説明

背負い鞄の背当ておよび背負い鞄

【課題】使用者の背中に沿うように隆起させたものに簡単に調整することができ、クッション材を外装生地で被うように型押しプレスする場合に、隆起の調整がうまくおこなえ、不良品が発生することなく、さらに鞄を背負ったときに垂直な状態となるのに必要な背当ての隆起部の位置や高さについての検討を身長別に行うことにより、使用者が鞄を背負ったときに、鞄が背中に程よく密着すると共に、背中に当たる感触が良く、クッション材が配設されていない部分が背中に接触することも少なく痛みを感ずることがなく、背負った鞄が軽く感じられるような背当てを提供する。
【解決手段】クッション材6を、発泡倍率の高い発泡体6aと発泡倍率の低い発泡体6bとを層状に組み合わせて構成したものとしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ランドセル、リュックサックなどの背負い鞄における背当てに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ランドセル、リュックサックなどの背負い鞄において、スポンジ等の発泡体よりなるクッション材を配設し、使用者の背中への当たりを柔らかくするようにした背当てが存在する。
【0003】
この種の従来の背負い鞄の背当ては、平面状としたり、なだらかな曲面形状としたクッション材を配設することにより、全体的に隆起させて、使用者の背中に接触するようにしている。
【0004】
また、従来の背負い鞄の背当ては、図18、19に示したように、背板11の両側部から下部にかけて略U字状のクッション材12を配設することにより、略U字状に隆起させて、使用者の背中に接触するようにしている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−269310公報(図1、3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の背負い鞄の背当ては、背板11に配設するクッション材12が任意の発泡倍率に調整され、一体成形したり細切れにしたものを寄せ集めた発泡体よりなるため、使用者の背中に沿うように隆起させたものに調整するのが困難であるという問題点を有していた。
【0007】
また、従来の背負い鞄の背当ては、クッション材12が前記したような発泡体よりなるため、このクッション材12を外装生地で被うように型押しプレスする場合に、そのクッション材12と外装生地との密着性が悪く、クッション材12が外装生地からずれた状態となって型押しプレスされることがあるので、隆起の調整がうまく行えず、不良品が発生するという問題点を有していた。
【0008】
さらに、従来の背負い鞄の背当ては、使用者の背中に接触するようにしているものの、全体的に隆起させたり、略U字状に隆起させているだけであり、前記したように特に使用者の背中との接触位置を工夫していないので、その隆起部が使用者の背中の適当な位置に、適当な荷重をかけて当たるため、感触が良くなかったり、クッション材が配設されていない部分が背中に接触して痛みを感ずることがあるという問題点を有していた。
【0009】
また、従来の背負い鞄の背当ては、前記したように隆起部が使用者の背中の適当な位置に当たるため、鞄を背負ったときに垂直な状態となるとは限らず、背中と反対方向に傾いてしまうことが多く、鞄の重心が使用者の背中から離れ、鞄が重く感じるという問題点を有していた。
【0010】
そこで、この発明は、従来の背負い鞄の背当てが有する問題点を解消するものであり、使用者の背中に沿うように隆起させたものに簡単に調整することができ、クッション材を外装生地で被うように型押しプレスする場合に、隆起の調整がうまくおこなえ、不良品が発生することなく、さらに鞄を背負ったときに垂直な状態となるのに必要な背当ての隆起部の位置や高さについての検討を身長別に行うことにより、使用者が鞄を背負ったときに、鞄が背中に程よく密着すると共に、背中に当たる感触が良く、クッション材が配設されていない部分が背中に接触することも少なく痛みを感ずることがなく、背負った鞄が軽く感じられるような背当てを提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そのため、この発明の背負い鞄の背当ては、クッション材6を、発泡倍率の高い発泡体6aと発泡倍率の低い発泡体6bとを層状に組み合わせて構成したものとしている。
【0012】
また、この発明の背負い鞄の背当ては、クッション材6を、発泡倍率の高い発泡体6aと、発泡倍率の低い発泡体6bと、これらの発泡倍率の中間の発泡体6cとを層状に組み合わせて構成したものとしている。
【0013】
そして、この発明の背負い鞄の背当ては、前記発泡倍率の高い発泡体6aを背当て1の上層部とし、前記発泡倍率の低い発泡体6bを背当て1の下層部としたものとしている。
【0014】
さらに、この発明の背負い鞄の背当ては、前記発泡倍率の高い発泡体6aを背当て1の上層部とし、前記発泡倍率の低い発泡体6bを背当て1の下層部とし、前記発泡倍率の中間の発泡体6cを背当て1の中層部としたものとしてもよい。
【0015】
また、この発明の背負い鞄の背当ては、前記発泡倍率の高い発泡体6aを発泡倍率が26〜40倍のポリウレタン発泡体とし、前記発泡倍率の低い発泡体6bを発泡倍率が2〜10倍のポリウレタン発泡体としている。
【0016】
さらにまた、この発明の背負い鞄の背当ては、前記発泡倍率の高い発泡体6aを発泡倍率が26〜40倍のポリウレタン発泡体とし、前記発泡倍率の低い発泡体6bを発泡倍率が2〜10倍のポリウレタン発泡体とし、前記発泡倍率の中間の発泡体6cを発泡倍率が15〜25倍のポリウレタン発泡体としている。
【0017】
そして、この発明の背負い鞄の背当ては、使用者が鞄を背負ったときに、背中Bの左右の肩甲骨Sから、肩甲骨S下方へかけての左右それぞれの稜線Lが、その背負い鞄の背当て1に当接する部分に、前記クッション材6による隆起部Pを設けたものとしている。
【0018】
さらに、この発明の背負い鞄の背当ては、前記背中Bの稜線Lが隆起部Pに当接する部分を、使用者の身長別に測定したものとしている。
【0019】
また、この発明の背負い鞄の背当ては、前記背負い鞄をランドセルRとし、前記背中Bの稜線Lが隆起部Pに当接する部分を、身長120cm、130cm、140cm、150cmの使用者で測定したものとしている。
【0020】
さらにまた、この発明の背負い鞄の背当ては、前記背当て1の隆起部Pの高さを、背当て1の肩掛けベルト2の取付具3の下端の一帯部aで約1cm、背当て1の肩掛けベルト2の取付具3の下端から5cm下の一帯部bで約2cm、背当て1の肩掛けベルト2の取付具3の下端から10cm下の一帯部cで約3cm、背当て1の肩掛けベルト2の取付具3の下端から20cm下の一帯部dで約2cmとしている。
【発明の効果】
【0021】
この発明の背負い鞄の背当ては、以上に述べたように構成されているので、使用者の背中に沿うように隆起させたものに簡単に調整することができ、クッション材を外装生地で被うように型押しプレスする場合に、隆起の調整がうまくおこなえ、不良品が発生することのないものとなり、さらに使用者が鞄を背負ったときに、鞄が背中に程よく密着すると共に、背中に当たる感触が良く、クッション材が配設されていない部分が背中に接触することも少なく痛みを感ずることがなく、背負った鞄が軽く感じられるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明の背負い鞄の背当てを用いたランドセルの斜視図である。
【図2】この発明の背負い鞄の背当ての一実施形態を示す一部断面斜視図である。
【図3】図2に示すこの発明の背負い鞄の背当てを型押しプレスする状態を示す断面図である。
【図4】この発明の背負い鞄の背当ての他の実施形態を示す一部断面斜視図である。
【図5】図4に示すこの発明の背負い鞄の背当てを型押しプレスする状態を示す断面図である。
【図6】この発明の背負い鞄の背当てのさらに他の実施形態を示す一部断面斜視図である。
【図7】図6に示すこの発明の背負い鞄の背当てを型押しプレスする状態を示す断面図である。
【図8】この発明の背当てを用いたランドセルを背負う身長120cmの使用者の背中正面のモアレ模様を描いた説明図である。
【図9】この発明の背当てを用いたランドセル背負う身長130cmの使用者の背中正面のモアレ模様を描いた説明図である。
【図10】この発明の背当てを用いたランドセル背負う身長140cmの使用者の背中正面のモアレ模様を描いた説明図である。
【図11】この発明の背当てを用いたランドセル背負う身長150cmの使用者の背中正面のモアレ模様を描いた説明図である。
【図12】この発明の背当ての背板に身長120〜150cmの使用者の背中正面から見た稜線を描いた説明図である。
【図13】この発明の背当ての背板と、身長120cmの使用者の背中側面から見た稜線との位置関係を示す説明図である。
【図14】この発明の背当ての背板と、身長130cmの使用者の背中側面から見た稜線との位置関係を示す説明図である。
【図15】この発明の背当ての背板と、身長140cmの使用者の背中側面から見た稜線との位置関係を示す説明図である。
【図16】この発明の背当ての背板と、身長150cmの使用者の背中側面から見た稜線との位置関係を示す説明図である。
【図17】この発明の背当ての背板を使用者の背中に垂直に当てた時の、背中の稜線から背板までの距離を測定する背当ての各部分を示す説明図である。
【図18】従来の背負い鞄の背当てを用いたランドセルの一部を示す斜視図である。
【図19】従来の背負い鞄の背当ての斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、この発明の背負い鞄の背当てを実施するための最良の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0024】
この発明の背負い鞄の背当ては、図1に示したように、例えばランドセルRの背当て1として実施される。このランドセルRの背当て1は、一対の肩掛けベルト2の取付具3が背板4の上部に、その取付部3aをランドセルRから上方に向けた状態で取り付けられている。したがって、前記取付具3の取付部3aに取り付けられる肩掛けベルト2は、ランドセルRから上方に向くようになり、使用者が背負ったときに、ランドセルRが常に斜め上方に引っ張られた状態となり、肩掛けベルト2が使用者の肩に沿うように曲がるため、背当て1が使用者の背中に程よく密着するものとなる。
【0025】
前記背当て1は、図2に示したように、背板4、外装生地5、およびクッション材6から構成されている。背板4は、プラスチック、木材など適宜の剛性を有し、好ましくは弾力性を有する素材からなる四角形状の板としている。外装生地5は、四角形状の合成樹脂材などからなる人工皮革の生地の裏面に不織布を貼り合わせたものとしている。
【0026】
前記クッション材6としては、スポンジや綿など背当て1を適宜の形状に隆起させるのに好ましい素材であれば限定されないが、図示したものはポリウレタン発泡体としている。さらに、このクッション材6は、図2、3に示したように、発泡倍率の高い発泡体6aと発泡倍率の低い発泡体6bとを層状に組み合わせて構成したものとしている。また、このクッション材6は、図4〜7に示したように、発泡倍率の高い発泡体6aと、発泡倍率の低い発泡体6bと、これらの発泡倍率の中間の発泡体6cとを層状に組み合わせて構成したものとしてもよい。前記クッション材6は、図示したものでは、二層および三層としているが、四層以上にすることもできる。さらに、前記クッション材6は、全体を二層、三層または四層以上にしなくても、部分的に二層、三層または四層以上にすることもできる。このように、クッション材6を複数の層状に組み合わせて構成することにより、背当て1の任意の位置を高くしたり低くしたりすることができ、使用者の背中に沿うように隆起させたものに簡単に調整することができる。
【0027】
そして、図2、3に示したクッション材6は、前記発泡倍率の高い発泡体6aを背当て1の上層部とし、前記発泡倍率の低い発泡体6bを背当て1の下層部としている。なお、このクッション材6は、背当て1の隆起部の高さを後に述べるように調整するために、下層部となる前記発泡倍率の低い発泡体6bを、前記発泡倍率の高い発泡体6aの略中央位置の内側に配したものなどとしている。また、図4〜7に示したクッション材6は、前記発泡倍率の高い発泡体6aを背当て1の上層部とし、前記発泡倍率の低い発泡体6bを背当て1の下層部とし、前記発泡倍率の中間の発泡体6cを背当て1の中層部としている。なお、このクッション材6でも、背当て1の隆起部の高さを後に述べるように調整するために、下層部となる前記発泡倍率の低い発泡体6bを、前記発泡倍率の中間の発泡体6cの略中央位置の内側に配したものなどとしている。さらに、図4、5に示したクッション材6は、各発泡体6a、6b、6cとも一体物としているが、図6、7に示したクッション材6は、発泡倍率の中間の発泡体6cのみを上中下の三分割体からなるものとし、中央の分割体や下方の分割体の内側に前記発泡倍率の低い発泡体6bを配したものとしている。
【0028】
また、図2、3に示したクッション材6は、前記発泡倍率の高い発泡体6aを発泡倍率が26〜40倍、好ましくは28〜32倍のポリウレタン発泡体とし、前記発泡倍率の低い発泡体6bを発泡倍率が2〜10倍、好ましくは5〜7倍のポリウレタン発泡体としている。さらに、図4〜7に示したクッション材6は、前記発泡倍率の高い発泡体6aを発泡倍率が26〜40倍、好ましくは28〜32倍のポリウレタン発泡体とし、前記発泡倍率の低い発泡体6bを発泡倍率が2〜10倍、好ましくは5〜7倍のポリウレタン発泡体とし、前記発泡倍率の中間の発泡体6cを発泡倍率が15〜25倍、好ましくは18〜22倍のポリウレタン発泡体としている。
【0029】
そして、この発明の背負い鞄の背当てでは、図3a、5a、7aに示したように、前記クッション材6を外装生地5で被うようにして、図3b、5b、7bに示したように、型押しプレスする場合に、発泡倍率の低い発泡体6bは収縮率が低く余り収縮しないので背当て1の隆起部を高く維持するのに適したものとなり、発泡倍率の中間の発泡体6cおよび発泡倍率の高い発泡体6aは収縮率が高く大きく収縮するので背当て1の隆起部を高く維持するのには適さないが、この発泡体6aの表面粗度は小さくなり、外装生地5との密着性が非常に優れたものとなり、クッション材6が外装生地5からずれた状態となって型押しプレスされることがないので、背当て1の隆起の調整がうまく行え、不良品が発生することがない。また、この発明の背負い鞄の背当てでは、発泡倍率の中間の発泡体6cおよび発泡倍率の高い発泡体6aが使用者の背中側になるので、使用者が背負い鞄を背負ったときに感じる背当ての接触感がクッション性に富んだものとなる。
【0030】
次に、この発明の背負い鞄の背当ては、使用者が鞄を背負ったときに、背中Bの左右の肩甲骨Sから、肩甲骨S下方へかけての左右それぞれの稜線Lが、その背負い鞄の背当て1に当接する部分に、前記クッション材6による隆起部Pを設けたものとしている。
【0031】
前記背中Bの稜線Lが、クッション材6による隆起部Pに当接するようにするには、背当て1における隆起部Pの位置および高さを、次に示すような測定結果によって求めたものとした。
【0032】
先ず、前記背中Bの稜線Lが隆起部Pに当接する部分を、使用者の身長別に測定し、その測定したすべての部分にクッション材6を配設したものとしている。前記背負い鞄をランドセルRとした場合には、前記背中Bの稜線Lが隆起部Pに当接する部分を、小学校の1年生から6年生までの成長過程における身長120cm、130cm、140cm、150cmの使用者で測定したものとしている。
【0033】
すなわち、背当て1における隆起部Pの位置は、図8〜11に示したように、身長120cm、130cm、140cm、150cmの使用者の背中Bに、それぞれモアレ模様Mを描き、そのモアレ模様Mより背中Bの左右の肩甲骨Sから、肩甲骨S下方へかけての左右それぞれの稜線Lを求める。そして、これらの稜線Lを、図12に示したように、背板4に描き、それらの稜線L上に位置するようにクッション材6を配設して背当て1が隆起するようにしている。図示した背当て1は、前記稜線L上から背板4の両側端および下端にかけてクッション材6を配設したものとし、左右の稜線Lに挟まれる中央部分にはクッション材6を配設しないものとした。このようにすると、前記稜線L上にのみクッション材6を配設するより、背中Bとの接触面積が大きくなって、鞄を背負ったときの安定性がより増すことになる。
【0034】
なお、図12中の細線は身長120cmの使用者の稜線Lを示し、同図中の破線は身長130cmの使用者の稜線Lを示し、同図中の一点鎖線は身長140cmの使用者の稜線Lを示し、同図中の二点鎖線は身長150cmの使用者の稜線Lを示す。
【0035】
次に、前記背当て1における隆起部Pの高さは、図13〜16に示したように、身長120cm、130cm、140cm、150cmの使用者の背中Bに、背当て1の背板4をそれぞれ垂直に当てた時の、背中Bの稜線Sからその背当て1の背板4の各部分までのそれぞれの距離D1 〜D4 を測定することにより求める。この距離D1 〜D4 は、図17に示したように、背当て1の肩掛けベルト2の取付具3の下端の一帯部a、背当て1の肩掛けベルト2の取付具3の下端から5cm下の一帯部b、背当て1の肩掛けベルト2の取付具3の下端から10cm下の一帯部c、背当て1の肩掛けベルト2の取付具3の下端から20cm下の一帯部で測定した。
【0036】
これらの距離D1 〜D4 を測定した結果、身長120cmでは、一帯部aで2.1cm、一帯部bで3.2cm、一帯部cで4.2cm、一帯部dで1.0cmとなった。身長130cmでは、一帯部aで0.7cm、一帯部bで1.7cm、一帯部cで2.9cm、一帯部dで1.3cmとなった。身長140cmでは、一帯部aで0.4cm、一帯部bで1.4cm、一帯部cで2.5cm、一帯部dで3.2cmとなった。身長150cmでは、一帯部aで0.4cm、一帯部bで1.4cm、一帯部cで2.5cm、一帯部dで2.7cmとなった。
【0037】
そこで、これらの平均値を求めると、一帯部aで0.90cm、一帯部bで1.93cm、一帯部cで3.03cm、一帯部dで2.05cmとなったので、隆起部Pの高さを一帯部aで約1cm、一帯部bで約2cm、一帯部cで約3cm、一帯部dで約2cmにすれば、鞄を背負ったときにそれぞれの身長で最小限ランドセルRが傾くことになり、すなわち垂直に近づくような厚みとなる。
【0038】
したがって、この発明の背当てを用いた背負い鞄は、鞄を背負ったときに垂直に近い状態となるので、背当て1が背中Bに程よく密着すると共に、背中Bに当たる感触が良く、クッション材6が配設されていない部分が背中Bに接触することも少なく痛みを感ずることがなく、背負った鞄が軽く感じられるようになる。
【符号の説明】
【0039】
1 背当て
1a 発泡倍率の高い発泡体
1b 発泡倍率の低い発泡体
1c 発泡倍率の中間発泡体
2 肩掛けベルト
3 取付具
6 クッション材
B 背中
L 稜線
P 隆起部
R ランドセル
S 肩甲骨
a 一帯部
b 一帯部
c 一帯部
d 一帯部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クッション材(6)を、発泡倍率の高い発泡体(6a)と発泡倍率の低い発泡体(6b)とを層状に組み合わせて構成したことを特徴とする背負い鞄の背当て。
【請求項2】
クッション材(6)を、発泡倍率の高い発泡体(6a)と、発泡倍率の低い発泡体(6b)と、これらの発泡倍率の中間の発泡体(6c)とを層状に組み合わせて構成したことを特徴とする背負い鞄の背当て。
【請求項3】
前記発泡倍率の高い発泡体(6a)を背当て(1)の上層部とし、前記発泡倍率の低い発泡体(6b)を背当て(1)の下層部としたことを特徴とする請求項1記載の背負い鞄の背当て。
【請求項4】
前記発泡倍率の高い発泡体(6a)を背当て(1)の上層部とし、前記発泡倍率の低い発泡体(6b)を背当て(1)の下層部とし、前記発泡倍率の中間の発泡体(6c)を背当て(1)の中層部としたことを特徴とする請求項2記載の背負い鞄の背当て。
【請求項5】
前記発泡倍率の高い発泡体(6a)を発泡倍率が26〜40倍のポリウレタン発泡体とし、前記発泡倍率の低い発泡体(6b)を発泡倍率が2〜10倍のポリウレタン発泡体としことを特徴とする請求項1または3記載の背負い鞄の背当て。
【請求項6】
前記発泡倍率の高い発泡体(6a)を発泡倍率が26〜40倍のポリウレタン発泡体とし、前記発泡倍率の低い発泡体(6b)を発泡倍率が2〜10倍のポリウレタン発泡体とし、前記発泡倍率の中間の発泡体(6c)を発泡倍率が15〜25倍のポリウレタン発泡体としたことを特徴とする請求項2または4記載の背負い鞄の背当て。
【請求項7】
使用者が鞄を背負ったときに、背中(B)の左右の肩甲骨(S)から、肩甲骨(S)下方へかけての左右それぞれの稜線(L)が、その背負い鞄の背当て(1)に当接する部分に、請求項1〜6のいずれかに記載のクッション材(6)による隆起部(P)を設けたことを特徴とする背負い鞄の背当て。
【請求項8】
前記背中(B)の稜線(L)が隆起部(P)に当接する部分を、使用者の身長別に測定したことを特徴とする請求項7記載の背負い鞄の背当て。
【請求項9】
前記背負い鞄をランドセル(R)とし、前記背中(B)の稜線(L)が隆起部(P)に当接する部分を、身長120cm、130cm、140cm、150cmの使用者で測定したことを特徴とする請求項7記載の背負い鞄の背当て。
【請求項10】
前記背当て(1)の隆起部(P)の高さを、背当て(1)の肩掛けベルト(2)の取付具(3)の下端の一帯部(a)で約1cm、背当て(1)の肩掛けベルト(2)の取付具(3)の下端から5cm下の一帯部(b)で約2cm、背当て(1)の肩掛けベルト(2)の取付具(3)の下端から10cm下の一帯部(c)で約3cm、背当て(1)の肩掛けベルト(2)の取付具(3)の下端から20cm下の一帯部(d)で約2cmとしたことを特徴とする請求項9記載の背負い鞄の背当て。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−50892(P2012−50892A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−273440(P2011−273440)
【出願日】平成23年12月14日(2011.12.14)
【分割の表示】特願2006−124025(P2006−124025)の分割
【原出願日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(391043756)株式会社セイバン (33)
【Fターム(参考)】