自動ボビン切換式連続巻取方法及びその装置
【課題】ワイヤをたるませることなくボビンを自動で切り換えることのできる自動ボビン切換式連続巻取方法及びその装置の提供。
【解決手段】巻取中のボビンに巻き取られているワイヤが空ボビン上を通過する状態で、空ボビン及びワイヤキャッチャが回転した際、このワイヤキャッチャの位置をセンサにより検出してから、空ボビンのシャフトの回転数をエンコーダで検出し、当該センサからのワイヤキャッチャ位置検出信号及び、空ボビンのシャフト回転数情報をワイヤ押えのコントローラに入力することにより、ワイヤ押えを倒れ込み動作を行わせ、以て、ワイヤをたるむことなくワイヤキャッチャがワイヤを捕らえてカッターで切断し、ボビン切換を完了させる。
【解決手段】巻取中のボビンに巻き取られているワイヤが空ボビン上を通過する状態で、空ボビン及びワイヤキャッチャが回転した際、このワイヤキャッチャの位置をセンサにより検出してから、空ボビンのシャフトの回転数をエンコーダで検出し、当該センサからのワイヤキャッチャ位置検出信号及び、空ボビンのシャフト回転数情報をワイヤ押えのコントローラに入力することにより、ワイヤ押えを倒れ込み動作を行わせ、以て、ワイヤをたるむことなくワイヤキャッチャがワイヤを捕らえてカッターで切断し、ボビン切換を完了させる。
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボビン切換式連続巻取技術の分野に属し、特に、ワイヤをたるませることなくボビンを自動で切換えることのできる、自動ボビン切換式連続巻取方法及びその装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】図２は、従来のボビン切換式連続巻取装置を概略的に示したもので、シャフト２とシャフト３が並行して取り付けられ、一方のシャフト２にはワイヤ１を巻取中のボビン４が取り付けられ、他方のシャフト３には切換待ちのボビン５及び自己の回転方向に向かってＶ字型の溝にワイヤを挟み込む構造のワイヤキャッチャ６が取り付けられ、これらボビン５とワイヤキャッチャ６（の円板部）はシャフト３とともに回転する。
【０００３】シャフト２とシャフト３（ボビン２とボビン４）の間のワイヤ通過部上にはワイヤ押え７が設けられ、このワイヤ押え７はロータリーアクチュエータ９によりワイヤの通過部分に交差状態に倒れ込むよう駆動される。また、ワイヤ押え７の近傍にカッター８が配置されている。ワイヤ押え７が倒れ込むと、ワイヤ１は、ワイヤキャッチャ６のパスラインまで、シャフト２とシャフト３の間で横方向から押え込まれる。カッター８は、ワイヤキャッチャ６がワイヤ１を捕らえられる位置から見て空ボビン５の回転方向に位置に、歯が空ボビン５の回転方向の逆を向くように取り付けられている。
【０００４】いま、ボビン４が満巻となり、ボビン４に巻取中のワイヤ１が空ボビン５上に通過させる態勢として、切換えが始まると、シャフト３とともに空ボビン５、ワイヤキャッチャ６が回転する。空ボビン５が巻取可能な回転速度に達した時点で、ワイヤ押え７を倒れ込ませることでワイヤ１を横方向から押え込み、回転するワイヤキャッチャ６にワイヤ１を捕らえさせ、そのままワイヤ１を巻込みながら回転し、回転方向に立ち向かうカッター８によりワイヤ１を切断して巻き換え終了となる。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来技術；図２R>２の自動ボビン切換式巻取技術によれば、ワイヤ１の巻き換え時に、ワイヤ押え７がワイヤ１を押え込んだ時、空ボビン５とともに回転するワイヤキャッチャ６の位置がランダムになり、ワイヤ押え７がワイヤ１を押え込んでから、ワイヤキャッチャ６がワイヤ１を捕らえるまでの間の時間が長くなる場合があり、この時は、ワイヤ１がたるんでしまい、ワイヤキャッチャ６の空振りや巻不良等の問題が生じる。
【０００６】本発明は、前述した従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、その課題；目的は、ワイヤをたるませることなくボビンを自動で切り換えることのできる、自動ボビン切換式連続巻取方法及びその装置を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明により提供する自動ボビン切換式連続巻取方法は、並行するシャフトの一方に巻取中のボビンを他方のシャフトに切換待ちの空ボビン及び自己の回転方向に向かってワイヤを挟み込む構造のワイヤキャッチャをシャフトとともに回転可能に取付け、並行するシャフト間でワイヤ通過部上で、自己の倒れ込み動作によりワイヤを押え込むワイヤ押えと、ワイヤキャッチャがワイヤを捕らえる位置からみて空ボビンの回転方向の位置に空ボビンの回転方向と逆の方向に歯が向けられたカッターとを具備させたボビン切換式連続巻取装置を使用し、巻取中のボビンに巻き取られているワイヤが空ボビン上を通過する状態で、空ボビン及びワイヤキャッチャが回転した際、このワイヤキャッチャの位置をセンサにより検出してから、空ボビンのシャフトの回転数をエンコーダで検出し、当該センサからのワイヤキャッチャ位置検出信号及び、空ボビンのシャフト回転数情報をワイヤ押えのコントローラに入力することにより、ワイヤ押えを倒れ込み動作を行わせ、以て、ワイヤをたるむことなくワイヤキャッチャがワイヤを捕らえてカッターで切断し、ボビン切換を完了させる方法からなる。
【０００８】前記のボビン切換を行う際、空ボビンが巻取可能な回転速度に達した後、前記センサがワイヤキャッチャを検出したという信号をコントローラが受けた時点からワイヤ押えが動作するまでに、前記エンコーダがコントローラに入力する空ボビンの任意の回転数情報を、切換時にワイヤ押えにてワイヤが緩まないようコントローラに設定する方法を提供する。
【０００９】また、本発明により提供する自動ボビン切換式連続巻取装置は、並行するシャフトの一方に巻取中のボビンを他方のシャフトに切換待ちの空ボビン及び自己の回転方向に向かってワイヤを挟み込む構造のワイヤキャッチャをシャフトとともに回転可能に取付け、並行するシャフト間でワイヤ通過部上で、自己の倒れ込み動作によりワイヤを押え込むワイヤ押えと、ワイヤキャッチャがワイヤを捕らえる位置からみて空ボビンの回転方向の位置に空ボビンの回転方向と逆の方向に歯が向けられたカッターとを備えさせ、空ボビン及びワイヤキャッチャに関して空ボビンとともに回転するワイヤキャッチャの位置を検出するセンサを設け、空ボビンのシャフトに関して回転数を検出するエンコーダを設け、センサからのワイヤキャッチャ位置検出信号を受けてから、エンコーダから空ボビンの回転数の情報を受けることにより、ワイヤ押えを倒れ込み動作させるワイヤ押えのコントローラを具備したものである。
【００１０】前記センサ等は、種々のものが考えられるが、好ましい態様として、センサは、空ボビンの裏側でワイヤキャッチャに対峙するように固定された光電センサと、ワイヤキャッチャの円板部上でワイヤ挟み込み部分の取付け面とは反対側の面に設置された反射板とでなり、コントローラはワイヤ押えのロータリーアクチュエータを制御する機構である。
【００１１】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明すると、図１は、自動ボビン切換式連続巻取装置をワイヤを巻き取る状況下で示したものである。
【００１２】この設備の巻取機構、切換え機構自体は、基本的に図２のものと同じである。即ち、シャフト２とシャフト３が並行して取り付けられており、一方のシャフト２にはワイヤ１を巻取中のボビン４が取り付けられ、他方のシャフト３には切換待ちの空ボビン５及びワイヤキャッチャ６が取り付けられ、シャフト３とともに回転する。ワイヤキャッチャ６は、円板部の片面に傾斜付部材を取り付けることにより、自己の回転方向に向かったＶ字型の溝を形成し、この溝にワイヤ１を挟み込む構造である。
【００１３】シャフト２とシャフト３（ボビン２とボビン４）の間のワイヤ通過部上には棒状のワイヤ押え７が設けられ、このワイヤ押え７はロータリーアクチュエータ９によりワイヤの通過部分に交差状態に倒れ込むよう駆動される。ワイヤ押えが倒れ込むと、ワイヤ１は、ワイヤキャッチャ６のパスラインまで押され、シャフト２とシャフト３の間で横方向から押え込まれる。カッター８は、ワイヤキャッチャ６がワイヤ１を捕らえられる位置から見て空ボビン５の回転方向に位置に、歯が空ボビン５の回転方向の逆を向くように取り付けられている。
【００１４】このような自動ボビン切換式連続巻取装置において、空ボビン５及びワイヤキャッチャ６と空ボビンを支えるシャフト３に関して特定の検出機構を付与したもので、空ボビン５及びワイヤキャッチャ６に関して光電センサ１０と反射板１１が設けられ、シャフト３に関してエンコーダ１２が設けられ、これらの検出結果；出力を受けてワイヤ押え７を倒れ込み動作させるためのコントローラ１３を具備している。
【００１５】光電センサ１０は、空ボビン５の裏側でワイヤキャッチャ６の円板部に対峙するように固定されている。一方の反射板１１は、ワイヤキャッチャ６の円板部上で該ワイヤキャッチャ６の溝の形成面とは反対側の面に溝の形成位置と一致するよう設置され、空ボビン５とともにワイヤキャッチャ６（円板部）が回転した場合、反射板１１が光電センサ１０の前方を通過するようにしている。光電センサ１０が反射板１１からの反射光を検出してワイヤ押えのコントローラ１３に出力する。
【００１６】他方、エンコーダ１２は、空ボビン５を支えるシャフト２に連係して設置されており、シャフト３つまり空ボビン５の回転数を検出してワイヤ押え７のコントローラ１３に出力する。
【００１７】いま、ボビン４が満巻となり、ボビン４に巻取中のワイヤ１が空ボビン５上に通過させる態勢として、ボビン切換えが始まると、シャフト３とともに空ボビン５、ワイヤキャッチャ６が回転する。空ボビン５が巻取可能な回転速度に達した後、光電センサ１０が反射板１１からの反射光を検出した際の信号をワイヤ押えのコントローラ１３が受けた時点から、エンコーダ１２が空ボビン５の任意の回転数の情報をコントローラ１３に入力すると、ロータリーアクチュエータ９は、コントローラ１３の制御信号を受けて動作する；ワイヤ押え７が図１（ハ）の実線位置から破線位置に倒れ込むことにより、ワイヤ１を横方向から押え込んで、ワイヤ１を回転中のワイヤキャッチャ６に捕らえさせ、そのままワイヤ１を巻込みながら回転することで、ボビン４，５間に渡るワイヤ１が回転方向に立ち向かうカッター８により切断されて巻き換え終了となる。
【００１８】前記のボビン切換時に、空ボビン５が巻取可能な回転速度に達した後、光電センサ１０が反射板１１からの反射光を検出した際の信号をワイヤ押えのコントローラ１３が受けた時点から、コントローラ１３の指令によりワイヤ押え７が動作するまで、エンコーダ１２がコントローラ１３に入力する空ボビン５の任意の回転数情報は、ボビン切換時にワイヤ押え部でワイヤ１が緩まないようにオペレータがコントローラ１３に設定する。
【００１９】尚、ワイヤキャッチャ６の検出器は、光電センサ１０と反射板１１の他に、リミットスイッチ、フォトマイクロセンサ、近接センサ等が適用可能であり、回転位置が検出可能なセンサであれば良い。ワイヤ押え７の駆動源は、ロータリーアクチュエータ９の他に、油圧シリンダ、モータ等であっても良い。
【００２０】
【発明の効果】以上説明した通り本発明によれば、ワイヤをたるませることなくボビンを自動で切り換えることのできる自動ボビン切換式連続巻取方法及びその装置を提供するという所期の課題；目的を達成することができ、その効果は蓋し大きいといえる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施例をボビン切換式連続巻取装置及びワイヤ巻取過程により示したもので、（イ）は正面説明図、（ロ）は平面説明図、（ハ）は空ボビン、ワイヤキャッチャ及びワイヤ押え並びに検出機構の側面説明図。
【図２】従来例を自動ボビン切換式連続巻取装置及びワイヤ巻取過程により示したもので、（イ）は正面説明図、（ロ）は平面説明図、（ハ）は空ボビン、ワイヤキャッチャ及びワイヤ押えの側面説明図。
【符号の説明】
１ ワイヤ
２ シャフト（巻取中のボビン側）
３ シャフト（切換待ちの空ボビン側）
４ 巻取中のボビン
５ 切換待ちの空ボビン
６ ワイヤキャッチャ
７ ワイヤ押え
８ カッター
９ ロータリーアクチュエータ
１０ 光電センサ
１１ 反射板
１２ エンコーダ
１３ コントローラ
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボビン切換式連続巻取技術の分野に属し、特に、ワイヤをたるませることなくボビンを自動で切換えることのできる、自動ボビン切換式連続巻取方法及びその装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】図２は、従来のボビン切換式連続巻取装置を概略的に示したもので、シャフト２とシャフト３が並行して取り付けられ、一方のシャフト２にはワイヤ１を巻取中のボビン４が取り付けられ、他方のシャフト３には切換待ちのボビン５及び自己の回転方向に向かってＶ字型の溝にワイヤを挟み込む構造のワイヤキャッチャ６が取り付けられ、これらボビン５とワイヤキャッチャ６（の円板部）はシャフト３とともに回転する。
【０００３】シャフト２とシャフト３（ボビン２とボビン４）の間のワイヤ通過部上にはワイヤ押え７が設けられ、このワイヤ押え７はロータリーアクチュエータ９によりワイヤの通過部分に交差状態に倒れ込むよう駆動される。また、ワイヤ押え７の近傍にカッター８が配置されている。ワイヤ押え７が倒れ込むと、ワイヤ１は、ワイヤキャッチャ６のパスラインまで、シャフト２とシャフト３の間で横方向から押え込まれる。カッター８は、ワイヤキャッチャ６がワイヤ１を捕らえられる位置から見て空ボビン５の回転方向に位置に、歯が空ボビン５の回転方向の逆を向くように取り付けられている。
【０００４】いま、ボビン４が満巻となり、ボビン４に巻取中のワイヤ１が空ボビン５上に通過させる態勢として、切換えが始まると、シャフト３とともに空ボビン５、ワイヤキャッチャ６が回転する。空ボビン５が巻取可能な回転速度に達した時点で、ワイヤ押え７を倒れ込ませることでワイヤ１を横方向から押え込み、回転するワイヤキャッチャ６にワイヤ１を捕らえさせ、そのままワイヤ１を巻込みながら回転し、回転方向に立ち向かうカッター８によりワイヤ１を切断して巻き換え終了となる。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来技術；図２R>２の自動ボビン切換式巻取技術によれば、ワイヤ１の巻き換え時に、ワイヤ押え７がワイヤ１を押え込んだ時、空ボビン５とともに回転するワイヤキャッチャ６の位置がランダムになり、ワイヤ押え７がワイヤ１を押え込んでから、ワイヤキャッチャ６がワイヤ１を捕らえるまでの間の時間が長くなる場合があり、この時は、ワイヤ１がたるんでしまい、ワイヤキャッチャ６の空振りや巻不良等の問題が生じる。
【０００６】本発明は、前述した従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、その課題；目的は、ワイヤをたるませることなくボビンを自動で切り換えることのできる、自動ボビン切換式連続巻取方法及びその装置を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明により提供する自動ボビン切換式連続巻取方法は、並行するシャフトの一方に巻取中のボビンを他方のシャフトに切換待ちの空ボビン及び自己の回転方向に向かってワイヤを挟み込む構造のワイヤキャッチャをシャフトとともに回転可能に取付け、並行するシャフト間でワイヤ通過部上で、自己の倒れ込み動作によりワイヤを押え込むワイヤ押えと、ワイヤキャッチャがワイヤを捕らえる位置からみて空ボビンの回転方向の位置に空ボビンの回転方向と逆の方向に歯が向けられたカッターとを具備させたボビン切換式連続巻取装置を使用し、巻取中のボビンに巻き取られているワイヤが空ボビン上を通過する状態で、空ボビン及びワイヤキャッチャが回転した際、このワイヤキャッチャの位置をセンサにより検出してから、空ボビンのシャフトの回転数をエンコーダで検出し、当該センサからのワイヤキャッチャ位置検出信号及び、空ボビンのシャフト回転数情報をワイヤ押えのコントローラに入力することにより、ワイヤ押えを倒れ込み動作を行わせ、以て、ワイヤをたるむことなくワイヤキャッチャがワイヤを捕らえてカッターで切断し、ボビン切換を完了させる方法からなる。
【０００８】前記のボビン切換を行う際、空ボビンが巻取可能な回転速度に達した後、前記センサがワイヤキャッチャを検出したという信号をコントローラが受けた時点からワイヤ押えが動作するまでに、前記エンコーダがコントローラに入力する空ボビンの任意の回転数情報を、切換時にワイヤ押えにてワイヤが緩まないようコントローラに設定する方法を提供する。
【０００９】また、本発明により提供する自動ボビン切換式連続巻取装置は、並行するシャフトの一方に巻取中のボビンを他方のシャフトに切換待ちの空ボビン及び自己の回転方向に向かってワイヤを挟み込む構造のワイヤキャッチャをシャフトとともに回転可能に取付け、並行するシャフト間でワイヤ通過部上で、自己の倒れ込み動作によりワイヤを押え込むワイヤ押えと、ワイヤキャッチャがワイヤを捕らえる位置からみて空ボビンの回転方向の位置に空ボビンの回転方向と逆の方向に歯が向けられたカッターとを備えさせ、空ボビン及びワイヤキャッチャに関して空ボビンとともに回転するワイヤキャッチャの位置を検出するセンサを設け、空ボビンのシャフトに関して回転数を検出するエンコーダを設け、センサからのワイヤキャッチャ位置検出信号を受けてから、エンコーダから空ボビンの回転数の情報を受けることにより、ワイヤ押えを倒れ込み動作させるワイヤ押えのコントローラを具備したものである。
【００１０】前記センサ等は、種々のものが考えられるが、好ましい態様として、センサは、空ボビンの裏側でワイヤキャッチャに対峙するように固定された光電センサと、ワイヤキャッチャの円板部上でワイヤ挟み込み部分の取付け面とは反対側の面に設置された反射板とでなり、コントローラはワイヤ押えのロータリーアクチュエータを制御する機構である。
【００１１】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明すると、図１は、自動ボビン切換式連続巻取装置をワイヤを巻き取る状況下で示したものである。
【００１２】この設備の巻取機構、切換え機構自体は、基本的に図２のものと同じである。即ち、シャフト２とシャフト３が並行して取り付けられており、一方のシャフト２にはワイヤ１を巻取中のボビン４が取り付けられ、他方のシャフト３には切換待ちの空ボビン５及びワイヤキャッチャ６が取り付けられ、シャフト３とともに回転する。ワイヤキャッチャ６は、円板部の片面に傾斜付部材を取り付けることにより、自己の回転方向に向かったＶ字型の溝を形成し、この溝にワイヤ１を挟み込む構造である。
【００１３】シャフト２とシャフト３（ボビン２とボビン４）の間のワイヤ通過部上には棒状のワイヤ押え７が設けられ、このワイヤ押え７はロータリーアクチュエータ９によりワイヤの通過部分に交差状態に倒れ込むよう駆動される。ワイヤ押えが倒れ込むと、ワイヤ１は、ワイヤキャッチャ６のパスラインまで押され、シャフト２とシャフト３の間で横方向から押え込まれる。カッター８は、ワイヤキャッチャ６がワイヤ１を捕らえられる位置から見て空ボビン５の回転方向に位置に、歯が空ボビン５の回転方向の逆を向くように取り付けられている。
【００１４】このような自動ボビン切換式連続巻取装置において、空ボビン５及びワイヤキャッチャ６と空ボビンを支えるシャフト３に関して特定の検出機構を付与したもので、空ボビン５及びワイヤキャッチャ６に関して光電センサ１０と反射板１１が設けられ、シャフト３に関してエンコーダ１２が設けられ、これらの検出結果；出力を受けてワイヤ押え７を倒れ込み動作させるためのコントローラ１３を具備している。
【００１５】光電センサ１０は、空ボビン５の裏側でワイヤキャッチャ６の円板部に対峙するように固定されている。一方の反射板１１は、ワイヤキャッチャ６の円板部上で該ワイヤキャッチャ６の溝の形成面とは反対側の面に溝の形成位置と一致するよう設置され、空ボビン５とともにワイヤキャッチャ６（円板部）が回転した場合、反射板１１が光電センサ１０の前方を通過するようにしている。光電センサ１０が反射板１１からの反射光を検出してワイヤ押えのコントローラ１３に出力する。
【００１６】他方、エンコーダ１２は、空ボビン５を支えるシャフト２に連係して設置されており、シャフト３つまり空ボビン５の回転数を検出してワイヤ押え７のコントローラ１３に出力する。
【００１７】いま、ボビン４が満巻となり、ボビン４に巻取中のワイヤ１が空ボビン５上に通過させる態勢として、ボビン切換えが始まると、シャフト３とともに空ボビン５、ワイヤキャッチャ６が回転する。空ボビン５が巻取可能な回転速度に達した後、光電センサ１０が反射板１１からの反射光を検出した際の信号をワイヤ押えのコントローラ１３が受けた時点から、エンコーダ１２が空ボビン５の任意の回転数の情報をコントローラ１３に入力すると、ロータリーアクチュエータ９は、コントローラ１３の制御信号を受けて動作する；ワイヤ押え７が図１（ハ）の実線位置から破線位置に倒れ込むことにより、ワイヤ１を横方向から押え込んで、ワイヤ１を回転中のワイヤキャッチャ６に捕らえさせ、そのままワイヤ１を巻込みながら回転することで、ボビン４，５間に渡るワイヤ１が回転方向に立ち向かうカッター８により切断されて巻き換え終了となる。
【００１８】前記のボビン切換時に、空ボビン５が巻取可能な回転速度に達した後、光電センサ１０が反射板１１からの反射光を検出した際の信号をワイヤ押えのコントローラ１３が受けた時点から、コントローラ１３の指令によりワイヤ押え７が動作するまで、エンコーダ１２がコントローラ１３に入力する空ボビン５の任意の回転数情報は、ボビン切換時にワイヤ押え部でワイヤ１が緩まないようにオペレータがコントローラ１３に設定する。
【００１９】尚、ワイヤキャッチャ６の検出器は、光電センサ１０と反射板１１の他に、リミットスイッチ、フォトマイクロセンサ、近接センサ等が適用可能であり、回転位置が検出可能なセンサであれば良い。ワイヤ押え７の駆動源は、ロータリーアクチュエータ９の他に、油圧シリンダ、モータ等であっても良い。
【００２０】
【発明の効果】以上説明した通り本発明によれば、ワイヤをたるませることなくボビンを自動で切り換えることのできる自動ボビン切換式連続巻取方法及びその装置を提供するという所期の課題；目的を達成することができ、その効果は蓋し大きいといえる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施例をボビン切換式連続巻取装置及びワイヤ巻取過程により示したもので、（イ）は正面説明図、（ロ）は平面説明図、（ハ）は空ボビン、ワイヤキャッチャ及びワイヤ押え並びに検出機構の側面説明図。
【図２】従来例を自動ボビン切換式連続巻取装置及びワイヤ巻取過程により示したもので、（イ）は正面説明図、（ロ）は平面説明図、（ハ）は空ボビン、ワイヤキャッチャ及びワイヤ押えの側面説明図。
【符号の説明】
１ ワイヤ
２ シャフト（巻取中のボビン側）
３ シャフト（切換待ちの空ボビン側）
４ 巻取中のボビン
５ 切換待ちの空ボビン
６ ワイヤキャッチャ
７ ワイヤ押え
８ カッター
９ ロータリーアクチュエータ
１０ 光電センサ
１１ 反射板
１２ エンコーダ
１３ コントローラ
【特許請求の範囲】
【請求項１】並行するシャフトの一方に巻取中のボビンを他方のシャフトに切換待ちの空ボビン及び自己の回転方向に向かってワイヤを挟み込む構造のワイヤキャッチャをシャフトとともに回転可能に取付け、並行するシャフト間でワイヤ通過部上で、自己の倒れ込み動作によりワイヤを押え込むワイヤ押えと、ワイヤキャッチャがワイヤを捕らえる位置からみて空ボビンの回転方向の位置に空ボビンの回転方向と逆の方向に歯が向けられたカッターとを具備させたボビン切換式連続巻取装置を使用し、前記巻取中のボビンに巻き取られているワイヤが空ボビン上を通過する状態で、前記空ボビン及びワイヤキャッチャが回転した際、このワイヤキャッチャの位置をセンサにより検出してから、前記空ボビンのシャフトの回転数をエンコーダで検出し、当該センサからのワイヤキャッチャ位置検出信号及び、前記エンコーダからの空ボビンのシャフト回転数情報をワイヤ押えのコントローラに入力することにより、前記ワイヤ押えを倒れ込み動作を行わせ、以て、ワイヤをたるむことなくワイヤキャッチャがワイヤを捕らえてカッターで切断し、ボビン切換を完了させることを特徴とする自動ボビン切換式連続巻取方法。
【請求項２】前記のボビン切換を行う際、空ボビンが巻取可能な回転速度に達した後、前記センサがワイヤキャッチャを検出したという信号をコントローラが受けた時点からワイヤ押えが動作するまでに、前記エンコーダがコントローラに入力する空ボビンの任意の回転数情報を、切換時にワイヤ押えにてワイヤが緩まないようコントローラに設定する、請求項１記載の自動ボビン切換式連続巻取方法。
【請求項３】並行するシャフトの一方に巻取中のボビンを他方のシャフトに切換待ちの空ボビン及び自己の回転方向に向かってワイヤを挟み込む構造のワイヤキャッチャをシャフトとともに回転可能に取付け、並行するシャフト間でワイヤ通過部上で、自己の倒れ込み動作によりワイヤを押え込むワイヤ押えと、ワイヤキャッチャがワイヤを捕らえる位置からみて空ボビンの回転方向の位置に空ボビンの回転方向と逆の方向に歯が向けられたカッターとを備えさせ、前記空ボビン及びワイヤキャッチャに関して空ボビンとともに回転するワイヤキャッチャの位置を検出するセンサを設け、前記空ボビンのシャフトに関して回転数を検出するエンコーダを設け、前記センサからのワイヤキャッチャ位置検出信号を受けてから、前記エンコーダから空ボビンの回転数の情報を受けることにより、前記ワイヤ押えを倒れ込み動作させるワイヤ押えのコントローラを具備したことを特徴とする自動ボビン切換式連続巻取装置。
【請求項４】前記センサは、空ボビンの裏側でワイヤキャッチャに対峙するように固定された光電センサと、ワイヤキャッチャの円板部上でワイヤ挟み込み部分の取付け面とは反対側の面に設置された反射板とでなり、前記コントローラはワイヤ押えのロータリーアクチュエータを制御する、請求項３記載の自動ボビン切換式連続巻取装置。
【請求項１】並行するシャフトの一方に巻取中のボビンを他方のシャフトに切換待ちの空ボビン及び自己の回転方向に向かってワイヤを挟み込む構造のワイヤキャッチャをシャフトとともに回転可能に取付け、並行するシャフト間でワイヤ通過部上で、自己の倒れ込み動作によりワイヤを押え込むワイヤ押えと、ワイヤキャッチャがワイヤを捕らえる位置からみて空ボビンの回転方向の位置に空ボビンの回転方向と逆の方向に歯が向けられたカッターとを具備させたボビン切換式連続巻取装置を使用し、前記巻取中のボビンに巻き取られているワイヤが空ボビン上を通過する状態で、前記空ボビン及びワイヤキャッチャが回転した際、このワイヤキャッチャの位置をセンサにより検出してから、前記空ボビンのシャフトの回転数をエンコーダで検出し、当該センサからのワイヤキャッチャ位置検出信号及び、前記エンコーダからの空ボビンのシャフト回転数情報をワイヤ押えのコントローラに入力することにより、前記ワイヤ押えを倒れ込み動作を行わせ、以て、ワイヤをたるむことなくワイヤキャッチャがワイヤを捕らえてカッターで切断し、ボビン切換を完了させることを特徴とする自動ボビン切換式連続巻取方法。
【請求項２】前記のボビン切換を行う際、空ボビンが巻取可能な回転速度に達した後、前記センサがワイヤキャッチャを検出したという信号をコントローラが受けた時点からワイヤ押えが動作するまでに、前記エンコーダがコントローラに入力する空ボビンの任意の回転数情報を、切換時にワイヤ押えにてワイヤが緩まないようコントローラに設定する、請求項１記載の自動ボビン切換式連続巻取方法。
【請求項３】並行するシャフトの一方に巻取中のボビンを他方のシャフトに切換待ちの空ボビン及び自己の回転方向に向かってワイヤを挟み込む構造のワイヤキャッチャをシャフトとともに回転可能に取付け、並行するシャフト間でワイヤ通過部上で、自己の倒れ込み動作によりワイヤを押え込むワイヤ押えと、ワイヤキャッチャがワイヤを捕らえる位置からみて空ボビンの回転方向の位置に空ボビンの回転方向と逆の方向に歯が向けられたカッターとを備えさせ、前記空ボビン及びワイヤキャッチャに関して空ボビンとともに回転するワイヤキャッチャの位置を検出するセンサを設け、前記空ボビンのシャフトに関して回転数を検出するエンコーダを設け、前記センサからのワイヤキャッチャ位置検出信号を受けてから、前記エンコーダから空ボビンの回転数の情報を受けることにより、前記ワイヤ押えを倒れ込み動作させるワイヤ押えのコントローラを具備したことを特徴とする自動ボビン切換式連続巻取装置。
【請求項４】前記センサは、空ボビンの裏側でワイヤキャッチャに対峙するように固定された光電センサと、ワイヤキャッチャの円板部上でワイヤ挟み込み部分の取付け面とは反対側の面に設置された反射板とでなり、前記コントローラはワイヤ押えのロータリーアクチュエータを制御する、請求項３記載の自動ボビン切換式連続巻取装置。
【図１】
【図２】
【図２】
【公開番号】特開２００２−１６７１２６（Ｐ２００２−１６７１２６Ａ）
【公開日】平成１４年６月１１日（２００２．６．１１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０００−３６９６１５（Ｐ２０００−３６９６１５）
【出願日】平成１２年１１月３０日（２０００．１１．３０）
【出願人】（０００００５１２０）日立電線株式会社 (3,358)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１４年６月１１日（２００２．６．１１）
【国際特許分類】
【出願日】平成１２年１１月３０日（２０００．１１．３０）
【出願人】（０００００５１２０）日立電線株式会社 (3,358)
【Ｆターム（参考）】
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