説明

自動取引装置

【課題】お祝い金や香典を安全で簡便に授受するための自動取引装置。
【解決手段】振込先を結婚式及び披露宴や葬儀を行う運営者の口座に固定し、初期画面表示手段31aにより、式典の主催者に合わせて作成された初期画面を表示してその式典への参会者に対し、お祝い金や香典の振込を促す。式典会場において参会者の操作により直接ATM10に入金されるため安全且つ簡便にお祝い金や香典の授受を行うことができる。更に、招待状等にICタグ又は磁気ストライプ等を設け、利用者の住所、氏名等を記憶させておき、お祝い金等の振込時にこの招待状をATM10Cに挿入することによって利用者の住所、氏名の入力を省略することができるので振込操作の簡便化の効果が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結婚式・披露宴や葬儀における祝い金や香典等を振込む自動取引装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、結婚式・披露宴や葬儀等に出席する際には、お祝い金や香典として現金を祝儀袋や不祝儀袋に封入し、受付で手渡しすることが慣習的に行われている。しかし、袋に封入した現金を受付で手渡しする方法においては、盗難や紛失のリスクが存在する。これを解決するための先行技術が下記の特許文献1に記載されている。特許文献1の技術は、利用者が、予め金融機関においてお祝い金や香典の振込を行い、振込情報をバーコード印刷した明細書を会場に持参するものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−216036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、利用者は、予め金融機関等に出向かなければならない。更に、発行された明細書等を紛失するリスクもあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の自動取引装置は、利用者の操作によって取引を行う自動取引装置であって、振込取引時の振込先が固定されていることを特徴としている。
【0006】
本発明の他の自動取引装置は、利用者の操作によって取引を行う自動取引装置であって、前記利用者に操作画面を表示する入力操作部と、固定された振込先への振込を促す初期画面表示手段と、振込金額を確定する金額確定手段と、前記利用者の利用者情報を取得する利用者情報取得手段と、振込情報を出力する振込情報出力手段とを有している。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、利用者は、結婚式場又は葬儀場に設置され、予め、振込先が固定してある自動取引装置を用いて振込ができるので利用者にとっての利便性が高まると同時に、現金を自動取引装置に回収してしまうため、現金の紛失、盗難のリスクが軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は本発明の実施例1における図2のATMの機能ブロック図である。
【図2】図2は本発明の実施例1における自動取引装置(例えば、ATM)を示す外観図である。
【図3】図3は本発明の実施例1におけるシステムの概略を示す構成図である。
【図4】図4は図1中の入力操作部12上に取引開始前に表示される初期画面を示す図である。
【図5】図5は図1の振込情報出力手段により出力される明細票を示す説明図である。
【図6】図7は本発明の実施例1における図1のATM10の振込取引時の動作を示すフローチャートである。
【図7】図7は本発明の実施例2における図2のATMの機能ブロック図である。
【図8】図8は本発明の実施例2における香典一覧表の例を示す説明図である。
【図9】図9は本発明の実施例3における図2のATMの機能ブロック図である。
【図10】図10は実施例2における図9中の入力操作部12上に取引開始前に表示される初期画面を示す図である。
【図11】図11は図9の振込み情報出力手段により出力される明細書を示す説明図である。
【図12】図12は本発明の実施例4における図2のATMの機能ブロック図である。
【図13】図13は実施例4における図12中の入力操作部12上に表示される画面の推移を示す図である。
【図14】図14は本発明の実施例5における図2のATMの機能ブロック図である。
【図15−1】図15−1は実施例における図14中の入力操作部12上に表示される画面の推移を示す図である。
【図15−2】図15−2は実施例における図14中の入力操作部12上に表示される画面の推移を示す図である。
【図15−3】図15−3は実施例における図14中の入力操作部12上に表示される画面の推移を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を実施するための形態は、以下の好ましい実施例の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、明らかになるであろう。但し、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0010】
(実施例1の構成)
図2は、本発明の実施例1における自動取引装置(例えば、ATM)を示す概略の外観図である。
【0011】
本実施例1のATM10は、結婚式場や葬儀場に設置され、利用者自身の操作により、振込取引を行うためのものである。
【0012】
ATM10は、熱や衝撃に対し一定の強度を有する鉄材で作られたキャビネット11で覆われている。ATM10の前面には、利用者が操作するための操作面11aが略水平に利用者の方向に突き出している。操作面11aの奥方向には、操作面11aから連続して投入面11bが設置されている。更に、投入面11bに連続して挿入面11cが略垂直に立ち上がっている。
【0013】
前記操作面11aには、操作のためのガイダンスを表示し各種取引のための入力を行う入力操作部12と、バーコード読み取り部14とが設けられている。投入面11bには、振込取引で使用する接客口、すなわち紙幣投入取出口13が設けられている。
【0014】
挿入面11cには、キャッシュカード(以下「カード」という。)を挿入するカード取扱口15及び音声等を出力するスピーカ16が設けられている。
【0015】
図1は、本発明の実施例1における図2のATMを示す概略の機能ブロック図である。
【0016】
このATM10は、中央処理装置を有する制御部31と、プログラムやデータを記憶するための記憶部32と、ホストコンピュータ1と通信を行うための通信部33とを有している。制御部31は、プログラム制御によりATM10全体を制御するものであり、この制御部31は、初期画面表示手段31a、金額確定手段31b、利用者情報取得手段31c及び振込情報出力手段31dを有している。制御部31により制御される入力操作部12は、文字や図形等で構成される操作画面を表示する画面表示機能と、情報入力のためのタッチパネル等による入力機能とを有している。
【0017】
更に、ATM10は、制御部31により制御されるカードリーダプリンタ部34、紙幣入出金部35、及びバーコード処理部36を有している。カードリーダプリンタ部34は、カードの内容の読み取り書き込みを行い、更に、取引明細をレシートに印字して排出する機能を有している。紙幣入出金部35は、紙幣の真贋を鑑別し、計数して振込用の紙幣を受け付ける機能を有している。バーコード処理部36は、バーコード読み取り部14を制御してバーコードを読み取る機能を有している。
【0018】
図3は、本発明の実施例1におけるシステムの概略を示す構成図である。
振込専用のATM10は、通常、結婚式場又は葬儀場に設置され、通信回線3を介してホストコンピュータ1に接続されている。ホストコンピュータ1は、顧客管理ファイルや口座情報ファイル等のデータベース2を有している。
【0019】
図4は、図1中の入力操作部12上に取引開始前に表示される初期画面を示す説明図である。
【0020】
図4の初期画面には、○○家の○○△△様の香典振込画面である旨のメッセージと、次へボタン12aが表示されている。
【0021】
図5は、図1の振込情報出力手段31dにより出力される明細票を示す説明図である。
【0022】
本実施例1においては、振込取引の最終段階で振込取引の取引明細票が振込情報出力手段31dで作成され、カードリーダプリンタ部34によって印字されてカード取扱口15から排出される。取引明細票は2枚で構成され、1枚目は利用者の控用、2枚目は式典の受付への提出用である。
【0023】
(実施例1のATM10の振込取引時の動作)
図6は、本発明の実施例1における図1のATM10の振込取引時の動作を示すフローチャートである。
【0024】
ATM10への電源の投入によりATM10の動作が開始され、ステップS1において、初期画面表示手段31aによって、図4に示す初期画面が入力操作部12に表示される。利用者により、次へボタン12aが押下されて振込取引が開始される。ステップS2において、金額確定手段31bにより、シャッタ17が開けられて図示しない紙幣のセットを促す画面が表示され、利用者により紙幣がセットされる。
【0025】
セットされた紙幣は、真贋鑑別されて計数され、ATM10の図示しない一時保留部に保留される。ここで、図示しないが、計数された金額が入力操作部12に表示され、利用者の確認を待つ。取消しボタン12cが押下されると、紙幣を接客口13へ返却し、取引を終了する。確認ボタン12bが押下されたときは、ステップS3へ進む。ステップS3において、利用者情報取得手段31cにより、図示しない、利用者の氏名、住所等を入力する画面が表示され、利用者によりこれらの利用者の情報が入力される。
【0026】
ステップS4において、受取人の氏名、銀行名、口座番号等及び振込人の氏名、住所等が入力操作部12に表示されて利用者の確認を促す。ここで、本実施例1においては、受取人の氏名、銀行名、口座番号等は、当該の式典の運営者、例えば、結婚式場の運営会社や葬儀会社等によって予め、ATM10に設定されている。
【0027】
ステップS5において、図示しない確認ボタンが押下されると、金額等の情報をホストコンピュータ1に送信する。ホストコンピュータ1から取引の成立の通知を受信すると、ステップS7において、振込情報出力手段31dにより、図5に示す明細書の編集が行われ、カードリーダプリンタ部34で図5に示す取引明細票が印字されてカード取扱口15から排出される。ステップ5において、確認ボタンが押下されず、例えば、図示しない取消ボタンが押下されたとすると紙幣を紙幣投入取出口13へ返却し、ステップS1の初期画面表示に戻る。
【0028】
(実施例1の効果)
本実施例1によれば、利用者は、予め金融機関のATM10に出向かなくても結婚式場又は葬儀場でお祝い金又は香典の振込ができ、利用者にとって利便性が高まる。更に、お祝い金又は香典等を受け取る側もATM10に現金が収納されるので、紛失盗難のリスクを軽減できるという効果がある。
【0029】
(実施例1の変形例)
実施例1では、現金を用いて、振込を行うこととしたが、利用者の口座から振込むこともできる。
【実施例2】
【0030】
(実施例2の構成)
図7は、本発明の実施例2における図2のATMの機能ブロック図であり、実施例1を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0031】
本実施例2におけるATM10Aの構成は、実施例1を示す図2のATM10の構成とほぼ同様であるが、履歴管理手段31eと、外部記憶装置38と、外部記憶装置38を駆動するためのドライバ37が追加され設けられている点が異なっている。
【0032】
図8は、実施例2における香典一覧表の例を示す図である。
香典一覧表は、葬儀への参会者の住所、氏名と香典金額を一覧に記録した表であって、葬儀の主催者が参会者へ御返しをする際に活用される。
【0033】
(実施例2のATM10Aの振込取引時の動作)
本実施例2におけるATM10Aの入金取引時の動作は、実施例1と同様であるが、振込取引の履歴が履歴管理手段31eによって記録される。葬儀が終了すると葬儀の運営者の係員の操作で、振込取引の履歴が履歴管理手段31eによってフロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク(MO)、USBメモリ(Universal Serial Bus メモリ)等の外部メモリに出力される。
【0034】
この外部記憶装置38に出力された振込取引のデータを基に別途、図8に示す香典一覧表を作成して葬儀の主催者に提供する。香典一覧表の作成は、ATM10Aにその機能を設けて行ってもよいし、パーソナルコンピュータを用いて行ってもよい。
【0035】
(実施例2の効果)
本実施例2によれば、実施例1の効果に加え、香典の受取者は、香典一覧表の作成が不要となって明細票との付け合せのみの作業となり、手間を軽減する効果が得られる。
【実施例3】
【0036】
(実施例3の構成)
図9は、本発明の実施例3における図2のATMの機能ブロック図であり、実施例1を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0037】
本実施例3におけるATM10Bの構成は、実施例1を示す図2のATM10の構成とほぼ同様であるが、初期画面表示手段31aが初期画面表示手段31aBに、振込情報出力手段31dが振込情報出力手段31dBに置き換えられている点が異なっている。
【0038】
図10は、実施例3における図9中の入力操作部12上に取引開始前に表示される初期画面である。
【0039】
本実施例3における初期画面は、実施例1における図4の初期画面とほぼ同様であるが、「お知らせ 通夜 :2月25日 18:00から
告別式 :2月26日 13:00から」のメッセージが表示されている点が異なる。
【0040】
図11は、図9の振込情報出力手段により出力される明細書を示す説明図である。
【0041】
本実施例3における明細書は、実施例1における図5の明細書とほぼ同様であるが、「お知らせ 通夜 :2月25日 18:00から
告別式 :2月26日 13:00から」のメッセージが印字されている点が異なる。
【0042】
(実施例3のATM10Bの振込取引時の動作)
本実施例3におけるATM10Bの入金取引時の動作は、実施例1とほぼ同様であるが、図6のステップS1の初期画面表示処理とステップS7の明細書編集、出力処理が異なっている。
【0043】
実施例1では、図6のステップS1において、初期画面表示手段31aによって、図4に示す初期画面が表示されるが、本実施例3では、図10に示す初期画面が入力操作部12に表示される。
【0044】
以下、利用者により、次へボタン12aが押下されて振込取引が開始され、実施例1と同様に振込処理が行われる。すなわち、ステップS2の紙幣セット処理、ステップS3の利用者の氏名、住所等入力処理、ステップS4の受取人の氏名、銀行名、口座番号等及び振込人の氏名、住所等の確認処理、ステップS5の確認ボタン押下処理、及び金額等ホスト送信処理が実行される。
【0045】
本実施例3においては、ホストコンピュータ1から取引の成立の通知を受信すると、ステップS7において、振込情報出力手段31dBにより、図11に示す明細書の編集が行われ、カードリーダプリンタ部34で図5に示す取引明細票が印字されてカード取扱口15から排出される。
【0046】
(実施例3の効果)
本実施例3によれば、実施例1の効果に加え、利用者は、振込操作を行いながら、式典のスケジュールが把握できる効果が得られる。
【実施例4】
【0047】
(実施例4の構成)
図12は、本発明の実施例4における図2のATMの機能ブロック図であり、実施例1を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0048】
本実施例4におけるATM10Cの構成は、実施例1を示す図2のATM10の構成とほぼ同様であるが、初期画面表示手段31aが初期画面表示手段31aCに、金額確定手段31bが金額確定手段31bCに、利用者情報取得手段31cが利用者情報取得手段31cCに、振込情報出力手段31dが振込情報出力手段31dCに置き換えられている点が異なっている。
【0049】
図13(a)(b)(c)(d)(e)は、実施例4における図12中の入力操作部12上に表示される画面の推移を示す図である。
【0050】
図13(a)は、初期画面で、○○家・△△家の結婚披露宴の受付画面であることを示している。図13(b)は、招待状をATM10Cのカード取扱口15に挿入するよう促す画面である。図13(c)は、お祝い金の投入を促す画面で、利用者の氏名、住所が表示されている。図13の(d)は、お祝い金の金額を確認し、確定させるための画面で利用者の住所、氏名、金額等及び確認ボタン12b、取消ボタン12cが表示されている。図13(e)は、明細票の受け取りを促す画面で「明細票をお受け取りください。有り難うございました。」のメッセージが表示されている。
【0051】
(実施例4のATM10Cの振込取引時の動作)
本実施例4におけるATM10Cの入金取引時の動作について図13を用いて説明する。
【0052】
ATM10Cへの電源の投入によりATM10Cの動作が開始され、初期画面表示手段31aCによって、図13(a)に示す初期画面が入力操作部12に表示される。利用者により、次へボタン12aが押下されて振込取引が開始される。利用者情報取得手段31cCにより、図13(b)に示す画面が表示され、招待状をカード取扱口15に挿入するよう利用者に促す。招待状には、磁気ストライプが設けられており、その磁気ストライプには、利用者の住所、氏名等が記憶されている。この磁気ストライプに記憶されている利用者情報を利用者情報取得手段31cCで読み取ることにより、利用者の住所、氏名等が取得される。
【0053】
利用者情報を磁気ストライプの代わりに、ICタグに記憶させて招待状に添付してもよい。ICタグの利用者情報はATM10Cの図示しないICタグリーダで読み取られる。
【0054】
次に、金額確定手段31bCにより、シャッタ17が開けられて図示しない紙幣の投入を促す図13(c)の画面が表示され、利用者により紙幣がセットされる。このとき、図13(c)の画面には、取得された利用者の住所、氏名と「お祝い金を投入してください。」のメッセージが表示され、利用者が自ら、住所、氏名を入力する必要がない。セットされた紙幣は、真贋鑑別されて計数され、ATM10Cの図示しない一時保留部に保留される。
【0055】
図13(d)に示すように、利用者の住所、氏名と、「お祝い金 5,000円でよろしいですか。」のメッセージと、確認ボタン12b及び取消ボタン12cが表示される。ここで、確認ボタンが12b押下されると、一時保留された紙幣は、図示しない保管庫に搬送されて保管される。同時に、金額等の情報がホストコンピュータ1に送信される。ホストコンピュータ1から取引の成立の通知を受信すると、振込情報出力手段31dCにより、図13(e)に示すように、「明細票をお受け取りください。有り難うございましたの。」のメッセージが表示され、更に、明細票の編集が行われ、カードリーダプリンタ部34で印字されてカード取扱口15から排出される。
【0056】
(実施例4の効果)
本実施例4によれば、実施例1の効果に加え、利用者は、招待状をATM10Cに挿入することによって利用者の住所、氏名の入力を省略することができるので振込操作の簡便化の効果が得られる。
【0057】
(実施例2の変形例)
(a) 本実施例2では、招待状をカード取扱口15に挿入することで利用者の住所、氏名等を読み取るようにしたが、利用者の住所、氏名等をバーコードで招待状や案内状に印刷し、これをバーコード読み取り部14で読み取るようにしてもよい。更に、バーコードに替えて二次元コードでもよい。
【実施例5】
【0058】
(実施例5の構成)
図14は、本発明の実施例5における図2のATMの機能ブロック図であり、実施例1を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0059】
本実施例5におけるATM10Dの構成は、実施例1を示す図2のATM10の構成とほぼ同様であるが、初期画面表示手段31aが初期画面表示手段31aDに、金額確定手段31bが金額確定手段31bDに、利用者情報取得手段31cが利用者情報取得手段31cDに、振込情報出力手段31dが振込情報出力手段31dDに置き換えられている点が異なっている。
【0060】
図15−1、図15−2及び図15−3は、実施例5における図14中の入力操作部12上に表示される画面の推移を示す図である。
【0061】
図15−1(a)は、初期画面で、○○家・△△家の結婚披露宴の受付画面であることを示している。図15−1(b)は、披露宴の式場の座席表を示しており、テーブルごとに出席予定者の氏名が記載されている。「ご自分の座席にタッチしてください。」とのメッセージが表示されている。
【0062】
図15−2(c)は、利用者により押下された座席が当該利用者の席であるか否かを利用者に確認させるための画面で、押下された氏名の位置が点滅又は色が変わる等、利用者の注意を喚起するように表示されている。図15−2の(d)は、お祝い金の投入を促す画面であり、利用者の住所、氏名が表示されている。図15−2(e)は、お祝い金の金額を確認し、確定させるための画面で利用者の住所、氏名、金額等及び確認ボタン12b、取消ボタン12cが表示されている。図15−3(e)は、座席表の受け取りを促す画面で「座席表を印刷しますのでお受け取りください。有り難うございました。」のメッセージが表示されている。
【0063】
(実施例5のATM10Dの振込取引時の動作)
本実施例4におけるATM10Dの入金取引時の動作について図15−1、図15−2及び図15−3を用いて説明する。
【0064】
ATM10Dへの電源の投入によりATM10Dの動作が開始され、初期画面表示手段31aDによって、図15−1(a)に示す初期画面が入力操作部12に表示される。利用者により、次へボタン12aが押下されて振込取引が開始される。利用者情報取得手段31cDにより、図15−1(b)に示す画面が表示され、座席表の当該利用者の座席位置をタッチするよう利用者に促す。座席位置をタッチすると、図15−2(c)の画面が表示され、タッチした座席位置が点滅、色が変わる、輝度を高くする等、利用者の注意を喚起するよう表示され、「お名前が確認できましたら確認ボタンを押してください。」のメッセージが表示され、タッチした座席位置が正しいか否かの確認を促す。
【0065】
確認ボタン12bが押下されると、金額確定手段31bCにより、シャッタ17が開けられて紙幣の投入を促す図15−2(d)の画面が表示され、利用者により紙幣がセットされる。このとき、図15−2(d)の画面には、利用者の住所、氏名と「お祝い金を投入してください。」のメッセージが表示され、利用者が自ら、住所、氏名を入力する必要がない。セットされた紙幣は、真贋鑑別されて計数され、ATM10Dの図示しない一時保留部に保留される。
【0066】
次に、図13(e)に示すように、利用者の住所、氏名と、「お祝い金 5,000円でよろしいですか。」のメッセージと、確認ボタン12b及び取消ボタン12cが表示される。ここで、確認ボタン12が押下されると、一時保留された紙幣は、図示しない保管庫に搬送されて保管される。同時に、金額等の情報がホストコンピュータ1に送信される。ホストコンピュータ1から取引の成立の通知を受信すると、振込情報出力手段31dDにより、図15(e)に示すように、「座席表を印刷しますのでお受け取りください。有り難うございました。」のメッセージが表示され、更に、座席表の編集が行われ、カードリーダプリンタ部34で印字されてカード取扱口15から排出される。
【0067】
(実施例5の効果)
本実施例5によれば、実施例1の効果に加え、利用者が、表示された座席表から自席の場所をタッチすることで、利用者の住所、氏名の入力を省略することができるので振込操作の簡便化の効果が得られる。更に、座席表を表示、印刷することにより利用者は、容易に自席を見つけることができる。
【0068】
(実施1〜5の他の変形例)
本発明は、上記実施例1〜5に限定されず、種々の利用形態や変形が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(a)〜(d)のようなものがある。
【0069】
(a) ATM10,10A,10B,10C,10Dは、結婚式場や葬儀場に設置されることで説明したが、設置場所は特に限定されない。金融機関の店舗、コンビニエンスストア等に設置されてもよい。
【0070】
(b) ATM10,10A,10B,10C,10Dは、振込専用機で説明したが、汎用のATMに通常の振込取引処理とは別に、振込先を固定とした振込取引機能を設けてもよい。
【0071】
(c) 振込先は、予め式典の運営者によって設定されていることで説明したが、この設定は、式典のスケジュールに合わせて時間帯ごとに設定してもよい。つまり○○家の披露宴を開催の時間帯は、○○家用の設定を行い、△△家の披露宴の時間帯にはそれ用の設定を行う。
【0072】
(d) 振込先の口座を複数設けて、式典の主催者ごとに区分して振込を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0073】
10、10A、10B、
10C、10D ATM
12 入力操作部
13 紙幣投入取出口(接客口)
14 バーコード読み取り部
15 カード取扱口
31、31A、31B
31C、31D 制御部
31a、31aB、31aC
31aD 初期画面表示手段
31b、31bC、
31bD 金額確定手段
31c、31cC、31cD 利用者情報取得手段
31d、31dB、31dC、
31dC 振込情報出力手段
31e、31eC 履歴管理手段
32 記憶部
34 カードリーダプリンタ部
35 紙幣入出金部
36 バーコード処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の操作によって取引を行う自動取引装置において、
振込取引時の振込先が固定されていることを特徴とする自動取引装置。
【請求項2】
利用者の操作によって取引を行う自動取引装置において、
前記利用者に操作画面を表示する入力操作部と、
固定された振込先への振込を促す初期画面表示手段と、
振込金額を確定する金額確定手段と、
前記利用者の利用者情報を取得する利用者情報取得手段と、
振込情報を出力する振込情報出力手段と、
を有することを特徴とする自動取引装置。
【請求項3】
前記利用者情報には、前記使用者の住所、氏名が含まれていることを特徴とする請求項2記載の自動取引装置。
【請求項4】
前記利用者情報取得手段は、前記利用者情報の入力用画面を前記入力操作部に表示し、前記利用者に入力を促すことを特徴とする請求項2又は3記載の自動取引装置。
【請求項5】
前記利用者情報取得手段は、記憶部を有し、前記利用者の操作により入力された利用者識別情報に基づき、前記記憶部に記憶された参加者リストを参照して前記利用者情報を取得することを特徴とする請求項2又は3記載の自動取引装置。
【請求項6】
前記利用者識別情報は、ICタグ又は磁気ストライプに記憶されていることを特徴とする請求項5記載の自動取引装置。
【請求項7】
前記利用者識別情報は、バーコード又は二次元コードによって表現されていることを特徴とする請求項5記載の自動取引装置。
【請求項8】
前記利用者情報取得手段は、前記記憶部を有し、座席表を前記入力操作部に表示し、前記利用者に対し、前記利用者の座席の位置の押下を促し、この押下信号に基づき、前記記憶部に記憶された参加者リストを参照して前記利用者情報を取得することを特徴とする請求項2又は3記載の自動取引装置。
【請求項9】
前記自動取引装置は、更に、
振込取引の履歴を記憶し、前記履歴を外部記憶装置に出力する履歴出力手段を有することを特徴とする請求項2〜8のいずれか1項に記載の自動取引装置。
【請求項10】
前記振込情報出力手段は、前記振込情報を出力すると同時に各種案内を出力することを特徴とする請求項2〜9のいずれか1項に記載の自動取引装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15−1】
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【図15−2】
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【図15−3】
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【公開番号】特開2010−277523(P2010−277523A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−132247(P2009−132247)
【出願日】平成21年6月1日(2009.6.1)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(591089556)株式会社 沖情報システムズ (276)
【Fターム(参考)】