説明

脱NOX触媒調製法

本発明は、燃焼プロセスからの排気ガスおよび廃ガスを浄化するために有用な金属酸化物触媒を製造するための方法である。この方法は、酸素存在下に少なくとも1000℃の温度で、二酸化チタン前駆体、酸化バナジウム前駆体、および酸化タングステン前駆体を反応させることを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、金属酸化物触媒を製造する方法に関する。これらの触媒は、燃焼プロセスからの排気ガスおよび廃ガスを浄化するために有用である。
【0002】
(発明の背景)
酸素存在下での化石燃料または石炭の高温燃焼は、望ましくない窒素酸化物(NOx)の産生を招く。研究および商業上の相当な努力により、これらの周知の汚染物質の産生を抑止し、または空中へ放出する前にこれらの物質を除去することが試みられてきた。加えて、連邦法は、大気に放出される窒素酸化物を減量するために益々より厳格な要件を課すようになってきている。
【0003】
燃焼排出ガスからNOxを除去するための方法は、当業者には公知である。選択的触媒還元法は、特に効果的である。この方法では、触媒の存在下で窒素酸化物をアンモニア(または排出廃ガス中に存在する未燃焼の炭化水素等の別の還元剤)によって還元し、窒素を形成する。効果的な選択的触媒還元法DeNOx触媒には、アナターゼ型の二酸化チタンの上に担持された酸化バナジウム(例えば、米国特許第4,048,112号を参照されたい)、およびチタニアと、モリブデン、タングステン、鉄、バナジウム、ニッケル、コバルト、銅、クロムまたはウランの酸化物(例えば、米国特許第4,085,193号を参照されたい)の少なくとも1種とを含む様々な混合金属酸化物触媒がある。
【0004】
NOxの選択的触媒還元のために特に効果的な触媒は、二酸化チタン、五酸化二バナジウム、ならびに三酸化タングステンおよび/または三酸化モリブデンを含む金属酸化物触媒である(米国特許第3,279,884号)。これらの触媒を作る現行法は、硫酸塩法から生じた二酸化チタン前駆体(加水分解物)を、最初に水性ゾル−ゲル方法で沈殿させ、次いでタングステン前駆体(通常パラタングステン酸アンモニウム)を沈殿材料上に析出させ、混合物を脱水し、乾燥し、最終的に所望の結晶性になるまでか焼して表面上に酸化タングステンを有する二酸化チタン材料を得る(例えば、米国特許第3,279,884号および第4,085,193号を参照されたい)という多段階法である。通例、酸化バナジウム前駆体も、続くステップで二酸化チタン−酸化タングステン材料上に分散させて触媒に高い活性を与えるが、これには別の析出およびか焼処理が必要である。
【0005】
米国同時係属出願第10/968,706号は、二酸化チタン、酸化バナジウムおよび被担持金属酸化物を含む触媒を製造する方法を教示している。この被担持金属酸化物(W、Mo、Cr、Sc、Y、La、Zr、Hf、Nb、Ta、Fe、Ru、およびMnのうちの1つまたは複数)は、酸化バナジウムを析出させる前に、最初に二酸化チタン上に担持される。チタニア担持金属酸化物は、酸化バナジウムを析出させる前には、pH3.75以下の等電点を有している。
【0006】
要約すると、大気へ放出する前に窒素酸化物を除去する選択的触媒還元改良法の開発のために、新触媒および新触媒調製方法が必要である。資金、時間およびエネルギーの消費を低減できる触媒を効率よく製造する一段階法が、特に望まれている。
【0007】
(発明の概要)
本発明は、DeNOx触媒として有用な金属酸化物を製造するための方法である。この方法は、酸素存在下に少なくとも1000℃の温度で二酸化チタン前駆体、酸化バナジウム前駆体、および酸化タングステン前駆体を反応させることを含む。本発明の方法によって製造された触媒は、従来の方法によって製造された触媒に比べて、アンモニアによる窒素酸化物の分解に対して、驚くほどより効果的である。
【0008】
(発明の詳細な説明)
本発明の方法は、酸素存在下に少なくとも1000℃の温度で、二酸化チタン前駆体、酸化バナジウム前駆体、および酸化タングステン前駆体を反応させることを含む。二酸化チタン前駆体は、酸素存在下で高温にさらされると二酸化チタンを形成するチタン含有化合物である。特定の二酸化チタン前駆体を選択することにより本発明の方法が限定されることはないが、本発明において有用で適切なチタン化合物には、チタンアルコキシドおよびチタンハロゲン化物が含まれるが、これらに限定されない。好ましいチタンアルコキシドは、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラエトキシドおよびチタンテトラブトキシドである。チタンテトラエトキシドが、特に好ましい。好ましいチタンハロゲン化物には、三塩化チタンおよび四塩化チタンが含まれる。
【0009】
酸化バナジウム前駆体は、酸素存在下で高温にさらされると酸化バナジウムを形成するバナジウム含有化合物である。特定の酸化バナジウム前駆体を選択することにより本発明の方法が限定されることはないが、本発明において有用で適切なバナジウム化合物には、バナジウムハロゲン化物、バナジウムオキシハロゲン化物、バナジウムアルコキシドおよびバナジウムアセチルアセトネートが含まれるが、これらに限定されない。
【0010】
酸化タングステン前駆体は、酸素存在下で高温にさらされると酸化タングステンを形成するタングステン含有化合物である。特定の酸化タングステン前駆体を選択することにより本発明の方法が限定されることはないが、本発明において有用で適切なタングステン化合物には、タングステンアルコキシド、タングステンハロゲン化物、タングステンオキシハロゲン化物、タングステン酸、およびタングステン酸アンモニウムが含まれるが、これらに限定されない。
【0011】
金属酸化物触媒は、0.1〜20重量パーセントの酸化タングステン、0.2〜10重量パーセントの酸化バナジウム、残り分としての二酸化チタンを含むことが好ましい。より好ましくは酸化タングステンを4〜15重量パーセントおよび酸化バナジウムを1〜3重量パーセント含む。
【0012】
金属酸化物触媒の熱安定性を増加させるには、追加の酸化物前駆体を加えることが有利となり得る。適切な添加物には、二酸化ケイ素源、酸化アルミニウム源、酸化セリウム源、酸化ランタン源、二酸化ジルコニウム源、およびそれらの混合物が含まれる。添加物は、酸素存在下で高温にさらされると、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化ランタン、または二酸化ジルコニウムを形成する化合物である。
【0013】
適切な二酸化ケイ素源には、ケイ素アルコキシド、ハロゲン化ケイ素、およびシランが含まれるが、これらに限定されない。好ましいケイ素アルコキシドは、オルトケイ酸テトラエチル、オルトケイ酸テトラメチル等である。特にオルトケイ酸テトラエチルが好ましい。好ましいシランには、ヒドロシラン、アルキルシラン、アルキルアルコキシシラン、およびアルキルハロシランが含まれる。適切な酸化アルミニウム源には、アルミニウムハロゲン化物、アルミニウムトリイソプロポキシド等のアルミニウムトリアルコキシド、およびアルミニウムアセチルアセトネートが含まれるが、これらに限定されない。適切な酸化セリウム源には、セリウムハロゲン化物、セリウムアルコキシド、酢酸セリウム、およびセリウムアセチルアセトネートが含まれるが、これらに限定されない。適切な酸化ランタン源には、ランタンハロゲン化物、ランタンアルコキシド、酢酸ランタン、およびランタンアセチルアセトネートが含まれるが、これらに限定されない。適切な二酸化ジルコニウム源には、ジルコニウムアルコキシド、ジルコニウムハロゲン化物、ジルコニウムオキシハロゲン化物、酢酸ジルコニウム、およびジルコニウムアセチルアセトネートが含まれるが、これらに限定されない。
【0014】
追加の酸化物前駆体を使用する場合、金属酸化物触媒は、1〜20重量パーセントの追加酸化物を含有するのが好ましく、2〜10重量パーセントがより好ましいであろう。
【0015】
本発明の方法は、酸素存在下に少なくとも1000℃の温度で、上記の酸化物前駆体を反応させることを含む。反応は、1200〜3000℃の範囲の温度で起こることが好ましい。反応圧力は、5〜100ゲージpsiの範囲であることが好ましい。
【0016】
この方法においては酸素を必要とする。いかなる酸素源でも適しているが、分子状酸素が好ましい。酸素の量は、前駆体が未反応で残るのを避けるために、二酸化チタン、酸化タングステン、酸化バナジウムおよび追加の金属酸化物の前駆体が完全燃焼するのに必要とされる化学量論量を約10%超上回ることが好ましい。
【0017】
金属酸化物を製造するための酸素存在下の金属酸化物前駆体の高温反応は、当業者には周知である。これらの公知の方法のいずれも、本発明に適している。例えば、高温反応域で二酸化チタン前駆体および酸素を反応させることによって二酸化チタン粒子を製造するための多くの商業的および公表された方法がある。例えば、米国特許第3,512,219号は、二酸化チタンの製造のための高温方法および装置を記載している。米国特許第6,627,173号は、火炎酸化または火炎加水分解反応器に入れる前に四塩化チタンを気化する、酸化亜鉛、酸化マグネシウムおよび酸化アルミニウムをドープした二酸化チタンの製造法を教示している。別の例として、米国特許第5,075,090号は、有機金属チタン前駆体を有機溶媒に溶解し、高温燃焼域に噴霧する方法を開示している。高温での二酸化チタン前駆体と酸素との間の反応は極めて速く、二酸化チタンを産生する。
【0018】
本発明の方法を、高温酸化反応に適するいかなる既知の反応器でも行うことができる。本発明を実行する目的で、従来のいかなる種類の耐食反応槽も用いることができる。この槽は、好ましくは反応域の内部およびそこを通過する反応物および生成物の連続流が得られ、その速度、混合率、温度、およびその結果として滞留時間分布を制御できるような、設計、構造および寸法を有するものでなければならない。例えば、米国特許第6,387,347号に記載されるように、二酸化チタン製造のために、二酸化チタン前駆体の供給流を多数有する、様々な反応器形状が使用されてきた。
【0019】
酸素存在下での様々な金属酸化物前駆体の反応のための好ましい滞留時間は、0.1〜100ミリ秒の範囲であり、最も好ましくは0.2〜2ミリ秒の間である。平均滞留時間(t)は、反応器の容積(V)、および反応物の体積流速(Q)の関数であり、次のように簡易に記述できる。
【0020】
t=(Q/V)
通常、(所与の温度および圧力で)平均滞留時間が長いほど、粒子がより大きくなる。実際、反応槽内での滞留時間の分布は、混合強度、ガスの密度および温度プロファイルの複雑な関数である。必要とされる所望の滞留時間を、流体力学および粒子成長についての周知の理論から計算することができる。本発明の方法を実施するために、反応器の反応域の物理的パラメーターを、該式(上記)によって記述されるような予測プロセス条件に合わせて調節することにより、所望の粒子径および比表面積を実現する。
【0021】
例えば、反応域に入ってくる金属酸化物前駆体が通過するスロットまたは開口部の幅を調節することによって、流れを制御できる。当業者ならば理解されようが、反応物を推進して通過させる十分なエネルギーがあれば、スロットの幅増加によって、一般的に反応物の液滴径が増加し、比表面積が低下したより大きな粒子が生成することになろう。
【0022】
二酸化チタン前駆体、酸化バナジウム前駆体、酸化タングステン前駆体、および任意選択で追加の酸化物前駆体を蒸気にして反応域に加えてもよいし、またはそれらを有機溶媒に溶解してもよい。反応域に導入する前に、酸化物前駆体を有機溶媒に溶解することが好ましい。酸化物前駆体を有機溶媒に溶解し、火炎酸化反応域に、殊にエアロゾルの形で噴霧することが特に好ましい。遠心分離式噴霧器、二流体噴霧器、電気スプレー式噴霧器、ネブライザ、コリソンネブライザ、超音波ネブライザ、開口部振動エアロゾル発生器等を含む液滴を生成させるための従来装置のいずれでも、エアロゾルを調製するために使用できる。
【0023】
触媒粒子の粒子径は、噴霧装置の効率および溶液中の前駆体の濃度に依存する。液滴の平均直径は、反応器構成の詳細、使用される分散ガスの量および溶液の特性(密度、表面張力および粘度)に依存して変わり得る。通常の液滴の直径は、0.2μm〜200μm、好ましくは2〜20μmの範囲である。濃度を2〜25重量パーセントの範囲に維持することが好ましい。
【0024】
前駆体を溶解するために使用される有機溶媒は、メタノール、エタノール、iso−プロパノール、n−プロパノール、キシレン、トルエン等でよい。溶媒を使用するならば、キシレンおよびトルエンが特に好ましい。火炎酸化反応のためには、火炎温度を1500〜2200Kの間の所望のレベルに維持するために、溶媒のエンタルピー容量が重要である。これには10〜30kJ/gの正味の燃焼熱を必要とする。
【0025】
金属酸化物前駆体のほかに、キャリアーガスを用いることが好ましい。適切なキャリアーガスの例には、空気、窒素、酸素、水蒸気、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素等が含まれる。これらのうち、空気および窒素が好ましい。
【0026】
二酸化チタン前駆体、酸化バナジウム前駆体、酸化タングステン前駆体、および任意選択による追加の酸化物前駆体を加える順序は、本発明の方法にとって重要ではない。本発明の一実施形態では、二酸化チタン前駆体、酸化バナジウム前駆体、酸化タングステン前駆体、および任意選択による追加の酸化物前駆体を、高温反応域に一斉に供給する。本発明の別の実施形態では、これらの様々な前駆体を、別々に高温反応域に加える。
【0027】
火炎酸化法のために、反応器に導入される反応物に天然ガスの口火によって点火するか、またはレーザー、放電、および加熱ワイヤー等の他のいずれの手段によってそれらに点火してもよい。
【0028】
反応および触媒粒子形成に続いて、金属酸化物触媒を、キャリアーガスおよび反応副産物から分離することが好ましく、次いで濾過器、サイクロン集塵器、静電分離器、バッグフィルター、フィルターディスク、洗浄集塵装置等の1種または複数の装置によって集める。反応終了時のガスは、キャリアーガス、酸化物前駆体化合物の分解産物および溶媒蒸気からなる。
【0029】
驚くべきことであり意外なことであるが、本発明の方法によって製造された金属酸化物触媒は、従来の方法によって製造された触媒と比べて、アンモニアによる窒素酸化物の選択的触媒還元においてより効果的であることも見出された。その上、それらが高温で製造されていても、所望のアナターゼ相が支配的になっている(>90重量%のアナターゼ)。
【0030】
以下の実施例は、単に本発明を例証しているにすぎない。当業者なら、本発明の精神および特許請求の範囲内に入る多くの変形を認めるであろう。
【0031】
比較例1:従来の触媒の調製
比較触媒1A:モノエタノールアミン(0.185g)、脱イオン水(20mL)、および五酸化バナジウム(0.184g)を五酸化バナジウムが溶解するまで、25mLフラスコ内において60℃で混合する。次いで、10重量%酸化タングステン担持アナターゼ型二酸化チタン(Millennium Inorganic Chemicals,Inc.製DT52、10g)を溶液中で攪拌する。溶媒を真空下で気化させ、粉末を110℃で一晩乾燥させる。乾燥した試料を、600℃で6時間、空気中でか焼し、比較触媒1Aを製造する。最終的
な五酸化バナジウム担持量は、1.8重量%である。
【0032】
比較触媒1B:チタニア担体を、10重量%酸化タングステン及び9重量%シリカ担持アナターゼ型二酸化チタン(Millennium Inorganic Chemicals,Inc.製DT58、10g)で置き換える以外は1Aの手順に従って、1Bを調製する。
【0033】
実施例2:触媒の火炎噴霧合成
触媒2A:10重量%の酸化タングステン、1.8重量%の酸化バナジウム、および残りがTiO2、からなる粉末を生じる前駆体溶液を、チタンイソプロポキシド(40.6g)、タングステンエトキシド(2.3g)、バナジウムイソプロポキシド(0.76g)をトルエン(300mL)に溶解して調製する。溶液中の総金属濃度を0.5Mに保ち、注射器ポンプで毛細管を通して供給し(5mL/minの割合で)、5L/minの酸素によって細かい噴霧を形成して分散させる。毛細管先端での圧力降下を、ノズルでの開口部ギャップを調節することによって1.5barの一定値に保つ。火炎温度は、約2000Kである。希釈用の空気を導入して反応生産物を冷却し、二酸化チタンをフィルター上で集める。
【0034】
触媒2Aは、102m2/gの比表面積および93重量%のアナターゼ含有率(総チタニアに対して)を有する。
【0035】
触媒2B:10重量%の酸化タングステン、0.9重量%の酸化バナジウム、2重量%の二酸化ケイ素および残りがTiO2、からなる粉末を生じる前駆体溶液を、チタンイソプロポキシド(40.6g)、タングステンエトキシド(2.3g)、バナジウムイソプロポキシド(0.38g)、およびオルトケイ酸テトラエチル(0.83g)をトルエン(300mL)に溶解して調製する以外は、2Aの手順に従って、触媒2Bを調製する。
【0036】
触媒2Bは、101m2/gの比表面積および95重量%のアナターゼ含有率(総チタニアに対して)を有する。
【0037】
触媒2C:10重量%の酸化タングステン、0.9重量%の酸化バナジウム、5重量%の二酸化ケイ素、および残りがTiO2、からなる粉末を生じる前駆体溶液を、チタンイソプロポキシド(40.6g)、タングステンエトキシド(2.3g)、バナジウムイソプロポキシド(0.38g)、およびオルトケイ酸テトラエチル(2.08g)をトルエン(300mL)に溶解して調製する以外は、2Aの手順に従って、触媒2Cを調製する。
【0038】
触媒2Cは、101m2/gの比表面積および96重量%のアナターゼ含有率(総チタニアに対して)を有する。
【0039】
実施例3:選択的触媒還元の試行
NO転換率を、固定床反応器中で触媒粉末(1A〜2C)を使用して測定する。反応器へ供給する組成物は、300ppmのNO、360ppmのNH3、3体積%のO2、10体積%のH2O、および残りがN2である。ガス空間速度(GHSV)は83,000h-1であり、反応器への供給は圧力降下の増加を防ぐために上向流である。触媒の性能を、220℃、270℃および320℃で測定する。測定は、初めに反応器を経由して排出流を通過させながら定常状態を確立して触媒の性能を測定し、次いで反応器を迂回させて無反応の状態で濃度を定量することによって行われる。転換率は、相対的差異によって決定される。
【0040】
表1では、本発明の方法によって製造した触媒は、従来の方法によって調製した触媒と比較して、アンモニアによる窒素酸化物の分解に対して有意に活性が高いという結果を示している。
【0041】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸素の存在下に少なくとも1000℃の温度で、二酸化チタン前駆体、酸化バナジウム前駆体、および酸化タングステン前駆体を反応させることを含む金属酸化物触媒を製造するための方法。
【請求項2】
二酸化チタン前駆体が、チタンアルコキシドおよびチタンハロゲン化物からなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
酸化バナジウム前駆体が、バナジウムハロゲン化物、バナジウムオキシハロゲン化物、バナジウムアルコキシド、およびバナジウムアセチルアセトネートからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
酸化タングステン前駆体が、タングステンアルコキシド、タングステンハロゲン化物、タングステンオキシハロゲン化物、タングステン酸、およびタングステン酸アンモニウムからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
金属酸化物触媒が、0.1から20重量パーセントの酸化タングステン、0.2から10重量パーセントの酸化バナジウム、および残り分としての二酸化チタンを含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
反応が、二酸化ケイ素源、酸化アルミニウム源、酸化セリウム源、酸化ランタン源、二酸化ジルコニウム源、およびそれらの混合物からなる群から選択される追加の酸化物前駆体の存在下で起こり、二酸化チタン、酸化バナジウム、酸化タングステン、および追加の酸化物を含む金属酸化物触媒を形成する請求項1に記載の方法。
【請求項7】
金属酸化物触媒が、0.1から20重量パーセントの酸化タングステン、0.2から7重量パーセントの酸化バナジウム、1から20重量パーセントの追加の酸化物、および残り分としての二酸化チタンを含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
二酸化チタン前駆体、酸化バナジウム前駆体、および酸化タングステン前駆体の溶液を液滴状に形成し、次いで火炎酸化する請求項1に記載の方法。
【請求項9】
二酸化チタン前駆体、酸化バナジウム前駆体、および酸化タングステン前駆体を、一斉に反応に供給する請求項1に記載の方法。
【請求項10】
二酸化チタン前駆体、酸化バナジウム前駆体、および酸化タングステン前駆体を、別々に反応に供給する請求項1に記載の方法。
【請求項11】
反応が、1200から3000℃の間の温度で起こる請求項1に記載の方法。
【請求項12】
反応が、5から100ゲージpsiの範囲の圧力で起こる請求項1に記載の方法。

【公表番号】特表2009−519813(P2009−519813A)
【公表日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−545606(P2008−545606)
【出願日】平成18年11月14日(2006.11.14)
【国際出願番号】PCT/US2006/044220
【国際公開番号】WO2007/078435
【国際公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(506036493)ミレニアム インオーガニック ケミカルズ、 インコーポレイテッド (11)
【氏名又は名称原語表記】MILLENNIUM INORGANIC CHEMICALS, INC.
【Fターム(参考)】