説明

膨潤を制御するように処理されたイオン交換樹脂

本発明は、1種または複数のイオン性薬剤活性薬物と接触している約0.01重量%〜約10重量%の1種または複数の糖アルコールで処理されたイオン交換樹脂を含む方法および組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に活性剤の制御放出に関し、具体的にはイオン交換樹脂に吸着された薬理学的に活性な薬物に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の範囲を限定するわけではないが、その背景を、例として、イオン交換樹脂と関連して説明する。最近では、薬剤用途で用いられるイオン交換樹脂は、様々な機能、例えば持続放出の提供、味質のマスキング、多型現象の排除、難溶性薬物の溶解の改善、潮解性の排除、水摂取の低減、安定性の向上、乱用傾向の低減および薬理学的に活性な薬物の物理的特性の改善を果たしている。例えば、イオン交換樹脂は、薬物をイオン交換樹脂に吸収させて薬物−樹脂複合体を形成させることによって、薬理学的に活性な薬物の連続放出を延長させるのに用いられる。具体的な例では、薬物−樹脂複合体に速度制御コーティングを施す。
【0003】
持続放出薬物−樹脂複合体により、所定の期間にわたる薬理学的に活性な薬物の制御放出が提供される。したがって、これらの複合体は、対象への活性薬物の連続的または間欠的供給を可能にする。持続放出薬物−樹脂複合体は、長い期間にわたって治療レベルの薬物をもたらす好都合な剤形を提供する。薬物の放出によって、通常の薬物剤形で得られる期間より著しく長い期間、治療効果のある血漿中濃度が維持される。
【0004】
一般的な意味では、イオン交換樹脂は、ポリマー主鎖に沿って分布したイオン性基を含むポリマーの組立体と説明される。ポリマーは主鎖のイオン性基に関わるイオンを有する。そのポリマーを対イオンの溶液と混合すると、溶液中の対イオンはポリマーのイオンと交換され、対イオンは溶液から物理的に除去される。したがって、共有結合性相互作用に抗して、溶液中の薬物イオン(例えば、対イオン)を、イオン相互作用によってイオン交換樹脂(例えば、ポリマー)のイオンと交換することができる。次いで薬理学的に活性な薬物イオンがイオン交換樹脂から溶出して対象を治療することができる。
【0005】
活性薬物の大部分は、イオン交換樹脂のポリマーマトリックス内でイオン的に結合している。活性薬物は時間と共にポリマーマトリックスから溶出して特定の放出プロファイルを提供する。吸着された薬物分子のサイズおよび/またはポリマー樹脂粒子のサイズ(例えば、陽イオン交換樹脂の架橋)を変えて溶出速度を制御することができる。薬理学的に活性な薬物のイオン交換樹脂への吸着方法は当業者に周知の技術であり、多くの米国特許や外国特許の対象となっている。一般に、吸着は、水溶液中で薬理学的に活性な薬物とイオン交換樹脂を混合し、ろ過、乾燥し、任意選択で水透過性拡散バリアを用いてコーティングして実施する。
【0006】
米国特許第4,996,047号は、指定された値以上の薬物含量を有する薬物−樹脂複合体を提供するための、イオン交換樹脂と結合した薬理学的に活性な薬物を含む経口医薬品を開示している。続いてその薬物−樹脂複合体は、胃腸液中で不溶性の水透過性拡散バリアコーティングでコーティングされる。したがって、胃腸管中で遭遇する条件下で薬物の放出が制御される。
【0007】
薬剤用の送達剤としてイオン交換樹脂を用いることに伴う主な欠点のうちの1つは、イオン交換樹脂粒子が膨潤の影響を受けやすいことである。例えば、乾燥した非水和薬物複合体が流体、例えば水、体液、胃腸液と接触した場合、イオン交換樹脂の薬物複合体は著しい膨潤を受ける可能性がある。イオン交換樹脂の膨潤はしばしば拡散バリアコーティングを破壊させ、薬物の拡散速度の制御を損なう結果を引き起こす。
【0008】
米国特許第4,847,077号は、臨界量のグリセリンで処理して、そのコーティング性を高めたスルホン酸および陽イオンの交換樹脂を開示している。この明細書は、臨界量のグリセリンで処理したスルホン酸陽イオン交換樹脂に吸収された薬理学的に活性な一塩基性薬物の持続的連続放出を具現化する方法を開示している。具体的には、コーティングされたスルホン酸陽イオン交換樹脂薬物複合体粒子を含む制御放出医薬品は、コーティングする前に、約15重量%〜25重量%のグリセリンで処理されると教示されている。
【0009】
最後に、米国特許第4,221,778号には、溶媒和剤で処理された拡散バリアコーティングイオン交換樹脂薬物複合体を含む医薬品が教示されている。溶媒和剤は水の中での膨潤速度を遅延させるが、それは膨潤の全体量を低減させるものではなく、そこで膨潤が起こる速度だけを遅延させるものである。
【発明の要約】
【0010】
本発明者等は、処方物に用いられる膨潤剤の濃度を低下させ、かつ、膨潤低減剤の薬理学的に活性な薬物との相溶性を増大させても、流体と接触した際、膨潤しないかまたは放出速度を変えない薬理学的に活性な薬物−樹脂複合体の必要性を認識している。
【0011】
上記問題は長年認識されているものであり、多くの解決策が提示されてきたが、そのどれも単一の組成物における問題、例えば、膨潤の制御、膨潤剤濃度の低減、膨潤制御剤の有効性の増大および膨潤低減剤の薬理学的に活性な薬物との相溶性の増大のすべてに対して十分に対処しているものではない。
【0012】
本発明者等は、非水和樹脂−薬物複合体を流体、例えば水、体液、胃腸液と接触して置いた場合、薬剤として許容されるイオン交換樹脂として用いられる材料の性質が、樹脂に著しい膨潤(例えば、最大で約60%容積が増大)をもたらすことを確認した。イオン交換樹脂−薬物複合体を水透過性拡散バリアでコーティングした場合、イオン交換樹脂の膨潤によって拡散バリアコーティングが破壊されることが多い。水透過性拡散バリアコーティングへの損傷により、樹脂−薬物複合体からの薬物の拡散速度の制御性が失われる結果となる。さらに、イオン交換樹脂の膨潤はイオン交換樹脂−薬物複合体の寸法や形状に影響を及ぼす。その上、樹脂−薬物複合体からコーティングが剥がれる可能性がある。
【0013】
イオン交換樹脂の膨潤を低減させる試みとして、従来技術の方法はイオン交換樹脂−薬物複合体を、含浸剤、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、マンニトール、ラクトース、メチルセルロースまたはプロピレングリコールで処理することを教示している。しかし、膨潤を制御するために用いられる含浸剤の量は、様々な因子(例えば、ポリマー、溶媒組成、塩濃度、溶媒の極性、架橋度、交換能力、イオン基の強いかまたは弱い溶媒和傾向、対イオンの溶媒和の大きさおよびその度合、外部溶液の濃度、官能基のイオン解離の程度等)の影響を受け、15重量%〜40重量%の範囲にわたる。例えば、現在用いられている1つの処方物には、膨潤を低減させるための約30重量部の溶媒和剤と100重量部の樹脂でポリエチレングリコール4000を用いて処理された、35%薬物をロードしたAMBERLITE(登録商標)IR−120フェニルプロパノールアミン複合体が含まれる。
【0014】
特に、イオン交換樹脂薬物複合体の膨潤を制御するためのグリコールの使用は多くの欠点をもたらす。例えば、イオン交換樹脂薬物複合体の膨潤を制御するためには、グリコールの濃度は15重量%〜40重量%でなければならない。しかし、そうしたグリコールの濃度であっても、イオン交換樹脂薬物複合体の膨潤は残る。さらに、多くの化合物、例えばペニシリン、バシトラシン、ヨウ素、ヨウ化カリウム、タンニン酸および蒼鉛塩はグリコールと相溶性がない。
【0015】
本発明によれば、1種または複数のイオン性の薬剤として活性な化合物と接触させて、約0.1重量%〜約10重量%の1種または複数の糖アルコールで処理したイオン交換樹脂を含む方法と組成物を提供する。具体的には、そのイオン交換樹脂は、含浸剤濃度は低く維持しながら、薬物樹脂複合体がその後膨潤するのを制御するように、5%未満のソルビトールで処理された陽イオン交換樹脂である。
【0016】
例えば、本発明は、イオン交換樹脂と一緒に薬剤として活性な物質を有する医薬組成物であって、そのイオン交換樹脂が約0.01重量%〜約10重量%の1種または複数の糖アルコールで処理されている組成物を含む。
【0017】
本発明によれば、1種または複数の陽イオン交換樹脂粒子を、糖アルコールと1種または複数のイオン交換樹脂粒子の合計重量に対して約0.01重量%〜約10重量%の糖アルコールを含む溶液と接触させることによって、医薬組成物の膨潤を低減させる方法を提供する。
【0018】
さらに、本発明は、洗浄を必要としない薬剤用イオン交換樹脂薬物複合体を調製するための方法を含む。その方法は、十分湿潤させた1種または複数の陽イオン交換樹脂粒子を薬物と接触させ、糖アルコール、薬物および十分湿潤させた1種または複数のイオン交換樹脂粒子の合計重量に対して約0.1重量%〜約10重量%の1種または複数の糖アルコールを加えることを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の様々な実施形態物の作製および使用を以下に詳細に論じるが、本発明は、広範な具体的状況において具現化できる多くの適用可能な本発明の考え方を提供するものであることを理解すべきである。本明細書で用いる用語および論じる具体的な実施形態は、本発明物を作製し使用するための特定の方法の単なる例に過ぎず、本発明の範囲を区切るものではない。本発明は、消費者用途と工業用途の両方において、廃棄物処理、腐食防止、農薬の放出、およびイオン交換の考え方を用いた多くの他の分野にも用いることができる。
【0020】
本発明をより理解しやすくするために、本明細書では多くの定義を提供する。本明細書で用いる「医薬組成物」という用語は、液剤、懸濁剤、クリーム剤、軟膏、ローション、カプセル剤、カプレット剤、ソフトカプセル剤、ジェルキャップ剤、坐薬、かん腸剤、エリキシル剤、シロップ剤、乳剤、膜剤、顆粒剤、ガム剤、挿入剤、ゼリー剤、泡状剤、ペースト剤、芳香剤、ペレット剤、噴霧剤、トローチ剤、薬用キャンデー、ディスク剤、マグマ剤、湿布薬またはウエハース剤等も意味する。
【0021】
本明細書で用いる「糖アルコール」、「有機ポリオール」、「多価アルコール」、「ポリアルコール」または「ポリオール」という用語は互換的に用いられ、少なくとも2個のヒドロキシ基を有する非毒性のC2〜C12直鎖または分鎖の炭化水素、少なくとも2個のヒドロキシ基を有する非毒性のC5〜C12環状または複素環炭化水素、例えば、ソルビトール、マンニトール、ポリグリシトール、マルチトール、ラクチトール、イソマルト、エリトリトール、グリセリン、ポリデキストロース、フルクトース、マルトースキシリトール、1,3−ジヒドロキシプロパンイノシトールおよびグルコース、スクロースなどの炭水化物を意味する。
【0022】
本明細書では「即時放出」(immediate release)という用語は、活性な形態であっても、前躯体としてかつ/または代謝産物としてであっても、できるだけ早く、すなわち、対象が事実上利用できるようになるやいなや活性物質の送達を実現するような放出プロファイルを表すのに用いる。即時放出は機能的に、活性成分の80〜90パーセント(%)を、約60、90、100または120分間またはそれ以内に放出することと定義することもできる。本明細書で用いる即時放出は、ある種の薬物は動物がまったく吸収することができない可能性があるので、摂取に関係なく対象が活性成分を利用できるようにすることと定義することもできる。圧延型ビーズまたは圧縮型ビーズなどの活性物質を担体に担持させた即時放出処方物は、ビーズ上で表面積が最大になり、活性物質が直ちに曝露されるように処方することができる。当業者は、胃や小腸への薬物送達を実現するために、圧縮度、接着材料および/またはビーディング加工の選択に応じて、種々の即時放出剤形を容易に設計することができる。
【0023】
本明細書では「延長放出」(extended release)、「制御放出」(controlled release)および「遅延放出」(delayed release)という用語は、本明細書で約60分間から約2、4、6またはさらに24時間と定義される長い期間にわたって活性物質の送達を実現させるような放出プロファイルを定義するのに用いる。延長放出は機能的に、約60分および約2、4、6時間またはさらに8時間後に、活性成分の80〜90パーセント(%)を放出することと定義することもできる。本明細書で用いる延長放出は、ある種の薬物は対象がまったく吸収することができない可能性があるので、摂取に関係なく対象が活性成分を利用できるようにすることと定義することもできる。当業者は、小腸と大腸の両方、小腸だけまたは大腸だけへの送達を実現するために、コーティング材料および/またはコーティング厚みの選択に応じて、本明細書で開示のようにして種々の延長放出用および遅延放出用剤形を容易に設計することができる。本明細書で用いる「対象」は、本発明の方法により利益を受ける患者、動物、昆虫、哺乳動物またはヒトである。
【0024】
活性薬物の持続放出や味質マスキングのために設計された医薬組成物には、通常イオン交換樹脂粒子が用いられる。本発明は、薬物を薬剤として許容されるイオン交換樹脂と複合化し、糖アルコールで処理し、場合によっては、その複合体を、コア複合体から胃腸液中への薬物の拡散を制御するためのバリアとして作用する物質でコーティングすることによって得られる制御放出医薬組成物を提供する。
【0025】
例えば、本発明は、約0.01重量%〜約10重量%の1種または複数の糖アルコールで処理することを含む、1種または複数のイオン性の薬剤として活性な薬物を用いてイオン交換樹脂粒子の膨潤を制御する方法および組成物を提供する。
【0026】
イオン交換樹脂粒子と薬理的薬物を水溶液中で混合し、乾燥し、水透過性拡散バリアでコーティングする。ソルビトールを、イオン交換樹脂−薬物複合体に加えて、体液と接触した際にイオン交換樹脂薬物複合体の膨潤を制御し、それによってコーティングの破壊と剥離を低減させる。
【0027】
例えば、医薬組成物は、イオン交換樹脂と一緒になっているイオン性の薬剤として活性な薬物であって、そのイオン交換樹脂が、1種または複数の糖アルコールと複合体粒子の合計重量に対して約0.01重量%〜約10重量%の1種または複数の糖アルコールで処理されている薬物を有することができる。任意選択で、医薬組成物に、水透過性拡散バリアコーティングを施すことができる。それによって、胃腸管で遭遇する条件下での薬物の選択的な持続的連続放出がもたらされる。
【0028】
本発明は、陰イオン性分子と結合させるための医薬品グレードの陽イオン性イオン交換樹脂を含む。イオン交換樹脂は単純に、ポリマー主鎖に沿って規則的に分布したイオン性基を含む不溶性ポリマーと説明することができる。結果として、イオン交換樹脂と会合しているどの対イオン(例えば、薬物)もイオン的にはイオン交換樹脂と結合しており、周囲の流体から物理的には分離されている。
【0029】
本発明の陽イオン交換樹脂は、強酸性であっても弱酸性であってもよく、様々な官能基、例えば弱酸性型のカルボン酸基を含む樹脂、またはスルホン酸官能基を含む強酸性型の樹脂を有する。一般に、カルボン酸官能基は、メタクリル酸またはポリメタクリル酸のポリマーまたはコポリマーから誘導され、スルホン酸官能基は、一般にスチレンおよびジビニルベンゼンのポリマーまたはコポリマーから誘導される。他のポリマーマトリックス、有機イオン交換マトリックスまたは無機イオン交換マトリックス、例えばメタクリル、アクリルおよびフェノールホルムアルデヒドを適切なイオン交換樹脂として用いることができる。
【0030】
さらに、イオン交換剤を、ポリマーマトリックス(例えば、セルロース系またはデキストラン)と一緒に用いて適切なイオン交換樹脂を形成することができる。本発明の一実施形態では、イオン交換樹脂はスルホン酸陽イオン交換樹脂である。本発明は、フェノール−スルホン酸陽イオン交換樹脂とカルボン酸−スルホン酸陽イオン交換樹脂を含むスルホン酸陽イオン交換樹脂を用いることもできる。一般に、樹脂塩はスルホン酸のアルカリ、例えばアミンとの反応により得られる。塩基性スルホン酸陽イオン交換樹脂は、その上に吸着されたアンフェタミンの陽イオンを有する。当業者は、他の陽イオン交換樹脂を用いることができることを理解されよう。
【0031】
同様に、広範囲の陽イオン性(塩基性薬物に対して)または陰イオン性(酸性薬物に対して)交換樹脂を用いてイオン交換樹脂薬物複合体を形成させることができる。一般に、イオン交換クロマトグラフィーでの使用や、水の脱イオン化のような用途に適したイオン交換体は制御放出処方物として用いるのに適している。例えば、大きなイオン交換粒子モデルには、20〜30メッシュの球状粒子を有する陽イオン交換樹脂AMBERLITE(登録商標)IR−120が含まれ、小イオン交換粒子樹脂モデルには、AMBERLITE(登録商標)IR−120の100〜200メッシュ破砕樹脂粒子を有するAMBERLITE(登録商標)XE−69が含まれる。製造メーカーは、AMBERLITE(登録商標)IR−120およびAMBERLITE(登録商標)XE−69の親樹脂を、水の中で膨潤するゲル型ジビニルベンゼンスルホン酸陽イオン交換樹脂であると説明している。他の適切なイオン交換樹脂候補には、様々なるポリマーマトリックス(例えば、メタクリル、アクリル、フェノールホルムアルデヒド)を用いた合成イオン交換樹脂、セルロースまたはデキストランのポリマーマトリックスおよび無機イオン交換マトリックスを用いたイオン交換剤が含まれる。
【0032】
イオン交換樹脂には、スルホン酸陽イオン交換樹脂が含まれ、これらは、スルホン酸基を含み、さらに、エチレングリコールから誘導される単位、トリエチレングリコールやテトラエチレングリコールから誘導される単位、およびテレフタレートから誘導される単位を含むポリエステルポリマー、末端アミン官能基を有する中性ポリエステル、ポリエステルブロックコポリマー、フタル酸およびスルホンフタル酸/エチレングリコール/ポリメチルシロキサンα,γ−ヒドロキシプロピルならびに酢酸ビニル/ビニルブチルベンゾエート/クロトン酸のブロックコポリマーから作製することができる。さらに、ポリマー樹脂は架橋されていてよい。架橋剤には、例えば、ジプロピレングリコールジアリルエーテル、ポリグリコールジアリルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ハイドロキノンジアリルエーテル、テトラアリルオキシエタノイル、アリルエーテル、ビニルエーテル、多官能アルコール、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリアリルアミン、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、メチレンビスアクリルアミドまたはジビニルベンゼンなどの少なくとも2個のオレフィン二重結合を含む1つのモノマーとのポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)のポリマーが含まれる。
【0033】
本発明で用いるための代表的な医薬品グレードのイオン交換樹脂は当業者によく知られているものである。例えば、医薬品グレードのイオン交換樹脂は、例えばRohm and HaasやDow Corning社から市販されている、例えば、AMBERLITE(登録商標)IR−20、AMBERLITE(登録商標)IRP−69、AMBERLITE(登録商標)IRP−64、AMBERLITE(登録商標)IRP−58、AMBERLITE(登録商標)IRC−50、AMBERLITE(登録商標)IRP−69があり、またDow(登録商標)XYS−40010.00、Dow(登録商標)XYS−40013.00等がある。医薬品グレードの陽イオン性イオン交換樹脂は、単分散または多分散混合物のいずれかで、様々なサイズの範囲の粒子を含むことができる。イオン交換樹脂粒子は40〜1500のサイズの範囲であってよい。1つの実施例では、100〜200メッシュのものからなるゲル型ジビニルベンゼンスルホン酸陽イオン交換樹脂AMBERLITE(登録商標)IRP−69を用いた。
【0034】
一般に、酸性および塩基性の薬物、特に、最大で約12時間程度の短い生物学的半減期を有するものはすべて、本発明に含めることができる候補品である。多くの薬物は遊離酸、遊離塩基および塩の形態で存在する。例えば、塩基性薬物は遊離塩基形態でも塩の形態でも存在することができる。例えば、塩基性薬物であるリドカインはアミン遊離塩基形態および塩酸酸付加塩形態を有する。これに対して、酸性薬物は、遊離酸形態か、または遊離酸を塩基と反応させて得られる塩の形態で存在することができる。例えば、サリチル酸は塩として、典型的にはサリチル酸ナトリウムとして存在する。例えば、陽イオン性樹脂は有機分子の塩基性窒素基と相互作用する。一般に、薬物上の官能基は、イオン交換樹脂との相互作用を決定づけるものであり、したがって、薬物の吸着や溶出特性に影響を及ぼす。活性薬物の大部分はポリマーマトリックス内に吸着されており、そこから溶出する。溶出速度を制御するために、イオン交換樹脂の架橋度を改変することによって、粒子のサイズおよび吸着される薬物のサイズを変えることができる。
【0035】
薬剤として活性な適切な薬物には、麻薬性鎮痛薬(例えば、コデイン、ジヒドロコデイン、ヒドロモルフォン、モルヒネ、ペンタゾシンおよびプロポキシフェン)、交感神経興奮剤(例えば、ノルエフェドリンおよび偽エフェドリン)、鎮咳薬(例えば、デキストロメトルファン、ガウイフェネシン[gauifenesin])、鎮痛剤(例えば、アスピリンおよびトラマドール)、制吐剤(例えば、メトクロプラミド)、抗コリン作用薬(例えば、アトロピン、臭化イプラトロピウムおよびスコポラミン)、筋肉弛緩剤(例えば、シクロベンザプリンおよびパパベリン)、気管支拡張薬(例えば、サルブタモール、テルブタリンおよびテオフィリン)、抗生物質(例えば、アモキシシリン、アンピシリン、アゾシリン、バカンピシリン、セファマンドール、セフォニシド、セフォタキシム、セフォテタン、セフォキシチン、セフトリアキソン、メズロシリンおよびピペラシリン)、抗うつ剤(例えば、ブプロピオン、ノミフェンシンおよびノルトリプチリン)、抗ぜんそく薬(例えば、クロモリン)、抗新生物薬(例えば、タモキシフェン)、抗てんかん薬(例えば、バルプロ酸およびフェンブトイン(phenvtoin))、心血管作動薬(例えば、プロプラノロール)フェニレフリンおよびガウイフェネシンが含まれる。上記薬物の酸付加塩、または適切なら、アルカリもしくはアルカリ土類金属塩は本発明での使用に特に適している。
【0036】
適切な薬剤として活性な薬物の具体的な例には、これらに限定されないが、デヒドロコール酸、ジフルニサル、エタクリン酸、フェノプロフェン、フロセミド、ゲムフィブロジル、イブプロフェン、ナプロキセン、フェニトイン、プロベネシド、スリンダク、テオフィリン、サリチル酸、アセチルサリチル酸、アセトフェナジン、アミトリプチリン、アンフェタミン、ベンズトロピン、ビペリデン、ブロモジフェンヒドラミン、ブロムフェニラミン、カルビノキサミン、クロルシクリジン、クロルフェニラミン、クロルフェノキサミン、クロルプロマジン、クレマスチン、クロミフェン、クロニジン、コデイン、シクリジン、シクロベンザプリン、シプロヘプタジン、デシプラミン、デスロラタジン、デクスブロムフェニラミン、デクスクロルフェニラミン、デキストロアンフェタミン、デキストロメトルファン、ジサイクロミン、ジフェマニル、ジフェンヒドラミン、ドクセピン、ドキシラミン、エルゴタミン、フルフェナジン、ハロペリドール、ヒドロコドン、ヒドロキシクロロキン、ヒドロキシジン、ヒヨスチアミン、イミプラミン、レボプロポキシフェン、ロラタジン、マプロチリン、メクリジン、メペンゾラート、メペリジン、メフェンテルミン、メソリダジン、メタドン、メトジラジン、メトスコポラミン、メチセルギド、メトプロロール、ノルトリプチリン、ノスカピン、ニリンドリン(nylindrin)、オルフェナドリン、パパベリン、ペンタゾシン、フェンジメトラジン、フェンテルミン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、ピリラミン、トリペレナミン、トリプロリジン、プロマジン、プロポキシフェン、プロパノロール、偽エフェドリン、ピリラミン、キニジン、スコポラミン、デキストロメトルファン、クロルフェニラミン、コデイン、アミノカプロン酸、アミノサリチル酸、ヒドロモルフォン、イソクスプリン、レボルファノール、メルファラン、モルヒネ、ナリジクス酸、パラアミノサリチル酸ならびにその混合物および組合せが含まれる。
【0037】
本発明で一緒に用いることができる酸性および塩基性の薬物には、フェニルプロパノールアミン(PPA)、デキストロメトルファン、エフェドリン、偽エフェドリン、パラアミノサリシク酸[salicyclic acid]、アセチルサリチル酸、フェンテルミン(フェニル−tert−ブチル−アミン)およびアセトアミノフェンが含まれる。当業者は、用いることができる様々な薬物および樹脂、ならびに薬物−樹脂複合体の特性を変えるのに用いることができるポリマー、コポリマー、架橋剤を変えるための変更形態を理解されよう。本発明を実施するのに有用な薬剤として活性な化合物には、抗ヒスタミン、充血除去剤、鎮咳薬および/または去痰薬が含まれる。本発明で共に用いられる他の薬物には、これらに限定されないが、非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)ならびに他の鎮痛剤薬物、例えばアセトアミノフェンおよびフェナセチンが含まれる。これらの物質は、そうした賦形剤ベース中におけるその物質の所望の放出特性によって支配される量で、かつ通常の投薬量で、適用されるFDAまたは他の規制に適合するように、本発明の即時放出処方物または制御放出処方物中に混ぜ込まれる。薬物は、所与の時間範囲にわたる薬物の特定の放出を可能にする特定の濃度でロードすることができる。一般に、結合させる薬物最大濃度は約60%を超えてよいが、本発明では約1%〜約50%の範囲が考えられる。
【0038】
本発明は、薬剤および薬物を含む生体活性剤、生体活性のある合成有機分子、遺伝物質、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、ビタミン、ステロイド、多価陰イオン性剤、遺伝物質および診断用薬剤を送達するのに用いることができる。生体活性のあるビタミン、ステロイド、タンパク質、ペプチドおよびポリペプチドは天然由来のものであっても合成由来のものであってもよい。多価陰イオン性剤の例には、これらに限定されないが、硫酸化多糖類、負に帯電した血清アルブミンおよび乳タンパク質、合成硫酸化ポリマー、高分子陰イオン界面活性剤およびポリリン酸塩が含まれる。適切な診断用薬剤には、これらに限定されないが、患者の磁気共鳴映像、超音波断層またはコンピュータ断層撮影に関連して用いられる染料や造影剤が含まれる。さらに、薬剤として活性な薬物は、昆虫、齧歯類および他の害虫の延長放出殺虫剤の制御で用いるのに知られている任意の殺虫剤であってもよい。
【0039】
適切な遺伝物質には、基質、炭水化物残基またはホスホジエステル結合への改変を用いるか用いないで、単離されたゲノム、合成または組換えによる物質のいずれか、一本鎖または二重鎖のいずれか、センスまたはアンチセンスの方向のいずれかであってよい、核酸、ヌクレオシド、ヌクレオチドおよびポリヌクレオチドが含まれる。遺伝物質のための供給源の例には、これらに限定されないが、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、相補的DNA(cDNA)、メッセンジャーRNA(mRNA)、リボソームRNA(rRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、リボザイム、ならびにRNAおよびDNAの混合二重鎖および三重鎖が含まれる。
【0040】
遺伝物質は、これらに限定されないが、ヘルパーウイルス、プラスミド、ファージミド、コスミドおよび酵母人工染色体を含む発現ベクターに担持される遺伝子である。本発明に適した遺伝物質は、治療用、調節用および/または診断用のタンパク質の少なくとも一部をコードすることができる。さらに、遺伝物質は、2種以上のタンパク質をコードすることができることが好ましい。例えば、生体活性剤は、治療タンパク質をコードする遺伝物質を有するプラスミドDNA、およびプラスミドDNA、例えばpDsRed−ヒトインスリンプロモーターの送達をモニターするための選択可能なマーカーまたは診断用マーカーを含むことができる。そうしたタンパク質には、これらに限定されないが、組織適合抗原、細胞粘着分子、増殖因子、凝固因子、ホルモン、インスリン、サイトカイン、ケモカイン、抗体、抗体断片、細胞受容体、細胞内酵素、転写因子、異常細胞または悪性細胞を排除できる毒性ペプチドが含まれる。この技術によって送達することができる他の遺伝物質には、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レトロウイルス、レンチウイルス、RNA、siRNA、またはポリアミドもしくはペプチド断片などの特異遺伝子を選択的にオンにしたりオフにしたりする化学薬品が含まれる。野生型変異体のアゴニストまたはアンタゴニストをもたらす野生型タンパク質への改変形態は、本発明の範囲内に包含される。遺伝物質は、転写プロモーター、エンハンサー、転写ターミネーター、オペレーターもしくは他の制御配列などの組織特異的プロモーターまたは発現制御配列を含むこともできる。
【0041】
本発明で用いる活性剤の例には、これらに限定されないが、バソプレシン、オキシトシンおよびその誘導体、グルカゴンおよびヨウ素製剤などの甲状腺薬ならびに抗甲状腺薬などのホルモン製剤;キレート剤、水銀利尿薬および強心配糖体などの循環器官用製剤;キサンチン誘導体(テオフィリンおよびアミノフィリン)などの呼吸用製剤;アミノグリコシド、抗真菌剤(例えば、アンフォテリシン)、ペニシリンおよびセファロスポリン抗生物質、抗ウイルス薬(例えば、ジドブジン、リバビリン、アマンタジン、ビダラビンおよびアシクロビル)、抗蠕虫薬(antihelmintics)、抗マラリア薬および抗結核薬などの抗感染薬;抗体(例えば、抗毒素および抗蛇毒素)、ワクチン抗原(例えば、細菌ワクチン、ウイルス性ワクチン、トキソイド)などの生物学的製剤;抗新生物薬(例えば、ニトロソウレア、ナイトロジェンマスタード、抗代謝産物(フルオロウラシル、ホルモン、プロゲスチンおよびエストロゲンアゴニストおよび/またはアンタゴニスト);分裂抑制剤(例えば、エトポシドおよび/またはビンカアルカロイド)、放射性医薬品(例えば、放射性ヨウ素およびリン製剤);および、インターフェロン、ヒドロキシウレア、プロカルバジン、ダカルバジン、ミトタン、アスパラギナーゼ、シクロスポリン、ならびにその混合物および組合せが含まれる。
【0042】
他の適切な治療薬には、これらに限定されないが、ウロキナーゼなどの血栓溶解剤;トロンビンなどの凝固剤;白金化合物(例えば、スピロプラチン、シスプラチンおよびカルボプラチン)、メトトレキサート、アドリアマイシン、タクソール、マイトマイシン、アンサミトシン、ブレオマイシン、シトシンアラビノシド、アラビノシルアドニン(arabinosyl adsnine)、メルカプトポリリシン、ビンクリスチン、ブスルファン、クロラムブシル、メルファラン(例えば、PAM、L−PAMまたはフェニルアラニンマスタード)、メルカプトプリン、ミトタン、塩酸プロカルバジン ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、塩酸ダウノルビシン、塩酸ドキソルビシン、マイトマイシン、プリカマイシン(ミトラマイシン)、アミノグルテチミド、エストラムスチンリン酸ナトリウム、フルタミド、酢酸ロイプロリド、酢酸メゲストロール、クエン酸タモキシフェン、テストラクトン、トリロスタン、アムサクリ(m−AMSA)、アスパラギナーゼ(L−アスパラギナーゼ)、エルウィナアスパラギナーゼ、エトポシド(VP−16)、インターフェロンα−2a、インターフェロンα−2b、テニポシド(VM−26)、硫酸ビンブラスチン(VLB)、硫酸ビンクリスチン、ブレオマイシン、硫酸ブレオマイシン、メトトレキサート、アドリアマイシンおよびアラビノシルなどの抗新生物薬;非経口鉄剤、ヘミンなどの血液製剤;ムラミールジペプチド、ムラミールトリペプチド、微生物細胞壁構成成分、リンフォカイン(例えば、リポ多糖体、マクロファージ活性化因子などの細菌内毒素)、細菌のサブユニット(ミコバクテリウム、コリネバクテリアなど)、合成ジペプチドN−アセチル−ムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミンなどの生物反応修飾物質; ケトコナゾール、ナイスタチン、グリセオフルビン、フルシトシン(5−fc)、ミコナゾール、アムホテリシンB、リシンおよびβ−ラクタム抗生物質(例えば、ペニシリン、アンピシリン、スルファゼシン)などの抗真菌剤; 成長ホルモン、PDGF、EGF、CSF、GM−CSF、メラニン細胞刺激ホルモン、エストラジオール、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ベータメタゾン、酢酸ベータメタゾンおよびリン酸ベータメタゾンナトリウム、リン酸ベタメタゾン二ナトリウム(vetamethasone disodium phosphate)、リン酸ベタメタゾンナトリウム(vetamethasone sodium phosphate)、酢酸コルチゾン、デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、デキサメタゾンリン酸ナトリウム、フルンソリド、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、シピオン酸ヒドロコルチゾン、リン酸ナトリウムヒドロコルチゾン、コハク酸ナトリウムヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、酢酸メチルプレドニゾロン、コハク酸ナトリウムメチルプレドニゾロンナトリウム、酢酸パラメタゾン、プレドニゾロン、酢酸プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、プレドニゾロンリブテート(prednisolone rebutate)、プレドニゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、二酢酸トリアムシノロン、トリアムシノロンヘキサアセトニドおよび酢酸フルドロコルチゾンなどのホルモン剤;ビタミンC、E、A、K、シアノコバラミン、ネイノイックアシッド(neinoic acid)、レチノイドおよびパルミチン酸レチノールなどの誘導体ならびにα−トコフェロールなどのビタミン;ペプチド(例えば、MAGE、GAGE、DAGEなどのT細胞エピトープ);マンガンスーパーオキシドジスムターゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、酸化窒素シンターゼなどのタンパク質;アルカリホスファターゼなどの酵素;アメレキサノックスなどの抗アレルギー剤;フェンプロクモンおよびヘパリンなどの抗凝固薬;プロプラノロールなどの循環器官用薬;グルタチオンなどの代謝増強剤;パラ−アミノサリチル酸、イソニアジ、硫酸カプレオマイシン、サイクロセリン、塩酸エタンブトール、エチオナミド、ピラジナミド、リファンピン、および硫酸ストレプトマイシンなどの抗結核薬;アシクロビル、アマンタジン アジドチミジン(AZTまたはジドブジン)、リバビリンおよびビダラビン一水和物(アデニンアラビノシド、ara−A)などの抗ウイルス剤;ジルチアゼム、ニフェジピン、ベラパミル、四硝酸エリトリチル、二硝酸イソソルビド、ニトログリセリン(三硝酸グリセリン)および四硝酸ペンタエリトリトールなどの抗狭心症薬;フェノクロプモン、ヘパリンなどの抗凝血剤;ダプソン、クロラムフェニコール、ネオマイシン、セファクロール、セファドロキシル、セファレキシン、セフラジン エリスロマイシン、クリンダマイシン、リンコマイシン、アモキシシリン、アンピシリン、バカンピシリン、カルベニシリン、ジクロキサシリン、シクラシリン、ピクロキサシリン、ヘタシリン、メチシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペニシリンG、ペニシリンV、チカルシリン リファムピンおよびテトラサイクリンなどの抗生物質;ジフニサル(difunisal)、イブプロフェン、インドメタシン、メクロフェナメート、メクロフェナム酸、ナプロキセン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スリンダク、トルメチン、アスピリンおよびサリチル酸塩などの抗炎症薬;クロロキン、ヒドロキシクロロキン、メトロニダゾール、キニーネおよびアンチモン酸メグルミンなどの抗原虫剤;ペニシラミンなどの抗リウマチ剤;パレゴリックなどの麻薬;コデイン、ヘロイン、メタドン、モルヒネおよびアヘンなどのアヘン剤;デスラノシド、ジギトキシン、ジゴキシン、ジギタリンおよびジギタリスなどの強心配糖体;アトラクリウムベシレート、ガラミントリエチオダイド、臭化ヘキサフルオレニウム、ヨウ化メトクリン、臭化パンクロニウム、塩化サクシニルコリン(塩化スキサメトニウム)、塩化ツボクラリンおよび臭化ベクロニウムなどの神経筋遮断薬;アモバルビタール、アモバルビタールナトリウム、アプロバルビタール、ナトリウムブタバルビタール、抱水クロラール、エスクロルビノール、エチナメート、塩酸フルラゼパム、グルテチミド、塩酸メトトリメプラジン、メチプリロン、塩酸ミダゾラム、パラアルデヒド、ペントバルビタール、ペントバルビタールナトリウム、フェノバルビタールナトリウム、セコバルビタールナトリウム、タルブタール、テマゼパムおよびトリアゾラムなどの鎮静剤(睡眠薬);塩酸ブピバカイン、塩酸クロロプロカイン、塩酸エチドカイン、塩酸リドカイン、塩酸メピバカイン、塩酸プロカインおよび塩酸テトラカインなどの局部麻酔薬;ドロペリドール、エトミデート、クエン酸フェンタニル・ドロペリドール、塩酸ケタミン、メトヘキシタールナトリウムおよびチオペンタールナトリウムなどの全身麻酔薬;ならびにストロンチウム、レニウムヨウ化物およびイットリウムヨウ化物などの放射性粒子またはイオン、ならびにその組合せや混合物が含まれる。
【0043】
イオン交換樹脂は1種または複数の糖アルコールで処理する。イオン交換樹脂は、薬剤の添加および薬物−樹脂複合体の生成の前、その間またはその後で処理することができる。さらに、薬物−樹脂複合体は、薬物−イオン交換樹脂複合体へのコーティング剤の添加の前、その間またはその後で処理することができる。糖アルコールは固体、液体またはゲルとして加えることができる。糖アルコールは、様々な量の当業者に既知の有機化合物を含む水溶液または混合物であってよい。さらに、2つ以上の糖アルコールを用いる場合、糖アルコールは、具体的な用途や条件に応じて類似のものでも異なったものでもよい。いくつかの実施形態では、イオン交換樹脂は、ソルビトールと薬物−樹脂粒子の合計重量に対して約1重量%〜10重量%のソルビトールで処理することができる。ソルビトールの他の濃度は、約0.1重量%〜約5重量%の範囲で用いることができる。
【0044】
糖アルコールは、医薬品グレードのイオン交換薬物−樹脂複合体の膨潤を制御するのに当業者に知られている多くの種類のものであってよい。糖アルコールは一般にソルビトールである。しかし、マンニトールなどの多価アルコール;ソルビトール;キシリトール;マルチトール;ラクチトール、1,3−ジヒドロキシプロパンまたは当業者に知られている少なくとも2個のヒドロキシ基を有する他の非毒性のC2〜C12直鎖または分鎖の炭化水素を用いることができる。さらに、少なくとも2個のヒドロキシ基を有する非毒性のC5〜C12環状または複素環炭化水素(例えば、イノシトールおよびグルコース、スクロースなどの炭水化物)を用いることもできる。溶液中に存在する糖類または糖アルコールは、90〜550の分子量、特に150〜370の分子量を有する。糖類は、単糖類または二糖類、還元された単糖類または二糖類および置換された単糖類または二糖類である。適切な糖類/糖アルコールはスクロース、デキストロース、マルトース、フルクトース、ラクトース、マンニトール、ソルビトールまたはキシリトールである。
【0045】
本発明を用いて制御放出用陽イオン交換樹脂薬物複合体を作製するための一般的方法は、(i)イオン交換樹脂薬物複合体を作製するステップと、(ii)そのイオン交換樹脂薬物複合体を適切な糖アルコールで処理するステップと、(iii)処理されたイオン交換樹脂薬物複合体を乾燥するステップとを含む。イオン交換樹脂薬物複合体は、水透過性拡散バリアで任意選択でコーティングすることができる。
【0046】
イオン交換樹脂からイオン交換樹脂薬物複合体を作製するのには、一般に、イオン交換樹脂をポリアルコールの存在下の溶液と混合し、十分な時間ロードさせることが含まれる。樹脂/流体スラリーはろ過する。当業界で現在用いられている方法とは異なり、添加した後にイオン交換樹脂複合体を洗浄する必要がない。さらに、本発明は未結合薬物、遊離している薬物または任意の水溶性膨潤剤をその平衡状態で再分配させることによって、平衡再分配を提供する。平衡再分配によって、遊離薬物が樹脂にさらに取り込まれるようになる。
【0047】
例えば、本発明は、1種または複数のイオン交換樹脂粒子と1種または複数の薬剤として活性な薬物を接触させて陽イオン交換樹脂薬剤として活性な薬物複合体を形成させることによって、医薬組成物を作製する方法を含む。樹脂の膨潤を制御するために1種または複数の糖アルコールを加えてイオン交換樹脂薬物複合体を処理する。1種または複数の糖アルコーは、糖アルコール、薬物および1種または複数のイオン交換樹脂粒子の合計重量に対して約0.01重量%〜約10重量%の1種または複数の糖アルコールとなる。次いでその組成物を、所望の医薬組成物送達形態に処方することができる。
【0048】
一般に、本発明は、液剤、ゲル剤、錠剤、カプレット剤またはカプセル剤に処方するが、本発明の利点を取り込むと同時に、他の医薬組成物送達形態を用いることができる。結合剤、滑剤、希釈剤、崩壊剤、着色剤、甘味剤、香味剤、保存剤および流動性誘発剤を含む他の薬剤を加えることができる。錠剤は、圧縮、多重圧された粉薬錠剤であっても、コーティング、例えば腸溶コーティング、糖コーティングまたは膜コーティングされていてもよい。液体の形態の場合、液体経口製剤は、適切な乳化剤、溶媒、保存剤、懸濁化剤、希釈剤、甘味剤、着色剤および香味剤を含む、液剤、非水液剤、乳剤、懸濁剤、溶液顆粒剤の形態であってよい。
【0049】
本発明は、洗浄を必要としない樹脂薬物複合体を作製する方法を提供する。イオン交換樹脂からイオン交換樹脂薬物複合体を作製する方法は、イオン交換樹脂を溶液と混合し、十分な時間ロードさせることを含む。樹脂/流体スラリーをろ過する。当業界で現在用いられている方法とは異なり、イオン交換樹脂複合体を洗浄する必要がない。
【0050】
本発明は、糖アルコール、1種または複数の陽イオン交換樹脂粒子を、薬物および1種または複数のイオン交換樹脂粒子の合計重量に対して約0.01重量%〜約10重量%の糖アルコールと接触させることによって、医薬組成物の膨潤を制御する方法も提供する。
【0051】
本発明によれば、糖アルコールをイオン交換樹脂と一緒にして混合物(例えば、スラリー)を形成させる必要がある。通常混合物は水溶液であるが、他の溶液、組成物または混合物も可能である。イオン交換樹脂と糖アルコールの比は、約1:1〜約50:1、すなわち、1g糖アルコール当たり約1gの樹脂から20mgのポリオール当たり約1gの樹脂である。混ぜ込む方法に応じて他の比を用いることができ、具体的な糖アルコールと樹脂は、例えば約1:0.01〜約5:0.01、約0.01:1〜約0.01:5およびその組合せである。実施例Iでは、懸濁液中のイオン交換樹脂の量と糖アルコールの量の比は、約1.7:1(例えば、175gの分子当たり300gの樹脂)であり、糖アルコールは生成物中にはほとんど残留していない。他の実施例では、糖アルコールの濃度は約1重量%〜10重量%、すなわち約10mg〜約100mgの分子である。
(実施例I)
樹脂 300g
薬物 300g
70%ソルビトール 250mL
純水 750mL
実施例Iでは、水、ソルビトール、薬物および樹脂を一緒にスラリー化し、薬物が樹脂にロードされるように十分な時間を与える。ローディング操作が完了したら、スラリーの成分を液体画分と固体画分に分離する(例えば、ろ過するかまたは遠心分離にかける)。糖アルコールは非常に水溶性であるので、糖アルコールの大部分は水相中に残留し、約4%のソルビトールが固体中に残る。固体は洗浄しないで、コーティングに適した物質が得られるように乾燥する。
(実施例II)
樹脂 300g
薬物 300g
ソルビトール 7.5g
純水 992.5mL
実施例IIでは、水、薬物および樹脂を一緒にスラリー化し、薬物が樹脂にロードされるように十分な時間を与える。ローディング操作が完了したら、スラリーを液体画分と固体画分に分離する(例えば、ろ過するかまたは遠心分離にかける)。液体画分を棄てる。固体画分は洗浄しないで、乾燥する。ソルビトールを、100gの水に溶解し乾燥した薬物樹脂複合体に加え、薬物樹脂複合体にソルビトール溶液を吸収させる。次いで処理した樹脂を乾燥しコーティングすることができる。
【0052】
陽イオン交換樹脂薬物複合体を形成させるためには、イオン交換樹脂を1種または複数の分子、例えば1種または複数のイオン性薬物化合物と混合する必要がある。樹脂表面への分子の吸着法は当業者によく知られている。さらに、イオン性薬物分子は、リンカーを介した薬物とイオン交換樹脂の結合を可能にするリンカーと結合することができる。イオン交換樹脂と薬物の混合は、具体的な用途に応じて、スラリーまたは他の混合物の形態であってよい。さらに、薬物−樹脂複合体にコーティングを施すことができる。水を除去するために、混合物(例えば、イオン交換樹脂、薬物および糖アルコールのスラリー混合物)を乾燥することができる。乾燥は通常の手段、すなわち、ろ過し、流動層や炉等の中で真空下、窒素をパージしながら乾燥することを含む当業者に周知の方法を用いて実施することができる。
【0053】
本発明は、例えば胃腸管内で遭遇するような厳しい生物学的条件下で、薬物の連続的放出を延長させるようにコーティングされた、薬理学的に活性な薬物−樹脂複合体を任意選択で含む。通常のコーティング溶媒(例えば、エタノール、塩化メチレン/アセトン混合物または当業者に知られている他の成分)または水性ベースのコーティングおよび手順を用いて、イオン交換樹脂薬物複合体をコーティングすることができる。説明のための1つの例では、Wursterコーティング装置を用いて空気懸濁噴霧式コーティング技術を施すことができる。しかし、他の種類の流動層噴霧法、液滴形成法、溶媒蒸発法または当業者に周知の他の方法を含む他の技術を、粒子をコーティングするのに用いることができる。一般に、薬物−樹脂複合体にコーティングを施す。あるいは、薬物と複合化する前に、樹脂にコーティングを施すことができる。
【0054】
粒子コーティング。本発明のコーティングされた粒子の他の例は、溶媒和剤で処理されたイオン交換薬物−樹脂複合体に拡散バリアコーティングを施すことによって、胃腸管中で遭遇するような条件下で、薬理学的に活性な薬物の選択的、持続的連続放出を提供する。本発明の他の延長放出処方は、交換樹脂複合体のイオン形態で第2のイオン性物質を用いることによって、薬物−樹脂複合体上の薬物と同じイオン電荷を有する第2のイオン性物質(例えば、併用薬物、染料、分散剤または同様のもの)を添加することを含む。液体製剤で使用するための任意の薬物処方物の作製には、最終処方物が、長期の貯蔵安定性を有し、ある期間にわたって活性薬物投与レベルに変化を示さず、かつ満足できる味質を有する、液体中に溶解または懸濁された薬物を有することが必要である。したがって、任意の種類の薬物の液体処方物を作製するためには、水またはシロップなどの増量剤を用い、香味剤、甘味剤、増粘剤、染料等を加えることが必要である。水の中での処方物の溶解プロファイル対同一薬物の溶解プロファイルを制御するために、コーティングされた薬物−樹脂複合体として処方物中に存在する持続放出薬物と同じイオン電荷を担持するイオン性物質の存在下、コーティングされた粒子を含むこともできる。第2のイオン性材料は、水透過性拡散バリアコーティングでコーティングされる必要はない。
【0055】
水透過性、拡散バリアコーティング材料は、拡散バリア特性を有し、固有の薬理学的特性や毒性を有していない従来の合成または天然の膜形成材料のいずれであってもよい。例えば、水不溶性膜形成剤であるエチルセルロースを、拡散バリア膜材料として用いることができる。エチルセルロースの膜形成特性を改善するため、かつ/または膜の透過特性を変えるために、可塑剤(例えば、Durkex500植物油)を用いることができる。用いられるコーティング剤の量は、所望の薬物放出延長の程度に依存し、粒子サイズ、薬物の溶解性、膜透過性および他の因子と関連する。コーティング剤の量を変更することによって、かつ/またはコーティングした薬物−樹脂複合体をコーティングしていない薬物−樹脂複合体とブレンドするか、かつ/または異なるコーティング剤をブレンドすることによって、製剤の薬物溶解プロファイルを望むように選択的に改変することができる。
【0056】
一般に、コーティング剤の主成分は水に不溶性であり、かつ水に対して透過性でなければならない。あるいは、メチルセルロースなどの水溶性物質を混ぜ込んでコーティング剤の透過性を変えるか、または腸溶コーティング剤として作用する酸不溶性の塩基溶解性物質を用いることができる。水透過性拡散バリアには、一般に、ワックス、脂肪アルコール、セラック、ゼイン、セラック、ポリビニルピロリドン、水不溶性セルロース誘導体、エチルセルロース、ポリメタクリレートまたはメチルセルロースなどの水不溶性材料が含まれる。コーティング材料は、水性流体中の溶液もしくは懸濁液とし、または有機溶媒中の溶液として塗布することができる。いくつかの場合、本発明は、イオン交換樹脂と一緒になっているイオン性薬剤として活性な薬物の少なくとも一部に接触している水透過性拡散バリアを含むことができる。
(実施例III)
水透過性拡散バリアコーティングされた薬物樹脂複合体は、
薬物樹脂複合体 2000g
エチルセルロース 300g
酢酸エチル 5700g
を含む。
【0057】
薬物樹脂複合体を流動層コーティング装置中に入れ、吸気して流動化させた。エチルセルロースを酢酸エチル中に溶解し、1分当たり約20〜25の速度で塗布し、6000gを塗布させた。コーティング溶液の塗布が完了した後、加熱空気を用いて流動化をさらに10分間続行した。
(実施例IV)
別の水透過性拡散バリアコーティングされた薬物樹脂複合体は、
薬物樹脂複合体 2000g
エチルセルロース 119g
Myvacet 11g
エタノール 2470g
を含む。
【0058】
薬物樹脂複合体を流動層コーティング装置中に入れ、吸気して流動化させた。myvacetをエタノール中に溶解し、エチルセルロースをmyvacet溶液中に溶解し、約20〜25/分の速度で塗布し、2600gのコーティング溶液を塗布した。
【0059】
本発明は、医薬組成物中に混ぜ込むことができ、即時放出、延長放出または遅延放出組成物を含むことができる。本発明は、陽イオン交換樹脂薬物複合体の経口投与に関するが、他の送達方法、例えば局所、経直腸、注入可能な皮下、経膣または経鼻投与も考えられる。本発明の医薬組成物は、錠剤、粉剤、カプセル剤、ゲル剤、ヒドロゲル剤、固形剤、凍結乾燥した懸濁剤、液体懸濁剤の形態または他の通常の剤形をとることができる。本発明の医薬組成物は、様々な剤形、例えば液剤、懸濁剤、クリーム剤、軟膏剤、ローション剤、カプセル剤、カプレット剤、ソフトカプセル剤、ジェルキャップ剤、坐薬、かん腸剤、エリキシル剤、シロップ剤、乳剤、膜剤、顆粒剤、ガム剤、挿入剤、ゼリー剤、泡状剤、ペースト剤、芳香剤、ペレット剤、噴霧剤、トローチ剤、薬用キャンデー、ディスク剤、マグマ剤、湿布薬またはウエハース等で提供することもできる。さらに、本発明の樹脂−薬物複合体は、薬物、樹脂の特性およびその使用目的に応じて、広い範囲、例えば約0.01〜約2000mgにわたる投与に適している。
【0060】
さらに、本発明は、医薬組成物に通常用いられ、かつ当業界で知られている他の添加剤、例えば付着防止剤、固着防止剤、滑剤、流動促進剤、滑剤、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ヒュームドシリカ)、微粉化シリカ、界面活性剤、ワックス、ステアリン酸、ステアリン酸塩、ステアリン酸誘導体、でんぷん、硬化植物油、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ロイシンおよびラウリル硫酸マグネシウムを含むことができる。
【0061】
本発明によれば、1種または複数の十分に湿潤した陽イオン交換樹脂粒子を活性薬物と接触させ、糖アルコール、薬物物質および1種または複数の十分に湿潤させたイオン交換樹脂粒子の合計重量に対して約0.1重量%〜約5重量%の糖アルコールを加えることによって、調製する際の医薬組成物の取扱いを減らす方法である。さらに、医薬組成物は水透過性拡散バリアでコーティングすることができる。
(実施例V)
純水USP 45.26Kg
ソルビトールUSP 9.59Kg
AMBERLITE(登録商標)IRP69 16.50Kg
デキストロメトルファンHBr USP 16.50Kg
実施例Vでは、水、ソルビトール、薬物および樹脂を一緒にスラリー化し、薬物が樹脂にロードされるように十分な時間を与える。ローディング操作が完了したら、スラリーを液体画分と固体画分に分離する(例えば、ろ過するかまたは遠心分離にかける)。糖アルコールは非常に水溶性であるので、糖アルコールの大部分は水相中に残留し、約4%のソルビトールが固体中に残る。固体は洗浄しないで、乾燥してコーティングに適した物質を得る。
(実施例VI)
純水USP 41.15Kg
ソルビトール USP(70%) 13.70Kg
AMBERLITE(登録商標)IRP69 16.50Kg
偽エフェドリンHCl 16.50Kg
実施例VIでは、水、ソルビトール、薬物および樹脂を一緒にスラリー化し、薬物が樹脂にロードされるように十分な時間を与える。ローディング操作が完了したら、スラリーを液体画分と固体画分に分離する(例えば、ろ過するかまたは遠心分離にかける)。糖アルコールは非常に水溶性であるので、糖アルコールの大部分は水相中に残留し、約4%のソルビトールが固体中に残る。固体は洗浄しないで、乾燥してコーティングに適した物質を得る。実施例VおよびVIからの生成物を、アセトン/アルコール溶液からのセバシン酸ジブチルで可塑化したエチルセルロースを用いて、流動層処理装置中でコーティングした。放出プロファイルは、コーティングレベルを変えることによって改変できることが確認された。
【0062】
実施例VおよびVIについての放出プロファイルは以下の通りである。
【0063】
実施例V 実施例VI
30分 43% 50%
60分 47 55
180分 53 63
360分 57 68
表Iは、利用可能な樹脂と一緒に用いることができる薬剤化合物の例を示す表である。当業者は、本発明と合わせて他の化合物を用いることができ、その化合物を改変するか、または化合物の特定の化学基を改変して、その化合物を本発明と一緒に用いるようにすることができることを理解されよう。
【0064】
【表1】



試料を、胃腸管内で遭遇するような状態を模擬する条件下で評価した。試料は、USP溶解装置2および模擬胃液USPを用いて評価した。適切であると考えられる場合、追加の試験を、すなわち、模擬胃液または選択された緩衝溶液を用いたUSP装置4での試験を実施する。薬物を薬物−樹脂複合体の試料から放出させながら、選択された波長での吸収の変化を時間の関数として記録した。
【0065】
表IIは、本発明と、従来方法で作製された樹脂複合体についての、模擬胃条件における放出曲線の比較である。表Iでは、放出%を、本発明(A)、米国特許第4,847,077号の後処理手順を用いて作製した試料(B)、および米国特許第4,996,047号の手順のもとでの処理しない方法で作製した試料(C)についての時間関数として表にした。表IIに示したデータは、コーティングされた遅延放出薬物樹脂複合体を作製するために高い薬物ローディングを用いても、’077特許のもとでのより高いレベルの治療の使用で、より遅くより良好な制御放出プロファイルが得られることを実証している。本発明により作製したように治療剤が非常に低いレベルであっても、同じような低い放出速度が得られることも示している。
【0066】
【表2】


表IIIは、本発明の薬物と樹脂複合体の相対量および組合せの比較である。表IIIは単に例示的な表であり、当業者は、薬物と樹脂複合体の多くの組合せを理解されよう。
【0067】
【表3】

利用可能な樹脂と一緒に用いる医薬品に加えて、本発明者等は、本発明との他の既知の活性化合物、例えば除草剤、殺菌剤、殺虫剤、ダニ駆除剤、線虫駆除薬、鳥類忌避剤、土壌構造を改良する植物用栄養物および薬剤も考慮した。
【0068】
本発明と共に用いることができる殺虫剤、ダニ駆除剤および抗線虫剤の例には、ピレスロイド化合物(例えば、ペルメトリン、シペルメトリン、フェンバレレート、エスフェンバレレート、フェンプロパトリン、ビフェントリン、デルタメトリン、フルバリネート、フルシトリネート、アレスリン、d−アレスリン、プラレスリン、シフェノトリン、フェノトリン、レスメトリン、テフルトリン、エムペントリン、アクリナトリン、シハロトリン、シフルトリン、エトフェンプロックス、ハルフェンプロックス、シラフルオフェン、トラロメトリン、シクロプロトリン、エスビオスリン、トランスフルトリン、テラレスリン、イミプロトリンおよび1−エチニル−2−フルオロ−2−ペンテニル3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート);有機リン系化合物(例えば、シアノホス、フェンチオン、フェニトロチオン、パラチオン、メチルパラチオン、ピリミホスメチル、ダイアジノン、イソキサチオン、ピリダフェンチオン、クロルピリホス、クロルピリホス−メチル、オキシデプロホス、バミドチオン、マラチオン、フェントアート、ジメトエート、チオメトン、ジスルホトン、ホサロン、ホスメット、メチダチオン、プロチオホス、スルプロホス、プロフェノホス、アジンホスメチル、ピラクロホス、サリチオン、テトラクロルビンホス、ジクロルボス、モノクロトホス、ナレド、ジメチルビンホス、プロパホス、アセフェート、メタミドホスおよびエチオン;カルバリル、メトルカルブ、イソプロカルブ、フェノブカルブ、プロポクサー、XMC、エチオフェンカルブ、ベンジオカルブ、ピリミカルブ、カルボスルファン、カルボフラン、ベンフラカルブ、フラチオカルブ、メトミル、チオジカルブ、オキサミル、アラニカルブ、メトキサジアゾンおよびフェノチオカルブ)などのカルバメート化合物;ネオニコチノイド系(例えば、ニトロイミノイミダゾリジン誘導体、ニトロビニリデンジアミン誘導体[例えばN−[(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−エチル−N’−メチル−2−ニトロビニリデンジアミン(一般名:ニテンピラム)]、ニトログアニジン誘導体、シアノアセトアミジン誘導体、N1−[(6−クロロ−3−ピリジル)メチル]−N2−シアノ−N1−メチルアセトアミジン、シアノイミノチアゾリジン誘導体、1−(2−クロロ−5−ピリジルメチル)−2−シアノイミノチアゾリジン、ニトロイミノテトラヒドロ−1,3,5−オキサジアジン誘導体、3−[(2−クロロ−5−チアゾイル)メチル]−5−メチル−4−ニトロイミノテトラヒドロ−1,3,5−オキサジアジン(一般名:チアメトキサム)、ニトロイミノヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン誘導体、3,5−ジメチル−1−[(2−クロロ−5−チアゾイル)メチル]−2−ニトロイミノヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン;ネライストキシン誘導体(例えば、カルタップ、ベンスルタップおよびチオシクラム);塩素化炭化水素化合物(例えば、ベンゾエピン、ジコホールおよびテトラジホン;ホルムアミジン誘導体(例えば、アミトラズおよびクロルジメホルム);フェニルピラゾール誘導体(例えば、エチプロール);ベンゾイルフェニル尿素化合物(例えば、ジフルベンズロン、テフルベンズロン、クロルフルアズロン、フルフェノクススロン、トリフルムロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロンおよびノバルロン);トリアジン誘導体(例えば、シロマジン);チアジアジン誘導体(例えば、ブプロフェジン);ジュベノイド化合物(例えば、メトプレン、ヒドロプレン、フェノキシカルブおよびジオフェノラン);テブフェノジド;メトキシフェノジド;ハロフェノジド;クロマフェノジド;クロロフェナピール;フェニソブロモレート;キノメチオナート;プロパルギット;酸化フェンブタチン;ヘキシチアゾクス;エトキサゾール;クロフェンテジン;フェンピロキシメート;テブフェンピラド;ピリミジフェン;ポリナクチン複合体;ミルベメクチン;アベルメクチン;イベルメクチンおよびアザディラクチンが含まれる。
【0069】
殺虫剤の具体的な例には、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテメート;2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート;4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテメート;4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシレート;4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジフルオロビニル)シクロプロパンカルボキシレート;4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテメート;4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート;2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル)シクロプロパンカルボキシレート;および4−プロパルギル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートが含まれる。さらに、式(I)で表されるもの以外の化合物の例として、以下の化合物、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレートおよび4−プロパルギル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレートがある。
【0070】
適切な除草剤には、アニリド(例えば、ジフルフェニカンおよびプロパニル)、アリールカルボン酸(例えば、ジクロロピコリン酸、ジカンバおよびピクロラム)、アリールオキシアルカン酸(例えば、2,4−D、2,4−DB、2,4−DP、フルロキシピル、MCPA、MCPPおよびトリクロピル)、アリールオキシ−フェノキシ−アルカン酸エステル(例えば、ジクロホップメチル、フェノキサプロップエチル、フルアジホップブチル、ハロキシホップメチルおよびキザロホップエチル)、アジノン(例えば、クロリダゾンおよびノルフルラゾン)、カルバメート(例えば、クロルプロファム、デスメジファム、フェンメジファムおよびプロファム)、クロロアセトアニリド(例えば、アラクロール、アセトクロール、ブタクロール、メタザクロール、メトラクロール、プレチラクロールおよびプロパクロール)、ジニトロアニリン(例えば、オリザリン、ペンディメタリンおよびトリフルラリン)、ジフェニルエーテル(例えば、アシフルオルフェン、ビフェノックス、フルオログリコフェン、フォメサフェン、ハロサフェン、ラクトフェンおよびオキシフルオルフェン)、尿素(例えば、クロルトルロン、ジウロン、フルオメツロン、イソプロツロン、リニュロンおよびメタベンズチアズロン)、ヒドロキシルアミン(例えば、アロキシジム、クレトジム、シクロキシジム、セトキシジムおよびトラルコキシジム),イミダゾリノン(例えば、イマゼタピル、イマザメタベンズ、イマザピルおよびイマザキン)、ニトリル(例えば、ブロモキシニル、ジクロベニルおよびイオキシニル)、オキシアセトアミド(例えば、メフェナセット)、スルホニル尿素(例えば、アミドスルフロン、ベンスルフロンメチル、クロリムロンエチル、クロルスルフロン、シノスルフロン、メトスルフロンメチル、ニコスルフロン、プリミスルフロン、ピラゾスルフロンエチル、チフェンスルフロンメチル、トリアスルフロンおよびトリベヌロンメチル)、チオカルバメート(例えば、ブチラート、シクロエート、ジアラート、EPTC、エスプロカルブ、モリネート、プロスルホカルブ、チオベンカルブおよびトリアラート)、トリアジン(例えば、アトラジン、シアナジン、シマジン、シメトリン、テルブトリンおよびテルブチラジン)、トリアジノン(例えば、ヘキサジノン、メタミトロンおよびメトリブジン)、その他(例えば、アミノトリアゾール、ベンフレサート、ベンタゾン、シンメチリン、クロマゾン、クロピラリド、ジフェンゾクアット、ジチオピル、エトフメサート、フルオロクロリドン、グルホシネート、グリホサート、イソキサベン、ピリデート、キンクロラック、キンメラック、スルホサートおよびトリジファン)が含まれる。
【0071】
特許請求の範囲および/または明細書において「含む(commprising)」と合わせて用いる場合、「a」および「an」という用語の使用は、「1つ(one)」を意味することができるが、「1つまたは複数(one or more)」、「少なくとも1つ(at least one)」および「1つまたそれ以上(one or more than one)」という意味とも一致する。特許請求の範囲における「または(or)」という用語の使用は、明らかに代替物だけが指定されていることのない限り、またはその代替物が相互排他的でない限り、「および/または(and/or)」を意味するように用いるが、その開示は、代替物だけ、および「および/または(and/or)」に言及する定義を支持するものである。本出願を通して、「約(about)」という用語は、ある値が、装置、その値を決定するのに用いる方法について、固有の誤差変動、または検討対象間に存在する変動を含むことを示すのに用いる。
【0072】
本明細書および特許請求の範囲で用いる、「含む(comprising)」(および「comprise」や「comprises」などのcomprisingの任意の形)、「有する(having)」(および「have」や「has」などのhavingの任意の形)、「含む(including)」(および「includes」や「include」などのincludingの任意の形)または「含む(containing)」(および「contains」や「contain」などのcontainingの任意の形)という用語は、包含的または非制限的であり、追加の言及されていない要素または方法のステップを排除するものではない。
【0073】
本明細書で用いる「またはその組合せ(or combinations thereof)」という用語は、その用語に先行して挙げられた項目のすべての置換形態および組合せを指す。例えば、「A、B、Cまたはその組合せ」は、A、B、C、AB、AC、BCまたはABCの少なくとも1つを含むものとし、特定の文脈において配列が重要である場合、BA、CA、CB、CBA、BCA、ACB、BACまたはCABも含むものとする。この例を続けると、明らかに含まれるものは、BB、AAA、MB、BBC、AAABCCCC、CBBAAA、CABABBなどの1つまたは複数の項目または用語の繰り返しを含む組合せである。当業者は、文脈から明らかでない限りどの組合せにおいても、一般に、項目または用語の数に限界はないことを理解されよう。
【0074】
本発明の開示に照らせば、本明細書で開示し、特許請求する組成物および/または方法はすべて、必要以上の実験を行うことなく作製し実施することができる。本発明の組成物および方法を好ましい実施形態に関して説明したが、本発明の概念、趣旨および範囲を逸脱することなく、本明細書で記載の方法のステップまたは一連のステップにおいて、変更形態を、組成物および/または方法に適用することができることは当業者に明らかであろう。当業者に明らかなそうしたすべての類似の置換形態および変更形態は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨、範囲および概念に含まれるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バリア膜でコーティングされたイオン交換樹脂と接触している薬剤として活性な薬物を含む、樹脂膨潤を制御するように処理された薬剤用イオン交換樹脂組成物であって、前記イオン交換樹脂が約0.01重量%〜約10重量%の1種または複数の糖アルコールで処理されており、バリア膜の完全性が維持されている組成物。
【請求項2】
前記イオン交換樹脂がスルホン酸陽イオン交換樹脂である請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記1種または複数の糖アルコールが、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、1,3−ジヒドロキシプロパン、イノシトールグルコース、スクロースまたはその組合せおよび混合物を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
イオン交換樹脂と接触している薬剤として活性な薬物の少なくとも一部と接触している水透過性拡散バリアをさらに含む請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記1種または複数の糖アルコールが約0.01重量%〜約10重量%のソルビトールを含む請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記薬剤用イオン交換樹脂組成物が、液剤、懸濁剤、クリーム剤、軟膏剤、ローション剤、カプセル剤、カプレット剤、ソフトカプセル剤、ジェルキャップ剤、錠剤、坐薬、かん腸剤、エリキシル剤、シロップ剤、乳剤、膜剤、顆粒剤、ガム剤、挿入剤、ゼリー剤、泡状剤、ペースト剤、芳香剤、ペレット剤、噴霧剤、トローチ剤、薬用キャンデー、ディスク剤、マグマ剤、湿布薬、ウエハースまたはその組合せを含む請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記イオン交換樹脂が、ジプロピレングリコールジアリルエーテル、ポリグリコールジアリルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ハイドロキノンジアリルエーテル、テトラアリルオキシエタノイル、ビニルエーテル、酢酸ビニル、ビニルブチルベンゾエート、クロトン酸、多官能アルコール、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリアリルアミン、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、メチレンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼン、フタル酸、スルホンフタル酸、エチレングリコール、ポリメチルシロキサンα,γ−ヒドロキシプロピルまたはその組合せを含む請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記薬剤として活性な薬物が、麻薬性鎮痛薬、交感神経興奮剤、鎮咳薬、鎮痛剤、制吐剤、抗コリン作用薬、筋肉弛緩剤、気管支拡張薬、抗生物質、抗うつ剤、抗ぜんそく薬、抗新生物薬、抗てんかん薬、心血管作動薬、その混合物および組合せを含む請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記薬剤として活性な薬物が、コデイン、ジヒドロコデイン、ヒドロモルフォン、モルヒネ、ペンタゾシン、プロポキシフェン、ノルエフェドリン、偽エフェドリン、デキストロメトルファン、アスピリン、トラマドール、メトクロプラミド、アトロピン、臭化イプラトロピウム、スコポラミン、シクロベンザプリン、パパベリン、サルブタモール、テルブタリンおよびテオフィリン、アモキシシリン、アンピシリン、アゾシリン、バカンピシリン、セファマンドール、セフォニシド、セフォタキシム、セフォテタン、セフォキシチン、セフトリアキソン、メズロシリン、ピペラシリン、ブプロピオン、ノミフェンシン、ノルトリプチリン、クロモリン、タモキシフェン、バルプロ酸およびフェンブトイン、プロプラノロール、その混合物および組合せを含む請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
1種または複数のイオン交換樹脂粒子を、糖アルコールと1種または複数のイオン交換樹脂粒子の合計重量に対して約0.01重量%〜10重量%の1種または複数の糖アルコールと接触させるステップ
を含む薬剤用イオン交換樹脂組成物の膨潤を制御する方法。
【請求項11】
前記1種または複数の糖アルコールが水溶液を含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記1種または複数の糖アルコールが、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、1,3−ジヒドロキシプロパン、イノシトールグルコース、スクロース、その混合物および組合せを含む請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記イオン交換樹脂粒子がスルホン酸陽イオン交換樹脂粒子を含む請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記イオン交換樹脂が、ジプロピレングリコールジアリルエーテル、ポリグリコールジアリルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ハイドロキノンジアリルエーテル、テトラアリルオキシエタノイル、ビニルエーテル、酢酸ビニル、ビニルブチルベンゾエート、クロトン酸、多官能アルコール、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリアリルアミン、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、メチレンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼン、フタル酸、スルホンフタル酸、エチレングリコール、ポリメチルシロキサンα,γ−ヒドロキシプロピルまたはその組合せを含む請求項10に記載の方法。
【請求項15】
麻薬性鎮痛薬、交感神経興奮剤、鎮咳薬、鎮痛剤、制吐剤、抗コリン作用薬、筋肉弛緩剤、気管支拡張薬、抗生物質、抗うつ剤、抗ぜんそく薬、抗新生物薬、抗てんかん薬、心血管作動薬、その混合物および組合せを含む1種または複数の薬剤として活性な薬物を加えるステップをさらに含む請求項10に記載の方法。
【請求項16】
イオン交換樹脂粒子を水透過性拡散バリアでコーティングするステップをさらに含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法によって作製される医薬組成物。
【請求項18】
十分に湿潤した1種または複数の陽イオン交換樹脂粒子を活性薬物と接触させるステップと、
1種または複数の活性物質をローディングするステップと、
1種または複数の糖アルコールと1種または複数の十分に湿潤させたイオン交換樹脂粒子の合計重量に対して約0.01重量%〜約10重量%の1種または複数の糖アルコールを加えるステップと
を含むイオン交換樹脂活性物質複合体の単一洗浄調製物を作製する方法であって、続いて洗浄操作をする必要なく、前記1種または複数の活性物質のローディングおよび陽イオン交換樹脂粒子の膨潤がなされる方法。
【請求項19】
前記陽イオン交換樹脂粒子を水透過性拡散バリアでコーティングするステップをさらに含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
1種または複数の陽イオン交換樹脂粒子と1種または複数の薬剤として活性な物質を接触させるステップと、
1種または複数の糖アルコールを前記1種または複数の陽イオン交換樹脂粒子および1種または複数の薬剤として活性な物質に加えるステップと
を含む医薬組成物を作製する方法であって、前記1種または複数の糖アルコールが、糖アルコール、1種または複数の薬剤として活性な物質および1種または複数のイオン交換樹脂粒子の合計重量に対して約0.01重量%〜約10重量%の1種または複数の糖アルコールを含む方法。

【公表番号】特表2009−507839(P2009−507839A)
【公表日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−530037(P2008−530037)
【出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/035739
【国際公開番号】WO2007/033281
【国際公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(508069992)コウティング、プレイス、インク (1)
【Fターム(参考)】