脱穀装置
【課題】排藁株元搬送チェンと排藁挟持杆の位置関係の悪さによる搬送姿勢の悪化、排藁の詰まり現象の多発、詰まった排藁の除去の煩雑化。
【解決手段】排藁搬送装置30を排藁株元搬送チェン33と排藁挟持杆34により挾持搬送する株元側排藁搬送装置31と、移動する搬送ラグ36により穂先側を搬送する穂先側排藁搬送装置32とにより構成する。脱穀室2に軸架した扱胴軸40から駆動回転される排藁入力軸45は、前記穂先側排藁搬送装置32を貫通させて前記排藁株元搬送チェン33に連動させる。排藁株元搬送チェン33のチェン案内レール68は前記排藁入力軸45の部分で搬送方向の上手側と下手側とに分割形成し、前記チェン案内レール68の上手側案内レール68Aは排藁入力軸45の軸芯を中心として上下回動可能に構成する。
【解決手段】排藁搬送装置30を排藁株元搬送チェン33と排藁挟持杆34により挾持搬送する株元側排藁搬送装置31と、移動する搬送ラグ36により穂先側を搬送する穂先側排藁搬送装置32とにより構成する。脱穀室2に軸架した扱胴軸40から駆動回転される排藁入力軸45は、前記穂先側排藁搬送装置32を貫通させて前記排藁株元搬送チェン33に連動させる。排藁株元搬送チェン33のチェン案内レール68は前記排藁入力軸45の部分で搬送方向の上手側と下手側とに分割形成し、前記チェン案内レール68の上手側案内レール68Aは排藁入力軸45の軸芯を中心として上下回動可能に構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱穀装置に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、脱穀室に穀稈を供給する穀稈供給装置の終端に脱穀済の排藁を放出する排藁放出装置を設け、該排藁放出装置は、株元側排藁搬送装置により構成し、排藁搬送装置を、放出姿勢と格納姿勢とに回動変位するようにした脱穀装置は、公知である(特許文献1)。
【特許文献1】特開平9−187146号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記公知例の排藁搬送装置は、放出姿勢と格納姿勢とに回動変位するが、排藁株元搬送チェンと排藁挟持杆の間に排藁が詰まると、除去が面倒であるという課題がある。
即ち、排藁株元搬送チェンは、排藁挟持杆により支持されている構成のため、排藁株元搬送チェンと排藁挟持杆の位置関係は常時同じで、排藁が詰まりやすく、しかも、詰まった排藁は、一々、排藁株元搬送チェンを支持した状態の排藁挟持杆を格納して行わなければならず、詰まり排藁の除去は面倒であった。
本発明は、株元側排藁搬送装置の構成を工夫することにより、排藁株元搬送チェンと排藁挟持杆の位置関係を良好にして排藁の詰まりを減少させると共に、仮に排藁が詰まっても詰まり排藁の除去を簡単にできるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、脱穀室2に穀稈を供給する穀稈供給搬送装置21の終端側に脱穀済の排藁を搬送する排藁搬送装置30を設け、該排藁搬送装置30は、排藁株元搬送チェン33と排藁挟持杆34により挾持搬送する株元側排藁搬送装置31と、移動する搬送ラグ36により穂先側を搬送する穂先側排藁搬送装置32とにより構成し、前記脱穀室2に軸架した扱胴軸40から駆動回転される排藁入力軸45を、前記穂先側排藁搬送装置32を貫通させて前記排藁株元搬送チェン33に連動させる構成とし、前記排藁株元搬送チェン33のチェン案内レール68を前記排藁入力軸45の部分で搬送方向の上手側と下手側とに分割形成し、前記チェン案内レール68の上手側案内レール68Aは排藁入力軸45の軸芯を中心として上下回動可能に構成したことを特徴とする脱穀装置としたものであり、株元側排藁搬送装置31のチェン案内レール68を排藁入力軸45の部分で搬送方向の上手側と下手側とに分割形成し、チェン案内レール68の上手側案内レール68Aは排藁入力軸45の軸芯を中心に上下回動するように構成しているから、通常の作業状態では排藁挟持杆34が排藁株元搬送チェン33に対して上下することにより、排藁株元搬送チェン33と排藁挟持杆34の位置関係を良好にして排藁の詰まりを減少させ、仮に排藁が詰まっても上手側案内レール68Aの後端を上動させると、上手側案内レール68Aと排藁挟持杆34との間隔が広がり、詰まった排藁の除去を簡単に行える。
本発明は、前記排藁入力軸45には前記排藁株元搬送チェン33に噛み合う排藁搬送チェン駆動歯車47を取付け、該排藁搬送チェン駆動歯車47の上方にはチェン押さえ79を設け、該チェン押さえ79は上手側案内レール68Aが上下回動すると、排藁搬送チェン駆動歯車47の軸芯を中心に上手側案内レール68Aと共に一体的に回動するように構成した脱穀装置としたものであり、上手側案内レール68Aの上下回動により排藁搬送チェン駆動歯車47の軸芯を中心に中間チェン押さえ79が一体的に回動するので、排藁株元搬送チェン33の押さえ力が一定となり、始端側案内ローラ73Aの移動を円滑に行って、排藁株元搬送チェン33をロックさせることなく、上手側案内レール68Aを屈曲回動させられる。
【発明の効果】
【0005】
請求項1の発明では、排藁株元搬送チェン33と排藁挟持杆34の位置関係を良好にして排藁の詰まりを減少させ、排藁が詰まったときには上手側案内レール68Aの後端を上動させるだけで、上手側案内レール68Aと排藁挟持杆34との間隔が広がり、詰まり排藁の除去を簡単に行える。
請求項2の発明では、排藁株元搬送チェン33の押さえ力が一定となり、始端側案内ローラ73Aの移動を円滑に行って、排藁株元搬送チェン33をロックさせることなく、上手側案内レール68Aを屈曲回動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の実施例を図面により説明すると、1はコンバイン等に設けられる脱穀装置であり、脱穀装置1の上部には脱穀室2を設け、該脱穀室2内には扱胴3を軸装する。扱胴3の主として下方側は扱網4により包囲する。前記扱網4の下方には唐箕5のケーシング6を設け、唐箕5は終端側(後側)に向けて送風する。前記脱穀室2の終端側の下方には前記唐箕5の送風により穀粒と異物とを風選し得る風選室7を形成する。
風選室7内には、唐箕5の送風方向に往復揺動する揺動選別棚8を設ける。実施例では、揺動選別棚8の始端部の移送棚9を前記ケーシング6の上方に臨ませ、移送棚9に落下した落下物を風選室7へ移送させるようにして揺動選別棚8とケーシング6の取付スペースを有効に配置している。
【0007】
揺動選別棚8は、前記移送棚9に続いて、穀粒と異物とを選別するシーブ10を設け、シーブ10よりも終端(排出)側には藁屑を移送し得るストローラック11を設ける。前記シーブ10の下方の揺動選別棚8には選別網12を設け、選別網12の下方には一番コンベア13を設け、一番コンベア13の終端側には二番コンベア14を設ける。
前記脱穀室2の終端側部には排塵処理室15を設け、排塵処理室15は脱穀室2と連通させて脱穀室2で処理できない被処理物を処理する。また、実施例では、脱穀室2の側部に排塵処理室15の処理胴16と同軸状に二番処理胴17を有する二番処理装置18を設け、二番処理装置18に二番コンベア14の終端に設けた二番戻し装置19(図2)の終端を接続して、二番物を処理している。
また、風選室7の終端の側方には吸引排塵ファン20を設ける。
【0008】
しかして、前記脱穀室2の側部には、該脱穀室2に穀稈を搬送供給する穀稈供給搬送装置21を設ける。穀稈供給搬送装置21は挾扼杆22と供給搬送チェン23により構成する。
穀稈供給搬送装置21の終端には、脱穀室2にて脱穀済みの穀稈(排藁)を穀稈供給装置21より引き継いで搬送する排藁搬送装置30を設ける。
排藁搬送装置30は、穀稈供給搬送装置21より引き継いだ排藁の根本側を搬送する株元側排藁搬送装置31と、穂先側排藁搬送装置32とにより構成する。株元側排藁搬送装置31は無端の排藁搬送チェン33の下方に上下自在の排藁挟持杆34を設けて、排藁株元搬送チェン33と排藁挟持杆34とにより排藁を挟持搬送するようにし、排藁挟持杆34は排藁の層厚が薄いときは上動し、排藁の層厚が厚いときは下動するように構成する。
前記穂先側排藁搬送装置32は、移動する無端の排藁穂先チェン35に所定間隔をおいて搬送ラグ36を複数起伏自在に設けて構成する。
【0009】
しかして、前記扱胴3の扱胴軸40の後端には中間出力プーリ41を設け、中間伝動プーリ41の側方に中間出力プーリ42を設ける。中間出力プーリ42は軸43に固定し、軸43は排藁入力ギヤケース44に軸装する。排藁入力ギヤケース44には排藁入力軸45の一端を軸装する。排藁入力軸45は排藁入力ギヤケース44内に設けた傘歯車46により軸43からの回転が伝達される。
排藁入力軸45の中間部は前記穂先側排藁搬送装置32を貫通させ、排藁入力軸45の他端には排藁株元搬送チェン33の排藁搬送チェン駆動歯車47を設け、排藁搬送チェン駆動歯車47に排藁株元搬送チェン33を掛け回す。
【0010】
したがって、穂先側排藁搬送装置32を迂回させて株元側排藁搬送装置31に伝動させる構成に比し、排藁入力軸45は排藁入力ギヤケース44から穂先側排藁搬送装置32を貫通させて排藁株元搬送チェン33の排藁搬送チェン駆動歯車47を設け、排藁株元搬送チェン33を直接駆動しているので、伝動構成が簡易であり、排藁株元搬送チェン33より搬送ラグ36の周速を早くさせる等の設定が容易となる。
また、扱胴3のすぐ後方に穂先側排藁搬送装置32の搬送ラグ36の移動路を接近させることができ、搬送ラグ36の先端位置と中間伝動プーリ41の前後位置が略一致するようにできるので、その分、扱胴3の後端を後方へ延長でき、小型の脱穀装置1であっても、扱胴3の脱穀能力を高めることができる。
【0011】
しかして、中間出力プーリ41と中間出力プーリ42との間にはテンションプーリ51テンションプーリ51を設け、該テンションプーリ51と前記中間出力プーリ42は、扱胴軸40より穂先側であって扱胴軸40よりも上方に位置させる(図3)。扱胴3の終端から排藁搬送装置30までの距離を短縮して、脱穀室後板52の排稈口53から搬送排出される排藁が中間出力プーリ42等の伝動部から遠座けることができ、排藁の巻き付きを減少させる。
【0012】
しかして、穂先側排藁搬送装置32は、排藁穂先チェン35をチェンケース54の前後両端に設けた歯車55に掛け回す。そして、前記排藁入力軸45は、前後の歯車55の中間のチェンケース54に設けたボス(図示省略)を貫通して通す。
前記排藁入力軸45は、前後の歯車55の中間のチェンケース54を貫通しているので、前記歯車55の設置位置を、排藁入力軸45とは無関係に任意に設定でき、穂先側排藁搬送装置32の配置の設計の自由度を向上させ、搬送能力を向上させる。
即ち、排藁入力軸45は排藁入力ギヤケース44から穂先側排藁搬送装置32に向けて理想的な角度である略直交するように貫通させることができるので、穂先側排藁搬送装置32と株元側排藁搬送装置31とは平面視略平行に配置することができ、排藁の搬送姿勢を良好にできる。
【0013】
また、排藁穂先チェン35の始端部の前後位置は株元側排藁搬送装置31の排藁株元搬送チェン33の始端部の前後位置と略同じに位置させている。
したがって、穀稈供給搬送装置21からの排藁を株元側排藁搬送装置31と穂先側排藁搬送装置32とが引き継ぐタイミングを同調させることができ、排稈の搬送姿勢を良好にし、穂先先行姿勢で排藁を搬送でき、詰まりの発生を減少させる。
しかして、前記排藁株元搬送チェン33には、中間伝動歯車56を噛み合わせる。中間伝動歯車56は穂先伝動軸57の一端に固定し、穂先伝動軸57の他端には前後の歯車55のうちの後側の穂先入力歯車55Aを固定し、穂先入力歯車55Aに排藁穂先チェン35を掛け回し、エンジン58からの回転を株元側排藁搬送装置31経由で穂先側排藁搬送装置32に伝達している。
【0014】
したがって、穂先伝動軸57の一本によりエンジン58からの回転を株元側排藁搬送装置31経由で穂先側排藁搬送装置32に伝達でき、伝動構成を簡素にする。
59は伝動ギヤケース、60は排藁搬送装置30の後方に設けたカッター装置である。
【0015】
しかして、穀稈供給搬送装置21の終端近傍位置には、前記株元側排藁搬送装置31に排藁を案内する株元支持ガイド63を設ける。株元支持ガイド63は、株元側排藁搬送装置31の排藁株元搬送チェン33の始端部より前側下方にその基部を位置させ、上方に至るに従い平面視および側面視において排藁株元搬送チェン33に接近させる。
また、穀稈供給搬送装置21の終端近傍位置には、前記穂先側排藁搬送装置32に排藁を案内する穂先案内ガイド64を設ける。穂先案内ガイド64は、穂先側排藁搬送装置32の排藁穂先チェン35の始端部より前側下方にその基部を位置させ、上方に至るに従い平面視および側面視において排藁穂先チェン35に接近するように傾斜させ、中間部より先端側は先端に至るに従い搬送ラグ36の先端移動軌跡に接近するように、前上がりに傾斜させて構成する。
【0016】
実施例では、脱穀室後板52に設けたステー65に株元支持ガイド63および穂先案内ガイド64の基部を固定して取り付け、ステー65から株元支持ガイド63および穂先案内ガイド64を分岐させて設けているので、脱穀室2の終端から排藁株元搬送チェン33の始端部の短い区間で脱穀室2から排出される排藁を円滑に株元側排藁搬送装置31および穂先側排藁搬送装置32へ誘導案内し、詰まりの発生を防止する。
【0017】
即ち、株元側排藁搬送装置31の排藁挟持杆34の始端部は、平面視において排藁株元搬送チェン33の始端部近傍に位置させる。したがって、排藁挟持杆34の始端部の傾斜を急傾斜にするほど、排藁挟持杆34の始端部を脱穀室2の後部に接近させて、全体を小型化でき、しかも、排藁挟持杆34の始端部の傾斜を急傾斜にしても、株元支持ガイド63を設けているので、排藁の引継ぎは円滑になって、詰まり発生を減少させる。
【0018】
しかして、株元側排藁搬送装置31の排藁株元搬送チェン33はチェン案内レール68に掛け回す。チェン案内レール68は前記排藁入力軸45の部分で搬送方向の上手側(後側)と下手側(前側)とに分割形成し、チェン案内レール68の上手側案内レール68Aは排藁入力軸45と同一軸芯を中心に後端が上下回動するように構成する。
即ち、排藁入力軸45の他端部は後側入力ハウジング69に軸装し、後側入力ハウジング69に対して上手側案内レール68Aを回動自在に取付ける。
上手側案内レール68Aの回動支点部をハブ形状の後側入力ハウジング69とし、後側入力ハウジング69に側面視上手側案内レール68Aを重ねて設けることにより、上手側案内レール68Aの取付のがたを少なくし、強固の取り付けつつスムーズに回動可能にしている。
【0019】
しかして、前記後側入力ハウジング69の一端には筒部材70を回転自在に設け、筒部材筒部材70に前記チェン案内レール68の下手側案内レール68B側を固定状態に取付け、後側入力ハウジング69の他端は前記チェンケース54側に設けた取付プレート71に固定状態に取付け、チェン案内レール68とチェンケース54とを後側入力ハウジング69により連結する(図12)。
したがって、株元側排藁搬送装置31と穂先側排藁搬送装置32は連結されて、排藁搬送装置30全体の剛性を向上させる。
また、前記穂先伝動軸57は前側入力ハウジング72に軸装し、前側入力ハウジング72の一端は後側入力ハウジング69と同様にチェン案内レール68の下手側案内レール68B側に固定状態に取付けた取付部材72Aに取付ける。前側入力ハウジング72の他端は前記チェンケース54側に固定状態に取付け、チェン案内レール68とチェンケース54とを後側入力ハウジング69および前側入力ハウジング72により連結する(図12)。
【0020】
それゆえ、株元側排藁搬送装置31と穂先側排藁搬送装置32はチェン案内レール68とチェンケース54とを後側入力ハウジング69および前側入力ハウジング72によりボックス状に連結されて、一層、排藁搬送装置30全体の剛性を向上させる。
また、上手側案内レール68Aの後端が上下するので、穀稈供給搬送装置21と排藁搬送装置30との引継部に詰まりが生じたときには、上方回動させて詰まりを除去でき、メンテナンス性を向上させる。
【0021】
しかして、前記株元側排藁搬送装置31は、チェン案内レール68の中間部に排藁搬送チェン駆動歯車47を設け、チェン案内レール68の両端側には夫々案内ローラ73を設け、株元側排藁搬送装置31の排藁搬送チェン駆動歯車47と案内ローラ73に排藁株元搬送チェン33を掛け回している。
この場合、両端の二つの案内ローラ73は、その高さを略同じに設ける(図3)。
したがって、排藁搬送チェン駆動歯車47の巻き角を確保でき、負荷時に歯飛び等の発生をさせずに、株元側排藁搬送装置31を駆動させられる。
また、始端側(後側)ローラ73Aから排藁搬送チェン駆動歯車47までの上側移動排藁株元搬送チェン33の移動ラインは、排藁搬送チェン駆動歯車47から始端側案内ローラ73Aに向かって高くなるように傾斜させる。そのため、上側移動の排藁株元搬送チェン33は弛み側となるが、上り傾斜面とすることで、排藁株元搬送チェン33の弛みが過大にならず、排藁株元搬送チェン33の弛みによる騒音を抑制する。
【0022】
また、上手側案内レール68Aの後端下面は切り欠いて下がり傾斜面74に形成し、始端側案内ローラ73A近傍に外れ防止ガイド75を設ける。外れ防止ガイド75は、排藁株元搬送チェン33の側方に位置して外れるのを防止する(図13)。
そのため、上手側案内レール68Aの後端付近に外れ防止ガイド75を設けているので、排藁詰まり時等で、排藁株元搬送チェン33の弛みにより排藁株元搬送チェン33が外れやすくなるのを有効に防止できる。
しかして、上手側案内レール68Aの上下回動による排藁株元搬送チェン33の周長の変化を吸収するテンション機構76を、排藁株元搬送チェン33のチェンライン上に設け、作業時のチェンテンションと兼用する。
前記テンション機構76を終端側(前側)ローラB側に設け、終端側案内ローラ73Bを前後に移動可能とすることで、上手側案内レール68Aの屈曲回動時に排藁株元搬送チェン33の周長の変化があっても、終端側案内ローラ73Bが前後に動くことで。周長の変化量を吸収し、上手側案内レール68Aの屈曲回動を円滑にさせられる。
【0023】
即ち、終端側案内ローラ73Bを移動軸77の先端に軸装し、移動軸77は終端側案内ローラ73Bに前後移動自在に取付け、移動軸77に終端側案内ローラ73Bを前方に移動するように付勢するバネ78を設けて、テンション機構76を構成している。
しかして、排藁搬送チェン駆動歯車47の上方には中間チェン押さえ79を設ける。中間チェン押さえ79は、後側入力ハウジング69の外端に回転自在に設けた筒部材70に取付部80を固定して取付け、排藁搬送チェン駆動歯車47の上方の取付部80の下縁に当接部81を設けて構成する。
したがって、筒部材70が上手側案内レール68Aの上下回動により回転すると、排藁搬送チェン駆動歯車47の軸芯を中心に当接部81は一体的に回動するので、排藁株元搬送チェン33の押さえ力が一定となって、始端側案内ローラ73Aの移動を円滑に行って、排藁株元搬送チェン33のロックさせることなく、上手側案内レール68Aを屈曲回動させられる。
【0024】
しかして、チェン案内レール68は前記排藁入力軸45の部分で搬送方向の前側と後側とに分割形成しており、チェン案内レール68の前後分割部の排稈搬送面側に、上手側案内レール68Aの回動時に上手側案内レール68Aの前端と下手側案内レール68Bの後端との間に排藁株元搬送チェン33のチェンローラ33Aが落ち込み(食い込み)ロックするのを防止するロック防止ガイド83を設ける。
ロック防止ガイド83は、平板状に形成し、後端に至るに従い高く傾斜させ、後端は上手側案内レール68Aの前端上方に位置するように、下側下手側案内レール68Bの内面に固定する。
【0025】
したがって、ロック防止ガイド83は、上手側案内レール68Aの前端と下手側案内レール68Bの後端との間に排藁株元搬送チェン33のチェンローラ33Aが内側に進入するのを防止してロックするのを防止する。即ち、上手側案内レール68Aの回動時に排藁株元搬送チェン33がロック防止ガイド83により下手側案内レール68Bの搬送面側(外側)に押しされ、排藁株元搬送チェン33は回転可能になる。
しかして、チェン案内レール68の分割部には、上手側案内レール68Aが下手側案内レール68Bに対して所定位置より下方回動を規制するストッパ体85を設ける。ストッパ体85は、前記後側入力ハウジング69に固定側係合体86を設け、固定側係合体86に前記上手側案内レール68Aの内面に排藁株元搬送チェン33の移動方向に対して交差方向に突き出るレール側係合体87を当接させて、構成している。
したがって、上手側案内レール68Aが過剰に下方回動して、下手側案内レール68Bとの接触部分が変形するのを防止する。
【0026】
また、実施例では、排藁入力軸45より後側の上手側案内レール68Aの側面に交差方向に突出させてレール側係合体87を設け、レール側係合体87を後側入力ハウジング69に固定の固定側係合体86に上方から係合させているから、上手側案内レール68Aの後端の上方回動は自在であり、確実に上手側案内レール68Aの下方回動を規制でき、強度的にも有利である。
しかして、上手側案内レール68Aの始端部には、上手側案内レール68Aの始端部の左右方向の振れ防止ガイド体88を設ける。振れ防止ガイド体88は、上手側案内レール68Aの後部所定位置に排藁株元搬送チェン33の移動方向と並行の棒状部材により形成したレール側係合部材89を設け、レール側係合部材89はガイド体90の長孔91に係合させる。ガイド体90は後述する取付フレーム92を固定する機体側部フレーム93に固定する。
【0027】
振れ防止ガイド体88は、ガイド体90の長孔91にレール側係合部材89を挿通させて係合させているので、上手側案内レール68Aの回動支点とは反対側となる上手側案内レール68Aの始端部の横方向の振れを防止し、上手側案内レール68Aを安定して設置できる。
この場合、前記ガイド体90の長孔91の内周下縁は、上手側案内レール68Aが最下り位置となるように構成する。
したがって、振れ防止ガイド体88は、上手側案内レール68Aの下り方向の回動を規制するストッパとして作用させることができ、株元側排藁搬送装置31の始端部を穀稈供給搬送装置21の終端部の上方にオーバーラップするように接近して設けても、上手側案内レール68Aの最下方位置が安定し、穀稈供給搬送装置21と株元側排藁搬送装置31との干渉を確実に防止する。
なお、理解を容易にするために、図16および図17では振れ防止ガイド体88の側面図も併せて図示している。
【0028】
また、前記ガイド体90の長孔91の内周上縁は、上手側案内レール68Aが最上位置となるように構成する。
したがって、振れ防止ガイド体88は、排藁詰まり時等に過剰に上手側案内レール68Aの上方回動を規制するストッパとして作用させることができ、株元側排藁搬送装置31の始端部に過剰な負荷が掛かることを防止する。
しかして、株元側排藁搬送装置31は、チェン案内レール68の両端側に設けた案内ローラ73の軸芯方向の左右両側には、夫々カラー94を設ける(図12)。
即ち、案内ローラ73は、合成樹脂により形成し、チェン案内レール68の前後両端に設けた取付部材95に軸96により軸装するが、案内ローラ73と取付部材95の側面との間に金属製のカラー94を設ける。
【0029】
したがって、前後の案内ローラ73を共用化して、コストを安価にし軽量化する。また、案内ローラ73に藁が巻き付いたときに、樹脂案内ローラ73の端部が溶けて破損するのを防止する。
しかして、チェン案内レール68の上手側案内レール68Aと下手側案内レール68Bとの回動支点は、排藁入力軸45の軸芯と一致させ、チェン案内レール68の全長の略前後中間位置とし、下側を移動して排藁挟持杆34と挾持搬送する排藁株元搬送チェン33よりも、上方に位置するように構成する。
したがって、上手側案内レール68Aの回動時に、回動支点に掛かる荷重が、挾持搬送中の排藁株元搬送チェン33に影響することがなく、排藁株元搬送チェン33の搬送を円滑・確実にできる。
【0030】
しかして、前記取付フレーム92は、扱胴3の扱胴軸40を基準に、左側フレーム97と右側フレーム98と中間連結フレーム99と後側連結フレーム100により構成し、左側フレーム97および右側フレーム98の前端は脱穀室後板52に夫々固定し、左側フレーム97および右側フレーム98の後部は後側連結フレーム100に固定して連結する。中間連結フレーム99の左右両側は、脱穀装置1の任意の固定部に固定する。実施例では中間連結フレーム99の左端側は前記機体側部フレーム93に固定している。
また、右側フレーム98に前記排藁入力ギヤケース44を吊設する。また、前記後側入力ハウジング69に固定の固定側係合体86に上下方向の支持部材101を固定し、支持部材101の上部を前記中間連結フレーム99に固定して株元側排藁搬送装置31および穂先側排藁搬送装置32を取付フレーム92に吊設する。
【0031】
即ち、後側入力ハウジング69および前側入力ハウジング72によりボックス状に連結された株元側排藁搬送装置31と穂先側排藁搬送装置32とを、支持部材101により一体状に調節している。
また、左側フレーム97には、取付部材102を固定し、取付部材102に中間伝動プーリ41およびテンションプーリ51のテンションアーム103を取り付けている。
【0032】
(実施例の作用)
次に作用を述べる。
穀稈を脱穀室2に穀稈供給搬送装置21により供給すると、脱穀室2内の回転する扱胴3により脱穀され、扱網4より落下した落下物は揺動選別棚8の移送棚9上に落下し、移送棚9の移送突起により移送されてシーブ10上に至る。
シーブ10上では、揺動するシーブ10と唐箕5からの送風とにより藁屑と穀粒が分離し、穀粒と少しの藁屑がシーブ10の隙間より落下し、シーブ10の隙間より落下しない落下しない藁屑等は、揺動選別棚8の揺動と唐箕5の送風により排出側に移動し、風選室7の終端側では、塵埃や藁屑を吸引排塵ファン20により吸引排除され、吸引排塵ファン20により吸引されない藁屑はストローラック11上に至り、ストローラック11より落下しない藁屑等は、機外排出口21より機外に排出される。
【0033】
しかして、穀稈供給搬送装置21により搬送されて脱穀済の穀稈は排藁搬送装置30に引き継がれて搬送される。
この場合、排藁搬送装置30によって搬送される排藁の層厚によって排藁挟持杆34が排藁株元搬送チェン33に対して遠近移動(上下)して、円滑に搬送する。
なお、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示、あるいは説明しているが、これらは夫々種々組合せ可能であり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】脱穀装置の側面図。
【図2】脱穀装置の平面図。
【図3】同背面図。
【図4】排藁搬送装置付近の平面図。
【図5】排藁搬送装置付近の平面図。
【図6】伝動機構の概略図。
【図7】脱穀装置の背面図。
【図8】穂先側排藁搬送装置の背面図。
【図9】排藁搬送装置付近の側面図。
【図10】株元側排藁搬送装置の背面図。
【図11】同回動状態背面図。
【図12】株元側排藁搬送装置の背面図。
【図13】株元側排藁搬送装置の外れ防止ガイド付近の断面図。
【図14】チェン押さえ付近の平面図。
【図15】チェン押さえの側面図。
【図16】チェン押さえの回動状態側面図。
【図17】振れ防止ガイド体の背面図および側面図。
【図18】同回動状態背面図および側面図。
【図19】排藁搬送装置付近の平面図。
【符号の説明】
【0035】
1…脱穀装置、2…脱穀室、3…扱胴、4…扱網、5…唐箕、6…ケーシング、7…風選室、8…揺動選別棚、9…移送棚、10…シーブ、11…ストローラック、12…選別網、13…一番コンベア、14…二番コンベア、15…排塵処理室、16…処理胴、17…二番処理胴、18…二番処理装置、19…二番戻し装置、20…吸引排塵ファン、21…穀稈供給搬送装置、30…排藁搬送装置、31…株元側排藁搬送装置、32…穂先側排藁搬送装置、33…排藁株元搬送チェン、33A…チェンローラ、34…排藁挟持杆、35…排藁穂先チェン、36…搬送ラグ、40…扱胴軸、41…中間伝動プーリ、42…中間出力プーリ、43…軸、44…排藁入力ギヤケース、45…排藁入力軸、46…傘歯車、47…排藁搬送チェン駆動歯車、51…テンションプーリ、52…脱穀室後板、54…チェンケース、55…歯車、55A…穂先入力歯車、56…中間伝動歯車、57…穂先伝動軸、58…エンジン、59…伝動ギヤケース、63…株元支持ガイド、64…穂先案内ガイド、65…ステー、68…チェン案内レール、68A…上手側チェン案内レール、68B…下手側チェン案内レール、69…後側入力ハウジング、70…筒部材、71…取付プレート、72…前側入力ハウジング、73…案内ローラ、74…下がり傾斜面、75…外れ防止ガイド、76…テンション機構、77…移動軸、78…バネ、79…中間チェン押さえ、80…取付部、81…当接部、83…ロック防止ガイド、85…ストッパ体、86…固定側係合体、87…レール側係合体、88…振れ防止ガイド体、89…レール側係合部材、90…ガイド体、91…長孔、92…取付フレーム、93…機体側部フレーム、94…カラー、95…取付部材、96…軸、97…左側フレーム、98…右側フレーム、99…中間連結フレーム、100…後側連結フレーム、101…支持部材、102…取付部材。
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱穀装置に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、脱穀室に穀稈を供給する穀稈供給装置の終端に脱穀済の排藁を放出する排藁放出装置を設け、該排藁放出装置は、株元側排藁搬送装置により構成し、排藁搬送装置を、放出姿勢と格納姿勢とに回動変位するようにした脱穀装置は、公知である(特許文献1)。
【特許文献1】特開平9−187146号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記公知例の排藁搬送装置は、放出姿勢と格納姿勢とに回動変位するが、排藁株元搬送チェンと排藁挟持杆の間に排藁が詰まると、除去が面倒であるという課題がある。
即ち、排藁株元搬送チェンは、排藁挟持杆により支持されている構成のため、排藁株元搬送チェンと排藁挟持杆の位置関係は常時同じで、排藁が詰まりやすく、しかも、詰まった排藁は、一々、排藁株元搬送チェンを支持した状態の排藁挟持杆を格納して行わなければならず、詰まり排藁の除去は面倒であった。
本発明は、株元側排藁搬送装置の構成を工夫することにより、排藁株元搬送チェンと排藁挟持杆の位置関係を良好にして排藁の詰まりを減少させると共に、仮に排藁が詰まっても詰まり排藁の除去を簡単にできるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、脱穀室2に穀稈を供給する穀稈供給搬送装置21の終端側に脱穀済の排藁を搬送する排藁搬送装置30を設け、該排藁搬送装置30は、排藁株元搬送チェン33と排藁挟持杆34により挾持搬送する株元側排藁搬送装置31と、移動する搬送ラグ36により穂先側を搬送する穂先側排藁搬送装置32とにより構成し、前記脱穀室2に軸架した扱胴軸40から駆動回転される排藁入力軸45を、前記穂先側排藁搬送装置32を貫通させて前記排藁株元搬送チェン33に連動させる構成とし、前記排藁株元搬送チェン33のチェン案内レール68を前記排藁入力軸45の部分で搬送方向の上手側と下手側とに分割形成し、前記チェン案内レール68の上手側案内レール68Aは排藁入力軸45の軸芯を中心として上下回動可能に構成したことを特徴とする脱穀装置としたものであり、株元側排藁搬送装置31のチェン案内レール68を排藁入力軸45の部分で搬送方向の上手側と下手側とに分割形成し、チェン案内レール68の上手側案内レール68Aは排藁入力軸45の軸芯を中心に上下回動するように構成しているから、通常の作業状態では排藁挟持杆34が排藁株元搬送チェン33に対して上下することにより、排藁株元搬送チェン33と排藁挟持杆34の位置関係を良好にして排藁の詰まりを減少させ、仮に排藁が詰まっても上手側案内レール68Aの後端を上動させると、上手側案内レール68Aと排藁挟持杆34との間隔が広がり、詰まった排藁の除去を簡単に行える。
本発明は、前記排藁入力軸45には前記排藁株元搬送チェン33に噛み合う排藁搬送チェン駆動歯車47を取付け、該排藁搬送チェン駆動歯車47の上方にはチェン押さえ79を設け、該チェン押さえ79は上手側案内レール68Aが上下回動すると、排藁搬送チェン駆動歯車47の軸芯を中心に上手側案内レール68Aと共に一体的に回動するように構成した脱穀装置としたものであり、上手側案内レール68Aの上下回動により排藁搬送チェン駆動歯車47の軸芯を中心に中間チェン押さえ79が一体的に回動するので、排藁株元搬送チェン33の押さえ力が一定となり、始端側案内ローラ73Aの移動を円滑に行って、排藁株元搬送チェン33をロックさせることなく、上手側案内レール68Aを屈曲回動させられる。
【発明の効果】
【0005】
請求項1の発明では、排藁株元搬送チェン33と排藁挟持杆34の位置関係を良好にして排藁の詰まりを減少させ、排藁が詰まったときには上手側案内レール68Aの後端を上動させるだけで、上手側案内レール68Aと排藁挟持杆34との間隔が広がり、詰まり排藁の除去を簡単に行える。
請求項2の発明では、排藁株元搬送チェン33の押さえ力が一定となり、始端側案内ローラ73Aの移動を円滑に行って、排藁株元搬送チェン33をロックさせることなく、上手側案内レール68Aを屈曲回動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の実施例を図面により説明すると、1はコンバイン等に設けられる脱穀装置であり、脱穀装置1の上部には脱穀室2を設け、該脱穀室2内には扱胴3を軸装する。扱胴3の主として下方側は扱網4により包囲する。前記扱網4の下方には唐箕5のケーシング6を設け、唐箕5は終端側(後側)に向けて送風する。前記脱穀室2の終端側の下方には前記唐箕5の送風により穀粒と異物とを風選し得る風選室7を形成する。
風選室7内には、唐箕5の送風方向に往復揺動する揺動選別棚8を設ける。実施例では、揺動選別棚8の始端部の移送棚9を前記ケーシング6の上方に臨ませ、移送棚9に落下した落下物を風選室7へ移送させるようにして揺動選別棚8とケーシング6の取付スペースを有効に配置している。
【0007】
揺動選別棚8は、前記移送棚9に続いて、穀粒と異物とを選別するシーブ10を設け、シーブ10よりも終端(排出)側には藁屑を移送し得るストローラック11を設ける。前記シーブ10の下方の揺動選別棚8には選別網12を設け、選別網12の下方には一番コンベア13を設け、一番コンベア13の終端側には二番コンベア14を設ける。
前記脱穀室2の終端側部には排塵処理室15を設け、排塵処理室15は脱穀室2と連通させて脱穀室2で処理できない被処理物を処理する。また、実施例では、脱穀室2の側部に排塵処理室15の処理胴16と同軸状に二番処理胴17を有する二番処理装置18を設け、二番処理装置18に二番コンベア14の終端に設けた二番戻し装置19(図2)の終端を接続して、二番物を処理している。
また、風選室7の終端の側方には吸引排塵ファン20を設ける。
【0008】
しかして、前記脱穀室2の側部には、該脱穀室2に穀稈を搬送供給する穀稈供給搬送装置21を設ける。穀稈供給搬送装置21は挾扼杆22と供給搬送チェン23により構成する。
穀稈供給搬送装置21の終端には、脱穀室2にて脱穀済みの穀稈(排藁)を穀稈供給装置21より引き継いで搬送する排藁搬送装置30を設ける。
排藁搬送装置30は、穀稈供給搬送装置21より引き継いだ排藁の根本側を搬送する株元側排藁搬送装置31と、穂先側排藁搬送装置32とにより構成する。株元側排藁搬送装置31は無端の排藁搬送チェン33の下方に上下自在の排藁挟持杆34を設けて、排藁株元搬送チェン33と排藁挟持杆34とにより排藁を挟持搬送するようにし、排藁挟持杆34は排藁の層厚が薄いときは上動し、排藁の層厚が厚いときは下動するように構成する。
前記穂先側排藁搬送装置32は、移動する無端の排藁穂先チェン35に所定間隔をおいて搬送ラグ36を複数起伏自在に設けて構成する。
【0009】
しかして、前記扱胴3の扱胴軸40の後端には中間出力プーリ41を設け、中間伝動プーリ41の側方に中間出力プーリ42を設ける。中間出力プーリ42は軸43に固定し、軸43は排藁入力ギヤケース44に軸装する。排藁入力ギヤケース44には排藁入力軸45の一端を軸装する。排藁入力軸45は排藁入力ギヤケース44内に設けた傘歯車46により軸43からの回転が伝達される。
排藁入力軸45の中間部は前記穂先側排藁搬送装置32を貫通させ、排藁入力軸45の他端には排藁株元搬送チェン33の排藁搬送チェン駆動歯車47を設け、排藁搬送チェン駆動歯車47に排藁株元搬送チェン33を掛け回す。
【0010】
したがって、穂先側排藁搬送装置32を迂回させて株元側排藁搬送装置31に伝動させる構成に比し、排藁入力軸45は排藁入力ギヤケース44から穂先側排藁搬送装置32を貫通させて排藁株元搬送チェン33の排藁搬送チェン駆動歯車47を設け、排藁株元搬送チェン33を直接駆動しているので、伝動構成が簡易であり、排藁株元搬送チェン33より搬送ラグ36の周速を早くさせる等の設定が容易となる。
また、扱胴3のすぐ後方に穂先側排藁搬送装置32の搬送ラグ36の移動路を接近させることができ、搬送ラグ36の先端位置と中間伝動プーリ41の前後位置が略一致するようにできるので、その分、扱胴3の後端を後方へ延長でき、小型の脱穀装置1であっても、扱胴3の脱穀能力を高めることができる。
【0011】
しかして、中間出力プーリ41と中間出力プーリ42との間にはテンションプーリ51テンションプーリ51を設け、該テンションプーリ51と前記中間出力プーリ42は、扱胴軸40より穂先側であって扱胴軸40よりも上方に位置させる(図3)。扱胴3の終端から排藁搬送装置30までの距離を短縮して、脱穀室後板52の排稈口53から搬送排出される排藁が中間出力プーリ42等の伝動部から遠座けることができ、排藁の巻き付きを減少させる。
【0012】
しかして、穂先側排藁搬送装置32は、排藁穂先チェン35をチェンケース54の前後両端に設けた歯車55に掛け回す。そして、前記排藁入力軸45は、前後の歯車55の中間のチェンケース54に設けたボス(図示省略)を貫通して通す。
前記排藁入力軸45は、前後の歯車55の中間のチェンケース54を貫通しているので、前記歯車55の設置位置を、排藁入力軸45とは無関係に任意に設定でき、穂先側排藁搬送装置32の配置の設計の自由度を向上させ、搬送能力を向上させる。
即ち、排藁入力軸45は排藁入力ギヤケース44から穂先側排藁搬送装置32に向けて理想的な角度である略直交するように貫通させることができるので、穂先側排藁搬送装置32と株元側排藁搬送装置31とは平面視略平行に配置することができ、排藁の搬送姿勢を良好にできる。
【0013】
また、排藁穂先チェン35の始端部の前後位置は株元側排藁搬送装置31の排藁株元搬送チェン33の始端部の前後位置と略同じに位置させている。
したがって、穀稈供給搬送装置21からの排藁を株元側排藁搬送装置31と穂先側排藁搬送装置32とが引き継ぐタイミングを同調させることができ、排稈の搬送姿勢を良好にし、穂先先行姿勢で排藁を搬送でき、詰まりの発生を減少させる。
しかして、前記排藁株元搬送チェン33には、中間伝動歯車56を噛み合わせる。中間伝動歯車56は穂先伝動軸57の一端に固定し、穂先伝動軸57の他端には前後の歯車55のうちの後側の穂先入力歯車55Aを固定し、穂先入力歯車55Aに排藁穂先チェン35を掛け回し、エンジン58からの回転を株元側排藁搬送装置31経由で穂先側排藁搬送装置32に伝達している。
【0014】
したがって、穂先伝動軸57の一本によりエンジン58からの回転を株元側排藁搬送装置31経由で穂先側排藁搬送装置32に伝達でき、伝動構成を簡素にする。
59は伝動ギヤケース、60は排藁搬送装置30の後方に設けたカッター装置である。
【0015】
しかして、穀稈供給搬送装置21の終端近傍位置には、前記株元側排藁搬送装置31に排藁を案内する株元支持ガイド63を設ける。株元支持ガイド63は、株元側排藁搬送装置31の排藁株元搬送チェン33の始端部より前側下方にその基部を位置させ、上方に至るに従い平面視および側面視において排藁株元搬送チェン33に接近させる。
また、穀稈供給搬送装置21の終端近傍位置には、前記穂先側排藁搬送装置32に排藁を案内する穂先案内ガイド64を設ける。穂先案内ガイド64は、穂先側排藁搬送装置32の排藁穂先チェン35の始端部より前側下方にその基部を位置させ、上方に至るに従い平面視および側面視において排藁穂先チェン35に接近するように傾斜させ、中間部より先端側は先端に至るに従い搬送ラグ36の先端移動軌跡に接近するように、前上がりに傾斜させて構成する。
【0016】
実施例では、脱穀室後板52に設けたステー65に株元支持ガイド63および穂先案内ガイド64の基部を固定して取り付け、ステー65から株元支持ガイド63および穂先案内ガイド64を分岐させて設けているので、脱穀室2の終端から排藁株元搬送チェン33の始端部の短い区間で脱穀室2から排出される排藁を円滑に株元側排藁搬送装置31および穂先側排藁搬送装置32へ誘導案内し、詰まりの発生を防止する。
【0017】
即ち、株元側排藁搬送装置31の排藁挟持杆34の始端部は、平面視において排藁株元搬送チェン33の始端部近傍に位置させる。したがって、排藁挟持杆34の始端部の傾斜を急傾斜にするほど、排藁挟持杆34の始端部を脱穀室2の後部に接近させて、全体を小型化でき、しかも、排藁挟持杆34の始端部の傾斜を急傾斜にしても、株元支持ガイド63を設けているので、排藁の引継ぎは円滑になって、詰まり発生を減少させる。
【0018】
しかして、株元側排藁搬送装置31の排藁株元搬送チェン33はチェン案内レール68に掛け回す。チェン案内レール68は前記排藁入力軸45の部分で搬送方向の上手側(後側)と下手側(前側)とに分割形成し、チェン案内レール68の上手側案内レール68Aは排藁入力軸45と同一軸芯を中心に後端が上下回動するように構成する。
即ち、排藁入力軸45の他端部は後側入力ハウジング69に軸装し、後側入力ハウジング69に対して上手側案内レール68Aを回動自在に取付ける。
上手側案内レール68Aの回動支点部をハブ形状の後側入力ハウジング69とし、後側入力ハウジング69に側面視上手側案内レール68Aを重ねて設けることにより、上手側案内レール68Aの取付のがたを少なくし、強固の取り付けつつスムーズに回動可能にしている。
【0019】
しかして、前記後側入力ハウジング69の一端には筒部材70を回転自在に設け、筒部材筒部材70に前記チェン案内レール68の下手側案内レール68B側を固定状態に取付け、後側入力ハウジング69の他端は前記チェンケース54側に設けた取付プレート71に固定状態に取付け、チェン案内レール68とチェンケース54とを後側入力ハウジング69により連結する(図12)。
したがって、株元側排藁搬送装置31と穂先側排藁搬送装置32は連結されて、排藁搬送装置30全体の剛性を向上させる。
また、前記穂先伝動軸57は前側入力ハウジング72に軸装し、前側入力ハウジング72の一端は後側入力ハウジング69と同様にチェン案内レール68の下手側案内レール68B側に固定状態に取付けた取付部材72Aに取付ける。前側入力ハウジング72の他端は前記チェンケース54側に固定状態に取付け、チェン案内レール68とチェンケース54とを後側入力ハウジング69および前側入力ハウジング72により連結する(図12)。
【0020】
それゆえ、株元側排藁搬送装置31と穂先側排藁搬送装置32はチェン案内レール68とチェンケース54とを後側入力ハウジング69および前側入力ハウジング72によりボックス状に連結されて、一層、排藁搬送装置30全体の剛性を向上させる。
また、上手側案内レール68Aの後端が上下するので、穀稈供給搬送装置21と排藁搬送装置30との引継部に詰まりが生じたときには、上方回動させて詰まりを除去でき、メンテナンス性を向上させる。
【0021】
しかして、前記株元側排藁搬送装置31は、チェン案内レール68の中間部に排藁搬送チェン駆動歯車47を設け、チェン案内レール68の両端側には夫々案内ローラ73を設け、株元側排藁搬送装置31の排藁搬送チェン駆動歯車47と案内ローラ73に排藁株元搬送チェン33を掛け回している。
この場合、両端の二つの案内ローラ73は、その高さを略同じに設ける(図3)。
したがって、排藁搬送チェン駆動歯車47の巻き角を確保でき、負荷時に歯飛び等の発生をさせずに、株元側排藁搬送装置31を駆動させられる。
また、始端側(後側)ローラ73Aから排藁搬送チェン駆動歯車47までの上側移動排藁株元搬送チェン33の移動ラインは、排藁搬送チェン駆動歯車47から始端側案内ローラ73Aに向かって高くなるように傾斜させる。そのため、上側移動の排藁株元搬送チェン33は弛み側となるが、上り傾斜面とすることで、排藁株元搬送チェン33の弛みが過大にならず、排藁株元搬送チェン33の弛みによる騒音を抑制する。
【0022】
また、上手側案内レール68Aの後端下面は切り欠いて下がり傾斜面74に形成し、始端側案内ローラ73A近傍に外れ防止ガイド75を設ける。外れ防止ガイド75は、排藁株元搬送チェン33の側方に位置して外れるのを防止する(図13)。
そのため、上手側案内レール68Aの後端付近に外れ防止ガイド75を設けているので、排藁詰まり時等で、排藁株元搬送チェン33の弛みにより排藁株元搬送チェン33が外れやすくなるのを有効に防止できる。
しかして、上手側案内レール68Aの上下回動による排藁株元搬送チェン33の周長の変化を吸収するテンション機構76を、排藁株元搬送チェン33のチェンライン上に設け、作業時のチェンテンションと兼用する。
前記テンション機構76を終端側(前側)ローラB側に設け、終端側案内ローラ73Bを前後に移動可能とすることで、上手側案内レール68Aの屈曲回動時に排藁株元搬送チェン33の周長の変化があっても、終端側案内ローラ73Bが前後に動くことで。周長の変化量を吸収し、上手側案内レール68Aの屈曲回動を円滑にさせられる。
【0023】
即ち、終端側案内ローラ73Bを移動軸77の先端に軸装し、移動軸77は終端側案内ローラ73Bに前後移動自在に取付け、移動軸77に終端側案内ローラ73Bを前方に移動するように付勢するバネ78を設けて、テンション機構76を構成している。
しかして、排藁搬送チェン駆動歯車47の上方には中間チェン押さえ79を設ける。中間チェン押さえ79は、後側入力ハウジング69の外端に回転自在に設けた筒部材70に取付部80を固定して取付け、排藁搬送チェン駆動歯車47の上方の取付部80の下縁に当接部81を設けて構成する。
したがって、筒部材70が上手側案内レール68Aの上下回動により回転すると、排藁搬送チェン駆動歯車47の軸芯を中心に当接部81は一体的に回動するので、排藁株元搬送チェン33の押さえ力が一定となって、始端側案内ローラ73Aの移動を円滑に行って、排藁株元搬送チェン33のロックさせることなく、上手側案内レール68Aを屈曲回動させられる。
【0024】
しかして、チェン案内レール68は前記排藁入力軸45の部分で搬送方向の前側と後側とに分割形成しており、チェン案内レール68の前後分割部の排稈搬送面側に、上手側案内レール68Aの回動時に上手側案内レール68Aの前端と下手側案内レール68Bの後端との間に排藁株元搬送チェン33のチェンローラ33Aが落ち込み(食い込み)ロックするのを防止するロック防止ガイド83を設ける。
ロック防止ガイド83は、平板状に形成し、後端に至るに従い高く傾斜させ、後端は上手側案内レール68Aの前端上方に位置するように、下側下手側案内レール68Bの内面に固定する。
【0025】
したがって、ロック防止ガイド83は、上手側案内レール68Aの前端と下手側案内レール68Bの後端との間に排藁株元搬送チェン33のチェンローラ33Aが内側に進入するのを防止してロックするのを防止する。即ち、上手側案内レール68Aの回動時に排藁株元搬送チェン33がロック防止ガイド83により下手側案内レール68Bの搬送面側(外側)に押しされ、排藁株元搬送チェン33は回転可能になる。
しかして、チェン案内レール68の分割部には、上手側案内レール68Aが下手側案内レール68Bに対して所定位置より下方回動を規制するストッパ体85を設ける。ストッパ体85は、前記後側入力ハウジング69に固定側係合体86を設け、固定側係合体86に前記上手側案内レール68Aの内面に排藁株元搬送チェン33の移動方向に対して交差方向に突き出るレール側係合体87を当接させて、構成している。
したがって、上手側案内レール68Aが過剰に下方回動して、下手側案内レール68Bとの接触部分が変形するのを防止する。
【0026】
また、実施例では、排藁入力軸45より後側の上手側案内レール68Aの側面に交差方向に突出させてレール側係合体87を設け、レール側係合体87を後側入力ハウジング69に固定の固定側係合体86に上方から係合させているから、上手側案内レール68Aの後端の上方回動は自在であり、確実に上手側案内レール68Aの下方回動を規制でき、強度的にも有利である。
しかして、上手側案内レール68Aの始端部には、上手側案内レール68Aの始端部の左右方向の振れ防止ガイド体88を設ける。振れ防止ガイド体88は、上手側案内レール68Aの後部所定位置に排藁株元搬送チェン33の移動方向と並行の棒状部材により形成したレール側係合部材89を設け、レール側係合部材89はガイド体90の長孔91に係合させる。ガイド体90は後述する取付フレーム92を固定する機体側部フレーム93に固定する。
【0027】
振れ防止ガイド体88は、ガイド体90の長孔91にレール側係合部材89を挿通させて係合させているので、上手側案内レール68Aの回動支点とは反対側となる上手側案内レール68Aの始端部の横方向の振れを防止し、上手側案内レール68Aを安定して設置できる。
この場合、前記ガイド体90の長孔91の内周下縁は、上手側案内レール68Aが最下り位置となるように構成する。
したがって、振れ防止ガイド体88は、上手側案内レール68Aの下り方向の回動を規制するストッパとして作用させることができ、株元側排藁搬送装置31の始端部を穀稈供給搬送装置21の終端部の上方にオーバーラップするように接近して設けても、上手側案内レール68Aの最下方位置が安定し、穀稈供給搬送装置21と株元側排藁搬送装置31との干渉を確実に防止する。
なお、理解を容易にするために、図16および図17では振れ防止ガイド体88の側面図も併せて図示している。
【0028】
また、前記ガイド体90の長孔91の内周上縁は、上手側案内レール68Aが最上位置となるように構成する。
したがって、振れ防止ガイド体88は、排藁詰まり時等に過剰に上手側案内レール68Aの上方回動を規制するストッパとして作用させることができ、株元側排藁搬送装置31の始端部に過剰な負荷が掛かることを防止する。
しかして、株元側排藁搬送装置31は、チェン案内レール68の両端側に設けた案内ローラ73の軸芯方向の左右両側には、夫々カラー94を設ける(図12)。
即ち、案内ローラ73は、合成樹脂により形成し、チェン案内レール68の前後両端に設けた取付部材95に軸96により軸装するが、案内ローラ73と取付部材95の側面との間に金属製のカラー94を設ける。
【0029】
したがって、前後の案内ローラ73を共用化して、コストを安価にし軽量化する。また、案内ローラ73に藁が巻き付いたときに、樹脂案内ローラ73の端部が溶けて破損するのを防止する。
しかして、チェン案内レール68の上手側案内レール68Aと下手側案内レール68Bとの回動支点は、排藁入力軸45の軸芯と一致させ、チェン案内レール68の全長の略前後中間位置とし、下側を移動して排藁挟持杆34と挾持搬送する排藁株元搬送チェン33よりも、上方に位置するように構成する。
したがって、上手側案内レール68Aの回動時に、回動支点に掛かる荷重が、挾持搬送中の排藁株元搬送チェン33に影響することがなく、排藁株元搬送チェン33の搬送を円滑・確実にできる。
【0030】
しかして、前記取付フレーム92は、扱胴3の扱胴軸40を基準に、左側フレーム97と右側フレーム98と中間連結フレーム99と後側連結フレーム100により構成し、左側フレーム97および右側フレーム98の前端は脱穀室後板52に夫々固定し、左側フレーム97および右側フレーム98の後部は後側連結フレーム100に固定して連結する。中間連結フレーム99の左右両側は、脱穀装置1の任意の固定部に固定する。実施例では中間連結フレーム99の左端側は前記機体側部フレーム93に固定している。
また、右側フレーム98に前記排藁入力ギヤケース44を吊設する。また、前記後側入力ハウジング69に固定の固定側係合体86に上下方向の支持部材101を固定し、支持部材101の上部を前記中間連結フレーム99に固定して株元側排藁搬送装置31および穂先側排藁搬送装置32を取付フレーム92に吊設する。
【0031】
即ち、後側入力ハウジング69および前側入力ハウジング72によりボックス状に連結された株元側排藁搬送装置31と穂先側排藁搬送装置32とを、支持部材101により一体状に調節している。
また、左側フレーム97には、取付部材102を固定し、取付部材102に中間伝動プーリ41およびテンションプーリ51のテンションアーム103を取り付けている。
【0032】
(実施例の作用)
次に作用を述べる。
穀稈を脱穀室2に穀稈供給搬送装置21により供給すると、脱穀室2内の回転する扱胴3により脱穀され、扱網4より落下した落下物は揺動選別棚8の移送棚9上に落下し、移送棚9の移送突起により移送されてシーブ10上に至る。
シーブ10上では、揺動するシーブ10と唐箕5からの送風とにより藁屑と穀粒が分離し、穀粒と少しの藁屑がシーブ10の隙間より落下し、シーブ10の隙間より落下しない落下しない藁屑等は、揺動選別棚8の揺動と唐箕5の送風により排出側に移動し、風選室7の終端側では、塵埃や藁屑を吸引排塵ファン20により吸引排除され、吸引排塵ファン20により吸引されない藁屑はストローラック11上に至り、ストローラック11より落下しない藁屑等は、機外排出口21より機外に排出される。
【0033】
しかして、穀稈供給搬送装置21により搬送されて脱穀済の穀稈は排藁搬送装置30に引き継がれて搬送される。
この場合、排藁搬送装置30によって搬送される排藁の層厚によって排藁挟持杆34が排藁株元搬送チェン33に対して遠近移動(上下)して、円滑に搬送する。
なお、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示、あるいは説明しているが、これらは夫々種々組合せ可能であり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】脱穀装置の側面図。
【図2】脱穀装置の平面図。
【図3】同背面図。
【図4】排藁搬送装置付近の平面図。
【図5】排藁搬送装置付近の平面図。
【図6】伝動機構の概略図。
【図7】脱穀装置の背面図。
【図8】穂先側排藁搬送装置の背面図。
【図9】排藁搬送装置付近の側面図。
【図10】株元側排藁搬送装置の背面図。
【図11】同回動状態背面図。
【図12】株元側排藁搬送装置の背面図。
【図13】株元側排藁搬送装置の外れ防止ガイド付近の断面図。
【図14】チェン押さえ付近の平面図。
【図15】チェン押さえの側面図。
【図16】チェン押さえの回動状態側面図。
【図17】振れ防止ガイド体の背面図および側面図。
【図18】同回動状態背面図および側面図。
【図19】排藁搬送装置付近の平面図。
【符号の説明】
【0035】
1…脱穀装置、2…脱穀室、3…扱胴、4…扱網、5…唐箕、6…ケーシング、7…風選室、8…揺動選別棚、9…移送棚、10…シーブ、11…ストローラック、12…選別網、13…一番コンベア、14…二番コンベア、15…排塵処理室、16…処理胴、17…二番処理胴、18…二番処理装置、19…二番戻し装置、20…吸引排塵ファン、21…穀稈供給搬送装置、30…排藁搬送装置、31…株元側排藁搬送装置、32…穂先側排藁搬送装置、33…排藁株元搬送チェン、33A…チェンローラ、34…排藁挟持杆、35…排藁穂先チェン、36…搬送ラグ、40…扱胴軸、41…中間伝動プーリ、42…中間出力プーリ、43…軸、44…排藁入力ギヤケース、45…排藁入力軸、46…傘歯車、47…排藁搬送チェン駆動歯車、51…テンションプーリ、52…脱穀室後板、54…チェンケース、55…歯車、55A…穂先入力歯車、56…中間伝動歯車、57…穂先伝動軸、58…エンジン、59…伝動ギヤケース、63…株元支持ガイド、64…穂先案内ガイド、65…ステー、68…チェン案内レール、68A…上手側チェン案内レール、68B…下手側チェン案内レール、69…後側入力ハウジング、70…筒部材、71…取付プレート、72…前側入力ハウジング、73…案内ローラ、74…下がり傾斜面、75…外れ防止ガイド、76…テンション機構、77…移動軸、78…バネ、79…中間チェン押さえ、80…取付部、81…当接部、83…ロック防止ガイド、85…ストッパ体、86…固定側係合体、87…レール側係合体、88…振れ防止ガイド体、89…レール側係合部材、90…ガイド体、91…長孔、92…取付フレーム、93…機体側部フレーム、94…カラー、95…取付部材、96…軸、97…左側フレーム、98…右側フレーム、99…中間連結フレーム、100…後側連結フレーム、101…支持部材、102…取付部材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱穀室(2)に穀稈を供給する穀稈供給搬送装置(21)の終端側に脱穀済の排藁を搬送する排藁搬送装置(30)を設け、該排藁搬送装置(30)は、排藁株元搬送チェン(33)と排藁挟持杆(34)により挾持搬送する株元側排藁搬送装置(31)と、移動する搬送ラグ(36)により穂先側を搬送する穂先側排藁搬送装置(32)とにより構成し、前記脱穀室(2)に軸架した扱胴軸(40)から駆動回転される排藁入力軸(45)を、前記穂先側排藁搬送装置(32)を貫通させて前記排藁株元搬送チェン(33)に連動させる構成とし、前記排藁株元搬送チェン(33)のチェン案内レール(68)を前記排藁入力軸(45)の部分で搬送方向の上手側と下手側とに分割形成し、前記チェン案内レール(68)の上手側案内レール(68A)は排藁入力軸(45)の軸芯を中心として上下回動可能に構成したことを特徴とする脱穀装置。
【請求項2】
請求項1において、前記排藁入力軸(45)には前記排藁株元搬送チェン(33)に噛み合う排藁搬送チェン駆動歯車(47)を取付け、該排藁搬送チェン駆動歯車(47)の上方にはチェン押さえ(79)を設け、該チェン押さえ(79)は上手側案内レール(68A)が上下回動すると、排藁搬送チェン駆動歯車(47)の軸芯を中心に上手側案内レール(68A)と共に一体的に回動するように構成したことを特徴とする脱穀装置。
【請求項1】
脱穀室(2)に穀稈を供給する穀稈供給搬送装置(21)の終端側に脱穀済の排藁を搬送する排藁搬送装置(30)を設け、該排藁搬送装置(30)は、排藁株元搬送チェン(33)と排藁挟持杆(34)により挾持搬送する株元側排藁搬送装置(31)と、移動する搬送ラグ(36)により穂先側を搬送する穂先側排藁搬送装置(32)とにより構成し、前記脱穀室(2)に軸架した扱胴軸(40)から駆動回転される排藁入力軸(45)を、前記穂先側排藁搬送装置(32)を貫通させて前記排藁株元搬送チェン(33)に連動させる構成とし、前記排藁株元搬送チェン(33)のチェン案内レール(68)を前記排藁入力軸(45)の部分で搬送方向の上手側と下手側とに分割形成し、前記チェン案内レール(68)の上手側案内レール(68A)は排藁入力軸(45)の軸芯を中心として上下回動可能に構成したことを特徴とする脱穀装置。
【請求項2】
請求項1において、前記排藁入力軸(45)には前記排藁株元搬送チェン(33)に噛み合う排藁搬送チェン駆動歯車(47)を取付け、該排藁搬送チェン駆動歯車(47)の上方にはチェン押さえ(79)を設け、該チェン押さえ(79)は上手側案内レール(68A)が上下回動すると、排藁搬送チェン駆動歯車(47)の軸芯を中心に上手側案内レール(68A)と共に一体的に回動するように構成したことを特徴とする脱穀装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2008−271796(P2008−271796A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−116176(P2007−116176)
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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