脊柱矯正システム
未熟な脊柱の側弯症又は変形を矯正したり停止させたりするための脊柱矯正システム(10)は、ブリッジ部(12)と、そこからほぼ垂直に延びる互いに離間された一対の脚部(14)と、ブリッジ部(12)の各端部からほぼ長手方向に延びる締結具保持部(16、18)とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願には、参照することで、2005年5月11日に出願されたアメリカ合衆国特許出願シリアル番号第60/679,886号と、2005年5月11日に出願されたアメリカ合衆国特許出願シリアル番号第11/126,782号が組み込まれる。
【0002】
本発明は、脊柱側弯症、脊柱前弯過度及び脊柱後弯不全などの脊柱の湾曲異常を矯正したり、停止させたり、遅らせたりするのに用いる装置に関する。
【背景技術】
【0003】
若年性脊柱側弯症や青年期脊柱側弯症は主に横方向に湾曲して発達してしまう成長中の脊柱の障害である。40°を超える湾曲は、成人期における将来の進行の危険性が高いことから外科的な矯正を必要とする可能性がある。往々にして「後方アプローチ脊柱側弯症外科手術」と呼ばれる一つの標準的な処置は、整形外科における最も侵襲性の高い人体外科手術の一つである。一般に3〜8時間かかる処置の間、外科医は、強い後方筋を脊柱から剥ぎ取って骨を露出させた後、2本の金属製ロッドをフック、ワイヤ又はネジを用いて脊柱に取り付ける。脊柱側弯症に対する別のアプローチは、開胸術又は胸腔鏡検査法による前胸部を通して行うものである。多層にわたる椎間板切除及び癒合の後、大きなネジが椎体を横切って設置され、次にネジ及び脊椎が鉛直ロッドを用いて合わせて圧縮される。
【0004】
例えば骨切り術(骨の切断)や骨折の安定化で必要とされるような二本の骨又は骨片を合わせて固定するのに、整形外科では往々にしてステープルが用いられる。このような目的で一般に用いられるステープルは、特許文献1〜特許文献7に開示されている。
【0005】
整形外科用ステープルは同様に、腱又は肩組織といった軟組織を骨に固定するのにも用いられる。このような目的で一般に用いられているステープルは、特許文献8〜特許文献13に記載されている。
【0006】
さらに、前脊柱個体のためのリンケージプレート又はロッドを備えたいくつかのネジも開発されており、特許文献14及び特許文献15に記載されている。
【0007】
別の米国特許も脊柱ステープルを開示しており、例えば特許文献16〜特許文献20がある。
【0008】
発明者らは、脊柱側弯症を矯正するのに将来の脊柱の成長を利用する小児脊柱側湾症矯正用の新しい処置及び脊柱矯正システムを開発した。この処置は、新規な半骨端脊柱矯正システムを用いて脊柱側弯症の曲線の凸状側で脊柱の骨端成長を遅延させることに依存するものである。
【0009】
この新規の脊椎矯正システムを用いた新しい処置は、従来のインプラント法に必要な時間の1/4しか必要とせず、侵襲性が最小限である内視鏡処置を用いて実施可能である。さらに、この新規の脊椎矯正システムは、極めて小さい断面形状をもち、そのため神経学的な合併症のリスクが低くなる。
【0010】
この新しい処置では、ステープルとネジから成る新しいシステムを利用し、まだ著しい成長の余地が残されている小児における脊柱側弯症の前方非癒合性(骨移植なしの)矯正を行なう。この処置は、内視鏡を用いて1時間という少ない手術時間で完全に実施することができる。新規の脊柱ステープルを用いたこの処置により、現在の前方脊柱側弯症矯正システムにおける複雑なロッド−ネジの連結が回避される。この処置は、矯正を外来処置にする可能性を保っており、手術中の出血も最小限に抑えられる。
【0011】
既存の脊柱インプラントは、脊柱の成長を変化させて非対称な成長を通じて徐々に矯正することを可能にするという半骨端固定原理を有効に生かしていない。例えば2つの骨又は骨片を合わせて固定するのに用いられる従来の骨ステープルは、半骨端固定を実施するように設計されておらず、また、大きく広がることなく脊柱の運動及び成長の力に抵抗するように設計されていないか又はそのような力に抵抗することもできない。軟組織を骨に固定するのに用いられる整形外科用ステープルは、2つの骨又は2つの骨片を跨ぐようには設計されていない。従って、このようなステープルを小児に対する脊柱側弯症を矯正用の上記新規処置には応用できない。
【0012】
上記の他のステープルは脊柱の半骨端固定用には設計されておらず、代わりに他の目的が想定されている。例えば特許文献15には、ネジ−骨の界面を安定化させ且つ骨の中でのネジの移動又は食い込みを防ぐための小型ステープルが開示されている。同様に、特許文献17には、ネジとロッドから成るシステムのネジ−骨の界面を安定化させる脊柱ステープルが開示されている。特許文献16には、外科用仙骨アンカーインプラントが開示されている。これは、脊柱の下端固定用ケーブルに固定されたステープルのブレードを半分にしたものである。特許文献18は、支柱用骨移植片を所定の位置に保持し且つ脊柱切除後に使用するように設計にされている脊柱ステープルに関する。
【0013】
したがって、小型でしかも椎間板のいずれかの側の複数の脊椎終板成長中心を跨ぐように設計された脊椎矯正システムが必要とされている。
【0014】
骨格の変形を治療するためのネジやステープルといった器具は、普通に使用している間に骨を破壊したり、骨に食い込んだりすることが知られている。より詳細には、脊椎の変形を停止させたり矯正したりするための骨端具は、固定機構(例えばステープルの脚部)が支える大きな負荷により周囲の骨を破壊する可能性がある。往々にして「骨への穴開け(bone plowing)」と呼ばれるこの破壊は、成長や関節の運動が原因となった生理学的負荷により発生する。骨への穴開けによって骨成長板に加わる力が小さくなり、それに伴って器具が変形したり外れたりする可能性がある。
【0015】
ステープルが骨への穴開けを行うと、ステープルが部分的に外れ、ステープルのクラウンが骨から離れる可能性がある。ステープルのクラウンが骨から離れるにつれ、ステープルの脚部回りにより大きなモーメントが加わるため、ステープルが反ったり塑性的に湾曲したり脚部が外に向かって開く。ひどい場合には、ステープルが外れ、その結果として他の合併症が発生する可能性がある。
【0016】
【特許文献1】米国特許第4,434,796号明細書(Karapetian)
【特許文献2】米国特許第3,862,621号明細書(Austin)
【特許文献3】米国特許第4,841,960号明細書(Garner)
【特許文献4】米国特許第4,848,328号明細書(Laboureau等)
【特許文献5】米国特許第5,449,359号明細書(Groiso)
【特許文献6】米国特許第5,053,038号明細書(Sheehan)
【特許文献7】米国特許第4,913,144号明細書(Dol Medico)
【特許文献8】米国特許第5,352,229号明細書(Goble等)
【特許文献9】米国特許第4,462,395号明細書(Johnson)
【特許文献10】米国特許第4,570,623号明細書(Ellison等)
【特許文献11】米国特許第4,454,875号明細書(Pratt等)
【特許文献12】米国特許第D320,081号(Johnson)
【特許文献13】米国特許第D340,284号(Johnson)
【特許文献14】米国特許第5,324,290号明細書(Zdeblick等)
【特許文献15】米国特許第4,041,939号明細書(Hall)
【特許文献16】米国特許第4,047,523号明細書(Hall)
【特許文献17】米国特許第4,047,524号明細書(Hall)
【特許文献18】米国特許第5,395,372号明細書(Holt等)
【特許文献19】米国特許第D378,409号(Michelson)
【特許文献20】米国特許第D364,462号(Michelson)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
そのため、脊椎の広い範囲に負荷を分散させることによって骨への穴開けの可能性を小さくする有効な脊柱矯正システムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の例示的な実施形態による脊柱矯正システムは、椎間板いずれかの側で複数の脊椎終板成長中心を跨ぐのに十分な長さのブリッジ部を有する脊柱ステープルを備えている。離間された一対の楔形の脚部がブリッジ部の端部から下方に延びており、これら脚部の長さは脊椎の深さのほぼ半分を超えて侵入しないような長さになっている。締結具保持部は、ブリッジ部の両端から外向きに水平方向に延び、ネジなどの締結具を受容するのに適した通路を中に画成する。締結具保持部は、本発明の2つ以上の脊柱ステープルの端部同士が接する関係で配設されていると、互いに接している端部から延びる締結具保持部が隣り合って並ぶように構成されている。
【0019】
ステープルの脚部には、脊椎に取り付けられた後でステープルが抜け出たり緩んだりするのに抵抗するための棘が設けられる。さらに、締結具保持部は、ステープルを脊椎内に固定し易くするためにその下面から延びる棘又は突起を有する。また、取外し可能なカニューレ状のネジ付き嵌入装置の取付けを可能にするべくブリッジ部の上面から上向きに延びるカニューレ状のネジ付き支柱が設けられてもよい。さらに、このネジ付き支柱を用いると追加の外科用ハードウエアをステープルにうまく固定することができる。ステープルは、脚部から外向きに延び且つ回転変形の阻止をサポートするように構成された回転防止部材も備えることもできる。
【0020】
ステープルの脚部は、脊椎との十分な接触面積が保証されるように形成された(脚部の幅と長さによって画成される)横方向の断面積を有し、終板成長領域を十分に圧縮し、適切なパターンの圧力分布を提供し、穴開けを防止し、関節の運動を小さくする。例えば、脚部の横方向の断面積は、各脊椎の断面積の少なくとも10%であり、脚部の長さは各脊椎の横幅の40%までである。脚部の長さに対する幅の比は例えば約1/2よりも大きく、患者の体重及び身長の違いと年齢及び脊椎の位置に応じた脊椎の断面積に合わせられる。
【0021】
本発明を以下の詳細な説明と添付の図面を参照してさらに説明する。
【0022】
図面の詳細な説明では、特に添付の図面を参照する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1〜図6を参照すると、本発明の例示的な実施形態に従って構成された脊柱ステープル10が示される。ステープル10は、ブリッジ部12、互いに離間された一対の脚部14、左側締結具保持部16、右側締結具保持部18、及びネジ付き支柱として示した取り付け部20を備える。この説明全体を通して、左、右、前方、後方、上方及び下方といった方向に関する用語を用いるが、これら用語はステープル10を記述する上での便宜上使用されているだけであり、ステープル10をいずれか特定の方向に制限するものとして理解されるべきではない。
【0024】
ブリッジ部12は、上面又はクラウン22と、これとは反対側の下面24と、前側面26と、これとは反対側の後側面28と、左端部30と、それとは反対側の右端部32とを備える。上面22は、左端部30から右端部32に向かってほぼ平坦状であり、ステープル10を一端から見た図である図5に明示したように前側面26から後側面28に向かって凸状である。下面24は、図2及び図3に明示したように、左端部30から右端部32に向かう方向において、及び前側面26から後側面28に向かう方向において凹状である。斯くしてブリッジ部12は、協動する一対のアーチ、すなわち左端部30と右端部32との間に延びる第1のアーチ及び前側面26と後側面28との間に延びる第2のアーチを構成する。
【0025】
左脚部14aと右脚部14bは、左端部30と右端部32において下面24から下向きに延びており、ほぼ楔形をしている。各脚部14は、外面34と、これとは反対側にあって互いに対面する内面36と、前面38と、それとは反対側の後面40とを備える。各脚部14は、前面38から後面40まで測定した場合に、前側面26から後側面28まで測定した場合のブリッジ部材12の幅とほぼ等しい幅を有する。図1〜図3に示したように、各脚部14の幅は、外面34から内面36まで測定された各脚部14の厚さよりも数倍大きい。脚部14は、各先端部42に向かうにつれて、前面38から後面40までの幅がわずかに狭くなっており、これにより鋭いテーパがついてブレード縁部43が画成される。例えば、外面34、内面36、前面38、後面40のそれぞれから棘44が外に向かって突起している。
【0026】
各棘44は、各先端部42から概して離れる方向を向くと共に概してブリッジ部12の方向を向いた保持面45を備える。斯くして、棘44は、ステープル10がひとたび脊椎等の固定環境内に位置決めされたときに、ステープル10の離脱運動を阻止するのに適する。脚部14の内面36は、ブリッジ部12の断面を通って垂直に延びる鉛直面47から測定して約10°〜20°の角度で互いに離れる方向に広がっているか、又は角度付けされているのが好ましい。脚部14の外面34は、ブリッジ部12に対してほぼ垂直に且つ鉛直面47にほぼ平行に下向きに延びる。
【0027】
左側締結具保持部16はブリッジ部の左端部30から外向きに延びる。右側締結具保持部18はブリッジ部の右端部32から外向きに延びる。各締結具保持部16、18は、ネジ(図8)等の締結具68を収容するのに適する通路46を中に画成する。締結具保持部16、18及び通路46は、脚部14に対しほぼ平行な方向に締結具68を案内するのに適する。同様に、各締結具保持部16、18は、前側面49と後側面51を備え、2つのステープル10の端部同士が図6に示したように接した関係にあるとき、互いに接した端部から延びる締結具保持部16、18の側部が互いに接する関係となるようにされている。換言すると、一方のステープル10の左側締結具保持部16は、他方のステープル10の右側締結具保持部18に沿った状態になる。さらに、第1のステープル10の左側締結具保持部16の後側面51は、隣接する第2のステープル10の右側締結具保持部18の前側面49に近接し且つこの前側面49と対面して位置決めされる。
【0028】
図4からわかるように、長手軸線48はステープル10の中心を通って左端部30から右端部32まで延びる。例示的な実施形態では、左側締結具保持部16及び右側締結具保持部18は長手軸線48の互いに反対側に存在する。
【0029】
図9及び図10に示した別の実施形態によれば、締結具保持部16及び18は、その両方共が長手軸線48の同じ側に存在するような態様で、ブリッジ部12の互いに反対側から延びている。この別の実施形態では、両端を逆にするように隣合うステープルを180°回転させることによって、ステープル10を端部同士が接した関係で配置することができる。このとき、1つのステープル10の左(右)側締結具保持部16(18)を隣接するステープル10の左(右)側締結具保持部18(16)に沿った状態にする。さらに、1つの締結具保持部16、18の後側面51を第2の締結具保持部16、18の後側面51に近接させ且つ対面させる。
【0030】
各締結具保持部16及び18は、凹部、例えば締結具68の頭部を収容するのに適する座繰り部50を備える。さらに、各締結具保持部16、18は、下にある骨と係合するように下向きに延びる複数の尖った第1の突起部54を有する下面52を備える。尖った第2の突起部又は棘56も締結具保持部16、18から下向きに延びている。
【0031】
図2に示したように、尖った棘56は、尖った突起部54よりも長く、保持部16と18の外端部に位置してステープル10がその中心軸回りで回転するのに抵抗する。
【0032】
ネジ付き支柱20は、ブリッジ部12の上面22から上向きに延びる。ネジ付き支柱20はブリッジ部12と協働し、支柱20と同軸で支柱20を通ってブリッジ部12の下面24まで延びる通路58を画成する。ネジ付き支柱20は、ステープル10に対する付加的なハードウエア又は装置の取り付けを可能にし、通路58は所望であればガイドワイヤをその通路に通してこのガイドワイヤに沿った運動をさせることができる。さらに、カニューレ状のネジ付き支柱20は取外し可能なカニューレ状のネジ付き嵌入装置を取り付けを容易にする。
【0033】
ステープル10は、チタン、外科用ステンレス鋼又は、脊柱の成長に耐えるのに十分な強度をもち生体内環境で十分な非反応性をもつその他の任意の材料で製造することができる。
【0034】
図7と図8を参照すると、ステープル10は、脊柱側弯症又は他の脊柱変形を示す未熟な脊柱又は成長中の脊柱を有する動物の脊椎60に挿入される。ステープル10のサイズは、脚部14が互いに十分に離間されて、ステープル10が、予め定められた厚さの対面する終板成長中心62を有する長手方向又は長さ方向に整列せしめられた隣り合う脊椎60及びその間に介在する椎間板64を橋がけすることになるようなサイズとされる。ステープル10は、湾曲した脊柱の凸状側において、隣合う脊椎60の終板成長中心62間の中間部66に打ち込まれる。脚部14は、各脊椎60の横方向直径の半分以下だけ脊椎60内に進入して、脊椎60の一方の側にだけ圧力を及ぼすような長さにされている。適切に位置決めされた時点で、脚部14は脊椎60内に完全に埋め込まれ、締結具保持部16、18の突起部54及び棘56が脊椎表面と係合する。ひとたびステープル10が所定の位置に挿入されると、ネジ、有棘杭等の締結具68が締結具保持部16、18内の通路46を通って、脊椎60内へと挿入される。
【0035】
脊柱矯正システムは、それぞれ一対の終板成長中心62又は長手方向成長プレート及びその間の中間部66を有し、しかも同様に凸状側から凹状側まで測定された方向で特定の直径、幅又は厚みを有する、長さ方向に隣接する複数の脊椎60を脊柱が有している状態で、凸状側及びこれと反対側の凹状側を構成する異常な湾曲をもつ成長中の脊柱に設置された時点で、第1の脊椎60aの中間部66の凸状側にこの第1の脊椎60aの直径の半分未満の深さまで侵入する第1の骨係合手段又は脚部14と、第2の脊椎60bの中間部66の凸状側にこの第2の脊椎60bの直径の半分未満の深さまで侵入する第2の骨係合手段又は脚部14と、第1の骨係合手段及び第2の骨係合手段14を例えば堅固に連結するブリッジ部12とを備えるものとして広く考えられる(図8)。ここでわかるように、各ステープル10の凹状下面24は、実質的に、脊椎60によって構成される椎体の輪郭に整合又は追従する。
【0036】
したがって脊柱矯正システム10は、脊柱の凹状側で終板成長中心62の制約のない成長を可能にする一方で、脊柱の凸状側で第1骨係合用手段及び第2の骨係合用手段14間に補足された終板成長中心62の成長を阻止又は遅延させることにより、成長中の脊柱の異常な湾曲を矯正する。脊柱が成長を続けるにつれ、脊柱の凹状側は凸状側よりも早く成長するため、湾曲の進行が遅くなり、斯くして湾曲が平坦化されて脊柱がまっすぐになる。
【0037】
脚部14は、間に補足された終板成長中心62の成長を抑制することを主とするが、締結具保持部16、18及び締結具68も同様に、間に補足された終板成長中心62の成長の抑制に寄与していることがわかるであろう。締結具保持部16、18と、それと協働する締結具68が、終板成長中心62の長さ方向の成長に起因する展延力に十分に抵抗できるようにされているのであれば、脚部14を省略することも可能である。
【0038】
さらに別の例示的な実施形態の脊柱ステープル10’を図11〜図14に示してある。脊柱ステープル10’は、既に説明した脊柱ステープル10と同じ特徴を多く備えている。そのため以下の説明では、図1〜図10の実施形態に関して説明したのと同様の要素は同様の参照番号で表わす。
【0039】
左脚部14a’と右脚部14b’の内面36は、片側だけの成長が遅くなると共に骨への穴開けが避けられるよう、脊椎60の終板成長中心62に圧縮力を分散させるように構成にされる。脊柱ステープル10’は、特定のパターンの圧力分布を誘導するように構成にされる。終板成長中心62内での圧力分布パターンに影響を与える因子として、脚部14’の横方向の断面積を画定する脚部14’の長さ及び幅や、ステープル10’の他の構造上の特徴、脊椎60内の脚部14’の位置等が挙げられる。骨への穴開けは脊椎60の終板成長中心62に及ぼす治療圧力を弱めるため、疾患の進行が可能になる。
【0040】
脚部14’の横方向の断面積が十分に大きいため、脊椎60との十分な接触面積が確保され、終板成長中心62が十分に圧縮され、適切な圧力分布パターンになり、骨への穴開けが防止され、関節の運動が少なくなる。図15の例示的な実施形態に示したように、脚部14a’と14b’の横方向の断面積(LA)は、それぞれ第1の脊椎60a及び第2の脊椎60bの断面積(VA)の少なくとも10%である。例示的な一つの実施形態では、脚部14a’と14b’の断面積(LA)は、脊椎の断面積(VA)の10%〜25%である。
【0041】
図14の例示的な実施形態では、一般に前面38から後面40まで測定された各脚部14’の幅(LW)は、約6mm(0.236インチ)よりも広い。例示的な一つの実施形態では、この幅(LW)は7mm(0.276インチ)〜14mm(0.552インチ)である。
【0042】
さらに、上述したように、一般に内面36と下面24の交点70から先端部43まで測定される各脚部14’の長さ(LL)は、一般に脊椎の直径又は横幅(VW)の半分を超えて延びてはいない(図15)。例示的な一つの実施形態では、各脚部14a’及び14b’の長さ(LL)は、それぞれ第1の脊椎60aと第2の脊椎60bの横幅(VW)の10%〜40%である。そのため骨格が未熟な子どもの脊椎のサイズに基づくと、各脚部14a’と14b’の長さ(LL)は、24mm(0.945インチ)未満である。例示的な一つの実施形態では、この長さ(LL)は3mm(0.118インチ)〜15mm(0.59インチ)である。
【0043】
脚部の幅(LW)と長さ(LL)との関係は、患者のサイズに関する条件又は基準を考慮して調節することができる。言い換えるならば、より大きな人には、脚部の長さ(LL)がより長いことが正しいと判断される。同様に、患者の動的負荷、筋肉の力、運動の力、脊椎/骨端の断面積が大きいことによる大きな負荷に耐えられるよう、幅(LW)を広くしなければならない。終板成長中心62の断面積が大きいほど、成長によって発生する力は大きくなる。したがって、患者ごとの体重と身長の違いや、特に年齢と脊椎の位置に応じた脊椎60の断面積(VA)を考慮するときには、脚部の長さ(LL)に対する脚部の幅(LW)の比率を検討しなければならない。例えば上胸部脊柱は、下胸部脊柱又は腰椎よりもはるかに狭く、小さな子どもの椎体は一般に成年の椎体よりも小さい。脊椎60のステープル側では成長を遅らせたり停止させたりし、脊椎60の非ステープル側では無制限な成長を可能にするのに脊椎終板成長中心62の冠状面を横断する適切な圧力勾配パターンを発生させる上で、ステープルの脚部の幅(LW)に対するステープルの脚部の長さ(LL)の比率も重要である。
【0044】
この例示的な実施形態では、脚部の長さ(LL)に対する幅(LW)の比率は、約1/2よりも大きい。言い換えるならば、ステープルの脚部14’の幅(LW)は、長さ(LL)の少なくとも約50%である。
【0045】
さらに図11〜図13と図16〜図18を参照すると、回転防止部80がステープルの各脚部14’の外側に配置され、隣接する締結具保持部16、18と接している。より詳細には、左側回転防止部80aが左側締結具保持部16と左脚部14aとの間に延び、右側回転防止部80bが右側締結具保持部18と右脚部14bとの間に延びる。回転防止部80は終板成長中心62に切り込むことなくステープルの脚部14の外側に位置して脊椎60に食い込む。左側回転防止部80a及び右側回転防止部80bは、左側締結具保持部16及び右側締結具保持部18が第1の脊椎60a及び第2の脊椎60bに対して長手軸線48回りで相対的に回転するのを減らすように構成にされる。
【0046】
各回転防止部80は、固定されるように脊椎60と係合するように構成された下方縁部82を備える。より詳細には、左側回転防止部80aの下方縁部82は第1の脊椎60aと係合するように構成され、右側回転防止部80bの下方縁部82は第2の脊椎60bと係合するように構成される。そのため下方縁部82を尖らせ、脊椎に切り込むようにすることができる。下方縁部82は、例えば長手軸線48と平行に脚部14’から上方に向かって各締結具保持部16、18まで延びる。より詳細には、各回転防止部80は、脚部14’の外面34の中心近くから締結具保持部16、18まで延びている。この例示的な実施形態では、回転防止部80は、ガセットとして図示した三角形のプレートを備えている。しかし回転防止部80は、長方形や半円形等、他の形状のプレートにできることを理解すべきである。
【0047】
骨の中に回転防止部80を固定すると、ステープル10’によって接続されている第1の脊椎60aと第2の脊椎60bの相対回転によってステープル10’が外れるときに必要な負荷が増大する。さらに、回転防止部80は、ブリッジ部12に対して脚部14’が曲がったり、回転変形が起こったりしないようにするのをサポートすることができる。回転防止部80は、第1の脊椎60a及び第2の脊椎60bが脊柱の長手軸線及び屈曲−伸展軸回りの相対回転を防止するのを補助することもできる。回転防止部80は、脊椎60に対するステープル10’の相対的な運動を減らして安定性を向上させることもできる。より詳細には、回転防止部80は、脊柱の長手軸線と、ステープル10’の開口部58を貫通して延びる軸線74回りでステープル10’が第1の脊椎60aと第2の脊椎60bに対して回転しないようにするのを補助することもできる。
【0048】
別の例示的な実施形態の脊柱ステープル100を図16〜図18に示す。脊柱ステープル100は、既に説明した脊柱ステープル10と10’と同じ特徴を多く備えている。そのため以下の説明では、図1〜図15の実施形態に関して説明したのと同様の要素は同様の参照番号で表わす。
【0049】
図11〜図15の脊柱ステープル10’と図16〜図18の脊柱ステープル100の唯一の大きな違いは、脊柱ステープル100の脚部114aと114bが、空隙又はスペース120によって隔てられた第1の部分116と第2の部分118を備えていることである。部分116と118の先端部122の面積が狭くなっていることで、脊椎60に各脚部114をより容易に挿入することができる。
【0050】
脚部114が個々の部分116と118に分かれている場合には、その全体のサイズは、例えばステープル10’の脚部14’に関して上述した基準を満たさねばならない。より詳細には、脊椎60との十分な接触面を確保するため、各脚部114の部分116及び118の横方向の合計断面積(LA)を、例えばそれぞれ第1の脊椎60aと第2の脊椎60bの脊椎断面積(VA)の少なくとも10%に、例示的な一つの実施形態では25%以下にする。さらに、各脚部114の合計幅(LW)は約6mm(0.236インチ)よりも広く、例えば7mm(0.276インチ)〜14mm(0.552インチ)である。また、脚部114の各部分116及び118の長さ(LL)は、脊椎の横幅(VW)の半分を超えて延びることはなく、例えば24mm(0.945インチ)未満である。最後に、各脚部114の合計幅(LW)は、例えば部分116と118の平均長さ(LL)の少なくとも約50%である。
【0051】
上記詳細な実施形態では第1の脊椎60aと第2の脊椎60bとの間を延びる単一のステープル10、10’、100について説明したが、横方向に離間された複数のステープル10、10’、100も利用できる。このような場合には、各脊椎60a、60b内の脚部14、14’、114の合計寸法は、例えばステープル10’、100の脚部14’、114に関して上述した基準を満たさねばならない。
【0052】
脊柱矯正システムは主として未熟な脊柱又は成長中の脊柱の側方弯曲異常を矯正することを目的としているが、これを成熟した脊柱や成長していない脊柱をもつ人の脊柱矯正のために利用することもできる。
【0053】
本明細書で記述した器具形態は、本発明の好ましい実施形態を構成するが、本発明はこれらの明確な器具形態に限定されず、特許請求の範囲内で規定されている本発明の範囲から逸脱することなく変更を施しうることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の脊柱ステープルの斜視図である。
【図2】図1の脊柱ステープルの正面図である。
【図3】脊柱ステープルの下側を示す斜視図である。
【図4】脊柱ステープルの平面図である。
【図5】脊柱ステープルを側面図である。
【図6】端部同士が接した関係で並んだ本発明の2つの脊柱ステープルの斜視図である。
【図7】端部同士が接した関係で脊柱に設置された本発明の3つの脊柱ステープルの平面図である。
【図8】2つの終板成長中心及び介在する椎間板を跨ぐように2つの脊椎に固定された本発明の脊柱矯正システムの部分断面立面図である。
【図9】本発明の脊柱ステープル別の実施形態の平面図である。
【図10】端部同士が接した関係で整列せしめられた別の実施形態の2つの脊柱ステープルの斜視図である。
【図11】脊柱ステープルの更なる例示的な実施形態の斜視図である。
【図12】図11の脊柱ステープルの底部斜視図である。
【図13】図11の脊柱ステープルの側面図である
【図14】図13の線14−14に沿った横断面図である。
【図15】脊椎の中に設置された図11の脊柱ステープルを示す横断面図である。
【図16】脊柱ステープルの更なる例示的な実施形態の斜視図である。
【図17】図16の脊柱ステープルの側面図である
【図18】図16の脊柱ステープルを端面図である。
【技術分野】
【0001】
本出願には、参照することで、2005年5月11日に出願されたアメリカ合衆国特許出願シリアル番号第60/679,886号と、2005年5月11日に出願されたアメリカ合衆国特許出願シリアル番号第11/126,782号が組み込まれる。
【0002】
本発明は、脊柱側弯症、脊柱前弯過度及び脊柱後弯不全などの脊柱の湾曲異常を矯正したり、停止させたり、遅らせたりするのに用いる装置に関する。
【背景技術】
【0003】
若年性脊柱側弯症や青年期脊柱側弯症は主に横方向に湾曲して発達してしまう成長中の脊柱の障害である。40°を超える湾曲は、成人期における将来の進行の危険性が高いことから外科的な矯正を必要とする可能性がある。往々にして「後方アプローチ脊柱側弯症外科手術」と呼ばれる一つの標準的な処置は、整形外科における最も侵襲性の高い人体外科手術の一つである。一般に3〜8時間かかる処置の間、外科医は、強い後方筋を脊柱から剥ぎ取って骨を露出させた後、2本の金属製ロッドをフック、ワイヤ又はネジを用いて脊柱に取り付ける。脊柱側弯症に対する別のアプローチは、開胸術又は胸腔鏡検査法による前胸部を通して行うものである。多層にわたる椎間板切除及び癒合の後、大きなネジが椎体を横切って設置され、次にネジ及び脊椎が鉛直ロッドを用いて合わせて圧縮される。
【0004】
例えば骨切り術(骨の切断)や骨折の安定化で必要とされるような二本の骨又は骨片を合わせて固定するのに、整形外科では往々にしてステープルが用いられる。このような目的で一般に用いられるステープルは、特許文献1〜特許文献7に開示されている。
【0005】
整形外科用ステープルは同様に、腱又は肩組織といった軟組織を骨に固定するのにも用いられる。このような目的で一般に用いられているステープルは、特許文献8〜特許文献13に記載されている。
【0006】
さらに、前脊柱個体のためのリンケージプレート又はロッドを備えたいくつかのネジも開発されており、特許文献14及び特許文献15に記載されている。
【0007】
別の米国特許も脊柱ステープルを開示しており、例えば特許文献16〜特許文献20がある。
【0008】
発明者らは、脊柱側弯症を矯正するのに将来の脊柱の成長を利用する小児脊柱側湾症矯正用の新しい処置及び脊柱矯正システムを開発した。この処置は、新規な半骨端脊柱矯正システムを用いて脊柱側弯症の曲線の凸状側で脊柱の骨端成長を遅延させることに依存するものである。
【0009】
この新規の脊椎矯正システムを用いた新しい処置は、従来のインプラント法に必要な時間の1/4しか必要とせず、侵襲性が最小限である内視鏡処置を用いて実施可能である。さらに、この新規の脊椎矯正システムは、極めて小さい断面形状をもち、そのため神経学的な合併症のリスクが低くなる。
【0010】
この新しい処置では、ステープルとネジから成る新しいシステムを利用し、まだ著しい成長の余地が残されている小児における脊柱側弯症の前方非癒合性(骨移植なしの)矯正を行なう。この処置は、内視鏡を用いて1時間という少ない手術時間で完全に実施することができる。新規の脊柱ステープルを用いたこの処置により、現在の前方脊柱側弯症矯正システムにおける複雑なロッド−ネジの連結が回避される。この処置は、矯正を外来処置にする可能性を保っており、手術中の出血も最小限に抑えられる。
【0011】
既存の脊柱インプラントは、脊柱の成長を変化させて非対称な成長を通じて徐々に矯正することを可能にするという半骨端固定原理を有効に生かしていない。例えば2つの骨又は骨片を合わせて固定するのに用いられる従来の骨ステープルは、半骨端固定を実施するように設計されておらず、また、大きく広がることなく脊柱の運動及び成長の力に抵抗するように設計されていないか又はそのような力に抵抗することもできない。軟組織を骨に固定するのに用いられる整形外科用ステープルは、2つの骨又は2つの骨片を跨ぐようには設計されていない。従って、このようなステープルを小児に対する脊柱側弯症を矯正用の上記新規処置には応用できない。
【0012】
上記の他のステープルは脊柱の半骨端固定用には設計されておらず、代わりに他の目的が想定されている。例えば特許文献15には、ネジ−骨の界面を安定化させ且つ骨の中でのネジの移動又は食い込みを防ぐための小型ステープルが開示されている。同様に、特許文献17には、ネジとロッドから成るシステムのネジ−骨の界面を安定化させる脊柱ステープルが開示されている。特許文献16には、外科用仙骨アンカーインプラントが開示されている。これは、脊柱の下端固定用ケーブルに固定されたステープルのブレードを半分にしたものである。特許文献18は、支柱用骨移植片を所定の位置に保持し且つ脊柱切除後に使用するように設計にされている脊柱ステープルに関する。
【0013】
したがって、小型でしかも椎間板のいずれかの側の複数の脊椎終板成長中心を跨ぐように設計された脊椎矯正システムが必要とされている。
【0014】
骨格の変形を治療するためのネジやステープルといった器具は、普通に使用している間に骨を破壊したり、骨に食い込んだりすることが知られている。より詳細には、脊椎の変形を停止させたり矯正したりするための骨端具は、固定機構(例えばステープルの脚部)が支える大きな負荷により周囲の骨を破壊する可能性がある。往々にして「骨への穴開け(bone plowing)」と呼ばれるこの破壊は、成長や関節の運動が原因となった生理学的負荷により発生する。骨への穴開けによって骨成長板に加わる力が小さくなり、それに伴って器具が変形したり外れたりする可能性がある。
【0015】
ステープルが骨への穴開けを行うと、ステープルが部分的に外れ、ステープルのクラウンが骨から離れる可能性がある。ステープルのクラウンが骨から離れるにつれ、ステープルの脚部回りにより大きなモーメントが加わるため、ステープルが反ったり塑性的に湾曲したり脚部が外に向かって開く。ひどい場合には、ステープルが外れ、その結果として他の合併症が発生する可能性がある。
【0016】
【特許文献1】米国特許第4,434,796号明細書(Karapetian)
【特許文献2】米国特許第3,862,621号明細書(Austin)
【特許文献3】米国特許第4,841,960号明細書(Garner)
【特許文献4】米国特許第4,848,328号明細書(Laboureau等)
【特許文献5】米国特許第5,449,359号明細書(Groiso)
【特許文献6】米国特許第5,053,038号明細書(Sheehan)
【特許文献7】米国特許第4,913,144号明細書(Dol Medico)
【特許文献8】米国特許第5,352,229号明細書(Goble等)
【特許文献9】米国特許第4,462,395号明細書(Johnson)
【特許文献10】米国特許第4,570,623号明細書(Ellison等)
【特許文献11】米国特許第4,454,875号明細書(Pratt等)
【特許文献12】米国特許第D320,081号(Johnson)
【特許文献13】米国特許第D340,284号(Johnson)
【特許文献14】米国特許第5,324,290号明細書(Zdeblick等)
【特許文献15】米国特許第4,041,939号明細書(Hall)
【特許文献16】米国特許第4,047,523号明細書(Hall)
【特許文献17】米国特許第4,047,524号明細書(Hall)
【特許文献18】米国特許第5,395,372号明細書(Holt等)
【特許文献19】米国特許第D378,409号(Michelson)
【特許文献20】米国特許第D364,462号(Michelson)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
そのため、脊椎の広い範囲に負荷を分散させることによって骨への穴開けの可能性を小さくする有効な脊柱矯正システムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の例示的な実施形態による脊柱矯正システムは、椎間板いずれかの側で複数の脊椎終板成長中心を跨ぐのに十分な長さのブリッジ部を有する脊柱ステープルを備えている。離間された一対の楔形の脚部がブリッジ部の端部から下方に延びており、これら脚部の長さは脊椎の深さのほぼ半分を超えて侵入しないような長さになっている。締結具保持部は、ブリッジ部の両端から外向きに水平方向に延び、ネジなどの締結具を受容するのに適した通路を中に画成する。締結具保持部は、本発明の2つ以上の脊柱ステープルの端部同士が接する関係で配設されていると、互いに接している端部から延びる締結具保持部が隣り合って並ぶように構成されている。
【0019】
ステープルの脚部には、脊椎に取り付けられた後でステープルが抜け出たり緩んだりするのに抵抗するための棘が設けられる。さらに、締結具保持部は、ステープルを脊椎内に固定し易くするためにその下面から延びる棘又は突起を有する。また、取外し可能なカニューレ状のネジ付き嵌入装置の取付けを可能にするべくブリッジ部の上面から上向きに延びるカニューレ状のネジ付き支柱が設けられてもよい。さらに、このネジ付き支柱を用いると追加の外科用ハードウエアをステープルにうまく固定することができる。ステープルは、脚部から外向きに延び且つ回転変形の阻止をサポートするように構成された回転防止部材も備えることもできる。
【0020】
ステープルの脚部は、脊椎との十分な接触面積が保証されるように形成された(脚部の幅と長さによって画成される)横方向の断面積を有し、終板成長領域を十分に圧縮し、適切なパターンの圧力分布を提供し、穴開けを防止し、関節の運動を小さくする。例えば、脚部の横方向の断面積は、各脊椎の断面積の少なくとも10%であり、脚部の長さは各脊椎の横幅の40%までである。脚部の長さに対する幅の比は例えば約1/2よりも大きく、患者の体重及び身長の違いと年齢及び脊椎の位置に応じた脊椎の断面積に合わせられる。
【0021】
本発明を以下の詳細な説明と添付の図面を参照してさらに説明する。
【0022】
図面の詳細な説明では、特に添付の図面を参照する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1〜図6を参照すると、本発明の例示的な実施形態に従って構成された脊柱ステープル10が示される。ステープル10は、ブリッジ部12、互いに離間された一対の脚部14、左側締結具保持部16、右側締結具保持部18、及びネジ付き支柱として示した取り付け部20を備える。この説明全体を通して、左、右、前方、後方、上方及び下方といった方向に関する用語を用いるが、これら用語はステープル10を記述する上での便宜上使用されているだけであり、ステープル10をいずれか特定の方向に制限するものとして理解されるべきではない。
【0024】
ブリッジ部12は、上面又はクラウン22と、これとは反対側の下面24と、前側面26と、これとは反対側の後側面28と、左端部30と、それとは反対側の右端部32とを備える。上面22は、左端部30から右端部32に向かってほぼ平坦状であり、ステープル10を一端から見た図である図5に明示したように前側面26から後側面28に向かって凸状である。下面24は、図2及び図3に明示したように、左端部30から右端部32に向かう方向において、及び前側面26から後側面28に向かう方向において凹状である。斯くしてブリッジ部12は、協動する一対のアーチ、すなわち左端部30と右端部32との間に延びる第1のアーチ及び前側面26と後側面28との間に延びる第2のアーチを構成する。
【0025】
左脚部14aと右脚部14bは、左端部30と右端部32において下面24から下向きに延びており、ほぼ楔形をしている。各脚部14は、外面34と、これとは反対側にあって互いに対面する内面36と、前面38と、それとは反対側の後面40とを備える。各脚部14は、前面38から後面40まで測定した場合に、前側面26から後側面28まで測定した場合のブリッジ部材12の幅とほぼ等しい幅を有する。図1〜図3に示したように、各脚部14の幅は、外面34から内面36まで測定された各脚部14の厚さよりも数倍大きい。脚部14は、各先端部42に向かうにつれて、前面38から後面40までの幅がわずかに狭くなっており、これにより鋭いテーパがついてブレード縁部43が画成される。例えば、外面34、内面36、前面38、後面40のそれぞれから棘44が外に向かって突起している。
【0026】
各棘44は、各先端部42から概して離れる方向を向くと共に概してブリッジ部12の方向を向いた保持面45を備える。斯くして、棘44は、ステープル10がひとたび脊椎等の固定環境内に位置決めされたときに、ステープル10の離脱運動を阻止するのに適する。脚部14の内面36は、ブリッジ部12の断面を通って垂直に延びる鉛直面47から測定して約10°〜20°の角度で互いに離れる方向に広がっているか、又は角度付けされているのが好ましい。脚部14の外面34は、ブリッジ部12に対してほぼ垂直に且つ鉛直面47にほぼ平行に下向きに延びる。
【0027】
左側締結具保持部16はブリッジ部の左端部30から外向きに延びる。右側締結具保持部18はブリッジ部の右端部32から外向きに延びる。各締結具保持部16、18は、ネジ(図8)等の締結具68を収容するのに適する通路46を中に画成する。締結具保持部16、18及び通路46は、脚部14に対しほぼ平行な方向に締結具68を案内するのに適する。同様に、各締結具保持部16、18は、前側面49と後側面51を備え、2つのステープル10の端部同士が図6に示したように接した関係にあるとき、互いに接した端部から延びる締結具保持部16、18の側部が互いに接する関係となるようにされている。換言すると、一方のステープル10の左側締結具保持部16は、他方のステープル10の右側締結具保持部18に沿った状態になる。さらに、第1のステープル10の左側締結具保持部16の後側面51は、隣接する第2のステープル10の右側締結具保持部18の前側面49に近接し且つこの前側面49と対面して位置決めされる。
【0028】
図4からわかるように、長手軸線48はステープル10の中心を通って左端部30から右端部32まで延びる。例示的な実施形態では、左側締結具保持部16及び右側締結具保持部18は長手軸線48の互いに反対側に存在する。
【0029】
図9及び図10に示した別の実施形態によれば、締結具保持部16及び18は、その両方共が長手軸線48の同じ側に存在するような態様で、ブリッジ部12の互いに反対側から延びている。この別の実施形態では、両端を逆にするように隣合うステープルを180°回転させることによって、ステープル10を端部同士が接した関係で配置することができる。このとき、1つのステープル10の左(右)側締結具保持部16(18)を隣接するステープル10の左(右)側締結具保持部18(16)に沿った状態にする。さらに、1つの締結具保持部16、18の後側面51を第2の締結具保持部16、18の後側面51に近接させ且つ対面させる。
【0030】
各締結具保持部16及び18は、凹部、例えば締結具68の頭部を収容するのに適する座繰り部50を備える。さらに、各締結具保持部16、18は、下にある骨と係合するように下向きに延びる複数の尖った第1の突起部54を有する下面52を備える。尖った第2の突起部又は棘56も締結具保持部16、18から下向きに延びている。
【0031】
図2に示したように、尖った棘56は、尖った突起部54よりも長く、保持部16と18の外端部に位置してステープル10がその中心軸回りで回転するのに抵抗する。
【0032】
ネジ付き支柱20は、ブリッジ部12の上面22から上向きに延びる。ネジ付き支柱20はブリッジ部12と協働し、支柱20と同軸で支柱20を通ってブリッジ部12の下面24まで延びる通路58を画成する。ネジ付き支柱20は、ステープル10に対する付加的なハードウエア又は装置の取り付けを可能にし、通路58は所望であればガイドワイヤをその通路に通してこのガイドワイヤに沿った運動をさせることができる。さらに、カニューレ状のネジ付き支柱20は取外し可能なカニューレ状のネジ付き嵌入装置を取り付けを容易にする。
【0033】
ステープル10は、チタン、外科用ステンレス鋼又は、脊柱の成長に耐えるのに十分な強度をもち生体内環境で十分な非反応性をもつその他の任意の材料で製造することができる。
【0034】
図7と図8を参照すると、ステープル10は、脊柱側弯症又は他の脊柱変形を示す未熟な脊柱又は成長中の脊柱を有する動物の脊椎60に挿入される。ステープル10のサイズは、脚部14が互いに十分に離間されて、ステープル10が、予め定められた厚さの対面する終板成長中心62を有する長手方向又は長さ方向に整列せしめられた隣り合う脊椎60及びその間に介在する椎間板64を橋がけすることになるようなサイズとされる。ステープル10は、湾曲した脊柱の凸状側において、隣合う脊椎60の終板成長中心62間の中間部66に打ち込まれる。脚部14は、各脊椎60の横方向直径の半分以下だけ脊椎60内に進入して、脊椎60の一方の側にだけ圧力を及ぼすような長さにされている。適切に位置決めされた時点で、脚部14は脊椎60内に完全に埋め込まれ、締結具保持部16、18の突起部54及び棘56が脊椎表面と係合する。ひとたびステープル10が所定の位置に挿入されると、ネジ、有棘杭等の締結具68が締結具保持部16、18内の通路46を通って、脊椎60内へと挿入される。
【0035】
脊柱矯正システムは、それぞれ一対の終板成長中心62又は長手方向成長プレート及びその間の中間部66を有し、しかも同様に凸状側から凹状側まで測定された方向で特定の直径、幅又は厚みを有する、長さ方向に隣接する複数の脊椎60を脊柱が有している状態で、凸状側及びこれと反対側の凹状側を構成する異常な湾曲をもつ成長中の脊柱に設置された時点で、第1の脊椎60aの中間部66の凸状側にこの第1の脊椎60aの直径の半分未満の深さまで侵入する第1の骨係合手段又は脚部14と、第2の脊椎60bの中間部66の凸状側にこの第2の脊椎60bの直径の半分未満の深さまで侵入する第2の骨係合手段又は脚部14と、第1の骨係合手段及び第2の骨係合手段14を例えば堅固に連結するブリッジ部12とを備えるものとして広く考えられる(図8)。ここでわかるように、各ステープル10の凹状下面24は、実質的に、脊椎60によって構成される椎体の輪郭に整合又は追従する。
【0036】
したがって脊柱矯正システム10は、脊柱の凹状側で終板成長中心62の制約のない成長を可能にする一方で、脊柱の凸状側で第1骨係合用手段及び第2の骨係合用手段14間に補足された終板成長中心62の成長を阻止又は遅延させることにより、成長中の脊柱の異常な湾曲を矯正する。脊柱が成長を続けるにつれ、脊柱の凹状側は凸状側よりも早く成長するため、湾曲の進行が遅くなり、斯くして湾曲が平坦化されて脊柱がまっすぐになる。
【0037】
脚部14は、間に補足された終板成長中心62の成長を抑制することを主とするが、締結具保持部16、18及び締結具68も同様に、間に補足された終板成長中心62の成長の抑制に寄与していることがわかるであろう。締結具保持部16、18と、それと協働する締結具68が、終板成長中心62の長さ方向の成長に起因する展延力に十分に抵抗できるようにされているのであれば、脚部14を省略することも可能である。
【0038】
さらに別の例示的な実施形態の脊柱ステープル10’を図11〜図14に示してある。脊柱ステープル10’は、既に説明した脊柱ステープル10と同じ特徴を多く備えている。そのため以下の説明では、図1〜図10の実施形態に関して説明したのと同様の要素は同様の参照番号で表わす。
【0039】
左脚部14a’と右脚部14b’の内面36は、片側だけの成長が遅くなると共に骨への穴開けが避けられるよう、脊椎60の終板成長中心62に圧縮力を分散させるように構成にされる。脊柱ステープル10’は、特定のパターンの圧力分布を誘導するように構成にされる。終板成長中心62内での圧力分布パターンに影響を与える因子として、脚部14’の横方向の断面積を画定する脚部14’の長さ及び幅や、ステープル10’の他の構造上の特徴、脊椎60内の脚部14’の位置等が挙げられる。骨への穴開けは脊椎60の終板成長中心62に及ぼす治療圧力を弱めるため、疾患の進行が可能になる。
【0040】
脚部14’の横方向の断面積が十分に大きいため、脊椎60との十分な接触面積が確保され、終板成長中心62が十分に圧縮され、適切な圧力分布パターンになり、骨への穴開けが防止され、関節の運動が少なくなる。図15の例示的な実施形態に示したように、脚部14a’と14b’の横方向の断面積(LA)は、それぞれ第1の脊椎60a及び第2の脊椎60bの断面積(VA)の少なくとも10%である。例示的な一つの実施形態では、脚部14a’と14b’の断面積(LA)は、脊椎の断面積(VA)の10%〜25%である。
【0041】
図14の例示的な実施形態では、一般に前面38から後面40まで測定された各脚部14’の幅(LW)は、約6mm(0.236インチ)よりも広い。例示的な一つの実施形態では、この幅(LW)は7mm(0.276インチ)〜14mm(0.552インチ)である。
【0042】
さらに、上述したように、一般に内面36と下面24の交点70から先端部43まで測定される各脚部14’の長さ(LL)は、一般に脊椎の直径又は横幅(VW)の半分を超えて延びてはいない(図15)。例示的な一つの実施形態では、各脚部14a’及び14b’の長さ(LL)は、それぞれ第1の脊椎60aと第2の脊椎60bの横幅(VW)の10%〜40%である。そのため骨格が未熟な子どもの脊椎のサイズに基づくと、各脚部14a’と14b’の長さ(LL)は、24mm(0.945インチ)未満である。例示的な一つの実施形態では、この長さ(LL)は3mm(0.118インチ)〜15mm(0.59インチ)である。
【0043】
脚部の幅(LW)と長さ(LL)との関係は、患者のサイズに関する条件又は基準を考慮して調節することができる。言い換えるならば、より大きな人には、脚部の長さ(LL)がより長いことが正しいと判断される。同様に、患者の動的負荷、筋肉の力、運動の力、脊椎/骨端の断面積が大きいことによる大きな負荷に耐えられるよう、幅(LW)を広くしなければならない。終板成長中心62の断面積が大きいほど、成長によって発生する力は大きくなる。したがって、患者ごとの体重と身長の違いや、特に年齢と脊椎の位置に応じた脊椎60の断面積(VA)を考慮するときには、脚部の長さ(LL)に対する脚部の幅(LW)の比率を検討しなければならない。例えば上胸部脊柱は、下胸部脊柱又は腰椎よりもはるかに狭く、小さな子どもの椎体は一般に成年の椎体よりも小さい。脊椎60のステープル側では成長を遅らせたり停止させたりし、脊椎60の非ステープル側では無制限な成長を可能にするのに脊椎終板成長中心62の冠状面を横断する適切な圧力勾配パターンを発生させる上で、ステープルの脚部の幅(LW)に対するステープルの脚部の長さ(LL)の比率も重要である。
【0044】
この例示的な実施形態では、脚部の長さ(LL)に対する幅(LW)の比率は、約1/2よりも大きい。言い換えるならば、ステープルの脚部14’の幅(LW)は、長さ(LL)の少なくとも約50%である。
【0045】
さらに図11〜図13と図16〜図18を参照すると、回転防止部80がステープルの各脚部14’の外側に配置され、隣接する締結具保持部16、18と接している。より詳細には、左側回転防止部80aが左側締結具保持部16と左脚部14aとの間に延び、右側回転防止部80bが右側締結具保持部18と右脚部14bとの間に延びる。回転防止部80は終板成長中心62に切り込むことなくステープルの脚部14の外側に位置して脊椎60に食い込む。左側回転防止部80a及び右側回転防止部80bは、左側締結具保持部16及び右側締結具保持部18が第1の脊椎60a及び第2の脊椎60bに対して長手軸線48回りで相対的に回転するのを減らすように構成にされる。
【0046】
各回転防止部80は、固定されるように脊椎60と係合するように構成された下方縁部82を備える。より詳細には、左側回転防止部80aの下方縁部82は第1の脊椎60aと係合するように構成され、右側回転防止部80bの下方縁部82は第2の脊椎60bと係合するように構成される。そのため下方縁部82を尖らせ、脊椎に切り込むようにすることができる。下方縁部82は、例えば長手軸線48と平行に脚部14’から上方に向かって各締結具保持部16、18まで延びる。より詳細には、各回転防止部80は、脚部14’の外面34の中心近くから締結具保持部16、18まで延びている。この例示的な実施形態では、回転防止部80は、ガセットとして図示した三角形のプレートを備えている。しかし回転防止部80は、長方形や半円形等、他の形状のプレートにできることを理解すべきである。
【0047】
骨の中に回転防止部80を固定すると、ステープル10’によって接続されている第1の脊椎60aと第2の脊椎60bの相対回転によってステープル10’が外れるときに必要な負荷が増大する。さらに、回転防止部80は、ブリッジ部12に対して脚部14’が曲がったり、回転変形が起こったりしないようにするのをサポートすることができる。回転防止部80は、第1の脊椎60a及び第2の脊椎60bが脊柱の長手軸線及び屈曲−伸展軸回りの相対回転を防止するのを補助することもできる。回転防止部80は、脊椎60に対するステープル10’の相対的な運動を減らして安定性を向上させることもできる。より詳細には、回転防止部80は、脊柱の長手軸線と、ステープル10’の開口部58を貫通して延びる軸線74回りでステープル10’が第1の脊椎60aと第2の脊椎60bに対して回転しないようにするのを補助することもできる。
【0048】
別の例示的な実施形態の脊柱ステープル100を図16〜図18に示す。脊柱ステープル100は、既に説明した脊柱ステープル10と10’と同じ特徴を多く備えている。そのため以下の説明では、図1〜図15の実施形態に関して説明したのと同様の要素は同様の参照番号で表わす。
【0049】
図11〜図15の脊柱ステープル10’と図16〜図18の脊柱ステープル100の唯一の大きな違いは、脊柱ステープル100の脚部114aと114bが、空隙又はスペース120によって隔てられた第1の部分116と第2の部分118を備えていることである。部分116と118の先端部122の面積が狭くなっていることで、脊椎60に各脚部114をより容易に挿入することができる。
【0050】
脚部114が個々の部分116と118に分かれている場合には、その全体のサイズは、例えばステープル10’の脚部14’に関して上述した基準を満たさねばならない。より詳細には、脊椎60との十分な接触面を確保するため、各脚部114の部分116及び118の横方向の合計断面積(LA)を、例えばそれぞれ第1の脊椎60aと第2の脊椎60bの脊椎断面積(VA)の少なくとも10%に、例示的な一つの実施形態では25%以下にする。さらに、各脚部114の合計幅(LW)は約6mm(0.236インチ)よりも広く、例えば7mm(0.276インチ)〜14mm(0.552インチ)である。また、脚部114の各部分116及び118の長さ(LL)は、脊椎の横幅(VW)の半分を超えて延びることはなく、例えば24mm(0.945インチ)未満である。最後に、各脚部114の合計幅(LW)は、例えば部分116と118の平均長さ(LL)の少なくとも約50%である。
【0051】
上記詳細な実施形態では第1の脊椎60aと第2の脊椎60bとの間を延びる単一のステープル10、10’、100について説明したが、横方向に離間された複数のステープル10、10’、100も利用できる。このような場合には、各脊椎60a、60b内の脚部14、14’、114の合計寸法は、例えばステープル10’、100の脚部14’、114に関して上述した基準を満たさねばならない。
【0052】
脊柱矯正システムは主として未熟な脊柱又は成長中の脊柱の側方弯曲異常を矯正することを目的としているが、これを成熟した脊柱や成長していない脊柱をもつ人の脊柱矯正のために利用することもできる。
【0053】
本明細書で記述した器具形態は、本発明の好ましい実施形態を構成するが、本発明はこれらの明確な器具形態に限定されず、特許請求の範囲内で規定されている本発明の範囲から逸脱することなく変更を施しうることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の脊柱ステープルの斜視図である。
【図2】図1の脊柱ステープルの正面図である。
【図3】脊柱ステープルの下側を示す斜視図である。
【図4】脊柱ステープルの平面図である。
【図5】脊柱ステープルを側面図である。
【図6】端部同士が接した関係で並んだ本発明の2つの脊柱ステープルの斜視図である。
【図7】端部同士が接した関係で脊柱に設置された本発明の3つの脊柱ステープルの平面図である。
【図8】2つの終板成長中心及び介在する椎間板を跨ぐように2つの脊椎に固定された本発明の脊柱矯正システムの部分断面立面図である。
【図9】本発明の脊柱ステープル別の実施形態の平面図である。
【図10】端部同士が接した関係で整列せしめられた別の実施形態の2つの脊柱ステープルの斜視図である。
【図11】脊柱ステープルの更なる例示的な実施形態の斜視図である。
【図12】図11の脊柱ステープルの底部斜視図である。
【図13】図11の脊柱ステープルの側面図である
【図14】図13の線14−14に沿った横断面図である。
【図15】脊椎の中に設置された図11の脊柱ステープルを示す横断面図である。
【図16】脊柱ステープルの更なる例示的な実施形態の斜視図である。
【図17】図16の脊柱ステープルの側面図である
【図18】図16の脊柱ステープルを端面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面と、これとは反対側の下面と、前側面と、これとは反対側の後側面と、左端部と、これとは反対側の右端部を有するブリッジ部と、
前記左端部近傍においてブリッジ部の下面から、第1の脊椎に挿入されるように構成された先端部まで延びる左脚部であって、外面と、これとは反対側の内面と、前面と、これとは反対側の後面とを有し、前記前面から前記後面までの幅と、該左脚部の内面と前記ブリッジ部の下面との交点から前記先端部までの長さとを更に有し、該左脚部の幅が約6mmよりも大きく且つ該左脚部の長さの少なくとも1/2である左脚部と、
前記右端部近傍においてブリッジ部の下面から、第2の脊椎に挿入されるように構成された先端部まで延びる右脚部であって、外面と、これとは反対側の内面と、前面と、これとは反対側の後面とを有し、前記前面から前記後面までの幅と、該右脚部の内面と前記ブリッジ部の下面との交点から前記先端部までの長さとを更に有し、該右脚部の幅が約6mmよりも大きく且つ該右脚部の長さの少なくとも1/2である右脚部とを具備する、脊柱ステープル。
【請求項2】
前記第1の脊椎と第2の脊椎のそれぞれが予め定められた横幅を有し、前記左脚部の長さが第1の脊椎の横幅の1/2未満であり、前記右脚部の長さが第2の脊椎の横幅の1/2未満である、請求項1に記載の脊柱ステープル。
【請求項3】
前記左脚部の長さが第1の脊椎の横幅の40%以下であり、前記右脚部の長さが第2の脊椎の横幅の40%以下である、請求項2に記載の脊柱ステープル。
【請求項4】
前記第1の脊椎と第2の脊椎のそれぞれが横方向の断面積を有し、
前記左脚部が前記前面から前記後面まで延びる横方向の断面積を有し、該断面積が第1の脊椎の断面積の10%〜25%であり、
前記右脚部が前記前面から前記後面まで延びる横方向の断面積を有し、該断面積が第2の脊椎の断面積の10%〜25%である、請求項1に記載の脊柱ステープル。
【請求項5】
前記ブリッジ部の左端部から延びる左側締結具保持部と、
前記ブリッジ部の右端部から延びる右側締結具保持部と、
前記左側締結具保持部内を延び且つ前記第1の脊椎内に挿入されるように構成される左締結具と、
前記右側締結具保持部内を延び且つ前記第2の脊椎内に挿入されるように構成される右締結具とを更に具備する、請求項1に記載の脊柱ステープル。
【請求項6】
前記ブリッジ部を貫通して前記上面から前記下面まで延びる通路を更に具備し、該通路がガイドワイヤに沿ってブリッジ部の運動を案内するためのガイドワイヤを受容するように構成される、請求項1に記載の脊柱ステープル。
【請求項7】
前記左脚部及び前記右脚部の内面が、これら左脚部と右脚部との間を通過していて前記ブリッジ部にほぼ垂直な平面から計測して互いに外向きに開いている、請求項1に記載の脊柱ステープル。
【請求項8】
凸状側を構成する異常な湾曲を有する成長中の脊柱に使用するように構成された脊柱矯正システムであって、該脊柱が長さ方向に近接した第1の脊椎と第2の脊椎とを備え、各脊椎が、間に中間部が介在する複数の終板成長中心と、横幅と、横方向の断面積とを有する、脊柱矯正システムにおいて、
上面と、これとは反対側の下面と、前側面と、これとは反対側の後側面と、左端部と、これとは反対側の右端部を有する少なくとも1つのブリッジ部と、
前記少なくとも1つのブリッジ部に連結されて第1の脊椎に挿入されるように構成された先端部を有する少なくとも1つの左脚部であって、それぞれ外面と、これとは反対側の内面と、前面と、これとは反対側の後面と、前記前面から前記後面までの幅と、該少なくとも1つの左脚部の内面と前記ブリッジ部の下面との交点から前記先端部までの長さと、前記前面から前記後面に延びる横方向の断面積とを有し、前記少なくとも1つの左脚部のそれぞれの長さが前記第1の脊椎の横幅の40%以下であり、前記少なくとも1つの左脚部の横方向の合計断面積が前記第1の脊椎の断面積の少なくとも10%である、左脚部と、
前記ブリッジ部に連結されて第2の脊椎に挿入されるように構成された先端部を有する少なくとも1つの右脚部であって、それぞれ外面と、これとは反対側の内面と、前面と、これとは反対側の後面と、前記前面から前記後面までの幅と、該少なくとも1つの右脚部の内面と前記ブリッジ部の下面との交点から前記先端部までの長さと、前記前面から前記後面に延びる横方向の断面積を有し、前記少なくとも1つの右脚部のそれぞれの長さが第2の脊椎の前記横幅の40%以下であり、前記少なくとも1つの右脚部の横方向の合計断面積が第2の脊椎の断面積の少なくとも10%である、右脚部とを具備する、脊柱矯正システム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの左脚部が単一の左脚部を備え、前記少なくとも1つの右脚部が単一の右脚部を備える、請求項8に記載の脊柱矯正システム。
【請求項10】
前記少なくとも1つの左脚部が第1の左脚部と第2の左脚部とを備え、前記少なくとも1つの右脚部が第1の右脚部と第2の右脚部とを備える、請求項8に記載の脊柱矯正システム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの左脚部の合計幅が該少なくとも1つの左脚部の平均長さの少なくとも1/2であり、
前記少なくとも1つの右脚部の合計幅が該少なくとも1つの右脚部の平均長さの少なくとも1/2である、請求項8に記載の脊柱矯正システム。
【請求項12】
前記少なくとも1つのブリッジ部それぞれの左端部から延びる左側締結具保持部と、
前記少なくとも1つのブリッジ部それぞれの右端部から延びる右側締結具保持部と、
各左側締結具保持部内を延び且つ前記第1の脊椎に挿入されるように構成される左締結具と、
各右側締結具保持部内を延び且つ前記第2の脊椎に挿入されるように構成される右締結具とを更に具備する、請求項8に記載の脊柱矯正システム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの左脚部及び前記少なくとも1つの右脚部の内面が、これら左脚部と右脚部との間を通過していて前記ブリッジ部にほぼ垂直な平面から計測して互いに外向きに開いている、請求項8に記載の脊柱矯正システム。
【請求項14】
凸状側を構成する異常な湾曲を有する成長中の脊柱に使用するように構成された脊柱矯正システムであって、該脊柱が長さ方向に近接した複数の脊椎を備え、各脊椎が、間に中間部が介在する複数の終板成長中心と、横幅と、横方向の断面積とを有する、脊柱矯正システムにおいて、
上面と、これとは反対側の下面と、前側面と、これとは反対側の後側面と、左端部と、これとは反対側の右端部を有する少なくとも1つのブリッジ部と、
第1の脊椎に挿入されるように構成された先端部を有する少なくとも1つの左脚部であって、それぞれ外面と、これとは反対側の内面と、前面と、これとは反対側の後面とを有し、それぞれ前記前面から前記後面までの幅と、該少なくとも1つの左脚部の内面と前記ブリッジ部の下面の交点から前記先端部までの長さとを更に有し、前記少なくとも1つの左脚部の合計幅が該少なくとも1つの左脚部の平均長さの1/2よりも大きい、左脚部と、
第2の脊椎に挿入されるように構成された先端部を有する少なくとも1つの右脚部であって、それぞれ外面と、これとは反対側の内面と、前面と、これとは反対側の後面とを有し、それぞれ前記前面から前記後面までの幅と、該少なくとも1つの右脚部の内面と前記ブリッジ部の下面の交点から前記先端部までの長さとを更に有し、前記少なくとも1つの右脚部の合計幅が該少なくとも1つの右脚部の平均長さの1/2よりも大きい、右脚部とを具備し、
前記少なくとも1つの左脚部のそれぞれが前記前面から前記後面まで延びる横方向の断面積を有し、該少なくとも1つの左脚部の合計断面積が前記第1の脊椎の断面積のほぼ10%〜25%であり、
前記少なくとも1つの右脚部のそれぞれが前記前面から前記後面まで延びる横方向の断面積を有し、該少なくとも1つの右脚部の合計断面積が前記第2の脊椎の断面積のほぼ10%〜25%である、脊柱矯正システム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの左脚部が単一の左脚部を備え、前記少なくとも1つの右脚部が単一の右脚部を備える、請求項14に記載の脊柱矯正システム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの左脚部が第1の左脚部と第2の左脚部とを備え、前記少なくとも1つの右脚部が第1の右脚部と第2の右脚部とを備える、請求項14に記載の脊柱矯正システム。
【請求項17】
前記少なくとも1つの左脚部の合計幅が約6mmよりも大きく、前記少なくとも1つの右脚部の合計幅が約6mmよりも大きい、請求項14に記載の脊柱矯正システム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの左脚部のそれぞれの長さが、第1の脊椎の横幅の40%よりも大きくはなく、前記少なくとも1つの右脚部のそれぞれの長さが、第2の脊椎の横幅の40%よりも大きくはない、請求項14に記載の脊柱矯正システム。
【請求項19】
前記少なくとも1つの左脚部及び前記少なくとも1つの右脚部のそれぞれの内面が、これら少なくとも1つの左脚部と少なくとも1つの右脚部との間を通過していて前記ブリッジ部にほぼ垂直な平面から計測して互いに外向きに開いている、請求項14に記載の脊柱矯正システム。
【請求項20】
凸状側を構成する異常な湾曲を有する成長中の脊柱に使用するように構成された脊柱矯正システムであって、該脊柱が長さ方向に近接した複数の脊椎を備え、各脊椎が、間に中間部が介在する複数の終板成長中心と、横幅と、横方向の断面積とを有する、脊柱矯正システムにおいて、
上面と、これとは反対側の下面と、前側面と、これとは反対側の後側面と、左端部と、これとは反対側の右端部を有する少なくとも1つのブリッジ部と、
前記左端部近傍において少なくとも1つのブリッジ部のそれぞれの下面から、第1の脊椎に挿入されるように構成された先端部まで延びる少なくとも1つの左脚部であって、それぞれ外面と、これとは反対側の内面と、前面と、これとは反対側の後面とを有し、それぞれ前記前面から前記後面までの幅と、該少なくとも1つの左脚部の内面と前記ブリッジ部の下面との交点から前記先端部までの長さとを更に有し、前記少なくとも1つの左脚部の合計幅が約6mmよりも大きく、該少なくとも1つの左脚部それぞれの長さが約24mm未満である、左脚部と、
前記右端部近傍において少なくとも1つのブリッジ部のそれぞれの下面から、第2の脊椎に挿入されるように構成された先端部まで延びる少なくとも1つの右脚部であって、それぞれ外面と、これとは反対側の内面と、前面と、これとは反対側の後面とを有し、それぞれ前記前面から前記後面までの幅と、該少なくとも1つの右脚部の内面と前記ブリッジ部の下面との交点から前記先端部までの長さとを更に有し、前記少なくとも1つの右脚部の合計幅が約6mmよりも大きく、該少なくとも1つの右脚部それぞれの長さが約24mm未満である、右脚部とを具備する、脊柱矯正システム。
【請求項21】
前記少なくとも1つの左脚部の合計幅が7mm〜14mmであり、少なくとも1つの左脚部それぞれの長さが3mm〜15mmであり、
前記少なくとも1つの右脚部の合計幅が7mm〜14mmであり、少なくとも1つの右脚部それぞれの長さが3mm〜15mmである、請求項20に記載の脊柱矯正システム。
【請求項22】
前記少なくとも1つの左脚部の合計幅が少なくとも1つの左脚部の平均長さの少なくとも1/2であり、
前記少なくとも1つの右脚部の合計幅が少なくとも1つの右脚部の平均長さの少なくとも1/2である、請求項20に記載の脊柱矯正システム。
【請求項23】
前記少なくとも1つの左脚部のそれぞれの長さが第1の脊椎の横幅の40%以下であり、前記少なくとも1つの右脚部のそれぞれの長さが第2の脊椎の横幅の40%以下である、請求項20に記載の脊柱矯正システム。
【請求項24】
前記少なくとも1つの左脚部のそれぞれが前記前面から前記後面まで延びる横方向の断面積を有し、該少なくとも1つの左脚部の合計断面積が第1の脊椎の断面積の10%〜25%であり、
前記少なくとも1つの右脚部のそれぞれが前記前面から前記後面まで延びる横方向の断面積を有し、該少なくとも1つの右脚部の合計断面積が第2の脊椎の断面積の10%〜25%である、請求項20に記載の脊柱矯正システム。
【請求項25】
前記少なくとも1つのブリッジ部それぞれの左端部から延びる左側締結具保持部と、
前記少なくとも1つのブリッジ部それぞれの右端部から延びる右側締結具保持部と、
前記左側締結具保持部内を延び且つ前記第1の脊椎に挿入されるように構成される左締結具と、
前記右側締結具保持部内を延び且つ前記第2の脊椎に挿入されるように構成される右締結具とを更に具備する、請求項20に記載の脊柱矯正システム。
【請求項26】
前記少なくとも1つの左脚部及び右脚部それぞれの内面が、これら少なくとも1つの左脚部と右脚部との間を通過していて前記少なくとも1つのブリッジ部にほぼ垂直な平面から計測して互いに外向きに開いている、請求項20に記載の脊柱矯正システム。
【請求項27】
長手軸線に沿って延びていて、上面と、これとは反対側の下面と、前側面と、これとは反対側の後側面と、左端部と、これとは反対側の右端部とを有するブリッジ部と、
前記ブリッジ部の左端部から延びる左側締結具保持部と、
前記左側締結具保持部内を延び且つ第1の脊椎に挿入されるように構成される左締結具と、
前記ブリッジ部の右端部から延びる右側締結具保持部と、
前記右側締結具保持部内を延び且つ第2の脊椎に挿入されるように構成される右締結具と、
前記左端部近傍においてブリッジ部の下面から延びていて第1の脊椎に挿入されるように構成された先端部を有する左脚部であって、外面と、これとは反対側の内面と、前面と、これとは反対側の後面とを有する、左脚部と、
前記右端部近傍においてブリッジ部の下面から延びていて第2の脊椎に挿入されるように構成された先端部を有する右脚部であって、外面と、これとは反対側の内面と、前面と、これとは反対側の後面とを有する、右脚部と、
前記左側締結具保持部と前記左脚部との間で延びる左側回転防止部であって、第1の脊椎に対して前記左側締結具保持部が長手軸線回りで相対的に回転するのを減らすように構成された、左側回転防止部と、
前記右側締結具保持部と前記右脚部との間で延びる右側回転防止部であって、第2の脊椎に対して前記右側締結具保持部が長手軸線回りで相対的に回転するのを減らすように構成された、右側回転防止部とを具備する、脊柱ステープル。
【請求項28】
前記左側回転防止部が第1の脊椎と係合するように構成された下端部を備え、前記右側回転防止部が第2の脊椎と係合するように構成された下端部を備える、請求項27に記載の脊柱ステープル。
【請求項29】
前記左側回転防止部の下端部が前記左脚部から上向きに前記左側締結具保持部まで延び、前記右側回転防止部の下端部が前記右脚部から上向きに前記右側締結具保持部まで延びる、請求項28に記載の脊柱ステープル。
【請求項30】
前記左側回転防止部と前記右側回転防止部が前記長手軸線に平行に延びる、請求項27に記載の脊柱ステープル。
【請求項31】
前記左側回転防止部が前記左脚部の外面の中心近傍から外向きに延び、前記右側回転防止部が前記右脚部の外面の中心近傍から外向きに延びる、請求項27に記載の脊柱ステープル。
【請求項32】
前記回転防止部が、ステープルによって連結されている第1の脊椎と第2の脊椎との相対的な回転によってステープルが外れるのに必要な負荷を大きくする、請求項27に記載の脊柱ステープル。
【請求項33】
前記左脚部が、前記前面から前記後面までの幅と、該左脚部の内面と前記ブリッジ部の下面との交点から前記先端部までの長さとを有し、前記左脚部の幅が該左脚部の長さの少なくとも1/2であり、
前記右脚部が、前記前面から前記後面までの幅と、該右脚部の内面と前記ブリッジ部の下面との交点から前記先端部までの長さとを有し、前記右脚部の幅が該右脚部の長さの少なくとも1/2である、請求項27に記載の脊柱ステープル。
【請求項34】
前記左脚部の幅が6mmよりも大きく、前記右脚部の幅が6mmよりも大きい、請求項33に記載の脊柱ステープル。
【請求項1】
上面と、これとは反対側の下面と、前側面と、これとは反対側の後側面と、左端部と、これとは反対側の右端部を有するブリッジ部と、
前記左端部近傍においてブリッジ部の下面から、第1の脊椎に挿入されるように構成された先端部まで延びる左脚部であって、外面と、これとは反対側の内面と、前面と、これとは反対側の後面とを有し、前記前面から前記後面までの幅と、該左脚部の内面と前記ブリッジ部の下面との交点から前記先端部までの長さとを更に有し、該左脚部の幅が約6mmよりも大きく且つ該左脚部の長さの少なくとも1/2である左脚部と、
前記右端部近傍においてブリッジ部の下面から、第2の脊椎に挿入されるように構成された先端部まで延びる右脚部であって、外面と、これとは反対側の内面と、前面と、これとは反対側の後面とを有し、前記前面から前記後面までの幅と、該右脚部の内面と前記ブリッジ部の下面との交点から前記先端部までの長さとを更に有し、該右脚部の幅が約6mmよりも大きく且つ該右脚部の長さの少なくとも1/2である右脚部とを具備する、脊柱ステープル。
【請求項2】
前記第1の脊椎と第2の脊椎のそれぞれが予め定められた横幅を有し、前記左脚部の長さが第1の脊椎の横幅の1/2未満であり、前記右脚部の長さが第2の脊椎の横幅の1/2未満である、請求項1に記載の脊柱ステープル。
【請求項3】
前記左脚部の長さが第1の脊椎の横幅の40%以下であり、前記右脚部の長さが第2の脊椎の横幅の40%以下である、請求項2に記載の脊柱ステープル。
【請求項4】
前記第1の脊椎と第2の脊椎のそれぞれが横方向の断面積を有し、
前記左脚部が前記前面から前記後面まで延びる横方向の断面積を有し、該断面積が第1の脊椎の断面積の10%〜25%であり、
前記右脚部が前記前面から前記後面まで延びる横方向の断面積を有し、該断面積が第2の脊椎の断面積の10%〜25%である、請求項1に記載の脊柱ステープル。
【請求項5】
前記ブリッジ部の左端部から延びる左側締結具保持部と、
前記ブリッジ部の右端部から延びる右側締結具保持部と、
前記左側締結具保持部内を延び且つ前記第1の脊椎内に挿入されるように構成される左締結具と、
前記右側締結具保持部内を延び且つ前記第2の脊椎内に挿入されるように構成される右締結具とを更に具備する、請求項1に記載の脊柱ステープル。
【請求項6】
前記ブリッジ部を貫通して前記上面から前記下面まで延びる通路を更に具備し、該通路がガイドワイヤに沿ってブリッジ部の運動を案内するためのガイドワイヤを受容するように構成される、請求項1に記載の脊柱ステープル。
【請求項7】
前記左脚部及び前記右脚部の内面が、これら左脚部と右脚部との間を通過していて前記ブリッジ部にほぼ垂直な平面から計測して互いに外向きに開いている、請求項1に記載の脊柱ステープル。
【請求項8】
凸状側を構成する異常な湾曲を有する成長中の脊柱に使用するように構成された脊柱矯正システムであって、該脊柱が長さ方向に近接した第1の脊椎と第2の脊椎とを備え、各脊椎が、間に中間部が介在する複数の終板成長中心と、横幅と、横方向の断面積とを有する、脊柱矯正システムにおいて、
上面と、これとは反対側の下面と、前側面と、これとは反対側の後側面と、左端部と、これとは反対側の右端部を有する少なくとも1つのブリッジ部と、
前記少なくとも1つのブリッジ部に連結されて第1の脊椎に挿入されるように構成された先端部を有する少なくとも1つの左脚部であって、それぞれ外面と、これとは反対側の内面と、前面と、これとは反対側の後面と、前記前面から前記後面までの幅と、該少なくとも1つの左脚部の内面と前記ブリッジ部の下面との交点から前記先端部までの長さと、前記前面から前記後面に延びる横方向の断面積とを有し、前記少なくとも1つの左脚部のそれぞれの長さが前記第1の脊椎の横幅の40%以下であり、前記少なくとも1つの左脚部の横方向の合計断面積が前記第1の脊椎の断面積の少なくとも10%である、左脚部と、
前記ブリッジ部に連結されて第2の脊椎に挿入されるように構成された先端部を有する少なくとも1つの右脚部であって、それぞれ外面と、これとは反対側の内面と、前面と、これとは反対側の後面と、前記前面から前記後面までの幅と、該少なくとも1つの右脚部の内面と前記ブリッジ部の下面との交点から前記先端部までの長さと、前記前面から前記後面に延びる横方向の断面積を有し、前記少なくとも1つの右脚部のそれぞれの長さが第2の脊椎の前記横幅の40%以下であり、前記少なくとも1つの右脚部の横方向の合計断面積が第2の脊椎の断面積の少なくとも10%である、右脚部とを具備する、脊柱矯正システム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの左脚部が単一の左脚部を備え、前記少なくとも1つの右脚部が単一の右脚部を備える、請求項8に記載の脊柱矯正システム。
【請求項10】
前記少なくとも1つの左脚部が第1の左脚部と第2の左脚部とを備え、前記少なくとも1つの右脚部が第1の右脚部と第2の右脚部とを備える、請求項8に記載の脊柱矯正システム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの左脚部の合計幅が該少なくとも1つの左脚部の平均長さの少なくとも1/2であり、
前記少なくとも1つの右脚部の合計幅が該少なくとも1つの右脚部の平均長さの少なくとも1/2である、請求項8に記載の脊柱矯正システム。
【請求項12】
前記少なくとも1つのブリッジ部それぞれの左端部から延びる左側締結具保持部と、
前記少なくとも1つのブリッジ部それぞれの右端部から延びる右側締結具保持部と、
各左側締結具保持部内を延び且つ前記第1の脊椎に挿入されるように構成される左締結具と、
各右側締結具保持部内を延び且つ前記第2の脊椎に挿入されるように構成される右締結具とを更に具備する、請求項8に記載の脊柱矯正システム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの左脚部及び前記少なくとも1つの右脚部の内面が、これら左脚部と右脚部との間を通過していて前記ブリッジ部にほぼ垂直な平面から計測して互いに外向きに開いている、請求項8に記載の脊柱矯正システム。
【請求項14】
凸状側を構成する異常な湾曲を有する成長中の脊柱に使用するように構成された脊柱矯正システムであって、該脊柱が長さ方向に近接した複数の脊椎を備え、各脊椎が、間に中間部が介在する複数の終板成長中心と、横幅と、横方向の断面積とを有する、脊柱矯正システムにおいて、
上面と、これとは反対側の下面と、前側面と、これとは反対側の後側面と、左端部と、これとは反対側の右端部を有する少なくとも1つのブリッジ部と、
第1の脊椎に挿入されるように構成された先端部を有する少なくとも1つの左脚部であって、それぞれ外面と、これとは反対側の内面と、前面と、これとは反対側の後面とを有し、それぞれ前記前面から前記後面までの幅と、該少なくとも1つの左脚部の内面と前記ブリッジ部の下面の交点から前記先端部までの長さとを更に有し、前記少なくとも1つの左脚部の合計幅が該少なくとも1つの左脚部の平均長さの1/2よりも大きい、左脚部と、
第2の脊椎に挿入されるように構成された先端部を有する少なくとも1つの右脚部であって、それぞれ外面と、これとは反対側の内面と、前面と、これとは反対側の後面とを有し、それぞれ前記前面から前記後面までの幅と、該少なくとも1つの右脚部の内面と前記ブリッジ部の下面の交点から前記先端部までの長さとを更に有し、前記少なくとも1つの右脚部の合計幅が該少なくとも1つの右脚部の平均長さの1/2よりも大きい、右脚部とを具備し、
前記少なくとも1つの左脚部のそれぞれが前記前面から前記後面まで延びる横方向の断面積を有し、該少なくとも1つの左脚部の合計断面積が前記第1の脊椎の断面積のほぼ10%〜25%であり、
前記少なくとも1つの右脚部のそれぞれが前記前面から前記後面まで延びる横方向の断面積を有し、該少なくとも1つの右脚部の合計断面積が前記第2の脊椎の断面積のほぼ10%〜25%である、脊柱矯正システム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの左脚部が単一の左脚部を備え、前記少なくとも1つの右脚部が単一の右脚部を備える、請求項14に記載の脊柱矯正システム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの左脚部が第1の左脚部と第2の左脚部とを備え、前記少なくとも1つの右脚部が第1の右脚部と第2の右脚部とを備える、請求項14に記載の脊柱矯正システム。
【請求項17】
前記少なくとも1つの左脚部の合計幅が約6mmよりも大きく、前記少なくとも1つの右脚部の合計幅が約6mmよりも大きい、請求項14に記載の脊柱矯正システム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの左脚部のそれぞれの長さが、第1の脊椎の横幅の40%よりも大きくはなく、前記少なくとも1つの右脚部のそれぞれの長さが、第2の脊椎の横幅の40%よりも大きくはない、請求項14に記載の脊柱矯正システム。
【請求項19】
前記少なくとも1つの左脚部及び前記少なくとも1つの右脚部のそれぞれの内面が、これら少なくとも1つの左脚部と少なくとも1つの右脚部との間を通過していて前記ブリッジ部にほぼ垂直な平面から計測して互いに外向きに開いている、請求項14に記載の脊柱矯正システム。
【請求項20】
凸状側を構成する異常な湾曲を有する成長中の脊柱に使用するように構成された脊柱矯正システムであって、該脊柱が長さ方向に近接した複数の脊椎を備え、各脊椎が、間に中間部が介在する複数の終板成長中心と、横幅と、横方向の断面積とを有する、脊柱矯正システムにおいて、
上面と、これとは反対側の下面と、前側面と、これとは反対側の後側面と、左端部と、これとは反対側の右端部を有する少なくとも1つのブリッジ部と、
前記左端部近傍において少なくとも1つのブリッジ部のそれぞれの下面から、第1の脊椎に挿入されるように構成された先端部まで延びる少なくとも1つの左脚部であって、それぞれ外面と、これとは反対側の内面と、前面と、これとは反対側の後面とを有し、それぞれ前記前面から前記後面までの幅と、該少なくとも1つの左脚部の内面と前記ブリッジ部の下面との交点から前記先端部までの長さとを更に有し、前記少なくとも1つの左脚部の合計幅が約6mmよりも大きく、該少なくとも1つの左脚部それぞれの長さが約24mm未満である、左脚部と、
前記右端部近傍において少なくとも1つのブリッジ部のそれぞれの下面から、第2の脊椎に挿入されるように構成された先端部まで延びる少なくとも1つの右脚部であって、それぞれ外面と、これとは反対側の内面と、前面と、これとは反対側の後面とを有し、それぞれ前記前面から前記後面までの幅と、該少なくとも1つの右脚部の内面と前記ブリッジ部の下面との交点から前記先端部までの長さとを更に有し、前記少なくとも1つの右脚部の合計幅が約6mmよりも大きく、該少なくとも1つの右脚部それぞれの長さが約24mm未満である、右脚部とを具備する、脊柱矯正システム。
【請求項21】
前記少なくとも1つの左脚部の合計幅が7mm〜14mmであり、少なくとも1つの左脚部それぞれの長さが3mm〜15mmであり、
前記少なくとも1つの右脚部の合計幅が7mm〜14mmであり、少なくとも1つの右脚部それぞれの長さが3mm〜15mmである、請求項20に記載の脊柱矯正システム。
【請求項22】
前記少なくとも1つの左脚部の合計幅が少なくとも1つの左脚部の平均長さの少なくとも1/2であり、
前記少なくとも1つの右脚部の合計幅が少なくとも1つの右脚部の平均長さの少なくとも1/2である、請求項20に記載の脊柱矯正システム。
【請求項23】
前記少なくとも1つの左脚部のそれぞれの長さが第1の脊椎の横幅の40%以下であり、前記少なくとも1つの右脚部のそれぞれの長さが第2の脊椎の横幅の40%以下である、請求項20に記載の脊柱矯正システム。
【請求項24】
前記少なくとも1つの左脚部のそれぞれが前記前面から前記後面まで延びる横方向の断面積を有し、該少なくとも1つの左脚部の合計断面積が第1の脊椎の断面積の10%〜25%であり、
前記少なくとも1つの右脚部のそれぞれが前記前面から前記後面まで延びる横方向の断面積を有し、該少なくとも1つの右脚部の合計断面積が第2の脊椎の断面積の10%〜25%である、請求項20に記載の脊柱矯正システム。
【請求項25】
前記少なくとも1つのブリッジ部それぞれの左端部から延びる左側締結具保持部と、
前記少なくとも1つのブリッジ部それぞれの右端部から延びる右側締結具保持部と、
前記左側締結具保持部内を延び且つ前記第1の脊椎に挿入されるように構成される左締結具と、
前記右側締結具保持部内を延び且つ前記第2の脊椎に挿入されるように構成される右締結具とを更に具備する、請求項20に記載の脊柱矯正システム。
【請求項26】
前記少なくとも1つの左脚部及び右脚部それぞれの内面が、これら少なくとも1つの左脚部と右脚部との間を通過していて前記少なくとも1つのブリッジ部にほぼ垂直な平面から計測して互いに外向きに開いている、請求項20に記載の脊柱矯正システム。
【請求項27】
長手軸線に沿って延びていて、上面と、これとは反対側の下面と、前側面と、これとは反対側の後側面と、左端部と、これとは反対側の右端部とを有するブリッジ部と、
前記ブリッジ部の左端部から延びる左側締結具保持部と、
前記左側締結具保持部内を延び且つ第1の脊椎に挿入されるように構成される左締結具と、
前記ブリッジ部の右端部から延びる右側締結具保持部と、
前記右側締結具保持部内を延び且つ第2の脊椎に挿入されるように構成される右締結具と、
前記左端部近傍においてブリッジ部の下面から延びていて第1の脊椎に挿入されるように構成された先端部を有する左脚部であって、外面と、これとは反対側の内面と、前面と、これとは反対側の後面とを有する、左脚部と、
前記右端部近傍においてブリッジ部の下面から延びていて第2の脊椎に挿入されるように構成された先端部を有する右脚部であって、外面と、これとは反対側の内面と、前面と、これとは反対側の後面とを有する、右脚部と、
前記左側締結具保持部と前記左脚部との間で延びる左側回転防止部であって、第1の脊椎に対して前記左側締結具保持部が長手軸線回りで相対的に回転するのを減らすように構成された、左側回転防止部と、
前記右側締結具保持部と前記右脚部との間で延びる右側回転防止部であって、第2の脊椎に対して前記右側締結具保持部が長手軸線回りで相対的に回転するのを減らすように構成された、右側回転防止部とを具備する、脊柱ステープル。
【請求項28】
前記左側回転防止部が第1の脊椎と係合するように構成された下端部を備え、前記右側回転防止部が第2の脊椎と係合するように構成された下端部を備える、請求項27に記載の脊柱ステープル。
【請求項29】
前記左側回転防止部の下端部が前記左脚部から上向きに前記左側締結具保持部まで延び、前記右側回転防止部の下端部が前記右脚部から上向きに前記右側締結具保持部まで延びる、請求項28に記載の脊柱ステープル。
【請求項30】
前記左側回転防止部と前記右側回転防止部が前記長手軸線に平行に延びる、請求項27に記載の脊柱ステープル。
【請求項31】
前記左側回転防止部が前記左脚部の外面の中心近傍から外向きに延び、前記右側回転防止部が前記右脚部の外面の中心近傍から外向きに延びる、請求項27に記載の脊柱ステープル。
【請求項32】
前記回転防止部が、ステープルによって連結されている第1の脊椎と第2の脊椎との相対的な回転によってステープルが外れるのに必要な負荷を大きくする、請求項27に記載の脊柱ステープル。
【請求項33】
前記左脚部が、前記前面から前記後面までの幅と、該左脚部の内面と前記ブリッジ部の下面との交点から前記先端部までの長さとを有し、前記左脚部の幅が該左脚部の長さの少なくとも1/2であり、
前記右脚部が、前記前面から前記後面までの幅と、該右脚部の内面と前記ブリッジ部の下面との交点から前記先端部までの長さとを有し、前記右脚部の幅が該右脚部の長さの少なくとも1/2である、請求項27に記載の脊柱ステープル。
【請求項34】
前記左脚部の幅が6mmよりも大きく、前記右脚部の幅が6mmよりも大きい、請求項33に記載の脊柱ステープル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公表番号】特表2008−539969(P2008−539969A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−511325(P2008−511325)
【出願日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際出願番号】PCT/US2006/018110
【国際公開番号】WO2006/122194
【国際公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(500469235)チルドレンズ ホスピタル メディカル センター (40)
【出願人】(507372383)スパインフォーム リミティド ライアビリティ カンパニー (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際出願番号】PCT/US2006/018110
【国際公開番号】WO2006/122194
【国際公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(500469235)チルドレンズ ホスピタル メディカル センター (40)
【出願人】(507372383)スパインフォーム リミティド ライアビリティ カンパニー (1)
【Fターム(参考)】
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