説明

自動分析機

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般に種々の液体、特に生物学的液体に含まれる物質に関する結合検定を実施するための自動分析機に関する。
【0002】本発明は、特に自動免疫検定テスト、特に、常磁性粒子が固相試薬であり、標識付けされた試薬(トレイサー試薬)がケミルミネッセント標識を含む異種免疫検定(heterogeneous immuno assay)を行なうための機械に関する。本装置は、競合アッセイとサンドイッチ型検定の両方の構成に適応可能である。ケミルミネッセントによる閃光を起こさせ、検定中の試験液の中のアナライトの有無を示すものとして、その強さを測定する。分析機は、選択によりバッチ・モードまたはランダム・アクセス・シーケンスで作動させることができる。
【0003】
【従来の技術】過去数年間にわたって、臨床医学研究所では日常検査のための自動機器が開発されてきた。免疫テストの分野に適用された自動化は限られていた。限られた免疫テストのために開発された機器もあるが、その手順の多くは、今なお手動で行なわれている。手作業による数多くの段階に関わる時間的要因や労働集約から、試験結果の遅れが頻発している。こうした遅れは、多くの臨床学的状況下では致命的なものとなりうる。さらに、手作業による手順は試験結果のバラツキの原因となり、また高額の費用を要する。テストプロトコール、技術者の経験的技能および装置/分析機の精度が一定していないことが、こうしたバラツキの原因に含まれる。従来の分析機や手動式のテスト装置の場合に見られるこれらの難点やその他の難点は、本発明により解消された。
【0004】
【発明の目的】従って、本発明の主たる目的は、特に異種免疫テストに適用できる診断学的免疫テストのための自動分析機を提供することにある。
【0005】本発明の別の目的は、高度な汎用性を持ち、広範囲の臨床医学的および非臨床医学的アナライトに関する結合検定プロトコールを実施できる分析機を提供することにある。
【0006】本発明のまた別の目的は、複数のテストプロトコールに、同時に継続的に連続して対処できる自動分析機を提供することにある。
【0007】本発明の別の目的は、大量のサンプルを処理できる自動分析機を提供することにある。
【0008】本発明のさらに別の目的は、分析あたりまたはサンプル・テストあたりの時間を大幅に短縮する自動分析機を提供することにある。
【0009】本発明のさらに別の目的は、検定に関して一貫した信頼できる測定値を得られる自動分析機を提供することにある。
【0010】本発明のさらに別の目的は、自納式であって、完全なサンプル処理を行なう上で最小限の場所しか要さない自動分析機を提供することにある。
【0011】さらに、本発明の目的は、検定装置の光度計の較正を自動的にモニターするために恒常的な発光光源を提供することにある。
【0012】本発明のさらに別の目的は、選択によりバッチ・モードまたはランダム・アクセス・シーケンスで作動可能な自動分析機を提供することにある。
【0013】
【発明の構成】これらおよびその他の目的に鑑みて、当業者が理解されるように、本発明は、本明細書およびここに添付する特許請求の範囲に記載の部分を組合せたものとする。
【0014】一般に、本発明の自動分析機は、適切な研究所用作業台の上に設置するために調整された自納式の装置である。本機は、標準の送電線を除いては何の外部接続も要さず、18度から30度の温度範囲内で正確に作動する。本分析機の機能単位には、処理経路、サンプル移動または運搬装置、試薬移動または運搬装置、分離・洗浄装置、検知装置(光度計)およびデータ収集/処理装置が含まれる。試薬とテスト・サンプルの反応については、別個の使い捨てキュベット内で行なわれる。キュベットは、キュベット装填器から線形の処理経路上へと順番に自動的に送り出され、前記処理経路が、各キュベットを20秒おきにキュベット1個分ずつ移動させる。反応テストの温度は、キュベットと試薬を事前に加熱して、恒温放置の間、周囲温度を37℃±1度に維持する温度装置によって制御される。テスト・サンプルは吸引/排出プローブによってキュベット内に排出され、試薬は、3つの試薬吸引・排出プローブにより、ソフトウェアで制御された周期で添加される。分析機は、特に異種特異的結合検定を行なうために調整されている。分析機は、選択によりバッチ・モードまたはランダム・アクセス・シーケンスで作動可能である。
【0015】本明細書と特許請求の範囲に使用されている以下の言葉を次のように定義する:酸試薬(ACID REAGENT):0.1NのHNOと0.5 %の過酸化物;洗浄サイクル終了後、磁粉に添加される。過酸化物は低いpH値(pH1)のアクリジニウムエステルと結びつく。この反応によってアクリジニウムエステルが発光可能な状態となる。
【0016】アクリジニウムエステル(ACRIDINIUM ESTER、AE):キュベットの中の酸性化させた磁粉/アナライト/AEの混合物に塩基試薬を添加した時にケミルミネッセントによる閃光を起こさせる化学物質の「標識」。参照により取り入れてある米国特許第4,745,181 号、第4,918,192 号および第4,946,958 号参照。
【0017】アナライト(ANALYTE ):テスト・サンプル中に存在する、または存在すると思われる未知の濃度の物質。
【0018】抗体(ANTIBODY、Ab):1)異物の存在に反応して身体が生成するタンパク質;病気に対する身体の抵抗のひとつ。2)特定の抗原と結合する能力を持ったタンパク質またはタンパク質を含む炭水化物。
【0019】抗原(ANTIGEN 、Ag):1)身体にとっての異物であって、身体に取り入れられた場合に抗体の生成を誘発する物質。2)分析の場合;特定の抗体と反応する能力を持ったタンパク性または非タンパク性の化合物。
【0020】検定(ASSAY ):テスト・サンプル中における物質の存在とその量、またはその非存在を判定するための種々の形式の免疫検定を含む診断学的または分析学的プロトコール。
【0021】塩基試薬(BASE REAGENT):pH13の0.25N のNaOHとARQUAD;キュベットが光度計内にある時に酸中に懸濁している磁粉に添加される。注入すると、pHの変化とこれに伴う電子の励起により、特定の波長を持つ発光(閃光)が起こる。参照により取り入れてある米国特許第4,927,769 号参照。
【0022】緩衝剤(BUFFER):pHを維持するために用いられる溶液;弱い酸(または塩基)とその塩からなる。
【0023】キャリブレータ(CALIBRATOR):既知の濃度のアナライトを含んだタンパク質を基本とする溶液(しばしば人体に由来する)で、これにより、測定した信号を濃度に変換するための基準曲線が得られる。
【0024】較正曲線(CALIBRATION CURVE ):一対のキャリブレータをサンプルとして使用し、テストしたアナライトに関する、記憶させてあるマスター曲線に対してキャリブレータのデータを正規化して、現在の実施条件と装置の変動性を補正する。
【0025】ケミルミネッセント(CHEMILUMINESCENCE ):光の生成における化学反応。
【0026】競合アッセイ(COMPETITIVE ASSAY ):サンプル中の未知の抗原と試薬中の標識付けした抗原が、抗体の標識を付けた限られた量の試薬をめぐって競合する抗原抗体反応。
【0027】対照(CONTROL ):所定の濃度範囲、すなわち、低、中、高の範囲内にある特定のアナライトを含んだタンパク質を基本とする生成物。対照の多くは人間の血清に由来する。対照は、システム全体の能力チェックとして用いられる。
【0028】カウント(COUNTS):PAD 電子機器による処理後のPMT 信号の基本的な測定単位。
【0029】カウント・プロファイル(COUNT PROFILE ):カウントと時間の対比;情報は系統だててファイルに記憶され、作図可能な状態になっている。
【0030】ダークカウント(DARK COUNTS ):無光状態におけるPMT の電子雑音。
【0031】希釈剤(DILUENT 、DIL ):タンパク質を基本とする溶液;本来の結果が曲線の範囲を超えている場合に、患者のサンプルを希釈するために用いられる。
【0032】閃光(FLASH ):pHが(塩基試薬の添加により)酸性から塩基性に急変した時に、免疫検定において一瞬に放射される光。
【0033】ハプテン(HAPTEN):単独では抗体を生じさせる能力を持たないが、特定の抗体と結合する能力を持つ不完全な抗原。
【0034】免疫検定(IMMUNOASSAY ):特定の物質の存在の判定および/またはその数量化を行なうための抗原抗体反応に関わる化学テスト;検定の対象となる物質は、反応を起こしている抗体または抗原である。
【0035】ライトカウント(LIGHT COUNTS):光の存在下でのPMT の電子信号で、ダークカウントを含む。
【0036】マスター曲線(MASTER CURVE):固相試薬およびライト試薬の適切な設定値を得るために、品質管理により作成される10点曲線で、データは検定のパッケージ・インサートに表示され、オペレータにより装置内でプログラムされる;装置では、測定した信号を濃度に変換する上でのマスター基準曲線として用いる。
【0037】NSB :不特定結合 − 測定段階において存在するが、特定の抗体結合を表さない全てのトレイサー材料。トレイサー材料は、キュベットの壁面または粒子に無差別に付着して洗い落とされないため、結果的に抗原抗体反応によく似た信号が発生する。
【0038】PAD :PMT 信号(パルス)を増幅し、光子が発生したものではない信号を得るためにこれを濾過する電子装置。
【0039】光子(PHOTON):光の単位。
【0040】PMP :常磁性粒子;固相試薬中に用いられる。
【0041】PMT :光電子増倍管 − 陰極と、通常9 つのダイノードと、陽極を持つ真空の(またはガスを充填した)光電管。陰極は、光にさらされると電子を連続的に放出する能力を持つ。ダイノード構造が、陰極からの本来の信号を増幅させる上での一連の段階を提供する。結果的に生じた信号は、発光量に直接比例する。
【0042】前処理剤(PRE-TREATMENT AGENT 、TRX ):アナライトを解離剤から保護するために、サンプルと混合され恒温放置される溶液。
【0043】解離剤(RELEASING AGENT 、REL ):アナライトを他の分子から分離して免疫反応を起こせることを目的として、サンプルと混合される溶液。
【0044】RLU :比較光単位;マジックR ライト分析機のマニュアルに使用されている。トリチウム源に対して較正された光の測定単位で、装置ごとに独自の単位がある。
【0045】サンドイッチ型検定(SANDWICH ASSAY):未知の抗原が、抗体として標識付けされた2 形態の試薬と反応する抗原抗体反応;結果的に抗体/抗原/抗体の「サンドイッチ」を生じる、固相または物理的担体の試薬と信号発生試薬。
【0046】固相試薬(SOLID PHASE REAGENT 、SP):緩衝剤中の(検定に必要とされる)抗原または抗体と結合する物理的担体の試薬。米国特許第4,554,088 号および第4,672,040 号参照。
【0047】システム用液(システム用水、システム用希釈剤)(SYSTEM FLUID、(systemwater、system diluent)):システムの全てのスポイトは、搭載された供給源からの脱イオン水を用いて水洗される;キュベットへのサンプルと試薬の投与後や、あらゆるプローブの洗浄、経路内の吸引/再懸濁部におけるキュベット内の磁粉の洗浄に用いられる。
【0048】テスト・サンプル(TEST SAMPLE ):テスト対象となるサンプル;たとえば、血清、尿、細胞、対照、キャリブレータ等の生物性の液体や、化学化合物、薬品等の非生物性の液体、および検定プロトコールを形式化しうる関心対象となるその他のあらゆる液体。
【0049】総カウント(TOTAL COUNTS):1)閃光曲線よりも下の部分。2)測定周期あたりのカウント。
【0050】トレイサー試薬(ライト試薬、LR)(TRACER REAGENT、(Lite Reagent、LR)):バルビタール緩衝剤(別名トレイサー)内のアクリジニウムエステルを用いて標識付けされた(検定に必要とされる)抗体または抗原。
【0051】トリチウム(TRITIUM ):密封状態にあるシンチレーション溶液中の放射光源;トリチウムは発光し、光度計の性能評価の較正基準として機能する。(ロス・アラモス・ダイアグノスティックス製品挿入物;部番71-00 および261-006 )。
【0052】
【実施例】本発明の実施例を添付の図面を参照しながら以下に説明する。
【0053】なお、前記図面は、実際の尺度または比率を表さない場合もある。
【0054】機械のサブユニットの一般的な構成分析機には、装填されている補給用キュベット、脱イオン水、酸試薬および塩基試薬が必要である。検定の運転を開始する前に、センサが補給用液の量をモニターして、補充の必要性を示す。追加のキュベットは、たとえ装置の作動中であっても、いつでも装填することができる。廃液は、吸引された後に、備え付けてある取り外し可能な容器に回収され、使用済みのキュベットは、廃物用大型容器に回収される。これらの廃物回収容器のいずれかを空にする必要がある場合には、分析機がオペレータに知らせる。
【0055】まず図1、2および3において、本発明の自動分析機は、たとえば血清等の液体サンプルに関する複数の結合効力分析を完遂するために種々の段階を実施する複数のサブユニットを含む、または支持するハウジング21を含む。分析機は、特に種々の形式を持つ異種免疫検定を実施するために調整されている。サブユニットには、一般に22に示すキュベット・ホッパーおよび送り機構、キュベット搬送装置23、サンプル用プローブ運搬装置24、複数の試薬用プローブ運搬装置R1、R2およびR3、一般に26に示すサンプル運搬装置、および一般に27に示す試薬運搬装置が含まれる。検知装置29は、搬送装置23の端部において、前記搬送装置の上に設けられる。検知装置の好適な実施例が光度計である。従来技術では、たとえば、蛍光計、アイソトープ発生源カウンター等のその他の装置が周知である。こうした他の装置の使用は、テスト反応に利用する標識の種類によって決定される。また、本装置20には、スポイト列32、ブラウン管(CRT )36およびキーボード37に操作可能に接続された図示しない中央処理装置(CPU )が含まれる。スポイト列32は、サンプル用プローブ運搬装置24と試薬用プローブ運搬装置R1、R2およびR3に作動可能に接続されている。
【0056】サンプル用吸引・排出プローブのための洗浄部はサンプル運搬装置の背後に設けられ、一般に18に示される。これ以外に、一般に15、16および17に示す試薬吸引・排出プローブのための洗浄部が、図21R>1および図103にも示すように、試薬運搬装置27の背後に設けられる。
【0057】特に図3において、搬送装置23は、2つの区画、すなわち一般に38に示すキュベット事前加熱部と、一般に39に示すキュベット排出・恒温放置部に分けられる。キュベット40は、ホッパー22内に無作為に保管され、直立状態で加熱部38の端まで搬送される。プランジャ19は、電動モーター25によってその長さ方向の中心軸と加熱部38の軸に沿って水平駆動される親ねじ41の端部に固定される。プランジャ19は、図3に示すように、外側の引込位置から伸長位置まで移動し、事前加熱部38上に配置されたばかりのキュベットを恒温放置部39の方向にキュベット1個分押す。これによって、最遠のキュベットが恒温放置部39上へと移送されるように、全てのキュベット40は事前加熱部38に沿って前進する。その後、プランジャ41は、スタート位置に落下する次のキュベットと係合するために引込位置まで後退する。親ねじ41はその軸のまわりでは回転しない。一般に43に示すキュベット・センサは、事前加熱部38の端部と、恒温放置部39の開始地点に配置され、これらの位置におけるキュベットの存在をモニターする。キュベット40は、モーター42により駆動される以下に記載の搬送手段によって恒温放置部39に沿って搬送される。各々のキュベットが恒温放置部39に沿ったサンプル排出地点44に到着すると、サンプル用プローブ運搬装置24からの以下に記載のプローブが、サンプル運搬装置26内の以下に説明する容器から分析にかける所定の量の液体を吸引して、サンプル排出地点44において前記サンプルをキュベット内に排出する。キュベットが試薬運搬装置27に隣接した所定の3地点のいずれかに到着すると、試薬運搬装置27からの一対の試薬がキュベット内の液体サンプルに添加されて、試薬プローブ装置R1、R2またはR3からの1つ以上の試薬プローブによって検知可能な生成物を形成させるために反応テストが開始される。キュベット内への試薬の添加順は、テスト・サンプルに対して選択された検定プロトコールによって決定される。たとえば、テスト・サンプルと試薬のひとつを恒温放置する必要がある場合には、試薬の添加方法に違いが生じる。試薬は、固相試薬と、適切な実施例では発光性化合物である標識試薬(トレイサー試薬)とからなる。
【0058】好適な実施例における固相試薬は、結合物質と結びついた常磁性粒子である。これに代わる固相材料および前記固相材料を分離するための分離技術については、従来技術で周知である。好適な実施例において形成される検知可能な生成物は、固相試薬と、検定の対象となるアナライトと、標識試薬を含んだ複合物である。前記複合物は、検定の形式によって異なる。検知可能な生成物を生じさせる結合検定形式には、たとえば拮抗反応とサンドイッチ型の反応が含まれ、本発明の分析機によって前記の各反応を行なわせることができる。その後、キュベットは、一般に28に示す吸引/再懸濁部を通過し、前記吸引/再懸濁部で、光度計29における「閃光」すなわち発光反応のための混合物が準備される。特に図3において、好適な実施例の吸引再懸濁部28には、磁気装置49が含まれる。吸引/洗浄プローブが地点50に設けられる。吸引プローブが地点51に設けられ、酸再懸濁プローブが地点52に設けられる。
【0059】キュベットは、恒温放置部39の端に達すると、地点53においてエレベータ機構により光度計29まで垂直方向に持ち上げられる。酸に再懸濁させた検知可能な生成物を入れたキュベットが光度計内に正しく配置されると、塩基溶液が添加され、その結果、ケミルミネッセント性の検知反応(「閃光」)が起こる。「閃光」は、「閃光」の光子数を数えて電気信号を発生する光電子増倍管に作用する。信号は中央処理装置によって処理され、適切な測定値が記録される。脱イオン水は装置の補助液として、また一般的な検定プロトコールに関わる多くの洗浄段階に用いられ、取り外し可能な貯蔵容器30内に貯蔵されている。第2の取り外し可能な貯蔵容器31が、あらゆる廃液を入れるために貯蔵容器30の下に設けられる。各検定が終わると、キュベットの内容物は、キュベットから吸引されて廃液貯蔵容器31内に排出される。空のキュベットは、その後、廃物受け35内に廃棄される。酸試薬は貯蔵容器33内に貯蔵され、塩基試薬は貯蔵容器34内に貯蔵される。本装置での使用に適した酸試薬の一例として、pH1.0 の0.1NのHNOと過酸化物0.5 %がある。本装置での使用に適した塩基試薬の一例として、pH13の0.25N のNaOHとARQUADがある。酸試薬と塩基試薬の濃度は、発光性の標識によって変える必要があるかもしれない。好適な実施例における発光性の標識はアクリジニウムエステルである。
【0060】キュベットと試薬容器図4〜8において、本発明の自動分析機の一部分として用いられるキュベットを一般に40に示す。キュベット40は、一般に矩形の断面を有し、底部壁55と、一対の対向する広い側部壁56と、一対の対向する狭い側部壁57とからなる。キュベット40は、頂部開口部69を接近口とした内部チャンバを有する。キュベットの頂部には、広い側壁部56から外向きに延びる一対のフランジ58がある。フランジ58のすぐ下に、各々の広い側壁部56から間隔をあけて外向きに延びる一対の歯状部59がある。フランジ58と歯状部59は、以下に説明するように、機械20の種々のサブシステムを通じてキュベットを搬送および運搬する機構として機能する。キュベットはポリプロピレンまたはポリエチレン製とすることができ、ポリプロピレンまたはポリエチレン製の場合には、光度計内で結果的に生じる閃光の光分布が、ポリスチレン等のテスト対象とした他の重合体よりも均一になることが明らかになった。しかし、信頼性のある結果を得るためには、ポリプロピレンが好適な材料であるということがわかっている。
【0061】図9〜13において、分析機に用いられる2種類の試薬容器のひとつを一般に60に示す。容器60は、特定のテストプロトコールに特有の標識試薬(トレイサー試薬)を運ぶために用いられ、内側チャンバ61を有する本体部64と、ねじ山を設けたネック部65と、ネック部65の上端においてチャンバ61内へ開口した頂部開口部62からなる。スカート63が、ネック65の下の一地点から外向きに延び、本体部64のすぐ下の地点まで下方向に延在する。スカート63は、本体部64から間隔をあけてあり、3つの平らな側面とひとつの丸みのある側面からなる。スカート63によって、容器60は、以下に説明する試薬運搬手段上に固定状態に取り付け可能となる。
【0062】図14および15に、頂部壁67の中心で交わった複数の細穴68を有する頂部壁67を含んだ一般に66に示す試薬容器60を含めて、容器の蓋を示す。蓋66は、天然ゴムまたは合成ゴム等の弾性材料で作られ、これによって、前記蓋が、容器60のネック部65の頂部に係合可能となる。蓋66は容器60からの試薬の蒸発を減少させ、細穴68によって、試薬吸引・排出プローブは、頂部壁67を貫通して容器内の液体試薬に接近することが可能となる。全ての細穴68は頂部壁67の中心で交差してパイ状のたれぶたを形成し、前記たれぶたは、蓋の中心に収束して蓋の中心に圧力が加えられると開口する。蓋66の底部は、外側環状フランジ70を有する。
【0063】図16〜20において、分析機と共に用いられる固相試薬保持用の第2の試薬容器を一般に75に示す。容器75は、ねじ山を設けたネック部79の上の頂部開口部78まで延在する内側チャンバ77を有した一般に筒状の本体部76を有する。環状スカート80がネック79のすぐ下の一地点において本体部76から外向きに延び、図19に最も明確に示すように、本体部76の下の一地点まで下方向に延在する。一対のひれ状部81が、図17および20に最も明確に示すように、内側チャンバ壁からチャンバ77内まで内向きに延びる。ひれ状部81は、試薬運搬装置27と接続して、以下に説明する方法で容器内の固相試薬を撹拌するために用いられる。頂部壁67が、頂部開口部78の下側まで延在し、しかも蓋のフランジ70がネック部79の頂部に乗るように、ネック部の内側に延在するように蓋を逆転させることによって、頂部開口部78も蓋66によって覆われる。
【0064】キュベット送り・配向機構図24〜31において、キュベット送り・配向機構22は、一般に87に示すホッパーと、一般に86に示す送りコンベヤと、一般に131に示す配向シュートからなる。ホッパー87は、好ましくは光学的に透明な可塑性材料から作られたものとする。これより、ホッパー内のキュベットのレベルが下がり、したがってホッパーにキュベットを追加する必要が生じた時点を、オペレータがより容易に判断できるようになる。さらにホッパーの下にある部品を図30に示す。
【0065】特に図25、26および30において、ホッパーの左側壁は、縦穴88と、図25に最も明らかに示されているように、ホッパーの左側壁から穴88の両側に外向きに延びる間隔をあけた一対の外側フランジ89を有する。上側水平フランジ83は、ホッパーの左側壁および後側壁から外向きに延びる。最前部のフランジ89は、図25に示すように、頂部フランジ83のすぐ下に開口部84を有する。また図24において、一対の細長補強板82が、ボルト91により外側フランジ89の外面に固定される。また、ボルト91は、ホッパー送り支持部92に取り付けられた一対のチェーン案内板90にホッパー87を固定するためにも利用され、前記ホッパー送り支持部材は、ボルト95によってベースプレート93上に取り付けられる。チェーン案内板90は複数の管状スペーサ97によって分離され、前記スペーサを通ってボルト91が延びる。また、ベースプレート93上には支持ブラケット94が取り付けられ、図24に示すように、ホッパー送り支持部92の側面に固定される。また、支持棒96が、ボルト91によって最後部のプレート90の外側に取り付けられる。ボール・スライド・アセンブリ110が、支持棒96に取り付けられる。混合棒取付け板111はボール・スライド・アセンブリ110に取り付けられる。エンドレス搬送チェーン98が、側部縦穴88に配置されて、下側アイドラ・スプロケット101と上側ドライブ・スプロケット100のまわりに延在する。スプロケット100および101は、ブッシング102上に取り付けられて、ホッパー送り支持部92上に回転可能に取り付けられる。上側ドライブ・スプロケット100は、支持部92上に取り付けられたステップ・モーター103によって駆動される。搬送チェーン98の一部分は、案内板90の長さ方向の外縁部の溝に沿って導かれ、穴88を限定するフランジ98の内面間に設けられる。複数のスペーサ棒99が、搬送チェーン98の外側に配置され、主コンベヤに向かって下前方に傾く。チェーン98は、垂直から角度を有してホッパー87の底部から上向きに移動する。図26および27に示すように、アイドラ・スプロケット軸112はブッシング102を通って延在し、アイドラ・スプロケット101と共に回転する。軸112の前端部は、カム・ホイール113がクランプ114によりアイドラ・スプロケット101と共に回転するように、カム・ホイール113に固定される。ホッパー送り支持部92の左縁部の切込み118に設けられた調節金具117に取り付けてある軸116上にレバー・アームがピボット式に取り付けられる。レバー・アーム115のピボット軸付けされた端部は、軸116上でレバーを自由にピボット回転可能にするフランジ付き軸受け122を有する。レバー・アーム115の反対側の端部は、スライダ・ブロッ109のピン120を受ける溝穴121を有する。スライダ・ブロック109は、混合ブロック取付け板111に固定され、棒99と同じ角度を有して後ろから前へ下向きに傾く上面123を有する。混合ブロック109は、ホッパーの縦穴88に沿って上向きに移動するコンベヤ98の区画と平行に、棒99に隣接して設けられる。玉軸受けフォロア119はレバー・アーム115上に回転可能に取り付けられ、カム・ホイール113の後側にある図示しないカム溝穴内に支持される。カム・ホイール113がアイドラ・スプロケット101と共に回転すると、レバー・アーム115は軸116のまわりを往復する。図24に示すように、レバー・アーム115の右端部は上下に動き、これによって混合ブロック109の上下動が起こる。ブロック109の上向きの動きは、ブロックが、搬送チェーン98の上向きの動きと同じ速度で上向きに動くようなタイミングで行なわれる。混合ブロック109は、2つの役目を果たす。第1の機能は、ホッパー87内のキュベットを撹拌することであって、第2の機能は、棒あたりキュベット1個の割りで、棒99上へのキュベットの案内を補助することである。キュベットが棒99によって上方向に運ばれる際に、キュベットを棒99上で正しい位置に維持するために、キュベットの端部はフランジ89の内面により案内される。各キュベットが穴84に達すると、図25および27に示すように、前記各キュベットは、その対応する棒99に沿って最前部のフランジ89の穴84を通って前方に滑動し、配向シュート131内に落下する。
【0066】図24、27および30に示すように、配向シュート131は、ねじ139によってひとつに接続され、一対のスペーサ・ブロック133によって間隔をあけた平行関係に維持された左板129と右板132からなる。各板132および129は、その間に主コンベヤに向かう長穴135を限定する上側すべり面134を有する。すべり面134は、後ろから前へと下向きの角度を有し、長穴135に向かって下向きの角度を有して延びる。各キュベット40が開口部84を通って搬送チェーン98から配向シュート131に落下する際には、キュベットの底端部が長穴135の中へ落下し、フランジ58がすべり面134上に支持される。これによって、キュベット40は、ほぼ直立状態で面134を滑り下りることができる。シュート131は、シュート支持ブラケット130によってホッパー送り支持部92に取り付けられる。シュート端部板136は、ねじ137によって板129および132の縁部に取り付けられる。板136は、下向きに滑り落ちるキュベット40を停止させる。端部板136は、PC盤138上に取り付けられた位置センサ148を収納する穴147が設けられる。PC盤138は、止め具149によって板136上に取り付けられる。各すべり面134の前端部は、キュベットが端部板136に当たった時にキュベットを長穴135内に確実に維持する役目を果たす板ばね128を収納するための平らな上面127を有する。長穴135の前端部は、図30に示すように、フランジ58の外縁部間よりも若干広い幅を有する幅広部分すなわち接近口141を有する。板129と132の間の接近口141により、キュベットは板の間を通って配向管140内に落下することができる。キュベットは、板129および132のそれぞれ内側に向き合った面に沿って、一対の対向する案内面142と143の間を落下する。案内面143は上向きの突出面144を有する。案内面142は、下向きの切込面146を形成する凹部145を有する。切込面146は、板132の突出面144に対向する。配向管140は頂部開口部150と底部開口部151を有して、配向シュート131の最下部から事前加熱部38の最上部まで延在する。キュベットが配向シュートの端部にある接近口141内に落下する際に、キュベットのフランジ58のひとつが突出面144に当たる。これによって、キュベットは左板129の凹部145の方へと横向きに偏向される。キュベットが横向きに方向を変えると、キュベットの反対側のフランジが下向きの切込面146のすぐ下の凹部145に当たる。これによって、キュベットのフランジが切込面146の下に引っ掛かって、シュート131の端部に達した時にキュベットが上下逆転した状態に転倒するという偶発事態が防がれる。その後、キュベットは直立状態で、案内面142および143に沿って頂部開口部150を通って配向管140内に、そして底部開口部151を通って事前加熱部38内に落下する。配向管140は、キュベットが事前加熱部38内に落下した時にキュベットの広い側部56がフランジ58と同様に前後にくるように、その垂直軸のまわりでキュベットを約90度回転させる螺旋状のねじれを有する。
【0067】図29において、事前加熱部38は、その間に垂直長穴160を限定する間隔をあけた一対の水平棒158および159からなる。各棒158および159は頂縁部161を有する。キュベットが配向管140の底部から落下する際には、キュベットの本体部分が長穴160内に落下し、フランジ58が頂縁部161上に乗る。プランジャ19が、図3、32、104、105、33、106および107に示すように、モーター25によって左から右へ長穴160内まで動き、伸長状態となる。プランジャ19は、キュベットの幅と略同等またはそれより若干長い距離だけ左から右へ移動し、これによって事前加熱部内にある全てのキュベットがキュベット排出・恒温放置部39の方向に押される。その後、プランジャ19は、配向管140から事前加熱部38内に次のキュベットが落下できるように、モーター25により引込まれる。モーター25は、20秒おきまたはテストが必要とされる時に、プランジャ19を一往復させるために作動する。キュベットは、一般に図29の点線に示すように、管140がキュベットで満たされるように、事前加熱部38に沿って押される場合よりも速い速度で配向管140内に投入される。センサ148は、管が一杯になるとキュベットが静止状態で存在することを示す反射物センサである。センサ148は、分析機の制御装置全体の一部分を形成し、センサが配向管の最上部にある静止状態のキュベットを検知した時にモーター103を停止させるように作用する。装置の制御に用いられるソフトウェアは、キュベットが配向管内から取り出されて次々に使用される際に、常にキュベットを追跡し、ステップ・モーター103を再作動させる時点を制御する。事前加熱部38には、事前加熱部の温度を設定温度37℃に維持する、一対の固体DC駆動熱電モジュール(TEM )が含まれている。TEM は、熱をある質量から別の質量へ移すことによって所定の温度を維持するために使用される熱電冷却対としても知られている。熱の移送は、電流の流れる方向を逆転させることにより逆転する。機械の骨組は、事前加熱部38のヒートシンクとなる。事前加熱部の温度が設定温度よりも低いと、熱は機械の骨組から事前加熱部38へ移送される。サーミスタが検知した事前加熱部の設定温度が設定温度よりも高いと、TEM を通る電流が逆転し、熱は事前加熱部から機械の骨組へ移送される。キュベット排出・恒温放置部39にも、間隔をあけた2つの戦略的な位置にサーミスタが設けられる。各サーミスタは、化学事象ライン全体にわたってキュベットの温度を37℃に維持するための一対の熱電モジュール(これも戦略的に配置される)を制御する。図に示す好適な実施例では、事前加熱部38は、17個のキュベットを保持し、キュベット排出・恒温放置部39は、45個のキュベットを保持する。
【0068】図32、104、105、33、106および107に、経路部23をより詳細に示す。事前加熱部38と排出・恒温放置部39を含めて、経路部全体は、排出地点44、45、46および47に複数の接近口を有する親板162によって覆われる。板162は、図33に示すように、サンプル排出地点44に開口部186を有している。板162は、図106に示すように、試薬排出地点45および46に対してそれぞれ開口部187および188を有し、図107に示すように、試薬排出地点47に対して開口部189を有する。
【0069】特に図32において、プランジャ19(図示せず)は、モーター25の方向に水平に延在するタブ154を有する。プランジャは、外側位置すなわち引込位置にある時には、割込みセンサ155の間隔をあけた一対の素子間に延在する。センサ155は、ビームを受光部の方向に導く光伝送部を有する。ビームがタブ154によって遮られると、プランジャが「ホーム」ポジションにあることを示す信号がCPU に送られる。(所定の時間経過後または別のテストが要求されると)プランジャ19を伸長位置まで所定の距離だけ外に移動させるために、所定の段階数だけステップ・モーター25が作動する。その後、モーターは逆転して、センサ155が「ホーム」ポジションにあるタブ154によって遮られるまでプランジャを引き戻す。ここで以下に説明する全ての「割込み」センサは機械の制御盤を通じてCPU に接続され、センサ155と同じように作動する。キュベットは、事前加熱部38に沿ってキュベット排出・恒温放置部39内まで押されて、この地点からは一対の搬送ベルト167および168によって積極的に搬送される。各々の搬送ベルト167および168は、キュベットの歯状部59と係合するために、ベルトの片側に複数の歯164を有する。ステップ・モーター42は、前から見て時計まわりの方向に回転する駆動軸181を有する。ベルト168は、一対のアイドラ・プーリ171と179との間で、前記アイドラ・プーリの下に設けられる歯付き駆動プーリ170を通じて、モーター42により駆動される。ベルト168は、恒温放置部39の入口にあるアイドラ・プーリ178のまわりまで、プーリ179を越えて延在する。そして、ベルト168は、恒温放置部39の前縁部に沿って、恒温放置部39の端にあるアイドラ・プーリ171まで延び、その後、アイドラ・プーリ171を跨いで駆動プーリ170まで戻る。ベルト168が駆動プーリ170とアイドラ・プーリ171および179のまわりに延びている時は、ベルト168の歯164は、ベルトの歯164が駆動プーリ170の歯と噛み合うように上を向いている。ベルトがプーリ178まで移動する時は、歯164が前方を向くように、次第に垂直配向の状態をとるようになる。ベルトがプーリ178のまわりに延在して、排出・恒温放置部39の前縁部に沿って移動する時は、歯164は後ろ向きになり、これによって、キュベットのフランジ58と係合する。ベルト168は、アイドラ・プーリ172のまわりでは垂直配向の状態に維持され、前記ベルトがアイドラ・プーリに達するにつれて次第に水平配向の状態に戻る。プーリ170および171は、それぞれ水平軸182および183上に回転可能に取り付けられる。プーリ178および172はそれぞれ垂直軸180および184に回転可能に取り付けられる。駆動ベルト167は排出・恒温放置部39の後側に設けられ、駆動軸181に固定された駆動プーリ175によって長さ方向に駆動される。駆動プーリ175は外歯191を有し、アイドラ・プーリ174と176との間において、前記アイドラ・プーリの下に配置される。ベルト167は、水平軸182上に回転可能に取り付けられたアイドラ・プーリ176を跨いで、垂直軸190上に回転可能に取り付けられたアイドラ・プーリ177のまわりに延びる。そして、ベルト167は、キュベット排出・恒温放置部39の後側に沿って、垂直軸185上に回転可能に取り付けられたアイドラ・プーリ173のまわりまで延びる。その後、ベルト167は、水平軸183上に回転可能に取り付けられたアイドラ・プーリ174を跨いで延び、駆動プーリ175まで戻る。ベルト167は、ベルトの片側に複数の歯193を有する。ベルト167がアイドラ・プーリ174を跨いで延び、駆動プーリ175の下を通ってアイドラ・プーリ176のまわりに戻る時は、ベルト167上の歯164は上を向いている。ベルト167上の歯193は、駆動プーリ175の歯191と駆動可能な係合状態にある。ベルト167は、プーリ176とプーリ177との間を移動する時は、ベルトが吸引・恒温放置部39に沿ってアイドラ・プーリ173まで移動するにつれて、次第に垂直配向の状態をとるようになる。ベルト167および168の内側部分が、図32、104、105、33、106および107に示すように、左から右へ移動する時には、ベルト168の後向きの歯とベルト167の前向きの歯が、主経路または排出・恒温放置部39に沿ってキュベットを前進させるために、装置の20秒の周期中の所定の時間の間、キュベットのフランジ58と噛み合う。
【0070】サンプル運搬装置サンプル運搬装置は、テスト・サンプル、キャリブレータ、対照、希釈剤を入れたサンプル容器を受け取るための60箇所分のサンプル・トレーと;レーザー式バーコード読取り装置と;デジタル式希釈装置とからなる。サンプル・トレーは、各々が種々のチューブとサンプル容器の混合された母集団を保持する能力を持つ2個の同心リングからなる。外側リングは、34のサンプル容器を、そして内側リングは、26のサンプル容器を収容することができる。それぞれの箇所には、異なるサイズのサンプル容器を収容できるように、バネ式クリップが設けられる。バーコード読取り装置は6種類のバーコード言語を理解し、バーコード化された各サンプルの識別と、バーコード化されたトレーの識別を確認する。オペレータは、初期テストの結果が所定の範囲を越えたあらゆるサンプルを自動的に反復させるように分析機をプログラムしてもよい。また、ほとんどの検定の場合、装置は、希望に応じて、標準曲線よりも上のあらゆるサンプルを自動的に希釈して再度検定を行なう。サンプルの大きさに基づき、種々の希釈倍率を選択することができる。サンプル吸引・排出プローブは、特殊な被膜が施され、サンプルの表面を確認するために静電容量式レベル検知能力を有する。これによって、吸引前にサンプル容器に液体が入っていることを確認できると共に、テスト・サンプル中への浸漬を最小限に抑えることができる。各吸引・排出サイクルの後、プローブの内面および外面は、サンプルの持越を最小限に抑えるために、洗浄部で脱イオン水を用いて完全に洗浄される。
【0071】サンプル運搬装置26を図36〜42に示す。まず図38、39および41において、運搬装置26には、一般に211に示す固定ベースが含まれ、前記固定ベースは、キュベット排出・恒温放置部39の前の機械の骨組上に固定状態に取り付けられる。固定ベース211には、上水平板212と、各々が水平に外向きに延びる足部分214を有した3本の下降脚部213が含まれる。各足部214は、水平軸のまわりで回転するように水平軸215上に回転可能に取り付けられたローラ247を支持する。また、各足部214は、垂直軸のまわりで回転するように垂直軸217上に回転可能に取り付けられたローラ218を支持する。電動式ステップ・モーター219は上板212の底に固定され、上板212の穴216を通って延在する駆動軸220を有する。摩擦駆動輪221は、軸220の外側端部に、これと共に回転するように固定される。一般に222に示す内側トレーと、一般に223に示す外側トレーは、垂直軸209のまわりで互いに独立した状態で回転するようにベース211上に回転可能に取り付けられる。
【0072】内側トレー222は、図38に示すように、上板212に固定され垂直軸209に沿って延在する垂直軸224上に回転可能に取り付けられた内側ハブ部225を含む。内側ハブ部225は、駆動輪221と摩擦係合状態となった下向きに延びる環状フランジ226を有する。モーター219が作動すると、駆動輪221は軸220によって回転して、前記軸が、環状フランジ226の内面へのローラ221の摩擦係合により軸209のまわりで内側ハブ部225を回転させる。内側ハブ225は、ハブの最下部に、外向きに延びる円形フランジ208を有する。フランジ208はローラ297上で回転可能に支持される。また、内側トレー222には、図37に示すように、複数のサンプル容器を支持するための複数の受け具229を支持する外側環状フランジ228も含まれる。受け具229は、軸209と同心の円内に配置される。各受け具229は、外向きの穴195を有する。
【0073】外側トレーは、下向きに延びる外側環状フランジ231を有した駆動リング230を含む。環状フランジ231は、軸209のまわりで回転するように駆動リング230を支持するローラ218を受けるための内向きの環状溝232を有する。駆動リング230は、複数のサンプル容器を支持するための、外向きに延びる複数の受け具234を含んだ外側リング223を支持する。受け具234は軸209と同心の円内に配置され、前記円は、図37に示すように、受け具229の円の外側に設けられる。各受け具229および234の少なくとも一部分は、内向きに突出した弾性フィンガー271を有する金属板270で裏張りされている。フィンガーはテスト・チューブまたはサンプル容器のためのすべりばめとなり、フィンガーによって、異なる直径を持つテスト・チューブが使用可能になると共に、前記テスト・チューブを堅固に保持できるようになる。また、板270とフィンガー271は、静電容量式レベル検知システムの1構成部分となる機械の金属の骨組に対する接地接続となり、前記静電容量式レベル検知システムについては、「サンプル用プローブ運搬装置」と題する後の章で説明する。外側トレー223は、機械の骨組上に支持された取付け板236に固定されているステップ・モーター235により、内側トレーから独立した状態で回転する。ステップ・モーター235は、駆動プーリ238に固定された駆動軸237を有する。板236上で回転するように取り付けられた垂直軸に、プーリ239が固定される。プーリ239は、タイミング・ベルト240によってプーリ238から駆動される。駆動輪242が、プーリ239に固定され、フランジ231の外面と摩擦係合する。モーター235が作動すると、フランジ231の外面との摩擦係合によって、駆動リング230を軸209のまわりで回転させる軸241の軸のまわりを、ローラ242が回転する。この回転は、ステップ・モーター219による内側トレー222の回転とは完全に独立している。
【0074】図40および42においてPC盤245が、サンプル運搬装置26に隣接して、機械の骨組に取り付けられる。PC盤245は、内側トレーおよび外側トレーのための複数の割込みセンサを支持する。センサは、外側リングのための外側グループと内側リングのための内側グループの、2つにグループ分けして配置される。外側グループには、間隔をあけた一対の外側センサ246と、内側ホーム・センサ266が含まれる。内側グループには、一対の内側センサ244と、内側ホーム・センサ267が含まれる。外側リング230は、下向きに下降する単一のホーム・タブ253を有し、前記ホーム・タブは、ひとつのテストまたは一連のテストの開始時に外側リングのスタート位置を決めるためにホーム・センサ266のビームを遮る。ホーム・タブ253の外側には、外側トレー223の駆動リング230から下向きに複数のタブ268が延び、軸209のまわりで円内に延在する。外側リングが軸209のまわりを回転すると、タブ268は、2組のセンサ246を通過する。リングが位置1つ分回転するたびに各センサ246内のビームが遮られて、外側トレー223が位置1つ分移動したことを示す信号がCPUに供給されるよう、リング230の各サンプル位置にタブ268が設けられる。2つのセンサ246間の距離は、センサが同時に遮られないように、2つの隣接するタブ268間の間隔とは異なっている。これによって、電子制御装置によるリングの回転方向の判断が可能になる。軸209のまわりに特定のビンまたはサンプル容器を配置するために、ある一定の方向に一定の加速度で多数段階移動するように、ステップ・モーター235に命令が与えられる。光学割込みセンサ246が、リングの最終希望位置を判断するために、駆動リングにより移動した位置の数を数える。正しい回数の転位が行なわれた場合には、ステップ・モーター235は、転位地点を通過して較正された段階数だけ動いて停止する。これが容器の最終配置地点となる。CPU は、新しいサンプル容器の各位置について、リングの回転量が結果的に最も少なくなる方向にリング230と外側トレー223を移動させるようにプログラムされる。単一の「ホーム」タブ259は、内側トレーのスタート位置すなわち「ホーム」ポジションを決めるためにホーム・センサ267のビームを遮るよう、内側トレー222から外向きに延在する。「ホーム」タブ269の外側に、複数のタブ243が下向きに延び、軸209と同心の円内に延在する。タブ243は、ステップ・モーター219を制御して内側トレー222をタブ268と同じ方法で選択的に配置するために割込みセンサ244と相互作用し、センサ246は、外側トレー223を選択的に配置するために利用される。内側トレーおよび外側トレーは、サンプル吸引・排出プローブ24による吸引のために、特定の所定サンプル容器を所定の採取位置に配置するために選択的に独立状態で移動する。図22において、外側トレーの採取位置は、外蓋157の開口部255に位置する。内側トレーの採取位置は、外蓋257の開口部256に位置する。バーコード・ラベルは、各サンプル容器の外壁に貼り付けられる。ラベルは、容器内のテスト・サンプルを識別する特定のバーコードを有している。患者名やサンプルを用いて行なわれる予定のテスト等、サンプルに関する全ての情報は、中央処理装置のメモリーに記憶されている。図22において、バーコード読取り装置258は、サンプル運搬装置26に隣接して設けられ、点線259および272に示す2つの視線を有する。テスト実施に先立ち、内側および外側トレーの受け具には、受け具234の外側部分にある穴260と透明なプラスチック製の蓋257を通して見える各々独自の特定のバーコードを有したサンプル容器が装填される。外側トレー223は、各サンプル容器がバーコード読取り装置258に関する視線272および259を通過し、各サンプル容器上のバーコードがバーコード読取り装置によって読取られるように、軸209のまわりで回転する。バーコード読取り装置258の伝送部からのエネルギー・ビームは、視線272に沿って通過し、ビームは、視線259に沿って、サンプル容器上のバーコード・ラベルからバーコード読取り装置のビーム受信部へと反射される。縦穴260と透明な外蓋257によって、バーコード読取り装置は、サンプル上のバーコードを「見る」ことができるのである。これによって、識別された各サンプル容器と、ホーム・ポジションに対する外側トレーの位置とが相互に関係づけられる。バーコード読取り装置が全てのサンプル容器の読取りを終えると、受け具234の円内の隙間261が視線259および272と整列するように外側トレー223が配置される。これによって、内側トレー222内のサンプル容器上のバーコードが、受け具229の外側部分にある開口部195を通してバーコード読取り装置に露呈される。内側トレー222は、内側トレー内の各サンプル容器が視線259および272を通過して、内側トレー内の各サンプル容器上の特定のバーコードがバーコード読取り装置により読取られるように回転する。この情報は、中央処理装置によって、内側トレー222内の各サンプル容器の位置と内側トレーのホーム・ポジションとの相互関係を得るために利用される。
【0075】特に図39および41において、接触リング250が、位置決めキー263を駆動リング230に取り付けるねじ262によって、駆動リング230に固定される。接触リング252は、ねじ264によってハブ225の上壁に固定される。位置決めキー265は、フランジ226の基部で、ハブ225に固定される。金属の接地線248は、接触リング252に接続されて、接続線249によりキー265および263に接続される。これらの部品は、フィンガー271を機械の骨組に接地するための接地システムの一部分を形成する。
【0076】バーコード・ラベルが張りつけられたサンプル容器は、サンプル・トレー内にいかなる順序で装填してもかまわない。分析機が、全てのバーコードを自動的に読取り、サンプルとそのトレー内での位置を識別する。バーコード・ラベルを使用しない場合には、サンプル・トレー上の特定の位置におけるサンプル配置を指示する作業リストのプリントアウトを利用する。
【0077】試薬運搬装置試薬運搬装置またはトレーは、13種類までの異なる検定に十分な26個の試薬ボトルまたは容器を運ぶことができる。内側部分は、特に固相試薬容器を受け入れられるように作られ、固相試薬の均質性を維持するためにこれらの容器を周期的に撹拌する。内壁に撹拌羽根が成形されている試薬ボトルのデザインにより、この撹拌作用が促進される。トレイサー試薬すなわち標識試薬のボトルも、容器に貼り付けられた識別バーコード・ラベルを自動的に配向して試薬トレー上の外側の位置に装着するために、特殊な形を有する。試薬にはバーコード・ラベルが貼付される。試薬用レーザー式バーコード読取り機により、識別とロット番号を含めて、各特定の試薬の装填位置が記録され、無作為な装填が可能になる。試薬は、排出前に37℃に熱せられるため、冷蔵貯蔵庫から直接装填してもよい。3つの試薬吸引・排出プローブは、静電容量式レベル検知機能を持ち、CPU に記憶されている予定の作業リストを完遂する上で適当な量の試薬が装填されていることを確実にするために、分析運転の開始前に当初の試薬レベルの確認を行なうようプログラムしてもよい。使用する試薬の量は、検定によって、50〜450uL の範囲であり、3つの試薬用プローブの各々で特定の試薬をキュベット内のサンプルに添加してもよく、恒温放置時間は、特定の検定に対する最適条件によって、2.5 〜7.5 分である。試薬用プローブは、サンプル用プローブと同様に、次の排出時までに脱イオン水を用いて完全に洗浄される。
【0078】図43〜49に、試薬運搬装置を一般に27に示す。試薬運搬装置27は、機械の骨組283に固定された固定支持ベース286と、止め具282および接続ロッド285によって支持ベース286に固定された電動式ステップ・モーター287とからなる。ステップ・モーター287は、トルク伝達クランプ280によってモーター・ハブ291に固定された駆動軸290を有する。駆動軸290は、垂直駆動軸293のまわりで回転する。モーター・ハブ291の基部は、上を向いたリングのギヤ292からなる。円形スピル・トレー288は、ステップ・モーター287が穴289を通って上方向に延在できるように、円形の中央穴289を有し、複数の止め具279により支持ベース286に固定される。図45および46において、支持リング294は、中央垂直軸293と同心に配置され、円形の中央穴295と、軸293と同心の円形に配置された複数の小穴308を有する。試薬トレー296は、支持リング294上に取り付けられ、リングの内側ポケット297とリングの外側ポケット299を有する。ポケット297および299は、軸293のまわりに同心円状に配置される。各外側ポケット299は、円形止め具301によってポケットに固定された管状外側ボトルすなわち試薬容器ホルダー298を含む。試薬トレー296をリング294に固定するために、ポケットの基部にある穴302を通って接続具301が支持リング294まで延在する。標識試薬すなわちトレイサー試薬の容器60がポケット299に入っている時は、図45に示すように、管状ホルダー298がスカート63と本体部分64との間に延在する。
【0079】各内側ポケット297は、内側容器ホルダー300を含む。円形止め具303は、ホルダー300の底壁を締め付け、ホルダーの底壁にある穴を通って延在する垂直軸304を有する。円形止め具301および302は金属製で、機械の骨組に接地される。円形止め具301および303は、「試薬用プローブ運搬装置」と題する前の章に記載の静電容量式検知装置の一構成部分となっている。ギヤ306は、一対のねじ305によりホルダー300の底に固定され、円形止め具303とギヤ306も前記一対のねじによってホルダー300の底壁に効果的に締め付けられる。軸304の底部はギヤ306の下に、支持リング294の穴308のひとつに取り付けられた一対のフランジ付き軸受け307内まで延在する。これにより、各ホルダー300とそれに対応するギヤ306が、それ自体の長さ方向の中心第2軸278のまわりで回転可能となる。ギヤ306は、リングギヤ309のまわりに延在し、図46に示すように、リングギヤの外側の歯と駆動可能に係合する。リングギヤ309は、大きな中央穴277を有する。ギヤ309には一対のピン310が固定され、図45に示すように、ギヤの下まで延びて、リングギヤ292と駆動可能に係合する。ステップ・モーター287の作動により、リングギヤ292内のハブ291が軸293のまわりで回転を起こす。これにより、駆動ピン310を通じてリングギヤ309が回転する。そして、各ボトル・ホルダー300をそれぞれの第2軸278のまわりで回転させるために、リングギヤ309が、全ての衛星ギヤを駆動する。リングギヤ309は、衛星ギヤ306によって全面的に支持される。リングギヤ309には、複数の保持器311が固定され、支持リング294の内縁部にまたがるようにギヤ309の下に延在する。ボトル・ホルダー300は、固相ボトルまたは試薬容器75を保持する。ホルダー300の側壁には、試薬容器75を摩擦ばめの状態で保持するために本体76と試薬ボトルまたは試薬容器75のスカート80との間に延在する複数の弾性フィンガー274を形成している複数の縦穴276がある。ステップ・モーター287は可逆式であって、所定の周期で駆動軸290を振動させるために中央処理装置により制御される。ボトル・ホルダー300の各々は、固相試薬容器75を受けるように調整されている。ホルダー300の振動により、ボトル75内の固相試薬溶液が羽根81によって撹拌され、これによって溶液内の固相成分の濃度が均一に保たれるように、試薬容器75に必要な動きが供給される。ボトル・ホルダー298の各々は、撹拌の必要がない標識試薬容器60を受けるように調整されている。特に図45および47において、リングギヤ312は、スピル・トレー288を円形にとり囲み、支持基盤286上で軸293のまわりを回転するように取り付けられる。リングギヤ312の下側部分は、軸293のまわりで回転するようにリングギヤ312を支持する複数のV 形案内車323と係合したV 形ビードを有する。各案内車323は、ベース286に固定された垂直軸324上に回転可能に取り付けられる。また、図48および49において、リングギヤ294の一部分には、V 形ビード275に対向する環状フランジを有し、垂直軸320をかんぬきにしたアイドラギヤ319と駆動可能に係合する外向きのリングギヤ329が含まれる。軸320は、モーター取付け台314のフランジ322上に支持されたフランジ付き軸受け321に回転可能に取り付けられる。モーター取付け台314は、ステップ・モーター315の駆動軸317に固定された駆動ギヤ318を内包する円形穴316を有する。ステップ・モーター315は、モーター取付け台314に固定される。モーター取付け台314の穴316の壁面は、駆動ギヤ318とアイドラギヤ319を係合可能にする横穴を有する。モーター315の作動により、駆動ギヤ318がアイドラギヤ318を通じてリングギヤ312を駆動させる。内側および外側ポケット297および299は、それぞれ、不動状態の透明なプラスチック蓋327内に封じられる。蓋327は、図22に示すように、後章に記載の試薬吸引・排出プローブによるポケット297および299内のボトルへの接近口となる複数の穴328、338、339、340、341および342を有する。
【0080】図47において、PC盤330には、一対の割込みセンサ331および336と、センサ331および336の下に配置された図示しない光反射センサが含まれる。光反射センサは、ビーム伝送部とビーム受信部を有する。伝送部からのビームが反射面に当たると、ビームは反射によりセンサの受信部に戻る。ビームが反射により戻らない時は、センサはCPU に対して信号を発生させる。PC盤330は、センサの光反射装置がリング312に向かって外向きになるように、親板286に取り付けられる。ビーム反射センサの伝送部からのビームは、リング312に当たって、反射によりセンサのビーム受信部へと戻される。リング312は、図49に示すように、光反射センサからのビームと同じ高さに穴326を有する。一連のテストの開始時点で、リング312は、光反射センサのビームが穴326と整列するまで軸293のまわりを回転する。前記ビームと前記穴が整列状態になると、ビームは穴を通り抜け、反射によってセンサに戻ることはない。反射ビームがなければ、一連のテストの開始時点における試薬トレーの「ホーム」ポジションすなわちスタート位置を示す信号がCPU に発信される。図47において、リング312は、リング312から内向きに延びて、試薬ボトルを配置するために電子制御装置にフィードバックを行なう各光学センサからのビームを遮る各割込みセンサ331および336の間隔をあけた2つの素子間を通過する複数のタブ334を有する。リングが位置ひとつ分回転するたびに、トレーが位置ひとつ分移動したことを示す信号をCPU に供給するために、センサ331および336の各々のビームが遮られるように、トレー296内の各試薬ボトルの位置にタブが設けられる。センサ331および336が同時に遮られることがないように、2つのセンサ間の距離は、2つの隣接するタブ334間の間隔よりも小さくなっている。これによって、CPU は、試薬トレーの回転方向を判断することができる。試薬用プローブの採取位置すなわち吸引位置に特定のボトルまたは容器を配置するために、特定の方向に決まった段階数だけ移動するようステップ・モーター315に命令が与えられる。これによって、試薬トレー296は、駆動リング312の底部にあるタブと共に回転する。センサ331および336は、タブの転位回数を数えて、試薬トレー296の位置を判断する。転位が正しい回数だけ行なわれると、ステップ・モーター315は、転位地点を通過して較正数だけ移動して停止する。これにより、指定の試薬を入れたボトルが、試薬用プローブのひとつの所定の採取地点に配置されることになる。
【0081】ベース286上には光反射センサ337が取り付けられ、光線を上方向に導く。モーター・ハブ291は、間隔をあけて複数の穴を設けた底部反射面を有する。ハブ291が振動すると、センサ337からのビームは、ハブの底部反射面によって反射されてセンサに戻り、底面の穴により吸収される。これによって、ハブが所定の周期で振動していることを示す適切な信号がCPU に供給される。
【0082】各試薬容器は、その外側スカート部に貼り付けられたバーコード・ラベルを有する。ラベルは、容器内の試薬を識別する特定のバーコードを含む。試薬と関連あるバーコードにある全ての試薬に関する情報は、中央処理装置のメモリに記憶される。図43および22において、試薬運搬装置27に隣接して、バーコード読取り装置332が設けられる。バーコード読取り装置332は、点線333に示す視線に沿ってエネルギー・ビームを伝送する。ビームは、反射によって、点線34に示す視線に沿ってバーコード・ラベルからバーコード読取り装置332へと戻される。視線344に沿って折り返してきたビームは、バーコード読取り装置のビーム受信部により受信される。好適な実施例におけるバーコードは、各試薬ボトルについて縦方向にラベル上に印刷されたものである。内側ポケット297と外側ポケット299は、互いに千鳥配列される。ステップ・モーター315により試薬トレー27が軸293のまわりで回転すると、内側および外側ポケットは、交互にバーコード読取り装置332の視線333および334を通過する。図43および46において、各々の外側ポケット299の間には、相対的に大きな間隔をあけてある。各内側ポケット297は、2つの隣接するポケット299の間の間隔に水平方向に整列する。内側および外側ポケット297および299を分ける垂直壁335は、ステップ・モーター315により容器が軸293のまわりで回転する時に、各試薬容器がバーコード読取り装置の視線にさらされるように、それぞれ外側ポケット299間の各隙間に相対的に大きな穴328を有する。試薬トレー27が軸293のまわりで回転する際には、バーコードが必ず読取り装置にさらされるように、環状の内側ポケット297内の各試薬容器またはボトルは視線333および334を試薬容器75が一回通過するたび一回半回転する。バーコード読取り装置は、透明なプラスチック蓋327を通して、内側および外側ポケット内にあるボトル上のバーコードを読取る。
【0083】オペレータは、本来のバーコード・ラベルを貼付したボトル内に入っている必要な検定試薬を順序を問わずに試薬トレーに;固相試薬を内側ボトル・ホルダー300上に、標識試薬すなわちトレイサー試薬を外側ボトル・ホルダー298上に、装填する。試薬ボトルのデザインにより、試薬の装填ミスが生じる可能性はない。分析機が運転開始前に全てのバーコードを読取って、各試薬とその位置、ロット番号および使用期限を識別する。特定の検定について50種類を超える数のテストが作業リストで要求されている場合には、多数の必要な試薬ボトルを試薬トレー上に装填することができ、必要に応じて、分析機が順にこれらを使用する。
【0084】サンプル用プローブ運搬装置図50〜59の内、まず図54および55において、サンプル用プローブ運搬装置24は、固定された上垂直支持板357と、支持板357に対して水平方向に前後に移動するように取り付けられた一般に363に示すサンプル用プローブ支持キャリッジからなる。PC盤358が、ねじ359により支持板357の上面に固定される。PC盤の下面は、穴366内まで延在する複数の電気接続部J1、J2、J3、J4およびJ5を有する。支持板の後端部において、支持板357の裏側に垂直ブラケット364が固定される。電動式ステップ・モーター365は、ブラケット364の前面に固定され、水平軸のまわりで回転可能な駆動軸369を有する。親ねじ371は、駆動軸継手370を通じて駆動軸369に固定され、ブロック372の穴408内に固定されたロール・ナット409を通って延びる。(図58も参照されたい。)ブロック372は、一対の上および下合わせピン374の間の枠374内に取り付けられる。合わせピン374により、ブロック372は、ブロック372と親ねじ371との間の微細な不整合を補正するために垂直軸のまわりで軸回転可能になる。ブロック372は、以下に説明する方法でキャリッジ363に取り付けられた横方向に延在する水平軸375を有する。
【0085】案内ブラケット360はねじ359によって支持板375の裏側に固定され、下向きの横溝361を有する。キャリッジ支持棒362が、溝361内に摺動可能に取り付けられる。キャリッジ363は、ねじ391と、上端部にねじ山を設けた軸回転防止ロッド387によって、すべり棒362に固定される。キャリッジ363は、前向きの垂直壁376と、頂部水平壁377と、下部水平壁378を含む。頂部壁377は穴389を有し、底部壁378は、穴388を有する。軸回転防止ロッド387は穴388および389を通って自由に延在し、ブロック362内にねじ込まれる。また、図56R>6において、壁面376は、穴の各端部に軸受け380を設けた横穴379を有する。枠373の軸375は軸受け380内の穴379を通って延在する。それぞれ上下壁面377および378にある上下軸受け383および384内には、それぞれ垂直親ねじ385が回転可能に取り付けられる。親ねじ385の下端部は、底部壁378の下まで延びて、プーリ386に固定される。電動式ステップ・モーター394が、キャリッジ363の後向きに延びるフランジ393の裏側に固定される。ステップ・モーター394は、図57に示すように、プーリ396に固定された垂直駆動軸395を有する。プーリ396は、タイミング・ベルト397を通じてプーリ386に駆動状態に接続される。タイミング・ベルト397の内面は、駆動プーリ396および386上の対応する歯と噛み合うための複数の歯を有する(歯は図示せず)。親ねじのフォロア401は壁面377と378の間に配置され、垂直穴403と、ロール・ナット405を含む垂直穴404を有する(図59も参照されたい)。軸回転防止ロッド387は穴403を通って自由に延在し、親ねじ385はロール・ナット40を通って延在する。ロール・ナット405は、親ねじ385がその垂直軸のまわりで回転するようにフォロア401に対して固定され、フォロア401は壁面377および378に対して親ねじ385の長さ方向の中心軸に沿って移動する。
【0086】PC盤398はキャリッジ363に固定され、電気接続部J2に接続された電気コネクタ399を有する。ステップ・モーター394は電気接続部J4に接続されたコネクタ400を有する。ステップ・モーター365は接続部J5に接続されたコネクタ368を有する。プローブ支持アーム402は、可撓性リボン・ケーブル421を通じてコネクタ411に接続されたPC盤406を有する。コンクタはPC盤398の接続点420に接続される。
【0087】ステップ・モーター365は可逆式である。親ねじ371が1方向に回転すると、キャリッジ363は親ねじ371の長さ方向の中心軸に沿って後向きに、平らなブラケット364の方向に移動する。これによって、キャリッジ363とサンプル用プローブ407が、サンプル・トレーに対して前位置から後位置へ移動する。ステップ・モーター365が逆転すると、親ねじは逆方向に回転する。これにより、キャリッジ363が前向きに移動し、したがってサンプル用プローブ407がその後位置からサンプル・トレーの上の2 箇所の前側採取位置の片方へ移動する。また、サンプル用プローブ407は、たとえば洗浄部18の上等、後位置と前位置の間の中間位置に配置することもできる。モーター394も可逆式である。親ねじが一方の方向に回転することにより、フォロア401とアーム402が上向きに移動する。親ねじ385が逆方向に回転すると、フォロア401とアーム402は下向きに移動する。サンプル吸引・排出プローブ407は、上位置にある時には、サンプル・トレーの上のサンプル採取位置の1箇所に達するまで前向きに移動し、その後一定量のサンプルを採取するために下向きに移動する。次に、プローブ407は上位置まで移動して、洗浄部の上の地点まで戻って洗浄サイクルのために再び下向きに移動されるか、あるいは、キュベットのひとつの上の後位置まで戻ってサンプル全量をキュベット内に排出するためにキュベット内まで下ろされる。ステップ・モーター394および365は、サンプル用プローブ407を水平および垂直方向に極めて精度よく配置するために、非常に高精度の段階的な動きを行なう能力を有する。
【0088】図54および56において、キャリッジ363の片側の前から後ろへキャリッジから上向きに、間隔をあけた複数のタブ410が延在する。単一の「ホーム」タブ415は、キャリッジの反対側においてキャリッジ363から上向きに延在する。キャリッジ363がその後側の「ホーム」ポジションに達すると、タブ415は、支持板357から下向きに延在する割込みセンサ413の素子間を通過する。タブ415は、キャリッジがその「ホーム」ポジションに達して、サンプル用プローブ407がサンプル排出地点44においてキュベットの真上にあることを示す信号をCPU に発するセンサ413の2つの素子間で光線を遮る。プローブ運搬アーム401の上部は、PC盤398に固定された割込みセンサ416により決定される。PC盤は、図50および56に示すように、プローブ運搬アーム401の方向に水平に延びるように、キャリッジ363に固定される。フォロア401は、センサ416の方向に延在するタブ355を有する。タブ355は、図54および56ではフォロア401の裏側にあるため見えないが、図53に点線で示してある。フォロア401が上位置に達すると、タブ355が、センサ416の2つの素子間を通過して光線を遮る。光線が遮られることにより、フォロア401とプローブ407が上位置に達したことを示す信号がCPU に供給される。これによって、キャリッジ363を運転サイクルの所定の時点で、新しい水平位置まで間違いなく安全に移動させ、モーター365を半段階ずつ所定の回数だけ作動させるパルスを前記モーターに与えることができる。適切な時点で、モーター394が、アーム401とプローブ407を下向きに移動させるために作動する。各サンプル採取サイクルについて、プローブ407が洗浄部18の上に来るまで上位置にあるプローブ407と共に、キャリッジをホームポジションから移動させるために、モーター365が半段階ずつ所定の回数だけ作動する。モーター394は、洗浄サイクルのためにプローブ407を洗浄部18内に下降させるために、半段階ずつ所定の回数だけ作動する。その後、プローブ407は、半段階ずつ所定の回数だけステップ・モーター394を逆転させることによって持ち上げられる。モーター365は、プローブ407がサンプル運搬装置の外側カバー257内の穴255または256の上に来るまでキャリッジ363を前向きに移動させるために、半段階ずつ所定の回数だけ作動する。モーター394は、プローブ407と縦方向に整列する穴256または255のいずれか一方の下にあるサンプル容器内にプローブ407を下降させるために、アーム402と共にフォロア401を下向きに移動させるよう作動する。サンプル用プローブ407の下位置は、静電容量式液体検知装置によって決定される。静電容量式液体検知とは、金属プローブ407と接地液等の2つの導電材料と、空気またはプラスチック/ガラス製サンプル容器等の1つの非導電材料を通じて起こる信号変化の機能である。プローブが上位置にある時に、プローブの基準電流が測定され、プローブが液体を求めて下向きに移動するにつれて、信号の増加により液体の存在が示される。液体が検知されると、モーター394は、プローブ407を液体のメニスカスの下まで所定の距離だけ移動させるために、半段階ずつ所定の回数だけ作動する。この距離は、吸引される液体の量によって決まり、量が多い場合は量が少ない場合よりもプローブをより深くまで挿入することが必要になる。プローブ407により所定量のサンプルの吸引が終わると、プローブはその上位置まで持ち上げられ、ここで、プローブ407がサンプル排出地点44の真上に来るように、キャリッジ363をその「ホーム」ポジションまで後向きに動かすために、モーター365が半段階ずつ所定の回数だけ作動する。モーター394は、排出地点の下に位置しているキュベット内にプローブ407を下降させるため、半段階ずつ所定の回数だけ作動する。その後、吸引された量のサンプルがプローブ407によってキュベット内に排出される。プローブ407は、別のサイクルを開始するためにその上位置まで持ち上げられる。キャリッジが「ホーム」ポジションと前位置との間で移動すると、タブ401は割込みセンサ412の素子間を通過する。タブ410は、キャリッジがサンプルの採取または洗浄サイクルのために前位置で停止している時に、センサ412の一方の素子から他方の素子へと通過する光線が、いずれのタブ401にも遮られることのないように配置される。プローブが正しい位置にある場合には、光線は、タブ410の間またはタブのひとつの外縁部の外の隙間を通過することになる。プローブが正しく配置されていなければ、装置の誤動作により、タブ410のひとつが光線を遮り、装置を停止させるようにCPU に信号が送られる。これにより、不適正な位置にあるプローブは降ろされず、その結果、プローブの損傷が防がれる。
【0089】ほとんどのテストプロトコールの場合、サンプル用プローブは、洗浄サイクルの後、外側トレーまたは内側トレーのいずれかから所定量のサンプルを採取するために前方で一旦停止する。場合によっては、サンプル用プローブは、所定量の希釈剤と所定量のサンプルを採取するために穴255および256の両方で停止する。希釈剤とは、本来のテスト結果がテスト曲線の範囲を超える場合に、患者のサンプルを希釈するために用いられる、一般にタンパク質を基本とする溶液である。使用される希釈剤は、分析機を用いて実施される検定の種類に応じた種類のものでなければならない。希釈液は、通常、内側トレー内に配置される。サンプル用プローブは、サンプルによる希釈剤の汚染を防ぐために、テスト・サンプルを採取する前に希釈剤を採取する。時にサンプル液と共に採取されるその他の処理液材として、前処理剤と解離剤がある。解離剤は、時には、アナライトを他の分子から分離させて反応可能な状態にすることを目的として、サンプルと混合されることがある。前処理剤とは、アナライトを解離剤から保護するためにテスト・サンプルと混合され恒温放置される溶液である。
【0090】試薬用プローブ運搬装置試薬用プローブ運搬装置を図60〜72に示す。まず、図60〜63において、試薬用プローブ運搬装置は、一般に440に示され、試薬用プローブ運搬装置R1、R2およびR3を含む。装置440は、穴442、443、444および445を有する上側水平支持板441からなる。支持板441の上面にはPC盤446が固定され、前記PC盤は、穴442、443、444および445内に延在するPC盤の裏面上に複数の割込みセンサを有する。割込みセンサ448、449、450および451は穴442内に延在する。割込みセンサ452は穴443内に延在する。割込みセンサ453は穴444内に延在し、割込みセンサ454および453は、穴445内に延在する。また、複数の電気接続部が、PC盤446の他方の側に取り付けられ、穴442、443、444および445を通して接近可能な状態にある。接続部J11およびJ12は、穴442を通して接近可能な状態にある。接続部J16、J17、J18およびJ19は、穴444を通して接近可能な状態にある。接続部J20、J21およびJ22は、穴445を通して接近可能な状態にある。支持板441の裏側に、3つの水平案内ブラケット455、457および459が固定される。案内ブラケット455、457および459は、それぞれ細長い横穴456、458および460を有する。穴456、458および460内には、細長いキャリッジ支持案内棒461、462および463が、それぞれ摺動可能に取り付けられる。案内棒461は、試薬用プローブ運搬装置R1の一部分を形成する、一般に464に示す試薬用プローブ支持キャリッジに固定される。キャリッジ支持すべり棒462は、試薬用プローブ運搬装置R2の一部分を形成する、一般に465に示す試薬用プローブ支持キャリッジに固定される。キャリッジ支持すべり棒463は、試薬用プローブ運搬装置R3の一部分を形成する、一般に466に示す試薬用プローブ支持キャリッジに固定される。すべり棒461、462および463により、キャリッジ464、465および466が、支持板441に対して前後に移動可能となる。
【0091】平らな垂直後部ブラケット467は、支持板441の後端部に固定され、支持板の裏面から下向きに延在する。板467の前側には、複数のステップ・モーター468、469、470および471が固定される。ステップ・モーター468、469、470および471は、それぞれ、前向きに延びる水平駆動軸472、473、474および475を有する。モーター468、469、470および471は、それぞれ、PC盤446上の電気接続部J10、J12、J20およびJ18にそれぞれ接続された電気コネクタ476、477、478および479を有する。図63に示すように、支持板441の右側にはブラケット480が接続され、案内ブラケット483の横溝482内に摺動可能に取り付けられた水平すべり棒481を固定状態に支持する。案内ブラケット483は、機械の骨組に固定された案内レール487に固定される。図63に示すように、支持板441の左側には水平方向に延びるすべり棒484が固定され、案内ブラケット486内の横溝485内に摺動可能に取り付けられる。案内ブラケット486は、案内レール489に固定されたU形ブラケット488の上向きに延びるアームに固定される。そして、案内レール489は機械の骨組に固定される。ブラケット483および486は、機械の骨組に対して固定され、すべり棒484および481は、支持板441に固定される。支持板441は、支持板441の裏側から支持されたキャリッジ464、465および466と共に、案内ブラケット486と483との間で前後に移動可能な状態にある。
【0092】ステップ・モーター469が、支持板441を前後に移動させる。モーター469の駆動軸473は、軸継手491を通じて水平方向に延びる親ねじ490に固定される(図67も参照されたい)。親ねじ490は、ブロック493の穴492内に配置されたロール・ナット497を通って延在する。ブロック493は、ブロック493の穴435内に延びる一対の上および下合わせピン495により、枠494の水平アーム間に軸回転可能に取り付けられる。ロール・ナット497は、親ねじ490の回転につれて、ブロック493が親ねじの長さ方向の中心軸に沿って移動するように、ブロック493に固定される。枠494内の穴435の長さ方向の軸に沿ったブロック493の軸動により、ブロック493と親ねじ490との間で起こりうるあらゆる不整合が補正される。枠494は、図63に示すように、U形ブラケット488の底壁438にある穴439内に配置された管状フォロア・ガイド437を通って上向きに延びる。軸496は、フォロア・ガイド437の対向する端部にある一対の軸受け436内に支持される。モーター469の作動によって親ねじ490が回転すると、親ねじの長さ方向の軸に沿って、ブロック493と親ねじ490との間に相対運動が起こる。ブロック493は、機械の骨組に対して固定された状態にあるため、この運動によって、親ねじ490とモーター469は機械の骨組に対して移動し、これによって、親ねじ49の回転により、支持板441が前後に移動する。
【0093】支持板441の前位置が、支持板441により運ばれる試薬用プローブ運搬装置R1、R2およびR3の正常運転位置である。この正常運転位置では、各装置R1、R2およびR3の試薬吸引・排出プローブは、プローブが対応する試薬排出地点の上に来る後側「ホーム」ポジションと、プローブが試薬運搬装置のカバー327内の対応する穴の上に来る前側吸引位置との間で、前後に移動する。支持板441は、試薬容器を取り替えるためにカバーを取り外せるよう、試薬用プローブ運搬装置の前から試薬トレーのカバー327の後ろまで延在する保護具を定位置につけるために、次のテスト運転までに後位置まで移動される。支持板441の前位置および後位置は、センサ448および450と、ブラケット488から後向きに延在するタブ431によって決定される。支持板441がその後位置に達すると、タブ431は、光線を遮って、支持板441が支持板の後位置に正しく配置されているという信号をCPU に供給するために、センサ450の素子間を通過する。支持板441がその前位置にある時は、支持板がその前位置に正しく配置されているという電気信号をCPU に提供するために一方の素子から他方の素子へと通過するビームが遮られるように、タブ431はセンサ449の素子間に位置する。
【0094】図63および64において、試薬用プローブ運搬装置R1のキャリッジ464には、横穴511を有する後部垂直壁508と、縦穴514を有する頂部壁509と、縦穴515を有する底部壁510とが含まれる。穴515内には軸受け517が配され、縦穴514内には軸受け512が配される。壁部508には取り付けガイド518が固定され、前記取り付けガイドは、穴511内まで延在する筒状部516を有する。横穴513は、取り付けガイド518を経て延在し、穴513の各端部には、一対の軸受け427が設けられる。モーター468の駆動軸427には、継手500により親ねじ499が固定される。親ねじ499は、ブロック503の穴502内のロール・ナット501を通って延在する。ブロック503は、図67に示す枠494におけるブロック493の取り付けと全く同じ方法で、枠506の一対の平行なアームの間に軸付けされる。枠506は横方向に延びる軸を有し、前記軸は、軸受け4279内に支持されてフォロア・ガイド518の穴513を通って延びる。ロール・ナット501はブロック503に固定されるため、モーター468の作動による親ねじ499の回転によって、ブロック503は、親ねじ499に沿って軸方向に移動する。これによって、キャリッジ464は、親ねじ499の回転方向によって、支持板441に対して前向きまたは後向きに移動することになる。
【0095】また、図72において、プローブ保持アーム519が、フォロア・ガイド505に取り付けられる。フォロア・ガイド505は横穴520を有し、前記横穴は、図64に示すように、上部壁509および下部壁510のそれぞれの軸受け521と517との間に、前記軸受けと軸合わせした状態に設けられたロール・ナット521を含む。親ねじフォロア505は、図64および70に示すように、垂直柱522の縦溝432内に摺動可能に取り付けられたタブ433を有する。柱522は、底部壁510よりも下に配された下側水平フランジ512を有する。フランジ512は、穴515と垂直方向に整列した穴523を有する。柱522の上端部は、穴525を有する扇形歯車524に固定される。扇形歯車524は、穴525の中心のまわりに半径方向に延びる歯526を有する。扇形歯車524は、穴525が穴514と軸合わせした状態になるように、頂部壁509の上に配置される。扇形歯車524の歯は、図60に示すように支持板444に固定された水平板629の歯631と駆動可能に噛み合う。キャリッジ464が後位置にある時には、プローブ保持アーム519は、図60R>0に示すように左を向く。キャリッジ464が前方に移動するにつれて、扇形歯車524が親ねじ527の垂直軸のまわりで回転する。これにより、プローブ支持アーム519は、図60および62に示す左向きの位置から前向きの位置まで、約90度回転する。図22に示すように、これによって、プローブ535は、破線428に示す湾曲経路に沿って移動する。線428は、図22に示すように、排出地点45、洗浄部15、および試薬トレーのプラスチック蓋327の穴329および338の垂直軸と交差する。
【0096】キャリッジ464の後向きに延びる水平フランジ529には、ステップ・モーター528が固定される。モーター528は、プーリ531に固定されて下向きに延びる駆動軸530を有する。軸受け521および517内には、垂直親ねじ527が回転可能に取り付けられ、フォロア505のブッシング521と駆動可能に係合する。親ねじ527は穴523を通ってフランジ512の下まで延びる。親ねじ527の下端部は、タイミング・ベルト532を通じてプーリ531に駆動可能に接続したプーリ533に固定される。タイミング・ベルト532の内面は、ステップ・モーター528(図示せず)の各駆動段階に関してプーリ533を正確に所定の角度だけ回転させるために、プーリ533および531の対応する歯と噛み合う複数の歯を有する。親ねじ527を一方の方向に回転させるためにステップ・モーター528を作動させると、プローブ保持アーム519は上向きに移動する。親ねじ527が逆方向に回転すると、プローブ保持アーム519は上下壁509および510と、柱522に対して下向きに移動する。
【0097】溝432の最上部には、割込みセンサ571が設けられる。プローブ保持アーム519がその上位置まで移動すると、センサ571内のビームが遮られ、プローブ535が正しくその上位置についていることを示す電気信号がCPU に供給される。センサ571は、図6464に示すように、柱522に取り付けられたPC盤537上に取り付けられる。コネクタ540が、PC盤537と、PC盤537の接続部J15を接続する。
【0098】図72において、PC盤534はプローブ保持アーム519に固定される。また、アーム519は、図62に示すように、第1の試薬用プローブ535を支持する。図64において、キャリッジ464の上部壁509にはブラケット538が固定され、前記ブラケットは、PC盤446上の割込みセンサ451および449と相互作用するための、上向きに延びる複数のタブ536を有する。センサ451は、キャリッジがその「ホーム」ポジションまたは後位置にある時に最後部のタブ536がセンサの2つの素子間でビームを遮った時にCPU に信号を供給する「ホーム」センサである。キャリッジが「ホーム」ポジションにある時には、プローブ535は、試薬排出地点45にあるキュベットの真上にくる。また、タブ536も、プローブ535を間違いなくその各々の前位置に正確に配置するために、割込みセンサ449と相互作用する。プローブ535がいずれの前位置にも正しく配置されていない場合には、センサ449のビームは2つの隣接するタブ間の隙間またはひとつのタブの外側に配列される。プローブが正しく配置されていない場合には、ビームはタブのひとつによって遮られ、機械を停止させるようCPU に信号が送られる。
【0099】プローブ535の前位置には、洗浄部15と、試薬トレー27の外側カバー327の穴328および338とが含まれる。試薬採取サイクルごとに、モーター468は、プローブ535が洗浄部15の上にくるまで、上位置にあるプローブ535と共にキャリッジ464をホーム・ポジションから前方向に移動させるために、半段階ずつ所定の回数だけ作動する。モーター528は、洗浄サイクルに向けて、プローブ535を洗浄部内まで降ろすために半段階ずつ所定の回数だけ作動する。次に、プローブ535は、ステップ・モーター528を半段階ずつ所定の回数だけ逆転させることによって、持ち上げられる。モーター468は、プローブ535が外側カバー327の穴328または338の上にくるまでキャリッジ464を前方向に移動させるために、半段階ずつ所定の回数だけ作動する。トレイサー試薬または標識試薬と固相試薬をプローブ535によって採取することがテストプロトコールにより必要とされる場合には、プローブは穴328および338の各々まで順に移動される。位置328または338の各々で、プローブ535は、モーター528により降ろされる。プローブ535の下位置は、サンプル用プローブ407の吸引段階に関して説明したように、静電容量式検知電子装置によって判断される。所定量の試薬の吸引が終わると、プローブ535はその上位置まで持ち上げられ、それと同時に、プローブ535を他の試薬穴の上まで移動させるか、あるいはプローブ535が試薬排出地点15の上にくるよう後ろ方向に移動させるようにキャリッジ464を移動させるために、モーター528が半段階ずつ所定の回数だけ作動する。その後、試薬吸引・排出プローブは、地点15の下のキュベット内まで降ろされる。次に、前記量の試薬が、キュベット内のサンプル溶液中に排出される。プローブ535は、その後、その上位置まで持ち上げられて、本明細書の次章で詳細に説明する洗浄サイクルのために、洗浄部15まで移動される。プローブの洗浄が終わると、プローブは別の吸引・排出サイクルをすぐにも開始できる状態となる。モーター564の速度は操作プログラムにしたがってCPU により制御される。プローブ535は、キュベット内のサンプル表面のすぐ上の地点まで降ろされた後、キュベット内に試薬が排出される間、所定の速度で持ち上げられる。プローブ535は、キュベット内の液体の上昇する表面のすぐ上にプローブの先端が維持されるような速度で持ち上げられる。これにより、サンプルと試薬を最大限に均一な混合状態にすることができると共に、液体の飛沫を最小限に抑えることができる。また、この手順によって、混合反応液中に混入する空気の泡を最小限に抑えることができる。後述する試薬用プローブ装置R2およびR3についてもこの手順に従う。コネクタ572は、可撓性リード線を通じてアーム519のPC盤534に接続され、PC盤537に接続される。金属プローブ535は、コネクタ572に電気的に接続されて、静電容量式レベル検知装置の一部分を形成する。
【0100】特に図63、65および69において、試薬用プローブ装置R2のキャリッジ465には垂直前方壁541と、頂部水平壁542と、底部水平壁543とが含まれる。壁541は、穴の各端部に軸受け544を配した軸受け穴549を有する。頂部壁542は、縦穴556内に設けられた軸受け558を有する。底部壁543は、縦穴559内に設けられた軸受け558を有する。穴556および559は、垂直方向に整列している。また、壁542は、底部壁543の縦穴546と垂直方向に整列した縦穴559を有する。穴546および545内には軸回転防止ロッド547が配置され、前記ロッドは、キャリッジを支持するすべり棒462の中にねじ込むねじ山を設けた上端部548を有する。ステップ・モーター471には、継手551を通じて親ねじ550が接続され、前記親ねじは、ブロック553内のロール・ナット552を通って延在する。ブロック553は、図67に示す枠494におけるブロック493の取り付けと同じ方法で、枠554に取り付けられる。ロール・ナット552はブロック553内に固定されるため、ステップ・モーター471の作動によって親ねじ550が回転すると、ブロック553は親ねじ550の長さ方向の軸に沿って移動することになる。枠554は、軸受け554内に取り付けられて横穴549を通じて延びる軸555を有する。親ねじ550の長さ方向の軸に沿ってブロックが前後に動くと、可逆ステップ・モーター471による親ねじ550の回転方向によって、キャリッジ465全体が支持板441に対して前後に移動する。上下の壁542および543の間にはそれぞれフォロア・ガイド561が配され、前記ガイドは軸回転防止ロッド547を通した縦穴560を有する。また、図69R>9において、フォロア・ガイド561は、ロール・ナット563を含んだ縦穴574をも有している。フォロア561は、図62に示すように、試薬用プローブ576を運ぶプローブ運搬アーム562に固定される。図69に示すように、アーム562にはPC盤575が接続される。ロール・ナット563内には垂直親ねじ573が配され、前記親ねじは、軸受け557および558内に回転可能に取り付けられる。親ねじ573の底端部は底部壁543の下まで延びて、プーリ568に固定される。キャリッジ465の後ろ方向に延びる下側水平ブラケット565には電動式可逆ステップ・モーター564が固定され、前記モーターは下向きに延びる駆動軸566を有する。軸566にはプーリ567が固定され、タイミング・ベルト569を通じてプーリ568と駆動可能に係合する。タイミング・ベルト569の内面は、プーリ567および568上の対応する歯と噛み合う歯を有する(歯については図示せず)。ステップ・モーター564によって親ねじ573が一方の方向に回転すると、フォロア・ガイド561は試薬用プローブ576と共に支持板441に対して上向きに移動する。親ねじ573を逆方向に回転させるためにモーター564を逆転させると、試薬用プローブ576は、フォロア・ガイド561と共に下向きに移動する。電気コネクタ570がステップ・モーター564から延びて、PC盤446上の接続部J13に接続される。頂部壁542にはブラケット582が固定され、前記ブラケットは、上向きに延びるとともに、プローブ576が幾つかの前位置に正しく配置されていることを確認するために割込みセンサ452と相互作用する複数のタブ581を有する。プローブ576の前位置のいずれかについて、タブ581のひとつがセンサ452内のビームを遮った場合には、そのプローブの配置が不適正であることを示す信号がCPU に送られる。「ホーム」タブ634はキャリッジ465から上方向に延びて、割込みセンサ453と相互作用する。キャリッジ465が後側の「ホーム」ポジションに達すると、タブ634がセンサ453のビームを遮り、前記センサによって、プローブ576が試薬排出地点46の上に配置された「ホーム」ポジションに、キャリッジが正しく配置されていることを示す信号がCPU に送られる。
【0101】CPU によって、図22に示すように、試薬排出地点46と、洗浄部16と、試薬運搬装置27のカバー327にある穴339および340との縦軸と交わる後線426までプローブ576が真っすぐ前方に移動されるという点を除けば、プローブ535に関する説明と同じ吸引・排出の一連の動作でプローブ576が垂直方向および水平方向に配置されるようにキャリッジを移動させるために、ステップ・モーター471および564が制御される。テストプロトコールによって、プローブ576は、穴339で標識試薬またはトレイサー試薬を、あるいは穴346で固相試薬を採取すなわち吸引するために前方に動かされる。テストプロトコールによっては、プローブ576によって標識試薬と固相試薬を採取することも必要になるかもしれない。プローブ576は、位置339および340においてモーター564によって降ろされる。プローブ576の下位置は、サンプル用プローブ407に関して説明したように、静電容量式電子液体検知装置によって決定される。所定量の試薬を吸引した後、プローブ576はその上位置まで移動され、それと同時に、プローブを他の試薬穴の上に移動させるか、あるいはプローブ576が試薬排出地点16の上にくるよう後方に移動させるために、モーター471が半段階ずつ所定の回数だけ作動する。その後、プローブは地点16の下にあるキュベット内へと降ろされる。次に、吸引された試薬がキュベット内のサンプル溶液中に排出される。そして、プローブ576はその上位置まで持ち上げられて、洗浄サイクルのために洗浄部16まで移動され、ここで別の吸引・排出サイクルを開始できる状態に準備される。
【0102】図22、63、66および71において、試薬用プローブ装置R3は、後方に伸びる垂直壁594と、頂部水平壁592と、底部水平壁593を含む。垂直壁594は、穴594を有するガイド608の筒状部分580を含んだ穴595を有する。穴579の各端部には軸受け607が配される。頂部水平壁592は、穴591内に配された軸受け590を有する。底部壁593は、穴589内に配された軸受け584を有する。軸受け590および584には親ねじ583が回転可能に取り付けられ、頂部平592から底部壁593まで延在する。親ねじ583の底部は、底部壁593の下まで延びて、プーリ600に固定される。可逆ステップ・モーター596が、水平方向に後向きに延びる下側ブラケット597に固定される。モーター596は、プーリ599に固定された下方向に延びる駆動軸598を有する。プーリ600は、タイミング・ベルト601を通じてプーリ599に駆動可能に接続される。ベルト601の内面は、駆動プーリ599および600上の対応する歯(歯は図示せず)と噛み合う歯を有する。試薬用プローブ運搬アーム617は、穴616内にロール・ナット625を有する親ねじフォロア615に固定された柱609の背側にある垂直長穴内へと延びるタブ627を有する。親ねじ583は、ステップ・モーター596による親ねじの回転方向によって、プローブ運搬アーム617を垂直方向に上または下に移動させるために、ロール・ナット625と駆動可能に係合する。上側壁592と下側壁593との間には垂直柱609が設けられ、前記垂直柱は、後方向に延びる水平フランジ610を有する。フランジ610は下側壁593の下まで延びると共に、前記柱が親ねじ583の長さ方向の中心軸のまわりを回転するよう軸受け584上に取り付けられるように、穴589と垂直方向に整列した穴611を有する。柱609は、その背側に柱522の長穴432と全く同じ垂直長穴を有する。試薬用プローブ運搬アーム617は、柱609の垂直長穴内まで水平に延びるタブ627を有する。これによって、キャリッジ466に対する第3の試薬用プローブ633の角度位置を変えるために、柱609は扇形歯車612とともに親ねじ583の長さ方向の軸のまわりで回転可能となる。柱609には、割込みセンサ624を有するPC盤618が固定される。PC盤624から電気コネクタ622が延びて、PC盤446の接続部J16に接続される。プローブ運搬アーム617がその上位置に達すると、タブ627がセンサ624のビームを遮り、前記センサ624がCPU に対して、プローブがその上位置に正しく配置されていることを示す信号を発する。駆動軸474を有するステップ・モーターが、キャリッジ466を前後に移動させる。シャフト474は、継手628により親ねじ602に固定される。親ねじ602は、ブロック604のロール・ナット603に係合する。ブロック604は、図67に示す枠494におけるブロック493の取り付け方法と同じ方法で、枠605に取り付けられる。枠605は、軸受け607に取り付けられフォロア・ガイド608の穴579を通って延びる軸606を有する。親ねじ602の回転により、ブロック604は、親ねじの長さ方向の中心軸に沿って移動する。ステップ・モーター596が一方の方向に回転すると、キャリッジ466は支持板441に対して前方向に移動する。ステップ・モーター596が逆方向に回転すると、キャリッジ466は支持板441に対して後方向に移動する。キャリッジの上側壁592にはブラケット620が固定され、前記ブラケットは、割込みセンサ453および454と相互作用する、上方向に延びる複数のタブ621を有する。センサ454はホーム・センサである。プローブ633が試薬排出地点17の上にくるようにキャリッジ466がその後位置につくと、最後部のタブ621がセンサ454のビームを遮り、前記センサがCPU に対して、プローブがその「ホーム」ポジションについていることを示す信号を発する。試薬用プローブ装置R1およびR2に関して説明したように、プローブ633がそのいずれかの前吸引位置または洗浄位置に正しく配置されていない時には、タブ621がセンサ453のビームを遮る。柱609にはPC盤618が固定され、前記PC盤は、PC盤446の電気接続部J16に接続される電気コネクタ622を有する。図71R>1において、PC盤626はプローブ支持アーム617に固定され、電気コネクタ619によってPC盤618に接続される。
【0103】柱609の上端部は、穴613を有する扇形歯車612に固定される。扇形歯車612は、穴613の中心のまわりに半径方向に延びる歯614を有する。扇形歯車612は、穴613の軸が穴613と心合わせされた状態になるように頂部壁592の上に配置される。扇形歯車612の歯は、図60に示すように、水平板630の歯631に駆動可能に係合する。キャリッジ466がその後位置にある時には、プローブ保持アーム617は、図60に示すように、右側を向く。キャリッジ466が前方に移動するにつれて、扇形歯車612は親ねじ583の垂直軸のまわりで回転する。これによって、プローブ支持アームが、図60および62に示すように、右向きの位置から前向きの位置まで約90度回転する。これによって、プローブ633が、図22の破線429に示す湾曲経路に沿って移動する。図22に示すように、線429は、排出地点46と、洗浄部17と、試薬トレー27のカバー327にある穴341および342との垂直軸と交差する。
【0104】図22に示すように、テストプロトコールによって、試薬用吸引・排出プローブ633は、穴341で標識試薬またはトレイサー試薬を、あるいは穴342で固相試薬を採取すなわち吸引するために前方に移動される。プローブ633は標識試薬と固相試薬を吸引することができるが、プローブ633は、通常、単一の試薬を吸引するために用いられる。プローブ633は、特定のテストプロトコールにしたがって、先行プローブにより採取され排出された単一の試薬を補う試薬の採取に利用される。位置341および342の各々で、プローブ633はモーター594によって降ろされる。プローブ633の下位置は、サンプル用プローブ407に関して説明したように、静電容量式電子液体検知装置によって決定される。所定量の試薬が吸引されると、プローブ633はその上位置まで移動され、それと同時に、プローブを他の試薬穴の上まで、もしくは、プローブ633が試薬排出地点17の上にくるように後ろ方向に、移動させるために、モーター470が半段階ずつ所定の回数だけ作動する。プローブは、その後、地点17の下にあるキュベット内に降ろされる。次に、吸引された試薬がキュベット内のサンプル溶液中に排出される。その後、プローブはその上位置まで持ち上げられて、洗浄サイクルのために洗浄部17まで移動され、ここで別の吸引・排出サイクルを開始するために準備される。
【0105】各試薬用プローブの下位置は、試薬用プローブ装置R1およびR2に関して説明したように、静電容量式液体検知装置によって決定される。
【0106】好適な実施例では、固相試薬と標識試薬は、2つの別々の同心円内に配置され、これによって分析機に使用できる2つ一組の試薬の組数が最多数となる。つまり、各試薬用プローブは、いずれの試薬でも採取できるように2つの試薬採取位置を有するという意味である。標識試薬を固相試薬と同じ種類の容器に入れ、その容器を固相試薬とともに円形をなす内側のホルダーに配置する。テストプロトコールにおいて、2種類の試薬の両方をプローブで採取する必要がある場合には、一方の試薬を吸引してからプローブが持ち上げられる。これによって、試薬トレーは、この2種類の内の第2の試薬をプローブの下に配置することが可能になる。その後、第2の試薬がプローブによって採取される。
【0107】液体吸引・排出装置図73において、サンプル用試薬用プローブを通じて液体を吸引・排出するための手段には、ハウジング650と、ハウジング650の後ろに取り付けられた複数のステップ・モーター655、656、657および658を含むスポイト列が含まれる。ハウジングの前に複数のスポイト651、652、653および654が取り付けられ、前記スポイトはそれぞれステップ・モーター655、656、657および658によって作動し、各々のステップ・モーターとそれに対応するスポイトとの間の駆動機構は、ブラッドショーらに対する米国特許第4,539,854 に図を参照して説明され、ここに参考により取り入れられている摩擦式ラックピニオン駆動である。機械の制御プログラムにしたがってCPU から対応するステップ・モーターへの信号を制御することによって少量の液体を吸引または排出するために各スポイトを制御することができる。スポイト651は、管659を通じてサンプル吸引・排出プローブ407に操作可能に接続される。スポイト652は、管660を通じて試薬用プローブ装置R1の試薬吸引・排出プローブに操作可能に接続される。スポイト653は、管661により、試薬用プローブ装置R2の試薬吸引・排出プローブ633に操作可能に接続される。スポイト654は、管662により、試薬用プローブ装置R3の試薬吸引・排出プローブ633に操作可能に接続される。試薬用プローブとそれに対応するスポイトを接続する各管は、加熱液体槽648を通り抜ける。各試薬用プローブが所定量の試薬を吸引し、試薬液と接触しない状態までプローブが持ち上げられてから、所定の空気を引き入れるために対応するスポイトが操作され、前記空気によって吸引された試薬も液体槽648内に引き込まれる。液体槽648によって、試薬は所定の運転温度、好ましくは37℃に維持される。液体槽の中にある管の一部分は、試薬が適切なキュベット内に排出される前に試薬液の全量が等しく運転温度になるように、渦巻状に巻かれる。試薬の後ろに引き込まれた空気は、キュベット内への試薬の排出に先立って、試薬がプローブの先端に達するまで排出される。
【0108】図75に示すように、洗浄部15、16、17および18が、キュベット排出・恒温放置部39の前に取り付けられる。洗浄部18は、締め付け金具672によって機械の骨組に取り付けられた管状ハウジング666からなる。ハウジング666は、頂部開口部667と、底部出口ニップル668と、側部接続口669を有する。洗浄部15は、柱688によって機械の骨組に取り付けられた管状ハウジング672からなる。ハウジング672は、頂部開口部673と、底部出口ニップル674と、底部開口部674の近くに設けられた側部接続口676を有する。管675はニップル674に接続される。管677は側部接続口676に接続される。洗浄部16は、締め付け金具665によって機械の骨組に取り付けられた管状ハウジング678からなる。ハウジング678は、頂部開口部679と、底部開口部680と、底部出口ニップル680の近くに設けられた側部接続口682を有する。ニップル680には管681が接続され、側部接続口682には管683が接続される。洗浄部17は、機械の骨組の支持ベースに固定された柱691に固定されている管状ハウジング684からなる。ハウジング684は、頂部開口部685と、底部出口ニップル686と、側部接続口687を有する。底部開口部686には管690が接続され、側部接続口687には管689が接続される。
【0109】貯蔵容器30から洗浄部までの給水について、以下に説明する。
【0110】洗浄部は、吸引・排出のサイクル間に本発明の種々のプローブを洗浄するために機能する。好適な実施例では、洗浄液として脱イオン水が用いられる。以下の説明のように、洗浄サイクルが終わると、洗浄部は廃物貯蔵容器31内に廃棄される。
【0111】分離/洗浄/再懸濁装置本発明の分析機によって行なわれる検定の反応動態は、上昇温度と、固体の常磁性粒子が持つ大きな表面積による極めて効率的な結合によって最大限に高められる。各検定サンプルは、一様に合計7時間半恒温放置される。キュベットは、この合計恒温放置時間が終わった時点で、処理経路の1区画、すなわち恒温放置部に入り、ここで分離と洗浄が行なわれる。処理経路のこの地点には、ネオジウムボロンの強力な永久磁石が取り付けられており、常磁性粒子は急速にキュベットの後壁に引き寄せられる。徹底的にキュベットの底部を探る真空プローブにより、キュベットから液体が吸引されて、前記液体は、後の廃棄に向けて廃液貯蔵容器内に保管される。脱イオン水による強制的な排出と、それに続く急速な磁気分離および吸引によって、キュベットと粒子の洗浄が行なわれる。特定の検定に基づいて、1〜2回の洗浄が行なわれ、非特定結合を0.1 %未満にする。洗浄サイクルが終了すると、粒子は、キュベットの上にある固定口から添加される弱い硝酸に0.5 %の過酸化水素を含ませた酸の中に再懸濁される。
【0112】図76〜80において、吸引・再懸濁部28には、キュベットと、キュベット排出・恒温放置部39の下流端において吸引・再懸濁部の上に取り付けられたブロック694が含まれる。ブロック694には、間隔をあけた一対の配管固定具695および700が取り付けられる。固定具695は、ブロック694を貫通してキュベットまで延びる穴696と、穴696およびノズル699に連絡する2 本の管697および698を有し、前記ノズル699は、角度を有して固定された状態で固定具695を通って延在する。ノズル699は、脱イオン水の貯蔵容器30に操作可能に接続された管692に接続される。ノズル699は、図79に示すように、脱イオン水の流れをキュベットの前壁に向けて導くために設けられる。固定具700は、ブロック694を貫通してキュベットまで延びる穴701と、穴701に連絡する2本の管702および703を有する。固定具700の下流において、ブロック694には酸排出固定具704が取り付けられる。図80に示すように、固定具704のすぐ下に配置されるキュベットの頂部開口部のすぐ上にノズル706の端部がくるように、固定具704に、角度を有して固定された状態でノズル706が取り付けられる。図79に示すように、ノズル706は、図103に示す酸貯蔵容器33に操作可能に接続された管707に接続される。プローブ699は、ノズル端部から排出される酸の流れが、以下に説明する目的でキュベット40の後壁に向けて導かれるように、垂直から角度を有して配される。
【0113】図77において、一般に708に示す吸引器が、ブロック694の後ろの固定位置に取り付けられる。吸引器708は固定状態の水平支持板709からなる。支持板709の上には、ステップ・モーター710とブラケット727が取り付けられる。ブラケット727は上側水平フランジ714を有する。フランジ714とベース709のそれぞれの軸受け715および716には、親ねじ717が回転可能に取り付けられる。親ねじ717は、フォロア719の穴706内に固定されたロール・ナット718を通って延在する。親ねじ717の下端部は、ベース709の下まで延びて、プーリ712に固定される。ステップ・モーター710の駆動軸はベース709の下まで延びて、プーリ711に固定される。プーリ712は、プーリ711および712上の対応する歯(歯については図示せず)と噛み合うタイミング・ベルト713を通じてプーリ711から駆動される。フォロア719には前方に延びるアーム720が固定され、前記アームは、横方向に延びる一対のアーム721および722を有する。また、図78において、アーム721と、アーム721および725に固定されると共にハウジング73に対してプローブの上向きの動きを制限するプロチュベランス730を内部に有したハウジング723を通って、プローブ725が自由に延在する。プローブ725は、バネ731によって下位置に偏向する。アーム722と、アーム722およびハウジング724に対してプローブ726の上方向の動きを制限してプローブ726を下方向に偏向させるための、ハウジング723と全く同じハウジング724を通って、プローブ726が自由に延在する。プローブ725および726は、それぞれ穴696および701と垂直方向に整列する。モーター710の作動により、親ねじ717がその長さ方向の垂直軸のまわりで回転し、これによって、フォロア719が、ステップ・モーター710の駆動軸の回転方向により、上向きまたは下向きに動く。フォロア719の垂直動によって、プローブ725および726が、キュベットの頂部開口部の上にプローブがくる上位置と、プローブの底端部がキュベットの底部まで延びた下位置から移動される。アーム720は、プローブ725および726がキュベットの底に達するのに要する距離よりも若干大きな距離だけ下方向に移動する。プローブ725および726がその対応するキュベットの底にあたると、アーム720が若干余分に動くことにより、プローブはバネ731の偏向に逆らって、それぞれアーム721および722に対して上向きに移動する。これによって、キュベット内の液体を完全に吸引するために、常にプローブ725および726の底端部は、各キュベットの底に達していることになる。フォロア719は、柱727の垂直長穴745内に支持され、横方向に延びる水平タブ744を有する。これにより、親ねじ717の長さ方向の軸のまわりにおけるフォロアの回転が防がれる。長穴745の頂部には、割込みセンサ746が設けられる。フォロア719がその上位置に達すると、タブ744が、センサ746の2つの素子間で光線を遮り、前記センサがCPUに対して、プローブ725および726がその所定の上位置に達したことを示す信号を発する。機械の連続運転で計画された時間に、プローブ725および726をその下位置まで下げるために、半段階ずつ所定の回数だけモーター710に電圧が加えられる。
【0114】図74に、一般に733に加熱管構造の断面図を示す。この構造は、各試薬用プローブを、プローブと加熱液体槽648との間に延在しているその対応スポイトに接続する配管の一部分を形成している。加熱管構造733は、試薬が流れるテフロン(登録商標)管734と、管734のまわりに螺旋状に巻き付けられた絶縁加熱線735と、サーミスタ736とからなる。管734、加熱線735およびサーミスタ736は、すべて縮み被覆管内に包み込まれている。加熱線735は、縮み被覆管737の外側に戻り線738を有するニッケルクロム線である。縮み被覆管737と戻り線738は、塩化ポリビニルの管739内に包み込まれている。加熱管733は、試薬が加熱液体槽648から試薬吸引・排出プローブに移された後に、その温度を37℃に維持する機能を果たす。管734の温度を37±1℃に維持するために機能するサーミスタ736から受信する電気信号にしたがって、CPU が加熱コイル735の付勢を制御する。加熱液体槽648は、試薬を所定の希望温度、すなわち37℃まで熱する上で有効であるが、試薬が加熱液体槽648から試薬用プローブへと通過して戻るにつれて試薬の温度が下がるということは、経験から明らかである。これは、試薬がその容器から吸引されるにつれて、テスト運転の初期設定の開始時に時として見られるように、特に試薬の温度が室温よりも低い場合に、試薬用プローブと加熱液体槽との間の配管部分が試薬によって冷却されるためである。管のこの部分の温度が事前に低くなっていると、管がヒートシンクとして作用し、加熱液体槽648から試薬が戻ってくる際に試薬の熱が吸収されるのである。加熱管構造733によって、管の温度が設定温度に維持され、こうした冷却効果が防がれる。これによって、試薬は、加熱液体槽648内にあった時と同じ温度に、確実に維持されるのである。加熱管構造733の全体構造は、試薬用プローブの垂直動を補正するために可撓性を有する。テフロン(登録商標)管734の壁の厚さは、加熱管構造733を十分に作用させる上で非常に重要である。テフロン(登録商標)管734の壁の厚さは、0.006 インチ以上0.10インチ以下とする。壁の厚さが下限値を下回った場合には、管が許容できない頻度で破損すると考えられる。厚さが0.10インチを上回った場合には、試薬が管734を通る際に、試薬に対する加熱線735からの伝熱効果が著しく低下し、このため、試薬を設定温度に維持することが困難になる。
【0115】管734は、フッ素樹脂、特にPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製とする。PTFEは化学薬品や熱に対して類を見ない抵抗力を持ち、多孔性構造物のコーティングや含浸に用いられる。その剛比すなわち剛性から、一般にPTFEは液体管には適さない。しかし、管734を最適な範囲の厚さにするには、PTFEは十分な可撓性を持ち、かつすぐれた伝熱性と薬品抵抗性を持った管を得ることができる。
【0116】また、図34および35において、吸引/再懸濁部28には、駆動ベルト167および168によって運ばれる際にキュベットが通過する溝743の後壁に沿って、キュベット搬送装置の下に設けられる3つの磁石740、741および742が含まれる。各々の磁石740および741は、図103に示すように、細長く水平に延在する。磁石741は下流側の740の端部から延びて、図34および35に示すように、磁石740よりも若干低い位置に配置される。各々の磁石740および741は垂直な南北極を有する磁界を生じる。磁石742は溝743の前壁上に配置され、磁石741の端部から下流に延在する。磁石742は磁石741の磁界よりも下に、南北極を有する磁界を生じる。キュベットが吸引/再懸濁部28に入ってくると、固相試薬の常磁性粒子は磁石740の方に引き寄せられて、キュベットの後壁に移動する。キュベットが磁石740に沿って移動を続けるにつれて、常磁性粒子は、さらに磁石740の中心に向かって凝集しはじめる。キュベットが穴696の下を通過する際に、キュベット内の液体はプローブ725によって吸引されて廃液貯蔵容器31に送られ、貯蔵容器30からの脱イオン水がノズル699を通ってキュベット内に引き込まれる。キュベットからの液体の吸引によって、すべての未結合の標識試薬と未結合のテストサンプルがサンプル試薬混合液から効果的に取り除かれる。この処理工程によって、テスト反応によって形成された検知可能な生成物、すなわち常磁性粒子を含んだ合成物が分離される。ノズル699からの脱イオン水は、キュベットの後壁に向かう常磁性粒子に対する何らかの妨害を最低限に抑えるために、キュベットの前壁に向けて導入される。キュベットが穴696の下の位置から穴701の下の位置へと前進するにつれて、常磁性粒子は、キュベットの後壁に対して漸進的に密集した塊、すなわち「ペレット状」に凝集し続ける。磁石741はこの部分に配置され、前記磁石が磁石741よりも低い位置にあるために、常磁性粒子はキュベット内の低い地点に集まる傾向がある。このため、次の段階で添加される酸溶液の表面よりも下の部分に、密度の高い粒子の塊ができる。キュベットが穴701の下の地点で停止すると、プローブ726がキュベットの底まで下りてきて脱イオン水の洗浄液を吸引し、前記吸引された脱イオン水を廃液貯蔵容器31に送る。次に、キュベットが固定具704の穴705の下の位置につくと、ノズル706が、酸貯蔵容器33から過酸化水素等の一定量の酸溶液を排出する。プローブ706の角度から、酸はキュベットの後壁の常磁性体の塊のすぐ上に向けて送られる。これによって、後壁から粒子を効果的に洗い落として、酸溶液中に再懸濁させることができる。キュベットは、穴705から離れると、前側磁石742に沿って通過し、前記磁石の作用により、キュベットの後側から前方向に常磁性粒子の一部が引き寄せられる。これは酸溶液中に粒子を均等に分布させる上で有効である。プローブ725および726は、同じ作動機構内に連結されているため、それぞれ穴696および701内に同時に降ろされる。プローブ725が穴696の下にあるキュベットからサンプル試薬溶液を吸引する時に、プローブ726は穴701の下にあるキュベットから洗浄液を吸引する。同時に、プローブ706は、穴701の下にあるキュベットの下流に位置するキュベットに、一定量の酸溶液を排出する。その後、酸用プローブ706の下にあるキュベットは、エレベータ機構に向かって、次章で説明する光度計まで前進する。
【0117】光度計測装置光度計には、6つの井戸を持った回転式ハウジングが含まれる。検知器には、ハウジングの前に取り付けられた光電子増倍管(PMT )が含まれる。キュベットは、入口穴からハウジング内の井戸のひとつに入り、出口穴まで漸進的に移動する。入口穴から3番目の位置において、キュベットはPMT と整列する。この設計により、ケミルミネッセント反応を開始させる前に、測定チャンバからの周囲光を効果的に排除することができる。PMT の前にキュベットを配置した状態で、希釈した水酸化ナトリウムを含む塩基溶液がキュベット内に注入される。たとえば、ある特定の検定では、これによってアクリジニウムエステル標識の酸化が起こり、その結果、波長430nm の光子の発光が生じる。この発光は、1秒以内の鋭いスパイクで、3〜4秒間続く。発光の強さは、光子計数モードで作動するPMT によって5秒間の周期にわたり測定される。「ダーク・カウント」は発光前に測定されて、自動的に差し引かれる。
【0118】図76および81〜86に示す光度計測装置は、一般に761に示すエレベータ部の頂部に取り付けられた、一般に760に示す光度計部からなる。光度計部760は、主コンベヤの端部にあるチャンバ764から光度計部まで延在する縦穴763を有したハウジング762からなる。また、特に図83において、エレベータ部761には、上板765と下板766も含まれる。下板766および上板765のそれぞれの軸受け768には、親ねじ767が回転可能に取り付けられる。親ねじ767には、親ねじの回転方向によって、親ねじの長さ方向の中心軸に沿って上向きまたは下向きに移動するように、フォロア769が取り付けられる。チャンバ764の下には、プランジャ771が配置され、水平アーム770によってフォロア769に固定状態に接続される。底板766と上板765には、垂直軸回転防止ロッド772が固定され、アーム770の穴780を通って自由に延在する。親ねじ767の下端部は、底板766の下まで延びて、スプロケット776に固定される。エレベータ部761の下端部にはステップ・モーター773が取り付けられ、前記ステップ・モーターは、スプロケット775に固定された、下方向に延びる駆動軸774を有する。スプロケット776は、図81に示すように、駆動チェーン777を通じてスプロケット775から駆動される。モーター773は可逆式である。親ねじ767が一方の方向に回転すると、フォロア769は、図83に実線で示す下位置から点線で示す上位置まで移動する。これによって、プランジャ771が、図8383に実線で示す下位置から点線で示す上位置まで移動する。親ねじが逆方向に回転すると、フォロア769とプランジャ771は、点線で示す位置から実線で示す位置まで移動する。キュベット40は、20秒間隔で、主コンベヤに沿って搬送される。プランジャ771が実線で示す下位置についている間に、キュベット40は20秒ごとに主コンベヤからチャンバ764内に配置される。モーター773は、プランジャ771が上位置まで移動してチャンバ764内にあるキュベット40を光度計部760まで運んでくるように、親ねじ767を回転させるために作動する。フォロア769は、上下の割込みセンサ758および759と相互作用する、水平方向に延びるタブを有する。フォロアが、図83に実線で示す下位置についている時には、タブ778がセンサ759の2つの素子間の光線を遮り、前記センサが、CPU に対して、プランジャ771が正しく下位置についていることを示す信号を発する。機械の連続運転全体の所定の時間に、キュベット40が、主コンベヤによって、図83に実線で示すプランジャ771の上の地点まで送られてきて、点線で示す位置までプランジャ771を持ち上げるために、所定の半段階の回数だけモーター773に電圧が印加され、これによってキュベット40は、光度計部760内のスタート位置まで送られる。フォロア769がその上位置に達すると、タブ778によって、センサ758の2つの素子間の光線が遮られ、前記センサはCPU に対して、プランジャ771が正しくその上位置についていることを示す信号を発する。その後、モーター773が、プランジャ771をその下位置まで戻すために、半段階ずつ所定の回数だけ逆転する。
【0119】特に図83および84において、光度計部760は、エレベータ部の上板765上に支持された底部支持板789からなる。光度計ハウジング790には、筒状の垂直壁788と、底部壁792と、頂部壁793が含まれる。ハウジング790は、円形コンベヤ800を内蔵する大型円形チャンバ791を有する。光度計ハウジング790は、底部支持板789上に支持される。底板792は、軸受け796を含む穴795を有した中央直立部分794を有する。頂部壁793は、軸受け798を含む穴799を有する。軸受け796および798内には垂直軸797が回転可能に取り付けられて、円形コンベヤ800のハブ787に固定される。軸797の上端部は頂部壁793の上まで延びて、ギヤ801に固定される。頂部壁793上にはステップ・モーター804が取り付けられ、前記ステップ・モーターは、ギヤ802に固定された、下方向に延びる駆動軸803を有する。ギヤ802はギヤ801と駆動状態で係合して軸797を回転させ、これによって円形コンベヤ800が、軸697の長さ方向の中心軸のまわりで回転する。ギヤ801の上の軸797の上端部には、エンコーダ・ホイール805が固定される。頂部壁793には、光度計のセンサ盤806が固定される。エンコーダ・ホイール805は、間隔をあけて上向きに延びる複数のタブ784を有し、前記タブは、PC盤806から下向きに延びる割込みセンサ783と相互作用する。図84に示す実施例には、円形コンベヤ800の外壁にある6つの外部空洞、すなわち井戸814に対応する6 つのタブ784がある。円形コンベヤ800は、ギヤ801および802を通じて、ステップ・モーター800により、20秒ごとに新しい位置に滑動される。ステップ・モーター804は、CPU から入力信号を受け、前記信号によって、円形コンベヤ800とエンコーダ・ホイールが、軸797の軸のまわりで回転する。タブ784のひとつの縁部が割込みセンサ783の素子間の光線を遮るまで、円形コンベヤは回転を続ける。前記タブの縁部が前記割込みセンサの素子間の光線を遮ると、所定の時間モーター804が死なされ、その後、円形コンベヤ800を次の位置まで移動させるために、ただちにモーターに電圧が印加される。筒状の垂直壁788には側部穴807が設けられ、前記側部穴は、光度計ハウジング790を光電子増倍管808に接続する接続アーム809のトンネル810内に開口する。底部壁792は、入口穴811および出口穴812を有する。入口穴811は、エレベータ部761の垂直穴763と垂直方向に整列する。出口穴812は、図103に示すように、キュベット用の廃物受け35と垂直方向に整列する。円形コンベヤ800の外面にある6つの空洞814は、円形コンベヤ800が軸797の軸まわりを回転するにつれて、穴811および812と垂直方向に順に整列する。各空洞814は、ハブ780の筒状壁788により閉鎖された外側穴と、底部壁792により閉鎖された底部穴を有する。各空洞の上部壁は、空洞に通じる小さな接近口852を有する。接近口852は、以下に記載の目的のために頂部壁793にある一対の穴836および851と垂直方向に整列している時を除いては、頂部壁793により覆われている。図86において、円形コンベヤが、ハウジング790に対して、軸797の中心垂直軸のまわりで回転すると、各空洞814は、空洞が穴812および811の一方と整列している場合を除き、外部からの光から厳重に遮断された状態に維持される。各キュベットは、エレベータ761により、穴812と整列した空洞814内まで送られる。円形コンベヤは、20秒ごとに60度回転する。キュベットは、穴811に達して廃物受け35内に落下するまで、軸797の軸のまわりを円状に運ばれる。20秒ごとに、空洞814には新しいキュベットが送られてきて、処理済みのキュベットは穴811を通して落とされる。中央直立部分794は下向きの空洞785を形成する。直立部分794は、側部穴807の方を向いた穴786を有する。基準LED (発光ダイオード)830がPC盤829上に取り付けられる。PC盤829は、基準LED 830が空洞785内まで延在するよう、底部壁792に固定される。LED 830には、光線を発するように周期的に電圧が印加され、前記LED は、光線が穴786を通って光電子増倍管808に達するよう配置される。空洞785の底部穴は、外部から光が空洞内に入れないように、蓋831によって閉鎖される。LED からの光量は、テストの閃光よりも実質的に大きく、光電子増倍管808の通常運転範囲を超える光量である。LED からPMT に達する光の量を変化、すなわち減少させるために、図示しない光濾過手段が、LED と光電子増倍管808との間に設けられる。
【0120】特に図84および85において、洗浄/廃棄塔816は、複数の垂直柱815の頂部に固定され、前記垂直柱は底部支持板889に固定される。塔816は、柱815に固定された支持板817と、ステップ・モーター818と、支持板817の頂部に固定された柱819とからなる。柱819は横方向に延びる上側アーム820を有する。アーム820と支持板817の軸受け821内には、垂直親ねじ823が回転可能に取り付けられる。親ねじの長さ方向の中心軸に沿って移動させるために、親ねじ823上に、フォロア824が取り付けられる。親ねじは、フォロア824内に取り付けられたロール・ナット813と駆動可能に係合する。親ねじ823の下端部は支持板817の下まで延びて、プーリ825に固定される。プーリ825は、タイミング・ベルト827を通じてプーリ826から駆動される。タイミング・ベルト827の内面は、プーリ825および826上の歯(歯は図示せず)と噛み合う歯を有する。ステップ・モーター818が一方の方向に回転すると、フォロア824は親ねじ823に沿って上向きに移動し、ステップ・モーターが逆方向に回転すると、フォロア824は親ねじ823に沿って下向きに移動する。フォロア824には、プローブ保持アーム828が固定され、前記アームはそこから前方に水平に延びる。アーム828の前端部には、プローブ部832を保持する穴833がある。プローブ部832は、穴833を有するアーム828に固定されたハウジング835と、吸引プローブ834を含む。プローブ834は、垂直方向の動きを制限するようにハウジング835内に取り付けて、図78に示すプローブ725および726と同じ方法で下位置に偏向されてある。プローブ834の上端部は、廃液貯蔵容器31に操作可能に接続された管836に固定される。フォロア824は、横方向に延びるアーム782を有し、前記アームは、フォロア824が親ねじ823に対して垂直方向に移動する際に柱819内の縦溝781内に支持される。タブ782によって、親ねじの長さ方向の中心軸のまわりにおけるフォロア824の回転が防がれる。穴836の上の頂部壁793には、配管固定具837が取り付けられる。固定具837はノズル838を有し、前記ノズルは穴836内に延びると共に、塩基溶液貯蔵容器34に操作可能に接続された管839に接続される。穴851のすぐ上の頂部壁793には配管固定具840が固定され、前記配管固定具は、穴851まで下方に延びる穴841を有する。プローブがその下位置まで移動した時に、穴841内に入って、穴851を通り、穴851と垂直方向に整列した空洞814のひとつの接近口852を通って延びるように、プローブ834は穴841と垂直方向に整列する。また、固定具840は、穴841に操作可能に接続された一対の管844および845を有する。管844は脱イオン水貯蔵容器30に操作可能に接続され、管845は廃液貯蔵容器31に操作可能に接続される。プローブ834の上端部は、図78に示すハウジング723と全く同じハウジング835内に配置される。プローブ834は、穴841の若干下に配置されたキュベットの底部まで下がるようにプログラムされている。プローブ834は、キュベットの底部壁に達すると、ハウジング内のバネの力に逆らってハウジング835に対して上方向に押し上げられる。これによって、プローブは常に、キュベット内の液体を完全に吸引するために、確実にキュベットの底部に達することになる。
【0121】図86に、底部壁792と光電子増倍管808の線図を示す。エレベータ761によって、キュベット40は、底部壁792の穴812を通って、穴812と整列した、図86に位置846として示す空洞814のひとつまで送られてくる。キュベットは、軸797の軸のまわりで、20秒ごとに60度ずつ円状に動かされる。キュベットは、位置846から位置847へと移動された後、穴807の前にある位置848まで移動される。この位置において、ノズル838が、所定量の塩基溶液0.25N のNaOHを、すでにキュベット内にある、たとえば0.5 %の HOを加えた0.1NのHNO等の酸溶液に添加する。これによって、ケミルミネッセント信号が生じる。信号は、光子計数モードで作動しているPMT によって5秒間の周期にわたり検知される。ケミルミネッセント信号すなわち閃光によって閃光特性が得られ、サンプル内のアナライトの濃度を判断するために、前記閃光特性がストアされている基準曲線と比較される。試薬の各ロットについて、線量−効果マスター曲線が作成される。この情報は、キーボードまたはバーコードによって分析機に入力される。2つの基準を測定することによって、情報が較正され、前記基準値は、ストアされているマスター曲線の修正に利用される。一致するスプラインまたは4〜5の一致する変数論理曲線から、還元方法の推薦データが選択され、各検定のためにあらかじめプログラムされる。次に、キュベットは、穴841の下にある位置849まで移動される。プローブ834は、穴841と穴851を通って、接近口852を通じてこの位置の下にあるキュベット内まで降ろされる。キュベット内にある液体の含有物はすべてプローブ834によって吸引され、その時点で、プローブ834はその上位置まで持ち上げられる。キュベットは位置850まで移動されて、その後、位置851の方向に移動される。キュベットは、穴811に到達すると、穴を通ってキュベット用廃物受け35内に落下する。
【0122】修正済みのカウントは、ストアされているマスター曲線を利用して、サンプル中のアナライトの濃度を計算するために用いられる。各試薬ロットの製造時に、多数の装置で多数の検定運転を行なって、線量−効果マスター曲線が作成される。このロット固有の線量−効果曲線データは試薬と共に提供されて、一体式バーコード読取り棒またはキーボードを使用して、CPU のメモリーに入力される。ストアされているマスター曲線は、2つのキャリブレータを検定することによって再較正され、前記キャリブレータの値は、あらかじめ決められてソフトウェアに入力されている。この目的のために、多種類のアナライト用のキャリブレータが提供されているが、ほとんどの検定の場合、週1回の再較正が推薦される。
【0123】ケミルミネッセント検定のための基準LED モジュール図87に、本分析機のLED モジュールの略図を示す。基準LED は、PMT に提示できる一定の光出力を供給するために、光学フィードバックを利用している。
【0124】光出力レベルは、電子的に調節可能なポテンショメーター(EEPOT )によって設定してもよい。このEEPOT は、製造と構成部品のバラツキに対して光出力を調節するために使用される。EEPOT は、特定の一連の制御信号を用いて設定してもよく、現場で調節するために設計されたものではない。
【0125】基準LED 盤の利点となる特徴を以下に示す:・コンパクトにまとめられているため、光度計の下にうまく納まる。
・光学フィードバックによって、光電子増倍管の信号に対して470nm の一定した較正が得られる。
・安定性を高める補償式電圧基準。
・電子的に調節可能な光出力により、作業所での較正が容易になる。
・機械の制御盤から電源をON/OFF できる。
【0126】好適な実施例の電力条件は以下のとおりである:論理用 +5.00V ± 5%(最高75mA)
アナログ用 +12.0V ±10%(最高300mA )
本装置は、下側に接地面を持った直径2.1 インチの両面盤として構成することが好ましい。以下のコネクタを設けなければならない:機械の制御装置および電源と組み合わさる5ピン ピグテール式コネクタ、光度計のホーム・センサ盤への接続部、およびEEPOT のプログラミングを容易にするための4ピン ヘッダー。
【0127】ピグテール式電力コネクタJ1は、図87に示すように、以下のピン指定がなされる: ピン 名称 1 LEDCTL(機械の制御装置から。0 =OFF 、1 =ON)
2 SB3 (機械の制御装置から。使用せず)
3 +5V 4 +12V5 GNDEEPOT ヘッダー・コネクタJ2は、図87に示すように、以下のピン指定がなされる:ピン 名称1 /INC EEPOT ワイパ増分ライン2 UP/DOWN EEPOT 方向選択ライン3 /CS EEPOT チップ選択4 GND基準LED 回路の好適な実施例を図87にさらに詳細に示す。LED からの迷光が、サンプル分析中に光電子増倍管の読取りに影響する可能性があるため、機械の光度計用制御盤上の制御ラインを通じて基準LED の電源を切ることができる。Q1 とR1 が、電力制御論理(図87のA)を形成する。LEDCTLを低(0 ボルト)にすることによって、すべての演算増幅器およびLED の電源が切れ、LEDCTLを高に戻すと、電源が入る。
【0128】LED を駆動する閉ループでは、コマンド入力として電圧が用いられる(図88参照)。VR1、U1、U3Aと、R2、R3およびR7は、調節可能な電圧基準を構成する(図87のB)。VR1は、6.9V±5 %の温度補償ツェナー基準を提供する。VR1への加熱器の電源は、装置がウォームアップ後により迅速に反応できるように、常にONの状態になっている。EEPOT ワイパ抵抗(10K )であるR3と、R7は、分圧器を形成する。これらの構成部品の公称値では、EEPOT ワイパは0.5 〜2.5Vの電圧範囲を持つ。演算増幅器U3Aは制御ループに低インピーダンス源を提供するために、基準電圧を緩衝する。
【0129】光学フィードバック・ループはLED の光出力を制御するために用いられる。CR1(青色LED 、波長470nm )は、その光が青感性フォトダイオードCR2の表面に入射するようにハウジング内に取り付けられた拡散斜面LED である。CR2は、CR1の方向に向けて、好ましくはCR1の光軸から45度外して配される。CR1およびCR2の位置は、LED 取り付けブロックにより調整する。(代案として、LED 出力の一部をCR2に与えるために、ビームスプリッターを設けてもよい。)CR2は、基準中の暗騒音を解消するために、電流モード(その端子を横切る実質的な短絡)で使用する。
【0130】Q2とR6は、LED を通しての電流操作に用いられ、この電流は、回路構成部品の値とU2の上側電圧レールによって50mAまでに制限される。U2単独ではLED を50mAで駆動させることはできない。
【0131】FET 入力演算増幅器U2の入力許容値は、下は接地電圧までで、前記演算増幅器の出力は接地電圧から、陽極レールから約3ボルトまでの振れとなる。この接地出力能力は、LED を低い光レベルで運転するために重要である。総計接続点に対する入力電流の影響を最小限に抑える(Iin <30pA)ために、FET 入力能力を選択したものである。
【0132】U2は、その入力ピン間の電圧を0 ボルトに維持する機能を果たす。これによって、一組に連なったR5とR8を横切る電圧は、U3Aによって印加される基準電圧と実質的に等しくならざるをえなくなる。R5+R8を横切る基準電圧によって、2.5 〜12.5nAの基準電流が生じる。定常状態では、CR2の電流は基準電流に等しくなり、CR2の電流が一定であれば、この電流を生じるCR1からの光も一定になる。
【0133】CR1からの光出力が変動する場合は、回路の負帰還によってエラーが修正される。たとえば、CR1からの光出力が多すぎる場合は、CR2の電流が増加する。この増加した電流はR4を通じて流れて、Q2の基本電圧を下げ、これによってCR1の電流が減少する。同様に、CR1からの光が少なすぎると、U2の出力電圧が高まり、CR1を通じて流れる電流が増加して光出力が大きくなる。
【0134】回路の応答時間は、C5とR4の組合せによって制限される。C5は、あらゆる瞬間的な出力変動を防ぐための積分器として機能し、エラー信号を平均化する効果を持つ。R4とC5は、CR1の光出力に重なったあらゆる高周波騒音を濾過して取り除く。
【0135】基準抵抗器R5およびR8を通じて流れる電流は約10nAであるため、漏れ磁束や漏油に起因する回路盤の漏れ電流が、有害な影響を与える可能性がある。漏れ電流による回路障害を防ぐために、演算増幅器の総計接続部には、特別な配慮が必要となる。R5、CR2の陽極、Usの総計入力(第2ピン)およびC5をひとつに結合させるために、テフロン(登録商標)はんだ柱Cを用いる。R5とR8を接続するために、別のはんだ柱Dを用いる。また、U2のまわりの帰還経路を通じた分路漏れを最小限に抑えるために、C5は高絶縁抵抗(>30000 メグオーム)のコンデンサとしなければならない。第3の非絶縁はんだ柱を用いてCR2の陰極に対する接続点を設ける。最後に、アセンブリ全体を完全に清掃した後、ほこりなどの堆積を防ぐために溶接密閉する。
【0136】テスト実験において、本回路では、回路の電圧および電流を安定させるために、周期を短くする必要があるということが明らかになった。光出力を確実に安定させるためには、電圧の印加と観察との間に1分間の間隔をとらなければならない。
【0137】テストの要件:回路計を用いて行なう短絡試験と開回路試験に加えて、以下の追加試験を実施しなければならない:A.電力論理J1の第4ピンと第3ピンに、それぞれ+12V および+5Vを印加した状態で、J1の第1ピンを地電位にする。R6を通って電流が流れていないこと、およびU3の第1ピンの電圧が地電位になっていることを確かめる。次に、J1の第1ピンに+12V を印加する。ピンU3の第1ピンの電圧が0.4 〜2.8Vの間にあることを確かめる。
【0138】B.EEPOT 論理EEPOT の持久記憶装置の書込サイクル数が制限されている場合、この電位変更は、テスト中1回かぎりとしなければならない。
【0139】CS ピンをTTL (0V)に合わせる。
【0140】次に、EEPOT のINC ピンにパルスを印加し、ワイパがU/D ピンの方向に動くことを確かめる。U/D レベルを変化させて、EEPOT の作動を確認する。また、R6を通って流れる電流がEEPOT の設定値と共に変化することを確かめる。好適な実施例におけるEEPOT の制御ラインのタイミング情報を図89に示す。
【0141】C.制御ループ総計接続点にはこのようにわずかな電流しか流れていないため、この地点での測定はさける。LED およびPMT モジュールの較正時に、モジュールの光学的な運転を確認する。
【0142】油圧制御と空気制御図90、91、92、93および108に、本分析機の種々のサブユニットのための油圧制御および空気制御を示す。ここに説明するすべての弁はCPU を通じて電気的に作動する。まず、図90、91、93および108において、一対の三方切換弁V2およびV5は、一対の可撓管882および888のそれぞれによって、主水線886に接続される。主水線886は、脱イオン水貯蔵容器30に接続される。貯蔵容器30から弁V2まで水を送るために、蠕動ポンプ880が管882と操作可能に係合する。貯蔵容器30から切換弁V5まで水を送るために、管888には蠕動ポンプ881が操作可能に係合する。弁V2は、管891によって三方切換弁V1に、そして管892によって三方切換弁V3に接続される。切換弁V5は、管893によって三方切換弁V4に、そして管894によって三方切換弁V6に接続される。弁V2は、管882からの水を弁V1もしくは弁V3へと切換える。弁V2は、通常、弁V1に対して閉状態にあり、弁V6に対しては、通常開状態にある。弁V5は、管888からの水を、弁V4もしくは弁V6へと切換える。弁V5は、通常、弁V6に対して閉状態にあり、弁V4に対しては、通常開状態にある。切換弁V1は、管890を通じてスポイト651へ、もしくは管671を通じて、図75に示す洗浄部18のハウジング666へと、水を切換える。弁V3は、管925を通じてスポイト654へ、もしくは管689を通じて洗浄部17のハウジング684へと、水を切換える。弁V5は、管888からの水を、弁V4もしくは弁V6へと切換える。弁V4は、管895を通じてスポイト652へ、もしくは管677を通じて洗浄部15のハウジング672へと、水を切換える。弁V6は、管926を通じてスポイト653へ、もしくは管683を通じて洗浄部16のハウジング678へと、水を切換える。弁V1は、通常、管890に対して閉状態にあり、管671に対しては、通常開状態にある。弁V3は、通常、管925に対して閉状態にあり、管689に対しては、通常開状態にある。弁4は、通常、管895に対して閉状態にあり、線677に対しては、通常開状態にある。弁V6は、通常、管926に対して閉状態にあり、管683に対しては、通常開状態にある。管882内には、逆止め弁884とフィルター883が配される。管888内には、逆止め弁889とフィルター889が配される。
【0143】廃液貯蔵容器31は、空気線897によって廃液貯蔵容器に接続された真空ポンプ896により、大気圧より低い圧力に維持される。主空気線898は、貯蔵容器31から延在して、管900によりマニホルド899に接続される。複数の弁V7、V8、V9、V10およびV11が、それぞれ管910、911、912、913および908によってマニホルド808に接続される。また、マニホルド898には、管907によって真空計905も接続される。弁V11は、スイッチ906により開閉される排気弁であって、前記スイッチは、真空計905によって制御される。真空計905によって検知されたマニホルド899内の圧力が所定の設定圧を超えている時は、排気弁を開いて空気を逃がしてマニホルド899内の圧力を設定圧まで下げるために、スイッチ906が接続状態となる。設定圧に達すると、弁V11を閉じるために、真空計905によりスイッチ906が切られる。弁V7、V8、V9およびV10は、それぞれ洗浄部18、15、16および17に操作可能に接続されたオンオフ弁である。弁V7は、管670によって、洗浄部18のハウジング666の底部に接続される。弁V8は、管690によって、洗浄部17のハウジング684の底部に接続される。弁V9は、管675によって、洗浄部15のハウジング672の底部に接続される。弁V10は、管681によって、洗浄部16のハウジング678の底部に接続される。
【0144】洗浄液排出ポンプ903は主水線886に、そして管692によってノズル699に接続される。ポンプ903は、モーター904によって作動する変位ポンプである。ポンプ903は、モーター904の駆動軸に対して角度を有して延在し、自在軸継手によって前記駆動軸に接続される。その駆動軸を完全に1回転させるために、モーター904に電圧が印加され、この回転によって弁903の変位サイクルを生じさせる。変位の量はモーターの駆動軸に対する前記弁の角度によって決まる。モーター904が1変位サイクル分作動すると、洗浄サイクルのために、水が貯蔵容器30から固定具695のノズル699までポンプの作用で送られる。
【0145】主水線886は、一対のオンオフ弁V16およびV18に接続される。弁V16は、管702および697に分岐する管909に接続され、前記管702および697は、それぞれ固定具700および695に接続される。弁V18は、光度計部の固定具840から延びる管844に接続される。主真空線898は、マニホルド901に接続され、オンオフ弁V12、V13、V14、V15およびV17は、それぞれ管914、915、916、917および918によって、マニホルド901に接続される。弁V12はプローブ725に至る管729に接続される。弁V13はプローブ726に至る管728に接続される。弁V14は吸引用プローブ834に至る管836に接続される。弁V15は、固定具700および695にそれぞれ接続される前記管703および698に分岐する管927に接続される。弁V17は固定具840まで延在する管845に接続される。マニホルド901には、管919によって、低圧スイッチ924が接続される。マニホルド901および899内の圧力が所定の最低値を下回る値まで下がると、スイッチ924がCPU に機械停止信号を送る。
【0146】ポンプ920は、管921により酸貯蔵容器33に接続されると共に、酸排出用プローブ706に至る管707に接続される。ポンプ922は、管923により塩基溶液貯蔵容器34に接続されると共に、塩基排出用プローブ838まで延在する管839に接続される。ポンプ920に電圧が印加されると、ノズル706を通じて貯蔵容器33から所定量の酸が排出される。ポンプ922に電圧が印加されると、ノズル833を通じて所定量の塩基溶液が排出される。特に図93および108を参照しながら、ひとつのキュベット40が、主コンベヤに沿って光度計を通って移動する過程を追う。サンプル運搬装置26の穴255および256の一方の上に、サンプル吸引・排出プローブ407を配置することによってサンプル溶液が得られる。プローブ407がサンプル容器内に降ろされ、弁V1が管890に対して閉位置にある状態で、スポイト651が作動する。これにより、プローブ407は、一定量のサンプル溶液を吸引可能となる。プローブ407は、その後サンプル排出地点44の上に配置され、地点44の下に配置されているキュベット内へと降ろされる。そして、吸引されたサンプル溶液をキュベット内に排出するために、スポイト651が作動する。サンプル溶液がすべて確実に排出されるようキュベット内に少量の水を排出するために、弁V1およびV2が作動して、シリンジ651へと水の流れを切換える。テストプロトコールにより希釈溶液すなわち前処理溶液の添加が必要とされる場合は、管671から洗浄部18のハウジング666に水が満たされる。プローブは、希釈溶液すなわち前処理液を吸引して、洗浄部18まで移動し、水を充満させたハウジング666内に浸される。その後、プローブは、指定されたテストサンプル溶液の上に配置され、サンプル中に降ろされて、一定量のサンプルを吸引する。次に、プローブは、吸引されたサンプルと希釈前処理溶液をキュベット内に排出するために、サンプル排出地点44まで移動する。その後、キュベットは、主コンベヤに沿って地点45に向かって進む。そして、蠕動ポンプ880からの水が弁V2から弁V1へと切換えられると、サンプル用プローブ407が洗浄部18の上に移動され、前記弁V1によって、水は管890へと切換えられ、スポイト651を通って管659へと通過し、プローブの内側を洗浄するためにプローブ407を通じて排出された後、プローブ407の外側を洗浄するために、弁V1によって切換えられて管671を通ってハウジング666内に排出される。プローブ407および管671によってハウジング666内に導かれた洗浄液は、弁V7を開くことによって、管670を通じてハウジングの底部から吸引される。プローブ407を通じて最初に排出される水がハウジング666内に満たされ、前記水によって、プローブの外側も効果的に洗浄される。この水は、ハウジングの底部から吸引され、管671からの水がプローブの外側を最終洗浄する。この水もハウジングの底部から吸引される。吸引された液体は、管910を通ってマニホルド899に至り、最終的に、管900および898を通って廃水貯蔵容器31に送られる。
【0147】サンプル排出地点44においてキュベット40内にサンプルが満たされると、その後、前記キュベットは主コンベヤに沿って、テストプロトコールによって、試薬排出地点45、46または47まで移動する。各試薬吸引・排出プローブは、外側リングからトレイサーまたは標識試薬を、そして内側リングから固形試薬を採取すなわち吸引するか、もしくは試薬の片方のみを吸引することができる。あらゆる組合せが可能である。たとえば、特定のキュベットについて、試薬用プローブ装置R1によって標識試薬を採取し、試薬用プローブ装置R2またはR3のいずれかの位置に略配置されている時に、前記装置R2またはR3によって固形試薬を採取してもよい。一方、試薬用プローブ装置R1によって固形試薬を採取し、試薬用プローブ装置R2またはR3のいずれか一方によって標識試薬を添加することもできる。実際には、試薬用プローブ装置R1およびR2は、主に、単一のプローブによって両方の試薬溶液の吸引および排出を行なうことが必要なプロトコールに用いられる。試薬用プローブ装置R3は両方の試薬を吸引する能力を有するが、可能な恒温放置時間がより短いため、この装置は主に、試薬用プローブ装置R1またはR2によって添加された単一の試薬を入れたキュベットに、試薬溶液を添加するために利用される。
【0148】テストプロトコールにより、試薬用プローブ装置R1によって片方または両方の試薬を吸引する必要がある場合には、弁B4を管895に対して閉状態にしたままでスポイト652を作動させることによって各試薬溶液を吸引する。プローブ535が試薬溶液に接していない場合は、プローブ内に空気を引き込むことによって、試薬は、加熱液体槽648内に位置している管660の渦巻き部分内に送り込まれる。プローブが、テスト対象のサンプルを入れたキュベットの上に配置されると、まず管660内の空気を取り除いてからキュベット内に試薬溶液を排出するために、スポイトが作動する。その後、プローブ535は洗浄部15の上に配置され、次に洗浄部内に降ろされる。水を管895へと切換えるために弁V4が作動する。水は、ハウジング672内に流れ込み、それと同時に、プローブの内側と外側を洗浄するために、プローブ535を通って流れる。同時に、管675を通じてハウジング672の底部から廃液を吸引するために、弁89が開かれ、前記廃液は最終的に廃液貯蔵容器31へと送られる。その後、プローブ535の外側を最終洗浄するために管677を通じてハウジング672内へと水を切換えるため、弁V4がその標準状態に戻る。テストプロトコールにより、試薬用プローブ装置R2によって試薬の吸引および排出を行なう必要がある場合は、弁V6に関して管926を閉状態にしたままスポイト653を作動させることによって、プローブ576により試薬を吸引する。試薬用プローブ装置R1の場合と同じ手順で、スポイト653により、排出地点46に配置されたキュベット内に試薬が排出される。水を弁V6へと切換えるために弁V5が作動し、プローブが洗浄部16のハウジング678内に位置している時に、管926を通じてプローブ576へと水を切換えるために弁V6が作動する。弁V6は、プローブの外側の最終洗浄を行なうために、管683を通じて水を切換えるため、通常の開状態に戻る。管681を通じてハウジング678から廃液をすべて吸引するために、弁V10が開状態となる。
【0149】テストプロトコールにより、試薬用プローブ装置R3によって試薬を導くことが必要とされる場合は、管925に対して弁V3がその通常の閉位置にある状態で、スポイト654を作動させることによって、プローブ653により試薬を吸引する。プローブ653によりキュベット内に試薬が排出されると、プローブは、洗浄サイクルのために洗浄部17のハウジング684内に配置される。弁V3に対して弁V2がその通常の開位置にある状態で、試薬用プローブ装置R1およびR2に関して説明したように、初期洗浄段階に向けて管925を通じて試薬用プローブ653へと水を切換えるために、弁V3が作動する。その後、弁V3はその標準状態に戻り、最終洗浄段階に向けて管689に対して開状態となる。弁V8を開くことにより、廃液はすべてハウジング684の底部から吸引される。
【0150】キュベットは、固定具695の穴696の下の位置にくるまで、主コンベヤに沿って前進を続ける。プローブ725が降ろされると、その後、プローブ725は、キュベットの底部壁までにわたって延在するように、穴696内に下降し、ここでキュベット内の液体をすべて吸引するために弁V12が開状態となる。常磁性粒子は、磁石740によってキュベットの後壁に向かって引き寄せられて、液体吸引時にはキュベット内に残る。キュベットの前壁に向けて、ノズル699を通じて主線986から脱イオン水を排出するために、ポンプ903が作動する。テストプロトコールにより、第2の洗浄サイクルが必要とされる場合は、第1の洗浄サイクルの脱イオン水は、再び弁V12を開くことによって、プローブ725を通じて吸引される。第2の洗浄サイクルのために、ノズル699を通じて主水線886から第2回目の脱イオン水を送り込むために、ポンプ903が作動する。第2の洗浄サイクルの液体、または、洗浄サイクルが1回だけ必要とされる場合には、第1の洗浄サイクルの液体は、キュベットが固定具700の接近口701の下に配置されるまでキュベット内に残留する。プローブ726が穴71を通ってキュベットの底部まで降ろされると、キュベットから洗浄液をすべて吸引するために、弁V13が開状態となる。この時点では、すべての常磁性粒子は、磁石741によってキュベットの後壁に接した状態に保持される。キュベットが酸排出固定具704の下の地点に達すると、管707およびノズル706を通じて、キュベットの後壁に向けて所定量の酸を排出して、これによって、後壁からすべての常磁性粒子を流し落として酸溶液中に再懸濁させるために、ポンプ920が作動する。
【0151】キュベット内に酸溶液が添加された後、キュベットは主コンベヤに沿って光度計搬送装置761まで前進し、ここで、キュベットは光度計760まで持ち上げられる。キュベットは円形コンベヤ800によって、図86に示すように、光電子増倍管808に至る穴807と整列する位置848まで前進する。キュベットがこの位置にある状態で、ポンプ922が、ノズル838を通して塩基貯蔵容器34から所定量の塩基溶液を排出するために作動する。これによって検知反応である「閃光」が生じ、前記閃光は、前記のように、光電子増倍管808によって読み取られる。キュベットが、穴841の下の光度計内の位置848に達すると、プローブ834が、キュベットの穴841内から底部まで降ろされる。プローブ834と管836を経てマニホルド901までキュベット内の液体を吸引するために、弁V14が開状態となる。その後、前記液体は、廃液貯蔵容器31内に導かれる。そして、穴841内に水を送り込むために、弁V17を開いたままで弁18が開状態となる。プローブ834を通じて継続的に水を吸引することによって、プローブの内側が洗浄され、管845を通じて水を吸引することによって、プローブの外側の洗浄が促進される。キュベットは、穴811まで前進すると、前記穴を通って廃物受け35内に落下する。
【0152】すべての弁およびポンプは、中央処理装置と、弁およびポンプに関連した機械のすべてのサブユニットの運転との整合により、制御される。機械の右側にあるすべての弁およびその他の電気部品は、リボンケーブル(図92)によってコネクタ928に接続される。コネクタ928は、CPU に操作可能に接続される。機械の左側にあるすべての弁およびその他の電気部品は、リボンケーブル(図90および91)によってコネクタ879に接続される。コネクタ879は、CPU に操作可能に接続される。
【0153】ソフトウェアの能力本分析機のソフトウェア・システムは、多重タスク操作の能力を持つ。いかなる時であっても、オペレータは、サンプル別またはテスト別の結果、サンプル別またはテスト別の保留テスト結果、結果の歴史、較正状態、QC統計、運転状態、メンテナンス・スケジュールあるいはサービスの歴史にアクセスすることができる。
【0154】報告装置の選択、結果報告における小数点以下の桁数、反復数、正常範囲、精度許容誤差、較正周期、およびサンプル希釈を伴うまたは伴わない自動反復を含めて、テスト規定はカスタム・プログラム可能となっている。
【0155】また、対照の見出し、対照別のテスト選択、および範囲外の結果のフラッグ表示にトリガをかけるテストごとの上下限度を含めて、対照規定もプログラム可能である。プロファイルをリクエストすると、そのプロファイルで選択されるすべての検定が自動的に実行される。
【0156】フローチャートの説明図94と109は、ひとつのフローチャートを構成し、共通の記号である「2ページ(PAGE 2)」で繋がる。図9494と109からなる線図は、テスト運転の開始時に、供給ホッパーから光度計内の検知地点までキュベットを前進させる構成部品の整合した動きを示す時間的な流れの図である。また、前記線図には、プローブの「ホーム」ポジションすなわち上位置への配置と、温度チェックが示されている。「経路(track )」は主コンベヤを表し、「キュベット・ローダー(cuvette loader)」は、事前加熱部に沿って主コンベヤまでキュベットを前進させるための機構を表す。
【0157】図95と110と111は、ひとつのフローチャートを構成する。図95と110は、その共通の記号である「ページ(PAGE)」で繋がる。図110と111は、その共通の記号である「3ページ(PAGE 3)」および「2Aページ(PAGE 2A)」で繋がる。図95と110と111からなる線図は、キュベットを前進させる機構の整合した動きと、主コンベヤすなわち「経路」に沿ったプローブの整合した動きおよび機能を示す時間的な流れの図である。
【0158】図96と112と113は、ひとつのフローチャートを構成する。図96と112は、その共通の記号である「2ページ(PAGE 2)」で繋がる。図112と113は、その共通の記号である「3ページ(PAGE 3)」で繋がる。図96と112と113からなる線図は、キュベットを前進させる構成部品の整合した動きと、キュベットの動きとキュベット内へのサンプルおよび試薬の排出との整合を示す時間的な流れの図である。
【0159】図97は、サンプル用プローブの動きと、サンプル用プローブの吸引、排出および洗浄との整合を示す時間的な流れの図である。
【0160】図98は、サンプル運搬装置の内側リングと、テスト運転中に内側リングにサンプル容器、すなわち「カップ(cup )」が追加される時のサンプル用プローブとの整合した動きを示す時間的な流れの図である。
【0161】図99は、プローブ運搬装置R1に対するプローブの機能に整合したプローブ運搬装置R1の動きを示す時間的な流れの図である。
【0162】図100は、プローブ運搬装置R2に対するプローブの機能に整合したプローブ運搬装置R2の動きを示す時間的な流れの図である。
【0163】図101は、プローブ運搬装置R3に対するプローブの機能に整合したプローブ運搬装置R3の動きを示す時間的な流れの図である。
【0164】図102は、光度計の機能に整合した光度計の円形コンベヤとエレベータの動きを示す時間的な流れの図である。
【0165】本分析機の各サブユニットは、ソフトウェアと、マイクロプロセッサのハードウェアによって決定されるそれ独自のルーチンを有する。各サブユニットのルーチンは、インターフェースさせてあるハードウェアおよびソフトウェアのプログラムを用いて、CPU により統合化される。本分析機のすべてのサブユニットの整合した動きと機能は、電子式のハードウェア、可逆ステップ・モーター、弁、ポンプおよびセンサを通じて機能するソフトウェアのプログラミングによって決定される。
【0166】発明の有用性異種免疫検定テストを自動化するために用いられる臨床医療実験装置。マイクロプロセッサーを基本とする本装置により、検定の各段階が完全に自動化される。
【0167】本発明の本質的な精神から逸脱することなく、本発明の形態および構造を若干変更できることは明らかである。しかし、ここに図および説明によって示す形態に本発明を限定することを希望するものではなく、適切に特許請求の範囲内にあるすべてのものを含めることを望むものである。
【0168】例本分析機の運転を示す以下の例により、本発明をさらに説明する。本例の意図するところは、検定を実行するための本分析機の実用性を示すことであって、本発明を限定することではない。これ以外にも、本発明の自動分析機を用いて、診断および分析を含めた種々の形式の検定を実施することができるということを理解されたい。
【0169】例1:自由チロキシン(FT4 )
前記の自動分析機のために、自由チロキシン(FT4 )検定が開発された。FT4検定は、電子対を共有することによって固相と結びついた限られた量のT4抗血清をめぐってテスト・サンプル中のFT4 が標識T4(トレイサー試薬)と競争する拮抗結合分析である。この検定の好適な形式では、アクリジニウムエステルが標識となり、常磁性粒子が固相として機能する。T4の標識を付けたテスト・サンプル(25uL. )のアクリジニウムエステルと抗T4常磁性粒子(450uL.)が分析機によってキュベット内に排出され、37℃で7.5 分間恒温放置される。恒温放置の後、ケミルミネッセント信号の検知に先立って、先に説明したように、磁気分離と洗浄が行なわれる。テスト・サンプル中に存在するFT4 の量は、検知された信号のレベルによって判断され、2点データ整理アルゴリズムによって線量に変換される。
【0170】本検定テストは、感度0.107ng/dL(最低検知線量を0ng/dL. で信頼限界95%と定義する)、範囲0 〜13ng/dL.を有する。表1に、3日間にわたる9回のテスト運転に基づく本検定の精度を示す。自動検定テストと手作業による検定テスト(マジックR ・ライト・フリー T4 、チバ・コーニング・ダイアノスティックス社(MagicR Lite Free T4 ,Chiba Corning Diagnostics, Corp.))との相関から、傾斜1.109 、切片0.308 および相関係数0.989 (N =131 )が得られた。
【0171】種々の化合物に関する本検定の特異性、すなわち交差反応率を表2に示す。
【0172】
【表1】


【表2】


例2:ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG )
前記自動分析機のためにヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG )検定が開発された。hCG 検定は、抗体をコーティングした捕捉固相と、トレイサー試薬として標識抗体を用いるサンドイッチ型検定である。この検定の好適な形式では、アクリジニウムエステルが単クーロン抗体上の標識となり、多クーロン抗体をコーティングした常磁性粒子が捕捉固相として機能する。テスト・サンプル(50uL. )とトレイサー試薬(100uL.)が分析機によってキュベット内に排出され、37℃で5.0分間恒温放置される。その後、キュベットに捕捉固相試薬(450uL.)が添加された後、さらに2.5 分間恒温放置される。第2回目の恒温放置の後、ケミルミネッセント信号の検知に先立って、先に説明したように磁気分離と洗浄が行なわれる。
【0173】提出してあるすべてのデータは、10基準からなる完全基準マスター曲線から2点較正に基づいて作成されたものである。0 〜1000mIU/mL. の範囲の基準が、WHO 第175/537参考資料に対して較正される。
【0174】本検定テストは、感度1mIU/mL.未満(最低検知線量を0mIU/mL.で信頼限度95%と定義する)、範囲0 〜1,000mIU/mL.を有する。400,000mIU/mL.では、フック効果は全く見られなかった。表3に、5週間にわたる5回のテスト運転に基づく本検定の精度を示す。表4に、交差反応物質の有無による本検定の特異性を示す。表5に、NCCLS プロトコールにしたがってテスト・サンプルに添加された妨害物質を検定した結果を示す。自動検定テストと手作業による検定テスト(マジック・ライト hCG、チバ・コーニング・ダイアグノスティックス社( MagicLitehCG,Chiba Corning Diagnostics, Corp.))との相関から、傾斜1.08、切片1.03および相関係数0.98(N =172 )が得られた。
【0175】
【表3】


【表4】


【表5】


例3:ジゴキシン前記自動分析機のために、ジゴキシン検定が開発された。ジゴキシン検定は、ハプテン固相と標識抗体(トレイサー試薬)により構成される。この検定の好適な形式において、トレイサー試薬は、アクリジニウムエステルで標識付けした単クーロン抗ジゴキシン抗体であり、固相は、ジゴキシン・アポフェリチンが固定された常磁性粒子である。テスト・サンプル(150uL.)とトレイサー試薬(50uL. )が、分析機によってキュベット内に排出され、37℃で2.5 分間恒温放置される。その後、固形試薬がキュベットに添加され、さらに5.0 分間恒温放置される。第2回目の恒温放置の後、ケミルミネッセント信号の検知に先立って、先に説明したように、磁気分離と洗浄が行なわれる。
【0176】提示してあるすべてのデータは、本来のマスター曲線からの2点再較正に基づいて作成されたものである。マスター曲線は、ジゴキシン0 〜6ng/mLの範囲の値による8基準を用いて作成されたものである。
【0177】本検定テストは、感度0.1ng/mL未満(最低検知線量を0ng/mL. で信頼限度95%と定義する)、範囲0 〜5ng/mL. を有する。表6に、患者サンプルおよび患者プールに関する検定の精度を示す。表7には、本検定の特異性を示す。NCCLS プロトコールにしたがってテスト・サンプルに添加した妨害物質を検定した結果を表8に示す。自動検定テストと手作業による検定テスト(マジック・ジゴキシン、チバ・コーニング・ダイアグノスティックス社( Magicigoxin,Chiba Corning Diagnostics, Corp.))との相関から、傾斜1.00、切片0.08および相関係数0.97(N =130 )が得られた。
【0178】
【表6】


【表7】


【表8】


例4:前立腺特異抗原(PSA )
前記の自動分析機のために、前立腺特異抗原(PSA )検定が開発された。PSA検定では、抗PSA 抗体の固相と、トレイサー試薬として標識抗PSA 抗体が用いられる。この検定の好適な形式では、アクリジニウムエステルが、親和精製した抗PSA 抗体上の標識となり、固相は、抗PSA 単クーロン抗体がコーティングされた常磁性粒子である。テスト・サンプル(100uL.)、トレイサー試薬(50uL. )および固相試薬(250uL.)が、分析機によってキュベット内に排出され、37℃で7.5 秒間恒温放置される。恒温放置後、ケミルミネッセント信号の検知前に、前記のように磁気分離および洗浄が行なわれる。
【0179】提示してあるすべてのデータは、8点からなる基準曲線からの2点再較正に基づいて作成されたものである。
【0180】検定テストは、0.2ng/mL未満(最低検知線量を0ng/mL. で信頼限度95%とする)の感度と、0 〜200ng/mL. のダイナミックレンジと、40,000ng/mL.を超える高線量フック容量を持つ。表9に、市販の対照と患者プールに関する、5日間にわたって装置3台を用いて行なった5回の個別運転に基づく検定の精度を示す。表10および11に、内因性化合物および化学療法剤を含めて、NCCLS プロトコールにしたがってテスト・サンプルに添加された妨害物質の検定結果を示す。自動検定テストと、手作業による検定テスト(タンデムR-R PSA 、ハイブリテック社(Tandem R-R PSA, Hybritech ))との相関から、傾斜1.01、切片3.65および相関係数0.97(N =73)が得られた。
【0181】
【表9】


【表10】


【表11】


【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分析機の正面斜視図
【図2】分析機のサブユニットの一般的な構成を示す平面線図
【図3】事前加熱部と主コンベヤ上に配置される一連のキュベットの平面線図
【図4】サンプルおよび試薬を入れるために本発明の自動分析機と共に用いられるキュベットの正面図
【図5】キュベットの平面図
【図6】キュベットの底面図
【図7】キュベットの側面図
【図8】キュベットの斜視図
【図9】試薬、特に標識試薬(トレイサー試薬)を入れるための容器の側面図
【図10】容器の平面図
【図11】容器の底面図
【図12】容器の斜視図
【図13】線13−13における容器の縦断面を矢印方向に見た図
【図14】図9に示す容器を含めた、容器の蓋の底面図
【図15】線15−15における蓋の縦断面を矢印方向に見た図
【図16】試薬容器、特に固相試薬用の容器の側面図
【図17】固相試薬容器の平面図
【図18】試薬容器の底面図
【図19】図17の線19−19における試薬容器の縦断面を矢印方向に見た図
【図20】一部を切除した試薬容器の斜視図
【図21】本発明の分析機の一部を示す正面図
【図22】一部を切除した分析機の平面図
【図23】分析機の端面図
【図24】保管ホッパーからキュベットを送り出すための装置を示す拡大斜視図
【図25】キュベット保管ホッパーの斜視図
【図26】キュベット送り装置とホッパーの拡大斜視図
【図27】キュベット送り装置の正面図
【図28】キュベット送り装置の背面図
【図29】一部を切除したキュベット送り装置の右側面図
【図30】ホッパーと送り装置の平面図
【図31】キュベット送り装置の一部分を構成する送りシュートの一部を切除した部分図
【図32】ホッパー送り装置から機械の通気部を通ってキュベットを送るための搬送装置を示す正面図
【図33】キュベット搬送装置を示す平面図
【図34】キュベット内のテスト・サンプルと試薬の混合物から常磁性粒子を引き寄せるための磁気手段を示す、図107の線34A−34Aにおける縦断面図であって、矢印方向に見た図
【図35】キュベット内のテスト・サンプルと試薬の混合物から常磁性粒子を引き寄せるための磁気手段の別の局面を示す、図107の線35A−35Aにおける縦断面図であって、矢印方向に見た図
【図36】サンプル運搬装置の正面図
【図37】サンプル運搬装置の平面図
【図38】図37の線38A−38Aにおけるサンプル運搬装置の縦断面図
【図39】サンプル運搬装置の一部の部品の拡大斜視図
【図40】サンプル運搬装置のための駆動機構のひとつを示す拡大斜視図
【図41】サンプル運搬装置の拡大正面線図
【図42】サンプル運搬装置の駆動部品のひとつを示す斜視図
【図43】試薬運搬装置の平面図
【図44】試薬運搬装置の正面図
【図45】試薬運搬装置の縦断面図
【図46】試薬運搬装置の一部の部品を示す拡大斜視図
【図47】試薬運搬装置の他の部品を示す拡大斜視図
【図48】試薬運搬装置の駆動部品のひとつを示す拡大斜視図
【図49】試薬運搬装置の正面線図
【図50】サンプル用プローブ運搬装置の正面図
【図51】サンプル用プローブ運搬装置の右側面線図
【図52】サンプル用プローブ運搬装置の右側面図
【図53】サンプル用プローブ運搬装置の平面図
【図54】サンプル用プローブ運搬装置の一部の部品を示す拡大斜視図
【図55】サンプル用プローブ運搬装置の水平駆動部構成部品を示す拡大斜視図
【図56】サンプル用プローブ運搬装置の一部分を構成するサンプル用プローブ支持キャリジを示す拡大斜視図
【図57】サンプル用プローブ運搬装置の駆動部構成部品のひとつを示す拡大正面図
【図58】サンプル用プローブ運搬装置のための水平駆動部構成部品のひとつを示す拡大斜視図
【図59】サンプル用プローブ運搬装置のための垂直駆動部構成部品のひとつを示す拡大斜視図
【図60】試薬用プローブ運搬装置の平面図
【図61】試薬用プローブ運搬装置の右側面図
【図62】試薬用プローブ運搬装置の正面図
【図63】試薬用プローブ運搬装置の一部の部品を示す拡大斜視図
【図64】左側試薬用プローブの構成部品を示す拡大斜視図
【図65】中央試薬用プローブの構成部品を示す拡大斜視図
【図66】右側試薬用プローブの構成部品を示す拡大斜視図
【図67】試薬用プローブ運搬装置の水平駆動部構成部品のひとつを示す拡大斜視図
【図68】左側プローブを垂直方向に移動させるための駆動装置のひとつを示す拡大斜視図
【図69】試薬用プローブ運搬装置の中央プローブのためのプローブ支持部品を示す拡大斜視図
【図70】左側プローブを垂直軸のまわりで回転させるための機構の一部分を構成する柱の正面図
【図71】試薬用プローブ運搬装置の右側プローブのためのプローブ支持部品を示す拡大斜視図
【図72】試薬用プローブ運搬装置の左側プローブのためのプローブ支持部品を示す拡大斜視図
【図73】サンプル用プローブと試薬用プローブのための、スポイト列を示す拡大斜視図
【図74】試薬用プローブのひとつからそれに対応するスポイトまで延在する管の加熱装置を示す断面図
【図75】主コンベヤ装置と、サンプル用プローブおよび試薬用プローブのための全ての洗浄部を示す拡大斜視図
【図76】分析機の右端部の斜視図であって、主経路の吸引再懸濁部と光度計を示す図
【図77】吸引再懸濁装置の拡大斜視図
【図78】吸引用プローブのひとつを示す断面図
【図79】図107の線79A−79Aにおける、主コンベヤの吸引再懸濁部の一部分を構成するキュベット洗浄器の縦断面図
【図80】図107の線80A−80Aにおける酸再懸濁機構の縦断面図
【図81】光度計と、主コンベヤの端部にある光度計までキュベットを搬送するエレベータ機構の右側面図
【図82】光度計の平面図
【図83】光度計とキュベット用エレベータの縦断面図
【図84】光度計の一部の部品の拡大斜視図
【図85】光度計の斜視図
【図86】光度計内部におけるキュベットの経路を示す正面線図
【図87】基準LED モジュールの好適な実施例を示す略図
【図88】モジュールのブロック図
【図89】基準LED モジュール内の電子的に調節可能なポテンショメーターの好適なタイミング図式を示す線図
【図90】分析機の左側に配置されるバルブ・モジュールの拡大斜視図
【図91】左側バルブ部品と蠕動ポンプの斜視図
【図92】分析機の右側にあるバルブ部品の拡大斜視図
【図93】分析機のための、全ての空気および配管の構成部品を示す略図
【図94】分析機の種々のサブユニットの調整運転を示す流れ図
【図95】分析機の種々のサブユニットの調整運転を示す流れ図
【図96】分析機の種々のサブユニットの調整運転を示す流れ図
【図97】分析機の種々のサブユニットの調整運転を示す流れ図
【図98】分析機の種々のサブユニットの調整運転を示す流れ図
【図99】分析機の種々のサブユニットの調整運転を示す流れ図
【図100】分析機の種々のサブユニットの調整運転を示す流れ図
【図101】分析機の種々のサブユニットの調整運転を示す流れ図
【図102】分析機の種々のサブユニットの調整運転を示す流れ図
【図103】本発明の分析機の一部を示す正面図
【図104】ホッパー送り装置から機械の通気部を通ってキュベットを送るための搬送装置を示す正面図
【図105】ホッパー送り装置から機械の通気部を通ってキュベットを送るための搬送装置を示す正面図
【図106】キュベット搬送装置を示す平面図
【図107】キュベット搬送装置を示す平面図
【図108】分析機のための、全ての空気および配管の構成部品を示す略図
【図109】分析機の種々のサブユニットの調整運転を示す流れ図
【図110】分析機の種々のサブユニットの調整運転を示す流れ図
【図111】分析機の種々のサブユニットの調整運転を示す流れ図
【図112】分析機の種々のサブユニットの調整運転を示す流れ図
【図113】分析機の種々のサブユニットの調整運転を示す流れ図
【符号の説明】
19 プランジャ
22 ホッパー
23 キュベット搬送装置
24 サンプル用プローブ運搬装置
26 サンプル運搬装置
27 試薬運搬装置
29 検知装置
30 貯蔵容器
40 キュベット
66 蓋
R1,R2,R3 試薬用プローブ運搬装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数のキュベットのそれぞれに含まれるテスト・サンプルを測定するための光度計を含む自動分析機であって、テスト反応による生成物が化学ルミネセンス標識試薬を含み、かつ該生成物が酸溶液中に懸濁されており、キュベットのそれぞれが底部壁と側壁と開口した頂部とを有し、前記光度計が:(A)入口地点から塩基溶液排出地点および出口地点まで、キュベットを水平面上で搬送するためのキュベット運搬手段であって:(a)円形チャンバと、頂部壁と、直立状態にある第1キュベットを受けるために前記入口地点に設けられた入口開口部および第2キュベットを排出するために前記出口地点に設けられた出口開口部を有する底部壁と、円形の内面および開口部を有する側壁とを有する固定状態のハウジング;
(b)垂直回転軸のまわりを回転するように前記ハウジングのチャンバ内に回転可能に取り付けられ、外側円形側壁と、ハブと、側壁とハブの間の複数の垂直スポークとを有し、さらに区画が前記入口開口部および前記出口開口部に位置する場合を除いてスポークとハウジングが光が漏れない複数の区画を形成する円形コンベヤ;
(c)各キュベットが前記入口開口部において区画内に受け入れられ、前記塩基溶液排出地点まで、さらに前記出口地点まで、一度に一区画分ずつ前進するように、前記円形コンベヤを周期的に一区画分ずつ垂直回転軸のまわりで回転させるための駆動手段;を有してなるキュベット運搬手段;
(B)化学ルミネセンスによる閃光を生じさせるために、キュベットが前記塩基溶液排出地点にある時に各キュベット内に塩基溶液を排出するための、塩基溶液排出地点に設けられた排出手段;
(C)閃光の強さを測定するために、前記ハウジングの側壁にある開口部に合せて、前記塩基溶液排出地点に設けられた装置;および(D)前記キュベット運搬手段と、前記排出手段と、前記装置とを整合させるための中央処理装置を含む制御手段;を有してなることを特徴とする自動分析機。
【請求項2】 前記装置(C)が光電子増倍管である請求項1記載の自動分析機。
【請求項3】 前記装置(C)が、閃光に曝された時にサンプル・テスト出力信号を生じ、前記光度計が、所定のテスト閃光周期で前記装置(C)に向かって光線を導くために前記塩基溶液排出地点に設けられた、基準テスト出力信号を生じる基準光源をさらに有してなり、前記制御手段が、前記装置(C)からの出力信号の一貫性を確保するため、前記基準テスト出力信号を比較することを特徴とする請求項1記載の自動分析機。
【請求項4】 前記光度計が、前記基準光源からの光線の強さを一定の値に維持するため前記基準光源に操作可能に接続された電子モジュールをさらに有してなる、請求項3記載の自動分析機。
【請求項5】 前記装置(C)が光電子増倍管であり、前記基準光源が発光ダイオードである請求項3記載の自動分析機。
【請求項6】 前記光度計が、前記ダイオードから前記光電子増倍管に達する光の量を変化させるために前記ダイオードと前記光電子増倍管との間に設けられた光濾過手段をさらに有してなる、請求項5記載の自動分析機。
【請求項7】 前記電子モジュールが:(a)基準抵抗を介して接地することにより基準定電流源を与える基準定電圧源;
(b)目標出力値を有する、電流によって駆動される光源;
(c)前記光源に連結されたフォトダイオード;および(d)前記基準定電流源と前記フォトダイオードに接続され、光源出力が目標値を上回った時には光源を通過する電流を減少させ、光源出力が目標値を下回った時には電流を増加させるように、光源に対してその出力を提供するよう構成された増幅手段;を有してなる、請求項4記載の自動分析機。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図10】
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【図15】
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【図2】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図25】
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【図31】
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【図34】
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【図35】
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【図21】
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【図22】
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【図32】
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【図40】
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【図48】
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【図23】
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【図24】
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【図33】
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【図37】
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【図57】
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【図58】
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【図74】
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【図78】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図30】
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【図29】
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【図36】
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【図39】
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【図53】
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【図59】
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【図67】
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【図38】
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【図41】
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【図42】
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【図44】
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【図68】
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【図43】
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【図45】
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【図49】
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【図51】
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【図46】
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【図47】
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【図50】
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【図52】
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【図71】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図70】
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【図60】
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【図61】
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【図64】
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【図69】
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【図72】
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【図62】
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【図63】
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【図65】
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【図86】
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【図66】
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【図73】
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【図75】
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【図79】
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【図76】
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【図77】
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【図80】
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【図108】
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【図81】
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【図82】
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【図83】
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【図84】
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【図85】
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【図88】
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【図87】
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【図89】
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【図90】
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【図91】
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【図92】
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【図93】
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【図94】
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【図95】
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【図106】
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【図96】
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【図104】
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【図97】
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【図98】
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【図105】
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【図99】
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【図100】
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【図101】
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【図102】
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【図103】
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【図107】
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【図109】
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【図110】
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【図111】
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【図112】
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【図113】
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【特許番号】特許第3393131号(P3393131)
【登録日】平成15年1月24日(2003.1.24)
【発行日】平成15年4月7日(2003.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−101578(P2002−101578)
【分割の表示】特願平4−47123の分割
【出願日】平成4年3月4日(1992.3.4)
【公開番号】特開2003−14769(P2003−14769A)
【公開日】平成15年1月15日(2003.1.15)
【審査請求日】平成14年4月30日(2002.4.30)
【出願人】(300058891)バイエル コーポレーション (5)
【参考文献】
【文献】特開 平1−91256(JP,A)
【文献】特開 昭59−147267(JP,A)
【文献】特開 平3−51762(JP,A)
【文献】特開 平2−269970(JP,A)
【文献】特開 昭62−209340(JP,A)
【文献】特開 平1−248041(JP,A)
【文献】特開 昭61−83945(JP,A)
【文献】特表 平1−502133(JP,A)
【文献】特表 昭55−500714(JP,A)
【文献】米国特許3791537(US,A)
【文献】国際公開90/5903(WO,A2)
【文献】西独国特許出願公告2532763(DE,B)