説明

自動二輪車

【課題】見つかりにくく、かつ、受信感度が低下しにくい位置に配置されたGPSユニットを備えた自動二輪車を提供する。
【解決手段】アンダーボーン型の車体フレームを有する自動二輪車において、収納箱17は、エンジンEよりも高い位置に配置され、燃料タンク14と前後に並んで配置される。収納箱17内の仕切板45は、収納室24と、収納室24より下方の収納室23とを分ける。収納室23にはGPSユニット15が配置される。GPSユニット15内のアンテナ35は、後部フレーム7とほぼ同じ高さか又はそれよりも高い位置に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動二輪車に関し、さらに詳しくは、位置情報を発信するGPSユニットを備えた自動二輪車に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2002−362448号公報(特許文献1)は、盗難に対する通報を無線送信する装置を自動二輪車に設置する構造を開示する。より具体的には、GPS(Global Positioning System)やPHS(Personal Handyphone System)測位システムを利用して盗難車両の位置を報知する盗難対策装置を、シートを施錠可能な開閉蓋としたヘルメット収納ボックス内に設置することにより、開錠しなければ他人が容易に見付けられず、所有者は蓋を開けることによって容易にインジケータを確認ができ、雨水の浸入を防止できる位置に設ける。盗難対策装置はケースに収容して設け、より一層の防振及び防水を図るとともに、窓を設けてインジケータの視認性を確保する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−362448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
盗難対策装置は見つかりにくい位置に配置されるのが好ましい。自動二輪車を盗んだ犯人が盗難対策装置を見つけ、自動二輪車から取り外してしまえば、所有者は盗まれた自動二輪車の位置を知ることができない。
【0005】
上記公報は次のとおり述べている。盗難対策装置はリアシート下に形成された物入れボックスの隅に取り付けられる。リアシートが施錠されれば、所有者以外の他人は物入れボックス内を見ることができない。そのため、盗難対策装置が見つかりにくい。
【0006】
しかしながら、仮にリアシートが施錠されていなかったり、施錠装置が壊されたりした場合、所有者以外の他人は容易に物入れボックス内の盗難対策装置を見つけてしまう。
【0007】
盗難対策装置はさらに、受信感度がなるべく高くなるように配置されるのが好ましい。しかしながら、上記公報はこの点につき何ら言及していない。
【0008】
本発明の目的は、見つかりにくく、かつ、受信感度が低下しにくい位置に配置されたGPSユニットを備えた自動二輪車を提供することである。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0009】
本発明による自動二輪車は、前部フレームと、後部フレームと、エンジンと、シートと、収納箱と、燃料タンクとを備える。前部フレームは、前方から後方に向かって斜め下方に延びる。後部フレームは、前部フレームから方向に向かって斜め上方に延びる。エンジンは、前部フレームの後端の下方に配置される。シートは、後部フレームの上方に配置される。収納箱は、エンジンよりも高い位置に配置され、かつ、シートの下方に配置される。燃料タンクは、収納箱の後方に配置される。収納箱は、収納筐体と、第1及び第2収納室と、第1仕切板と、GPSユニットとを含む。収納筺体は、上端に開口を有する。第1収納室は、収納筺体の上部に配置される。第2収納室は、収納筺体内であって第1収納室の下方に配置される。第1仕切板は、第1及び第2収納室の間に配置される。GPSユニットは、第2収納室内に配置される。GPSユニットはアンテナと、GPS受信機と、位置発信機とを含む。GPS受信機は、アンテナで受信されたGPS信号に基づいて位置情報を算出する。位置発信機は、GPS受信機により算出された位置情報を示す位置信号を前記アンテナから発信する。
【0010】
本発明による自動二輪車では、GPSユニットの上方にエンジン及び燃料タンクが配置されないため、アンテナの受信感度の低下は抑制される。さらに、GPSユニットは第2収納室に収納され、かつ、第1仕切板がGPSユニットの上方に配置されるため、GPSユニットは見つかりにくい。したがって、見つかりにくく、かつ、受信感度が低下しにくい位置に配置されたGPSユニットを備えた自動二輪車を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態による自動二輪車に利用される盗難防止システムの全体構成を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態による自動二輪車の全体構成を示す右側面図である。
【図3】図2に示される自動二輪車の収納箱及びその周辺の構造を示す右側面図である。
【図4】図2中の収納箱の分解斜視図である。
【図5】図2に示される自動二輪車の収納箱及びその周辺の構造を示す平面図である。
【図6】図5中のVI−VI線に沿った部分断面図である。
【図7】図5中のVII−VII線に沿った部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。以下の説明での、前後左右は、ライダが乗車した状態での方向を示す。
【0013】
[盗難防止システム]
初めに、本実施の形態による自動二輪車が利用する盗難防止システムについて説明する。
【0014】
図1は、盗難防止システムの全体構成を示す機能ブロック図である。図1を参照して、盗難防止システムは、自動二輪車に装着されるGPSユニット15と、GPS衛星101と、管理センタ201とを備える。
【0015】
GPSユニット15はアンテナ35と、GPS受信機36と、位置発信機37とを備える。アンテナ35は、GPS衛星101から送信されたGPS信号を受信する。GPS受信機36は、アンテナ35で受信されたGPS信号に基づいて位置情報を算出する。GPSユニット15は自動二輪車に装着されているため、GPS受信機36は自動二輪車の位置情報を算出する。
【0016】
GPSユニット15は、自動二輪車の識別情報を図示しないメモリに格納する。位置発信機37は、位置情報を示す位置信号と識別情報を示す識別信号とをアンテナ35から発信する。管理センタ201は、位置信号及び識別信号を受信し、位置情報及び識別情報を管理する。
【0017】
GPSユニット15は、CDI(Capacitor Discharge Ignition)ユニット26、ホーン制御装置36及びランプ制御装置37と接続される。GPSユニット15は、CDIユニット26を介してエンジンの点火プラグ38を制御する。GPSユニット15はさらに、ホーン制御装置36及びランプ制御装置37を介してホーンを鳴らしたり、ランプを点滅させたりする。
【0018】
自動二輪車が盗まれたとき、自動二輪車のライダは、管理センタ201に通報する。管理センタ201は、盗まれた自動二輪車のGPSユニット15から送信された位置信号及び識別信号を随時受信する。そのため、管理センタ201は盗まれた自動二輪車の位置を特定でき、追跡できる。
【0019】
管理センタ201は、盗まれた自動二輪車を制御する。より具体的には、管理センタ201は警報指示をGPSユニット15に送信する。GPSユニット15は警報指示に応じて、ホーン制御装置36を制御してホーンを鳴らす。また、GPSユニット15は警報指示に応じて、ランプ制御装置37を制御してランプを点滅させる。これにより、自動二輪車が盗まれたものであることを周囲の人々に知らせることができる。
【0020】
管理センタ201はさらに、停止指示をGPSユニット15に送信する。GPSユニット15は停止指示に応じて、点火プラグ38が動作しないようにCDIユニット26を制御する。これにより、エンジンは停止する。
【0021】
GPSユニット15は、CDIユニット26に接続されていなくてもよい。この場合、GPSユニット15はCDIユニット26を制御しない。
【0022】
[自動二輪車の全体構成]
次に、本実施の形態による自動二輪車について説明する。図2は、自動二輪車100の前方向(FWD)に向かって左側面を示す。図2を参照して、自動二輪車100は、車体フレーム1と、エンジンEと、シート18と、収納箱17と、燃料タンク14と、前輪4と、後輪11とを備える。
【0023】
車体フレーム1は、一般的な鞍乗型自動二輪車の車体フレームよりも下方に配置される。車体フレーム1は、いわゆるアンダーボーン型のフレームである。
【0024】
車体フレーム1は、ヘッドパイプ3と、前部フレーム6と、一対の後部フレーム7とを備える。
【0025】
ヘッドパイプ3に、前部フレーム6が結合される。より具体的には、ヘッドパイプ3の下部に、前部フレーム6が結合される。前部フレーム6は、ヘッドパイプ3から前方から後方に向かって斜め下方に延びる。前部フレーム6の後部には、後部フレーム7が結合される。後部フレーム7は、後方に向かって斜め上方に延びる。
【0026】
前部フレーム6の後端部には、補強フレーム8が配置される。補強フレーム8は後部フレーム7の下方に配置される。補強フレーム8は、後方に向かって斜め上方に延びる。補強フレーム8の後端は後部フレーム7のほぼ中央部分に接続される。補強フレーム8は後部フレーム7を支持する。車体フレーム1は、複数の車体カバー9で覆われる。前部フレーム6の後端は、側面視で、シート18の前端よりも後方に位置している。後部フレーム7の前端は、側面視で、前後方向でシート18の前端とほぼ同じ位置に位置している。
【0027】
ヘッドパイプ3には、ステアリング軸2が回転可能に挿入される。ステアリング軸2の上端には、ハンドル5が固定される。ヘッドパイプ3の下方には、一対のフロントフォーク16が配置される。フロントフォーク16の下端部には、前輪4が回転可能に取り付けられる。
【0028】
前部フレーム6の後部の下方には、エンジンEが配置される。エンジンEは、前部フレームに支持される。より具体的には、エンジンEは、エンジンブラケット10A及び10Bを介して前部フレーム6に支持される。
【0029】
ブラケット10Bには、ピボット軸60が設けられる。リアアーム12は、ピボット軸60を中心に上下に揺動可能に支持される。リアアーム12の後端部には、後輪11が回転可能に取り付けられる。リアアーム12の後端部と後部フレーム7との間には、ショックアブソーバ13が配置される。
【0030】
一対の後部フレーム7の上方には、シート18が配置される。シート18は、メインシート18Aと、メインシート18Aの後端に隣接するタンデムシート18Bとを備える。メインシート18Aには、ライダが着座する。タンデムシート18Bは、メインシート18Aよりも一段高くなっている。タンデムシート18Bには、タンデムライダが着座する。
【0031】
シート18の下には、収納箱17と燃料タンク14とが前後に並んで配置される。収納箱17は、エンジンEよりも高い位置に配置され、かつ、シート18の前部の下方に配置される。より具体的には、収納箱17は、メインシート18Aの下方に配置される。収納箱17の前端面は、エンジンEの後端面よりも前方に配置される。燃料タンク14は、シート18の後部の下方であって、収納箱17の後方に配置される。より具体的には、燃料タンク14は、タンデムシート18Bの下方に配置される。
【0032】
燃料タンク14は金属製であり、エンジンEに供給される燃料を蓄える。燃料タンク14は、図示しないブラケットを介して後部フレーム7に固定される。燃料タンク14は、上面に給油口14Aを備える。
【0033】
収納箱17は、上端に開口を有し、ライダ所有の小物等を収納する。収納箱17の前端部には、ヒンジ19が配置される。シート18は、その先端部でヒンジ19を中心に回転可能に支持される。シート18がヒンジ19を中心に回転して立てられると、収納箱17の開口が露出する。つまり、シート18が立てられることにより、収納箱17が開く。シート18がヒンジ19周りを回転して横にされると、収納箱17が閉まる。シート18の後端には図示しない施錠装置が設けられる。施錠されたシート18は回転できず、収納箱17は開かない。
【0034】
[収納箱の構造]
図3は、図2中の収納箱17とその周辺部分を拡大した部分断面図である。図3を参照して、収納箱17は、一対の後部フレーム7に固定される。一対の後部フレーム7の間には、クロスバー50及び51が架設される。クロスバー51は、クロスバー50の後方に配置される。収納箱17の底面の前部がクロスバー50に固定され、収納箱17の底面の後部がクロスバー51に固定される。収納箱17の下部は、一対の後部フレーム7の間に挟まれる。言い換えると、収納箱17は、側面視で一対の後部フレーム7と重なる。収納箱17の上端は一対の後部フレーム7より上方に位置している。収納箱17の下端は一対の後部フレーム7より下方に位置している。収納箱17の後端上部は、ブラケット21により燃料タンク14の先端上部と結合される。
【0035】
シート18の下方には、一対の後部フレーム7が後方に向かって斜め上方に延びる。そのため、シート18の下方と一対の後部フレーム7との間のスペースは、シート18の前端で最も大きく、シート18の後端に向かうにしたがい小さくなる。上述のとおり、収納箱17はシート18の前部の下方に配置され、燃料タンク14はシート18の後部の下方に配置される。そのため、収納箱17は、シート18の後部の下方に配置される場合と比較して、より大きな容量を有することができる。
【0036】
収納箱17は、収納筺体20と、仕切板45及び29と、を備える。収納箱17には、GPSユニット15が収納される。収納箱17には、仕切板45及び29により収納室22〜24が区画される。仕切板45は、本発明の「第1仕切板」である。仕切板29は、本発明の「第2仕切板」である。収納室24は、本発明の「第1収納室」である。収納室23は、本発明の「第2収納室」である。収納室22は、本発明の「第3収納室」である。
【0037】
収納筺体20は、合成樹脂製であり、上端に開口を有する。収納室24は、収納筺体20の上部に配置される。収納室23は、収納室24の下方に配置される。収納室22は、収納室23の下方に配置される。仕切板45は、収納室24と収納室23との間に配置される。仕切板29は、収納室23と収納室22との間に配置される。収納箱17には、積層された3つの収納室が形成される。
【0038】
図4は、収納箱17の分解斜視図である。図4を参照して、収納箱17の幅は、車両後方から前方(FWD)に向かって徐々に狭くなる。収納筺体20内の仕切板29と仕切板45との間に、GPSユニット15が配置される。GPSユニット15は、平らな方形状の形状を有する。GPSユニット15は、横にされて仕切板29上に取り付けられる。GPSユニット15は、左右方向または前後方向の長さが上下方向よりも大きくなるように、仕切板29上に取り付けられる。GPSユニット15は、側面視の面積より平面視の面積が大きくなるように仕切板29上に取り付けられる。配置GPSユニット15は、内蔵されたアンテナの受信範囲が上方を向くように、仕切板29上に取り付けられる。
【0039】
再び図3を参照して、収納室22は、バッテリ16や図示しない電装品を収納する。収納室23は、GPSユニット15を収納する。収納室24は、小物入れである。収納室24には、レインコートや工具等が収納される。仕切板45は、前後方向に延びる上面を有している。仕切板45の上面はほぼ平坦である。つまり、収納室24の底面はほぼ平坦である。そのため、小物入れとして使いやすい形状となっている。収納室24の内面は、人に見られる。仮に、収納室24の底面に凹凸があれば、収納室24の下方に、GPSユニット等の機器が収納されていると疑われる。収納室24の底面が実質的に平坦であれば、収納室24の下方にGPSユニット15が格納されていることがわかりにくい。
【0040】
以下、収納箱17の構成について詳述する。
【0041】
[収納室23]
上述のとおり、収納室23は、GPSユニット15を収納する。収納室23の底面は、仕切板29の上面に相当する。収納室23の天面は、仕切板45の下面に相当する。
【0042】
図5は、仕切板45が外された収納箱17及びその周辺部分の平面図である。図5中のIII−III線の断面図が図3に相当する。図3〜図5を参照して、GPSユニット15は、平らな方形状のユニット筐体39と、アンテナ35と、GPS受信機36(図1)と、位置発信機37(図1)とを備える。ユニット筐体39は、アンテナ35、GPS受信機36及び位置発信機37を収納する。ユニット筐体39の素材はたとえば、合成樹脂である。アンテナ35はシート状であり、図3に示すように、ユニット筐体39内の上部に配置される。図5に示すように、平面視で、アンテナ35は一対のフレーム7の間に配置される。さらに、平面視で、アンテナ35は、車両の中心軸X−Xよりも左側に配置される。
【0043】
GPSユニット15はさらに、GPS筺体39の側面に配置されたコネクタ44を備える。コネクタ44は、ワイヤハーネス41の一端に取り付けられたコネクタ40と接続される。ワイヤハーネス41の他端は、バッテリ16及び電装品に接続される。GPSユニット15は、ワイヤハーネス41を介して、バッテリ16と電装品とに接続される。GPSユニット15は、バッテリ16から電力を受け、CDIユニット26と通信する。GPSユニット15はさらに、ユニット筐体39内に図示しない補助バッテリを備える。バッテリ16から電力が供給されないとき、補助バッテリが利用される。
【0044】
図6は、図5中の線分VI−VIにおける断面図である。図6を参照して、GPSユニット15は仕切板29を介してバッテリ16と隣り合う。GPSユニット15がバッテリ16の近くに配置されるため、ワイヤハーネス41は短い。
【0045】
再び図5を参照して、仕切板29の後端近傍部には貫通孔33が形成される。ワイヤハーネス41は、貫通孔33を通ってGPSユニット15とバッテリ16及び電装品とを接続する。上述のとおり、GPSユニット15とバッテリ16とは仕切板29を介して隣り合う。ワイヤハーネス41が貫通孔33に通されることにより、ハーネス41の配置に必要なスペースを小さく抑えることができる。
【0046】
仕切板29の後部には、ガイドリブ45が配置される。ガイドリブ45の先端部は湾曲している。ワイヤハーネス41はガイドリブ45の先端部に沿って湾曲し、貫通孔33に導かれる。ガイドリブ45はワイヤハーネス41が折れ曲がるのを抑制する。
【0047】
GPSユニット15の外面には弾性バンド42が巻かれる。弾性バンド42は、たとえばゴム製である。弾性バンド42は、バンド部42A及び42Bを備える。バンド部42Aは環状のバンドであり、ユニット筺体39の表面のうち、コネクタ44が配置される側面と直交する一対の側面の中央部と上面及び下面の中央部とを包む。アンテナ35はバンド部42Aで覆われる。
【0048】
バンド部42Bは、コネクタ44が配置された側面をわたってバンド部42Aの上下面をつなぐ。バンド部42Bはコネクタ44と重ならない位置に配置される。具体的には、バンド部42Bは、バンド42Aの幅中央からコネクタ44と反対側にずれている。
【0049】
バンド部42Aのうち、ユニット筐体39の側面と重複する部分の外面には、取付部43が形成される。取付部43は、方形状の形状を有し、高さ方向に貫通した貫通孔を有する。
【0050】
図4及び図5を参照して、仕切板29の表面には板状の支持部材34A及び34Bが立てられる。支持部材34Aは、仕切板29の前縁近傍であって中心軸X−X上に立てられる。支持部材34Bは、支持部材34Aよりも後方であって中心軸X−Xから左側に立てられる。支持部材34A及び34Bは、取付部43の貫通孔にそれぞれ挿入される。これにより、GPSユニット15が仕切板29上に弾性的に固定される。
【0051】
図7は図5中のVII−VII線の断面図である。図7に示すとおり、支持部材34Aは、挿入部341Aと、支持部342Aとを備える。支持部342Aは挿入部341Aの下端に隣接する。挿入部341Aと支持部342Aとは一体的に形成される。支持部342Aは挿入部341Aよりも厚い。したがって、支持部材34Aは階段状の形状を有する。支持部材34Bも同様に、挿入部341Bと、支持部342Bとを備える。
【0052】
挿入部341Aは取付部34の貫通孔に挿入される。しかしながら、支持部341Bは厚いため、取付部34の貫通孔に入らない。そのため、弾性バンド42は、仕切板29の上面と接触せず、GPSユニット15と仕切板29との間には、隙間500が形成される。GPSユニット15は、浮いたまま支持部材34A及び34Bに支持される。そのため、GPSユニット15に自動二輪車100の振動が伝わりにくい。
【0053】
[GPSユニットの配置]
アンテナ35はGPS衛星101から送信されるGPS信号を受信する。受信感度を向上するために、アンテナ35は上方を向く。アンテナ35の上方には、受信感度を低下する障害物が少ない方が好ましい。金属製の車体部品はGPS信号と干渉するため、アンテナ35の上方には金属製の車体部品が少ない方が好ましい。
【0054】
アンテナ35がエンジンE又は燃料タンク14の真下に配置されれば、GPSアンテナ35の受信感度は低下する。そこで、本実施の形態では、GPSユニット15は、エンジンEの上方に配置され、燃料タンク14の前方に配置される。そのため、エンジンE及び燃料タンク14による受信感度の低下は抑制される。
【0055】
さらに、図6に示すように、アンテナ35は金属製の後部フレーム7とよりも高い位置に配置される。アンテナ35の受信感度は、エンジンEや燃料タンク14だけでなく、後部フレーム7の影響も受ける。アンテナ35が後部フレーム7とほぼ同じ高さ又はそれよりも高い位置に配置されれば、後部フレーム7の干渉を受けにくい。そのため、受信感度をより向上できる。
【0056】
自動二輪車100は、前輪4及び後輪11を介して路面から上下方向の外力を受ける。そのため、車体フレーム1の前部及び後部は上下動する。図3に示すように、GPSユニット15は、自動二輪車100の中央に近い位置に配置される。そのため、GPSユニット15は、車体フレーム1の前後で生じる上下動の影響を受けにくく、アンテナ35の変位が抑制される。したがって、アンテナの受信感度が向上する。
【0057】
図5に示すように、GPSユニット15が仕切板29に取り付けられると、コネクタ44が配置されたユニット筺体39の側面は、収納筺体20の内側面と対向する。このとき、コネクタ44が配置されたユニット筺体39の側面と、収納筺体20の内側面との間の距離は、後方から前方に向かるにしたがい狭くなる。コネクタ44は、ユニット筺体39の側面中央よりも後方側に配置される。このとき、アンテナ35はユニット筺体39内の上部に配置される。仮に、GPSユニット15が上下反転して仕切板29に取り付けられると、アンテナ35はユニット筺体の下部に配置されてしまい、受信感度が低下する。しかしながら、GPSユニット15が上下反転して仕切板29に取り付けられると、コネクタ44は、ユニット筺体39の側面中央よりも前方側に配置される。上述のとおり、コネクタ44が配置されるユニット筺体39の側面と、収納筺体20の内側面との距離は前方に向かうほど狭くなるため、コネクタ40をコネクタ44に接続するためのスペースが狭くなる。作業者はコネクタ40をコネクタ44に接続しにくいため、GPSユニット15を上下反転して取り付けたことに気づく。そのため、GPSユニット15が上下反転して取り付けられるのを抑制できる。
【0058】
[収納室22]
図3を参照して、収納室22は、収納箱17の最下部に配置される。収納室22は、バッテリ16と図示しない電装品とを収納する。電装品は、CDIユニット26や、ヒューズボックス、リレーボックス等を含む。
【0059】
収納室22の底面には、間仕切り板25が立てられる。収納室22は、間仕切り板25により前部スペースと後部スペースとに分けられる。バッテリ16は前部スペースに収納され。電装品は後部スペースに収納される。
【0060】
図3及び図6に示すように、収納室22は一対の後部フレーム7の間に挟まれる。収納室22の底は、前方から後方に向かって3つの底部22A〜22Cを備える。
【0061】
底部22Aは、収納室22の前部および左右側部に形成される。底部22Bは、底部22Aの内側に形成される。つまり、底部22Bは、底部22Aに囲まれる。底部22Cは底部22Bの後方に配置される。底部22A〜22Cは一体的に形成される。
【0062】
底部22A〜22Cの高さは互いに異なる。底部22Aは底部22B及び底部22Cよりも高い。底部22Cは、底部22Bよりも高い。底部22Bは最も低い。
【0063】
底部22Aは、ボルト及びナットによりクロスバー50に固定される。底部22Aの後端は側壁22Dの上端とつながっている。底部22Bの前端は、側壁22Dの後端とつながっている。底部22Bの後端は、側壁22Eの後端とつながっている。底部22Cの先端は、側壁22Eの上端とつながっている。
【0064】
図3及び図7を参照して、底部22Aは、一部に凹凸が形成される。図7を参照して、凹部22Fは収納室22内に凹んでいる。凹部22Fは、仕切板29が安定的に支持されるために利用される。図6を参照して、底部22Aの内面の内側縁近傍には、間仕切り板28が立てられる。間仕切り板28は、仕切板29が安定的に支持されるために利用される。
【0065】
[収納室22,23の間の仕切板]
図4、図6及び図7を参照して、仕切板29は、収納室23と収納室22との間に配置される。仕切板29の素材は合成樹脂である。仕切板29は、床板29Aと、板状のスカート29Bとを備える。スカート29Bは、床板29Aの周縁から下方に垂れている。
【0066】
図4を参照して、床板29Aは、収納箱17の開口と類似の形状を有し、床板29Aの幅は後方から前方(FWD)に向かって徐々に狭くなる。図6及び図7に示すように、床板29Aの裏面には、支持部材30及び31が形成される。
【0067】
支持部材30は床板29Aの裏面の前部に形成される。支持部材30は、円筒状の形状を有する。支持部材31は床板29Aの裏面中央に形成される。支持部材31は、方形状の形状を有する。
【0068】
図4及び図7を参照して、床板29Aはさらに、後端部に複数のフック29Cを備える。収納筐体20の後壁は、フック29に対応する複数の開口32を有する。仕切板29が収納筺体20に取り付けられるとき、フック29は開口32に挿入される。これにより仕切板29は収納筺体20の後壁に支持される。
【0069】
フック29により仕切板29が収納筺体20に支持されると、図6及び図7に示すように、スカート29Bの下端が底壁部22Aの内面と接触する。さらに、支持部材30は底壁部22Aの凹部22Fの内面と接触する。さらに、支持部材31はバッテリ16の上面と接触する。そのため、床板29Aはほぼ水平に安定して支持される。
【0070】
以上のとおり、フック29Cと、スカート29Bと、支持部材30及び31とにより、床板29Aは水平に支持される。図3に示すように、床板29Aが後部フレーム7よりも高いため、アンテナ35は後部フレーム7よりも高い。そのため、受信感度の低下は抑制される。
【0071】
本実施の形態では、床板29Aは後部フレーム7よりも高い。しかしながら、床板29Aが後部フレーム7と同じ高さであってもよい。要するに、床板29Aが後部フレーム7と同じ高さか又はそれよりも高い位置に配置されれば、アンテナ35の受信感度の低下を抑制できる。アンテナ35が後部フレーム7よりも高い位置に配置されるからである。
【0072】
[収納室23,24の間の仕切板]
図7を参照して、仕切板45は、収納室24と収納室23との間に配置される。仕切板45は、収納室24と収納室23とを分ける。仕切板45の素材は合成樹脂である。
【0073】
仕切板45は、床板45Aと、スカート46とを備える。図4を参照して、床板45Aは、収納箱17の開口と類似の形状を有し、床板45Aの幅は後方から前方に向かって徐々に狭くなる。床板45Aは平坦である。
【0074】
スカート46は板状であり、床板45Aの周縁から下方に垂下して形成される。図7に示すように、スカート46のうち、床板45Aの前端から垂下したスカート部分(以下、「前端スカート部」という)46Aはテーパ形状を有する。より具体的には、前端リブ部46Aの先端部は面取りされている。床板45Aの後端から垂下したスカート部分(以下、「後端スカート部」という)46Bの先端には、複数のフック48が形成されている。
【0075】
収納筺体20は、前壁20Cを備える。前壁20Cは、底壁22Aの前端から前方斜め上に向かって延びる。収納筺体20はさらに、前壁20Cの上部と対向する後壁20Dを有し、その後壁には複数の開口49が形成される。
【0076】
仕切板45が収納筺体20に嵌め込まれたとき、前端スカート部46Aの先端は前壁20Cの上部の内面と接触する。そして、フック48が開口49に挿入される。仕切板45は合成樹脂製であるため、ある程度の弾力性を有する。前端スカート部46Aとフック48とは接触した収納筺体20の内面を押す。そのため、仕切板45は収納筺体20に固定される。このとき、床板45Aはほぼ水平に配置される。
【0077】
図6に示すように、スカート46のうち、側面部分は収納筺体20と接触しない。つまり、仕切板45は、前端スカート部46A及びフック48により、収納筺体20に取り付けられる。仕切板29及び45の前端には、図示しないねじ孔が設けられる。そして、仕切板29及び45は、ねじ孔に挿入される図示しない1本のボルトにより一緒に締結される。ボルトが外され、フック29及び48が開口32及び49から外されることにより、仕切板29及び45は収納筺体20から取り外される。
【0078】
以上のとおり、仕切板29及び45は着脱可能に収納筺体20に取り付けられる。GPSユニット15は仕切板29に取り付けられるため、仕切板29を取り外せば、GPSユニット15も容易に収納筺体20から取り外せる。
【0079】
[収容室24]
図3を参照して、収納室24は、収納筺体20の最上部に形成される。収納室24は、仕切板45により収納室23と分けられる。上述のとおり、シート18がヒンジ19周りを回転して立てられると、収納室24の開口が露出する。そのため、ライダは収納室に小物等を入れることができる。
【0080】
図3及び図6に示すように、床板45Aの上面は平坦である。そのため、収納室24の床は、ほぼ平坦である。収納室24の床が凹凸を有していれば、収納室24の床下に盗難対策装置が隠されていると疑われ得る。しかしながら、収納室24の床は平坦であるため、盗難対策装置が隠されているとわかりにくい。
【0081】
本発明による自動二輪車は上述の実施の形態に限られない。
【0082】
仕切板29は用いなくてもよい。この場合、GPSユニット15は、バッテリ16上面に固定される。GPSユニット15は、仕切板45の床板45Aの裏面に固定されてもよい。この場合、収納筐体20内において、仕切板45よりも下方の収納室が、本発明の「第2の収納室」に相当する。
【0083】
ユニット筐体39は平らな方形状の形状以外の他の形状であってもよい。ただし、アンテナ35はユニット筐体39の上部に配置されるのが好ましい。GPSアンテナ35の受信感度が向上するためである。
【0084】
後部フレーム7は1本であってもよい。この場合、上方から見た後部フレーム7は、前部フレーム6と同軸上に延びる。
【0085】
車体フレームは、上述の実施の形態に限定されない。車体フレームは、前方から後方に向かって斜め下方に延びる前部フレームと、前記前部フレームから後方に向かって斜め上方に延びる後部フレームとを備えればよい。たとえば、ヘッドパイプと前部フレームとが一体に形成されていてもよいし、前部フレームと後部フレームが一体に形成されていてもよい。前部フレームが複数の角度で斜め下方に延びていてもよいし、後部フレームが複数の角度で斜め上方に延びていてもよい。
【0086】
シートは、上述の実施の形態に限定されない。シートは、後部フレームの上方に配置されていればよい。たとえば、メインシートとタンデムシートとが段差がなく同じ高さを有してもよい。シートはタンデムシートを有さず、メインシートのみ有してもよい。
【0087】
収納箱はメインシートとタンデムシートの下方に渡って配置されてもよい。燃料タンクはメインシートとタンデムシートの下方に渡って配置されてもよい。収納箱がメインシートの下方にのみ配置され、燃料タンクがタンデムシートの下方にのみ配置されてもよい。
【0088】
ガイドリブは、上述の実施の形態に限定されない。ガイドリブは、実施の形態のうちの一部のみであってもよいし、ガイドリブがなくてもよい。
【0089】
本発明の自動二輪車は、前方から後方に向かって斜め下方に延びる前部フレームと、前部フレームから後方に向かって斜め上方に延びる後部フレームと、前部フレームの後部の下方に配置されるエンジンと、後部フレームの上方に配置されるシートと、エンジンよりも高い位置に配置され、かつ、シートの下方に配置される収納箱と、収納箱の後方に配置される燃料タンクとを備えている。収納箱は、上端に開口を有する収納筐体と、収納筐体の上部に配置される第1収納室と、収納筐体内であって第1収納室の下方に配置される第2収納室と、第1収納室と第2収納室との間に配置される第1仕切板と、第2収納室内に配置されるGPS(Global Positioning System)ユニットとを含んでいる。GPSユニットは、アンテナと、アンテナで受信されたGPS信号に基づいて位置情報を算出するGPS受信機と、GPS受信機により算出された位置情報を示す位置信号をアンテナから発信する位置発信機とを含んでいる。
【0090】
GPSユニットは、収納箱に収納される。収納箱は、エンジンよりも高い位置に配置され、燃料タンクの前方に配置される。そのため、GPSユニットのアンテナの受信感度の低下が抑制される。さらに、収納箱は、収納筐体内で、第1仕切板で区画された第1収納室と、第1収納室の下方に位置する第2収納室を有する。GPSユニットは、第2収納室に配置される。そのため、シートが開き、収納箱が外部から見える状態でも、GPSユニットは第1仕切板の下方に位置するため、外部から見つかりにくい。したがって、見つかりにくく、かつ、受信感度が低下しにくい位置に配置されたGPSユニットを備えた自動二輪車を提供することができる。
また、第1収納室は、GPSユニットが配置される第2収納室と第1仕切板により区切られているため、使いやすい収納空間を提供することができる。
【0091】
好ましくは、アンテナは、後部フレームと同じ高さか又はそれよりも高い位置に配置される。言い換えると、アンテナは、側面視で後部フレームと同じ高さか又はそれよりも高い位置に配置される。
【0092】
この場合、後部フレームによりアンテナの受信感度が低下することを抑制できる。また、前部フレーム前方から後方に向かって斜め下方に延びる。後部フレームは、前部フレームから後方に向かって斜め上方に延びる。収納箱は、シートの下方に配置され、燃料タンクの前方に配置される。そのため、前部フレームと後部フレームは、側面視でV字状であり、GPSユニットは、V字の谷間に近い位置に配置される。そのため、アンテナが後部フレームとほぼ同じ高さかまたはそれよりも高い位置に配置しても、第1収納室の空間を大きく確保することができる。
【0093】
好ましくは、GPSユニットは、ほぼ平らな形状を有し、横にして配置される。
【0094】
GPSユニットが横にして配置されるため、第2収納室の上下方向の高さを小さくすることができる。そのため、第1仕切板の上面、言い換えると、第1収納室の底面をGPSユニットの上端よりも高い位置でほぼ平坦な形状にしても、第1収納室の空間を大きく確保することができる。
【0095】
好ましくは、収納箱はさらに、収納筐体内であって第2収納室の下方に配置される第3収納室と、第2収納室と第3収納室との間に配置され、貫通孔を有する第2仕切板と、第3収納室内に配置されるバッテリと、貫通孔に通され、GPSユニットとバッテリとの間に接続される配線とを含む。
【0096】
この場合、第2仕切板を挟んでGPSユニットとバッテリとが隣り合う。そのため、配線を短くできる。さらに、配線は貫通孔に通されるため、配線に必要なスペースが小さく抑えられる。
【0097】
好ましくは、第1及び第2仕切板は着脱可能に収納筐体に取り付けられ、GPSユニットは第2仕切板に取り付けられる。
【0098】
この場合、GPSユニットを見つかりにくい位置に配置しながら、容易に取り外せる。
【0099】
好ましくは、第2仕切板はさらに、第2仕切板の表面に立てられる支持部材を含む。GPSユニットは、GPSユニットと第2仕切板との間に隙間が形成されるように、支持部材に支持される。ここで、支持部材は、板状であってもよいし、他の形状であってもよい。支持部材は1つであってもよい。GPSユニットを支持できれば、支持部材の形状及び個数は限定されない。
【0100】
この場合、GPSユニットに振動が伝わりにくい。
【0101】
好ましくは収納筐体は、前方に向かって徐々に狭くなる幅を有する。GPSユニットはさらに、配線が接続されるコネクタが配置された側面を有し、アンテナとGPS受信機と位置発信機とを内部に収納するユニット筐体を含む。GPSユニットは前記第2仕切板に取り付けられる。GPSユニットが第2仕切板に取り付けられるとき、側面は、収納筐体の内側面と対向し、側面と収納筐体の内側面との間の距離は前方に向かうに従って狭くなる。コネクタは側面中央よりも後方寄りに配置される。アンテナは、ユニット筐体内の上部に配置される。
【0102】
この場合、GPSユニットを上下反転して第2仕切板に取り付ければ、ユニット筐体のコネクタは側面中央よりも前方側に配置される。コネクタが配置されたユニット筺体の側面と収納筺体の内側面との間の距離は前方に向かって狭くなる。したがって、配線をコネクタに接続するためのスペースが狭くなる。作業者は配線をコネクタに接続しにくいため、GPSユニットを上下反転して取り付けたことに気づく。そのため、GPSユニットが上下反転して取り付けられるのを抑制できる。また、幅が前方に向かって徐々に狭くなる収納筐体の形状であっても、空間を有効に利用して、GPSユニットを配置することができる。
【0103】
好ましくは、第2仕切板は、後部フレームとほぼ同じ高さか又はそれよりも高い位置に配置される。
【0104】
この場合、GPSユニット内のアンテナは、後部フレームよりも上方に配置される。そのため、アンテナの受信感度が低下することを抑制できる。
【0105】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0106】
1 車体フレーム
3 ヘッドパイプ
6 前部フレーム
7 後部フレーム
14 燃料タンク
15 GPSユニット
16 バッテリ
17 収納箱
18 シート
20 収納筺体
22〜24 収納室
29,45 仕切板
41 ワイヤハーネス
100 自動二輪車

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方から後方に向かって斜め下方に延びる前部フレームと、前記前部フレームから後方に向かって斜め上方に延びる後部フレームと、を含む車体フレームと、
前記前部フレームの後部の下方に配置されるエンジンと、
前記後部フレームの上方に配置されるシートと、
前記エンジンよりも高い位置に配置され、かつ、前記シートの下方に配置される収納箱と、
前記収納箱の後方に配置される燃料タンクとを備え、
前記収納箱は、
上端に開口を有する収納筐体と、
前記収納筐体の上部に配置される第1収納室と、
前記収納筐体内であって前記第1収納室の下方に配置される第2収納室と、
前記第1収納室と前記第2収納室との間に配置される第1仕切板と、
前記第2収納室内に配置されるGPS(Global Positioning System)ユニットとを含み、
前記GPSユニットは、
アンテナと、
前記アンテナで受信されたGPS信号に基づいて位置情報を算出するGPS受信機と、
前記GPS受信機により算出された位置情報を示す位置信号を前記アンテナから発信する位置発信機とを含む、自動二輪車。
【請求項2】
請求項1に記載の自動二輪車であって、
前記アンテナは前記後部フレームと同じ高さか又はそれよりも高い位置に配置される、自動二輪車。
【請求項3】
請求項1に記載の自動二輪車であって、
前記GPSユニットは、ほぼ平らな形状を有し、横にして配置される、自動二輪車。
【請求項4】
請求項1に記載の自動二輪車であって、
前記収納箱はさらに、
前記収納筐体内であって前記第2収納室の下方に配置される第3収納室と、
前記第2収納室と前記第3収納室との間に配置され、貫通孔を有する第2仕切板と、
前記第3収納室内に配置されるバッテリと、
前記貫通孔に通され、前記GPSユニットと前記バッテリとの間に接続される配線とを含む、自動二輪車。
【請求項5】
請求項4に記載の自動二輪車であって、
前記第1及び第2仕切板は着脱可能に前記収納筐体に取り付けられ、
前記GPSユニットは前記第2仕切板に取り付けられる、自動二輪車。
【請求項6】
請求項4に記載の自動二輪車であって、
前記第2仕切板はさらに、前記第2仕切板の表面に立てられる支持部材を含み、
前記GPSユニットは、前記GPSユニットと前記第2仕切板との間に隙間が形成されるように、前記支持部材に支持される、自動二輪車。
【請求項7】
請求項4に記載の自動二輪車であって、
前記収納筐体は、前方に向かって徐々に狭くなる幅を有し、
前記GPSユニットはさらに、
前記配線が接続されるコネクタが配置された側面を有し、前記アンテナと前記GPS受信機と前記位置発信機とを内部に収納するユニット筐体を含み、
前記GPSユニットは前記第2仕切板に取り付けられ、
前記GPSユニットが前記第2仕切板に取り付けられるとき、前記側面は、前記収納筐体の内側面と対向し、前記側面と前記収納筐体の内側面との間の距離は前方に向かうに従って狭くなり、前記コネクタは前記側面中央よりも後方寄りに配置され、前記アンテナは、前記ユニット筐体内の上部に配置される、自動二輪車。
【請求項8】
請求項4に記載の自動二輪車であって、
前記第2仕切板は、前記後部フレームとほぼ同じ高さか又はそれよりも高い位置に配置される、自動二輪車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−120626(P2010−120626A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−210758(P2009−210758)
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)