説明

脱着ダンプボディを備えた車両

【課題】コンテナが脱着可能でありながら、従来のダンプトラックと同様の利便性を実現可能とする。
【解決手段】車台フレーム104と、車台フレーム104に搭載されるコンテナ110と、コンテナ110を車台フレーム104上で傾斜及び車台フレーム104との脱着を可能とするコンテナ移動機構140と、を有する脱着ダンプボディを備えた車両100において、コンテナ110の上部が開放されており、コンテナ110の傾斜された状態で下側にくるコンテナ110の側面が開閉可能であるゲート118とされ、且つ、コンテナ110の下面(デッキ112)にゲート118の開閉のための回転軸130を備え、更に、ゲート118がコンテナ移動機構140を駆動する駆動力によって自動で開閉駆動される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱着ダンプボディを備えた車両に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車台フレームと、該車台フレームに搭載されるコンテナと、該コンテナを該車台フレーム上で傾斜及び該車台フレームとの脱着を可能とするコンテナ移動機構と、を有する荷役車両が記載されている。特許文献1の荷役車両では、コンテナに各種バリエーションが存在し、用途に合わせて搭載するコンテナが変更される。このため、特許文献1におけるコンテナを除く荷役車両の本体は、汎用的に使用が可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−59257号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の荷役車両において、コンテナを車台フレーム上で傾斜させ積荷を一度におろす機能(ダンプ機能)を動作させるには、コンテナのゲートの開閉をそのゲート側に移動し手動で行わなければならなかった。即ち、ダンプ機能を備えたトラックであるダンプトラックとは異なり、特許文献1の荷役車両による作業性は悪く、危険を伴う可能性があった。このため、ダンプトラックの用いられている用途(例えば土砂などの運搬を行うなど)には特許文献1の荷役車両は最適ではなく、当該荷役車両の利用範囲が限定的となっていた。
【0005】
そこで、本発明は、前記問題点等を解決するべくなされたもので、コンテナが脱着可能でありながら、従来のダンプトラックと同様の利便性を実現可能な脱着ダンプボディを備えた車両を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、車台フレームと、該車台フレームに搭載されるコンテナと、該コンテナを該車台フレーム上で傾斜及び該車台フレームとの脱着を可能とするコンテナ移動機構と、を有する脱着ダンプボディを備えた車両において、前記コンテナの上部の少なくとも一部が開放されており、該コンテナの傾斜された状態で下側にくる該コンテナの側面が開閉可能であるゲートとされ、且つ、該コンテナの下面に該ゲートの開閉のための回転軸を備え、更に、該ゲートが前記コンテナ移動機構を駆動する駆動力によって自動で開閉駆動されることにより、前記課題を解決したものである。
【0007】
本発明は、脱着可能なコンテナでありながら、そのゲートがコンテナ移動機構を駆動する駆動力によって自動で開閉駆動される。即ち、コンテナ移動機構を駆動することでゲートを自動で開閉することができる。したがって、コンテナが脱着可能でありながら、ダンプ機能を用いた作業性を従来よりも改善して作業の安全性を確保することができる。
【0008】
また、コンテナの上部の少なくとも一部が開放されているので、コンテナが車台フレーム上にあるときには、通常のダンプトラックへの積荷の搭載と同じように行うことができる。その際に、コンテナが車台フレームから分離され地面(工場の床や道路など含む)に直接的に配置されていれば、地面に対するコンテナの側面を越える力は少なくて済む。このため、通常のダンプトラックへの積荷の搭載と比べて、コンテナへの積荷の搭載を容易に且つより高速に行うことが可能となる。同時に、積荷の搭載に係わる消費エネルギを少なくすることができる。
【0009】
また、上記コンテナが分離されている場合には、他の従来のコンテナを脱着ダンプボディを備えた車両の本体の車台フレーム上に搭載できる。このため、コンテナを除いた脱着ダンプボディを備えた車両の本体の使用効率を向上させることができ、脱着ダンプボディを備えた車両の本体の利用範囲を拡大することができる。
【0010】
なお、前記駆動力が油圧で伝達される場合には、従来の荷役車両の駆動力を伝達するための機構と同じ構成で駆動力の伝達を実現できる。このため、荷役車両の従来の構成からの変更を最小限として、コンテナ及びゲートの信頼性の高い動作を実現することができる。
【0011】
なお、駆動力の伝達をする具体的な構成として、前記ゲートを開閉駆動する油圧を伝達するパイプが、前記コンテナの脱着に合わせて係脱可能なジョイントを介して、前記コンテナ移動機構を駆動する駆動力である前記油圧を伝達するパイプと接続される場合には、当該駆動力を伝達するパイプの接続はコンテナの脱着に制限を与えずに行うことができる。
【0012】
なお、前記コンテナの側面の少なくとも一部が他の側面よりも低くされている場合には、その低くされている箇所から、積荷を搭載することが更に容易となる。即ち、積荷を搭載するための重機を小型化したり、使用回数を低減できたりするので、消費エネルギを更に低減することができる。
【0013】
なお、前記回転軸が前記コンテナの下面端部より前記脱着ダンプボディを備えた車両の内側に配置され、前記ゲートが開状態で該ゲートが該下面端部で支持される場合には、荷を下ろす際に、ゲートにかかる力をコンテナでも支えることができる。このため、ゲートの変形・破損を防止し、コンテナの長寿命化を促進することができる。
【0014】
なお、前記ゲートが、前記コンテナを前記車台フレーム上で傾斜させる駆動力により駆動される場合には、コンテナ移動機構でダンプ機能を使用する際の駆動力を使用することとなる。このため、ゲートの開閉動作のための構成を容易にして且つ同期して制御することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、コンテナが脱着可能でありながら、従来のダンプトラックと同様の利便性が実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態に係る脱着ダンプボディを備えた車両の全体構成の一例を示す側面図
【図2】同じく脱着ダンプボディを備えた車両の車台フレームの油路とコンテナの油圧シリンダと関係を示す上面図
【図3】同じく脱着ダンプボディを備えた車両のコンテナの側面図(A)と上面図(B)
【図4】同じく脱着ダンプボディを備えた車両のコンテナのゲート部分の構成を表す側断面図(A)と斜視図(B)
【図5】同じく脱着ダンプボディを備えた車両のコンテナ移動機構の動作を示す模式図
【図6】同じく脱着ダンプボディを備えた車両におけるコンテナの脱着を表す模式図
【図7】同じく脱着ダンプボディを備えた車両におけるコンテナの傾斜を表す模式図
【図8】本発明の第2実施形態に係る脱着ダンプボディを備えた車両のコンテナの一例を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態の一例を詳細に説明する。
【0018】
最初に、本実施形態に係わる脱着ダンプボディを備えた車両100の概略について説明する。
【0019】
脱着ダンプボディを備えた車両100は、図1に示す如く、運転台102と、車台フレーム104と、車台フレーム104に搭載されるコンテナ110と、コンテナ110を車台フレーム104上で傾斜及び車台フレーム104との脱着を可能とするコンテナ移動機構140と、を有する。そして、コンテナ110の上部は開放されており、コンテナ110の傾斜された状態で下側にくるコンテナ110の側面は開閉可能であるゲート118とされ、且つ、コンテナ110の下面(デッキ112)にゲート118の開閉のための回転軸130が備えられている。更に、ゲート118がコンテナ移動機構140を駆動する駆動力によって自動で開閉駆動される。なお、コンテナ110を除いた脱着ダンプボディを備えた車両100を車両本体と称する。
【0020】
以下、各構成要素について詳細に説明する。
【0021】
前記運転台102には、脱着ダンプボディを備えた車両100を操作するための制御機構が設けられている。即ち作業者の操作により、脱着ダンプボディを備えた車両100の動力源であるエンジンを起動させ、脱着ダンプボディを備えた車両100の所定の場所への移動を可能としている。また、運転台102には、起動されたエンジンの動力を、脱着ダンプボディを備えた車両100のコンテナ移動機構140の駆動のために取り出す機構(PTOと称する)が設けられている。このため、作業者は、エンジンの動力に基づき、PTOを有効にすることで、コンテナ移動機構140を操作することができる。なお、エンジンからPTOにより取り出される駆動力は油圧の形態とされている。
【0022】
前記台車フレーム104は、図1、図2に示す如く、運転台102の背後に設けられている。台車フレーム104は、後述するコンテナ110やコンテナ移動機構140を支持するために頑強に構成されている。また、台車フレーム104には、図2に示す如く、PTOによる駆動力を油圧によってコンテナ移動機構140に伝達するための油路106がパイプで形成されている。そして、油路106の先端には、後述する給排口138Aとワンタッチで係脱可能な油圧ジョイント108が設けられている。なお、油圧ジョイント108が給排口138Aから外されると、自動的に油圧ジョイント108からの油圧の給排は遮断されるようになっている(油漏れを自動でカット)。
【0023】
前記コンテナ110(ダンプボディとも称する)は、図3(A)、(B)に示す如く、その上方が開放されており、コンテナ110の下面を構成するデッキ112に4つの側面が設けられている。4つの側面はそれぞれ、運転台102のすぐ背面の背面板114、それに対向する後端のゲート118、そしてその両脇の側面板116である。
【0024】
デッキ112は、複数の梁部材(例えば図3(B)、図4(A)、(B)における符号112A)や桁部材で構成され、コンテナ110に搭載される積荷の直接的な荷重による破壊変形が回避されている。また、複数の支柱122、124(本実施形態では、それぞれ2台ずつ)がデッキ112の下面側に設けられている。特に支柱124には、地面(工場の床や道路などを含む)上でコンテナ110が平行移動を強いられることから、回転可能とされた車輪が装着されている。デッキ112の端部より内側には、図4(A)に示す如く、後述するゲート118を開閉駆動するための油圧シリンダ136が取付けられている。本実施形態では、図2に示す如く、油圧シリンダ136が2台設けられ、2台の油圧シリンダ136がパイプによる油路138で1つに接続され、その先端に給排口138Aが設けられている。給排口138Aには、油路ジョイント108がコンテナ110の脱着に合わせて係脱される。即ち、ゲート118を開閉駆動する油圧を伝達するパイプが、コンテナ110の脱着に合わせて係脱可能な油圧ジョイント108を介して、コンテナ移動機構140を駆動する駆動力である油圧を伝達するパイプと接続されている。なお、係脱に際して、給排口138Aにおいても自動的に油圧の給排が遮断されるようになっている(油漏れを自動でカット)。
【0025】
背面板114は、図3(A)に示す如く、他の側面よりも高く設けられている。そして、背面板114には後述するコンテナ移動機構140のフック154と係合する取手120が設けられている。
【0026】
側面板116は、図3(A)に示す如く、デッキ112と背面板114とに一体的に固定されて、コンテナ110を高い剛性としている。なお、側面板116は、背面板114と高さが違うことから、L字形状とされている。
【0027】
ゲート118は、図4(A)に示す如く、ゲート板126と回転板128とを有する。本実施形態では、図4(B)に示す如く、回転板128は2台設けられている。回転板128は、回転軸130と、支持部132と、回転軸130から離れた位置に形成されたロッド取付け部134と、を備える。回転軸130は、デッキ112の端部(コンテナ110の下面端部)より脱着ダンプボディを備えた車両100の内側(本実施形態では脱着ダンプボディを備えた車両100の前方側)に配置されて、回転板128を回転可能にしている。支持部132には、ゲート板126が一体的に固定されている。ロッド取付け部134には、デッキ112の内側に取付けられた油圧シリンダ136のロッド136Aが回転自在に取付けられている。このため、油圧シリンダ136のロッド136Aの伸縮により、回転軸130を中心として回転板128を回転させることができる。つまり、油圧シリンダ136の動作により、ゲート板126を立てた状態(ゲート板126が鉛直方向から角度θで、ゲート118の閉状態)やゲート板126を上に開く状態(ゲート118の開状態)、即ちゲート板126の表面をデッキ112の表面と同一平面上に配置した状態とすることができる。なお、ゲート板126の表面がデッキ112の表面と同一平面を構成した際には、梁部材112Aにゲート板126が当接するようにされている。即ち、ゲート118は、開状態のときにコンテナ110の下面端部で支持されている。
【0028】
前記コンテナ移動機構140は、図5に示す如く、車台フレーム104上に固定され、大別して2通りの一連の動作が可能とされている。それは、図6に示すコンテナ110の脱着動作と、図7に示すコンテナ110の傾斜動作(ダンプ動作)である。このような動作を実現するために、コンテナ移動機構140は、第1支持軸142と、ダンプアーム144と、第2支持軸146と、リフトアーム148と、第3支持軸150と、フックアーム152と、フック154と、ローラ156と、図示しない複数の油圧シリンダと、を備える。
【0029】
第1支持軸142は、ダンプアーム144の一方の端部に設けられ、車台フレーム104にダンプアーム144を回転自在に取付けている。ダンプアーム144の他方の端部には、第2支持軸146が設けられ、そこにリフトアーム148が回転自在に取付けられている。リフトアーム148には、更に第3支持軸150が設けられ、そこに、L字形状のフックアーム152が回転自在に取付けられている。フックアーム152の先端にはフック154が設けられている。フック154により、コンテナ110に設けられた取手120が係止される。なお、ローラ156は、車台フレーム104上のコンテナ110を水平に動かすために、ダンプアーム144の端部に設けられている。
【0030】
図示せぬ油圧シリンダは、本実施形態では2台とされている。1台は第3支持軸150を中心としてフックアーム152を回転・傾斜させる。もう1台は、第1支持軸142を中心としてダンプアーム144とリフトアーム148とを回転・傾斜、若しくは第2支持軸146を中心としてリフトアーム148を回転・傾斜させる。なお、第3支持軸150を中心とするフックアーム152の回転・傾斜の有無により、第2支持軸146のロックが機械的に行われる。
【0031】
次に、本実施形態におけるコンテナ110の脱着動作について、主に図6を用いて説明する。最初に、脱着ダンプボディを備えた車両100のエンジンの動力からPTOにより、駆動力を油圧として、油路106等に伝達させる。また、油圧シリンダ136につながる給排口138Aと油圧ジョイント108を外す。外す際には、ゲート118の位置状態を保持するために、ゲート板126に設けられた固定部材(例えばツイストロックなど)で固定しておく。そして、図示せぬ油圧シリンダによりコンテナ移動機構140のフックアーム152を第3支持軸150中心として回転させる。すると、フック154から取手120に水平(図6の右方向)に力が加わることで、コンテナ110は水平に動き、コンテナ110は状態Aの位置から状態Bの位置に移動する。
【0032】
次に、別の図示せぬ油圧シリンダにより、第2支持軸146を支点として、リフトアーム148を回転させる。すると、フック154が図6で右側に更に移動するとともに上昇する。このため、フック154の移動と共に、取手120の位置が移動する。即ち、第2支持軸146の鉛直上方にフック154があるときには、コンテナ110は状態Cとなる。なお、この状態Cでは、支柱124が地面に接触しているので、コンテナ110の水平移動は支柱124に設けられた車輪で行われる。
【0033】
前述の油圧シリンダの動作を継続する。すると、コンテナ110の支柱122が地面に着くことで、取手120からフック154がはずれ、コンテナ110の車台フレーム104からの分離が完了する。
【0034】
なお、コンテナ110の車台フレーム104への搭載は、逆の動作を行うことで実現することができる。
【0035】
次に、本実施形態におけるコンテナ110のダンプ動作について、主に図7を用いて説明する。最初に、脱着ダンプボディを備えた車両100のエンジンの動力からPTOにより、駆動力を油圧として、油路106に伝達させる。ここでは、フックアーム152を回転させていないので、その無回転状態を利用して第2支持軸146をロックする。そして、図示せぬ油圧シリンダによりコンテナ移動機構140のダンプアーム144とリフトアーム148とを一体的に、第1支持軸142を中心にして回転させる。ここで、ダンプアーム144とリフトアーム148とを回転させる油圧シリンダの油圧を分岐して、油路106に伝達している。このため、ダンプアーム144とリフトアーム148の回転に同期して、油圧シリンダ136のロッド136Aが収縮していく。このため、コンテナ110の積荷をダンプする所定の角度にコンテナ110が傾斜した際には(状態Eから状態Fへの移行)、ゲート板126の表面がデッキ112の表面と同一平面上に来るので、積荷が一度にデッキ112から落下することとなる。このとき、ゲート118は上開きなので、ゲート118に積荷が引っ掛かることを防止することができる。
【0036】
このように、本実施形態では、脱着可能なコンテナ110でありながら、そのゲート118がコンテナ移動機構140を駆動する駆動力によって自動で開閉駆動される。即ち、コンテナ移動機構140を駆動することでゲート118を自動で開閉することができる。したがって、コンテナ110が脱着可能でありながら、ダンプ機能を用いた作業性を従来よりも改善して作業の安全性を確保することができる。
【0037】
また、コンテナ110の上部が開放されているので、コンテナ110が車台フレーム104上にあるときには、通常のダンプトラックへの積荷の搭載と同じように行うことができる。その際に、コンテナ110が車台フレーム104から分離され地面に直接的に配置されていれば、地面に対するコンテナ110の側面板116を越える力は少なくて済む。このため、通常のダンプトラックへの積荷の搭載と比べて、コンテナ110の積荷の搭載を容易に且つより高速に行うことが可能となる。同時に、積荷の搭載に係わる消費エネルギを少なくすることができる。
【0038】
また、コンテナ110が分離されている際には、他の従来のコンテナを車両本体の車台フレーム104上に搭載できる。このため、車両本体の使用効率を向上させることができ、車両本体の利用範囲を拡大することができる。
【0039】
また、コンテナ移動機構140やゲート118の駆動力は油圧で伝達されている。即ち、従来の荷役車両の駆動力を伝達するための機構と同じ構成で駆動力の伝達を実現できる。このため、荷役車両の従来の構成からの変更を最小限として、コンテナ110及びゲート118の信頼性の高い動作を実現することができる。なお、油圧を用いる利点としては他に、小型でありながら容易に出力を制御でき大きな力を発生できる。そして、過負荷の防止が容易にでき、構成部材の破壊を防ぐことができる。また、設計の自由度が高い。更には、応答性よく、遠隔制御が可能である。
【0040】
また、駆動力の伝達をする具体的な構成として、ゲート118を開閉駆動する油圧を伝達するパイプが、コンテナ110の脱着に合わせて係脱可能な油圧ジョイント108を介して、コンテナ移動機構140を駆動する駆動力である油圧を伝達するパイプと接続されている。このため、当該駆動力を伝達するパイプの接続はコンテナ110の脱着に制限を与えずに行うことができる。
【0041】
また、コンテナ110の側面板116とゲート118が背面板114よりも低くされているので、その低くされている側面板116とゲート118から、積荷を搭載することが更に容易である。即ち、積荷を搭載するための重機を小型化したり、使用回数を低減できたりするので、消費エネルギを更に低減することができる。
【0042】
また、回転軸130がデッキ112(コンテナ110の下面)端部より脱着ダンプボディを備えた車両100の内側(脱着ダンプボディを備えた車両100の前方側)に配置され、ゲート118が開状態でゲート118が下面端部の梁部分112Aで支持されているので、荷を下ろす際に、ゲート118にかかる力をコンテナ110でも支えることができる。このため、ゲート118の変形・破損を防止し、コンテナ110の長寿命化を促進することができる。
【0043】
また、ゲート118が、コンテナ110を車台フレーム104上で傾斜させる駆動力により駆動されている。即ち、ゲート118の駆動はコンテナ移動機構140でダンプ機能を使用する際の駆動力を使用している。このため、ゲート118の開閉動作のための構成を容易にして且つ同期して制御することができる。
【0044】
即ち、本実施形態によれば、コンテナ110が脱着可能でありながら、従来のダンプトラックと同様の利便性が実現可能となる。
【0045】
本発明について第1実施形態を挙げて説明したが、本発明は第1実施形態に限定されるものではない。即ち本発明の要旨を逸脱しない範囲においての改良並びに設計の変更が可能なことは言うまでもない。
【0046】
例えば、第1実施形態においては、コンテナ110の側面板116とゲート118が背面板114よりも低くされていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、側面板の一部だけ、若しくはゲートだけが低くされていてもよい。若しくは、図8に示す第2実施形態の如く、すべての側面が同じ高さとされていてもよい。
【0047】
第2実施形態では、側面板216が長方形とされている。そして、ゲート218は2分割で構成されている。ゲート部218Aは、第1実施形態で示したゲート118と同様の構成と機能を有する。ゲート部218Bは、コンテナ210上部にヒンジ218Dが設けられて、そのヒンジ218Dを支点として、ゲート板218Cが下開きする形態とされている。即ち、ゲート部218Bは、搭載された荷の重量により開閉される。
【0048】
このため、本実施形態においても、第1実施形態と同様にゲート218の自動開閉は確保されている。さらに、コンテナ210の側面をすべて高くできるので、より多くの積荷を搭載することが可能とされている。
【0049】
又、上記実施形態においては、コンテナの上部がすべて開放されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、コンテナの上部の少なくとも一部が開放されていればよい。そうであれば、積荷の搭載は、コンテナが閉じられている場合に比べて、容易に行うことができる。
【0050】
又、上記実施形態においては、ゲートの回転軸がコンテナの下面端部より内側に配置され、ゲートが開状態でゲートが下面端部で支持されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ゲートの回転軸がコンテナ下面端部に配置されていてもよい。その場合には、コンテナに、より多くの積荷を搭載することができる。
【0051】
又、上記実施形態においては、ゲートが、コンテナを車台フレーム上で傾斜させる駆動力により駆動されていたが、本発明はこれに限定されない。たとえば、PTOにより得られる駆動力を直接的にゲートに供給してもよい。その際には、よりゲートの制御に汎用性が出るとともに、その駆動力を増大させることができる。
【0052】
又、上記実施形態においては、ゲートの駆動力は油圧で伝達されていたが、本発明はこれに限定されない。たとえば、空気や電気や機械で伝達してもよい。その場合には、油漏れや油汚れの心配がない。特に、空気であればより低コストにでき、電気であれば設計自由度が大きく且つ応答速度も速くすることができる。
【0053】
又、上記実施形態においては、コンテナは脱着ダンプボディを備えた車両の前後方向で傾斜されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、脱着ダンプボディを備えた車両の左右方向(コンテナの側面板方向)でコンテナが傾斜されることでダンプ動作が行われてもよい。その場合には、コンテナの傾斜された状態で下側にくる側面にゲートが設けられることとなる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、コンテナ110が脱着可能でありながら、従来のダンプトラックと同様の利便性を実現できるので、脱着ダンプボディを備えた車両による土砂や廃材の積載・運搬などが必要な分野でも利用することができる。
【符号の説明】
【0055】
100…脱着ダンプボディを備えた車両
102…運転台
104…車台フレーム
106、138…油路
108…油圧ジョイント
110、210…コンテナ
112…デッキ(コンテナの下面)
114、214…背面板(コンテナの側面)
116、216…側面板(コンテナの側面)
118、218…ゲート(コンテナの側面)
120、220…取手
122、124、222、224…支柱
126、218C…ゲート板
128…回転板
130…回転軸
136…油圧シリンダ
138A…給排口
140…コンテナ移動機構
142、146、150…第1、第2、第3支持軸
144…ダンプアーム
148…リフトアーム
152…フックアーム
154…フック
156…ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車台フレームと、該車台フレームに搭載されるコンテナと、該コンテナを該車台フレーム上で傾斜及び該車台フレームとの脱着を可能とするコンテナ移動機構と、を有する脱着ダンプボディを備えた車両において、
前記コンテナの上部の少なくとも一部が開放されており、
該コンテナの傾斜された状態で下側にくる該コンテナの側面が開閉可能であるゲートとされ、且つ、
該コンテナの下面に該ゲートの開閉のための回転軸を備え、更に、
該ゲートが前記コンテナ移動機構を駆動する駆動力によって自動で開閉駆動される
ことを特徴とする脱着ダンプボディを備えた車両。
【請求項2】
請求項1において、
前記駆動力は油圧で伝達される
ことを特徴とする脱着ダンプボディを備えた車両。
【請求項3】
請求項2において、
前記ゲートを開閉駆動する油圧を伝達するパイプが、前記コンテナの脱着に合わせて係脱可能なジョイントを介して、前記コンテナ移動機構を駆動する駆動力である前記油圧を伝達するパイプと接続される
ことを特徴とする脱着ダンプボディを備えた車両。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記コンテナの側面の少なくとも一部が他の側面よりも低くされている
ことを特徴とする脱着ダンプボディを備えた車両。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記回転軸が前記コンテナの下面端部より前記脱着ダンプボディを備えた車両の内側に配置され、
前記ゲートが開状態で該ゲートが該下面端部で支持される
ことを特徴とする脱着ダンプボディを備えた車両。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記ゲートは、前記コンテナを前記車台フレーム上で傾斜させる駆動力により駆動される
ことを特徴とする脱着ダンプボディを備えた車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−251655(P2011−251655A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−128278(P2010−128278)
【出願日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(503116073)鈴健興業株式会社 (12)