説明

自動切替機能付きコントローラ切替装置

【課題】複数の入力装置をタイマの設定時間毎に切替接続したり、ランダムに切替接続することにより、新たな遊びの要素を加えるとともにスリリングな要素も加えることができる自動切替機能付きコントローラ切替装置を提供する。
【解決手段】コントローラ切替装置6に4個のコントローラ2a〜2dが接続されており、タイマの設定時間毎にコントローラ2a〜2dは順番にゲーム機本体1に接続される。ゲーム機本体1に接続されたコントローラはゲーム機本体を操作することができ、つぎのコントローラが接続されると、ゲーム機本体から切り離される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームパッドなど複数の入力装置をゲーム機に自動的に切替接続するコントローラ切替装置に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭用ゲーム装置において、複数のプレイヤが存在する場合、遊ぶゲームが、同時に複数のプレイヤが操作しプレイヤ全員が参加できるものであれば、問題がない。しかしながら、一人しか遊べないようなアクションゲームなどであった場合には、一人がプレイしている間、他のプレイヤは観覧することになり、途中でプレイヤが変わる場合にコントローラを受け渡すことになる。
【0003】
複数のプレイヤが参加できるゲーム機として複数の操作端末を接続する電子機器本体が提案されている(特許文献1)。
これは電子機器本体と操作端末または外部記憶装置の間での高速通信を確保することができ、かつ電子機器本体と簡単に接続することができる中継器を提供することを課題とし、操作端末と外部記憶装置を一対で中継器に設けることにより、その目的を達成するものである。
この中継器では複数のプレイヤが参加できることを記載しているが、複数のプレイヤがどのような形態でそのゲームに参加できるかについて詳細を明確にしていない。
【特許文献1】特開2001−202168号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような背景から、参加プレイヤ全員がそれぞれコントローラを所持し、これを切替装置すべてに接続し、設定時間が例えば30秒ならば、30秒毎自動的に接続先を切り替えることにより上述した従来の参加形式にない新たな遊び要素を加えることができることが望まれる。また、ランダムに切替し次に接続されるコントローラをランダムに選択することにより、スリリングな要素をさらに加えることが要請される。
【0005】
本発明の目的は上記要請に応えることができる自動切替機能付きコントローラ切替装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために本発明の請求項1は、ゲーム装置に接続され、該ゲーム装置と複数の操作コントローラの間を接続する接続装置において、所定の時間毎に予め決められている順序で前記複数の操作コントローラの前記ゲーム装置への接続を自動的に切替えるタイマ接続切替手段を有することを特徴とする。
本発明の請求項2はゲーム装置に接続され、該ゲーム装置と複数の操作コントローラの間を接続する接続装置において、所定の時間毎に不規則な順番で前記複数の操作コントローラの前記ゲーム装置への接続を自動的に切替えるランダム接続切替手段を有することを特徴とする。
本発明の請求項3はゲーム装置に接続され、該ゲーム装置と複数の操作コントローラの間を接続する接続装置において、該接続装置は現在接続されている操作コントローラのコネクタ接続の情報を前記ゲーム装置に送信し、前記ゲーム装置でプログラム実行により動作する制御部からの指示により、所定の時間毎に予め決められている順序で前記複数の操作コントローラの前記ゲーム装置への接続を自動的に切替えるか、または所定の時間毎に不規則な順番で前記複数の操作コントローラの前記ゲーム装置への接続を自動的に切替えることを特徴とする。
本発明の請求項4は請求項1,2または3記載の発明において現在接続されている操作コントローラを示す表示部を有することを特徴とする。
本発明の請求項5は請求項1,2,3または4記載の発明において表示パネルを有し、該表示パネルに切替中のタイマの時間の表示および現在の切替接続モードの表示をすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
上記構成によれば、自動的に、また強制的にプレイヤが次から次へと変わるため新たな遊び要素が加わり、さらにランダムで切替接続されるため、スリリングな要素も加わることとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。
図1は本発明による自動切替機能付きコントローラ切替装置をゲーム機本体に接続した状態を示す外観斜視図である。
コントローラ切替装置6はコネクタ雌8を有する接続ケーブル7と4個のコネクタ雄13a〜13d(図2参照)を備えており、コネクタ雌8はゲーム機本体1に接続される。
コントローラ2a〜2dはコネクタ雌4a〜4dを有する接続ケーブル3a〜3dが接続されており、コネクタ雌4a〜4dはコネクタ雄13a〜13dにそれぞれ接続される。各コントローラ2a〜2dはそれぞれ異なる形状,ボタン配置の外観を有する。
タイマ接続切替モードでは、ゲーム中、各コントローラ2a〜2dは順番に所定時間だけゲーム機本体1に接続されていき、この接続切替状態が繰り返される。また、ランダム接続切替モードでは、各コントローラ2a〜2dはそれぞれ同じ時間だけランダムに接続切替され、この状態が繰り返し行われる。接続されている間、ユーザはゲーム機本体を操作することができる。
【0009】
図2は本発明による自動切替機能付きコントローラ切替装置の外観の詳細を示す図である。
コントローラ切替装置6は背面の接続部18より接続ケーブルが延長され、その先端にコネクタ雌16を有している。コントローラ切替装置6の平面形状は5角形であり、左右の側面と、斜め前方の2面にコネクタ雄13a〜13dが設置されている。各側面のコネクタ雄13a〜13dの上位置に各コントローラの接続状態をプレイヤに知らせるためのアクティブランプ11a〜11d,コネクトランプ12a〜12dが設置されている。
アクティブランプ11a〜11dはゲーム機とコントローラが接続されたとき点灯するものである。コネクトランプ12a〜12dはコントローラのコネクタが接続されている状態のとき点灯するものである。
【0010】
コントローラ切替装置6上面の中央にはタイマ接続切替モードとランダム接続切替モードを選択するためのモード切替スイッチ15が設けられている。さらに上部位置に表示パネル10が設置されている。表示パネル10には現在のタイマ経過時間を表示するセグメントや現在のモードを表示する表示部を有する。また、表示パネル10の脇にはタイマ時間を設定するためのタイマ設定部9が設けられている。
【0011】
図3は本発明による自動切替機能付きコントローラ切替装置の回路の実施の形態を示す回路図である。
この実施の形態で接続されているゲーム機は本発明に直接関連する回路部のみ示したものである。コントローラ切替装置6は制御部14の制御の下に接続の切替制御が行われる。コントローラ切替装置6には電子切替器19が接続され、制御部14からの指令に基づいてコントローラ2a〜2dが1個ずつ接続切替される。
制御部14は図4に示すように接続認識部14a,モード切替部14b,ランダム切替制御部14c,タイマ切替制御部14dおよびタイマ部14eの各機能部を備えている。制御部14は図示しないメモリ部から制御プログラムを読み出し実行することにより上記機能を実現することができる。
【0012】
接続認識部14aは4つのコネクタ毎に各コントローラが接続されているか否かを判断する機能である。モード切替部14bはモード切替スイッチ15からの切替情報によりランダム切替制御か、タイマ切替制御かのいずれかに切り替える機能である。
ランダム切替制御部14cは現在コントローラが接続されている状態のコネクタを対象とし、設定時間毎にコネクタ番号の中からランダムに接続を自動的に切り替える機能である。また、タイマ切替制御部14dは現在コントローラが接続されている状態のコネクタを対象とし、設定時間毎にコネクタ番号の若い順から輪番的に接続を自動的に切り替える機能である。タイマ部14eはタイムをカウントし、設定時間になる毎にその情報をタイマ切替制御部14dおよびランダム切替制御部14cに供給するものである。
タイマ部14eの設定時間は、タイマ設定部9により行われ、例えば1秒から999秒の間を1秒間隔で設定することが可能である。
【0013】
図3において、電子切替部19はランダム切替制御部14cまたはタイマ切替制御部14dからの切替情報によりコントローラ2a〜2dのいずれかに切替え、接続されたコントローラからの操作信号はゲーム機本体1に送られる。表示パネル10は制御部14によって制御され、ランダム切替モードか、タイマ切替モードかを示す表示や現在のタイマカウントダウン値などを表示する。LED発光部22はアクティブランプ11a〜11d,コネクトランプ12a〜12dを構成する光源であり、制御部14で発光制御される。
ゲーム機本体1は通信部21によりコネクタ16を介してコントローラ切替装置6と通信を行う。ゲーム機本体1の制御部23は通信部21を通じて各コントローラからの操作情報を受信すると、その操作情報に対応した処理を行う。メモリ部20はゲームプログラムやそのデータを格納しており、さらにゲーム中に生成される一時的なデータを記憶する。
【0014】
コントローラ切替装置6は接続認識部14aで現在コントローラが接続されている状態のコネクタの情報が認識された場合、この情報をゲーム機本体1に提供する。ゲーム機本体1の制御部14はコントローラ切替装置6から現在コントローラが接続されているコネクタの情報を受けた場合、プログラムにより接続切替を行うコマンドをコントローラ切替装置6に送信する。ゲーム機本体の制御部14により実行されるプログラムによる切替制御は、コントローラ切替装置側で行うランダム接続切替やタイマ接続切替と同じ制御を行うことができ、さらにランダム接続切替時の設定時間をランダムに変えることが可能である。ゲーム機本体1側のプログラムによる接続切替制御を用いるか、コントローラ切替装置側のランダム接続切替制御およびタイマ接続切替制御を用いるかは初期設定で決めることができる。したがって、コントローラ切替装置6のランダム接続切替制御およびタイマ接続切替制御を用いる場合にはゲーム機本体1側のプログラムによる接続切替制御は機能せず、ゲーム機本体1側のプログラムによる接続切替制御を用いる場合にはコントローラ切替装置側のランダム接続切替制御およびタイマ接続切替制御は機能しない。
【0015】
つぎにコントローラ切替装置の操作および制御について説明する。
前提としてコントローラ切替装置の1〜3番までコントローラが接続されているものとし、モード切替スイッチ15はタイマ接続切替が選択され、タイマ設定部17の設定時間が20秒に調整されていたとする。
1番〜3番のコントローラ2a,2b,2c対応に設置されているコネクトランプ12a,12b,12cが点灯する。
ゲーム開始当初、制御部14は電子切替器19を制御し、コントローラ2aとゲーム機本体1とを接続する。制御部14はコントローラ2a対応のアクティブランプ11aを点灯し、コントローラ2aのプレイヤが操作可能であることを示す。一方、パネル表示部10にタイマ接続切替のモードの表示がなされており、さらにタイマ設定部17により20秒からカウントダウンする信号が制御部14に送られ、セグメントにそのカウントダウン値が表示される。
【0016】
カンウト値が0になると、制御部14はコントローラ2aから2bに接続する信号を電子切替器19に送出し、つぎはコントローラ2bがゲーム機本体1に接続され、コントローラ2bのプレイヤがゲーム機本体1を操作可能となる。この時点でコントローラ2aのプレイヤは操作することができなくなる。このようにしてコントローラ2cのプレイヤまで切替られ、コントローラ2cのプレイヤに対しカウント値が0になると、そのゲーム機本体1への接続は再度、コントローラ2aに戻って接続され、ゲームが終了するまでこのような切替が繰り返される。
【0017】
前提としてタイマ接続切替をランダム接続切替にし上記の他の条件を変えない場合には、同様に各コントローラの接続が切替えられるが、その制御はランダム切替制御部14cが行い、つぎに接続されるコントローラは予め決められているランダムの接続設定に基づきランダムに接続されていく。ランダム接続切替はタイマ接続切替に比較し、いつ操作ができるか予想できないため、よりスリリングなゲームを楽しむことができる。
【0018】
また、ゲーム機本体側のプログラムによる切替接続制御により、上記タイマ接続切替,ランダム接続切替と同様な切替制御ができる。かかる場合にはコントローラ切替装置6のランダム切替制御部14cおよびタイマ切替制御部14dの機能は用いない。
以上の実施の形態は、設定時間をカウントダウンする表示を示す例を示したが、設定時間をカウントアップする表示を行うようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0019】
ゲームパッドなど複数の入力装置をゲーム機に接続切替するコントローラ切替装置であり、家庭用ゲーム装置などに使用される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明による自動切替機能付きコントローラ切替装置をゲーム機本体に接続した状態を示す外観斜視図である。
【図2】本発明による自動切替機能付きコントローラ切替装置の外観の詳細を示す図である。
【図3】本発明による自動切替機能付きコントローラ切替装置の回路の実施の形態を示す回路図である。
【図4】コントローラ切替装置の制御部の詳細を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0021】
1 ゲーム機本体
2a〜2d コントローラ(操作コントローラ)
3a〜3d,7,17 接続ケーブル
4a〜4d,8,16 コネクタ雌
5a〜5d 接続部
6 コントローラ切替装置
9 タイマ設定部
10 表示パネル
11a〜11d アクティブランプ
12a〜12d コネクトランプ
13a〜13d コネクタ雄
14,23 制御部
15 モード切替スイッチ
18 接続部
19 電子切替器
20 メモリ部
21 通信部
22 LED発光部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム装置に接続され、該ゲーム装置と複数の操作コントローラの間を接続する接続装置において、
所定の時間毎に予め決められている順序で前記複数の操作コントローラの前記ゲーム装置への接続を自動的に切替えるタイマ接続切替手段を有することを特徴とする自動切替機能付きコントローラ切替装置。
【請求項2】
ゲーム装置に接続され、該ゲーム装置と複数の操作コントローラの間を接続する接続装置において、
所定の時間毎に不規則な順番で前記複数の操作コントローラの前記ゲーム装置への接続を自動的に切替えるランダム接続切替手段を有することを特徴とする自動切替機能付きコントローラ切替装置。
【請求項3】
ゲーム装置に接続され、該ゲーム装置と複数の操作コントローラの間を接続する接続装置において、
該接続装置は現在接続されている操作コントローラのコネクタ接続の情報を前記ゲーム装置に送信し、
前記ゲーム装置でプログラム実行により動作する制御部からの指示により、所定の時間毎に予め決められている順序で前記複数の操作コントローラの前記ゲーム装置への接続を自動的に切替えるか、または所定の時間毎に不規則な順番で前記複数の操作コントローラの前記ゲーム装置への接続を自動的に切替えることを特徴とする自動切替機能付きコントローラ切替装置。
【請求項4】
現在接続されている操作コントローラを示す表示部を有することを特徴とする請求項1,2または3記載の自動切替機能付きコントローラ切替装置。
【請求項5】
表示パネルを有し、該表示パネルに切替中のタイマの時間の表示および現在の切替接続モードの表示をすることを特徴とする請求項1,2,3または4記載の自動切替機能付きコントローラ切替装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−253660(P2008−253660A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−101683(P2007−101683)
【出願日】平成19年4月9日(2007.4.9)
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)
【Fターム(参考)】