説明

脱酸素モジュール及び脱酸素モジュールの製造方法

【課題】比較的安価でかつ脱酸素機能を効率よく発揮することができる、脱酸素モジュールを得る。
【解決手段】カートリッジフィルタハウジング1内に固定される円筒容器2内において、水流19の入口側から、出口側にかけて、スポンジ3、銅めっき鉄粉4、繊維束5、不織布6の順に積層された構造を設け、脱酸素モジュール7を得る。圧縮したスポンジ3は最終膨張時の容積が最低限、初期状態時に銅めっき鉄粉4が占めている容積を満たすまでに膨張することを必要とし、銅めっき鉄粉4は、銅含有率が36〜44%で、平均粒径が100μm程度のものを用いる。繊維束5は、直径50μm〜100μmの糸を束ねて、円筒容器2中で銅めっき鉄粉4と圧縮スポンジ3が占める部分の残部円筒空間の長さL1に切りそろえた空隙率50〜70%の濾過材として機能する

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、冷却水を用いる産業機器において、冷却系の金属配管、冷却器、熱交換器などを構成する金属材料の腐食を防止するための脱酸素材を用いた脱酸素モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
冷却水を用いる産業機器においては、冷却系の金属配管などの腐食による水漏れを防止するために、冷却水への腐食抑制剤の添加、冷却水の脱酸素処理などが一般的に行われている。安価な脱酸素処理法としては、鉄粉末とハロゲン化金属塩などとを混合した脱酸素材を充填した脱酸素容器を冷却水の配管の途中に挿入し、冷却水を脱酸素容器内に通過させて冷却水中の酸素を除去する方法がある。上記除去方法は、例えば、特許文献1に開示されている。
【0003】
このような脱酸素処理法では、脱酸素容器内の脱酸素材が冷却水の通過時に流動しやすいために冷却水の流れに偏り(偏流)が生じて一定の流路が形成され、この流路近傍の脱酸素材しか冷却水の接触しなくなり、その結果、脱酸素材の利用効率低下、脱酸素速度の低下などの問題が生じる。また、脱酸素材に含まれるハロゲン化金属塩(例えばNaClなど)は冷却水に溶解するため、容積が減少し偏流が生じやすくなる。さらには、酸素を除去するにしたがって脱酸素材が消耗して容積が減少し、より一層偏流が生じやすくなる。
【0004】
上述した脱酸素材の流動(偏流)を防ぐために、脱酸素素材として天然繊維や合成繊維などの基材の表面に脱酸素材である金属ポルフィリン化合物をイオン結合により固定したものがある。この場合、ジメチルスルホキシドなどの有機溶媒と水との混合物に金属ポルフィリンを溶解して脱酸素材を基材に固定する方法が開示されている。上記方法は、例えば、特許文献2に開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開平7−1458号公報(第2頁、図6)
【特許文献2】特開平11−228958号公報(第3頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、金属ポルフィリン系脱酸素材は、還元剤を添加しないと脱酸素機能を発揮しないという問題があり、安価で取扱いの容易な金属粉末系の脱酸素材を用いるという要望に応えることができない。
【0007】
また、上述のような脱酸素材を基材に固定する方法を金属粉末系の脱酸素材に適用しようとした場合、基材に分散して固定するための脱酸素材である金属粉末が、固定する際に用いる混濁液中の溶存酸素によって酸化されるとにより固定時に既に酸化劣化をおこしているという問題点がある。
【0008】
上記問題点を補うべく、脱酸素材を分散する混濁液として非水系の有機溶媒系を採用することも考えられる。しかし、有機溶媒系は環境負荷が大きく、また作業上の安全性確保の点から作業環境を防爆構造にする必要があるなど、作業性の低下や高コスト化という問題点があり実用的でなかった。
【0009】
この発明は上記問題点を解決するためになされたもので、比較的安価でかつ脱酸素機能を効率よく発揮することができる、脱酸素モジュールを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る請求項1記載の脱酸素モジュールは、流体を上流側から下流側にかけて流すことが可能な内部構造を有する容器と、前記容器内の所定箇所に設けられた粉体状脱酸素材と、前記粉体状脱酸素材に対し前記下流側に設けられた濾過材とを備え、前記粉体状脱酸素材は流体が前記容器内を流れる際に前記濾過材内に分散可能であり、前記濾過材は分散した前記粉体状脱酸素材を吸着可能である。
【0011】
この発明に係る請求項6記載の脱酸素モジュールの製造方法は、(a) 流体を上流側から下流側にかけて流すことが可能な内部構造を有する容器を準備するステップと、(b) 前記容器内に粉体状脱酸素材を充填するステップと、(c) 前記粉体状脱酸素材に対し前記下流側に濾過材を配置するステップとを備え、前記粉体状脱酸素材は流体が前記容器内を流れる際に前記濾過材内に分散可能であり、前記濾過材は分散した前記粉体状脱酸素材を吸着可能である。
【発明の効果】
【0012】
この発明に係る請求項1記載の脱酸素モジュールにおいて、粉体状脱酸素材は流体が容器内を流れる際に濾過材内に分散可能であり、濾過材は分散した粉体状脱酸素材を吸着可能なため、容器内を流体が流れる際に粉体状脱酸素材内で偏流が生じることを効果的に防止することができる。その結果、比較的安価に準備可能な粉体状脱酸素材を用い、かつ脱酸素機能を効率よく発揮することができる脱酸素モジュールを得ることができる。
【0013】
この発明に係る請求項6記載の製造方法よって製造される脱酸素モジュールは、粉体状脱酸素材は流体が容器内を流れる際に濾過材内に分散可能であり、濾過材は分散した粉体状脱酸素材を吸着可能なため、比較的安価に準備可能な粉体状脱酸素材を用い、かつ脱酸素機能を効率よく発揮することができる脱酸素モジュールを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
<実施の形態1>
図1はこの発明の実施の形態1である脱酸素モジュールの初期状態の構造を示す断面図である。同図に示すように、既存のカートリッジフィルタハウジング1内の所定箇所に円筒容器2が取付けられる。
【0015】
カートリッジフィルタハウジング1は流入口1a、流出口1b、胴部1cおよびヘッド部1dからなり、胴部1cの上部にヘッド部1dを装着し、このヘッド部1dの側面の所定箇所に流入口1aおよび流出口1bがそれぞれ設けられる。
【0016】
円筒容器2は蓋部2a、円筒部2b(胴部)および底部2cからなり、円筒部2bの最下部に底部2cを装着し、最上部に蓋部2aを装着することにより、円筒部2b内の内容物を固定することができる。また、円筒部2bは最下部から最上部にかけて断面形状が一定の円形を呈している。
【0017】
そして、底部2cの開口部2eが水流19の流入口となり、蓋部2aに設けられた開口部2dが水流19の流出口となる。最終的に、蓋部2a上に上部パッキン16a、底部2c下に下部パッキン16cをそれぞえ挟みこむことによりカートリッジフィルタハウジング1内に円筒容器2を固定することができる。
【0018】
次に、円筒容器2内に詰め込まれるスポンジ3、銅めっき鉄粉4、繊維束5及び不織布6について説明する。底部2cと円筒部2bとの間に圧縮したスポンジ3(膨張部材)を配置し、円筒部2b内のスポンジ3上に銅めっき鉄粉4(粉体状脱酸素材)を配置し、円筒部2b内の銅めっき鉄粉4上に濾過材となる繊維束5を設け、円筒容器2円筒部2b,蓋部2a間の繊維束5上に不織布6を設ける。
【0019】
すなわち、円筒容器2内において、水流19の入口側(底部2cの開口部2e)から、出口側(蓋部2aの開口部2d)にかけて、圧縮したスポンジ3、銅めっき鉄粉4、繊維束5、不織布6の順に積層された構造を設けることにより、脱酸素モジュール7を得ることができる。
【0020】
圧縮したスポンジ3は最終膨張時の容積が最低限、初期状態時に銅めっき鉄粉4が占めている容積を満たすまでに膨張することを必要とする。銅めっき鉄粉4は、鉄粉に置換めっきで銅を被覆させたものであり、銅含有率が36〜44%で、平均粒径が100μm程度のものを用いる。
【0021】
図2は実施の形態(後述する実施の形態2,3を含む)に用いた銅めっき鉄粉の粒度分布を示すグラフである。同図に示すように、三種類(0〜45μm、45〜175μm、175〜250μm)の粒径部分に関し、銅めっき鉄粉4を所定の比率(22.8%(
0〜45μm),72.4%(45〜175μm),4.7%(175〜250μm))で混在している。
【0022】
実施の形態1で用いる銅めっき鉄粉4は、銅が鉄よりも酸化還元電位が貴なために、異種金属接触腐食の原理に基づき、鉄の腐食が活性化し、銅表面で酸化還元反応の進行が促進されることで酸素を消費できるものである。
【0023】
水流19に関し、銅めっき鉄粉4の後段に配置される繊維束5は、直径50μm〜100μmの糸を束ねて、円筒容器2中で銅めっき鉄粉4と圧縮スポンジ3が占める部分の残部円筒空間の長さL1に切りそろえた空隙率50〜70%の濾過材として機能する。
【0024】
水流19に関し、繊維束5の後段に配置される不織布6は、その目径は20μm〜30μmであり、厚み1mm〜3mm程度の平円盤状である。繊維束5、不織布6は共に濾過材の役割を持ち材質は、天然繊維、合成繊維を問わない。
【0025】
繊維束5は水流19に関し上流側から分散して押し流されてくる銅めっき鉄粉4を吸着する。なお、水流19によって銅めっき鉄粉4を繊維束5にほぼ均一に分散させるべく、銅めっき鉄粉4の粒径は500μm以下にすることが望ましい。
【0026】
水流19が円筒容器2内を通過するに伴い、銅めっき鉄粉4が当初の領域に留まることなく繊維束5の内部に分散し、この繊維束5の内部では偏流が起きないことから、脱酸素材である銅めっき鉄粉4に対して効率よく注入水が接触することができ、効率的に酸素吸収を行うことができる。その結果、実施の形態1の脱酸素モジュール7は、比較的安価に準備可能な銅めっき鉄粉4を用い、かつ銅めっき鉄粉4にょる脱酸素機能を効率よく発揮させることができる。
【0027】
また、実施の形態1の脱酸素モジュール7では、銅めっき鉄粉4を予め繊維束5に分散添着させる必要が無くなることから、製造にかかる時間とコストも削減することができるため、比較的安価なコストで実現することができる。
【0028】
図3は銅めっき鉄粉4の後段に繊維束5が存在しない場合の仮想脱酸素モジュールの構造を示す断面図である。同図に示すように、水流19が円筒容器2内を通過しても、銅めっき鉄粉4が分散しない場合、偏流20が生じてしまう。
【0029】
一方、実施の形態1の脱酸素モジュール7においては、図4に示すように、水流19が円筒容器2内を通過しても、銅めっき鉄粉4が濾過材である繊維束5の空隙部に偏ることなく分散されるため、水流19によって偏流が生じることはない。
【0030】
さらに、濾過材である繊維束5内に銅めっき鉄粉4が分散されてできる空間(繊維束5に銅めっき鉄粉4が分散されるに際に生じる容積減少分及び銅めっき鉄粉4の粒径減少分)は圧縮スポンジ3が膨潤することで埋められるため、水流19に生じる偏流をさらに抑制するとともに、最終的に繊維束5の内部に銅めっき鉄粉4が全て分散した後は、スポンジ3が繊維束5(銅めっき鉄粉4)に隣接し、このスポンジ3の存在時に、運転停止時に繊維束5から銅めっき鉄粉4が脱落するのを防止することができる。
【0031】
<実施の形態2>
図5は実施の形態2の脱酸素モジュールに用いられる繊維束15の構造を模式的に示す説明図である。同図に示すように、繊維束15は、繊維を束ねた濾過材を作製するにあたって、繊維を所定数予め束ねて構成され繊維小束17を複数本合わせて、円筒容器2の内径に密着する束として切りそろえることで実現している。したがって、繊維束15全体の空隙率は繊維小束17それぞれの空隙率と繊維小束17,17間の空隙率とによって決定する。
【0032】
実施の形態2の脱酸素モジュールは、実施の形態1の効果に加え、この繊維束15を図1で示した実施の形態1の繊維束5の代わりに用いることにより、繊維束15の製造が容易である分、比較的簡単に実現することができる効果を奏する。
【0033】
<実施の形態3>
図6は実施の形態3の脱酸素モジュールに用いられる濾過材8の構造を模式的に示す説明図である。同図に示すように、濾過材8は複数の部分濾過材8aを積み重ねて構成される。部分濾過材8aは円筒容器2(図示せず)の内径に密着する円盤状を呈しており、フェルト状の繊維で構成される濾過材である。このような構成の濾過材8は全体で空隙率50〜70%で円筒容器2内に配置される。
【0034】
実施の形態3の脱酸素モジュールは、実施の形態1の効果に加え、以下の効果を奏する。濾過材8は、部分濾過材8aの積み重ね段数を適宜変更することにより、円筒容器2中で銅めっき鉄粉4と圧縮スポンジ3が占める部分の残部円筒空間の高さL1に合わせて、濾過材8を円筒容器2内に設置することができる。上記効果を応用することにより銅めっき鉄粉4の量に合わせて容易に濾過材8の量(形成高さ)を決め設置することができる。
【0035】
<脱酸素モジュールの脱酸素性能の測定>
図7は、実施の形態1で示した脱酸素モジュール7の脱酸素性能を測定する測定装置を模式的に示した説明図である。
【0036】
同図に示すように、実施の形態1と同様に脱酸素モジュール7をカートリッジフィルタハウジング1にセットする。冷却水20を貯める内容積30L(リットル)のタンク9内の冷却水20の流出口9bから、配管21、ポンプ10、配管21、および流量計11を経由してカートリッジフィルタハウジング1の流入口1aに配管21を接続する。
【0037】
カートリッジフィルタハウジング1の下流となる流出口1bに、配管21を介してイオン交換樹脂塔(樹脂容量5L)12を接続し、イオン交換樹脂塔12は内部にイオン交換樹脂12aを有し、このイオン交換樹脂塔12の出口は、配管21を介して流入口9aからタンク9に接続されている。
【0038】
ポンプ10は、冷却水20をタンク9から流量計11、カートリッジフィルタハウジング1、およびイオン交換樹脂塔12を経由して再びタンク9に戻るように循環させる。タンク9には酸素濃度計14が取り付けられ、酸素濃度計14は冷却水20の溶存酸素濃度を測定するために測定プローブ13をタンク9内の冷却水20中に浸漬させることにより、測定プローブ13から検出される冷却水20の酸素濃度を測定する。イオン交換樹脂12aは冷却水20に含有する鉄イオン等を吸収することができるため、鉄の酸化物が後述する酸素濃度計14の測定プローブ13に吸着することを防止し、酸素濃度計14の測定精度向上に寄与する。
【0039】
なお、図7で示した測定装置を用いた試験は、脱酸素モジュール7の脱酸素性能を測定するための試験であるため、循環させる冷却水20の温度を調整する装置(例えは、温度交換器)は備えていない。
【0040】
次に、本測定装置を用いた試験方法について説明する。ポンプ10を稼動させる前、つまり脱酸素モジュール7の脱酸素機能を測定する前の試験条件として、冷却水20の水温は25℃、循環する冷却水量は30L、溶存酸素濃度は8.1mg/L、導電率は1mS/mである。ポンプ10を稼動して流量計11の流量が5L/分になるようにポンプ10の動作条件を設定して冷却水20を循環させる。酸素濃度計14で、タンク9内の冷却水20の溶存酸素濃度を、冷却水20の循環開始後から200分間継続して測定した。
【0041】
図8は、上記測定装置を用いて冷却水20の循環開始後の時間に対する溶存酸素濃度を測定した試験結果を示す特性図である。同図に示すように、冷却水20の溶存酸素濃度は、循環開始後約20分で1mg/Lまで低下し、その後も徐々に低下して、約180分後には0.1mg/L未満となった。溶存酸素濃度が1mg/Lであれば、配管21やその他の冷却系に接続された金属製の機器などの腐食を効果的に防止することができる。
【0042】
<製造方法>
図9は実施の形態1の脱酸素モジュール7の製造方法を示すフローチャートである。以下、同図を参照して、その製造方法を説明する。
【0043】
まず、ステップS1において、円筒容器2の円筒部2bに底部2c(開口部2e付き)を取り付ける。次に、円筒容器2の円筒部2b内にスポンジ3を、底部2cに押しつけるように設置する。
【0044】
そして、ステップS2において、円筒容器2の円筒部2b内のスポンジ3上に銅めっき鉄粉4を充填する。
【0045】
その後、ステップS3において、円筒容器2の円筒部2b内の銅めっき鉄粉4の上方に繊維束5を充填し、さらに、繊維束5上に不織布6を配置した後、蓋部2aを円筒部2bに装着することにより、円筒容器2、スポンジ3、銅めっき鉄粉4、繊維束5および不織布6よりなる実施の形態1の脱酸素モジュール7が完成する。
【0046】
最後に、ステップS4において、蓋部2a上に上部パッキン16a、底部2c下に下部パッキン16cをそれぞれ取り付けて、カートリッジフィルタハウジング1内に円筒容器2を装着する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】この発明の実施の形態1である脱酸素モジュールの構造を示す断面図である。
【図2】実施の形態1の脱酸素モジュールに用いるにおける銅めっき鉄粉の粒度分布を示すグラフである。
【図3】実施の形態1の脱酸素モジュールの動作を示す説明図である。
【図4】実施の形態1の効果説明用の説明図である。
【図5】この発明の実施の形態2である脱酸素モジュールにける繊維束の構成を示す説明図である。
【図6】この発明の実施の形態3である脱酸素モジュールにける濾過材の構成を示す説明図である。
【図7】実施の形態1で示した脱酸素モジュールの脱酸素性能を測定する測定装置を模式的に示した説明図である。
【図8】図7で示した測定装置によって測定された溶存酸素濃度の経時変化を示す特性図である。
【図9】実施の形態1の脱酸素モジュールを有するカートリッジフィルタハウジングの製造方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0048】
1 カートリッジフィルタハウジング、2 円筒容器、3 スポンジ、4 銅めっき鉄粉、5,15 繊維束、6 不織布、7 脱酸素モジュール、8 濾過材、9 タンク、10 ポンプ、11 流量計、12 イオン交換樹脂塔、13 測定プローブ、14 酸素濃度計。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を上流側から下流側にかけて流すことが可能な内部構造を有する容器と、
前記容器内の所定箇所に設けられた粉体状脱酸素材と、
前記粉体状脱酸素材に対し前記下流側に設けられた濾過材とを備え、
前記粉体状脱酸素材は流体が前記容器内を流れる際に前記濾過材内に分散可能であり、前記濾過材は分散した前記粉体状脱酸素材を吸着可能なことを特徴とする、
脱酸素モジュール。
【請求項2】
請求項1記載の脱酸素モジュールであって、
前記粉体状脱酸素材に対し前記上流側に、圧縮状態で配置された膨張部材をさらに備え、
前記膨張部材は、流体が前記容器内を流れる際に前記粉体状脱酸素材が前記濾過材内に分散されるに際に生じる容積減少分を補うように、膨張することを特徴とする、
脱酸素モジュール。
【請求項3】
請求項1あるいは請求項2記載の脱酸素モジュールであって、
前記濾過材は複数本の繊維が所定の空隙率を保ちつつ束ねられた繊維束を含む、
脱酸素モジュール。
【請求項4】
請求項3記載の脱酸素モジュールであって、
前記繊維束は、
各々が所定数の繊維を予め束ねることにより構成される複数の繊維小束が、所定の空隙率を保ちつつ束ねられたことを特徴とする、
脱酸素モジュール。
【請求項5】
請求項1あるいは請求項2記載の脱酸素モジュールであって、
前記容器は前記上流側から前記下流側にかけて所定の断面形状で形成される胴部を有し、
前記濾過材は前記胴部内に配置され、各々が前記所定の断面形状を有する所定数の部分濾過材を積み重ねることにより構成される、
脱酸素モジュール。
【請求項6】
(a) 流体を上流側から下流側にかけて流すことが可能な内部構造を有する容器を準備するステップと、
(b) 前記容器内に粉体状脱酸素材を充填するステップと、
(c) 前記粉体状脱酸素材に対し前記下流側に濾過材を配置するステップとを備え、
前記粉体状脱酸素材は流体が前記容器内を流れる際に前記濾過材内に分散可能であり、前記濾過材は分散した前記粉体状脱酸素材を吸着可能である、
脱酸素モジュールの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−229675(P2007−229675A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−57446(P2006−57446)
【出願日】平成18年3月3日(2006.3.3)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】