突起物が、中心軸に直交する平面内に事実上位置してもよい。横方向の成分を有する針状突起物は、中心軸を中心とするアンカのねじれを防止することができる。
【0058】
針状突起物740、745を、形状記憶合金または超弾性材料から製造することができる。例えば、針状突起物を、約0.016〜0.025インチの間の直径を有するニチノール・ワイヤから形成できる。あるいは、針状突起物740、745を、ステンレス鋼などの剛であると同時に弾性の材料から、形成することができる。好ましくは、針状突起物740、745は、周囲の腸の壁へと貫入するが、貫通はしないように設計される。したがって、針状突起物740、745の露出長さは、用途に応じて管理される。例えば、腸の上流部分に配置される場合には、針状突起物740、745は、約3mmの長さであって、装置から外向きに約45°の角度で約2mmの高さ(すなわち、貫入深さ)まで延びている。これにより、針状突起物740、745が確実に腸の粘膜層を貫通し、下層の組織へと取り付くようにされる。
【0059】
針状突起物740、745のそれぞれの角度も、所望される効果に応じてさまざまであってよい。いくつかの実施形態においては、上流側の針状突起物740が、アンカ装置630から上流方向に延びる一方で、下流側の針状突起物745は、アンカ装置630から下流方向に延びている。角度は、それぞれの針状突起物740、745の軸と波状アンカの表面との間の角度として定義される。いくつかの実施形態においては、下流側の針状突起物745が第1の角度θ1を形成する一方で、上流側の針状突起物740が第2の角度θ2を形成する。いくつかの実施形態においては、第1の角度がθ1=10°などの浅い角度であり、第2の角度がかなり急峻である(例えば、90°に近い)。他の実施形態においては、両方の角度が約45°である。角度の他に、針状突起物の高さh1、h2も、周囲の組織へのそれぞれの貫入深さを左右する。例えば、腸への適用においては、腸の外表面に孔を開けることなく腸の筋肉層へと貫入するため、約2mmの高さが好ましい。
【0060】
下流側の針状突起物745の1つの先端のさらに詳細な概略図が、図8Bに示されている。明らかに、針状突起物745の端面は、所定の形状に形作ることができる。例えば、針状突起物の先端760は、丸くてよく、先細りでよく、さらには/あるいは尖っていてもよい。さらには、針状突起物の先端760が、図示のように方向性を持って尖っていてもよい。すなわち、針状突起物745の軸と針状突起物745の端面との間に形成される角度αを、先頭の縁755において鋭い形状をもたらし、後方の縁760において鈍い形状をもたらすように選択できる。このようにして、下流側の針状突起物745が上流方向へと移動しても、生まれつきの管腔の表面を貫くことがなく、一方、下流方向に移動すると、先頭の縁755が生まれつきの管腔の組織を貫こうとすることになる。このような方向性の形状によって、所望の位置への装置の埋め込みを助けることができる。すなわち、装置を、まずは所望の位置よりも遠方へと配置し、次いで上流側へと所望の位置まで引き寄せ、最後に再び下流側へと押して、下流側の針状突起物745を組織の中へと設置することができる。
【0061】
図8Cおよび8Dは、生まれつきの管腔内へと挿入された本発明の一実施形態の概略図である。一般的には、埋め込みの際、下流側の針状突起物がまず設置される。圧縮された状態の装置が管腔内の所定の位置へと挿入され、下流側の針状突起物が管腔の組織に接触できるよう、アンカの下流端が解放される。次いで、上述のように、装置を管腔の軸に沿って下流側へと動かすことで、下流側の針状突起物745が組織750へと挿入される。ひとたび設置されると、アンカの上流端が、圧縮された状態から解放され、上流側の針状突起物が、周囲の組織750へと貫入できるようになる。針状突起物の動きが、管腔の表面に対して実質的に垂直であるため、この大きな角度によって針状突起物が事実上の直角で表面組織へと接近する。ひとたび埋め込まれると、針状突起物740、745が、装置を周囲の組織750へと固定すべく機能し、管腔に沿った軸方向の動きに抗するとともに、管腔が半径方向に膨張する際にもアンカを固定する。
【0062】
このアンカ装置を取り去るためには、これを上流端において把持して、半径方向に折り畳むことができる。さらに、半径方向に畳んだアンカ装置そのものを、除去用のスリーブまたはカテーテルへと引き込むことができる。このように、装置の上流端が半径方向に折り畳まれるため、より垂直に近い上流側の針状突起物740を、組織750から取り去ることが容易である。ひとたび上流端が畳まれると、装置を上流側へと引っ張ることができ、下流側の針状突起物745の角度が小さいことにより、下流側の針状突起物745を組織750から滑り出させることができる。いくつかの実施形態においては、上流側および下流側の針状突起物740、745が、実質的に同じ角度を有して形成される。
【0063】
いくつかの実施形態においては、針状突起物が、図8Eに示されているものなど、周囲の体構造の組織を把持するためのフック770、775を備えている。フック770、775は、アンカの1つ以上のレッグ730へと取り付けることができる。例えば、フック770、775を、装置のレッグ730の1つ以上へと、溶接、接着、またはクリンプすることができる。図示のように、フック770、775を、クリンプ・スリーブ760を使用してレッグ730のうちの1つへと取り付けられたワイヤからなるただ1つのフィラメントから形成できる。このように、フック770、775およびアンカそのものについて、異なる材料を使用することができる。あるいは、フックを異なる材料から形成し、各フックを別個にレッグ730へと取り付けてもよい。
【0064】
いくつかの実施形態においては、フック770、775を、ニチノール・ワイヤなどの形状記憶材料から製造できる。好ましくは、形状記憶合金は体温で相転移するように設定される。したがって、フック770、775を挿入に先立って冷却し、周囲の体構造の組織へと貫入すべく実質的に直線状に構成することができる。次いで、組織へと挿入されると、結果として体温による温度上昇により相転移を引き起こし、フック770、775の形状が、組織を把持するためのフック状へと再形成される。取り外しのためには、体構造をフック770、775の領域において体温を下回るように、したがって相転移温度を下回るように冷却でき、フック770、775を再び直線状にすることで、組織からの取り出しを容易にすることができる。例えば、フック770、775を、体への設置および体からの取り出しのために軟化させるため、冷水の注入によって冷却することができる。さらには、フック770、775が、送達の際に平坦にされ、解放されたときに弾性によって組織へと進入するニチノールの超弾性ワイヤであってもよい。
【0065】
形状記憶の場合、体内へと容易に挿入できるように、それらは室温下では折り畳まれて平坦である。フックは、体温において、組織への係止のための形状をとる。超弾性の場合、それらは平坦であるように押し付けられて、挿入のためのチューブの中に配置され、この送達用のチューブから押し出されたときに、アンカが弾性によって形をとる。展張前の針状突起物、展張された針状突起物および送達のために折り畳まれたシステムはそれぞれの形状を示す。
【0066】
図9は、波状のアンカ920を細長いスリーブ910の上流端に接続して備えている本発明の他の実施形態のスリーブ装置900の側面概略図である。いくつかの実施形態においては、固定装置940’、940’’が、必ずしも上流側のアンカ920においてではなく、スリーブ910に設けられている。例えば、図9に示されているように、スリーブ装置900が、波状アンカなどの第1のアンカ装置920を上流端に有する可撓スリーブ910を備えている。いくつかの実施形態においては、波状アンカ920が、自身が周囲の組織へと加える半径方向の力に依存することによって、胃腸管内において自身の位置を維持することができる。あるいは、波状アンカ920が、装置900の上流端をさらに固定するため、図8A〜8Eに関して上述したものと同様の複数の針状突起物930など、1つ以上の係止部材を備えることができる。
【0067】
追加の係止部材940’、940’’は、可撓スリーブ910に沿って、波状アンカ920とは別個に配置することができる。例えば、係止帯940’、940’’(総称して940)を、スリーブ910に取り付けることができる。それぞれの係止帯が、1つ以上の針状突起物を含んでいる。例えば、係止帯940は、複数の針状突起物を、係止帯940に沿って直線状に配置して備えることができる。
【0068】
図10Aおよび10Bは、スリーブ針状突起物940の一実施形態のさらに詳細な概略図である。係止帯1000が、取り付け枠1010および複数の針状突起物1020を備えており、針状突起物1020のそれぞれが、一端において枠1010に接続されている。好ましくは、帯1000は、追従性を有し柔軟である。例えば、帯1000を、ニチノールなどの形状記憶材料またはステンレス鋼からなり、所望の柔軟性が確保されるように選択された厚さ「t」を有している薄い帯から形成できる。いくつかの実施形態においては、針状突起物1020を取り付け枠1010へと、機械的な固定具、溶接、および/または化学的な接合によって取り付けることができる。他の実施形態においては、針状突起物1020を、帯1000の材料から形成することができる。例えば、三角形などの形状を帯1000へと切り込み、次いでそれらの三角形を、埋め込まれたときに周囲の組織に係合するよう、帯から外向きに曲げることによって、針状突起物を形成できる。係止帯1000の柔軟性を確保するため、帯1010の縁から針状突起物の縁まで測定した幅「W2」を含む帯の幅「W1」は、最小限の寸法に抑制される。
【0069】
いくつかの実施形態においては、一方向への移動を防止するため、帯1000のすべての針状突起物1020が同じ方向を向いている。このようなやり方で、針状突起物1020を備え、すべての係止部材1000が実質的に同じ方向に整列した状態で、複数の係止部材1000を1つのスリーブ910に取り付けることができる。あるいは、いくつかの針状突起物1020が1つの方向に整列する一方で、他の針状突起物1020が他の方向に整列するように、複数の係止部材1000の向きが異なっていてもよい。他の実施形態においては、どちらの方向への動きも防止するため、針状突起物が帯1010の表面に対して実質的に垂直に形成されている。
【0070】
あるいは、図11Aおよび11Bに示したように、同じ帯において、針状突起物が異なる向きを備えて形成されてもよい。すなわち、アンカ装置1100が、第1の方向を向いた第1の針状突起物1120と別の(たとえば、反対の)方向を向いた第2の針状突起物1130とを含んだ取り付け帯1110を備えている。
【0071】
他の実施形態においては、図12Aおよび12Bに示されているように、係止帯1200を、ポリマーなどの成型可能な材料から形成された取り付け帯1210を有して形成することができる。このやり方で、1つ以上の針状突起物1220を、それ自身が帯1210へと係止される一部分を備えることによって、取り付け帯1210に取り付けることができる。例えば、図示のように、針状突起物1220をワイヤの一セグメントから、ワイヤ・セグメントの第1の部位が取り付け帯1210へと埋め込まれる一方で、ワイヤ・セグメントの第2の部位が、埋め込まれたときに周囲の組織に係合するように構成されて、取り付け帯1210から突き出すように、形成できる。
【0072】
波状の設計の利点は、きわめて広い範囲の直径にわたってきわめて平坦な追従曲線を有するアンカを形成できる能力にある。一般的に、図13を参照すると、典型的な追従曲線が、種々の装置が半径方向に圧縮されたときにもたらす半径方向の力を示している。これは、腸が収縮したときでも、組織に対する力がほぼ一定であることを意味している。このように追従性のある装置は、周囲の組織にあまり傷つけない。上述のばね状アンカの典型的なばね定数は、メッシュ式のステントに比べ一桁小さい。さらに、波状アンカのもたらすばね定数は、チューブから作られた典型的なニチノール・ステントの約半分である。さらに、市販のステントの運動の範囲が、約0.5インチ未満であるのに対し、波状アンカは、最大約1.5インチの範囲において、ほぼ平坦な追従曲線に応じた動作が可能である。公知のステント、および波状アンカを含む他のいくつかの装置について、典型的な試験結果を表1に提示する。
【0073】
【表1】
【0074】
用途に応じ、医療用の装置(例えば、胃腸用埋め込み装置であるスリーブ)を体から定期的に取り出す必要が、ときにはあるかもしれない。腸内スリーブは例えば、腸に材料との接触からの休息期間をもたらし、より長いスリーブまたはより短いスリーブによって治療を調節し、さらには/あるいは使用寿命が過ぎる前にスリーブ材料を交換するために、定期的に取り出されるかもしれない。挿入、取り出し、および再挿入を容易にするための追加の手段として、2部構成のアンカが、体内へと固定して取り付けられる第1の部位と、第1の部位に着脱可能に係合するように構成された第2の部位とを備えている。したがって、第1の部位すなわち恒久アンカを、患者の体内に固定して取り付ける(すなわち、埋め込む)ことができる。これにより、恒久アンカを、機械的および/または化学的な固定具を使用して患者へと固定することができる。さらには、恒久アンカを、恒久アンカを体内に固定すべく組織の進入成長を促進するように、構成することができる。
【0075】
次いで、第2の固定具を、医療用装置を恒久アンカへと着脱可能に係合させるために使用することができる。例えば、図14Aおよび14Bに示されているように、第2の固定具がコネクタであるクリップ1405を備えることができる。このような設計によれば、医療従事者が、医療用の装置をその位置へと容易に固定する(例えば、「カチリ」と嵌める)ことができ、かつ/またはその位置から容易に取り外すことができる。さらには、腸内スリーブなどの装置が万一にも閉塞した場合、スリーブが脱離して患者の体内を通過できるようにして、生じうる破滅的な結果を回避することが、好都合であろう。したがって、いくつかの実施形態においては、固定手段に作用する線形力が周囲の組織への害を防止するためのしきい値を充分に超えて増加したときに、固定手段が解放される。このようにして、恒久アンカがその位置に残る一方で、固定手段は、約2ポンドなどの所定の力において、壊れて外れるように設計される。ひとたび装置が壊れて外れると、新たな装置を受け入れるべく恒久アンカをその位置に残しつつ、壊れた装置を引き戻す(例えば、食道を通じて)ことができ、あるいは通常は腸管を通して通過させることができる。
【0076】
コネクタであるクリップまたは締め具1405は、少なくとも一部がばね部材1410によって規定されるループによって形成できる。さらにループは、ばね部材1410を撓ませることによって広げることができる開口1415を備えている。好ましくは、開口1415は、ばね部材1410が撓んでいない通常時には、閉じている。このようにして、スリーブなどの対になる装置の造作を、締め具1405へと挿入し、上述のとおりスリーブを恒久アンカ1400に固定することができる。例えば、スリーブの上流端に、波状アンカの結節点によって形成されるループなど、1つ以上のループ1420を備えることができる。取り外し時には、1つ以上のループ1420を締め具1405から引き出し、スリーブを恒久アンカ1400から分離させ、体から取り出すことができる。恒久アンカ1400は体内に残され、同様のやり方で再び使用することができる。他の実施形態においては、着脱可能な装置が、恒久アンカ1400のループなどの造作に係合するように構成された1つ以上の締め具を備えている。
【0077】
他の胃腸用埋め込み装置の実施形態においては、2部構成のアンカを、コネクタである磁気留め具を使用して一体に固定することができる。例えば、恒久アンカに、1つ以上の磁石を備えることができる。第2の着脱式のアンカに、磁気的に引き付けられる対応する造作を、恒久アンカの1つ以上の磁石へと付着するように構成して備えることができる。これにより、恒久アンカと着脱可能アンカとが、磁石による引力によって着脱可能に一体に接続される。代案としては、着脱可能なアンカに1つ以上の磁石を備え、恒久アンカに磁気的に引き付けられる対応する造作を備えることができ、これら2つのアンカが、磁石による引力によって着脱可能に一体に接続される。またさらには、恒久アンカおよび着脱可能アンカのそれぞれを、磁石および磁気的に引き付けられる造作の両者を他方のアンカの対応する造作に磁気的に結合するように構成して備えるように構成できる。
【0078】
図15A〜15Eに示されている一実施形態においては、第1のアンカ・コンポーネント1500を、上述の手段のいずれかを使用して、胃腸管の内部管腔へと固定することができる。第1のアンカ・コンポーネント1500は、第1および第2の磁石1505’、1505’’を備えている。第2のアンカ・コンポーネント1510を、細長いスリーブなどの医療用装置に固定することができる。第2のアンカ・コンポーネント1510は、磁気的に引き付けられる第1および第2の造作1515’、1515’’を備えている。2つのアンカ・コンポーネント1500、1510は、図15Cに示すようにお互いの近くへともたらされたとき、上述のとおり磁気によって一体に接続される。接続されたアンカ1500、1510の側面図および端面図が、それぞれ図15Dおよび15Eに示されている。
【0079】
いくつかの実施形態においては、波状アンカが、ワイヤまたはケーブル撚線から形成される。他の実施形態においては、図16および17に示すように、波状アンカを、筒状の素材から切り出すことができる。例えば、波状アンカを、ニチノールの筒からレーザ・カットで切り出すことができる。好都合には、波状パターンを、同じ筒から実質的に同一である複数の波状アンカを最小限の端材で切り出すことができるように、形成できる。さらには、針状突起物または外科用ホチキスなどの機械式の固定具も、波状アンカと針状突起物とが一体であるように、同じ筒から切り出すことができる。このやり方で形成されたとき、針状突起物は、一般的に上述したように筋肉組織へと係合させるため、波状アンカの軸から離れるように曲げられ、あるいは角度が付けられる。
【0080】
本発明を、本発明の好ましい実施形態を参照しつつ詳しく示して説明したが、添付の特許請求の範囲に包含される本発明の技術的範囲から離れることなく、形態および詳細においてさまざまな変更が可能であることを、当業者であれば理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1A】緩んだ状態にある本発明のアンカの一実施形態の概略の端面図である。
【図1B】同実施形態の概略の側面図である。
【図1C】図1および図2に示したアンカの実施形態について、圧縮された状態の概略の側面図である。
【図2A】図1A、1Bに示した本発明のアンカの概略の斜視図である。
【図2B】本発明の他のアンカの実施形態の概略の斜視図である。
【図3A】本発明のアンカの波状パターンの1つの実施形態の概略図である。
【図3B】同パターンの他の1つの実施形態の概略図である。
【図3C】同パターンのさらに他の1つの実施形態の概略図である。
【図3D】同パターンのなおさらに他の1つの実施形態の概略図である。
【図4】細長いスリーブを備えてなる本発明のスリーブ装置の一実施形態の概略の側面図である。
【図5A】同装置の他の1つの種類の補強を示した概略図である。
【図5B】同装置のさらに他の1つの種類の補強を示した概略図である。
【図5C】同装置のなおさらに他の1つの種類の補強を示した概略図である。
【図6】同装置の実施形態について、動物の体の胃腸管の生まれつきの管腔へと埋め込まれた状態の概略図である。
【図7】生まれつきの管腔へと挿入された本発明の一実施形態のさらに詳しい縦断面図である。
【図8A】図7に示されている針状突起物の実施形態のさらに詳しい概略図である。
【図8B】図8Aに示されている針状突起物のうちの1つの先端のさらに詳しい概略図である。
【図8C】図8Aおよび8Bに示した針状突起物の実施形態について、生まれつきの管腔への挿入の1つのステップの概略図である。
【図8D】同次のステップ概略図である。
【図8E】針状突起物の他の実施形態の概略図である。
【図9】スリーブに針状突起物を備えている本発明の他の実施形態の概略の側面図である。
【図10A】スリーブの針状突起物の一実施形態のさらに詳しい側面図である。
【図10B】同平面図である。
【図11A】スリーブの針状突起物の他の実施形態のさらに詳しい側面図である。
【図11B】同平面図である。
【図12A】スリーブの針状突起物のまた別の実施形態のさらに詳しい側面図である。
【図12B】同平面図である。
【図13】本発明の種々の実施形態についての典型的な追従曲線図である。
【図14A】コネクタの実施形態について、それぞれ係合した状態および係合しつつある状態の概略図である。
【図14B】コネクタの実施形態について、それぞれ係合した状態および係合しつつある状態の概略図である。
【図15A】磁気結合式の波状アンカ装置の一部位の斜視図である。
【図15B】同波状アンカ装置について、対をなす部位の斜視図である。
【図15C】同波状アンカ装置の両部位を未結合の状態について示した側面図である。
【図15D】それぞれ同波状アンカ装置を結合した状態について示した側面図である。
【図15E】それぞれ同波状アンカ装置を結合した状態について示した端面図である。
【図16】針状突起物を一体に形成して備えている本発明の一実施形態を示している。
【図17】針状突起物を一体に形成して備えている本発明の他の実施形態を示している。
【符号の説明】
【0082】
100 400 900 スリーブ装置
105 第1の端部
106 十二指腸
108 415 630 730 アンカ
110 410 910 スリーブ
115 215 中心軸
119 十二指腸球部
200 920 波状アンカ
600 腸
605 腸の筋肉組織
620 胃腸用埋め込み装置
640 645 646 740 745 930 針状突起物
700 (機械式の)固定具
1405 コネクタ
【関連出願】
【0001】
この出願は、2003年12月9日付の米国特許仮出願第60/528,084号および2004年2月13日付の米国特許仮出願第60/544,527号の利益を主張する。上記出願の教示の全体は、参照により本明細書に引用したものとする。
【背景技術】
【0002】
疾病対策センター(CDC)によれば、米国の人口の60パーセント超が太りすぎであり、ほぼ20パーセントが肥満である。これは、米国内の成人のうちの3880万人について、体格指標(BMI)が30以上であるということである。BMIは、その人の体重(単位はキログラム)を身長(単位はメートル)の二乗で除算したものとして定義される。臨床的に病的な肥満と判断されるためには、少なくとも以下の3つの条件のうちの1つに合致していなければならない。すなわち、(i)BMIが35を超えるか、(ii)100ポンドの体重超過であるか、あるいは(iii)「理想的」な体重を100%を超えて上回るかである。体重が350ポンドを超える者について、超肥満という分類も存在する。
【0003】
肥満は、厄介な健康問題である。この過剰な重量の保持にかかわる甚大な負荷ゆえ、各器官に悪影響が及び、神経系および循環系についても同様である。国立糖尿病/消化器・腎疾患研究所(NIDDK)の推定によれば、2000年において、肥満に直接関係する死者が280,000人に上る。さらに、NIDDKは、米国において肥満に関する直接的な医療のコストが、510億米ドルに上ると推定している。さらに、米国人は、1年について330億米ドルを減量に関する製品に費やしている。このような経済的コストおよび消費者の意欲的な関与にもかかわらず、肥満の蔓延は、憂慮すべき速度で広がり続けている。米国において1991年から2000年までに、肥満は61%増加した。米国の問題に限らず、全世界における肥満の範囲も、劇的に増え続けている。
【0004】
医療システムに対する主要なコストの1つは、肥満に関係する合併症から生じている。2型糖尿病が、人口の7.3%に上っている。これら2型糖尿病の人々のうち、ほぼ半分が臨床的に肥満であり、3分の2が肥満に近づいている。他の合併症としては、高血圧症、冠動脈疾患、高コレステロール血症、睡眠時無呼吸症、および肺高血圧症が挙げられる。
【0005】
肥満の生理学および心理学は複雑であるが、その原因はきわめて単純であり、すなわち現代社会において見られるカロリーの過剰摂取と少ないエネルギー消費との組み合わせにあることは、医学的に意見の一致するところである。処置方法は、きわめて直感的に思い至るように思われるが、治療法の確立は、医療科学の最良の努力でさえも悩まされ続けている複雑な問題である。ダイエットは、多くの人々にとって、適切な長期的解決策にはなりえない。ひとたびBMIが30を超えてしまうと、生活習慣を大幅に変えることのみが唯一の解決策である。
【0006】
食べたいという要求を低減することによって摂食の問題に対抗すべく、患者の体の構造を外科的に変えてしまう試みが、これまでに多数存在している。早期に満腹感が得られるよう胃の容積を小さくするための胃サプリング術または胃プラスティー術が、1980年代および1990年代の初期に行なわれた。当初は体重の減少を達成することができたが、減少を維持することはできなかった。理由は完全には明らかにされていないが、いくつかの要因が関係していると考えられている。その1つは、胃が時間とともに伸び広がって体積が増加する一方で、心理的因子に、小さくなった胃袋で完全に飽食するための新しい方法をみつけるように、患者を誘導することにある。
【0007】
現在のところ、体重減少を長期にわたってもたらすことに成功している外科的処置が2つ存在し、それらは、ルー・ワイ(Roux‐en‐Y)胃バイパス手術および十二指腸スイッチ付き胆膵路転換手術(BPD)である。どちらの手術も、胃のサイズを小さくするとともに、栄養素の吸収に利用できる腸の有効長さを短くする。胃のサイズを小さくすることによって、胃の容量および患者の食物摂取能力が小さくなる。十二指腸をバイパスすることによって、脂肪、高糖、および炭水化物に富んだ食物の消化をさらに困難にできる。この手術の目的の1つは、このような食品を摂取したとき、ダンピング症候群を生じさせることで、患者にフィードバックをもたらすことにある。ダンピングは、炭水化物が最初に十二指腸で調整されることなく空腸に直接進入した場合に生じる。結果として、大量の流体が、腸の内壁から食物へと放出される。全体としての効果が、患者に頭のふらつきを感じさせ、深刻な下痢をもたらす。さらに、この手術は、理由は未だ明らかにされていないが、糖尿病に対する迅速な治療効果も有している。
【0008】
生理学的に単純であるように思われる反面、これらの手術の作用について正確な仕組みは理解されていない。現時点での理論は、ふさわしくない食物を大量に摂取したときに、食道への逆流およびダンピングの両者から負のフィードバックがもたらされるというものである。最終的に患者は、これらの両問題を回避するためには、手術後の体の構造によって課される食物に関する制限に従わなければならないことを、学習する。BPD手術においては、空腸の長さの多くがバイパスされて吸収不良が引き起こされ、したがってカロリーの摂取が少なくなる。実際には、BPD手術においては胃のサイズはそれほど小さくされず、従って患者は、吸収の減少を補うために充分な量の食物を摂取することができる。この手術は、長期にわたる吸収不良に関するいくつかの深刻な副作用ゆえ、最も病的な肥満のために留保されている。
【0009】
残念なことに、これらの手術は、大きな代価を伴っている。外科的施術の不完全率の高さが憂慮すべきほどであり、11%が矯正のための外科的介入を必要とする。これらの手術においては、初期の小さな腸閉塞が2〜6%の割合で生じ、死亡率が約0.5〜1.5%になると報告されている。手術は、有効な解決策であるように考えられるが、現在の侵襲的な手術は、これらの厄介な割合ゆえに受け入れられるものではない。これらの手術に腹腔鏡の技術を適用することによって、手術上の厄介事を減らすことができるが、依然として、きわめて病状の悪い患者を高い手術のリスクにさらすこと、および医師にきわめて高いレベルの熟練を要求することにかわりはない。
【0010】
小腸における吸収を低減させるための装置が、提案されている(米国特許第5,820,584号(Crabb)、米国特許第5,306,300号(Berry)、および米国特許第4,315,509号(Smit)を参照)。しかしながら、これらの装置は、今までのところ上手く導入されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
肥満の治療のための医療用の装置の使用において、主要な試みの1つは、胃腸管内に装置を固定することにある。食道、胃、および腸の生まれつきの管腔は、この生まれついての管腔を極力傷つけないような寸法とされている内視鏡および/またはカテーテルなどの配送用装置の直径に比べ、比較的大きな直径を呈している。さらに、体の当該部位の筋肉の自然の収縮が、当該部位に埋め込まれた装置に大きな応力およびひずみを加え、事態を複雑にしている。さらには、腸内の気泡など他の力が腸の直径を局所的にさらに増大させることによって、事態を複雑にする可能性もある。
【0012】
このように、大きくかつ変化しうる直径と筋肉の収縮と組み合わせにより、内部に埋め込んだ装置に脱離が生じる傾向にある。さらには、腸の自然の蠕動収縮が、内部に埋め込まれた装置を、通常の糜粥の通過とともに下流側(遠位側)へと押し流そうとし、あるいは後戻りの収縮ゆえに上流側(近位側)へと押し戻そうとする。
【0013】
管腔内配置など、手術を伴わない埋め込み方法は魅力的であるが、大径の管腔へと取り付けられるべく構成される挿入装置に、さらなる課題をもたらす。これらの装置は、約20〜30ミリメートル(mm)の設置後のための直径を有し、好ましくは、これよりも大幅に小さい開口から挿入される。侵襲が最小限である胃腸管へとアクセスするための技法は、生まれついての体腔を通じての(例えば、経口、経直腸の)挿入である。さらに、管腔への傷を少なくするため、アクセス用チャネルの直径が、管腔そのもの直径よりも小さいことが好ましい。すなわち、腸へのアクセスは、作業用カテーテルの内径、すなわち約12mmの内径に限定されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、カテーテル技術に拠る埋め込みのために構成され、腸などの胃腸管の少なくとも一部分にしっかりと位置して保たれるような寸法とされているアンカを提供することによって、これらの課題を解決する。このアンカは、細長い弾性部材から形成され、そのような弾性部材が中心軸の周囲の環状の波状パターンへと形作られてなるラジアルばねを含んでいる。したがって、アンカは、半径方向外向きの力をもたらしながら、その外周のまわりで大きく撓むことができる。このような撓みは、カテーテル技術に拠る送達を可能にしつつ、追従性をもたらして装置を確実に周囲の体構造へと適合させるために、重要である。
【0015】
環状の波状部材は、自身の中心軸に沿ってアンカの2つの開放端の間に形成される管腔を画定している。埋め込まれたとき、アンカの中心軸は、胃腸管の中心軸に実質的に整列し、糜粥が装置を通過できるようにする。さらに、このアンカ装置は、組織の侵食の可能性を最小限にする充分な柔軟性および追従性を提供することによって、組織への傷を最小限にしつつ、しかも組織に堅固な係止および封止点をもたらす。
【0016】
アンカは、針状突起物、外科用外科用ホチキス、および縫合糸などの機械的な固定具、ならびに/あるいは外科用接着剤などの他の固定具を使用して、体内に着脱可能に取り付けることができる。他の実施形態においては、アンカが、体内に固定して取り付けられる部位を含んでいる。さらに、コネクタを設け、着脱可能部位を前記固定部位へと取り付けるように構成できる。少なくとも1つの用途として、肥満症の治療を含む。さらなる用途としては、腸の障害の治療が挙げられる。これらの用途においては、アンカが、スリーブまたはバリア(障壁)を腸内にしっかりと埋め込むことができるようにする。埋め込まれたとき、スリーブが、腸の当該部位における食物の摂取を阻止するように機能し、かつ/または食物への通常のホルモン応答を引き起こさせる。
【0017】
本発明は、半径方向に圧縮可能な波状アンカを備える胃腸用埋め込み装置に関する。波状アンカは、中心軸の周囲の細長い弾性部材によって形成され、中央の管腔を定めている。弾性部材が、装置の第1の端部と第2の端部との間で、振幅パターンを定めている。波状アンカは、動物の体の胃腸管の生まれついての管腔に挿入されるように、構成されている。中央管腔は、食道、胃、十二指腸、空腸、回腸、および/または結腸などの腸であってよい。
【0018】
いくつかの実施形態においては、波状アンカの振幅パターンが、少なくとも4つの振幅を有している。一般的には、弾性部材は、金属、合金、プラスチック、またはこれらの材料の組み合わせから形成される。例えば、弾性部材は、一般的にニチノールと称されるニッケル‐チタニウム合金など、形状記憶合金を含むことができる。
【0019】
いくつかの実施形態においては、細長い弾性部材が、複数のストランドを含んでいる。さらに、複数のストランドのうちのいくつかが、異なる物理的特性を有してもよい。さらに一般的には、細長い弾性部材が、或る物理的特性を持つ第1の長さ部分と、第1の長さ部分の物理特性と関連した別の物理的特性を持つ第2の長さ部分とを含むことができる。例えば、物理的特性とは、弾性、厚さ、および/または断面形状であってよい。
【0020】
波状アンカの中央管腔は、緩められた状態と圧縮された状態との間で可変である直径を定めている。さらに、アンカの第1の端部と第2の端部とが、或る軸方向の長さによって隔てられている。特に、埋め込まれたときの直径に対する軸方向の長さの比は、少なくとも約1(例えば、30×30mm、または40×40mm)である。緩められた状態(すなわち、埋め込み前)において、長さ対直径の比は、0.8と低くてもよい。いくつかの実施形態においては、緩められた状態の直径が約45mmであり、これが埋め込み時に約30mmへと圧縮される。
【0021】
さらに装置は、波状アンカを胃腸管の生まれつきの管腔へと固定するための造作を備えることができる。例えば、この造作は、波状アンカと生まれつきの管腔との間に形成される干渉を伴う嵌め合いを備えることができる。これに代え、あるいはこれに加えて、前記造作が、機械的な固定具、化学的な固定具、およびこれらの組み合わせを備えることができる。化学的な固定具としては、外科用の接着剤が挙げられ、機械的な固定具としては、針状突起物、縫合糸、外科用ホチキス、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0022】
いくつかの実施形態においては、埋め込み装置が、複数の針状突起物を使用して生まれつきの管腔へと固定される。これらの針状突起物は、装置の一方の端部を巡って配置することができる。さらには、埋め込み装置を、装置の同じ端部または他方の端部を巡って配置される複数の針状突起物をさらに使用して固定することができる。一般的には、それぞれの針状突起物は、一端が装置へと取り付けられ、他端が装置から離れるように延びて生まれつきの管腔の筋肉組織へと係合するような寸法とされている細長い部材を備えている。いくつかの実施形態においては、針状突起物が生物分解性である。そのような生物分解性の針状突起物は、アンカを周囲の組織へと一時的に固定するように機能するため、埋め込みによく適している。その後、分解の後には、アンカが自由に脱離でき、腸への適用においては、自然の蠕動が、第2の外科手術を必要としない体からのアンカの取り出しを助けることができる。
【0023】
さらに、本発明は、上流端に波状アンカを接続して有する非支持の可撓スリーブを使用する処置方法に関する。このスリーブは、動物の体の胃腸管の生まれつきの管腔への埋め込みのために構成されている。
【0024】
さらに、本発明は、動物の胃腸管の生まれつきの管腔へと挿入されるように構成された第1の環状部材、前記第1の環状部材を前記生まれつきの管腔内に固定して取り付けるための固定具、胃腸用の埋め込み物、および前記第1の環状部材と前記胃腸用の埋め込み物との間を着脱可能に接続するためのコネクタを供える胃腸用埋め込み装置に関する。固定具は、機械的な固定具、化学的な固定具、およびこれらの組み合わせであってよい。例えば、機械的な固定具は、1つ以上の針状突起物、縫合糸、外科用ホチキス、およびこれらの組み合わせであってよい。
【0025】
さらには、この胃腸用埋め込み装置は、第2の環状部材を備えることができる。第2の環状部材は、上流端および下流端の間に中央管腔を定める細長いスリーブを含むことができる。コネクタは、第1の環状部材および胃腸用埋め込み物のうちの一方に取り付けられ、第1の環状部材および胃腸用埋め込み物のうちの他方の造作と係合するように構成された締め具であってよい。これに代え、あるいはこれに加えて、コネクタが、磁気による引力によって動作することができる。例えば、コネクタが、第1の環状部材および胃腸用埋め込み物のうちの一方に取り付けられ、第1の環状部材および胃腸用埋め込み物のうちの他方の造作と係合するように構成されている磁石を備えることができる。
【0026】
またさらに、本発明は、胃腸用埋め込み装置を埋め込むためのプロセスに関する。このプロセスは、動物の胃腸管の生まれつきの管腔へと第1の環状部材を挿入するステップを含んでいる。次いで、この第1の環状部材が、前記生まれつきの管腔内に固定して取り付けられる。次に、胃腸用の埋め込み物が用意され、前記第1の環状部材へと着脱可能に接続される。当然ながら、前記第1の環状部材を固定して取り付けるステップは、機械的な固定具、化学的な固定具、またはこれらの組み合わせなどの固定具を用意するステップを含んでいる。例えば、機械的な固定具は、針状突起物、縫合糸、外科用ホチキス、およびこれらの固定具の任意の組み合わせであってよい。
【0027】
いくつかの実施形態においては、胃腸用の埋め込み物が、上流端および下流端の間に中央管腔を定める細長いスリーブなど、第2の環状部材を備えている。
【0028】
着脱可能な接続は、締め具を用意するステップ、前記締め具を前記第1の環状部材および前記胃腸用埋め込み物のうちの一方に取り付けるステップ、および前記第1の環状部材および前記胃腸用埋め込み物のうちの他方の造作を、前記締め具に係合させるステップを含むことができる。これに代え、あるいはこれに加えて、着脱可能な接続は、磁気による引力によって動作するコネクタを用意するステップを含んでいる。このコネクタが、前記第1の環状部材および前記胃腸用埋め込み物のうちの一方に接続され、前記第1の環状部材および前記胃腸用埋め込み物のうちの他方の造作に、磁気によって係合する。
【0029】
本発明の上記の目的、ならびに他の目的、特徴および利点は、添付の図面に示される本発明の好ましい実施形態についての以下のさらに詳しい説明から、明らかになるであろう。添付の図面においては、同一の参照符号は、種々の図の全体を通じて同じ部分を指し示している。図面は必ずしも比例尺ではなく、本発明の原理を説明することに重点が置かれている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下で、本発明の好ましい実施形態を説明する。
【0031】
本発明は、最小限の侵襲での埋め込みのために構成され、動物の胃腸管の少なくとも一部分にしっかりと位置して保たれるような寸法とされているアンカに関する。このアンカは、細長い弾性部材から形成され、そのような弾性部材が中心軸の周囲で環状の波状パターンへと形作られてなるラジアルばねを含んでいる。したがって、アンカが半径方向外向きの力をもたらしながら、外周のまわりで大きく撓むことが可能である。この撓みは、カテーテル技術に拠る送達(例えば、管腔内への)を可能にしつつ、追従をもたらして装置を確実に周囲の体構造に適合させるために重要である。
【0032】
埋め込まれたとき、アンカの中心軸が、胃腸管の中心軸に実質的に整列し、糜粥が装置を通過できるようにする。さらに装置は、弾性を有しかつ腸にぴったりと適合する寸法とされながら、しかも腸の収縮を許容するのに充分な追従性をもつ。さらに、波状のパターンが、アンカを半径方向に大きく圧縮できるようにし、カテーテルの作業用チャネル内へと取り付けできるようにしている。またさらには、刺激を最小限にするため、アンカが呈する腸との接触の表面積が小さい。
【0033】
アンカは、針状突起物、外科用外科用ホチキス、および縫合糸などの機械的な固定具、ならびに/あるいは外科用接着剤などの他の固定具を使用して、体内に着脱可能に取り付けることができる。他の実施形態においては、アンカが、体内に固定的に取り付けられる部位と、着脱可能な部位へと着脱可能に接続されるように構成されたコネクタとを備えている。少なくとも1つの用途として、肥満症および他の腸障害の治療を含む。これらの用途においては、アンカが、スリーブまたはバリアを、腸内にしっかりと埋め込むことができるようにする。埋め込まれたとき、スリーブが、腸のうちのスリーブによって覆われる部位について、食物の摂取を阻止するように機能できる。
【0034】
またさらに、アンカ装置は、充分な柔軟性および追従性を提供することによって組織への傷を最小限にするように設計されている。これにより、アンカ装置は、組織の侵食の可能性を最小限にしつつ、組織に堅固な係止点をもたらす。実際、材料、形状、および/または寸法の少なくとも1つを変化させることによって、アンカ装置の追従性をきわめて容易に変化させることができる。
【0035】
動物の体の胃腸管の生まれつきの管腔へと挿入されるように構成された装置の一実施形態が、図1Aおよび1Bに示されている。装置は、中心軸115の周囲に形成され中央管腔を画定している細長い弾性部材を有するラジアルばね100を備えている。ラジアルばね100は、軸115に沿って隔てられた第1の端部105および第2の端部110を有している。明らかに、弾性部材が、第1および第2の端部105、110の間の振幅パターンを規定している。一実施形態においては、広くアンカ100と称されるラジアルばね100が、相互接続された複数のセグメント、レッグ、またはストラット120’、120’’(総称して120)を含んでいる。例えば、図示のアンカ100は、10本のレッグ120を含んでいる。
【0036】
有益なことに、生まれつきの管腔へと埋め込まれたこの波状アンカが、周囲の生体構造の直径に適応する。緩んだ状態における典型的な直径D1は、成人の腸のサイズを代表する約25〜45mmといった大きな直径の範囲にあることができる。好都合なことに、このラジアルばねは、折り畳みが可能であり、緩んだ状態の直径D1から、約12mmまたはそれ以下である圧縮された状態の典型的な直径D2へと、圧縮することが可能である。生まれつきの管腔内の所望の位置に挿入された後、ラジアルばね100が展張状態へと広がることができるよう、外部からの力を解放することができる。理想的には、ラジアルばね100の展張された状態の直径D3は、ラジアルばね100によって生まれつきの管腔に対し外向きの付勢力がもたらされるよう、緩められた状態の直径D1と圧縮された状態の直径D2の間にある。
【0037】
圧縮された状態にある本発明の実施形態の側面の概略図が、図1Cに示されている。図に示されているとおり、ラジアルばね100の形状が、緩められたばねの状態と圧縮されたばねの状態との間に大きな直径比をもたらすために役立っている。例えば、この直径比は、2対1〜3対1を超えるなど、かなり大きくなることができる。さらに、ラジアルばね100の2つの端部105、110は、緩められた状態においては距離L1によって隔てられ、圧縮された状態においては、わずかに長い距離L2によって隔てられている。アンカの最小長さは、ねじりに対する抵抗力を持っていて、アンカの中心軸を当該アンカが埋め込まれてなる生まれつきの管腔の中心軸に実質的に整列した状態に保とうとするように、選択できる。さらに、アンカの最大長さを、例えば十二指腸上流部に埋め込まれたときに胆管の開口を塞ぐことがないよう、アンカが必要以上に長くないことを確実にするように選択できる。緩められた状態の典型的な長さL1は、約1〜2インチの範囲であってよい。いくつかの実施形態においては、L1が、約1.25〜1.5インチの間である。さらには、この波状のアンカを、一端が他端よりも大きくなる(例えば、上流側の開口が下流側の開口よりも大きい)ように先細りにすることができる。このような先細りは、上流側へと移動しようとする装置にいくらかの抵抗力をもたらし、上流側に配置される針状突起物の、周囲の組織との係合を強力にする。このように、十二指腸に埋め込まれるアンカにおいて、先細りの形状は、幽門を通過して胃へと入ろうとする移動に対する抵抗力を、アンカにもたらす。
【0038】
ラジアルばねの外向きの力は、寸法および使用される材料によって制御可能である。いくつかの用途においては、ラジアルばね100が、胃腸管内に医療用の装置を固定するためのアンカを提供する。例えば、アンカを、供給チューブを固定するために使用することができる。腸内への挿入を意図した用途など、いくつかの用途においては、膨張力が、アンカ100を常に腸の管腔と連係した状態に保つために充分でありながら、周囲の組織に大きな刺激をもたらすほどには大きくない。さらに、アンカの膨張力が小さいほど、装置による組織の侵食が少なくなる傾向にある。
【0039】
アンカ100の追従性は、使用されるフィラメントまたはワイヤの結節点の数(ピッチ)および直径によって選択可能である。一般に、振幅パターンに含まれている結節点が多くなると、装置はより追従性がよくなる。さらに、フィラメントまたはワイヤの直径が大きくなると、装置の追従性が悪くなる。レーザ・カット装置など、いくつかの実施形態においては、ワイヤ(例えば、矩形の形状である)の幅および厚さの両者を変化させることができる。したがって、全体としての装置の追従性を、少なくとも波状パターンならびにワイヤ形状および/またはワイヤ直径から、決定することができる。いくつかの実施形態においては、ラジアルばねが、直径が0.012〜0.020インチのワイヤおよび少なくとも5つの結節点を使用する。
【0040】
波状アンカ200の一実施形態の斜視図が、図2Aに示されている。波状アンカ200によって画定される中央の管腔が、z軸215に整列している。波状パターンが、おおむね、z軸215から所定の半径方向の距離にある仮想の円筒に沿って形成されている。波状の形状は、z軸215に沿った最大値および最小値の間で延びている。見てのとおり、波状アンカ200は、図示の5つの結節点など、複数の結節点を備えることができる。一般的には、3つ以上の結節点が、中央の管腔を画定するために使用される。さらに、図示のとおり、波状アンカ200を形成している部材の両端を、接合部225において接合することができ、あるいは他の方法で一体に連結することができる。溶接、接着、機械的なクリンプ、締め付けスリーブ、およびこれらの組み合わせを、接合部225を形成すべく使用することができる。
【0041】
波状アンカ200は、中実ワイヤの単ストランド(より線の1本)など、ただ1本のフィラメントから形成することができる。あるいは、波状アンカ200を、複数撚りのワイヤなど、複数のフィラメントから形成することができる。さらには、複数撚りのワイヤの個々のストランドを、異なる物理的特性(例えば、直径、弾性)を有するように選択することができる。このようにして、波状アンカ200の全体としての追従性および弾性を、種々の特性を有する個々のストランドを選択して組み合わせることによって、制御することができる。さらに、波状アンカ200を、波状パターン全体を形成する連続的な部材(典型的には、細長い部材の両端を接続する接続部を1つ有している)から形成でき、あるいは互いに接続されて一体となって波状パターンを形成する複数のセグメントから形成できる。
【0042】
ワイヤおよび/またはフィラメントは、生体適合性の任意の弾性材料から製作することができる。例えば、材料は、金属、合金、プラスチック、およびこれらの材料の組み合わせであってよい。いくつかの実施形態においては、材料が、ステンレス鋼などのばね用金属である。他の実施形態においては、材料が合金である。好ましくは、合金は、大きな力の印加および大きな運動に耐えることができ、そのような大きなひずみから復帰することができる超弾性合金である。
【0043】
超弾性合金の一例は、一般的にニチノールと称されているニッケル‐チタニウム(NiTi)化合物である。或る特定の実施形態においては、波状アンカ200が、約0.012インチ〜約0.020インチの直径を有する1本のニチノール・ワイヤから作られている。膨張力が、装置を体構造の局所にしっかりと固定するために充分でない可能性があるため、いくつかの実施形態は、係止のための造作を備えている。例えば、図2Bを参照すると、いくつかの係止具255が、波状アンカ200に組み合わせられている。このようにして、体へとしっかりと固定されて保たれるという波状アンカの能力が、フックおよび/または針状突起物255の追加によって向上する。
【0044】
図3A〜3Dは、5つの結節点を有する波状パターンの他の典型的な実施形態の概略図である。図3Aにおいては、波状パターンが正弦波状であり、装置の長さの2分の1である最大値(すなわち、+L/2)から、長さのマイナス2分の1である最小値(すなわち、−L/2)まで、z軸に沿って延びている。図示のとおり、このパターンが、装置の直径の半分(すなわち、D/2)に等しい半径を有する仮想の円筒に沿って、2πラジアンの円周距離にわたって続いている。図3Bは、交互のピッチの直線セグメントによって形成される振幅パターンを示しており、隣接するセグメントが、それらの端部において曲線セグメントによって互いに接続されている。図3Cは、交互のピッチの隣接直線セグメントによって形成される同様の振幅パターンを示しているが、ここでは、隣接するセグメントが、それらの端部において誇大な曲線セグメントによって互いに接続されている。このような誇大な曲線セグメントは、装置の端部が直面する応力を低減でき、材料の疲労の可能性を少なくすることができる。最後に図3Dを参照すると、装置の一実施形態が、交互のピッチの複数の実質的に直線状のセグメントを備えており、ここでは、隣接するセグメントがループを使用して一体に接続されている。ループは、各結節点において細長い部材をπラジアンを超えて曲げることによって、形成することができる。
【0045】
好都合なことに、ワイヤから形成されたアンカ装置は、製造が簡単である。例えば、装置を、図2および3に示した環状の波のいずれかへと作り上げた1本のニチノール・ワイヤから形成することができる。ワイヤの両端を、連続的なワイヤ構造を形成すべく接合でき、あるいは他の方法で一体に固定することができる。例えば、ワイヤの端部を、溶接、接着、機械的なクリンプ、締め付けスリーブ、およびこれらの組み合わせを使用して、一体に接合することができる。明らかに、形状、材料の選択、および装置の構成によって当初の形状および寸法を失うことなく、かなりの変形量で装置を半径方向に圧縮することができる。例えば、装置は、最大約45mmになる成人の腸の直径など、きわめて大きい直径D1にすることができ、一方、半径方向の圧縮または12mm以下の小さな直径D2を有する送達システム内へ詰め込みを好都合にすることができる。さらに、この装置によってもたらされる半径方向の力を、当該装置を構成するワイヤの直径によって制御することが可能である。
【0046】
図4は、アンカが医療用の装置に取り付けられてなる本発明の実施形態の側面概略図を示している。この典型的な実施形態において、医療用の装置は、細長いスリーブである。図示のとおり、波状アンカ415の上流端が、周囲に波状の形状を形成して有する環状のリングを形成している。好ましくは、アンカ415の近傍のスリーブの材料が、このアンカ415の形状に一致するように切り込まれている(例えば、「チューリップ」状の端部を形成している)。このような構成は、スリーブ400の上流端におけるシールの形成を容易にするとともに、たわみを伴うアンカ415の独立した運動を可能にする。すなわち、種々の「チューリップの花弁」からなる上流端が、スリーブ材410がそれらを拘束しないため、独立してたわむことができる。さらには、据え付け時、このチューリップ状の上流端が、胃腸管に埋め込まれたときに、その全周に沿って確実なシールを形成する。好都合なことに、このようにあつらえられた取り付けによれば、食物が背後に回り込みうる非支持の材料が、装置の縁の間に残されることがない。
【0047】
一般に、胃腸用埋め込み装置であるスリーブ装置400の上流端は、体内への可逆な固定のために構成される。しかしながら、スリーブ装置400は、当該装置が配置される開口を支持するものではない(すなわち、ステントではない)ため、大きな膨張力を必要としないことは明らかである。したがって、スリーブ装置400は、少なくとも1つのアンカ装置または固定装置415を、スリーブ400に取り付けて備えている。上流側スリーブ・アンカ415の目的は、主として、スリーブ400を所定の位置に保持することにある。加えて、アンカ415は、スリーブ410が確実に体構造の局所に対する流体シールとして作用するように、いくらかの半径方向の力をもたらす。このようなシールは、腸に対する用途において特に重要である。腸においては、糜粥の流れをスリーブ装置400の管腔内にとどめ、糜粥が装置の周囲を通過する可能性を低減または排除することが望まれる。有利なことに、胃による推進力が、糜粥をスリーブ装置400内へと押し込むように機能し、糜粥の大部分が装置へと進入することを確実にする。
【0048】
図示のとおり、アンカ装置415をスリーブ410へと、スリーブ410の上流端において固定することができる。スリーブ材をアンカ415へと、機械的および/または化学的な接合によって、溶接によって、さらには/あるいは縫合糸などの他の機械的な固定具を使用して、取り付けることができる。いくつかの実施形態においては、アンカ415が、スリーブ410の内側層と外側層との間に挟みこむことによって、スリーブ410へと固定される。すなわち、いくつかの実施形態においては、スリーブ410の材料が、アンカ装置415の半径方向外側を巡って広がっている。このようなやり方で、装置400の上流端から測定して長さL2まで、材料を折り返すことができる。一般に、長さL2は、アンカ415の軸方向の広がりL1よりも大である。好都合なことに、材料410の二重層が、アンカ415の下流端から下流方向に測定して距離L3だけ伸びている。重なり合った材料410を、重なり合いの端部420の付近において一体に固定することができる。例えば、2つの層を、中間線420に沿って一体に縫い合わせることができる。あるいは、2つの層を、同じ線420に沿って化学的に、あるいは熱によって一体に接合することができる。
【0049】
一般に、スリーブは支持されておらず、刺激または腸の通常の機能への影響が最小限であるように選択された材料特性を有している。すなわち、スリーブ材料410は薄く、軽量であり、柔軟であり、かつ生体適合性である。たとえば、スリーブ410を、ウレタンおよび/またはシリコーン・ゴムなどのエラストマー材料から形成することができる。あるいは、スリーブ410を、フッ素重合体および/またはポリオレフィンなどの実質的に非エラストマーの材料から形成することができる。フッ素重合体のいくつかの例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、パーフルオロアルコキシ(PFA)、エチレン‐テトラフルオロエチレン(ETFE)、およびポリフッ化ビニリデン(PVDF)が挙げられる。ポリオレフィンのいくつかの例としては、ポリエチレンおよびポリプロピレンが挙げられる。腸内スリーブ410は、好ましくは、薄肉であって支持されておらず、外部からの最小限の圧力で折り畳みうる柔軟な材料で作られている。したがって、この非支持の薄肉材料は、もとより折り畳み可能な状態にあり、スリーブ410の管腔内に圧力が形成されるだけで広がる。いくつかの実施形態においては、スリーブ材料の厚さは、約0.001インチ未満である。スリーブは、好ましくは、約0.3未満の摩擦係数を有する低摩擦材料から形成される。より好ましくは、摩擦係数が、約0.2未満である。摩擦係数が小さいことで、体内へのスリーブ410の挿入が容易になり、さらに糜粥の通過が容易になる。
【0050】
明らかにこの設計にはストラットのネットワークが存在しておらず、周囲の組織へと加わる実質的な力は、ワイヤそのものの外表面の面積に沿う力のみである。例えば、直径0.016インチのワイヤで形成され、1インチの長さL1および約1.8インチの直径D1を有している結節点が5つの正弦波状アンカは、約0.224平方インチの表面積を呈する。これは、アンカ415に接し、あるいはアンカ415によって何らかの影響を受ける組織(すなわち、ワイヤ・アンカに接触する組織のみ)の表面積を、典型的なステント式の装置に比べて劇的に低減する。したがって、このアンカが腸の上部にファーター乳頭部124(図6)に近接して埋め込まれた時、たとえスリーブ410がファーター乳頭部124を横切って上方を延びても、中身を十二指腸へと出すファーター乳頭部124が、このアンカによって妨げられる可能性がきわめて少ない。より長く、よりステント状である装置は、ファーター乳頭部124を覆うように位置して、これを妨げる可能性がより高い。さらに一般的には、スリーブを、胃腸管内の他の位置に係止してもよい。例えば、スリーブを腸内へと延ばしつつ、アンカを胃の中に配置することができる。これに替え、あるいはこれに加えて、スリーブをファーター乳頭部124の下流において十二指腸に係止でき、あるいは空腸または回腸など、腸のさらに遠方の部位に係止することができる。
【0051】
このような軽量な材料は、上流方向へと逆流しやすい。いくつかの場面において、還流は、材料410の一部分がアンカ415の上流端を超えて延びることにつながる。この状況は、腸の下流側において生じる背圧からもたらされ、通常は望ましくない。有利なことに、上述の重なり合いが、このような還流に抗するため、スリーブ410の上流端においてさらなるひずみ緩和をもたらす。
【0052】
上流側のアンカを含む非支持のスリーブの上流端の一部の断面が、図5A〜5Cに示されている。上流側のアンカ450を、スリーブ材料410の2つの層の間に挟むことができる。図示のとおり、スリーブ410の上流端を、内部にアンカ450を事実上囲んで、自身の上へと折り返すことができる。スリーブ455の二重層を延長し、アンカ450の下流端から下流方向へと延びる所定の長さにわたって続けることができる。このような二重層は、追加のひずみ緩和をもたらすことができる。このスリーブ構成を固定するため、2つの層410、455を一体に張り合わせることができる。例えば、層410、455を、縫合、外科用ホチキス、ならびに/あるいは化学的または熱的な接合部材420を使用して、張り付けることができる。図5Bに示した他の実施形態においては、スリーブ410を、3つ以上の層455を形成するように折り畳むことができ、二重層よりもさらに大きな支持および剛性をもたらすことができる。またさらに、図5Cに示すように、スリーブ410を、支持部材460の周囲へと折り畳むこともできる。
【0053】
次に図6を参照すると、本発明の胃腸用組み込み装置の一実施形態が、動物の体の胃腸管の生まれつきの管腔へと埋め込まれて示されている。この典型的な埋め込みにおいては、アンカ108が、非支持の可撓スリーブ110を、十二指腸の内部に係止している。詳しくは、アンカが、幽門105のすぐ下流側に位置する十二指腸球部119に配置されている。十二指腸球部119において係止を行なう少なくとも1つの利点は、十二指腸106の他の部分に比べて運動が比較的少ない点にある。さらに、十二指腸球部119の運動は、収縮および直線移動というよりはむしろ、限られた収縮となる傾向にある。またさらに、十二指腸球部119の周囲の筋肉組織は、比較的厚さが大きく、幽門105から離れるにつれて薄くなり、アンカ108の取り付けを容易にしている。厚い組織は、針状突起物を使用するアンカにおいて特に好都合である。
【0054】
十二指腸球部119における係止からもたらされる少なくとも1つの利点は、幽門105が、通常どおり開閉できるという点にある。すでに述べたように、アンカ108の長さは、ファーター乳頭部124が妨げられることがないよう、最小限である。平均的な成人において、幽門105とファーター乳頭部124との間のこの距離は、少なくとも約2インチである。したがって、アンカ108の長さは、好ましくは約2インチ未満である。さらに、すでに述べたように、スリーブ110の胃102への逆流に抗するべく幽門105の下流側に当接してストッパとして機能するフレアを、アンカ108の上流端に設けることができる。このフレアは、胃102からアンカ108およびスリーブ110の中心へと糜粥を導くうえでも役に立つ。またさらに、このフレアは、上流側に位置する針状突起物と周囲の組織との係合を強化するうえでも役に立つ。
【0055】
図7は、生まれつきの管腔へと挿入された本発明の胃腸用組み込み装置の一実施形態のさらに詳細な縦断面図である。一般に、生まれつきの管腔610は、腸600などの中空の器官の内部に形成されている。腸600の断面は、いくつかの異なる層を含んでいる。例えば、腸600は、食物の通過を助けるための筋肉組織を含む筋肉層605を備えている。さらに、腸は、粘膜層615を管腔の内表面に沿って備えている。腸において、粘膜層615は、緩い組織で形成された粘膜の層である。図4に示したものと同様の胃腸用埋め込み物620が、腸600内に固定されて示されている。すなわち、胃腸用埋め込み物620は、波状アンカ630を細長いスリーブ625の上流端に接続して有している。胃腸用埋め込み物620の上流端は、複数の針状突起物を少なくとも2つの層に配置して備えている。すなわち、アンカ630の上流端の付近に位置する針状突起物640’、640’’(総称して640)の上流層、および針状突起物645’、645’’(総称して645)の下流層である。いくつかの実施形態においては、下流側の針状突起物645が、アンカ630の下流端の近くに位置している。他の実施形態においては、下流側の針状突起物646’、646’’(総称して646)が、アンカ630の上流端により近く位置しており、上流側の針状突起物640よりもわずかに下流側であってもよい。図示のとおり、針状突起物640、645は、好ましくは粘膜層615を貫いて筋肉層605へと延びているが、筋肉層605を貫通してはいない。
【0056】
さらに詳しくは、次に図8Aを参照すると、針状突起物740、745を波状アンカ730へと直接取り付けることができる。例えば、1つ以上の針状突起物740、745を、波状アンカの1つ以上のレッグまたはストラット730へと固定することができる。針状突起物740、745を、溶接、接着、またはクリンプ手段によって、ストラット730へと固定することができる。さらには、針状突起物740、745を、締め具または添え継ぎなどの機械式の固定具700を使用して、ストラット730へと固定することができる。いくつかの実施形態においては、針状突起物740、745を、ストラット730に連続に形成することができる。これに代え、あるいはこれに加えて、針状突起物740、745を、ストラット730上に成型することができる。例えば、針状突起物を、第1の材料を支持ストラット730上へと射出成型することによって形成できる。針状突起物を、完全に形成したアンカ730上へと射出成型してもよく、さらには/あるいはワイヤなどの基材上へと射出成型し、これをその後にアンカ730へと形成してもよい。そのような射出成型技法は、第1の材料からなる分解性の針状突起物を、ステンレス鋼またはニチノールなどの第2の材料から形成された支持アンカ730へと形成すべく、適切にアレンジされる。例えば、分解性の針状突起物を、ポリラクチド(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、および/またはポリパラジオキサノン(PDS)から形成することができる。好都合なことに、分解性の材料の構成に応じて、それらを所定の期間の埋め込みの後に分解されるように形成できる。いくつかの実施形態においては、多数の針状突起物740、745(例えば、80本の針状突起物)が、波状アンカの周囲に設けられる。
【0057】
いくつかの実施形態においては、針状突起物740、745が、アンカ730の中心軸を含む平面内に位置している。すなわち、針状突起物が、軸方向の成分および半径方向の成分を含むが、横方向の成分は含まずに、外向きに延びている。あるいは、針状突起物が、横方向の成分を有する方向へと、中心軸から外向きに延びてもよい。例えば、針状突起物が、中心軸に直交する平面内に事実上位置してもよい。横方向の成分を有する針状突起物は、中心軸を中心とするアンカのねじれを防止することができる。
【0058】
針状突起物740、745を、形状記憶合金または超弾性材料から製造することができる。例えば、針状突起物を、約0.016〜0.025インチの間の直径を有するニチノール・ワイヤから形成できる。あるいは、針状突起物740、745を、ステンレス鋼などの剛であると同時に弾性の材料から、形成することができる。好ましくは、針状突起物740、745は、周囲の腸の壁へと貫入するが、貫通はしないように設計される。したがって、針状突起物740、745の露出長さは、用途に応じて管理される。例えば、腸の上流部分に配置される場合には、針状突起物740、745は、約3mmの長さであって、装置から外向きに約45°の角度で約2mmの高さ(すなわち、貫入深さ)まで延びている。これにより、針状突起物740、745が確実に腸の粘膜層を貫通し、下層の組織へと取り付くようにされる。
【0059】
針状突起物740、745のそれぞれの角度も、所望される効果に応じてさまざまであってよい。いくつかの実施形態においては、上流側の針状突起物740が、アンカ装置630から上流方向に延びる一方で、下流側の針状突起物745は、アンカ装置630から下流方向に延びている。角度は、それぞれの針状突起物740、745の軸と波状アンカの表面との間の角度として定義される。いくつかの実施形態においては、下流側の針状突起物745が第1の角度θ1を形成する一方で、上流側の針状突起物740が第2の角度θ2を形成する。いくつかの実施形態においては、第1の角度がθ1=10°などの浅い角度であり、第2の角度がかなり急峻である(例えば、90°に近い)。他の実施形態においては、両方の角度が約45°である。角度の他に、針状突起物の高さh1、h2も、周囲の組織へのそれぞれの貫入深さを左右する。例えば、腸への適用においては、腸の外表面に孔を開けることなく腸の筋肉層へと貫入するため、約2mmの高さが好ましい。
【0060】
下流側の針状突起物745の1つの先端のさらに詳細な概略図が、図8Bに示されている。明らかに、針状突起物745の端面は、所定の形状に形作ることができる。例えば、針状突起物の先端760は、丸くてよく、先細りでよく、さらには/あるいは尖っていてもよい。さらには、針状突起物の先端760が、図示のように方向性を持って尖っていてもよい。すなわち、針状突起物745の軸と針状突起物745の端面との間に形成される角度αを、先頭の縁755において鋭い形状をもたらし、後方の縁760において鈍い形状をもたらすように選択できる。このようにして、下流側の針状突起物745が上流方向へと移動しても、生まれつきの管腔の表面を貫くことがなく、一方、下流方向に移動すると、先頭の縁755が生まれつきの管腔の組織を貫こうとすることになる。このような方向性の形状によって、所望の位置への装置の埋め込みを助けることができる。すなわち、装置を、まずは所望の位置よりも遠方へと配置し、次いで上流側へと所望の位置まで引き寄せ、最後に再び下流側へと押して、下流側の針状突起物745を組織の中へと設置することができる。
【0061】
図8Cおよび8Dは、生まれつきの管腔内へと挿入された本発明の一実施形態の概略図である。一般的には、埋め込みの際、下流側の針状突起物がまず設置される。圧縮された状態の装置が管腔内の所定の位置へと挿入され、下流側の針状突起物が管腔の組織に接触できるよう、アンカの下流端が解放される。次いで、上述のように、装置を管腔の軸に沿って下流側へと動かすことで、下流側の針状突起物745が組織750へと挿入される。ひとたび設置されると、アンカの上流端が、圧縮された状態から解放され、上流側の針状突起物が、周囲の組織750へと貫入できるようになる。針状突起物の動きが、管腔の表面に対して実質的に垂直であるため、この大きな角度によって針状突起物が事実上の直角で表面組織へと接近する。ひとたび埋め込まれると、針状突起物740、745が、装置を周囲の組織750へと固定すべく機能し、管腔に沿った軸方向の動きに抗するとともに、管腔が半径方向に膨張する際にもアンカを固定する。
【0062】
このアンカ装置を取り去るためには、これを上流端において把持して、半径方向に折り畳むことができる。さらに、半径方向に畳んだアンカ装置そのものを、除去用のスリーブまたはカテーテルへと引き込むことができる。このように、装置の上流端が半径方向に折り畳まれるため、より垂直に近い上流側の針状突起物740を、組織750から取り去ることが容易である。ひとたび上流端が畳まれると、装置を上流側へと引っ張ることができ、下流側の針状突起物745の角度が小さいことにより、下流側の針状突起物745を組織750から滑り出させることができる。いくつかの実施形態においては、上流側および下流側の針状突起物740、745が、実質的に同じ角度を有して形成される。
【0063】
いくつかの実施形態においては、針状突起物が、図8Eに示されているものなど、周囲の体構造の組織を把持するためのフック770、775を備えている。フック770、775は、アンカの1つ以上のレッグ730へと取り付けることができる。例えば、フック770、775を、装置のレッグ730の1つ以上へと、溶接、接着、またはクリンプすることができる。図示のように、フック770、775を、クリンプ・スリーブ760を使用してレッグ730のうちの1つへと取り付けられたワイヤからなるただ1つのフィラメントから形成できる。このように、フック770、775およびアンカそのものについて、異なる材料を使用することができる。あるいは、フックを異なる材料から形成し、各フックを別個にレッグ730へと取り付けてもよい。
【0064】
いくつかの実施形態においては、フック770、775を、ニチノール・ワイヤなどの形状記憶材料から製造できる。好ましくは、形状記憶合金は体温で相転移するように設定される。したがって、フック770、775を挿入に先立って冷却し、周囲の体構造の組織へと貫入すべく実質的に直線状に構成することができる。次いで、組織へと挿入されると、結果として体温による温度上昇により相転移を引き起こし、フック770、775の形状が、組織を把持するためのフック状へと再形成される。取り外しのためには、体構造をフック770、775の領域において体温を下回るように、したがって相転移温度を下回るように冷却でき、フック770、775を再び直線状にすることで、組織からの取り出しを容易にすることができる。例えば、フック770、775を、体への設置および体からの取り出しのために軟化させるため、冷水の注入によって冷却することができる。さらには、フック770、775が、送達の際に平坦にされ、解放されたときに弾性によって組織へと進入するニチノールの超弾性ワイヤであってもよい。
【0065】
形状記憶の場合、体内へと容易に挿入できるように、それらは室温下では折り畳まれて平坦である。フックは、体温において、組織への係止のための形状をとる。超弾性の場合、それらは平坦であるように押し付けられて、挿入のためのチューブの中に配置され、この送達用のチューブから押し出されたときに、アンカが弾性によって形をとる。展張前の針状突起物、展張された針状突起物および送達のために折り畳まれたシステムはそれぞれの形状を示す。
【0066】
図9は、波状のアンカ920を細長いスリーブ910の上流端に接続して備えている本発明の他の実施形態のスリーブ装置900の側面概略図である。いくつかの実施形態においては、固定装置940’、940’’が、必ずしも上流側のアンカ920においてではなく、スリーブ910に設けられている。例えば、図9に示されているように、スリーブ装置900が、波状アンカなどの第1のアンカ装置920を上流端に有する可撓スリーブ910を備えている。いくつかの実施形態においては、波状アンカ920が、自身が周囲の組織へと加える半径方向の力に依存することによって、胃腸管内において自身の位置を維持することができる。あるいは、波状アンカ920が、装置900の上流端をさらに固定するため、図8A〜8Eに関して上述したものと同様の複数の針状突起物930など、1つ以上の係止部材を備えることができる。
【0067】
追加の係止部材940’、940’’は、可撓スリーブ910に沿って、波状アンカ920とは別個に配置することができる。例えば、係止帯940’、940’’(総称して940)を、スリーブ910に取り付けることができる。それぞれの係止帯が、1つ以上の針状突起物を含んでいる。例えば、係止帯940は、複数の針状突起物を、係止帯940に沿って直線状に配置して備えることができる。
【0068】
図10Aおよび10Bは、スリーブ針状突起物940の一実施形態のさらに詳細な概略図である。係止帯1000が、取り付け枠1010および複数の針状突起物1020を備えており、針状突起物1020のそれぞれが、一端において枠1010に接続されている。好ましくは、帯1000は、追従性を有し柔軟である。例えば、帯1000を、ニチノールなどの形状記憶材料またはステンレス鋼からなり、所望の柔軟性が確保されるように選択された厚さ「t」を有している薄い帯から形成できる。いくつかの実施形態においては、針状突起物1020を取り付け枠1010へと、機械的な固定具、溶接、および/または化学的な接合によって取り付けることができる。他の実施形態においては、針状突起物1020を、帯1000の材料から形成することができる。例えば、三角形などの形状を帯1000へと切り込み、次いでそれらの三角形を、埋め込まれたときに周囲の組織に係合するよう、帯から外向きに曲げることによって、針状突起物を形成できる。係止帯1000の柔軟性を確保するため、帯1010の縁から針状突起物の縁まで測定した幅「W2」を含む帯の幅「W1」は、最小限の寸法に抑制される。
【0069】
いくつかの実施形態においては、一方向への移動を防止するため、帯1000のすべての針状突起物1020が同じ方向を向いている。このようなやり方で、針状突起物1020を備え、すべての係止部材1000が実質的に同じ方向に整列した状態で、複数の係止部材1000を1つのスリーブ910に取り付けることができる。あるいは、いくつかの針状突起物1020が1つの方向に整列する一方で、他の針状突起物1020が他の方向に整列するように、複数の係止部材1000の向きが異なっていてもよい。他の実施形態においては、どちらの方向への動きも防止するため、針状突起物が帯1010の表面に対して実質的に垂直に形成されている。
【0070】
あるいは、図11Aおよび11Bに示したように、同じ帯において、針状突起物が異なる向きを備えて形成されてもよい。すなわち、アンカ装置1100が、第1の方向を向いた第1の針状突起物1120と別の(たとえば、反対の)方向を向いた第2の針状突起物1130とを含んだ取り付け帯1110を備えている。
【0071】
他の実施形態においては、図12Aおよび12Bに示されているように、係止帯1200を、ポリマーなどの成型可能な材料から形成された取り付け帯1210を有して形成することができる。このやり方で、1つ以上の針状突起物1220を、それ自身が帯1210へと係止される一部分を備えることによって、取り付け帯1210に取り付けることができる。例えば、図示のように、針状突起物1220をワイヤの一セグメントから、ワイヤ・セグメントの第1の部位が取り付け帯1210へと埋め込まれる一方で、ワイヤ・セグメントの第2の部位が、埋め込まれたときに周囲の組織に係合するように構成されて、取り付け帯1210から突き出すように、形成できる。
【0072】
波状の設計の利点は、きわめて広い範囲の直径にわたってきわめて平坦な追従曲線を有するアンカを形成できる能力にある。一般的に、図13を参照すると、典型的な追従曲線が、種々の装置が半径方向に圧縮されたときにもたらす半径方向の力を示している。これは、腸が収縮したときでも、組織に対する力がほぼ一定であることを意味している。このように追従性のある装置は、周囲の組織にあまり傷つけない。上述のばね状アンカの典型的なばね定数は、メッシュ式のステントに比べ一桁小さい。さらに、波状アンカのもたらすばね定数は、チューブから作られた典型的なニチノール・ステントの約半分である。さらに、市販のステントの運動の範囲が、約0.5インチ未満であるのに対し、波状アンカは、最大約1.5インチの範囲において、ほぼ平坦な追従曲線に応じた動作が可能である。公知のステント、および波状アンカを含む他のいくつかの装置について、典型的な試験結果を表1に提示する。
【0073】
【表1】
【0074】
用途に応じ、医療用の装置(例えば、胃腸用埋め込み装置であるスリーブ)を体から定期的に取り出す必要が、ときにはあるかもしれない。腸内スリーブは例えば、腸に材料との接触からの休息期間をもたらし、より長いスリーブまたはより短いスリーブによって治療を調節し、さらには/あるいは使用寿命が過ぎる前にスリーブ材料を交換するために、定期的に取り出されるかもしれない。挿入、取り出し、および再挿入を容易にするための追加の手段として、2部構成のアンカが、体内へと固定して取り付けられる第1の部位と、第1の部位に着脱可能に係合するように構成された第2の部位とを備えている。したがって、第1の部位すなわち恒久アンカを、患者の体内に固定して取り付ける(すなわち、埋め込む)ことができる。これにより、恒久アンカを、機械的および/または化学的な固定具を使用して患者へと固定することができる。さらには、恒久アンカを、恒久アンカを体内に固定すべく組織の進入成長を促進するように、構成することができる。
【0075】
次いで、第2の固定具を、医療用装置を恒久アンカへと着脱可能に係合させるために使用することができる。例えば、図14Aおよび14Bに示されているように、第2の固定具がコネクタであるクリップ1405を備えることができる。このような設計によれば、医療従事者が、医療用の装置をその位置へと容易に固定する(例えば、「カチリ」と嵌める)ことができ、かつ/またはその位置から容易に取り外すことができる。さらには、腸内スリーブなどの装置が万一にも閉塞した場合、スリーブが脱離して患者の体内を通過できるようにして、生じうる破滅的な結果を回避することが、好都合であろう。したがって、いくつかの実施形態においては、固定手段に作用する線形力が周囲の組織への害を防止するためのしきい値を充分に超えて増加したときに、固定手段が解放される。このようにして、恒久アンカがその位置に残る一方で、固定手段は、約2ポンドなどの所定の力において、壊れて外れるように設計される。ひとたび装置が壊れて外れると、新たな装置を受け入れるべく恒久アンカをその位置に残しつつ、壊れた装置を引き戻す(例えば、食道を通じて)ことができ、あるいは通常は腸管を通して通過させることができる。
【0076】
コネクタであるクリップまたは締め具1405は、少なくとも一部がばね部材1410によって規定されるループによって形成できる。さらにループは、ばね部材1410を撓ませることによって広げることができる開口1415を備えている。好ましくは、開口1415は、ばね部材1410が撓んでいない通常時には、閉じている。このようにして、スリーブなどの対になる装置の造作を、締め具1405へと挿入し、上述のとおりスリーブを恒久アンカ1400に固定することができる。例えば、スリーブの上流端に、波状アンカの結節点によって形成されるループなど、1つ以上のループ1420を備えることができる。取り外し時には、1つ以上のループ1420を締め具1405から引き出し、スリーブを恒久アンカ1400から分離させ、体から取り出すことができる。恒久アンカ1400は体内に残され、同様のやり方で再び使用することができる。他の実施形態においては、着脱可能な装置が、恒久アンカ1400のループなどの造作に係合するように構成された1つ以上の締め具を備えている。
【0077】
他の胃腸用埋め込み装置の実施形態においては、2部構成のアンカを、コネクタである磁気留め具を使用して一体に固定することができる。例えば、恒久アンカに、1つ以上の磁石を備えることができる。第2の着脱式のアンカに、磁気的に引き付けられる対応する造作を、恒久アンカの1つ以上の磁石へと付着するように構成して備えることができる。これにより、恒久アンカと着脱可能アンカとが、磁石による引力によって着脱可能に一体に接続される。代案としては、着脱可能なアンカに1つ以上の磁石を備え、恒久アンカに磁気的に引き付けられる対応する造作を備えることができ、これら2つのアンカが、磁石による引力によって着脱可能に一体に接続される。またさらには、恒久アンカおよび着脱可能アンカのそれぞれを、磁石および磁気的に引き付けられる造作の両者を他方のアンカの対応する造作に磁気的に結合するように構成して備えるように構成できる。
【0078】
図15A〜15Eに示されている一実施形態においては、第1のアンカ・コンポーネント1500を、上述の手段のいずれかを使用して、胃腸管の内部管腔へと固定することができる。第1のアンカ・コンポーネント1500は、第1および第2の磁石1505’、1505’’を備えている。第2のアンカ・コンポーネント1510を、細長いスリーブなどの医療用装置に固定することができる。第2のアンカ・コンポーネント1510は、磁気的に引き付けられる第1および第2の造作1515’、1515’’を備えている。2つのアンカ・コンポーネント1500、1510は、図15Cに示すようにお互いの近くへともたらされたとき、上述のとおり磁気によって一体に接続される。接続されたアンカ1500、1510の側面図および端面図が、それぞれ図15Dおよび15Eに示されている。
【0079】
いくつかの実施形態においては、波状アンカが、ワイヤまたはケーブル撚線から形成される。他の実施形態においては、図16および17に示すように、波状アンカを、筒状の素材から切り出すことができる。例えば、波状アンカを、ニチノールの筒からレーザ・カットで切り出すことができる。好都合には、波状パターンを、同じ筒から実質的に同一である複数の波状アンカを最小限の端材で切り出すことができるように、形成できる。さらには、針状突起物または外科用ホチキスなどの機械式の固定具も、波状アンカと針状突起物とが一体であるように、同じ筒から切り出すことができる。このやり方で形成されたとき、針状突起物は、一般的に上述したように筋肉組織へと係合させるため、波状アンカの軸から離れるように曲げられ、あるいは角度が付けられる。
【0080】
本発明を、本発明の好ましい実施形態を参照しつつ詳しく示して説明したが、添付の特許請求の範囲に包含される本発明の技術的範囲から離れることなく、形態および詳細においてさまざまな変更が可能であることを、当業者であれば理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1A】緩んだ状態にある本発明のアンカの一実施形態の概略の端面図である。
【図1B】同実施形態の概略の側面図である。
【図1C】図1および図2に示したアンカの実施形態について、圧縮された状態の概略の側面図である。
【図2A】図1A、1Bに示した本発明のアンカの概略の斜視図である。
【図2B】本発明の他のアンカの実施形態の概略の斜視図である。
【図3A】本発明のアンカの波状パターンの1つの実施形態の概略図である。
【図3B】同パターンの他の1つの実施形態の概略図である。
【図3C】同パターンのさらに他の1つの実施形態の概略図である。
【図3D】同パターンのなおさらに他の1つの実施形態の概略図である。
【図4】細長いスリーブを備えてなる本発明のスリーブ装置の一実施形態の概略の側面図である。
【図5A】同装置の他の1つの種類の補強を示した概略図である。
【図5B】同装置のさらに他の1つの種類の補強を示した概略図である。
【図5C】同装置のなおさらに他の1つの種類の補強を示した概略図である。
【図6】同装置の実施形態について、動物の体の胃腸管の生まれつきの管腔へと埋め込まれた状態の概略図である。
【図7】生まれつきの管腔へと挿入された本発明の一実施形態のさらに詳しい縦断面図である。
【図8A】図7に示されている針状突起物の実施形態のさらに詳しい概略図である。
【図8B】図8Aに示されている針状突起物のうちの1つの先端のさらに詳しい概略図である。
【図8C】図8Aおよび8Bに示した針状突起物の実施形態について、生まれつきの管腔への挿入の1つのステップの概略図である。
【図8D】同次のステップ概略図である。
【図8E】針状突起物の他の実施形態の概略図である。
【図9】スリーブに針状突起物を備えている本発明の他の実施形態の概略の側面図である。
【図10A】スリーブの針状突起物の一実施形態のさらに詳しい側面図である。
【図10B】同平面図である。
【図11A】スリーブの針状突起物の他の実施形態のさらに詳しい側面図である。
【図11B】同平面図である。
【図12A】スリーブの針状突起物のまた別の実施形態のさらに詳しい側面図である。
【図12B】同平面図である。
【図13】本発明の種々の実施形態についての典型的な追従曲線図である。
【図14A】コネクタの実施形態について、それぞれ係合した状態および係合しつつある状態の概略図である。
【図14B】コネクタの実施形態について、それぞれ係合した状態および係合しつつある状態の概略図である。
【図15A】磁気結合式の波状アンカ装置の一部位の斜視図である。
【図15B】同波状アンカ装置について、対をなす部位の斜視図である。
【図15C】同波状アンカ装置の両部位を未結合の状態について示した側面図である。
【図15D】それぞれ同波状アンカ装置を結合した状態について示した側面図である。
【図15E】それぞれ同波状アンカ装置を結合した状態について示した端面図である。
【図16】針状突起物を一体に形成して備えている本発明の一実施形態を示している。
【図17】針状突起物を一体に形成して備えている本発明の他の実施形態を示している。
【符号の説明】
【0082】
100 400 900 スリーブ装置
105 第1の端部
106 十二指腸
108 415 630 730 アンカ
110 410 910 スリーブ
115 215 中心軸
119 十二指腸球部
200 920 波状アンカ
600 腸
605 腸の筋肉組織
620 胃腸用埋め込み装置
640 645 646 740 745 930 針状突起物
700 (機械式の)固定具
1405 コネクタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端において開いており、腸の中へと延びるように構成されている非支持の可撓スリーブと、
前記スリーブの上流部に接続され、動物の体内に取り付けられるように構成されている波状アンカと、
を有している胃腸用埋め込み装置。
【請求項2】
請求項1において、前記波状アンカが、腸内に取り付けられるように構成されている胃腸用埋め込み装置。
【請求項3】
請求項2において、前記波状アンカが、十二指腸に取り付けられるように構成されている胃腸用埋め込み装置。
【請求項4】
請求項2において、前記波状アンカが、十二指腸球部に取り付けられるように構成されている胃腸用埋め込み装置。
【請求項5】
請求項1において、前記波状アンカが、腸内に着脱可能に取り付けられるように構成されている胃腸用埋め込み装置。
【請求項6】
請求項1において、前記波状アンカが、中心軸の周囲に形成された細長い弾性部材を含んでおり、第1の端部および第2の端部を有するとともに、それらの間に中央管腔を定めており、前記弾性部材が、前記中心軸の周囲を前記第1の端部と前記第2の端部との間で往復する振幅パターンを定めている胃腸用埋め込み装置。
【請求項7】
請求項6において、前記波状パターンが、少なくとも4つの振幅を有している胃腸用埋め込み装置。
【請求項8】
請求項6において、前記弾性部材が、金属、合金、プラスチック、およびこれらの組み合わせで構成されるグループから選択される材料を含んでいる胃腸用埋め込み装置。
【請求項9】
請求項6において、前記弾性部材が、超弾性合金を含んでいる胃腸用埋め込み装置。
【請求項10】
請求項9において、前記超弾性合金が、ニッケル‐チタニウム合金である胃腸用埋め込み装置。
【請求項11】
請求項6において、前記弾性部材が、複数のストランドを含んでいる胃腸用埋め込み装置。
【請求項12】
請求項11において、前記複数のストランドのいくつかが、異なる物理的特性を有している胃腸用埋め込み装置。
【請求項13】
請求項6において、前記弾性部材が、或る物理的特性を持つ第1の長さ部分と前記第1の長さ部分の物理特性と関連した別の物理的特性を持つ第2の長さ部分とを有している胃腸用埋め込み装置。
【請求項14】
請求項13において、前記物理的特性が弾性である胃腸用埋め込み装置。
【請求項15】
請求項13において、前記物理的特性が厚さである胃腸用埋め込み装置。
【請求項16】
請求項13において、前記物理的特性が横断面形状である胃腸用埋め込み装置。
【請求項17】
請求項1において、前記波状アンカが、緩められた状態と圧縮された状態との間で可変である中央管腔の直径を定めており、前記両端は、軸方向の長さによって隔てられており、埋め込まれたときの直径に対する軸方向の長さの比が、少なくとも1である胃腸用埋め込み装置。
【請求項18】
請求項17において、前記緩められた直径が、45ミリメートルである胃腸用埋め込み装置。
【請求項19】
請求項1において、前記波状アンカを胃腸管の生まれつきの管腔内に取り付けるための造作をさらに有している胃腸用埋め込み装置。
【請求項20】
請求項19において、前記取り付けのための造作が、前記波状アンカと生まれつきの管腔との間に形成される干渉を伴う嵌め合いを含んでいる胃腸用埋め込み装置。
【請求項21】
請求項20において、前記取り付けのための造作が、機械的な固定具、化学的な固定具、およびこれらの組み合わせで構成されるグループから選択される胃腸用埋め込み装置。
【請求項22】
請求項21において、前記化学的な固定具が、外科用の接着剤を含んでいる胃腸用埋め込み装置。
【請求項23】
請求項21において、前記機械的な固定具が、針状突起物、縫合糸、外科用ホチキス、およびこれらの組み合わせで構成されるグループから選択される胃腸用埋め込み装置。
【請求項24】
請求項20において、第1の複数の針状突起物を使用して取り付けられる胃腸用埋め込み装置。
【請求項25】
請求項24において、前記複数の針状突起物のそれぞれが、一端が前記波状アンカへと取り付けられ他端が前記中心軸からおおむね外向きに延びている細長い部材を有しており、前記針状突起物が、周囲の腸の筋肉組織に係合するような寸法とされている胃腸用埋め込み装置。
【請求項26】
請求項24において、前記複数の針状突起物が分解性である胃腸用埋め込み装置。
【請求項27】
請求項24において、前記第1の複数の針状突起物が、軸方向に分布して実質的に当該装置の端部のうちの一方に位置している胃腸用埋め込み装置。
【請求項28】
請求項27において、軸方向に分布した第2の複数の針状突起物を、前記第1の複数の針状突起物と当該装置の他端との間に配置してさらに有している胃腸用埋め込み装置。
【請求項29】
両端において開いている非支持の可撓スリーブを用意するステップと、
前記スリーブの少なくとも一端を、動物の体の腸の中へと延ばすステップと、
前記スリーブの上流部を、波状アンカを使用して前記動物の体内に取り付けるステップと、
を含んでいる処置方法。
【請求項30】
請求項29において、取り付けるステップが、前記波状アンカを腸内に取り付けるステップを含んでいる方法。
【請求項31】
請求項30において、取り付けるステップが、前記波状アンカを十二指腸に取り付けるステップを含んでいる方法。
【請求項32】
請求項30において、取り付けるステップが、前記波状アンカを十二指腸球部に取り付けるステップを含んでいる方法。
【請求項33】
請求項29において、前記波状アンカが、腸内に着脱可能に取り付けられるように構成されている方法。
【請求項34】
請求項29において、前記波状アンカが、中心軸の周囲に形成された細長い弾性部材を含んでおり、第1の端部および第2の端部を有するとともに、それらの間に中央管腔を定めており、前記弾性部材が、前記中心軸の周囲で前記第1の端部と前記第2の端部との間を往復する振幅パターンを定めている方法。
【請求項35】
請求項34において、前記波状パターンが、少なくとも4つの振幅を有している方法。
【請求項36】
請求項34において、前記弾性部材が、金属、合金、プラスチック、およびこれらの組み合わせで構成されるグループから選択される材料を含んでいる方法。
【請求項37】
請求項34において、前記弾性部材が、形状記憶合金を含んでいる方法。
【請求項38】
請求項37において、前記形状記憶合金が、ニッケル‐チタニウム合金である方法。
【請求項39】
請求項34において、前記弾性部材が、複数のストランドを含んでいる方法。
【請求項40】
請求項39において、前記複数のストランドのいくつかが、異なる物理的特性を有している方法。
【請求項41】
請求項34において、前記弾性部材が、或る物理的特性を持つ第1の長さ部分と前記第1の長さ部分の物理特性と関連した別の物理的特性を持つ第2の長さ部分とを有している方法。
【請求項42】
請求項41において、前記物理的特性が弾性である方法。
【請求項43】
請求項41において、前記物理的特性が厚さである方法。
【請求項44】
請求項41において、前記物理的特性が横断面形状である方法。
【請求項45】
請求項29において、前記波状アンカが、緩められた状態と圧縮された状態との間で可変である中央管腔の直径を定めており、前記両端は、軸方向の長さによって隔てられており、埋め込まれたときの直径に対する軸方向の長さの比が、少なくとも約1である方法。
【請求項46】
請求項45において、前記緩められた直径が、45ミリメートルである方法。
【請求項47】
請求項29において、前記波状アンカを胃腸管の生まれつきの管腔内に取り付けるための造作を用意するステップをさらに有している方法。
【請求項48】
請求項47において、前記取り付けのための造作が、前記波状アンカと生まれつきの管腔との間に形成される干渉を伴う嵌め合いを含んでいる方法。
【請求項49】
請求項47において、前記取り付けのための造作が、機械的な固定具、化学的な固定具、およびこれらの組み合わせで構成されるグループから選択される方法。
【請求項50】
請求項49において、前記化学的な固定具が、外科用の接着剤を含んでいる方法。
【請求項51】
請求項49において、前記機械的な固定具が、針状突起物、縫合糸、外科用ホチキス、およびこれらの組み合わせで構成されるグループから選択される方法。
【請求項52】
請求項29において、当該埋め込み装置が、第1の複数の針状突起物を使用して取り付けられる方法。
【請求項53】
請求項52において、前記複数の針状突起物のそれぞれが、一端が前記波状アンカへと取り付けられ他端が前記中心軸からおおむね外向きに延びている細長い部材を有しており、前記針状突起物が、周囲の腸の筋肉組織に係合するような寸法とされている方法。
【請求項54】
請求項52において、前記複数の針状突起物が分解性である方法。
【請求項55】
請求項51において、前記第1の複数の針状突起物が、軸方向に分布して実質的に当該装置の端部のうちの一方に位置している方法。
【請求項56】
請求項55において、軸方向に分布した第2の複数の針状突起物を、前記第1の複数の針状突起物と当該装置の他端との間に配置してさらに有している方法。
【請求項57】
動物の胃腸管の生まれつきの管腔へと挿入されるように構成された第1の環状部材と、
前記第1の環状部材を前記生まれつきの管腔内に固定して取り付けるための固定具、
胃腸用の埋め込み物と、
前記第1の環状部材と前記胃腸用の埋め込み物との間を着脱可能に接続するためのコネクタと、
を有している胃腸用埋め込み装置。
【請求項58】
請求項57において、前記固定具が、機械的な固定具、化学的な固定具、およびこれらの組み合わせで構成されるグループから選択される胃腸用埋め込み装置。
【請求項59】
請求項58において、前記機械的な固定具が、針状突起物、縫合糸、外科用ホチキス、およびこれらの組み合わせで構成されるグループから選択される胃腸用埋め込み装置。
【請求項60】
請求項57において、前記胃腸用の埋め込み物が、第2の環状部材を含んでいる胃腸用埋め込み装置。
【請求項61】
請求項60において、前記第2の環状部材が、上流端(近位端)および下流端(遠位端)の間に中央管腔を定める非支持の可撓スリーブを含んでいる胃腸用埋め込み装置。
【請求項62】
請求項57において、前記コネクタが、前記第1の環状部材および前記胃腸用埋め込み物のうちの一方に取り付けられ、前記第1の環状部材および前記胃腸用埋め込み物のうちの他方の造作と係合するように構成されている締め具を含んでいる胃腸用埋め込み装置。
【請求項63】
請求項57において、前記コネクタが、磁気による引力によって動作する胃腸用埋め込み装置。
【請求項64】
請求項57において、前記コネクタが、前記第1の環状部材および前記胃腸用埋め込み物のうちの一方に取り付けられ、前記第1の環状部材および前記胃腸用埋め込み物のうちの他方の造作と係合するように構成されている磁石を含んでいる胃腸用埋め込み装置。
【請求項65】
動物の胃腸管の生まれつきの管腔へと、第1の環状部材を挿入するステップと、
前記第1の環状部材を前記生まれつきの管腔内に固定して取り付けるステップと、
胃腸用の埋め込み物を用意するステップと、
前記胃腸用の埋め込み物を前記第1の環状部材へと着脱可能に接続するステップと、
を含んでいる処置方法。
【請求項66】
請求項65において、前記第1の環状部材を固定して取り付けるステップが、機械的な固定具、化学的な固定具、およびこれらの組み合わせで構成されるグループから選択される固定具を使用するステップを含んでいる方法。
【請求項67】
請求項66において、前記機械的な固定具が、針状突起物、縫合糸、外科用ホチキス、およびこれらの組み合わせで構成されるグループから選択される方法。
【請求項68】
請求項67において、前記胃腸用の埋め込み物が、第2の環状部材を含んでいる方法。
【請求項69】
請求項68において、前記第2の環状部材が、上流端および下流端の間に中央管腔を定める非支持の可撓スリーブを含んでいる方法。
【請求項70】
請求項65において、着脱可能に接続するステップが、
締め具を用意するステップと、
前記締め具を、前記第1の環状部材および前記胃腸用埋め込み物のうちの一方に取り付けるステップと、
前記第1の環状部材および前記胃腸用埋め込み物のうちの他方の造作を、前記締め具に係合させるステップと、
を含んでいる方法。
【請求項71】
請求項70において、着脱可能に接続するステップが、
磁気による引力によって動作するコネクタを用意するステップと、
前記コネクタを、前記第1の環状部材および前記胃腸用埋め込み物のうちの一方に接続するステップと、
前記第1の環状部材および前記胃腸用埋め込み物のうちの他方の造作を、前記コネクタに磁気によって係合させるステップと、
を含んでいる方法。
【請求項1】
両端において開いており、腸の中へと延びるように構成されている非支持の可撓スリーブと、
前記スリーブの上流部に接続され、動物の体内に取り付けられるように構成されている波状アンカと、
を有している胃腸用埋め込み装置。
【請求項2】
請求項1において、前記波状アンカが、腸内に取り付けられるように構成されている胃腸用埋め込み装置。
【請求項3】
請求項2において、前記波状アンカが、十二指腸に取り付けられるように構成されている胃腸用埋め込み装置。
【請求項4】
請求項2において、前記波状アンカが、十二指腸球部に取り付けられるように構成されている胃腸用埋め込み装置。
【請求項5】
請求項1において、前記波状アンカが、腸内に着脱可能に取り付けられるように構成されている胃腸用埋め込み装置。
【請求項6】
請求項1において、前記波状アンカが、中心軸の周囲に形成された細長い弾性部材を含んでおり、第1の端部および第2の端部を有するとともに、それらの間に中央管腔を定めており、前記弾性部材が、前記中心軸の周囲を前記第1の端部と前記第2の端部との間で往復する振幅パターンを定めている胃腸用埋め込み装置。
【請求項7】
請求項6において、前記波状パターンが、少なくとも4つの振幅を有している胃腸用埋め込み装置。
【請求項8】
請求項6において、前記弾性部材が、金属、合金、プラスチック、およびこれらの組み合わせで構成されるグループから選択される材料を含んでいる胃腸用埋め込み装置。
【請求項9】
請求項6において、前記弾性部材が、超弾性合金を含んでいる胃腸用埋め込み装置。
【請求項10】
請求項9において、前記超弾性合金が、ニッケル‐チタニウム合金である胃腸用埋め込み装置。
【請求項11】
請求項6において、前記弾性部材が、複数のストランドを含んでいる胃腸用埋め込み装置。
【請求項12】
請求項11において、前記複数のストランドのいくつかが、異なる物理的特性を有している胃腸用埋め込み装置。
【請求項13】
請求項6において、前記弾性部材が、或る物理的特性を持つ第1の長さ部分と前記第1の長さ部分の物理特性と関連した別の物理的特性を持つ第2の長さ部分とを有している胃腸用埋め込み装置。
【請求項14】
請求項13において、前記物理的特性が弾性である胃腸用埋め込み装置。
【請求項15】
請求項13において、前記物理的特性が厚さである胃腸用埋め込み装置。
【請求項16】
請求項13において、前記物理的特性が横断面形状である胃腸用埋め込み装置。
【請求項17】
請求項1において、前記波状アンカが、緩められた状態と圧縮された状態との間で可変である中央管腔の直径を定めており、前記両端は、軸方向の長さによって隔てられており、埋め込まれたときの直径に対する軸方向の長さの比が、少なくとも1である胃腸用埋め込み装置。
【請求項18】
請求項17において、前記緩められた直径が、45ミリメートルである胃腸用埋め込み装置。
【請求項19】
請求項1において、前記波状アンカを胃腸管の生まれつきの管腔内に取り付けるための造作をさらに有している胃腸用埋め込み装置。
【請求項20】
請求項19において、前記取り付けのための造作が、前記波状アンカと生まれつきの管腔との間に形成される干渉を伴う嵌め合いを含んでいる胃腸用埋め込み装置。
【請求項21】
請求項20において、前記取り付けのための造作が、機械的な固定具、化学的な固定具、およびこれらの組み合わせで構成されるグループから選択される胃腸用埋め込み装置。
【請求項22】
請求項21において、前記化学的な固定具が、外科用の接着剤を含んでいる胃腸用埋め込み装置。
【請求項23】
請求項21において、前記機械的な固定具が、針状突起物、縫合糸、外科用ホチキス、およびこれらの組み合わせで構成されるグループから選択される胃腸用埋め込み装置。
【請求項24】
請求項20において、第1の複数の針状突起物を使用して取り付けられる胃腸用埋め込み装置。
【請求項25】
請求項24において、前記複数の針状突起物のそれぞれが、一端が前記波状アンカへと取り付けられ他端が前記中心軸からおおむね外向きに延びている細長い部材を有しており、前記針状突起物が、周囲の腸の筋肉組織に係合するような寸法とされている胃腸用埋め込み装置。
【請求項26】
請求項24において、前記複数の針状突起物が分解性である胃腸用埋め込み装置。
【請求項27】
請求項24において、前記第1の複数の針状突起物が、軸方向に分布して実質的に当該装置の端部のうちの一方に位置している胃腸用埋め込み装置。
【請求項28】
請求項27において、軸方向に分布した第2の複数の針状突起物を、前記第1の複数の針状突起物と当該装置の他端との間に配置してさらに有している胃腸用埋め込み装置。
【請求項29】
両端において開いている非支持の可撓スリーブを用意するステップと、
前記スリーブの少なくとも一端を、動物の体の腸の中へと延ばすステップと、
前記スリーブの上流部を、波状アンカを使用して前記動物の体内に取り付けるステップと、
を含んでいる処置方法。
【請求項30】
請求項29において、取り付けるステップが、前記波状アンカを腸内に取り付けるステップを含んでいる方法。
【請求項31】
請求項30において、取り付けるステップが、前記波状アンカを十二指腸に取り付けるステップを含んでいる方法。
【請求項32】
請求項30において、取り付けるステップが、前記波状アンカを十二指腸球部に取り付けるステップを含んでいる方法。
【請求項33】
請求項29において、前記波状アンカが、腸内に着脱可能に取り付けられるように構成されている方法。
【請求項34】
請求項29において、前記波状アンカが、中心軸の周囲に形成された細長い弾性部材を含んでおり、第1の端部および第2の端部を有するとともに、それらの間に中央管腔を定めており、前記弾性部材が、前記中心軸の周囲で前記第1の端部と前記第2の端部との間を往復する振幅パターンを定めている方法。
【請求項35】
請求項34において、前記波状パターンが、少なくとも4つの振幅を有している方法。
【請求項36】
請求項34において、前記弾性部材が、金属、合金、プラスチック、およびこれらの組み合わせで構成されるグループから選択される材料を含んでいる方法。
【請求項37】
請求項34において、前記弾性部材が、形状記憶合金を含んでいる方法。
【請求項38】
請求項37において、前記形状記憶合金が、ニッケル‐チタニウム合金である方法。
【請求項39】
請求項34において、前記弾性部材が、複数のストランドを含んでいる方法。
【請求項40】
請求項39において、前記複数のストランドのいくつかが、異なる物理的特性を有している方法。
【請求項41】
請求項34において、前記弾性部材が、或る物理的特性を持つ第1の長さ部分と前記第1の長さ部分の物理特性と関連した別の物理的特性を持つ第2の長さ部分とを有している方法。
【請求項42】
請求項41において、前記物理的特性が弾性である方法。
【請求項43】
請求項41において、前記物理的特性が厚さである方法。
【請求項44】
請求項41において、前記物理的特性が横断面形状である方法。
【請求項45】
請求項29において、前記波状アンカが、緩められた状態と圧縮された状態との間で可変である中央管腔の直径を定めており、前記両端は、軸方向の長さによって隔てられており、埋め込まれたときの直径に対する軸方向の長さの比が、少なくとも約1である方法。
【請求項46】
請求項45において、前記緩められた直径が、45ミリメートルである方法。
【請求項47】
請求項29において、前記波状アンカを胃腸管の生まれつきの管腔内に取り付けるための造作を用意するステップをさらに有している方法。
【請求項48】
請求項47において、前記取り付けのための造作が、前記波状アンカと生まれつきの管腔との間に形成される干渉を伴う嵌め合いを含んでいる方法。
【請求項49】
請求項47において、前記取り付けのための造作が、機械的な固定具、化学的な固定具、およびこれらの組み合わせで構成されるグループから選択される方法。
【請求項50】
請求項49において、前記化学的な固定具が、外科用の接着剤を含んでいる方法。
【請求項51】
請求項49において、前記機械的な固定具が、針状突起物、縫合糸、外科用ホチキス、およびこれらの組み合わせで構成されるグループから選択される方法。
【請求項52】
請求項29において、当該埋め込み装置が、第1の複数の針状突起物を使用して取り付けられる方法。
【請求項53】
請求項52において、前記複数の針状突起物のそれぞれが、一端が前記波状アンカへと取り付けられ他端が前記中心軸からおおむね外向きに延びている細長い部材を有しており、前記針状突起物が、周囲の腸の筋肉組織に係合するような寸法とされている方法。
【請求項54】
請求項52において、前記複数の針状突起物が分解性である方法。
【請求項55】
請求項51において、前記第1の複数の針状突起物が、軸方向に分布して実質的に当該装置の端部のうちの一方に位置している方法。
【請求項56】
請求項55において、軸方向に分布した第2の複数の針状突起物を、前記第1の複数の針状突起物と当該装置の他端との間に配置してさらに有している方法。
【請求項57】
動物の胃腸管の生まれつきの管腔へと挿入されるように構成された第1の環状部材と、
前記第1の環状部材を前記生まれつきの管腔内に固定して取り付けるための固定具、
胃腸用の埋め込み物と、
前記第1の環状部材と前記胃腸用の埋め込み物との間を着脱可能に接続するためのコネクタと、
を有している胃腸用埋め込み装置。
【請求項58】
請求項57において、前記固定具が、機械的な固定具、化学的な固定具、およびこれらの組み合わせで構成されるグループから選択される胃腸用埋め込み装置。
【請求項59】
請求項58において、前記機械的な固定具が、針状突起物、縫合糸、外科用ホチキス、およびこれらの組み合わせで構成されるグループから選択される胃腸用埋め込み装置。
【請求項60】
請求項57において、前記胃腸用の埋め込み物が、第2の環状部材を含んでいる胃腸用埋め込み装置。
【請求項61】
請求項60において、前記第2の環状部材が、上流端(近位端)および下流端(遠位端)の間に中央管腔を定める非支持の可撓スリーブを含んでいる胃腸用埋め込み装置。
【請求項62】
請求項57において、前記コネクタが、前記第1の環状部材および前記胃腸用埋め込み物のうちの一方に取り付けられ、前記第1の環状部材および前記胃腸用埋め込み物のうちの他方の造作と係合するように構成されている締め具を含んでいる胃腸用埋め込み装置。
【請求項63】
請求項57において、前記コネクタが、磁気による引力によって動作する胃腸用埋め込み装置。
【請求項64】
請求項57において、前記コネクタが、前記第1の環状部材および前記胃腸用埋め込み物のうちの一方に取り付けられ、前記第1の環状部材および前記胃腸用埋め込み物のうちの他方の造作と係合するように構成されている磁石を含んでいる胃腸用埋め込み装置。
【請求項65】
動物の胃腸管の生まれつきの管腔へと、第1の環状部材を挿入するステップと、
前記第1の環状部材を前記生まれつきの管腔内に固定して取り付けるステップと、
胃腸用の埋め込み物を用意するステップと、
前記胃腸用の埋め込み物を前記第1の環状部材へと着脱可能に接続するステップと、
を含んでいる処置方法。
【請求項66】
請求項65において、前記第1の環状部材を固定して取り付けるステップが、機械的な固定具、化学的な固定具、およびこれらの組み合わせで構成されるグループから選択される固定具を使用するステップを含んでいる方法。
【請求項67】
請求項66において、前記機械的な固定具が、針状突起物、縫合糸、外科用ホチキス、およびこれらの組み合わせで構成されるグループから選択される方法。
【請求項68】
請求項67において、前記胃腸用の埋め込み物が、第2の環状部材を含んでいる方法。
【請求項69】
請求項68において、前記第2の環状部材が、上流端および下流端の間に中央管腔を定める非支持の可撓スリーブを含んでいる方法。
【請求項70】
請求項65において、着脱可能に接続するステップが、
締め具を用意するステップと、
前記締め具を、前記第1の環状部材および前記胃腸用埋め込み物のうちの一方に取り付けるステップと、
前記第1の環状部材および前記胃腸用埋め込み物のうちの他方の造作を、前記締め具に係合させるステップと、
を含んでいる方法。
【請求項71】
請求項70において、着脱可能に接続するステップが、
磁気による引力によって動作するコネクタを用意するステップと、
前記コネクタを、前記第1の環状部材および前記胃腸用埋め込み物のうちの一方に接続するステップと、
前記第1の環状部材および前記胃腸用埋め込み物のうちの他方の造作を、前記コネクタに磁気によって係合させるステップと、
を含んでいる方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図15D】
【図15E】
【図16】
【図17】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図15D】
【図15E】
【図16】
【図17】
【公表番号】特表2007−513684(P2007−513684A)
【公表日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−543784(P2006−543784)
【出願日】平成16年6月1日(2004.6.1)
【国際出願番号】PCT/US2004/017591
【国際公開番号】WO2005/060882
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(505205362)ジーアイ・ダイナミックス・インコーポレーテッド (10)
【氏名又は名称原語表記】GI DYNAMICS,INC.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月1日(2004.6.1)
【国際出願番号】PCT/US2004/017591
【国際公開番号】WO2005/060882
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(505205362)ジーアイ・ダイナミックス・インコーポレーテッド (10)
【氏名又は名称原語表記】GI DYNAMICS,INC.
【Fターム(参考)】
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