説明

自動分析装置および分析システム

【課題】煩雑な入力作業を行うことなく、各分析項目毎に設定される試薬を用いて分析可能な検体種別に対応する標準試料に関する分析情報を容易に特定することができる自動分析装置を提供すること。
【解決手段】検体の分析項目に応じて設定される試薬を用いて分析可能な検体種別を含む分析パラメータを記憶する分析パラメータ記憶部34aと、既知濃度を有する標準試料を収容した試料容器13aに貼付され、標準試料に関する標準試料情報と標準試料を識別する識別情報とを記憶する記憶媒体13bと、記憶媒体13bから標準試料情報と識別情報とを読み取る読取部13cと、読取部13cが読み取った標準試料情報を格納する分析パラメータ記憶部34a内部の記憶領域を、分析パラメータと識別情報とに基づいて特定する記憶領域特定部35と、記憶領域特定部35が特定した記憶領域に標準試料情報を格納する制御部31と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体と試薬とを反応容器に分注し、この反応容器内で反応した反応液の吸光度を測定することによって検体を分析する自動分析装置および分析システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、検体と試薬とを反応容器に分注し、この反応容器内で反応した反応液の吸光度を測定することによって検体を分析する自動分析装置が知られている。この自動分析装置は、既知結果を示す標準試料に対して分析項目に応じて設定される試薬を用いて実際に分析処理を行い、この標準試料の分析結果をもとに分析項目毎の分析精度をそれぞれ保証している。
【0003】
この分析処理を行って分析精度を保証するためには、標準試料の濃度、種別、ロット番号および有効期限等の標準試料に関する標準試料情報が、分析項目に応じて設定された試薬毎にそれぞれ必要になる。このため、標準試料を収容した容器に、分析項目に応じて設定された試薬に対応する標準試料情報をそれぞれ記憶させた1次元バーコードを貼付し、この1次元バーコードから標準試料情報を読み取ることによって、分析項目に応じて設定された試薬に対応する標準試料情報をそれぞれ設定する自動分析装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平08−94626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、自動分析装置に用いる試薬は、分析項目が同一であっても、測定対象の物質の濃度が大きく異なる種別の検体、たとえば、血清や尿等を分析する場合にも用いられる。このため、自動分析装置は、分析項目に応じて設定される試薬と併せて、検体種別に対応する標準試料を用いて分析精度を保証する分析処理をそれぞれ行う必要がある。
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の自動分析装置は、1次元バーコードに検体種別を特定する情報がないため、その都度、操作者が検体種別の確認を行うとともに、この検体種別に対応する標準試料情報の入力作業を行っていた。この場合、自動分析装置が行う検体種別の増加にともなって操作者の入力作業も増加し、操作者による入力ミスが生じるという問題点があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、煩雑な入力作業を行うことなく、分析項目に応じて設定される試薬を用いて分析可能な検体種別に対応する標準試料情報を容易に格納することができる自動分析装置および分析システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の自動分析装置は、試薬と検体とを反応容器に分注し、該反応容器内で反応した反応液の吸光度を測定することによって前記検体を分析する自動分析装置において、前記検体の分析項目に応じて設定される試薬を用いて分析可能な検体種別を含む分析パラメータを記憶する分析パラメータ記憶手段と、既知濃度を有する標準試料を収容した容器に貼付され、該標準試料に関する標準試料情報と該標準試料を識別する識別情報とを記憶する記憶媒体と、前記記憶媒体から前記標準試料情報と前記識別情報とを読み取る読取手段と、前記読取手段が読み取った前記標準試料情報を格納する前記分析パラメータ記憶手段内部の記憶領域を、前記分析パラメータと前記識別情報とに基づいて特定する記憶領域特定手段と、前記記憶領域特定手段が特定した前記記憶領域に前記標準試料情報を格納する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる自動分析装置は、上記の発明において、前記分析パラメータ記憶手段が記憶する前記標準試料情報を、当該自動分析装置に予め設定された検体種別に対応させて表示出力する出力手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる自動分析装置は、上記の発明において、前記標準試料は、検量線を作成する標準検体および/または分析結果の精度を保証する精度管理検体であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる自動分析装置は、上記の発明において、前記分析パラメータは、前記検体種別にかかる属性を含むことを特徴とする。
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の分析システムは、試薬と検体とを反応容器に分注し、該反応容器内で反応した反応液の吸光度を測定することによって前記検体を分析する自動分析装置と、前記自動分析装置と通信可能な管理装置とを有する分析システムにおいて、前記管理装置は、既知濃度を有する標準試料に関する標準試料情報と該標準試料を識別する識別情報とを保持する保持手段を備え、前記自動分析装置は、前記検体の分析項目に応じて設定される試薬を用いて分析可能な検体種別を含む分析パラメータを記憶する分析パラメータ記憶手段と、前記標準試料を収容する容器に貼付され、前記識別情報を記憶した記憶媒体と、前記記憶媒体から前記識別情報を読み取る読取手段と、前記読取手段が読み取った前記識別情報に基づいて、前記保持手段から前記標準試料情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記標準試料情報を格納する前記分析パラメータ記憶手段内部の記憶領域を、前記分析パラメータと前記識別情報とに基づいて特定する記憶領域特定手段と、前記記憶領域特定手段が特定した前記記憶領域に前記標準試料情報を格納する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかる分析システムは、上記の発明において、前記分析パラメータ記憶手段が記憶する前記標準試料情報を、当該自動分析装置に予め設定された検体種別に対応させて表示出力する出力手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかる分析システムは、上記の発明において、前記標準試料は、検量線を作成する標準検体および/または分析結果の精度を保証する精度管理検体であることを特徴とする。
【0015】
また、本発明にかかる分析システムは、上記の発明において、前記分析パラメータは、前記検体種別にかかる属性を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、既知濃度を有する標準試料を収容した容器に貼付した記憶媒体に、この標準試料に関する標準試料情報と標準試料を識別する識別情報とを記憶させ、この記憶媒体から読み取った標準試料情報を格納する記憶手段内部の記憶領域を、予め設定された分析パラメータと識別情報とに基づいて特定するため、同一の試薬であっても、煩雑な入力作業を行うことなく、分析項目に応じて設定される試薬を用いて分析可能な検体種別に対応する標準試料情報を容易に格納することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置の概略構成を示す模式図である。
【図2】図2は、分析パラメータテーブルの一例を示す図である。
【図3】図3は、標準試料に関する標準試料情報テーブルの一例を示す図である。
【図4】図4は、標準試料に関する標準試料情報テーブルの一例を示す図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態1にかかる記憶領域特定処理の概要を示すフローチャートである。
【図6】図6は、キャリブレータパラメータ情報有無一覧表の出力画面を示す図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態2にかかる分析システムの概略構成を示す模式図である。
【図8】図8は、標準試料に関する標準試料情報テーブルの一例を示す図である。
【図9】図9は、標準試料を識別する識別情報テーブルの一例を示す図である。
【図10】図10は、本発明の実施の形態2にかかる記憶領域特定処理の概要を示すフローチャートである。
【図11】図11は、本発明の実施の形態2の変形例にかかる標準試料を識別する識別情報テーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の自動分析装置にかかる実施の形態について説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付している。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置の概略構成を示す模式図である。図1に示すように、本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置1は、試薬と検体とを反応させ、この反応液の吸光度を測定する測定機構2と、測定機構2を含む自動分析装置1全体の制御を行うとともに測定機構2における測定結果を分析する制御機構3と、を備える。自動分析装置1は、これらの2つの機構が連携することによって複数の検体の分析を自動的に行う。
【0020】
まず、測定機構2について説明する。図1に示すように、測定機構2は、血液や尿等の液体である検体を収容した複数の検体容器11aを保持する検体ラック11bを図中の矢印方向に順次移送する検体移送部11と、検体移送部11上の検体吸引位置A1で停止した検体容器11aから反応容器20に検体を分注する検体分注機構12と、検量線を作成する標準検体および/または分析結果の精度を保証する精度管理検体を含む標準試料が収容された試料容器13aを複数収容する試料保持庫13と、反応容器20内に分注される試薬が収容された試薬容器14aを複数収容する試薬庫14と、試薬庫14の試薬吸引位置A2で停止した分注対象の試薬容器14aから反応容器20に分注する試薬分注機構15と、反応容器20内に分注された試薬と検体とを攪拌する攪拌部16と、反応容器20内に分注された液体の吸光度を測定する測光部17と、測光部17による測定が終了した反応容器20を洗浄する洗浄部18と、反応容器20への検体や試薬の分注、攪拌、測光および洗浄を行うために反応容器20を所定の位置まで搬送する反応槽19と、を備える。
【0021】
また、試料容器13aの側面には、試料容器13aに収容された標準試料に関する標準試料情報と標準試料を識別する識別情報とが記憶された記憶媒体13bが貼付されている。記憶媒体13bは、バーコードまたは2次元コード等によって実現され、標準試料に関する標準試料情報と標準試料を識別する識別情報とを記憶する。試料保持庫13の外周部には、記憶媒体13bを光学的に読み取る読取部13cが設けられている。読取部13cは、バーコードーリーダー等によって実現され、記憶媒体13bに対して赤外光または可視光を発し、記憶媒体13bからの反射光を処理することによって、記憶媒体13bに記憶された標準試料に関する標準試料情報と標準試料情報を識別する識別情報とを読み取る。また、読取部13cは、記憶媒体13bを撮像処理し、この撮像処理によって得られた画像情報を解読して、記憶媒体13bの情報を取得してもよい。読取部13cは、読み取った記憶媒体13bの情報を制御機構3に出力する。なお、記憶媒体13bは、所定周波数の電波を介して、記憶する情報の送信および記憶する情報の書換えを行うRFIDであってもよい。この場合、読取部13cは、所定周波数の電波を介して、記憶媒体13bの情報の読み取り、および記憶媒体13bの情報の書換えを行ってもよい。
【0022】
つぎに、制御機構3について説明する。制御機構3は、CPU等によって実現され、自動分析装置1の各部の処理および動作を制御する制御部31と、キーボード、マウス、入出力機能を備えたタッチパネル等によって実現され、検体の分析に必要な情報や自動分析装置1の操作情報が入力される入力部32と、測光部17によって測定された吸光度の測定結果に基づいて検体の成分分析を行う分析部33と、ハードディスクやメモリ等によって実現され、自動分析装置1の各部の処理および動作にかかる各種プログラムや検体の分析に関する情報を含む各種情報を記憶する記憶部34と、読取部13cによって試料容器13aに貼付された記憶媒体13bから読み取った標準試料に関する標準試料情報を格納する記憶部34内部の記憶領域を特定する記憶領域特定部35と、ディスプレイやプリンタ等によって実現され、検体の分析に関する情報等を出力する出力部36と、図示しない通信ネットワークを介して所定の形式にしたがって情報の送受信を行うインターフェースとしての機能を有する送受信部37と、を備える。
【0023】
また、記憶部34は、分析パラメータ記憶部34aを有する。分析パラメータ記憶部34aは、測光部17によって測定された反応液の吸光度から分析値を算出する場合に用いられる分析パラメータを記憶する。なお、記憶部34は、CD−ROM、DVD−ROM、PCカード等の記憶媒体に記憶された情報を読み取ることができる補助記憶装置を備えてもよい。この場合には、分析パラメータを、CD−ROM等の記憶媒体に記憶するようにしてもよい。
【0024】
以上のように構成された自動分析装置1では、反応槽19上で順次移送される複数の反応容器20に対して、試薬分注機構15が試薬庫14の試薬吸引位置A2で停止した分注対象の試薬容器14aから試薬を分注後、検体分注機構12が検体吸引位置A1で停止した検体容器11aから検体を分注する。その後、測光部17が試薬および検体を反応させた状態の反応液の吸光度を測定し、この測定結果と分析パラメータ記憶部34aが記憶する分析パラメータとをもとに分析部33が分析することによって、検体の成分分析等が自動的に行われる。その後、洗浄部18が測光部17による測定が終了した後に搬送される反応容器20を搬送させながら洗浄する。その後、洗浄された反応容器20を再利用する。
【0025】
つぎに、図1に示した分析パラメータ記憶部34aが記憶する分析パラメータについて説明する。図2は、分析パラメータテーブルの一例を示す図である。図2に示すように、分析パラメータテーブルR1は、少なくとも項目No、分析項目、試薬ID、検体種別、装置内検体種別およびバージョンの項目毎にそれぞれ情報が記載されている。
【0026】
項目Noは、分析項目を分析パラメータ記憶部34aに取り込まれた取込位置(記憶領域)である。たとえば、分析項目「グルコース」は、項目Noが「1」〜「6」に取り込まれ、分析項目「尿酸」は、項目Noが「7」および「8」に取り込まれる。また、項目Noには、操作者が入力部32に入力した情報をもとに分析パラメータ記憶部34aに取り込まれた分析項目の取込位置が記載されていてもよい。
【0027】
試薬IDは、検体の分析項目に応じて設定される試薬のIDである。たとえば、分析項目「グルコース」については、分析に必要な試薬IDが「100」であるという情報が記載されている。また、分析項目「尿酸」については、分析に必要な試薬IDが「101」または「102」であるという情報が記載されている。
【0028】
検体種別は、分析項目に応じて設定される試薬を用いて分析可能な検体種別である。たとえば、分析項目「グルコース」については、分析に必要な試薬IDが「100」であるという情報と、検体種別が「血清」であるという情報とが記載されている。また、検体種別は、同一の試薬の場合において、異なる種別の検体が分析可能であるとき、項目Noが分けて記載されている。たとえば、分析項目「グルコース」については、分析に必要な試薬IDが「100」の場合において、異なる種別の検体が「血清」、「血漿」および「尿」が分析可能であるとき、項目Noが「1」,「3」,「5」としてそれぞれ記載されている。さらに、検体種別は、同一の試薬において、成人用または小児用のように検体にかかる属性によって異なる場合にも、項目Noを分けて記載されている。たとえば、分析項目「グルコース」については、分析に必要な試薬IDが「100」であり、検体種別が「血清」である場合において、検体属性が「成人」であるときは、項目Noが「1」として記載されている。一方、検体属性が「小児」であるときは、項目Noが「2」として記載されている。
【0029】
装置内検体種別は、自動分析装置1が設置される施設毎に設定される情報または操作者が入力部32に入力した情報に基づいて、自動分析装置1内で設定される検体種別の情報である。たとえば、検体種別が「血清」であり、検体属性が「成人」である場合においては、装置内検体種別が「血清」という情報が記載されている。一方、検体種別が「血漿」であり、検体属性が「成人」である場合においては、装置内検体種別が「その他1」という情報が記載されている。
【0030】
バージョンは、分析項目に応じて設定される試薬を用いて検体を分析する場合に必要な測定用パラメータである。バージョンは、試薬のロット番号が新たに切り替わるときに、試薬の改良結果に対応した測定用パラメータである。たとえば、試薬ID「100」については、検体を分析する場合に必要な測定パラメータのバーションが「V1」という情報が記載されている。また、試薬ID「101」については、検体を分析する場合に必要な測定パラメータのバーションが「V2」という情報が記載されている。ここで、測定用パラメータとは、少なくとも検体の分注量、試薬の分注量、測定する吸光度の波長、反応過程の種別、基本検量線を示す演算式、測定ポイント、標準試料のばらつきを求めるための標準試料の多重測定回数、検体における濃度値ダイナミックレンジ、濃度値単位などを含む情報である。
【0031】
つぎに、図1に示した読取部13cが試料容器13aに貼付された記憶媒体13bから読み取る標準試料に関する標準試料情報と標準試料を識別する識別情報とについて説明する。図3および図4は、標準試料に関する標準試料情報テーブルの一例を示す図である。自動分析装置1は、分析項目に応じて設定される同一試薬を用いて測定対象の物質の濃度が大きく異なる種別の検体を分析する。すなわち、自動分析装置1は、分析精度を保証するため、検体の分析項目に応じて設定される試薬と併せて、この試薬を用いて分析可能な検体種別に対応する標準試料の標準試料情報を用いて実際に分析する必要がある。
【0032】
そこで、図3に示すように、標準試料情報テーブルR2は、検量線を作成する標準検体(キャリブレータ)のキャリブレータIDと製造ロットNoとに加えて、分析項目に応じて設定される試薬に対して分析可能な検体種別を分析する際に必要な標準試料情報であるキャリブレータパラメータと、標準試料を識別する識別情報として分析項目に応じて設定される試薬IDと検体種別と検体属性との情報がそれぞれ記載されている。たとえば、図3において、標準試料情報を識別する識別情報として分析項目が「グルコース」、試薬IDが「100」、検体種別が「血清」および検体属性が「成人」という情報が記載されている。さらに、この識別情報の場合には、キャリブレータパラメータが「P1」という情報が記載されている。また、標準試料情報テーブルR2は、同一の分析項目であっても、各検体種別毎に用いるキャリブレータパラメータがそれぞれ記載されている。具体的には、分析項目が「グルコース」および試薬IDが「100」の場合において、検体種別が「血清/血漿」および検体属性が「成人/小児」のとき、キャリブレータパラメータが「P1」という情報が記載されている。一方、分析項目が「グルコース」および試薬IDが「100」の場合において、検体種別が「尿」および検体属性が「成人/小児」のとき、キャリブレータパラメータが「P2」という情報が記載されている。ここで、キャリブレータパラメータとは、少なくとも標準検体の濃度、検量線を作成する際に用いる各測光ポイントにおける濃度および有効期限などを含む情報である。また、識別情報とは、少なくとも分析項目、試薬ID、検体種別および検体属性のいずれか一つを含む情報である。具体的には、識別情報は、分析項目、試薬ID、検体種別および検体属性を含む情報、分析項目、試薬IDおよび検体種別を含む情報あるいは分析項目、試薬IDおよび検体属性を含む情報で構成されてもよい。
【0033】
また、図4に示すように、標準試料情報テーブルR3は、標準試料情報テーブルR2と同様に、少なくとも分析結果の精度を保証する精度管理検体(コントロール検体)のコントロールIDと製造ロットNoとに加えて、分析項目に応じて設定される試薬に対して分析可能な検体種別を分析する場合に必要な標準試料情報であるコントロールパラメータと標準試料情報を識別する識別情報とが対応付けて記載されている。標準試料情報テーブルR3は、標準試料情報テーブルR2と同様に、同一の分析項目であっても、各検体種別毎に用いられるコントロールパラメータがそれぞれ記載されている。ここで、コントロールパラメータとは、少なくとも精度管理検体の濃度、分析精度を保証する際に用いる各測光ポイントにおける濃度および有効期限などを含む情報である。
【0034】
ここで、図5に示すフローチャートを参照して、自動分析装置1が行う記憶領域特定処理について説明する。なお、以下では、一つの標準検体の記憶領域特定処理を行う場合の一連の処理を説明する。
【0035】
まず、制御部31は、新たに受付した標準試料があるか否かを判定する(ステップS101)。具体的には、試料保持庫13に新たに試料容器13aが設置されたか、または操作者によって入力部32に入力された情報に基づいて新たに標準試料を受け付けたか否かを判定する。制御部31は、新たに受付した標準試料がないと判定した場合(ステップS101:No)、このステップS101の判定処理を繰り返す。一方、制御部31は、新たに受付した標準試料があると判定した場合(ステップS101:Yes)、制御部31は、読取部13cに記憶媒体13bから標準試料情報と識別情報とを読み取らせる(ステップS102)。
【0036】
その後、制御部31は、記憶領域特定部35に読取部13cが読み取った標準試料情報を格納する分析パラメータ記憶部34a内部の記憶領域を、分析パラメータと識別情報とに基づいて特定させる(ステップS103)。具体的には、記憶領域特定部35は、図3に示した標準試料情報テーブルR2において、識別情報である試薬ID「100」と検体種別「血清」と検体属性「成人」と、図2に示した分析パラメータテーブルR1とに基づいて、キャリブレータパラメータ「P1」を格納する分析パラメータ記憶部34a内部の記憶領域を特定する。この場合、記憶領域特定部35は、識別情報である試薬ID「100」と検体種別「血清」と検体属性「成人」とに一致する図2に示した分析パラメータテーブルR1の項目No「1」に、キャリブレータパラメータ「P1」を格納させる記憶領域として特定する。
【0037】
その後、制御部31は、記憶領域特定部35が特定した分析パラメータ記憶部34aの記憶領域にキャリブレータパラメータを格納させる(ステップS104)。その後、制御部31は、出力部36に装置内検体種別に対応させた検体種別でキャリブレータパラメータを格納した分析パラメータ記憶部34aにおける記憶領域を出力させ(ステップS105)、一連の処理を終了する。
【0038】
ここで、出力部36が表示出力するキャリブレータパラメータの有無情報について説明する。図6は、キャリブレータパラメータ情報有無一覧表の出力画面を示す図である。図6に示す出力画面W1は、分析項目に応じて設定される試薬を用いて分析可能な装置内検体種別に対してキャリブレータパラメータが格納された状態が記載されている。たとえば、図6に示すように、項目No「1」、分析項目「グルコース」、試薬ID「100」および装置内検体種別「血清」ついては、キャリブレータパラメータが格納されている「○」という情報が記載されている。一方、項目No「1」、分析項目「グルコース」、試薬ID「100」および装置内検体種別「その他2」については、キャリブレータパラメータが格納されてない「×」という情報が記載されている。また、出力部36は、コントロールパラメータの有無情報についても、キャリブレータパラメータの有無情報と同様に、表示出力する。なお、出力部36は、キャリブレータパラメータおよびコントロールパラメータの有無情報を同じ出力画面で表示してもよい。
【0039】
本発明の実施の形態1では、記憶領域特定部35が、読取部13cによって読み取られた標準試料情報を格納する分析パラメータ記憶部34a内部の記憶領域を、識別情報と分析パラメータとに基づいて特定する。したがって、同一の試薬であっても、検体種別に対応した標準試料情報を設定することができる。この結果、操作者による煩雑な入力作業を行うことなく、分析項目に応じて設定される試薬を用いて分析可能な検体種別に対応する標準試料に関する標準試料情報を容易に格納することができる。さらに、出力部36が表示出力する画面により、操作者が標準試料情報の状態を視認することが容易になる。
【0040】
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2について説明する。図7は、本発明の実施の形態2にかかる自動分析装置を含む分析システム100の概要を示す模式図である。分析システム100は、図7に示すように、自動分析装置1が通信ネットワークNを介して管理サーバ40に接続されている。なお、図7において、上記実施の形態1で説明した自動分析装置1と同じ構成を有する部位については、同一の符号を付している。
【0041】
管理サーバ40は、通信ネットワークNを介して自動分析装置1との間で送受信を行うことによって、自動分析装置1を管理する。管理サーバ40は、管理サーバ40の各部の処理および動作を制御する制御部41と、各指示情報などを入力する入力部42と、管理サーバ40が処理した情報などを出力する出力部43と、通信ネットワークを介して所定の形式にしたがって情報の送受信を行う送受信部44と、標準試料に関する標準試料情報を保持する保持手段であるデータベース45と、を備える。
【0042】
制御部41は、自動分析装置1から標準試料情報の取得要求があった場合、データベース45に保持されている標準試料情報保持部45aの情報を送信する。図8は、標準試料保持部が保持する標準試料情報テーブルの一例を示す図である。図8に示す標準試料情報テーブルR4には、標準検体に対応して、キャリブレータID、製造ロット、試薬ID、検体種別、検体属性、キャリブレータパラメータの情報がそれぞれ記載されている。たとえば、標準検体については、キャリブレータIDが「1000」、製造ロットNoが「200」、試薬IDが「100」、検体種別が「血清」、検体属性が「成人」およびキャリブレータパラメータが「P1」という情報がそれぞれ記載されている。また、精度管理検体については、標準検体と同様に、コントロールID、製造ロット、試薬ID、検体種別、検体属性、コントロールパラメータの情報がそれぞれ記載されている。
【0043】
つぎに、図7に示した試料容器13aに貼付された記憶媒体13dが記憶する標準試料を識別する識別情報について説明する。図9は、標準試料を識別する識別情報テーブルの一例を示す図である。図9に示すように、識別情報テーブルR5は、検量線を作成する標準検体のキャリブレータIDと製造ロットNoとに加えて、標準試料を識別する識別情報として分析項目に応じて設定される試薬IDと検体種別と検体属性との情報がそれぞれ記載されている。たとえば、分析項目「グルコース」については、試薬IDが「100」、検体種別が「血清」および検体属性が「成人」という情報が記載されている。なお、標準検体に代えて、分析結果の精度を保証する精度管理検体の情報であってもよい。
【0044】
ここで、図10に示すフローチャートを参照して、分析システム100による記憶領域特定処理について説明する。なお、以下では、一つの標準検体の記憶領域特定処理を行う場合の一連の処理を説明する。
【0045】
まず、制御部31は、新たに受付した標準試料があるか否かを判定する(ステップS201)。新たに受付した標準試料がない場合(ステップS201:No)、このステップS201の判定処理を繰り返す。一方、制御部31は、新たに受付した標準試料があると判定した場合(ステップS201:Yes)、制御部31は、読取部13cに記憶媒体13dから識別情報を読み取らせる(ステップS202)。具体的には、読取部13cは、図9に示す識別情報テーブルR5からキャリブレータID「1000」、製造ロットNo「200」、分析項目「グルコース」に設定された試薬ID「100」、検体種別「血清」および検体属性「成人」という情報を読み取る。
【0046】
その後、制御部31は、通信ネットワークNを介して、データベース45の標準試料情報保持部45aから読取部13cが読み取った識別情報と一致する標準試料情報を取得する(ステップS203)。具体的には、図9に示す識別情報テーブルR6のキャリブレータID「1000」、試薬ID「100」、検体種別「血清」および検体属性「成人」という情報に基づいて、図8に示す標準試料情報保持部45aが保持する標準試料情報のキャリブレータパラメータを取得する。この場合、制御部31は、キャリブレータID「1000」、試薬ID「100」、検体種別「血清」および検体属性「成人」に一致する標準試料情報としてキャリブレータパラメータが「P1」という情報を取得する。
【0047】
その後、制御部31は、記憶領域特定部35に取得した標準試料情報を格納する分析パラメータ記憶部34a内部の記憶領域を、分析パラメータと識別情報とに基づいて特定させる(ステップS204)。具体的には、記憶領域特定部35は、読取部13cが取得した識別情報である試薬ID「100」、検体種別「血清」、検体属性「成人」および図2に示した分析パラメータに基づいて、キャリブレータパラメータ「P1」を格納する分析パラメータ記憶部34a内部の記憶領域を特定する。この場合、記憶領域特定部35は、識別情報である試薬ID「100」、検体種別「血清」および検体属性「成人」という情報に一致する図2に示した分析パラメータテーブルR1の項目No「1」に、キャリブレータパラメータ「P1」を格納させる記憶領域として特定する。
【0048】
その後、制御部31は、記憶領域特定部35が特定した分析パラメータ記憶部34aの記憶領域に標準試料情報を格納させる(ステップS205)。その後、制御部31は、出力部36に装置内検体種別に対応させた検体種別で標準試料情報を格納した分析パラメータ記憶部34aにおける記憶領域を出力させ(ステップS206)、一連の処理を終了する。
【0049】
本発明の実施の形態2によれば、管理サーバ40が標準試料情報をデータベース45で一元管理し、制御部31が読取部13cによって読み取られた識別情報に基づいて管理サーバ40から標準試料情報を取得し、記憶領域特定部35が制御部31によって取得された標準試料情報を格納する分析パラメータ記憶部34a内部の記憶領域を特定する。したがって、同一の試薬であっても、検体種別に対応した標準試料情報を設定することができる。この結果、操作者による煩雑な入力作業を行うことなく、分析項目に応じて設定される試薬と検体種別とに対応する標準試料情報を容易に格納することができる。さらに、標準試料情報が更新された場合においても、最新の標準試料情報を取得するとともに、この最新の標準試料情報を格納する記憶領域を特定し、容易に格納することができる。
【0050】
本発明の実施の形態2においては、記憶媒体13dに記憶される識別情報テーブルの内容を変更することも可能である。図11は、本発明の実施の形態2の変形例にかかる標準試料を識別する識別情報テーブルの一例を示す図である。図11に示すように、識別情報テーブルR6は、検量線を作成する標準検体を識別する情報であるキャリブレーションIDおよび製造ロットNoのみ記憶されている。なお、標準検体のキャリブレータIDおよび製造ロットNoに代えて、分析結果の精度を保証する精度管理検体を識別するコントロールIDおよび製造ロットNoであってもよい。
【0051】
以上のように構成された記憶媒体13dを備える自動分析装置が行う記憶領域特定処理は、上述した実施の形態2で説明した記憶領域特定処理と同様の処理の流れを有する(図10を参照)。このため、異なる処理の部分のみ説明する。
【0052】
ステップS203において、制御部31は、通信ネットワークNを介して、データベース45の標準試料情報保持部45aから読取部13cが読み取ったキャリブレータIDと製造ロットNoとに一致する標準試料情報と、検体種別と検体属性と試薬IDとを含む標準試料を識別する識別情報とを取得する。具体的には、図11に示す識別情報テーブルR6のキャリブレータID「1000」および製造ロットNo「200」に基づいて、図8に示した標準試料情報テーブルR4が保持するキャリブレータ情報、検体種別、検体属性および試薬IDを取得する。この場合、制御部31は、キャリブレータIDが「1000」および製造ロットNoが「200」に一致するキャリブレータパラメータが「P1」、検体種別が「血清」、検体属性が「成人」および試薬IDが「100」という情報を取得する。
【0053】
以上説明した本発明の実施の形態2の変形例にかかる分析システムも同様に、管理サーバ40が標準試料情報をデータベース45で一元管理し、制御部31が読取部13cによって読み取られた識別情報に基づいて管理サーバ40から標準試料情報と識別情報を取得し、記憶領域特定部35が制御部31によって取得された標準試料情報を格納する分析パラメータ記憶部34a内部の記憶領域を特定する。したがって、同一の試薬であっても、検体種別に対応した標準試料情報を格納することができる。この結果、操作者による煩雑な入力作業を行うことなく、分析項目毎に設定される試薬と検体種別とに対応する標準試料情報を容易に格納することができる。さらに、標準試料情報が更新された場合においても、最新の標準試料情報を取得するとともに、この最新の標準試料情報を格納する記憶領域を特定し、容易に格納することができる。また、試料容器13aに貼付する記憶媒体13dに格納する記憶容量を圧縮することができる。
【0054】
なお、上述した実施の形態1,2では、試料容器13aに記憶媒体13b,13dを貼付していたが、分析項目に応じて設定される試薬を用いて分析可能な検体種別を分析する際に必要な標準試料情報と標準試料を識別する識別情報とを記憶させればよく、たとえば、着脱自在な記憶媒体またはCD−ROM等の記憶媒体を設けて、この記憶媒体に標準試料に関する標準試料情報と標準試料を識別する識別情報とを記憶させてもよい。
【0055】
また、上述した実施の形態1,2では、読取部13cを設けていたが、記憶媒体13b,13dに記憶された情報が読み取れればよく、たとえば、ハンディスキャナー等を設けて、試料容器13aを試料保持庫13に収容する際に読み取るようにしてもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 自動分析装置
2 測定機構
3 制御機構
11 検体移送部
11a 検体容器
11b 検体ラック
12 検体分注機構
13 試料保持庫
13a 試料容器
13b,13d 記憶媒体
13c 読取部
14 試薬庫
14a 試薬容器
15 試薬分注機構
16 攪拌部
17 測光部
18 洗浄部
19 反応槽
20 反応容器
31,41 制御部
32,42 入力部
33 分析部
34 記憶部
34a 分析パラメータ記憶部
35 記憶領域特定部
36,43 出力部
37,44 送受信部
40 管理サーバ
45 データベース
45a 標準試料情報保持部
100 分析システム
N 通信ネットワーク
R1 分析パラメータ
R2,R3,R4, 標準試料情報テーブル
R5,R6 識別情報テーブル
W1 出力画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試薬と検体とを反応容器に分注し、該反応容器内で反応した反応液の吸光度を測定することによって前記検体を分析する自動分析装置において、
前記検体の分析項目に応じて設定される試薬を用いて分析可能な検体種別を含む分析パラメータを記憶する分析パラメータ記憶手段と、
既知濃度を有する標準試料を収容した容器に貼付され、該標準試料に関する標準試料情報と該標準試料を識別する識別情報とを記憶する記憶媒体と、
前記記憶媒体から前記標準試料情報と前記識別情報とを読み取る読取手段と、
前記読取手段が読み取った前記標準試料情報を格納する前記分析パラメータ記憶手段内部の記憶領域を、前記分析パラメータと前記識別情報とに基づいて特定する記憶領域特定手段と、
前記記憶領域特定手段が特定した前記記憶領域に前記標準試料情報を格納する制御手段と、
を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記分析パラメータ記憶手段が記憶する前記標準試料情報を、当該自動分析装置に予め設定された検体種別に対応させて表示出力する出力手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記標準試料は、検量線を作成する標準検体および/または分析結果の精度を保証する精度管理検体であることを特徴とする請求項1または2に記載の自動分析装置。
【請求項4】
前記分析パラメータは、前記検体種別にかかる属性を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の自動分析装置。
【請求項5】
試薬と検体とを反応容器に分注し、該反応容器内で反応した反応液の吸光度を測定することによって前記検体を分析する自動分析装置と、前記自動分析装置と通信可能な管理装置とを有する分析システムにおいて、
前記管理装置は、
既知濃度を有する標準試料に関する標準試料情報と該標準試料を識別する識別情報とを保持する保持手段を備え、
前記自動分析装置は、
前記検体の分析項目に応じて設定される試薬を用いて分析可能な検体種別を含む分析パラメータを記憶する分析パラメータ記憶手段と、
前記標準試料を収容する容器に貼付され、前記識別情報を記憶した記憶媒体と、
前記記憶媒体から前記識別情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段が読み取った前記識別情報に基づいて、前記保持手段から前記標準試料情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記標準試料情報を格納する前記分析パラメータ記憶手段内部の記憶領域を、前記分析パラメータと前記識別情報とに基づいて特定する記憶領域特定手段と、
前記記憶領域特定手段が特定した前記記憶領域に前記標準試料情報を格納する制御手段と、
を備えたことを特徴とする分析システム。
【請求項6】
前記分析パラメータ記憶手段が記憶する前記標準試料情報を、当該自動分析装置に予め設定された検体種別に対応させて表示出力する出力手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載の分析システム。
【請求項7】
前記標準試料は、検量線を作成する標準検体および/または分析結果の精度を保証する精度管理検体であることを特徴とする請求項5または6に記載の分析システム。
【請求項8】
前記分析パラメータは、前記検体種別にかかる属性を含むことを特徴とする請求項5〜7のいずれか一つに記載の分析システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−137662(P2011−137662A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−296392(P2009−296392)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(510005889)ベックマン コールター, インコーポレイテッド (174)
【Fターム(参考)】