説明

自動取引装置および自動取引システム

【課題】操作部14を備え、当該操作部14を操作して暗証番号を入力し本人確認して取引を行う自動取引装置1において、次の顧客に暗証番号を覗き見されても、真の暗証番号を窃取されることはなく、成りすましにより出金するなどの被害を確実に防止する。
【解決手段】表示用の内部ボタン配列を格納する内部ボタン配列記憶部27aと、前記内部ボタン配列記憶部27aより取得した内部ボタン配列40を並び替えてダミーボタン配列41を生成し、前記操作部14に押下するダミーボタンとして表示するダミーボタン生成手段20aと、押下されたダミーボタンを内部ボタン配列に読み替えるボタン対応付手段20bと、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、暗証番号により本人確認を行い、取引を行う自動取引装置および自動取引システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、紙幣等の現金の入出金取引を行う自動取引装置では、暗証番号を入力して本人認証を行い、当該本人認証が終了すると出金取引や振込取引などを開始できるようになっている。近年、この暗証番号の入力の際、次の顧客等が暗証番号の入力操作を覗き見して暗証番号を窃取し、成りすましにより出金するなどの被害が増加傾向にある。
【0003】
このような暗証番号の窃取を防止するために、操作画面に表示される暗証番号等の数字入力画面として、規則性のある数字キー配列の入力画面を複数種記憶した入力画面記憶部と、この入力画面記憶部に記憶された複数種の数字キー配列の入力画面のひとつを、取引毎にランダムに選択して操作画面に表示し、暗証番号等を入力するようにした技術はあった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−105781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の自動取引装置では、数字キー配列を変えて表示するようにしても、顧客が入力するボタンの数字を次ぎの顧客等が見れば、やはり、暗証番号を窃取することができてしまい、成りすましにより出金するなどの被害を確実に防止することができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前述の課題を解決するために次の構成を採用する。すなわち、操作部を備え、当該操作部を操作して暗証番号を入力し本人確認して取引を行う自動取引装置において、表示用の内部ボタン配列を格納する内部ボタン配列記憶部と、前記内部ボタン配列記憶部より取得した内部ボタン配列を並び替えてダミーボタン配列を生成し、前記操作部に押下するダミーボタンとして表示するダミーボタン生成手段と、押下されたダミーボタンを内部ボタン配列に読み替えるボタン対応付手段と、を備えた。
【発明の効果】
【0007】
本発明の自動取引装置によれば、以上のように構成したので、次の顧客に暗証番号を覗き見されても、真の暗証番号を窃取されることはなく、成りすましにより出金するなどの被害を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例1の自動取引装置の概観斜視図である。
【図2】実施例1の自動取引装置の制御系ブロック図である。
【図3】実施例1の自動取引装置の動作フローチャート図である。
【図4】実施例1の自動取引装置の動作フローチャート図である。
【図5】実施例1の自動取引装置の操作画面例である。
【図6】実施例1の自動取引装置の動作説明図である。
【図7】実施例1の変形例の自動取引システムの構成図である。
【図8】実施例2の自動取引装置の制御系ブロック図である。
【図9】実施例2の自動取引装置の動作フローチャート図である。
【図10】実施例2の自動取引装置の動作説明図である。
【図11】実施例2の自動取引装置の動作説明図である。
【図12】実施例2の自動取引装置の動作説明図である。
【図13】実施例2の自動取引装置の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係わる実施の形態例を、図面を用いて説明する。図面に共通する要素には同一の符号を付す。
【実施例1】
【0010】
(構成)
図1は、実施例1の自動取引装置の構成を示した概観斜視図である。同図に示したように、実施例1の自動取引装置は、硬貨を入金或いは出金する硬貨入出金口12と、紙幣を投入或いは出金する紙幣入出金口11と、操作画面を表示するLCD上に入力を行うタッチパネルを積層した操作部14と、通帳による取引を行う場合に通帳を挿入および排出する通帳挿入排出口15と、キャッシュカードを挿入および排出するカード挿入排出口16とを備える。
【0011】
また、実施例1の自動取引装置1の制御系は、図2に示したような構成となっている。すなわち、自動取引装置1の制御系は、前述の操作部14と、装置内各部の制御や詳細後述の暗証番号入力のためのボタンを生成し操作部14に表示する主制御部20と、キャッシュカードに記録された情報のリードライトを行うカード処理部21と、操作ガイダンスやアラーム音等を音声またはブザー音として出力するスピーカ部22と、通帳の磁気ストライプのリードライトおよび通帳への印字制御を行う通帳処理部23と、紙幣の入出金制御を行う紙幣処理部24と、硬貨の入出金制御を行う硬貨処理部25とを備える。
【0012】
前記主制御部20は、後述の記憶部27に格納された内部ボタン配列記憶部27aより取得した内部ボタン配列を並び替えてダミーボタン配列を生成しダミーボタンとして操作部14に表示するダミーボタン生成手段20aと、ダミーボタンと内部ボタンを対応付けるボタン対応付手段20bを備える。
【0013】
さらに、実施例1の自動取引装置1の制御系は、主制御部20の記憶手段であり、制御プログラムや制御パラメータ、内部ボタン配列を記憶する内部ボタン配列記憶部27aを格納する記憶部27、装置内各部に電源を供給する電源部28、上位装置であるホスト装置31と回線30にて接続し当該インタフェイスを制御するインタフェイス部29を備える。なお、ホスト装置31は、顧客の口座番号や暗証番号等の顧客データを格納する顧客データ記憶部31aを備える。
【0014】
(動作)
以上の構成にて実施例1の自動取引装置1は、以下のように動作する。この動作を図3および図4の動作フローチャート図、図5の操作画面例を用いて以下詳細に説明する。なお、本例では、暗証番号は「1234」であるとして以下説明する。
【0015】
まず、自動取引装置1の電源がオンされると、自動取引装置1は取引開始準備として、入力誤り回数Nをクリアし、取引開始通知をホスト装置31に回線30を経由して通知し、当該通知を受領したホスト装置31は、受領したことを開始通知応答により応答する。
【0016】
開始通知応答を受領した自動取引装置1は、顧客のキャッシュカードの挿入を促す画面を操作部14に表示し、顧客がカード挿入排出口16にキャッシュカードを挿入するとカード処理部21にて口座番号等の顧客情報を読み出す(ステップS10)。
【0017】
次に、自動取引装置1は、取引選択画面を操作部14に表示し(ステップS11)、顧客が所望とする取引を選択すると(ステップS12)、選択された取引情報を回線30を介してホスト装置31に通知する。
【0018】
次に、自動取引装置1は、本人確認、すなわち暗証番号の入力が必要な取引かどうかを確認する(ステップS13)、なお、前記取引情報を受領したホスト装置31が、暗証番号の入力が必要な取引かどうかを判定し必要の有無を自動取引装置1に通知し、必要な場合に暗証番号入力画面を表示するようにしてもよい。
【0019】
ステップS13にて、例えば入金取引などのように暗証番号の入力が必要とされない取引が選択されたと判定したときは、ステップS19に進み、当該選択取引を継続する。
【0020】
一方、ステップS13にて、例えば出金取引などのように暗証番号の入力が必要とされる取引が選択されたと判定したときは、まず、暗証番号の入力誤り回数Nが3回となったかどうか確認し(ステップS14)、入力誤り回数Nが3回の場合は、暗証番号入力を行う操作画面を表示することなく窓口への問合せを促す画面等を表示し本処理を終了する。
【0021】
一方、暗証番号の入力誤り回数Nが3回より少ないときは、詳細後述する図5に示した暗証番号入力を行う操作画面を表示し(ステップS15)、「確認」ボタン101が押下されたどうかどうかを判定し(ステップS16)、「確認」ボタン101が押下されたときは、ダミーボタン配列41にて入力された4桁の暗証番号をボタン対応付手段20bを参照して真の番号に読み替え、口座番号等とともに回線30を介してホスト装置31に送信し顧客データ記憶部31aのデータと一致するかどうかを判定し(ステップS17)、一致して本人確認OKのときは、取引を継続し金額入力画面等を表示して取引を継続する(ステップS19)。
【0022】
一方、ステップS17にて暗証番号が一致しないときは、誤り回数Nを1加算し(ステップS18)、ステップS14に戻り、以降同様に行う。
【0023】
次に、前記ステップS15の暗証番号入力画面の生成動作について、図4の動作フローチャート図および図5の操作画面例を用いて以下説明する。
【0024】
まず、記憶部27の内部ボタン配列記憶部27aから取得した内部ボタン配列情報に基づいて自動取引装置1は内部ボタン配列40を表示用として表示する(ステップS21)。
【0025】
例えば、「0」〜「9」までの数字列を本例では「4」、「6」、「3」、「0」、「8」、「1」、「5」、「2」、「9」、「*」、「7」を内部ボタン配列情報として取得し、図5の操作画面例に示したように画面左下に左上から右に順に3列ごとに配置し4行目は「訂正」ボタン、次に最後の数字「7」を配置するようにする。
【0026】
なお、以上のように数字列を取得するのではなく、内部ボタン配列情報を番号として定義しておき、番号を取得したときは当該番号に応じてあらかじめ登録しておいたボタン配列を図5画面左下に内部ボタン配列40としてそのまま配置するようにしてもよい。
【0027】
次に、内部ボタン配列40をあらかじめ決めたアルゴリズムにより内部ボタン配列40とは異なる配列に並び替え(ステップS22)、図5の操作画面例のように略中央に押下できるダミーボタン配列41として表示する(ステップS23)。 このとき、ダミーボタン配列41として表示する各ボタン番号に対応する内部ボタン配列40の番号を主制御部20のボタン対応付手段20bに格納する。例えば、ダミーボタン配列41の「7」が押下されたときは内部ボタン40の「1」であると対応付け、ダミーボタン配列41の「3」が押下されたときは内部ボタン40の「2」であると対応付けて格納する。
【0028】
次に、暗証番号入力処理の暗証番号を入力する動作について、図6の動作説明図を用いて以下説明する。まず、図5に示したように、内部ボタン配列40およびダミーボタン配列41が表示されると、顧客の暗証番号「1234」の最初の桁の「1」を入力する。
【0029】
このとき、顧客は、内部ボタン配列40の「1」の位置を参照し、ダミーボタン配列41の同じ位置、すなわち「7」のボタンを押下する(操作1)。
【0030】
次に、第2の桁の「2」を入力するときは、内部ボタン配列40の「2」の位置を参照し、ダミーボタン配列41の同じ位置、すなわち「3」のボタンを押下する(操作2)。
【0031】
次に、第3の桁の「3」を入力するときは、内部ボタン配列40の「3」の位置を参照し、ダミーボタン配列41の同じ位置、すなわち「0」のボタンを押下する(操作3)。
【0032】
次に、最後の桁の「4」を入力するときは、内部ボタン配列40の「4」の位置を参照し、ダミーボタン配列41の同じ位置、すなわち「5」のボタンを押下する(操作4)。
【0033】
以上の操作によりダミーボタン配列41が押下されると、主制御部20のボタン対応付手段20bを参照し、内部ボタン配列40に読み替えて真の暗証番号とする。そして、前述の図3のステップS17にて本人確認を行うことになる。
【0034】
以上のように、内部ボタン配列40を参照し、これとは異なるダミーボタン配列41を押下するので、次の顧客に暗証番号を覗き見されたとしても、内部ボタン配列40は顧客に隠れて見ることができず、暗証番号が「7305」であるかのように入力したように見えるので、暗証番号の窃取を確実に防止でき、成りすましによる出金取引などによる被害も確実に防止することができる。
【0035】
なお、以上の実施例1の説明では、図3のステップS16にて「確認」ボタン101を押下する例を説明したが、4桁の入力が行われたときにステップS17に進み、本人確認をする場合であっても、同様に本発明を適用することができる。
【0036】
また、以上の実施例1の説明では、内部ボタン配列40は、暗証番号をすべて入力するまで同じ内部ボタン配列を表示するように説明したが、桁入力ごとに内部ボタン配列を変えて表示するようにしてもよい。
【0037】
また、以上の実施例1の説明では、記憶部27に内部ボタン配列記憶部27aを設け、内部ボタン配列を取得するように説明したが、図7の変形例として示したように、前述の各自動取引装置1a〜1xが回線30を介してホスト装置31に接続された構成では、ホスト装置31の顧客の口座番号や暗証番号等の顧客データを格納する顧客データ記憶部31aとともに内部ボタン配列記憶部31bとして備え、内部ボタン配列記憶部31bから内部ボタン配列を回線30を介して取得するようにしてもよい。
【0038】
或いは、自動取引装置1やホスト装置31に内部ボタン配列記憶部27aや内部ボタン配列記憶部31bを備えるのではなく、図示していないが、主制御部20またはホスト装置31に内部ボタン配列生成手段を備え、乱数発生器にて乱数を発生させ、「0」〜「9」の数字の並びを生成するようにしてもよい。
【0039】
(実施例1の効果)
以上のように、実施例1の自動取引装置によれば、操作部を備え、当該操作部を操作して暗証番号を入力し本人確認して取引を行う自動取引装置において、表示用の内部ボタン配列を格納する内部ボタン配列記憶部と、前記内部ボタン配列記憶部より取得した内部ボタン配列を並び替えてダミーボタン配列を生成し、前記操作部に押下するダミーボタンとして表示するダミーボタン生成手段と、押下されたダミーボタンを内部ボタン配列に読み替えるボタン対応付手段と、を備えたので、次の顧客に暗証番号を覗き見されても、真の暗証番号を窃取されることはなく、成りすましにより出金するなどの被害を確実に防止することができる。
【実施例2】
【0040】
(構成)
実施例2の自動取引装置では、図8に示したように、桁ごとに暗証番号の入力を誤ったときに当該ダミーボタンの色を変化させる誤り入力表示手段20cを主制御部20に新たに設けている。その他の構成は実施例1の構成と同様であるので、簡略化のために、その詳細な説明は省略する。
【0041】
(動作)
以上の構成により実施例2の自動取引装置1は、以下のように動作する。この動作を図9の動作フローチャート図を用いて以下説明する。なお、本例においても実施例1と同様、真の暗証番号は「1234」として以下説明する。
【0042】
まず、自動取引装置1の電源がオンされると、自動取引装置1は、取引開始準備として、入力誤り回数N、桁数Mをクリアし、取引開始通知をホスト装置31に回線30を経由して通知し、当該通知を受領したホスト装置31は、受領したことを開始通知応答により応答する。
【0043】
開始通知応答を受領した自動取引装置1は、まず、顧客のキャッシュカードの挿入を促す画面を操作部14に表示し、顧客がカード挿入排出口16にカードを挿入するとカード処理部21にて口座番号等の顧客情報を読み出す(ステップS40)。
【0044】
次に、自動取引装置1は、取引選択画面を操作部14に表示し(ステップS41)、顧客が所望とする取引を選択すると(ステップS42)、選択された取引情報を回線30を介してホスト装置31に通知する。このとき、自動取引装置1は、顧客の口座番号をホスト装置31に同様に通知し、当該顧客のパスワードを取得する。
【0045】
次に、自動取引装置1は、本人確認、すなわち暗証番号の入力が必要な取引かどうかを確認する(ステップS43)、なお、前記取引情報を受領したホスト装置31が、暗証番号の入力が必要な取引かどうかを判定し必要の有無を自動取引装置1に通知し、必要な場合に暗証番号入力画面を表示するようにしてもよいことは実施例1と同様である。
【0046】
ステップS43にて、例えば入金取引などのように暗証番号の入力が必要とされない取引が選択されたと判定したときは、ステップS54に進み、当該選択取引を継続する。
【0047】
一方、ステップS43にて、例えば出金取引などのように暗証番号の入力が必要とされる取引が選択されたと判定したときは、まず、暗証番号の入力誤り回数Nが3回となったかどうか確認し(ステップS44)、入力誤り回数Nが3回の場合は、暗証番号入力を行う操作画面を表示することなく窓口への問合せを促す画面等を表示し本処理を終了する。
【0048】
一方、暗証番号の入力誤り回数Nが3回より少ないときは、実施例1と同様の図5に示した暗証番号入力を行う操作画面を表示する(ステップS45)。
【0049】
そして、ダミーボタン配列41にて1桁の暗証番号が押下されると(ステップS46)、ボタン対応付手段20bを参照し内部ボタン配列40に読み替えた後、
誤り入力表示手段20cは、当該入力された桁の番号がホスト装置31から取得したパスワードの該当する桁と一致するかどうかを判定し(ステップS47)、一致するときは、当該押下されたダミーボタンの色を、例えば、青にて表示し(ステップS48)、桁数Mを1加算し(ステップS49)、4桁の入力を終了したどうか判定し(ステップS53)、4桁の入力が終了したときは、4桁とも正常に入力され本人確認OKと判定し、選択取引を継続する(ステップS54)。ステップS53にて3桁以下であればステップS46に戻り以下同様に繰り返す。
【0050】
一方、ステップS47にて暗証番号が一致しなかったときは、ダミーボタンの色を、例えば、赤にて表示し(ステップS50)、誤り回数Nを1加算し(ステップS51)、3回誤りを繰り返したかどうかを判定し(ステップS52)、3回より少ないときはステップS46に戻り、3回のときは窓口への問合せを促す画面を表示し本処理を終了する。
【0051】
次に、図10ないし図13の動作説明図を用いて、暗証番号入力動作をさらに詳細に説明する。なお、ダミーボタン配列41が押下されたときは、主制御部20のボタン対応付手段20bを参照し、内部ボタン配列40に読み替えることは実施例1と同様である。
【0052】
まず。図10に示したように、内部ボタン配列40およびダミーボタン配列41が表示されると、顧客は、暗証番号の最初の桁の「1」を入力する(操作11)。
【0053】
このとき、顧客は、同図(a)ように、内部ボタン配列40の「1」の位置を参照し、同図(b)のダミーボタン配列41の同じ位置、すなわち「7」のボタンを押下する(ステップS51)。
【0054】
この場合、正しい入力であるのでダミーボタン配列41の「7」のボタンは青色にて発光させる。一方、同図(c)のように誤ってダミーボタン配列41の「1」を押下してしまったときは、ダミーボタン配列41の「1」のボタンを赤色にて発光させる。
【0055】
次に、2桁目の暗証番号として「2」をするときは、図11(a)ように、内部ボタン配列40の「2」の位置を参照し、同図(b)のダミーボタン配列41の同じ位置、すなわち「3」のボタンを押下する(操作12)。
【0056】
この場合、正しい入力であるのでダミーボタン配列41の「3」のボタンは青色にて発光させる。一方、同図(c)のように誤ってダミーボタン配列41の「2」を押下してしまったときは、ダミーボタン配列41の「2」のボタンを赤色にて発光させる。
【0057】
次に、3桁目の暗証番号として「3」をするときは、図12(a)ように、内部ボタン配列40の「3」の位置を参照し、同図(b)のダミーボタン配列41の同じ位置、すなわち「0」のボタンを押下する(操作13)。
【0058】
この場合、正しい入力であるのでダミーボタン配列41の「0」のボタンは青色にて発光させる。一方、同図(c)のように誤ってダミーボタン配列41の「3」を押下してしまったときは、ダミーボタン配列41の「3」のボタンを赤色にて発光させる。
【0059】
最後に、4桁目の暗証番号として「4」をするときは、図13(a)ように、内部ボタン配列40の「3」の位置を参照し、同図(b)のダミーボタン配列41の同じ位置、すなわち「5」のボタンを押下する(操作14)。
【0060】
この場合、正しい入力であるのでダミーボタン配列41の「5」のボタンは青色にて発光させる。一方、同図(c)のように誤ってダミーボタン配列41の「4」を押下してしまったときは、ダミーボタン配列41の「4」のボタンを赤色にて発光させる。
【0061】
以上のように、誤って暗証番号を入力したときは、1桁ごとにボタンの色が変わって表示されるので、間違って暗証番号を入力することも防止できるうえ、実施例1と同様に、次の顧客に暗証番号を覗き見されたとしても、真の暗証番号「1234」を知ることはできず、「7305」として入力したように見えるので、成りすましによる出金取引などを実施されることもない。
【0062】
以上の実施例2の説明では、誤った入力をしたときは、ボタンの色を変えるように説明したが、色の表示とともにまたはこれに替えてスピーカ部22にてブザーや音声にてその旨、顧客に通知するようにしてもよい。
【0063】
(実施例2の効果)
以上のように、実施例2の自動取引装置によれば、実施例1の構成に加え、桁ごとに暗証番号の入力を誤ったときに当該ダミーボタンの色を変化させる誤り入力表示手段を備えたので、実施例1の効果に加え、間違って暗証番号を入力することをも防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
以上述べたように、本発明は、暗証番号による本人確認を行う取引を行う自動取引装置をはじめ、暗証番号入力を行う携帯端末や暗証番号にて入室が許可されるオートロック式のマンション等のゲートシステムにも広く利用することができる。
【符号の説明】
【0065】
1、1a〜1x 自動取引装置
14 操作部
20 主制御部
20a ダミーボタン配列生成手段
20b ボタン対応付手段
20c 誤り入力表示手段
27 記憶部
27a、31b 内部ボタン配列記憶部
30 回線
31 ホスト装置
31a 顧客データ記憶部
40 内部ボタン配列
41 ダミーボタン配列
101 確認ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部を備え、当該操作部を操作して暗証番号を入力し本人確認して取引を行う自動取引装置において、
表示用の内部ボタン配列を格納する内部ボタン配列記憶部と、
前記内部ボタン配列記憶部より取得した内部ボタン配列を並び替えてダミーボタン配列を生成し、前記操作部に押下するダミーボタンとして表示するダミーボタン生成手段と、
押下されたダミーボタンを内部ボタン配列に読み替えるボタン対応付手段と、を備えたことを特徴とする自動取引装置。
【請求項2】
桁ごとに暗証番号の入力を誤ったときに当該ダミーボタンの色を変化させる誤り入力表示手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の自動取引装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の自動取引装置を、回線を介してホスト装置に接続した自動取引システムであって、
前記内部ボタン配列記憶部を前記ホスト装置に備えるようにしたことを特徴とする自動取引システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−73800(P2012−73800A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−217819(P2010−217819)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(591051645)株式会社OKIソフトウェア (173)
【Fターム(参考)】