説明

自動取引装置

【課題】所定の温度以上にて動作可能な複数のユニットからなる自動取引装置1において、暖機が必要なユニットを確実に暖機して誤動作を発生させることなく、かつ、暖機動作の省電力化を図る。
【解決手段】装置内温度Trを検出する温度検出手段6と、前記複数のユニットの最低動作温度および暖機終了温度を設定する温度設定手段としての操作部14と、前記ユニットごとに設定された最低動作温度Tonおよび暖機終了温度Toffを格納する設定温度テーブル27aを備え、前記温度検出手段6にて検出した装置内温度Trが、当該ユニットの最低動作温度Ton以下のときは当該ユニットへの電源供給をオンとし、当該ユニットの暖機終了温度Toff以上のときは当該ユニットへの電源供給をオフするようにして運用開始前の暖機動作を行うようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、暖機機能を備える現金自動預払機などの自動取引装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の自動取引装置は、運用時の省電力を目的として、各ユニットの温度特性に関わらず、運用に必要な最小限のユニットにあらかじめ設定した時間帯のみ電源供給する技術はあった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−90328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の自動取引装置では、運用時の省電力は可能であるが、寒冷地等の自動取引装置において各ユニットが低温により動作不良が発生しないように実施する運用開始前の暖機動作における省電力についてまでは考慮されていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前述の課題を解決するために次の構成を採用する。すなわち、所定の温度以上にて動作可能な複数のユニットからなる自動取引装置において、装置内温度を検出する温度検出手段と、前記複数のユニットの最低動作温度および暖機終了温度を設定する温度設定手段と、前記ユニットごとに設定された最低動作温度および暖機終了温度を格納する設定温度テーブルを備え、前記温度検出手段にて検出した装置内温度が、当該ユニットの最低動作温度以下のときは当該ユニットへの電源供給をオンとし、当該ユニットの暖機終了温度以上のときは当該ユニットへの電源供給をオフするようにして運用開始前の暖機動作を行うようにした。
【0006】
また、前述の課題を解決するために、所定の温度以上にて動作可能な複数のユニットからなる自動取引装置において、装置内温度を検出する温度検出手段と、前記ユニットごとに、前記温度検出手段にて検出した装置内温度に応じた暖機時間を設定する暖機時間設定手段と、前記設定された暖機時間を格納する暖機時間設定テーブルと、を備え、前記ユニットごとに、前記装置内温度に応じた前記暖機時間設定テーブルの暖機時間に基づいて運用開始前の暖機を行うようにした。
【発明の効果】
【0007】
本発明の自動取引装置によれば、以上のように構成したので、暖機が必要なユニットを確実に暖機して誤動作を発生させることなく、かつ、暖機動作の省電力化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例1の自動取引装置の概観斜視図である。
【図2】実施例1の自動取引装置の制御系ブロック図である。
【図3】実施例1の自動取引装置の操作画面例および設定例である。
【図4】実施例1の自動取引装置の動作フローチャート図である。
【図5】実施例1の自動取引装置のタイムチャート図である。
【図6】実施例1の変形例の自動取引装置の操作画面例および設定例である。
【図7】実施例2の自動取引装置の操作画面例および設定例である。
【図8】実施例2の自動取引装置の動作フローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係わる実施の形態例を、図面を用いて説明する。図面に共通する要素には同一の符号を付す。
【0010】
なお、以下の説明では、金融機関等や当該屋外に設置され、顧客等の操作により入出金等の取引を行う自動取引装置を例として説明するが、両替機などの現金処理機、乗車券等の発券を行う自動券売機、或いはコピー機などであってもよい。
【実施例1】
【0011】
(構成)
図1は、実施例1の自動取引装置の構成を示した概観斜視図である。同図に示したように、実施例1の自動取引装置は、取引開始後、硬貨を入金或いは出金する硬貨入出金口12と、紙幣を投入或いは出金する紙幣入出金口11と、取引操作画面を表示するとともに所定の入力を行うタッチパネルとからなる後述の温度設定手段となる操作部14と、通帳による取引を行う場合に通帳を挿入し排出する通帳挿入排出口15と、取引開始前の認証のためのキャッシュカード等を挿入し排出するカード挿入排出口16とを備える。
【0012】
また、実施例1の自動取引装置1の制御系は、図2に示したような構成となっている。すなわち、自動取引装置1の制御系は、装置内の温度を検出するためのサーミスタ6と、後述の各部の制御を行う主制御部20と、前述の操作部14と、キャッシュカード等に記録された情報のリードライトを行うカード処理部21と、操作ガイダンスやアラーム音等を音声またはブザー音として出力するスピーカ部22と、通帳の磁気ストライプのリードライトおよび通帳への印字制御を行う通帳処理部23と、紙幣の入出金制御を行う紙幣処理部24と、硬貨の入出金制御を行う硬貨処理部25とを備える。
【0013】
さらに、主制御部20の記憶手段であって後述の温度設定テーブル27aや時間設定テーブル27bを格納する記憶部27、主制御部20の制御のもとに各ユニットに電源を供給する電源部28、上位装置であるホスト装置31と回線30にて接続し当該インタフェイスを制御するインタフェイス部29を有する。
【0014】
(動作)
以上の構成により実施例1の自動取引装置は、以下のように動作する。この動作を、図3の操作画面例、図4の動作フローチャート図および図5のタイムチャート図を用いて以下詳細に説明する。
【0015】
まず、実施例1の自動取引装置では、操作部14の保守メニューや保守スイッチを押下することにより、操作部14に図3のような操作画面G40を表示し、各ユニットの誤動作が発生しない最低温度、例えば、アクチュエータや搬送ベルトが正常に動作する最低温度としての最低動作温度Ton、暖機を終了してもよい温度としての暖機終了温度Toffの設定或いは変更を行う。
【0016】
同図の例では、ユニット名として紙幣処理部、硬貨処理部、カード処理部、通帳処理部を順にユニット番号とともに表示し、各ユニットの最低動作温度Ton、暖機終了温度Toffを設定し、決定ボタン40aを押下して決定する。なお、設定したものをキャンセルするときはキャンセルボタン40bを押下する。
【0017】
例えば、ユニット番号N=1として、紙幣処理部24の最低動作温度Tonを5℃、暖機を停止しても動作不良が発生しない暖機終了温度Toffを10℃として設定する場合は、同図3(a)のように「5」、「10」を図示しないテンキー等にて入力し、決定ボタン40aを押下する。
【0018】
決定ボタン40aが押下されると、ユニットごとに設定した最低動作温度Ton、暖機終了温度Toffをユニット番号とともに主制御部20の記憶部27の温度設定テーブル27aに図3(b)のように格納する。
【0019】
次に、図4の動作フローチャート図を用いて暖機動作を以下詳細に説明する。まず、暖機動作が開始されると、ユニット番号Nを初期値「1」にセットし(ステップS01)、記憶部27の温度設定テーブル27aを参照して、ユニット番号N=1、すなわち、紙幣処理部24の最低動作温度Tonを読出し、当該最低動作温度Tonとサーミスタ6により検出した装置内温度Trとを比較し(ステップS02)、最低動作温度Ton以下のときは、当該ユニット番号の電源、すなわち、紙幣処理部24への電源供給をオンとする(ステップS03)。
【0020】
一方、装置内温度Trが最低動作温度Ton以下でないときは、紙幣処理部24への電源供給をオンとすることなく、ステップS04に進む。
【0021】
そして、全ユニットの最低動作温度Tonとの比較動作を終了したかどうかをユニット番号Nの値に基づいて判定し(ステップS04)、まだ、全ユニットの最低動作温度Tonとの比較動作を終了していないときは、ユニット番号Nを1加算し(ステップS05)、ステップS02に戻り、全ユニットについて同様の処理を繰り返す。
【0022】
そして、全ユニットの最低動作温度Tonとの比較動作を終了すると、ステップS06に進み、再び、ユニット番号Nを初期値「1」にセットし(ステップS06)、記憶部27の温度設定テーブル27aを参照して、ユニット番号N=1、すなわち、紙幣処理部24の暖機終了温度Toffを読出し、当該暖機終了温度Toffとサーミスタ6により検出した装置内温度Trとを比較し(ステップS07)、暖機終了温度Toff以上のときは、当該ユニット番号の電源、すなわち紙幣処理部24への電源供給をオフとする(ステップS08)。
【0023】
一方、装置内温度Trが暖機終了温度Toff以上でないときは、紙幣処理部24への電源供給をオフすることなく、ステップS09に進む。
【0024】
そして、全ユニットの暖機終了温度Toffとの比較動作を終了したかどうかをユニット番号Nの値に基づいて判定し(ステップS09)、まだ、全ユニットの暖機終了温度Toffとの比較動作を終了していないときは、ユニット番号Nを1加算し(ステップS10)、ステップS07に戻り、全ユニットについて同様の処理を繰り返す。
【0025】
以上の電源供給制御を行ったときの装置内温度Trの推移を図5のタイムチャート図を用いて以下詳細に説明する。なお、以下の説明では、最低動作温度Tonおよび暖機終了温度Toffが図3(b)の温度設定テーブル27aのように設定されており、装置内温度が6.5℃の状態で暖機動作を開始する例として説明する。その他の装置内温度から暖機動作を開始する場合であっても勿論よい。
【0026】
まず、主制御部20の制御により暖機動作を開始すると(タイミングt0)、装置内温度Trが6.5℃であり、温度設定テーブル27aを参照すると当該装置内温度Trはカード処理部21、通帳処理部23の最低動作温度Ton以下であるので、前述図4のステップS02の判定によりカード処理部21、通帳処理部23にてステップS03に進み、カード処理部21、通帳処理部23への電源供給がオンとなり、装置内温度Trが上昇する。このとき、比較的低温にて動作する紙幣処理部24、硬貨処理部25への電源供給はオフのままとなっている。
【0027】
そして、装置内温度Trが10℃になると(タイミングt1)、前述ステップS07の判定により紙幣処理部24の暖機終了温度Toff以上となるのでステップS08により紙幣処理部24の電源供給をオフとするが、前述のように紙幣処理部24への電源供給はオフであるので、変化はない。なお、このとき、その他のカード処理部21、通帳処理部23への電源供給は暖機終了温度Toff以上にはなっていないのでこれらはそのまま電源供給をオンとする状態が維持され、装置内温度Trは上昇する。
【0028】
そして、装置内温度Trが11℃になると(タイミングt2)、前述ステップS07の判定により硬貨処理部25の暖機終了温度Toff以上となるのでステップS08により硬貨処理部25の電源供給をオフとするが、前述のように硬貨処理部25への電源供給はオフであるので、変化はない。なお、このとき、カード処理部21、通帳処理部23の暖機終了温度Toff以上にはなっていないのでこれらはそのまま電源供給をオンとする状態が維持され、装置内温度Trは上昇する。
【0029】
そして、装置内温度Trが12℃になると(タイミングt3)、前述ステップS07の判定によりカード処理部21の暖機終了温度Toff以上となるのでステップS08によりカード処理部21の電源供給をオフとする。なお、このとき、通帳処理部23の暖機終了温度Toff以上にはなっていないので通帳処理部23はそのまま電源供給をオンとする状態が維持され、温度上昇の程度は低くなるが装置内温度Trは上昇する。
【0030】
そして、装置内温度Trが13℃になると(タイミングt4)、前述ステップS07の判定により通帳処理部23の暖機終了温度Toff以上となるのでステップS08により通帳処理部23の電源供給をオフとする。これにより、すべてのユニットへの電源供給がオフとなるので、装置内温度Trは次第に下降し始めるが、各ユニットの最低動作温度Tonまで低下するまでには、運用が開始され(タイミングt5)、装置内温度Trは再び上昇する。
【0031】
なお、例えば、通帳記帳を行わない自動取引装置1の場合では、通帳処理部23の電源供給をオフのままとし、このような場合では、カード処理部21の暖機終了温度Toff=12℃以上となったときに(タイミングt3)、全ユニットの電源供給をオフとするので、同図破線(b)のように装置内温度Trは推移する。そして、最低動作温度Tonまで低下するまでには運用が開始され(タイミングt5)、装置内温度Trは再び上昇する。
【0032】
ところで、全ユニットの電源供給をオフとし、運用を開始するまでに装置内温度Trが下降し、各ユニットの最低動作温度Ton以下なった場合は、同図一点鎖線(c)のように、前述ステップS02、S03により最低動作温度Ton以下なったユニット、本例では、通帳処理部23の最低動作温度Ton=8℃以下となったときに通帳処理部23の電源供給がオンとなり(タイミングtx1)、装置内温度Trは上昇し、その後、運用が開始され(タイミングt5)、装置内温度Trはさらに上昇する。
【0033】
以上のように、暖機が必要なユニットを確実に暖機し誤動作を発生させることがない、また、必要最小限の暖機動作を行うので暖機動作においても省電力化を実現することができる。
【0034】
なお、所定の時間帯は暖機動作を必要としない場合、例えば、運用終了後の午後9時00分〜翌午前3時00分までは暖機動作を必要としないときは、図6の変形例に示したように、暖機開始時間tstおよび暖機終了時間tendを同図(a)の時間帯設定画面G41のように設定できるようにし、決定ボタン41aの押下により同図(b)の時間帯設定テーブルのように時間帯設定テーブル27bとして記憶部27に格納するようにすれば、暖機動作を午後9時に終了し、翌日の午前3時から暖機動作を開始するようにすることができる。上記暖機開始時間tstおよび暖機終了時間tendの設定は、ユニットごとに設定できるようにしてもよい。
【0035】
その結果、不要な暖機動作をさらになくすことができるうえ、運用を開始するまでの装置内温度Trの下降もさらに最小限にすることもできる。
【0036】
この場合、暖機を全く必要としない場合は、暖機開始時刻を運用開始中の時間帯に設定してもよいし、最低動作温度Tonを60℃以上などの高い温度に設定するようにしてもよい。
【0037】
(実施例1の効果)
以上のように、実施例1の自動取引装置によれば、所定の温度以上にて動作可能な複数のユニットからなる自動取引装置において、装置内温度を検出する温度検出手段と、前記複数のユニットの最低動作温度および暖機終了温度を設定する温度設定手段と、前記ユニットごとに設定された最低動作温度および暖機終了温度を格納する設定温度テーブルを備え、前記温度検出手段にて検出した装置内温度が、当該ユニットの最低動作温度以下のときは当該ユニットへの電源供給をオンとし、当該ユニットの暖機終了温度以上のときは当該ユニットへの電源供給をオフするようにして運用開始前の暖機動作を行うようにしたので、暖機が必要なユニットを確実に暖機して誤動作を発生させることなく、かつ、暖機動作の省電力化を図ることができる。
【実施例2】
【0038】
(構成)
実施例2の自動取引装置の構成は、操作部14にて暖機時間を設定する暖機時間設定手段と、記憶部27に温度設定テーブル27aに替えて暖機時間設定テーブル27cを設けた構成となっている。その他の構成は、図1の外観斜視図および図2の制御系ブロック図に示した実施例1の構成と同様であるので簡略化のためにその詳細な説明は省略する。
【0039】
(動作)
以上の構成により、実施例2の自動取引装置1は以下のように動作する。この動作を図7の操作画面例と、図8の動作フローチャート図を用いて以下説明する。なお、図7(a)はユニット番号N=1の紙幣処理部の暖機時間設定画面例であり、図7(b)は当該設定の結果を記憶部27の暖機時間設定テーブル27cに格納した例を示す。
【0040】
まず、暖機時間を設定する暖機時間設定手段として主制御部20の制御のもと操作部14にて設定する暖機時間設定動作について図7を用いて以下説明する。
【0041】
例えば、設定番号M=1の設定温度範囲Txとして装置内温度Trが−10℃以下のときは、暖機時間taは1時間35分程度を要するとして同図(a)画面G42のように設定し、設定番号M=2の設定温度範囲Txとして装置内温度Trが−5℃以下のときは、暖機時間taは1時間10分程度を要するとして同図(a)画面G42のように設定し、設定番号M=2の設定温度範囲Txとして装置内温度Trが0℃以下のときは、暖機時間taは45分程度を要するとして同図(a)画面G42のように設定する。
【0042】
そして、決定ボタン42aを押下すると、上記紙幣処理部24の設定結果を暖機時間設定テーブル27cに格納する。同様に硬貨処理部25やカード処理部21等についても同様に行う。なお、全ユニット共通の設定温度範囲Txと暖機時間taを設定するようにしてもよい。
【0043】
次に、図8の動作フローチャート図を用いて、上記のように設定された暖機時間設定テーブル27cに基づいて実施する暖機動作を詳細に説明する。
【0044】
まず、ユニット番号N、設定番号Mを初期化する(ステップS11)。次に、N=1であるので紙幣処理部24の暖機時間テーブル27cを参照し、装置内温度Trが設定温度範囲Tx(M)、すなわち、−10℃以下かどうかを判定し(ステップS12)、−10℃以下のときは、電源供給継続タイマをta(M)、すなわち1時間35分に設定し、主制御部20の図示しないタイマを起動し紙幣処理部24への電源供給をオンとする(ステップS13)。このタイマの起動により暖機動作のための当該ユニットへの電源供給が開始され、タイマ時間経過後に暖機動作のための当該ユニットへの電源供給はオフとなる。
【0045】
一方、装置内温度Trが設定温度範囲Tx(M)に該当しないときは、全設定番号のチェックを終了したかどうかを判定し(ステップS14)、終了していないときは、Mを1加算し(ステップS15)、ステップS12に戻り、次の設定番号Mについて同様の処理を実施し、これを繰り返す。
【0046】
そして、全設定番号のチェックを終了したときは、全ユニットのチェックを終了したかどうかをユニット番号Nの値に基づいて判定し(ステップS16)、チェックを終了していないユニットがあるときは、ユニット番号Nを1加算するとともに設定番号Mを1に初期化して(ステップS17)、ステップS12に戻り、次のユニットについて同様の処理を実施する。一方、ステップS16により全ユニットのチェックを終了したと判定したときは、本暖機処理を終了する。
【0047】
(実施例2の効果)
以上のように、実施例2の自動取引装置によれば、所定の温度以上にて動作可能な複数のユニットからなる自動取引装置において、装置内温度を検出する温度検出手段と、前記ユニットごとに、前記温度検出手段にて検出した装置内温度に応じた暖機時間を設定する暖機時間設定手段と、前記設定された暖機時間を格納する暖機時間設定テーブルと、を備え、前記ユニットごとに、前記装置内温度に応じた前記暖機時間設定テーブルの暖機時間に基づいて運用開始前の暖機を行うようにしたので、簡単な制御により、実施例1の効果と同様、暖機が必要なユニットを確実に暖機して誤動作を発生させることなく、かつ、暖機動作の省電力化を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
以上述べたように、本発明は、暖機機能を備える現金自動預払機などの自動取引装置に広く用いることができる。
【符号の説明】
【0049】
1 自動取引装置
6 サーミスタ
14 操作部
20 主制御部
21 カード処理部
23 通帳処理部
24 紙幣処理部
25 硬貨処理部
27 記憶部
27a 温度設定テーブル
27b 時間設定テーブル
27c 暖機時間設定テーブル
28 電源部
Ton 最低動作温度
Toff 暖機終了温度
tst 暖機開始時間
tend 暖機終了時間
Tx 設定温度範囲
ta 暖機時間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の温度以上にて動作可能な複数のユニットからなる自動取引装置において、
装置内温度を検出する温度検出手段と、
前記複数のユニットの最低動作温度および暖機終了温度を設定する温度設定手段と、
前記ユニットごとに設定された最低動作温度および暖機終了温度を格納する設定温度テーブルを備え、
前記温度検出手段にて検出した装置内温度が、当該ユニットの最低動作温度以下のときは当該ユニットへの電源供給をオンとし、当該ユニットの暖機終了温度以上のときは当該ユニットへの電源供給をオフするようにして運用開始前の暖機動作を行うようにしたことを特徴とする自動取引装置。
【請求項2】
全ユニット共通またはユニットごとに、暖機を開始する時間および暖機を終了する時間により時間帯を設定できる時間帯設定手段と、
前記設定された時間帯を格納する時間帯設定テーブルと、を備え、
前記時間帯設定テーブルに格納された時間帯のみ前記暖機動作を行うようにしたことを特徴とする請求項1記載の自動取引装置。
【請求項3】
所定の温度以上にて動作可能な複数のユニットからなる自動取引装置において、
装置内温度を検出する温度検出手段と、
前記ユニットごとに、前記温度検出手段にて検出した装置内温度に応じた暖機時間を設定する暖機時間設定手段と、
前記設定された暖機時間を格納する暖機時間設定テーブルと、を備え、
前記ユニットごとに、前記装置内温度に応じた前記暖機時間設定テーブルの暖機時間に基づいて運用開始前の暖機を行うようにしたことを特徴とする自動取引装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−32868(P2012−32868A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−169414(P2010−169414)
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(591089556)株式会社 沖情報システムズ (276)
【Fターム(参考)】