説明

自動体液分析装置における試料管破断検出器

【課題】 試料管の破壊を検出するための自動体液分析装置における試料管破断検出器を提供する。
【解決手段】 試料管ホルダ用の試料管破断検出器は破壊された試料管に対応する延伸位置と試料管ホルダ内の破壊されない試料管に対応する撤退位置とを有する摺動可能なプランジャを含んでいる。検出器は試料管ホルダ内の破壊された試料管を検出するような遠心機回転運転前後のプランジャ位置を比較する。試料管ホルダを把持するためのグリッパ装置は試料管ホルダを保持するための作動可能な偏心下端部および持ち上げ中試料管ホルダを安定させるための安定器を備えた持ち上げプローブを含んでいる。グリッパ装置および破壊検出器は第1および第2伸縮部材を有する昇降装置によって上昇および下降されるようにしてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動化された体液分析装置におけるラブセル遠心機モジュールに関するもので、より詳しくは試料管用の伸張可能な遠心バケット、試料管破断検出器を備えたバケットグリッパ装置、および遠心機に対する伸張可能なバケットの昇降用入力−出力装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ラブセル遠心機モジュール(以下に「モジュール」として記載する)は、遠心分離するためおよびキャップを外すために、主コンベヤの到来部分から、キャップ付き試料管を収容する装置である。これに関連する技術は従来から知られている(例えば、特許文献1ないし4参照)。
【0003】
【特許文献1】米国特許第6,374,989号明細書
【特許文献2】米国特許第6,293,750号明細書
【特許文献3】米国特許第5,897,090号明細書
【特許文献4】米国特許第6,257,091号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以下で運転の概要を説明する試料管は、例えば、15本の試料管を保持する装置内で伸張可能なバケット内にロボットで位置決めされている。装置ロボットは続いて4個の負荷されたバケットを回転のために遠心機に搬送する。回転された試料管は次いで遠心機からロボットで取り除かれかつキャップ外しのためにキャップ外し装置にロボットで搬送される。キャップが外された試料管は他の処理ステーションに搬送するために主コンベヤの出口部分にロボットで供給される。
【0005】
運転開始中に、合計12個のバケットに関して3つの待ち列13,14および15(図2ないし図4)の各々の上に4個の空のバケット19(図37)があり、4個のバケットは空の待ち列13上に配置され(図4)そして各々積載している待ち列14および15上に配置されている。通常伸張された状態にあるバケット19(図37)は待ち列13,14,15の各々の同一の対応端に向かって位置決めされ、該対応端は図3に示されるような前方左端であり、そして待ち列13,14,15のホームポジション37(図32および図35)として知られる。
【0006】
モジュールの連続するロボット作業の最初は、キャップ付き試料管により、積載している待ち列14のごとき、積載している待ち列の1つを負荷することにある。キャップ付き試料管は主コンベヤの到来部分に搬送される。試料管供給ロボット8(図3)は積載している待ち列14においてキャップ付き試料管をコンベヤ1からバケット19に搬送する。
【0007】
積載している待ち列14の4個のすべてのバケット19までキャップ付き試料管で負荷されたとき、バケットは積載している待ち列14の構成部材であるスライドキャリッジ24(図35)によって積載している待ち列14の反対端まで移動される。
【0008】
積載している待ち列14は、バケットがホーム端37(図32および図35)からその反対端に移動されるとき、ホーム端37にあったバケット19が今やバケット偏向器26,27と一直線に整列される。バケット偏向器26,27は積載してない待ち列13(図3)の開口部28を通って遠心機2(図2)に偏向されたまたは圧縮されたバケットをバケットグリッパロボット7が搬送できるように通常伸張されたバケット19を圧縮する。
【0009】
積載している待ち列14から遠心機4にバケット搬送作業が行われている一方、試料管供給ロボット8(図3)はキャップ付き試料管をコンベヤ1の到来部分から次の積載している待ち列15に搬送し始める。かくして積載している待ち列14から遠心機4へのバケット搬送作業がコンベヤ1から積載している待ち列15への試料管搬送作業と同時に行われる。
【0010】
加えて、積載されたバケットが積載している待ち列14から遠心機4へバケットグリッパロボット7によって搬送されると直ぐに、バケットグリッパロボット7は遠心機への搬送のために今除去された積載されたバケットを置き換えるように積載してない待ち列13から積載している待ち列14に戻して空のバケットを搬送する。積載している待ち列14から積載されたバケットと積載してない待ち列13からの積載されないバケットとの間のこの交換作業は積載している待ち列14からすべての積載されたバケットが遠心機にありかつ積載してない待ち列13からの空のバケットによって置き換えられるまで継続する。
【0011】
再び、積載してない(積み下ろし)待ち列13と積載している待ち列14との間のバケットの交換が同時に行われる一方キャップ付き試料管が、また同時に、1つづつ、コンベヤ1の到来部分から積載している待ち列15へ搬送される。かくして、積載している待ち列14および15上の空のバケットの交互の積載がある。
【0012】
積載している待ち列14からのすべて積載されたバケット19が遠心機4に搬送されるとき回転作業が始まりかつ積載してない待ち列13はすべてのバケットが空である。
【0013】
回転作業中に、試料管供給ロボット8はコンベヤ1の到来部分から積載している待ち列15に試料管を搬送し続ける。回転サイクルが完了されるとき、バケットグリッパロボット7は続いて遠心機4から回転された試料管のバケット19を除去し、回転された試料管のバケットを積載してない待ち列13上に配置し、かつ回転された試料管のバケットの除去によって空けられた遠心機空間において、遠心機4の配置のため積載している待ち列15から試料管のバケット19を除去する。この連続作業は遠心機4からの回転された試料管の4個すべてのバケット19が除去されかつ積載している待ち列15から積載されたバケット19によって置き換えられるまで継続する。かくして積載している待ち列14および15から遠心機4への積載されたバケット19の交互の搬送がある。
【0014】
試料管グリッパロボット6は、また、遠心機4から除去されかつ積載されない待ち列13上に配置されるバケット19から個々の回転された試料管を同時に除去する。除去された個々の回転された試料管はキャップ外し装置16,17(図3)のいずれか1つに試料管グリッパロボット6によって搬送される。
【0015】
バケット交換が積載している待ち列15のバケットと遠心機からの回転されたバケットとの間で行われている一方試料管供給ロボット8は再び主コンベヤ1の到来部分から積載している待ち列14の空のバケットにキャップ付き試料管を搬送する。試料管グリッパロボット6、バケットグリッパロボット7および試料管供給ロボット8によるこの作業サイクルが同時にかつ繰り返して行われる。
【0016】
キャップが外された試料管はキャップ外し装置16,17から矩形通路コンベヤ18(図3および図4)に試料管グリッパロボット6によって搬送される。試料管供給ロボット8は他の処理ステーションへの搬送のために矩形通路コンベヤ18からコンベヤ1へ回転されかつキャップが外された試料管を搬送する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は複数の摺動可能なプランジャを備えたハウジングを有する試料管破断検出装器を含んでいる。プランジャは試料管ホルダ内の試料管位置の方向に対応する方向を有している。プランジャはハウジングに対して別個に撤退可能でかつ別個に延伸可能であり、そしてプランジャの各々はハウジングから外側に向かって延伸している試料管係合面を備えた端部分を有する。ばね手段はプランジャの試料管係合面がハウジングから第1予定距離である第1延伸位置にプランジャを個別に押圧するためにプランジャの各々と連係する。プランジャの延伸位置は試料管ホルダの対応する試料管位置における破断された試料管または試料管ホルダの対応する試料管位置における管なし位置と互いに関連可能である。プランジャは、また、管係合面がハウジングに向かって予め定めた量だけ移動されるように撤退位置にそれぞれのばね手段の力に抗して個別に移動することができる。各プランジャの撤退位置は試料管ホルダの対応する試料管位置において破断されない試料管と互いに関連可能である。
【0018】
試料管破断検出装器は、また、試料管を有する試料管ホルダの遠心スピン運転の前後のそれぞれのプランジャの伸張または撤退位置を検出するためにプランジャの各々と協働し得るハウジング内の検出手段を含んでいる。かくして試料管ホルダ内の試料管の遠心スピン運転の前後に検出手段によって検出された伸張または撤退位置の比較が遠心スピン運転の前に試料管ホルダ内で破断された状態において以前に検出された試料管が遠心スピン運転の後に破断をこうむったかどうかの判断を行うことができる。
【0019】
本発明は、さらに、試料管ホルダを把持するためのグリッパ装置を含み、そのグリッパ装置は試料管破断検出装器と協働する。グリッパ装置は試料管破断検出装器の一体部分として試料管破断検出装器構造と合体させることができ、そしてハウジングの一方の側部に隣接して試料管破断検出装器のハウジングから吊下させた細長い持ち上げプローブを含んでいる。持ち上げプローブは第1軸線を有する固定支柱と、ハウジングから離れている支柱の下端でグリッパ部分とを含んでいる。グリッパ部分は第2軸線を有し、そしてグリッパ部分の第2軸線および支柱の第1軸線が軸線方向に整列される支柱と軸線方向に整列された位置から、試料管ホルダが持ち上げプローブによって保持されるように試料管ホルダの部分にグリッパ部分を係合できるようにグリッパ部分の第2軸線が、第1軸線からずれる軸線方向の偏心係合位置に支柱に関して可動である。安定化手段は、また、持ち上げプローブによって試料管ホルダの持ち上げ係合中に試料管ホルダを安定させるためにハウジング上に設けられている。
【0020】
本発明は、追加的に、試料管破断検出器および試料管破断検出器によって把持される試料管ホルダのごとき物体を上昇および下降するための物体昇降装置を含んでいる。昇降装置はベースと該ベースに関して移動可能な第1および第2伸縮部材を含んでいる。第2伸縮部材は第1伸縮部材に関して伸張かつ撤退位置に移動可能である。第1駆動手段はベースに関して反対方向に第1伸縮部材を移動させるためにベースに取付けられかつ第1伸縮部材に接合されている。第2駆動手段は第1伸縮部材およびベースに関して反対方向に第2伸縮部材を移動させるために第1伸縮部材に取付けられかつ第2伸縮部材に接合されている。
【0021】
したがって本発明は以下で説明される構造および方法を含み、本発明の範囲は特許請求の範囲に示されている。図面の幾つかの図を通して対応する符号は対応する部材を指示する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図面に関して、図1は、本明細書に参考までに記載された、臨床試験装置用コンベヤ装置に関する特許文献1に開示された型式の主コンベヤ1を示す。図1は、同様に、ラブセル遠心機モジュール2(図2)用の6個のドアハウジング2aを示す。コンベヤ1はラブセル遠心機モジュール2の部分ではない。
【0023】
図2は、好ましくは、標準の既製の遠心装置、試料管グリッパロボット6、バケットグリッパロボット7および試料管供給ロボット8を含む3つのロボットによって作動される卓上型構造体5である遠心機4を示す。試料管を摘み取るロボット6および8は、各々、平行な関係において開閉する、同じ形式の空気指部材6aおよび8a(図3)を有している。廃棄物収集ごみ箱9(図2)はキャップが外された試料管からのキャップを収容する。ロボット制御キャビネット10(図2)はラブセル遠心機モジュール2用のコンピュータ、エレクトロニクスおよび電源を含んでいる。
【0024】
ロボット6,7および8(図2)は卓上型構造体5を横切って横桁(クロスビーム)11および12に取り付けられている。ロボット6,7および8および横桁11および12上にロボット6,7および8を取り付けるためのロボット取り付け構造のさらに他の詳細は、本明細書に参考のために記載した作業ロボット用の自動化された分析器具および作業工具内の容器および物体搬送用ロボットに関する特許文献2に開示されている。
【0025】
試料管グリッパロボット6およびバケットグリッパロボット7(図3)は、モジュール2の前側を形成する横桁11に共通して取り付けられている。試料管供給ロボット8は横桁12(図3)に取り付けられている。
【0026】
略示されかつ図7において符号150,151,152で示した3つの構成要素箱は「x」方向における試料管グリッパロボット6の運動、「x」方向におけるバケットグリッパロボット7の運動および「Z」方向(図3)におけるバケットグリッパロボット7の運動に対応する駆動装置153,154および131を制御する公知の電子移動コントローラである。試料管グリッパロボット6の「Z」および「y」運動は空気式で作動される。
【0027】
図11はロボット6および7用「x」方向の駆動装置153,154およびそれぞれのロボット駆動ベルト165,165を備えた試料管グリッパロボット6およびバケットグリッパロボット7用の横桁11を示す。ロボット駆動ベルト165の各々はその固有の「x」駆動装置153,154を有している。
【0028】
卓上型構造体5(図2、図3、図4および図8)は積載していない待ち列13および2つの積載している待ち列14および15を含んでいる3つの待ち列を備えている。2つの積載している待ち列14および15は同一である。加えて、2つの同様なキャップ外し装置16および17(図2ないし図4)および試料管がラブセル遠心機モジュール2内でキャップ外し装置16,17のまわりに動く比較的小さい矩形の通路コンベヤ18(図3ないし図4)がある。かくしてラブセル遠心機モジュール2の部分であるコンベヤ18はモジュール2の部分でない主コンベヤ1から区別されかつ別個である。
【0029】
ラブセル遠心モジュール2は可動ロボット6,7および8を有するのでモジュールへのユーザーアクセス用ハウジング2a(図1)の上方ドアは通常安全手段として錠止される。さらに他の安全手段として上方ドアのいずれかが開放されるときユニットへの動力は安全リレー155(図7)を介して遮断される。
【0030】
図2は点線で遠心機アクセス通路18aを示している。アクセス通路18aはバケットグリッパロボット7が遠心機4の内外に動くようにその「Z」通路を形成する。図3は卓上型構造体5、ロボット6,7および8および主コンベヤ1の斜視図を示している。
【0031】
管グリッパロボット6は3つの軸「x」および「z」内で移動しかつまた図3に示されるように「y」変更を達成するように「z」軸のまわりに多少枢動する。バケットグリッパロボット7(図3)は「z」および「x」軸内でのみ移動する。試料管供給ロボット8(図3)は全部で3つの方向「x」および「z」内で移動しそして「y」変更を達成するように「z」軸のまわりに枢動する。
【0032】
卓上型構造体5(図3)は積載してない待ち列13,2つの積載している待ち列14,15、内部コンベヤ18および2つのキャップ外し装置16および17を含んでいる。全部で3つのロボット6,7および8および全部で3つのロボット運動は互いに干渉しないようにプログラムされている。
【0033】
図3に略示されているインターフェースゲート75は前述した特許文献1に示された型式のものからなりかつコンベヤ1上で使用される。インターフェースゲート75は4つの位置を有するホイール(図示せず)である。コンベヤ1上の試料管がゲート75に到達したときホイールは90°回転しかつ試料管(図示せず)を試料管供給ロボット8によって接近し得る公知の位置に移動させる。試料管供給ロボット8はまたピック位置74として示した試料管アクセス位置で停止するようにプログラムされている。
【0034】
参考までに本明細書に示した試料管用パックに関する特許文献3に示された型のものからなるパック54(図4)はコンベヤ18および1で搬送される試料管を保持する小さい容器である。コンベヤ1(図3および図4)上に到来する試料管はインターフェースゲート75で停止する。インターフェースゲート75はピック位置74(図3)に個々の試料管を配置するように90°回転する。試料管供給ロボット8はピック位置74(図3)に接近することができかつピック位置74に試料管があることをシステムソフトウエアによって通知される。
【0035】
試料管供給ロボット8はかくしてピック位置74に移動し、試料管を摘み取りそして試料管キャリヤまたは遠心機4用のバケット19を保持する利用可能な積載している待ち列14または15(図3)の1つに試料管を移動する。試料管バケット19はまた遠心機バケット(図37)として示されかつ本質的に3×5マトリックスにおいて15までの試料管を保持することができる試料管収容開口部を備えた容器またはホルダである。
【0036】
試料管供給ロボット8はかくしてコンベヤ1(図3および図4)上のインターフェースゲート75の試料管を摘み取り、その試料管を積載している待ち列の1つ、14または15に、かつ次いで試料管バケット19の管位置の1つに移動する。積載している待ち列14,15の各々は4つの試料管バケット19により構成されている。積載している待ち列14および15は4バケット×15試料管または4つのバケットバッチ(図4)当たり60個の試料管用の空間を設けている。
【0037】
システムソフトウエアは、積載している待ち列14および15が満配であると解釈されるときを定めてあり、即ち積載している待ち列14および15から遠心機4にバケット19の除去をトリガするために積載している待ち列14および15の4つの試料管バケット19に全部で60個の試料管を積載させることが必要でないように定めてある。かくして遠心過程は試料管バケット19中の試料管の量よりむしろ時間制限に基礎が置かれている。
【0038】
ラブセル遠心機モジュール2用の所望の処理量は時間当たり300個の試料管を回転することができる。4つのバケットバッチおよび5つのバケットバッチ当たり最大60個の試料管があるならば、結果は5回転サイクル×4バケット回転サイクル当たり60個の試料管=300回転試料管である。したがって各4個のバケットバッチはおよそ12分(5個のバッチによって分割された60分がバッチ当たり12分を結果として生じる)のプログラムされたサイクル時間を有する。これらの12分は純粋な回転時間および試料管を備えたバケットを積載しかつキャップを外すために試料管バケットから回転された試料管を積み下ろすための時間を含んでいる。12分のサイクル時間はユーザーが設計可能で、固定されない。しかし、いったんサイクル時間が確立されると、12分後には積載している待ち列は積載している待ち列14および15中のすべての試料管バケット19が試料管で充填されるかはともかく遠心機4に進む準備ができていると解釈される。
【0039】
説明のために、遠心機4は現在空でありかつ3つの待ち列13,14および15中のすべての試料管バケット19が図4に示される位置にあると運転開始において考えることができる。積載している待ち列14および15(図4)は各々4つの空の試料管バケット19を収容しかつ積載してない待ち列13は4つの空の試料管バケット19を収容している。積載している待ち列14,15内のスライドキャリッジ24上の4つのバケット位置は符号20,21,22および23(図35および図36)で示している。
【0040】
試料管供給ロボット8(図3)は個々のキャップ付き試料管を、例えば、コンベヤ部分1のインターフェースゲート75上のピック位置74から積載待ち列14上の試料管バケット19に移動させる。理想的には積載待ち列14上のすべての試料管バケット19は試料管供給ロボット8によってキャップ付き試料管で充填される。しかしながら、図4に示されるように積載待ち列14上の位置にある試料管バケット19はバケットグリッパロボット7または試料管グリッパロボット6によって接近不能である。それゆえ、積載待ち列14上のスライドキャリッジ24は試料管バケット19をスライドキャリッジ24のホームポジション(図35)から積載待ち列14の反対端に向かう方向に移動させねばならない。
【0041】
試料管バケット位置23はかくして通常伸張された試料管バケット19(図37)を圧縮するバケット偏向器26および27(図35)と一直線に整列される。バケット偏向器26および27間の積載待ち列14上の空間は、また、「x」方向にアクセス通路65に沿って移動するバケットグリッパロボット7によって接近し得るバケットピック位置25(図35)を形成する。したがってバケットグリッパロボット7は圧縮された試料管バケット19を超えて動き、バケット19に係合するにように下方に動き、バケット19を摘み取りそして遠心機4の頂部上にアクセス通路65に沿って動く。遠心機4用の開放蓋があり、そしてバケット19を有するバケットグリッパ7は積載してない待ち列13の開口部28(図3)を通って卓上型構造体5の下側にある遠心機4に向かって下側に移動する。
【0042】
遠心機4の内部にはクロスパターン(図示せず)において4つのバケット収容位置がある。かくして第1試料管バケット19が遠心機4に配置されるときシステムソフトウエアはその場合をトリガしかつ遠心機バケット収容クロスパターンは90°回転する。バケットグリッパ7は積載している待ち列14に戻って偏向器26,27の偏向位置に移動する。一方、積載している待ち列スライドキャリッジ24はバケットグリッパ7がそれに近づくことができるように位置22のような次のバケット位置を2つの偏向器26および27間のバケットピック位置25(図35)に配置するように移動する。
【0043】
バケットグリッパ(図3)は位置22(図35)からバケットを摘み取り、それを遠心機開口部28(図3)に移動させ、それを遠心機4に向けて下方に動かしかつ上方に戻す。遠心機4内のバケット収容クロスパターンは90°回転する。それは積載している待ち列14(図4)の4つすべての位置20,21,22および23から全部で4つのバケット19が遠心機4の内側に位置させるまで4回発生させる。
【0044】
遠心機はクロスパターンにおいて試料管バケット19の4つを収容するときの能力に応じられる。
【0045】
留意されるべきことは、遠心機4は蓋(図示せず)付きの頂部カバーを有するということである。遠心機ソフトウエアは、回転作動が始まる前に遠心機が4つの試料管バケット19で負荷されるとき閉じるようにその蓋をトリガする。遠心機蓋は遠心機内部に冷凍能力があるため、かつまた安全に関して高速回転装置のため回転中閉じられねばならない。
【0046】
バケットグリッパロボット7による積載している待ち列14の1つから遠心機4までの記載されたバケット搬送過程中、試料管供給ロボット8は他の積載している待ち列15に試料管を積載し続ける。それゆえ、2つの積載している待ち列14,15の一方が試料管供給ロボット8のために常に利用可能である。結果として4つの試料管バケット19の1つのバッチが遠心機4において回転しているとき、積載している待ち列14,15の一方は、コンベヤ1から選択された積載している待ち列にキャップ付き試料管を搬送する試料管供給ロボット8によって積載されている。
【0047】
試料管供給ロボット8はロボット6および7から独立して、インターフェースゲート(図3)のピック位置74から試料管を摘み取りかつそれらを利用可能な積載している待ち列14または15の試料管バケット19に移動させることによってコンベヤ1(図3)上のインターフェースゲート75からキャップ付き試料管を積載する。一方、遠心機4は回転する。かくして同時の活動がある。
【0048】
遠心機回転時間は回転されているサンプルの型に依存するシステムソフトウエアの選択可能なパラメータである。回転(スピン)時間は尿から血液に、体液が回転されている血液全体に変化する。ラブセル遠心機モジュール2は血液クリーニングに関してだけでなく他の型の体液に関して使用することができかつ回転時間は、例えば、8分または12分のごとき、選択の問題である。予め定めた回転時間はシステムの処理量を計算するように特定されている。
【0049】
遠心機回転サイクルが完了された後遠心機蓋が再び開き、バケットグリッパロボット7が通路18a(図2)に沿って遠心機4まで下方に移動し、遠心機4から試料管バケット19を摘み取りかつそれを積載してない待ち列13(図3および図32)の開口部28を通って上方に移動させる。
【0050】
積載してない待ち列13(図32)は、また、積載している待ち列14,15のスライドキャリッジ24と同様な、スライドキャリッジ26上の4つのバケット位置31,32,33および34を有する。積載してない待ち列13(図32)は、また、バケット圧縮装置または可動偏向器35を有している。
【0051】
バケットグリッパ7が遠心機4の内部から試料管バケット19を摘み取りかつバケットを積載してない待ち列13の開口部28を通って上方に移動した後スライドキャリッジ36(図3、図4および図32)は開口部28の上に移動する。可動偏向器35は、また、同時に、今やスライドキャリッジ36によって被覆される開口部28の直ぐ上の位置に移動する。バケットグリッパロボット7は次いでスライドキャリッジ36(図32)上の位置31で試料管バケット19を配置するように下方に移動する。
【0052】
位置31は今やスライドキャリッジ36によって被覆されかつ2つの可動偏向器35の間にある開口部28の直上にある。
【0053】
バケットグリッパロボット7は試料管バケット19をバケット位置31に釈放しかつ上方に戻す。次いでスライドキャリッジ36および可動偏向器35は図32に示されるようなホームポジション37に戻る。スライドキャリッジ36および可動偏向器35がホームポジション37にあるとき遠心機に対して開口部28は再び被覆解除される。
【0054】
一方、遠心機バケット収容クロス(図示せず)は90°回転しかつ回転された試料管の次のバケット19を遠心機4の内部のバケットピック位置に移動する。バケットグリッパロボット7は積載してない待ち列13の開口部28を通って遠心機4まで下方に移動、次の回転された試料管バケット19を摘み取り、上方に移動しそして同一のサイクルが繰り返される。積載してない待ち列13のスライドキャリッジ36(図32)は遠心機開口部28の上を移動し、可動偏向器35は遠心機開口部28の上をスライドキャリッジ36とともに移動し、バケットグリッパ7(図3)が下方に移動して、今や開口部28の直ぐ上にあるスライドキャリッジ36上の第2バケット位置32(図32)に試料管バケット19を置き、バケット19を釈放しかつ上方に移動する。そして遠心機4からのバケット除去過程は全で4つの回転された試料管バケット19が除去されかつ積載してない待ち列13(図4)上に位置決めされるまで継続する。
【0055】
いったん回転された試料管バケット19の4つすべてが遠心機4から積載してない待ち列13に積み下ろされると各試料管バケット19は15個までの試料管を有する。次の機能は、本明細書までに示した自動キャップ外し装置に関する特許文献4に示した型式のものからなるキャップ外し装置16,17(図3)によってこれらの回転された試料管のキャップを外すことにある。キャップ外しの期間中、キャップはキャップ外し装置16および17(図4および図5)によって回転された試料管から除去されかつキャップが外された試料管は最後にコンベヤ1に回転されかつキャップが外された試料管を他の処理ステーションに搬送させるように場所位置73(図3)においてインターフェースゲート75によりコンベヤ1に搬送される。
【0056】
ラブセル遠心機モジュール2は、1つのキャップ外し装置が所望の割合で試料管のキャップを外すのに十分な速さを有していないので所望の処理量を維持するために2つのキャップ外し装置16,17を備え、試料管グリッパロボット6は一方のキャップ外し装置がキャップを外すことができるよりも速くキャップ外し装置に対してより速く試料管を移動させるように作動され得る。キャップ外し装置16および17は、各キャップ外し装置にキャップ付きの試料管を連続的に挿入できるように連続的に開くドア40および41(図3)を有している。
【0057】
2つのキャップ外し装置16および17(図3)の作動中それぞれの上方ドア40および41は開放される。試料管グリッパロボット6はキャップ付き試料管を一方のキャップ外し装置に置き、試料管を放し、外側に移動し、そしてキャップ外し装置の上方ドアが閉じる。キャップ外し装置の内部の回転装置(図示せず)はキャップ付き試料管を特定の位置に下降する一方、クランプ(図示せず)がキャップを保持し、それによって試料管とキャップを分離する。それぞれのキャップ外し装置のドア40,41が開き、それぞれのキャップを放し、そしてキャップがシュート161,162(図8)を下降して廃棄箱9(図2)に入る。
【0058】
試料管ロボット6(図3)は回転された試料管が配置されかつバケット19からキャップ付き試料管を摘み取る積載してない待ち列13における第1の利用可能なバケットまで積載してない待ち列13上を前後に移動する。試料管ロボット6(図3)は「x」方向に動きかつ積載してない待ち列13上の単なる1つの特別な「y」位置において試料管に接近することができる。かくして積載してない待ち列13の試料管列は試料管グリッパロボット6のピック位置と一直線に整列されねばならない。5個の試料管の1列が積載してない待ち列13から積み下ろされるとき、試料管バケット19は試料管グリッパロボット6のピック位置と整列して5個の試料管の次の列を位置決めするために試料管列間の距離に等しい量だけスライドキャリッジ36によって移動されねばならない。
【0059】
試料管グリッパロボット6は、次いで、「x」方向にそして積載してない待ち列13の摘み取られてない試料管の列と整列して移動する。積載してない待ち列13は、次いで、試料管グリッパロボット6が試料管バケット19からのキャップ付きのかつ回転された試料管の以前の列の除去を完了するごとに試料管グリッパロボット6に関してキャップ付きの試料管の新たな列に再び整列しなければならない。
【0060】
卓上型構造体5を上から見た図4に関して、基準線50は試料管グリッパロボット6の運動の「x」方向通路を示している。通路線50は説明のために使用されかつ試料管グリッパロボット6の実際の運動通路の目盛り付けされた表示ではない。試料管グリッパ通路50は、また、試料管グリッパロボット6が試料管を摘み取ることができる積載してない待ち列13上の予め定めた「y」位置にある。かくして試料管グリッパ通路50およびバケットグリッパアクセス通路65は実際には一致する。
【0061】
試料管グリッパ通路線50に沿って基準円51,52,56,57および58(図4)によって示されるような試料管グリッパ通路50上の5個のピック位置がある。基準円51,52,56,57および58は積載してない待ち列13において試料管グリッパ通路50上の試料管バケット19の5個の試料管位置に対応する。
【0062】
それゆえ、試料管グリッパロボット6は通路線50(図4)上の位置52に動き、第1試料管を摘み取り、その試料管を16のごときキャップ外し装置の一方に搬送させ、キャップ外し装置16はそのドア41を閉じ、試料管のキャップを外しそして試料管グリッパロボット6は通路線50に沿って戻りかつピック位置51(図4)において次の試料管を摘み取り、そしてそれを他のキャップ外し装置17に移動させる。
【0063】
ピック位置52からの試料管はキャップ外し装置16においてキャップを外された後キャップ外し装置のドアが開く。試料管グリッパロボット6は、次のピック位置51からキャップ外し装置17にキャップ付き試料管を供給した後、キャップを外された試料管をキャップ外し装置16から摘み取りかつそれを空のパックが利用できる矩形の通路コンベヤ18(図4)上のパック位置53に移動させる。パック位置53は試料管グリッパ通路50と一直線に整列する。矩形の通路コンベヤ18上の他の空のパックは円54で示されている。
【0064】
かくして、試料管グリッパロボット6は試料管がキャップを外されかつキャップ外し装置ドアが開放されるキャップ外し装置16に移動する。試料管グリッパロボット6はキャップ外し装置16からキャップを外された試料管を除去し、キャップを外された試料管をパック位置53(図4)まで矩形の通路コンベヤ18に移動し、試料管をパック54に釈放しかつ試料管グリッパ通路50上のバケット列の次の試料管を移動させる。試料管グリッパロボット6はこの過程を5回繰り返しそれによって試料管バケット19中のグリッパ通路50上の試料管の列はキャップを外すために回転された試料管から空にされる。
【0065】
次に積載してない待ち列13のスライドキャリッジ36(図32)は試料管グリッパ通路50(図4)と整列してバケット19内の利用し得る回転されたかつキャップ付き試料管の次の列を一直線に整列するように小さい「y」距離だけ試料管バケット19を移動する。基準線55(図4)は、試料管グリッパロボット6が試料管バケット19から5個のキャップ付きかつ回転された試料管を摘み取ることができるように試料管グリッパ通路50と整列して動くキャップ付き試料管の利用し得る次の列を示している。
【0066】
留意されるべきことは、スライドキャリッジ36は積載してない待ち列13上にバケット19を支持するとき、試料管バケット19が遠心機開口部28(図3、図4および図32)に戻って落ち込むのを阻止するということである。
【0067】
前に記載したように各試料管バケット19(図37)は5個の試料管位置からなる3つの列または15試料管/バケットを有する。4個の試料管バケット19は合計60個の試料管(図4)に関して積載してない待ち列13を占有する。4個のバケット19において60個の試料管位置が試料管で満たされるならば、積載してない待ち列13のスライドキャリッジ36は試料管グリッパ通路50(図4)と試料管位置の各5つの列線を一直線に整列させるために12移動を行わねばならない。
【0068】
試料管バケット19(図4)中のキャップ付きかつ回転されたすべての試料管が積載してない待ち列13から試料管グリッパロボット6によって積み下ろされるときバケットグリッパロボット7は遠心機開口部28の上方のピック位置に移動する。積載してない待ち列のスライドキャリッジ36(図32)は遠心機開口部28(図4)を超えてピック位置にその空の試料管バケット19を移動し、可動偏向器35(図32)は通常伸張された試料管バケット19(図4)を圧縮するように遠心機開口部28の上方のピック位置に移動する。バケットグリッパロボット7は次いで積載してない待ち列13からちょうど空の試料管バケット19をピックアップしかつ空の試料管バケット19を14または15(図3)のごとき空の積載している待ち列に戻す。
【0069】
いったん第1の空の試料管バケット19が積載してない待ち列13から積載している待ち列14上に搬送されると、積載してない待ち列13のスライドキャリッジ36(図32)は試料管グリッパ通路50(図4)と次の利用し得るバケット列を一直線に整列する。試料管グリッパロボット6は続いてこれらの試料管(5本までの試料管)をキャップ外し装置16および17に移動させる。試料管グリッパ通路50と試料管列の整列は各試料管バケット19内に5個の試料管位置の3つの列があるため各試料管バケット19において3回発生する。
【0070】
以前に説明したように、積載してない待ち列13上の試料管バケット19が空であるとき遠心機開口部28上の積載してない待ち列13(図4)のスライドキャリッジ36および可動偏向器35の運動によってバケットグリッパロボット7に接近可能である。アクセス通路50(図32)に沿って移動しているバケットグリッパロボット7は空の試料管バケット19を摘み取りかつ空のバケット19を積載している待ち列14または15に移動する。かくして積載してない待ち列13はバケットグリッパロボット7によって摘み取られ得る位置に空の試料管バケット19を移動し、そして積載している待ち列14または15のスライドキャリッジ24は空の試料管バケット19を積み下ろすようにバケットグリッパロボット7用の開放されたバケット収容空間を設けている。積載している待ち列14,15(図35)はバケットグリッパロボット7によって搬送された空のバケット19で今や充填され得る4つの試料管バケット位置20,21,22および23を有している。バケット交換は積載してない待ち列13上の4つの試料管バケット19からの60個の試料管のすべてがキャップを外されるまで各積載している待ち列14,15に関して継続する。
【0071】
バケットグリッパロボット7は積載している待ち列14または15において同一の「y」位置に積載されない待ち列13から空の試料管バケット19を常に搬送する。かくして積載している待ち列14,15に対する空の試料管バケット19の位置決めは積載している待ち列14,15のスライドキャリッジ24によって決定される。積載している待ち列14,15が空であるならばすべての試料管バケット位置20,21,22および23(図35および図36)は空である。
【0072】
積載してない待ち列13が試料管を空にした試料管バケット19を有するとき空のバケット19は積載してない待ち列13を超えて予め定めた「y」位置において予め定めた「x」通路またはアクセス通路65(図32)に沿って移動するバケットグリッパロボット7に接近し得る。バケットグリッパロボット7は下方に動きかつ積載してない待ち列13のスライドキャリッジ36上のバケット位置31(図32)から空のバケット19を摘み取り、上方に移動し(同一の「y」位置)かつ積載している待ち列14または15の一方の上のアクセス通路65で「x」運動を行う。積載している待ち列14,15はバケットグリッパロボット7と同一の「y」位置にスライドキャリッジ24上の空のバケット位置23を移動する。したがって積載している待ち列14,15(図35)はバケットグリッパロボット7(図4)の下側にあるアクセス通路65(図35)と一直線に整列するようにスライドキャリッジ24に空のバケット位置23を位置決めする。
【0073】
バケットグリッパロボット7用のアクセス通路65は図32および図35に示されている。バケットグリッパ7は「x」方向に前後にかつ「z」方向に上下に移動できるのみであるが「y」方向には移動しない。かくしてアクセス通路ライン65はバケットグリッパロボット7の「y」位置を決定する。それゆえ積載してない待ち列13のスライドキャリッジ36および積載している待ち列14,15の同一のスライドキャリッジ24は積載してない待ち列13からの試料管バケット19の除去および積載している待ち列14,15上への同一のバケットの配置を許容するために「y」方向に適切な量だけ移動しなければならない。
【0074】
積載してない待ち列13(図32)から空のバケット19を除去するためにアクセス通路65に沿ってバケットグリッパロボット7用の予め定めたピックアップ位置がある。また、積載している待ち列14,15に空の試料管バケット19を後退するための通路65に沿う予め定めた後退位置がある。
【0075】
積載してない待ち列13のスライドキャリッジ36(図32)はアクセス通路65と整列して第1の空の試料管バケットを移動させる。バケットグリッパロボット7は今や空の試料管バケット19に近づくことができかつそのバケットを摘み取り、それを積載している待ち列14または15の上方の通路65に沿って「x」方向に移動する。積載している待ち列のスライドキャリッジ24はバケットグリッパロボット7が空のバケットを保持している第1のバケット位置(図35)を移動する。次いでバケットグリッパロボット7は下方に移動し、空のバケット19を位置23に置き、バケットを釈放し、上方に移動し、そして積載してない待ち列13まで通路65に沿って「x」方向に移動する。
【0076】
積載してない待ち列のスライドキャリッジ36(図32)は次いで、バケットグリッパロボット7(図4)が次の空の試料管バケット19を摘み取ることができるようにバケットグリッパアクセス通路65と整列してバケット位置32に空の試料管バケット19を配置するように移動する。バケットグリッパロボット7はバケット位置(図32)から空の試料管バケット19を摘み取りかつそれを利用可能な積載している待ち列14,15(図4)に戻す。積載している待ち列のスライドキャリッジ24(図35)はバケットグリッパアクセス通路65と整列して次の空のバケット収容位置22にあるように「y」方向に移動する。バケットグリッパロボット7(図4)は下方に移動し、積載している待ち列のスライドキャリッジ24(図35)上のバケット収容位置22にバケット19を釈放しそして位置33(図32)で空の試料管バケット19がアクセス通路65等に移動される積載されない待ち列13に戻す。
【0077】
矩形のコンベヤ18(図3および図4)は、試料管グリッパロボット6がキャップ外し装置16,17から取出しかつコンベヤ18上のパック54に配置するキャップが外された試料管を収容する。コンベヤ18(図3および図4)は一方向に矩形の通路に沿ってパック54を移動する4つのベルトを含んでいる。図9および図10は内部コンベヤ18用の枠組みおよびコンベヤ18の4つのベルトの各々用のベルト駆動装置166,167,168および169を示している。キャップが外された試料管はキャップ外し装置16または17から移動されかつコンベヤ18(図4)上の位置53で空のパック54中に配置される。コンベヤ18上のパック釈放機構70(図4および図8)はパック54を釈放しかつコンベヤ18はコンベヤ18で内部ピック位置72(図4)にパック54を移動する。パック保持機構71(図4、図8、図9および図10)はピック位置72にパック54を保持する。パック保持機構71(図4)はコンベヤ18上のパックの運動を停止するための撤退可能なピン装置またはパックストッパ170(図9および図10)を含んでいる。センサ171はパック54中に試料管があることを指示する。
【0078】
かくしてコンベヤ18(図4)はキャップが外された試料管を有するパック54を移動する矩形通路を形成する。試料管グリッパロボット6はキャップ外し装置16または17の一方からコンベヤ18(図4)上の位置53まで空のパック54にキャップが外された試料管を常に移動する。位置53(図4)でパック釈放機構70はコンベヤ18上のピック位置70に移動させるためにキャップが外された試料管を有するパック54を釈放する。
【0079】
試料管グリッパロボット6は、例えば、キャップ外し装置16から次のキャップが外された試料管を摘み取り、かつパック位置53(図4)で次の空のパック54へキャップが外された試料管を搬送させる。パック釈放機構70(図4)はパック保持機構71に向けてキャップが外された試料管を有する一連のパック54を供給するためにパック54がキャップが外された試料管を収容するときパック54を釈放する。キャップが外された試料管を備えたパック54はコンベヤ18(図4)上のピック位置72でパック保持機構71においてコンベヤ18上に整列する。
【0080】
ピック位置72(図4)は、また、試料管供給ロボット8によって接近可能である。かくしてキャップが外された試料管を備えたパック54があるならば、試料管供給ロボット8はそのキャップが外された試料管をピック位置72でコンベヤ18からキャップが外された試料管を摘み取りそしてそのキャップが外された試料管を場所位置(図3および図4)で主コンベヤ1上のインターフェースゲート75に移動させる。キャップが外された試料管はコンベヤ1によって他の処理ステーション(図示せず)に搬送させるためにコンベヤ1(図4)上の場所位置73でパック54に挿入される。
【0081】
試料管供給ロボット8は次いでコンベヤ1(図4)上のインターフェースゲート75のピック位置74においてキャップ付き試料管を摘み取りそして積載している待ち列14,15において試料管バケット19の開いているスポットの1つにキャップ付き試料管を移動させる。かくして試料管供給ロボット8は積載している待ち列14および15上の試料管バケット19にコンベヤ1からキャップ付き試料管を連続的に積載するだけでなく、また、帰りに、コンベヤ18上の停止位置72からインターフェースゲート75の場所位置73(図3および図4)にキャップが外された試料管を搬送している。
【0082】
図3および図4に関して、試料管供給ロボット8はコンベヤ1上のピック位置74に移動し、コンベヤ1からキャップ付き試料管を摘み取り、積載待ち列14または15(図4)の一方にキャップ付き試料管を移動し、コンベヤ18上のパック停止位置72に戻り、そしてそこで利用可能なキャップが外された試料管があるならば、そのキャップが外された試料管を摘み取りそしてそれを主コンベヤ1上の場所位置73に移動させる。次いで試料管供給ロボット8(図3)は主コンベヤ1上のピック位置(図4)に移動し、主コンベヤ1から到来するキャップ付き試料管を摘み取り、積載待ち列14または15上のバケット19の1つにキャップ付き試料管を搬送しかつ帰りに再びコンベヤ18上のパック停止位置(図4)で停止し、キャップが外された試料管を摘み取り、それを試料管供給ロボット8用のピックアップおよび供給サイクルを完了するように主コンベヤ1上の場所位置73に搬送する。
【0083】
バケット運動サイクルにおいて、バケットグリッパロボット7は積載している待ち列14および15から試料管を充填させた試料管バケット19を摘み取りかつバケット19を開口部28(図3)を通して遠心機4内に移動させる。バケットグリッパロボット7は遠心機4から取り出し、積載してない待ち列13に試料管バケット19を配置し、一方積載してない待ち列13上で積み下ろされる回転(スピン)サイクル後バケットグリップロボット7はかかる積載されないバケット19を再び積載するために積載してない待ち列13から積載している待ち列14または15上に搬送する。試料管グリッパロボット6は回転された試料管を積載してない待ち列13の試料管バケット19からキャップ外し装置16および17(図3および図4)に連続して搬送する。試料管グリッパロボット6は(図3)、また、キャップが外された試料管をキャップ外し装置16または17からコンベヤ18上の位置53(図4)に移動させる。
【0084】
前に示されたように、遠心機4は、標準の試料管バケットまたは遠心機4の製造業者から入手可能な遠心バケット(図示せず)を収容するクロスパターンにおいて予め定めた大きさの4つのバケット収容容器または空間を有している。遠心機4のバケット収容容器はバケットの大きさを定める。標準の遠心バケットは15個に代わって12個の試料管位置のバケット容量を有する試料管に関する4×3位置マトリクスのみを有するため標準の遠心バケットはこの遠心機4には使用されない。標準の遠心バケットの4つのバケットバッチは本試料管バケット19の4つのバケットバッチ当たり60本の試料管よりむしろ48本の試料管のみ収容し、かくして処理量に影響を及ぼす。
【0085】
標準の遠心バケットの使用に対して指示する他の考慮は試料管がロボットによって遠心バケットにかつそれから移動されるということである。標準の遠心バケット内の試料管位置は標準の遠心バケット内の他の試料管との干渉なしに試料管グリッパロボット6が標準のバケットから個々の試料管を摘み取ることを困難にさせる。さらに他の問題は、標準の遠心バケットが保持の特徴を有してないので、標準の遠心バケットは試料管の取出し中にバケットの上昇を回避するために手で保持されねばならない。
【0086】
例えば、図38に関して、2つの試料管位置の中心が符号80および81によって示されている。標準の遠心バケット(図示せず)内の試料管中心80および81間の対応する距離は試料管グリッパロボット6および試料管供給ロボット8が標準の遠心バケット内の隣接の試料管と干渉することなく標準の遠心バケット内の個々の試料管を除去および置換えを困難にする。
【0087】
この干渉の問題を解消するために、伸張可能な遠心バケットまたは試料管バケット19(図37)が開発された。試料管バケット19は4個のバケットバッチ当たり60本の試料管を設けるように3×5=15位置を有する。かくして試料管バケット19は試料管が個々に取り出されるとき伸張された状態(図4および図37)に、そしてバケット19が遠心機4に配置されるとき圧縮された状態(図39)にすることができる。
【0088】
通常伸張された状態から圧縮された状態に試料管バケット19を圧縮する積載してない待ち列13上の可動偏向器35(図32)はバケットグリッパロボット7(図3)が試料管バケット19に係合できるように、試料管バケット19がバケットグリッパロボット7と一直線に整列するように図32に示された位置65に移動しなければならないため移動することができる。可動偏向器35(図32)はその場合にバケットグリッパロボット7が遠心機4(図2)まで開口部28を通して圧縮された試料管バケット19を配置できるように積載してない待ち列13上の遠心機開口部28から離れるように移動しなければならない。空気で駆動される可動偏向器35を備えた可動偏向器構成体が図33に示されている。ベルト駆動装置180はスライドキャリッジ36(図33)を移動させる。積載してない待ち列13用のスライドキャリッジ36は積載している待ち列14,15用のスライドキャリッジ24(図35)と実質上同一である。部材183(図34)はスライドキャリッジ36を駆動ベルト181に接続する。
【0089】
積載している待ち列の偏向器26,27は試料管バケット19が偏向器26,27を超えて位置決めされるとき試料管供給ロボット8が積載している待ち列14,15内の試料管バケット19に試料管を搬送させるため固定の位置を有している。試料管バケット19はかくして伸張された状態において積載している待ち列14,15内に試料管を収容するように位置決めされている。図35は積載している待ち列14,15の一方の上の試料管バケット19を示しており、矢印189は偏向器26および27によって設けられた圧縮力を示している。ホームセンサ185(図33)および184(図36)はスライドキャリッジ36および24のホームポジションを示している。
【0090】
試料管バケット19(図37)は、同様な端部分(断片)82,83(図40、図50ないし図52および図54ないし図58)および同様な中間部分(断片)84,85および86(図40ないし図49)を含んでいる5つの試料管保持部分(断片)から構成されている。突出する締め具部分87(図40)はバケット部分82,83,84,85および86の各々に形成されている。かくしてバケット端部分82および83は各々2つの締め具部分87を含みそしてバケット中間部分84,85,86は4つの締め具部分87を有している。
【0091】
バケット部分の締め具87は隣接するバケット部分上のノッチ87aに係合する。ノッチ87aは、バケット部分82,83,84,85および86の伸張可能なかつ圧縮可能なアコーディオン状構造体を設けるように、符号88(図40)によって識別されるバケット部分伸張移動距離を形成する。隣接するバケット部分間のコイルばね89(図40)はバケット部分を通常伸張された状態(図37)に付勢する。
【0092】
板ばね91(図40、図43、図47および図53)は好ましくは図43に示されるように、バケット19内の各試料管収容開口部92に関して2つの板ばねが試料管収容開口部92の丸みが付けられた側93に対して試料管78を付勢するように設けられている。板ばね91(図43)は種々の異なる試料管直径が試料管バケット19において使用され得るため使用される。板ばね91は図37および図40の試料管収容開口部92の丸みが付けられた側93に試料管78を押し付ける。板ばね91はかくして試料管供給ロボット8によって接近し得る特定のピック位置に試料管収容開口部92内の試料管78を押圧する。
【0093】
小さな分枝部分102(図53)が試料管収容開口部92でばね収容凹所103(図43、図45および図46)に板ばねを錠止するように板ばね91に設けられている。各試料管収容開口部92に設けられる2枚の板ばね91を収容するように各試料管収容開口部92に関して2つのばね収容凹所103(図43)がある。
【0094】
ゴムパッドまたは試料管クッション90(図40)が各試料管収容開口部92の底部に設けられている。遠心機4は4500rpmまで回転するのでバケット19の試料管収容開口部92の底部上のまたは試料管78の底部上の小さなキズまたはバリが試料管を引き裂かせる。ゴムパッド90は試料管収容開口部92の底部での試料管78と試料管バケット19との間の緩衝体またはクッションである。
【0095】
バケット端部分82および83(図50)の下方端部分は、試料管が試料管グリッパロボット6によって回収されるときスライドキャリッジ24および36上に試料管バケット19を保持するようにスライドキャリッジ歯60(図32および図35)とともに使用される2つの小さい矩形開口部95を含んでいる。
【0096】
一般に、試料管78と試料管バケット19の試料管収容開口部92との間に摩擦力がある。また、部分的に剥がれかつ試料管バケット19の試料管収容開口部92内に付着する試料管78上のバーコードラベル(図示せず)のごとき1つまたはそれ以上の種々の理由のために試料管78が試料管バケット19に積み重ねられる可能性がある。かくして試料管グリッパロボット6または試料管供給ロボット8が試料管バケット19から試料管78を摘み取りながら試料管バケット19を保持する必要がある。
【0097】
バケット19から試料管をロボットで除去する期間中に、試料管バケット19の保持を達成するためにスライドキャリッジ歯60(図32および図35)は積載してない待ち列13および積載している待ち列14,15のスライドキャリッジ24および36の反対側に設けられている。スライドキャリッジ歯60はバケット19を保持するためにバケット端部分82,83の下方端部分において小さな矩形の開口部95(図50)に係合する。スライドキャリッジ歯60はそれぞれのスライドキャリッジ24および36(図32および図35)の4つのすべてのバケット位置20ないし23および31ないし34に設けられている。
【0098】
試料管バケット19は、また、バケットが遠心機容器に向かって下方に移動されているときそれ自体案内できるように、それらの端部分82,83においてバケットの底部に角度部分101(図54ないし図57)を備えている。凹所104(図50)は重量および安定性考慮に基づいてバケット端部分82および83に設けられている。
【0099】
バケットグリッパロボット7(図3)は2本の同様に垂れ下がっている太い支柱111および112および2本の同様に垂れ下がっている細い支柱113および114を有するバケットグリッパヘッド110(図3、図29ないし31および図59ないし図60)を備えている。太い支柱111および112の下端部121はこの下方端部分121上に小さい突出縁121a(図30および図60)を作る偏心位置(図29および図30)に回転することができる。支柱111内の回転装置は180°回転しかつ下端部121を偏心位置に移動させ、かくして突出縁121aを作る。
【0100】
太い支柱111および112の下端部または偏心部121は駆動装置125(図28ないし図31)によって作動され、この駆動装置125は太い支柱111および112の内部に下端部121から延びる偏心支柱147,147(図24ないし図26)を回転するグリッパヘッド110内部のベルト145(図26)用のカバー124(図28)によって被覆されている。
【0101】
バケット端部分82,83は凹所105上の支柱収容開口部118および凹所105より深い凹所106の上方の同様な収容開口部120を有する棚状頂部119(図40および図50)を備えている。2本の太い支柱111および112はかくして非偏心状態においてバケット端部分82,83(図50ないし図52)の支柱収容開口部120に入ることによって試料管バケット19をピックアップするのに使用される。支柱111および112はその場合に作られた偏心突出縁121aが棚状頂部119の端部分82および83の凹所106(図50、図59および図60)に嵌合するように偏心位置に配置される。
【0102】
支柱111,112の偏心突出縁121aは、開口部120からの偏心下端部121の除去を阻止するバケット棚状頂部119の下面に係合する。棚状頂部119との偏心突出縁121aの干渉はバケットグリッパロボット7が試料管バケット19の半体の端部分82および83において支柱収容開口部118,120に係合するように太い支柱111および112を使用して試料管バケット19を持ち上げることを可能にする。
【0103】
試料管バケット19とバケットグリッパロボット7との係合中、バケット19は圧縮された状態(図39)にある。バケット19は、また、バケット19が持ち上げられかつ搬送されるときバケットグリッパロボット7によって圧縮された状態に保持される。試料管バケット19は、また、遠心機4のクロスパターンバケット収容容器(図示せず)において圧縮された状態に維持される。2本の細い支柱113および114(図29、図30、図31および図59ないし図60)は凹所105の底部で表面122に係合するようにバケット端部分82,83(図31)で棚状頂部119のそれぞれの支柱収容開口部118に入る。
【0104】
細い支柱113および114(図31)の一方は純粋に案内のためにかつバケット持ち上げ中のバケットの傾斜を阻止しかつ他方の細い支柱より短くなっている。細い支柱113,114の長い方は、案内および傾斜阻止機能に役立つのに加えて、バケットグリッパロボット7がバケットピックアップ位置に下降するとき試料管バケット19が存在するのを決定するために使用される。かくして細い支柱113,114の長い方は、それがバケット表面122(図31)に係合しかつ圧縮が信号を発生させるとき高さにおいて圧縮する。図59および図60は試料管バケット19の把持位置において太い支柱111の偏心下端部121を示している。図59および図60は、また、センサ192で試料管バケットの存在を示すように圧縮された細いセンサ支柱113を示している。図59は、試料管バケット19との感知係合がないときの細いセンサ支柱113の通常の伸張を示している。
【0105】
かくして、例えば、細いセンサ支柱113がバケット表面122に係合するとき、支柱113はバケットグリッパヘッド110(図59および図60)に撤退しかつセンサが、例えば、光学フラッグを介して撤退運動を検出することが可能でありそしてそれによって試料管バケット19の存在を示している光学信号を供給する。バケット感知光学信号は、また、偏心位置に移動するように太い支柱111,112(図59および図60)の偏心下端部121に送られる。偏心は偏心下端部121に接合される偏心軸147を回転させるようにベル145(図26)を動かすモータ(図28)によって駆動される。いったん偏心軸147が偏心位置(図60)に偏心下端部121を回転させるとバケットグリッパロボット7は試料管バケット19により上方に移動することができる。試料管バケット19における凹所106の底面122a(図50、図59および図60)は太い支柱111および112の偏心下端部121の底端との間を離してある。
【0106】
バケットグリッパロボット7のバケットグリッパヘッド110(図29および図30)は、また、圧縮された試料管バケット19において15個の試料管位置に一致しかつそれと一直線に整列する15本の垂れ下がっているばね負荷の撤退可能な支柱またはプランジャ123を含んでいる。拡大されたワッシャ123aは各々撤退可能なプランジャ支柱123の下端およびプランジャ123上のコイルばね129(図29および図30)に固定され、該コイルばね129はワッシャ123aに対して支持し、プランジャ123を伸張された位置に押圧する。プランジャ123はかくして下方に向かって伸張された位置にばね付勢されるがバケットグリッパロボット7のバケットグリッパヘッド110中に撤退するような能力を有している。
【0107】
プランジャ123の撤退運動は15個のプランジャ123の各々に対応する15個のセンサによってバケットグリッパヘッド110内で個々に検出される。15個のセンサはバケット内の特定の試料管位置に関して試料管の存在または不存在を検出する。プランジャ123はかくして壊れた試料管の検出器として作動することができる。
【0108】
プランジャ123(図29および図30)用のガイド126(図28)はバケットグリッパヘッド110においてプランジャ123の撤退運動を案内する。プランジャ支柱123の上端上の機械フラッグ127(図26および図28)はガイド126と平行に移動しそして試料管が存在するかどうかを指示するためにプランジャ支柱123が撤退さしたときフラッグ127の下側の光学センサを作動する。
【0109】
60本までの試料管で充填された4個の試料管バケット19が遠心機4に配置されるとき、とくにガラス試料管により、試料管の1つまたはそれ以上が回転作業中に発生される高い力のため回転中に損壊することがある。バケットグリッパヘッド110が試料管で充填された試料管バケット19を遠心機4に放出する前に、運転ソフトウエアは試料管バケット19の15個の試料管位置において試料管の存在および位置の記録を保存する。かかる記録はバケットグリッパヘッド110の15個の撤退可能なプランジャ123に対応する光学センサによって決定されるような試料管バケット19中の試料管の存在の識別に基づいている。
【0110】
試料管バケット19中に存在する試料管があるならば、バケット19内で占有された試料管位置に対応するプランジャ123は試料管のキャップ付き端部とのプランジャワッシャ123aの係合に基づいた撤退された位置にまで移動される。試料管バケット19の1つまたはそれ以上の試料管位置に存在する試料管がないならば、バケット19中の試料管位置に対応するプランジャ123は伸張されたままである(欠陥位置)。
【0111】
それゆえ、バケットグリッパヘッド110内のプランジャセンサはバケット19内の各試料管位置に関して試料管バケット19内に存在する試料管があるかどうかについての遠心機運転の前に情報を提供する。図59および60は、幾つかまたはすべての試料管が試料管バケット19内に存在するかどうかを指示しているバケットグリッパヘッド110に対して撤退された位置および撤退されない位置におけるプランジャ123を示している。試料管バケット19内の試料管占有の記録は、また、遠心機運転が回転された試料管バケット19の各試料管位置に存在する試料管があるかどうかについて決定することを完了した後バケットグリッパヘッド110から得られる。
【0112】
ユニットソフトウエアは遠心機運転前の試料管位置情報と遠心機運転後の試料管位置情報を比較しかつ破壊された試料管があるかどうか判断する。かくしてユニットソフトウエアは回転前の各試料管バケット19に関して4×15の試料管位置の情報記録を保存しかつその情報を、バケットグリッパロボット7が、回転運転が完了された後、遠心機4から試料管バケット19を除去するとき得られる位置情報と比較する。
【0113】
試料管バケット19がバケットグリッパロボット7によって遠心機4から積み下ろされかつプランジャ123の1つが伸張された欠陥位置にあるとき、かかる伸張は試料管が破壊されることを指示する。プランジャ123が、試料管の存在を指示する、回転運転前に撤退された位置にあったならば、その場合に試料管バケット19内の特定の位置において特定の試料管が破壊されることが遠心機運転の前後に試料管バケットの占有記録情報の比較から決定することができる。かくしてバケットグリッパロボット7はバケットグリッパヘッド110において破壊された試料管検出器の特徴を有する。
【0114】
破壊された試料管が遠心機回転運転後発見されたときバケットグリッパヘッド110はバケット19が遠心機4内に残るように試料管バケット19を放出する。バケットグリッパロボット7は次いでバケット19なしで遠心機4から上昇しかつそれから移動する。遠心機蓋は閉止しかつさらに他のロボット運転が停止する。信号は破壊された試料管が検出される監視ステーションに送信される。遠心機蓋はその場合に開放されねばならずそしてあらゆる内側のバリは除去されねばならない。
【0115】
かくしてバケットグリッパヘッド110の内側に16個の光学センサがある。15個のセンサが破壊された試料管を検出するのに使用されかつ16番目のセンサは試料管バケット19の存在を検出するためにある。電子情報ユニットはバケットグリッパロボット7によって検出された情報に基づいてロボット制御キャビネット10と連通する。
【0116】
卓上型構造体5から上方にかつ遠心機4の下方に或る長さだけ試料管バケット19を移動させかつラブセル遠心機モジュール2(図1)の高さ内に試料管バケット19の運動機構を保持することが必要である。「z」方向におけるバケットグリッパロボット7の垂直運動は、単一の支柱の長さが卓上型5とラブセル遠心機モジュール2の頂部との間の距離より長いため単一の支柱により達成されることができない。この問題を解決するために、試料管バケット19を昇降するための入力−出力伸張装置130(図3、図15、図16、図17および図8ないし図20)が開発された。
【0117】
伸張装置130用の取付けカラー128(図29および図30)がバケットグリッパヘッド110に設けられている。内側支柱135(図15)の端部において取付けハブ143(図16および図21)が取付けカラー128(図28ないし図30)に取付けられている。図17ないし図20は種々の伸張された位置においてバケットグリッパ伸張装置130を示す。柔軟な配線ハーネス144(図16)がバケットグリッパヘッド110上のコネクタ149(図29および図30)に一端で接合されかつ外側支柱134とともに移動するブラケット145(図16および図21)に固定されている。配線ハーネス144の反対端はコネクタ157(図7)に接続するためにコネクタ端146で支持板142(図16)に接合されている。ハーネス144(図16)のコネクタ端149(図29および図30)はかくしてコネクタ149(図29および図30)でバケットグリッパヘッド110との電気的接続を維持しながら内側支柱135およびバケットグリッパヘッド110(図15)とともに移動する。
【0118】
伸張装置130は支持板142上で移動可能な2本の伸縮自在の支柱134,135(図15ないし図21)を備えている。支持板142上の駆動モータ131(図15ないし図21)は、外側支柱134を移動する歯付き無端ベルト132(図15および図17ないし図21)を駆動する。
【0119】
図13、図14、図15および図21を参照して、歯付きベルト132(図21)は外側支柱134を上下動するように外側支柱134にブラケット138(図21)によって固定されている。外側支柱134の垂直運動は固定の歯付きベルト137(図15ないし図16)によって外側支柱134(図15ないし図21)の上端に取付けられたスピンドル136の回転を生じさせる。固定ベルト137は支持板142(図15ないし図16)の上端部分に固定具139で固定させた一端および支持板142の下端に固定具140で固定させた他端を有している。スピンドル136の回転は外側支柱134(図15,図16および図21)に取付けられかつ固定具141(図17)によって内側支柱135に取付けられた歯付き無端ベルト133の運動を生じさせる。
【0120】
無端ベルト133の運動はかくして外側支柱134(図18ないし図20)に対して内側支柱135を上昇または下降する。留意するべきことは、内側および外側支柱134および135は同時に伸張および撤退するということである。
かくして内側および外側支柱134および135は、同時に、同一方向において同一速度で移動する。
【0121】
本発明の範囲から逸脱することなく上述した構成および方法に各種の変形及び変更を行うことができ、上記の説明および添付図面に示したすべての内容は例示として記載したものであって、それに限定する意味ではない。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】ラブセル遠心機モジュールと、試料管をモジュールに搬送させかつモジュールから試料管を取るためのコンベヤの簡単化された斜視図である。
【図2】遠心機と制御装置とを含んでいるモジュールの全体的な構成要素を示すためにキャビネットドアを取り除いた図1の簡単化された斜視図である。
【図3】モジュールの卓上型構造体の簡単化された斜視図である。
【図4】図3に示した卓上型構造体および外部コンベヤの簡単化された平面図である。
【図5】図3に示した卓上型構造体および外部コンベヤの簡単化された概略正面図である。
【図6】バケットグリッパロボットの簡単化された概略正面図である。
【図7】試料管グリッパロボットおよびバケットグリッパロボットの部分的な分解斜視図である。
【図8】キャップ外し装置と図3の卓上型構造体の部分的な分解斜視図である。
【図9】キャップ外し装置と矩形通路コンベヤの部分的な分解斜視図である。
【図10】図9に示された構造の非分解斜視図である。
【図11】試料管グリッパロボットおよびバケットグリッパロボットの分解斜視図である。
【図12】試料管グリッパロボットのフィンガおよびロボットフィンガ支持構造体の斜視図である。
【図13】図12に示された構造の分解斜視図である。
【図14】図7に示された試料管グリッパロボットの拡大斜視図である。
【図15】バケットグリッパロボットの入力−出力装置の斜視図である。
【図16】完全に撤退された入力−出力装置を示す図15と同様な斜視図である。
【図17】図15の17−17線に沿う断面図である。
【図18】伸張された位置における図17の入力−出力装置を示す図である。
【図19】伸張された位置における図17の入力−出力装置を示す図である。
【図20】伸張された位置における図17の入力−出力装置を示す図である。
【図21】図15に示した入力−出力装置の部分的な分解斜視図である。
【図22】図21に示された入力−出力装置の外側伸縮部材の分解斜視図である。
【図23】図22に示した外側伸縮部材の分解斜視図である。
【図24】バケットグリッパロボット用バケットグリッパヘッドの分解および組み立てられた構成要素を示す分解斜視図である。
【図25】バケットグリッパロボット用バケットグリッパヘッドの分解および組み立てられた構成要素を示す分解斜視図である。
【図26】バケットグリッパロボット用バケットグリッパヘッドの分解および組み立てられた構成要素を示す分解斜視図である。
【図27】バケットグリッパロボット用バケットグリッパヘッドの分解および組み立てられた構成要素を示す図である。
【図28】バケットグリッパロボット用バケットグリッパヘッドの分解および組み立てられた構成要素を示す分解斜視図である。
【図29】バケットグリッパロボット用バケットグリッパヘッドの分解および組み立てられた構成要素を示す斜視図である。
【図30】バケットグリッパロボット用バケットグリッパヘッドの分解および組み立てられた構成要素を示す斜視図である。
【図31】バケットグリッパロボット用バケットグリッパヘッドの分解および組み立てられた構成要素を示す正面図である。
【図32】図2ないし図5および図8の積載してない待ち列の斜視図である。
【図33】図32に示したような積載してない待ち列の部分分解斜視図である。
【図34】図33に示した積載してない待ち列の中間構造の部分的な分解斜視図である。
【図35】図2ないし図5および図8の卓上型構造体の2つのバケットを有する積載している待ち列の一方の斜視図である。
【図36】図35に示した積載している待ち列の部分分解斜視図である。
【図37】その通常伸張された状態における試料管バケットの斜視図である。
【図38】試料管バケットの頂面図である。
【図39】バケットの簡単化された概略底面図である。
【図40】試料管バケットの分解斜視図である。
【図41】図37ないし図40に示した試料管バケットの3つの同様な部分の1つの斜視図である。
【図42】試料管バケットの正面図である。
【図43】1つの板ばねを有する試料管バケットの頂面図である。
【図44】図41に示した試料管バケット中間部分の側面図である。
【図45】試料管バケットの試料管収容開口部の斜視図である。
【図46】図45の46−46線に沿う断面図である。
【図47】図43の47−47線に沿う断面図である。
【図48】図42の48−48線に沿う断面図である。
【図49】図42の49−49線に沿う断面図である。
【図50】試料管バケットの2つの同様な端部部分の1つの斜視図である。
【図51】図50に示した試料管バケット端部部分の反対側の正面図である。
【図52】バケット端部部分の頂面図である。
【図53】2つのバケット板ばねの一方の斜視図である。
【図54】図50に示したような試料管バケット端部部分の正面図である。
【図55】図54に示した試料管バケット端部部分の反対側の一方の側面図である。
【図56】図54の56−56線に沿う断面図である。
【図57】図54の57−57線に沿う断面図である。
【図58】図54の58−58線に沿う断面図である。
【図59】試料管バケットとの係合前後のバケットグリッパロボット用の入力−出力装置およびバケットグリッパ装置の正面図である。
【図60】試料管バケットとの係合前後のバケットグリッパロボット用の入力−出力装置およびバケットグリッパ装置の正面図である。
【符号の説明】
【0123】
1 主コンベヤ
2 ラブセル遠心機モジュール
4 遠心機
5 卓上型構造体
6 試料管グリッパロボット
7 バケットグリッパロボット
8 試料管供給ロボット
13 積載してない待ち列
14 積載している待ち列
15 積載している待ち列
19 試料管バケット
35 可動偏向器
78 試料管
82 試料管バケットの端部分
83 試料管バケットの端部分
84 試料管バケットの中間部分
85 試料管バケットの中間部分
86 試料管バケットの中間部分
91 板ばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)ハウジングを備え、
b)試料管ホルダ内の試料管位置の方向に対応する方向でハウジングに複数のプランジャを摺動可能に取付け、プランジャをハウジングに対して別個に撤退可能かつ延伸可能にし、
c)プランジャにはハウジングから側方に向かって延伸しかつ試料管係合面を含んでいる1端部分を備え、
d)各プランジャの試料管係合面がハウジングからの第1予定距離である第1延伸位置にプランジャを個別に押圧するばね手段をプランジャに連係させ、プランジャの延伸位置を試料管ホルダの対応する試料管位置における破断された試料管または試料管ホルダの対応する試料管位置における管なし位置と互いに関連可能にし、
e)試料管係合面がハウジングに向かって予め定めた量だけ移動するように撤退位置にそれぞれのばね手段の力に抗してプランジャを個別に移動可能とし、プランジャの撤退位置を試料管ホルダの対応する試料管位置において破断されない試料管と互いに関連可能にし、
f)試料管を有する試料管ホルダの遠心スピン運転の前後におけるそれぞれのプランジャの延伸位置または撤退位置を検出するためにプランジャの各々と協働し得る検出手段をハウジング内に備え、それによって試料管ホルダ内の試料管の遠心スピン運転の前後に検出手段によって検出された延伸位置または撤退位置の比較が遠心スピン運転前に試料管ホルダ内で破断された状態において検出された試料管が遠心スピン運転の後に破断をこうむったかどうかの判断を行うことができることを特徴とする試料管破断検出器。
【請求項2】
検出手段には各プランジャ上にフラグ部材を備えると共にプランジャが延伸位置または撤退位置にあるとき各フラグ部材の位置を検出するためにハウジング内に光学感知手段を設けたことを特徴とする請求項5に記載の試料管破断検出器。
【請求項3】
各プランジャには細長い軸を備え、ばね手段にはプランジャを延伸位置に維持するために試料管係合面とハウジングとの間の各細長い軸に設けたコイルばねを備え、コイルばねを撤退位置にプランジャおよび試料管係合面を移動できるように圧縮可能にしたことを特徴とする請求項1に記載の試料管破断検出器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【公開番号】特開2007−10690(P2007−10690A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−285072(P2006−285072)
【出願日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【分割の表示】特願2003−155086(P2003−155086)の分割
【原出願日】平成15年5月30日(2003.5.30)
【出願人】(503197175)ベイヤー コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】