自動取引装置
【課題】逐次投入口への投入を誘導することができる自動取引装置を提供する。
【解決手段】硬貨一括投入口と、硬貨逐次投入口と、前記硬貨逐次投入口の近傍に設けられる一又は複数の発光部と、前記硬貨一括投入口または前記硬貨逐次投入口の一方を開くよう制御し、前記硬貨逐次投入口の開閉状態に応じて、前記発光部を制御する制御部と、を備える自動取引装置。
【解決手段】硬貨一括投入口と、硬貨逐次投入口と、前記硬貨逐次投入口の近傍に設けられる一又は複数の発光部と、前記硬貨一括投入口または前記硬貨逐次投入口の一方を開くよう制御し、前記硬貨逐次投入口の開閉状態に応じて、前記発光部を制御する制御部と、を備える自動取引装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動取引装置に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、金融機関のATM(Automated teller machine)に代表される自動取引装置は、銀行、駅構内およびコンビニエンスストアなど、多様な場所に設置されている。顧客は、この自動取引装置に表示される表示画面において各種操作を行うことにより、入金、出金および残高照会などの取引を行うことができる。
【0003】
このような自動取引装置は、硬貨及び/又は紙幣を入金するための投入口を備える。硬貨及び/又は紙幣の投入口に関する技術として、例えば下記特許文献1が挙げられる。
【0004】
特許文献1では、硬貨を一枚ずつ投入させるためにスリット状の投入口(逐次投入口)を設けることが開示されている。このように硬貨を一枚ずつ投入させることで、硬貨投入口への異物混入を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3665943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の逐次投入口では、多量の硬貨を投入する場合に時間がかかり煩わしく、従来の一括で硬貨を投入できる一括投入口と選択的に利用できることが望ましい。
【0007】
また、いずれにしても逐次投入口を利用する際に、スリット状の投入口が小さいために、逐次投入口の位置が分かりにくいという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、逐次投入口への投入を誘導することが可能な、新規かつ改良された自動取引装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、硬貨一括投入口と、硬貨逐次投入口と、前記硬貨逐次投入口の近傍に設けられる一又は複数の発光部と、前記硬貨一括投入口または前記硬貨逐次投入口の一方を開くよう制御し、前記硬貨逐次投入口の開閉状態に応じて、前記発光部を制御する制御部と、を備える自動取引装置が提供される。
【0010】
また、前記制御部は、顧客により指定された硬貨投入量に応じて、前記硬貨一括投入口または硬貨逐次投入口の一方を開くよう制御してもよい。
【0011】
また、前記自動取引装置は、操作表示部を備え、前記制御部は、入金取引が選択された場合、投入する硬貨の量を入力するための入力画面を前記操作表示部に表示させ、前記制御部は、前記入力画面から入力された硬貨投入量に応じて、前記硬貨一括投入口または硬貨逐次投入口の一方を開くよう制御してもよい。
【0012】
また、前記制御部は、投入される硬貨が多量の場合に前記硬貨一括投入口を開き、投入される硬貨が少量の場合に前記逐次投入口を開いてもよい。
【0013】
また、前記制御部は、前記硬貨逐次投入口を開いている間、前記複数の発光部を順次点灯させてもよい。
【0014】
また、前記制御部は、前記複数の発光部のうち隣接する2以上の発光部の点灯時間が重複するよう前記複数の発光部を順次点灯させてもよい。
【0015】
また、前記制御部は、前記複数の発光部を繰り返し順次点灯させる際、時間経過に応じて点灯時間を短くしてもよい。
【0016】
また、前記自動取引装置は、音声出力部を備え、前記制御部は、前記硬貨逐次投入口の開閉状態に応じて、前記硬貨逐次投入口から硬貨投入を行うよう促す音声を前記音声出力部から出力させるよう前記音声出力部を制御してもよい。
【0017】
また、前記自動取引装置は、前記硬貨逐次投入口を開閉する第1のシャッタと、前記硬貨一括投入口を開閉する第2のシャッタと、を備え、前記硬貨逐次投入口は、前記第2のシャッタ上に設けられてもよい。
【0018】
また、前記自動取引装置は、前記硬貨一括投入口および前記硬貨逐次投入口から投入される硬貨を受け入れる一の硬貨受け部を備えてもよい。
【0019】
また、前記硬貨受け部には、硬貨の投入を検知するセンサが設けられ、前記制御部は、前記センサによる検知結果に応じて、前記第1または第2のシャッタの開閉を制御してもよい。
【0020】
また、前記制御部は、硬貨投入時に前記硬貨逐次投入口を開いて硬貨の投入を受け、硬貨出金時は前記硬貨一括投入口を開いて前記硬貨一括投入口から出金するよう制御してもよい。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように本発明によれば、逐次投入口への投入を誘導することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態である自動取引システムの全体構成を示した説明図である。
【図2】本発明の実施形態による自動取引装置の基本構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態による硬貨入出金口の構成を説明するための概略外観図である。
【図4】第1の実施形態における硬貨投入誘導の動作処理を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施形態における硬貨入出金口の硬貨逐次投入待ち状態を示す図である。
【図6】第1の実施形態における硬貨投入誘導の動作処理を示すフローチャートである。
【図7】第1の実施形態における硬貨入出金口の硬貨一括投入待ち状態を示す図である。
【図8】第1の実施形態における発光部の形状の一例を示す図である。
【図9】第2の実施形態による硬貨入出金口の構成を説明するための概略外観図である。
【図10】第2の実施形態の第1の点灯制御を示すタイミングチャートである。
【図11】第2の実施形態の第2の点灯制御を示すタイミングチャートである。
【図12】第2の実施形態の第3の点灯制御を示すタイミングチャートである。
【図13】第2の実施形態の第4の点灯制御を示すタイミングチャートである。
【図14】第2の実施形態における発光部の形状の一例を示す図である。
【図15】第3の実施形態の第1の動作処理を示すフローチャートである。
【図16】第3の実施形態の第2の動作処理を示すフローチャートである。
【図17】本発明の実施形態による硬貨入出金口の一例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0024】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成を、必要に応じて自動取引装置1−1a〜cのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、自動取引装置1−1a〜cを特に区別する必要が無い場合には、単に自動取引装置1−1と称する。
【0025】
また、本発明は、以下本明細書において詳細に説明するような各形態で実施され得る。ここで、本発明の実施形態による自動取引装置1は、
(A)硬貨一括投入口(17)と、
(B)硬貨逐次投入口(13)と、
(C)前記硬貨逐次投入口の近傍に設けられる一又は複数の発光部(15)と、
(D)前記硬貨一括投入口または前記硬貨逐次投入口の一方を開くよう制御し、前記硬貨逐次投入口の開閉状態に応じて、前記発光部を制御する制御部(9)と、
を備える。
【0026】
このような自動取引装置1について、まず自動取引装置1を用いた自動取引システムの概要を説明してから、各実施形態を説明する。
【0027】
<1.自動取引システムの概要>
[1−1.全体構成]
図1は、本発明の実施形態である自動取引システムの全体構成を示した説明図である。図1に示したように、自動取引システムは、複数の自動取引装置1−1a、1−1b、専用網40、および金融機関ホスト50を含む。なお、図1では、後述する第1の実施形態による自動取引装置1−1を自動取引装置の一例として複数挙げる。以下、自動取引装置1−1a〜bを各々区別する必要がないので、同一符号のみを付して説明する。図1に示す自動取引装置1−1a〜bの各構成についても同様に、同一符号のみを付して説明する。
【0028】
自動取引装置1は、金融機関の顧客による操作に基づいて金銭の取引を実行する顧客操作型端末である。この自動取引装置1は、金融機関の営業店、コンビニエンスストア、駅構内、ホテル、病院、アミューズメントパーク、飲食店、オフィスビルディングなどの多様な施設に設置される。
【0029】
専用網40は、金融機関のネットワークであり、例えばIP−VPN(Internet Protocol−Virtual Private Network)により構成される。金融機関ホスト50は、この専用網40を介して自動取引装置1と通信することができる。
【0030】
金融機関ホスト50は、専用網40を介して自動取引装置1と通信することにより、各種取引を制御する。例えば、金融機関ホスト50は、自動取引装置1を操作する顧客の認証を行ったり、自動取引装置1において顧客により指示された入金や振込などの金銭取引(勘定の取引処理)を実行したりする。また、金融機関ホスト50は、口座番号、暗証番号、氏名、住所、年齢、生年月日、電話番号、職業、家族構成、年収、預金残高などの顧客情報(口座の元帳)を管理する。
【0031】
以上、自動取引システムの全体構成について説明した。続いて、自動取引システムを構成する自動取引装置1について図2を参照して説明する。
【0032】
[1−2.基本構成]
図2は、本実施形態による自動取引装置1の構成を示すブロック図である。図2に示すように、自動取引装置1は、カード処理部2、通帳処理部3、紙幣入出金部4、硬貨入出金部5、発光部15、音声発生部6、操作表示部7、メモリ部8、制御部9、および通信部19を有する。
【0033】
カード処理部2は顧客のキャッシュカードの挿入および排出を行い、通帳処理部3は顧客の通帳の挿入および排出を行う。
【0034】
紙幣入出金部4は、顧客により紙幣入出金口20(図1参照)から投入される入金紙幣を鑑別、計数して紙幣収納部に収納する入金処理、および顧客が指定した金種、金額の紙幣を紙幣収納部から繰り出して鑑別、計数した後、紙幣入出金口20から出金する出金処理を行う。
【0035】
また、硬貨入出金部5は、硬貨入出金口10(図1参照)から顧客により投入される入金硬貨を鑑別、計数して硬貨収納部に収納する入金処理、および顧客が指定した金種、金額の硬貨を硬貨収納部から繰り出して鑑別、計数した後、硬貨入出金口10から一括して出金する出金処理を行う。なお、本実施形態による硬貨入出金部5の硬貨入出金口について、下記<2.各実施形態>において詳細に説明する。
【0036】
音声発生部6は、顧客操作を誘導するための音声をスピーカから出力する。本実施形態による音声発生部6での誘導については、下記[2−3.第3の実施形態]において詳細に説明する。
【0037】
操作表示部7は、顧客による操作の誘導画面を表示する表示部および顧客操作を検出する顧客操作部としての機能を包含する。表示部としての機能は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置により実現される。また、顧客操作部としての機能は例えばタッチパネルにより実現される。なお、図1においては表示部および顧客操作部の機能が自動取引装置1において一体的に構成される例を示しているが、表示部および顧客操作部の機能は分離して構成されてもよい。
【0038】
メモリ部8は、取引時における入力データ等を記憶する他、自動取引装置の動作を制御するための制御プログラムが格納されている。また、取引選択画面、各取引における処理ステップ毎の案内画面、および入力画面等もメモリ部8に格納されている。
【0039】
制御部9は、メモリ部8に格納されている制御プログラムに基づいて自動取引装置1の各構成を制御する。また、制御部9は、メモリ部8に格納されている画面を操作表示部7に表示して各種の取引を遂行する。このような取引の遂行に当たって、制御部9は通信部19を解して上位装置である金融機関ホスト50と通信を行い、必要な情報の授受を行う。
【0040】
また、本実施形態による制御部9は、硬貨投入操作時に、顧客により指定された硬貨投入量に応じて硬貨入出金部5を制御し、硬貨一括投入口または硬貨逐次投入口の一方を開く。また、制御部9は、硬貨逐次投入口を開く場合に、硬貨逐次投入口からの投入を誘導するために発光部15を点灯制御する。このような本実施形態の制御部9による硬貨投入操作時の制御については、下記<2.各実施形態>において詳細に説明する。
【0041】
通信部19は、専用網40を介して金融機関ホスト50と接続し、データの送受信を行う。例えば、通信部19は、取引において顧客により指示された入金や振込などの金銭取引のための情報を金融機関ホスト50に送信し、金融機関ホスト50から取引結果を受信する。
【0042】
発光部(発光体)15は、顧客による硬貨投入操作を誘導するための点灯を行う。本実施形態による発光部15は、例えばLED(Light Emitting Diode)等であってもよい。本実施形態による発光部15については、下記[2−1.第1の実施形態]〜[2−2.第2の実施形態]において詳細に説明する。
【0043】
以上、自動取引装置1について詳細に説明した。なお、本発明による実施形態は、特に上述した自動取引装置1に含まれる硬貨入出金部5の硬貨入出金口10に関する。以下、硬貨入出金口10に関し複数の実施形態を挙げて詳細に説明する。
【0044】
<2.各実施形態>
ここで説明する各実施形態の硬貨入出金口10は、基本的な構成が共通する。また、本実施形態による硬貨入出金口10は、多量の硬貨を一括で投入するための硬貨一括投入口、および硬貨を一枚若しくは数枚ずつ投入するための硬貨逐次投入口を備え、硬貨投入時には、制御部9の制御によってどちらか一方が開かれる。以下に説明する各実施形態は、特に硬貨逐次投入口が開かれた場合の硬貨投入誘導に関する。
【0045】
[2−1.第1の実施形態]
(第1の実施形態の構成)
図3は、第1の実施形態による硬貨入出金口10の構成を説明するための概略外観図である。図3に示すように、硬貨入出金口10は、硬貨受け部11、硬貨一括投入口シャッタ12、硬貨逐次投入口13、硬貨逐次投入口シャッタ14、発光部15−1、センサ16、および硬貨一括投入口17を有する。
【0046】
硬貨受け部11は、顧客により硬貨逐次投入口13または硬貨一括投入口17(硬貨受け部11の開口部)から硬貨を受け入れる。また、硬貨受け部11の最下端部には、硬貨を検知するためのセンサ16が設けられる。センサ16は、例えば図3に示すように一対の光センサであってもよい。また、硬貨受け部11の最下端部には、図示しない搬送路が設けられ、硬貨受け部11に投入された硬貨は、かかる搬送路から硬貨入出金部5内に常時搬送される。よって、センサ16は、硬貨受け部11から搬送路に搬送される硬貨が通過する箇所(例えば最下端部)に光軸を形成し、通過する硬貨により光軸が遮断されることで硬貨を検知する。
【0047】
硬貨一括投入口シャッタ12は、硬貨受け部11の開口部全体(硬貨一括投入口17)を覆う位置と開口部全体を開ける位置との間をスライド移動する部材である。硬貨一括投入口シャッタ12には、硬貨逐次投入口13、硬貨逐次投入口シャッタ14、および発光部15−1が設けられる。
【0048】
具体的には、図3に示すように、硬貨一括投入口シャッタ12のほぼ中央位置に硬貨を1枚若しくは数枚ずつ投入できる大きさの硬貨逐次投入口13が設けられる。また、かかる硬貨逐次投入口13の開口部全部を塞ぐ位置と開口部全体を開ける位置との間をスライド移動する硬貨逐次投入口シャッタ14が硬貨一括投入口シャッタ12の内側に設けられる。
【0049】
また、図3に示すように、硬貨一括投入口シャッタ12上であって、かつ硬貨逐次投入口13の近傍に、発光部15−1が設けられる。このように、本実施形態では、硬貨逐次投入口13の近傍に発光部15−1が設けられ、硬貨逐次投入口13が開口している際に発光部15−1が発光することで硬貨逐次投入口13からの投入操作を顧客に誘導することができる。なお、ここではLED等により実現される発光部15−1自体を硬貨一括投入口シャッタ12上に設ける例を説明したが、本発明による実施形態はこれに限定されない。例えば、硬貨一括投入口シャッタ12上以外の場所に設けた発光部(光源)からの光を、導光板を用いる等して導光し、図3に示すように硬貨逐次投入口13の近傍で発光させてもよい。
【0050】
以上、第1の実施形態の構成について説明した。続いて、第1の実施形態における硬貨投入誘導の動作処理について図4〜7を参照して説明する。
【0051】
(第1の実施形態の動作処理)
図4および図6は、第1の実施形態における硬貨投入誘導の動作処理を示すフローチャートである。まず、図示しないセンサが顧客を検知すると、制御部9は、操作表示部7を制御し、取引選択画面を表示させる。顧客が取引を選択し、カード処理部2にキャッシュカード、または通帳挿入部3に通帳を挿入すると、カード処理部2または通帳挿入部3は、それぞれキャッシュカードまたは通帳の磁気ストライプ等から顧客の口座情報を読み取る。制御部9は、読み取った口座情報をメモリ部8に記憶する共に、金融機関ホスト50に通信部19から送信し、口座の確認を依頼する。金融機関ホスト50で顧客の口座が確認されると、図4に示すステップS101において、制御部9は、顧客が選択した取引が入金取引か否かを判断する。選択された取引が入金取引でない場合、ステップS119において、制御部9は選択された取引を通常通り実行する。
【0052】
一方、選択された取引が入金取引の場合、ステップS103において、制御部9は、硬貨の入金枚数を確認する。具体的には、例えば制御部9は、入金枚数が10枚以下であるか否かを顧客に確認する確認画面を表示する。ここで、確認する入金枚数は運用に合わせて任意の枚数に設定される。顧客は、確認画面から入金枚数情報を入力する。なお、確認画面の具体例としては、例えば「11枚以上の硬貨入金」ボタンや、「大量硬貨入金」ボタンなどを画面に表示させる。
【0053】
次いで、入金枚数が10枚以下である場合、ステップS105およびステップS107において、制御部9は、硬貨入金部5を制御して硬貨逐次投入口シャッタ14を開くとともに、発光部15を制御して発光部15−1を点灯させる。なお、硬貨逐次投入口シャッタ14を開くタイミングと発光部15−1の点灯タイミングは、略同時でもよいし、どちらか一方が先であってもよい。このように、制御部9は、硬貨入出金口10を硬貨逐次投入待ち状態にする。ここで、硬貨入出金口10の硬貨逐次投入待ち状態を図5に示す。
【0054】
図5に示すように、硬貨逐次投入口シャッタ14が制御部9の制御によりスライド移動し、硬貨逐次投入口13が開く。そして、上述したように、硬貨逐次投入口13の近傍に設けられた発光部15−1が制御部9の制御により点灯される。このように、本実施形態では、発光部15−1を点灯させることで、硬貨逐次投入を誘導することができる。
【0055】
次いで、ステップS109において、制御部9は、センサ16の検知結果に基づき硬貨の投入があったか否かを検出する。硬貨投入がない場合、ステップS121において、制御部9は、所定時間をカウントする。ここで、カウントする所定時間は運用に合わせて任意の時間に設定される。本実施形態では、所定時間が例えば30秒に設定される。そして、30秒が経過するまでは、ステップS109に戻り、センサ16による硬貨検出を行う。30秒が経過した場合、ステップS123において、制御部9は発光部15−1を消灯する。
【0056】
次いで、制御部9は、上述したステップS109、S121、およびS125の処理をリトライするか否かを判断する。具体的には、例えばリトライ回数に基づいて判断する。ここで、リトライ回数は運用に合わせて任意の回数に設定される。本実施形態では、一例として3回に設定し、ステップS125において、制御部9は、リトライ3回以下であるか否かを判断する。リトライ3回以下である場合、制御部9は、上述したステップS109、S121、およびS125の処理をリトライする。
【0057】
一方、リトライを3回行った場合、制御部9は、ステップS127において、硬貨逐次投入口シャッタ14を閉じ、処理を終了する。
【0058】
次に、上記ステップS109において硬貨が検出された場合について説明する。硬貨の投入があった場合、ステップS111において、制御部9は硬貨逐次投入口シャッタ14を閉じる制御を行う。ここで、硬貨受け部11に投入される硬貨は、上述したように、図示しない搬送路に順次搬送されていく。よって、制御部9は、硬貨逐次投入口13からの硬貨投入が終了してから硬貨逐次投入口シャッタ14を閉じるために、例えばセンサ16による硬貨検知から所定時間経過後に、硬貨逐次投入口シャッタ14を閉じる制御を行う。
【0059】
次いで、ステップS113において、制御部9は発光部15−1を消灯する。次に、ステップ115において、硬貨入出金部5は、顧客により投入された硬貨を計数する。計数が終了すると、ステップS117において、制御部9は、硬貨の計数結果の表示し、追加投入があるかないかを確認する確認画面を操作表示部7に表示する。顧客は、追加投入のあるなしを確認画面から入力する。
【0060】
追加投入がある場合は、処理がステップS105に戻り、制御部9は、硬貨逐次投入口シャッタ14を開く。一方、追加投入がない場合は、処理が終了する。
【0061】
次に、上記ステップS103において入金枚数が10枚より多い場合の処理について図6を参照して説明する。入金枚数が10枚より多い場合、ステップS131において、制御部9は、硬貨一括投入口シャッタ12を開く。このように、制御部9は、硬貨入出金口10を硬貨一括投入待ち状態にする。
【0062】
ここで、硬貨入出金口10の硬貨一括投入待ち状態を図7に示す。図7に示すように、硬貨一括投入口シャッタ12が制御部9の制御によりスライド移動し、硬貨一括投入口17が開く。これにより、顧客は多量の硬貨を硬貨一括投入口17から投入することができる。
【0063】
次いで、ステップS133において、制御部9は、センサ16の検知結果に基づき硬貨の投入があったか否かを検出する。硬貨投入がない場合、ステップS141において、制御部9は、所定時間をカウントする。ここで、カウントする所定時間は運用に合わせて任意の時間に設定される。本実施形態では、所定時間が例えば90秒に設定される。そして、90秒が経過するまでは、ステップS133に戻り、センサ16による硬貨検出を行う。90秒が経過した場合、ステップS143において、制御部9は硬貨一括投入口シャッタ12を閉じ、処理を終了する。
【0064】
次に、上記ステップS133において硬貨が検出された場合について説明する。硬貨の投入があった場合、ステップS133において、制御部9は硬貨一括投入口シャッタ12を閉じる制御を行う。ここで、硬貨受け部11に投入される硬貨は、上述したように、図示しない搬送路に順次搬送されていく。よって、制御部9は、硬貨一括投入口17からの硬貨投入が終了してから硬貨一括投入口シャッタ12を閉じるために、例えばセンサ16による硬貨検知から所定時間経過後に、硬貨一括投入口シャッタ12を閉じる制御を行う。若しくは、制御部9は、図示しないセンサにより硬貨一括投入口17近傍における顧客の手の有無を検知し、手が硬貨一括投入口17近傍で検知されない場合に硬貨一括投入口シャッタ12を閉じる制御を行ってもよい。
【0065】
次に、ステップ137において、硬貨入出金部5は、顧客により投入された硬貨を計数する。計数が終了すると、ステップS139において、制御部9は、硬貨の計数結果の表示し、追加投入があるかないかを確認する確認画面を操作表示部7に表示する。顧客は、追加投入のあるなしを確認画面から入力する。
【0066】
追加投入がある場合は、処理がステップS131に戻り、制御部9は、硬貨一括投入口シャッタ12を開く。一方、追加投入がない場合は、処理が終了する。
【0067】
以上、本実施形態による硬貨投入誘導の動作処理について詳細に説明した。なお、紙幣投入の際の動作処理は以下のように行われる。顧客が入金紙幣を紙幣入出金口20に投入すると、制御部9は紙幣入出金口20のシャッタを閉じ、紙幣入出金部4で紙幣の計数を行う。
【0068】
そして、制御部9は、紙幣の計数結果を示し、顧客に追加投入の確認を行う。顧客の紙幣投入が終了すると、制御部9は、図示しないレシート印字部により取引内容を印字してカード処理部2からキャッシュカードとレシートを放出し、自動取引装置1を取引待ちの状態に戻す。または、制御部9は、通帳処理部3により通帳に取引内容を印字して通帳処理部3から通帳を放出し、自動取引装置1を取引待ちの状態に戻す。
【0069】
以上説明したように、本発明の第1の実施形態によれば、投入枚数に応じて硬貨逐次投入口13または硬貨一括投入口17のいずれかを開く制御を行うことで、多量の硬貨を投入する場合は一度に硬貨を投入することができ、顧客の利便性が向上する。また、少量の硬貨を投入する場合は一枚または数枚ずつ投入させるので、異物混入の恐れがない。
【0070】
さらに、第1の実施形態によれば、硬貨逐次投入口13を開いた場合に硬貨逐次投入口13の近傍に設けた発光部15−1を点灯することで硬貨逐次投入口13からの投入を誘導する。顧客は、発光部15−1の点灯により、硬貨投入の場所を瞬時に把握することができる。
【0071】
なお、上述した第1の実施形態において発光部15−1を点灯させる際、制御部9は、発光部15−1を点滅制御してもよいし、発光部15−1の発光色や輝度を変化させる制御を行ってもよい。
【0072】
また、本実施形態による発光部15−1の形状は、図1に示す例に限られない。例えば、図8に示す発光部15−2のような矢印の形状や、図示しない三角形の形状にしてもよい。これにより、発光部15による硬貨投入の誘導効果を高めることができる。
【0073】
[2−2.第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、発光部15が1つである場合を例に挙げたが、本発明による実施形態はこれに限定されず、発光部15が複数であってもよい。そこで、硬貨入出金口10に発光部15が複数設けられた場合の硬貨投入誘導に関して本発明による第2の実施形態として説明する。
【0074】
(第2の実施形態の概要)
図9は、第2の実施形態による硬貨入出金口10の構成を説明するための概略外観図である。図9では、硬貨逐次投入口シャッタ14が制御部9の制御によりスライド移動して硬貨逐次投入口13が開いた硬貨逐次投入待ち状態の硬貨入出金口10が示されている。
【0075】
また、図9に示すように、硬貨逐次投入口13の近傍には発光部15−3が複数設けられている。図9では、5つの発光部15−3a〜15−3eを示しているが、任意の数を適宜設けてよい。発光部15−3は、第1の実施形態と同様に、硬貨逐次投入口13が開かれる場合に制御部9により点灯制御される。以下、第2の実施形態の制御部9による発光部15−3a〜15−3eの点灯制御について、図10〜図13を参照して複数の実施例を説明する。
【0076】
(第2の実施形態の点灯制御)
図10は、第2の実施形態の第1の点灯制御を示すタイミングチャートである。第1の点灯制御は、図10に示すように、発光部15−3a〜15−3eを順次一定時間ずつ点灯させるサイクルを繰り返す。よって、例えば、発光部15−3aの点灯時間t1、発光部15−3bの点灯時間t2、発光部15−3cの点灯時間t3は、t1=t2=t3の関係にある。また、図10に示すように、各発光部のうち手前側(顧客側)の発光部15−3aから奥側の発光部15−3eを順次点灯させることで、誘導効果が高まる。
【0077】
図11は、第2の実施形態の第2の点灯制御を示すタイミングチャートである。第2の点灯制御は、図11に示すように、発光部15−3a〜15−3eを順次点灯させ、発光部15−3a〜15−3e全てを点灯してから同時に消灯するサイクルを繰り返す。これにより、隣接する2以上の発光部15−3の点灯時間が重複する。具体的には、例えば、発光部15−3aの点灯時間をt4、発光部15−3bの点灯時間をt5、発光部15−3cの点灯時間をt6とした場合、各点灯時間はt4>t5>t6の関係にある。また、図11に示す第2の点灯制御は、第1の点灯制御と同様に、各発光部において手前側から奥側に順次点灯を開始させることで誘導効果が高まる。
【0078】
上記第1および第2の点灯制御では、硬貨逐次投入口13からの硬貨投入待ちの間、上述した点灯制御が繰り返される。この他、硬貨投入待ちの時間経過に応じて点灯時間を短くすることで、誘導効果をさらに高めることができる。このような点灯制御について、以下、図12〜図13を参照して説明する。
【0079】
図12は、第2の実施形態の第3の点灯制御を示すタイミングチャートである。第3の点灯制御は、図12に示すように、発光部15−3aから発光部15−3eを順次点灯する時間を、点灯制御を繰り返す毎に短くする。よって、例えば1回目の発光部15−3aから発光部15−3eを順次点灯する時間t7、2回目の発光部15−3aから発光部15−3eを順次点灯する時間t8、3回目の発光部15−3aから発光部15−3eを順次点灯する時間t9は、t7>t8>t9の関係にある。このように、発光部15−3aから発光部15−3eを順次点灯する時間(点灯サイクル周期)を、繰り返す毎に短くすることで、誘導効果をさらに高めることができる。また、図12に示す第3の点灯制御は、上述した点灯制御と同様に、各発光部において手前側から奥側に順次点灯させることで誘導効果が高まる。
【0080】
図13は、第2の実施形態の第4の点灯制御を示すタイミングチャートである。第4の点灯制御は、図13に示すように、発光部15−3a〜15−3eを順次点灯させる制御を繰り返す場合に、各発光部における点灯時間を短くする。よって、例えば、発光部15−3aの点灯時間t10、発光部15−3bの点灯時間t11、発光部15−3cの点灯時間t12は、t10>t11>t12の関係にある。このように、各発光部の点灯時間を時間経過に伴って徐々に短くすることで、誘導効果をさらに高めることができる。また、図13に示す第4の点灯制御は、上述した点灯制御と同様に、各発光部において手前側から奥側に順次点灯させることで誘導効果が高まる。
【0081】
以上説明したように、本発明の第2の実施形態によれば、発光部15を複数設けることで、硬貨逐次投入の誘導効果をさらに高める点灯制御を実現することができる。また、本実施形態による発光部15の形状は、図9に示す例に限られない。例えば、図14に示す発光部15−4のような三角形の形状や、図示しない矢印の形状にしてもよい。これにより、発光部15による硬貨投入の誘導効果をより一層高めることができる。
【0082】
なお、上記第2の実施形態では、LED等により実現される発光部15自体を硬貨一括投入口シャッタ12上に設ける例を説明したが、本発明による実施形態はこれに限定されない。例えば、硬貨一括投入口シャッタ12上以外の場所に設けた発光部(光源)からの光を、導光板を用いる等して導光し、図9に示すように硬貨逐次投入口13の近傍で発光させてもよい。
【0083】
[2−3.第3の実施形態]
上記第1および第2の実施形態では、硬貨逐次投入を誘導するために発光部15を点灯することを説明したが、硬貨逐次投入の誘導は発光部15の点灯のみに限られない。例えば、発光部15の点灯に加えて音声誘導を行ってもよい。そこで、発光部15の点灯に加えて音声誘導を行う場合に関して本発明による第3の実施形態として説明する。
【0084】
(第3の実施形態の概要)
本実施形態による音声誘導は、制御部9によって図2に示す音声発生部6が制御され、硬貨投入の誘導を行うための音声が出力される。以下、このような音声誘導に関して図15〜図16を参照して複数の実施例を説明する。
【0085】
(第3の実施形態の動作処理)
図15は、第3の実施形態の第1の動作処理を示すフローチャートである。ここで、図15に示すステップのうち、上記第1の実施形態の動作処理で説明した図4に示すステップと異なる点について説明する。
【0086】
本実施形態では、制御部9によって硬貨逐次投入口シャッタ14が開かれて発光部15の点灯制御が行われると共に、ステップ209において、制御部9によって音声誘導制御が行われる。具体的には、制御部9は、音声発生部6から「操作画面左上のスリット状の穴から硬貨を投入してください。」等の音声を出力させることで、顧客に硬貨の投入を促す。このように、顧客が少量の硬貨を投入させる硬貨逐次投入口13が小さく、分かり難い場合でも、音声出力により誘導することで、顧客の利便性が向上する。
【0087】
図16は、第3の実施形態の第2の動作処理を示すフローチャートである。第2の動作処理では、硬貨投入待ちのリトライ回数に応じて音声誘導の音量を大きくする。
【0088】
具体的には、まず、ステップS309において、1回目の音声誘導が音声ボリューム1で出力される。次いで、ステップS311において硬貨が検出されず、ステップS323において30秒経過し、ステップS325において発光部15を消灯した後、ステップS327においてリトライ3回以下と判断されると、ステップS307に戻る。
【0089】
続いて、ステップS307において発光部15を点灯すると共に、ステップS309において、2回目の音声誘導が音声ボリューム2で出力される。このように、リトライ回数ごとに音声ボリュームを上げることで、さらに誘導効果を高めることができる。
【0090】
なお、図16では音量についてボリューム1〜3と表記したが、本実施形態はこれに限定されず、例えば1回目のボリュームを適宜設定し、リトライ回数に応じてボリュームを徐々に大きくしてもよい。
【0091】
以上説明したように、第3の実施形態においては、発光部15の点灯制御に加えて誘導制御を行うことで、硬貨逐次投入の誘導効果を高めることができる。
【0092】
なお、第3の実施形態における音声制御処理は、上記第1の実施形態による点灯制御、および第2の実施形態による各点灯制御の少なくともいずれかと組み合わせてもよい。
【0093】
また、例えば、本実施形態による制御部9は、上記第2の実施形態による第3の点灯制御と組み合わせ、発光部15−3a〜15−3eの点灯サイクル周期を短くするにつれて音声誘導のボリュームを徐々に大きくする制御を行ってもよい。これにより、硬貨逐次投入の誘導効果をより一層高めることができる。
【0094】
<3.まとめ>
以上説明したように、本発明の第1の実施形態によれば、投入枚数に応じて硬貨逐次投入口13または硬貨一括投入口17のいずれかを開く制御を行うことで、多量の硬貨を投入する場合は一度に硬貨を投入することができ、顧客の利便性が向上する。また、少量の硬貨を投入する場合は一枚または数枚ずつ投入させるので、異物混入の恐れがない。
【0095】
さらに、第1の実施形態によれば、硬貨逐次投入口13を開いた場合に硬貨逐次投入口13の近傍に設けた発光部15を点灯することで硬貨逐次投入口13からの投入を誘導することができる。
【0096】
また、本発明の第2の実施形態によれば、硬貨逐次投入口13の近傍に複数の発光部15を設け、各発光部を順次点灯制御することで、硬貨逐次投入の誘導の効果をより高めることができる。なお、第2の実施形態では、複数の発光部15を手前側から奥側に順次点灯させたが、本発明による第2の実施形態はこれに限定されず、他の点灯/点滅パタンによって誘導効果を高めてもよい。例えば、複数の発光部15を奥側から手前側に点灯、中央から奥側および手前側に点灯、奥側と手前側から中央に点灯、またはランダム点灯等させてもよい。
【0097】
また、本発明の第3の実施形態によれば、発光部15の点灯に加えて、投入を誘導する音声出力を行うことで、硬貨逐次投入の誘導の硬貨をさらに一層高めることができる。
【0098】
なお、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0099】
例えば、上述した各実施形態では、硬貨逐次投入口13が硬貨一括投入口シャッタ12上に設けられているが、本発明による実施形態はこれに限定されない。例えば、硬貨逐次投入口13は、硬貨一括投入口17の近傍に設けられ、硬貨逐次投入口13から硬貨受け部11に硬貨が投入される構成であってもよい。
【0100】
また、硬貨逐次投入口13が硬貨一括投入口17の近傍に設けられる場合、各投入口に対応するよう硬貨受け部が設けられてもよい。以下、図17を参照して具体的に説明する。
【0101】
図17は、本発明の実施形態による硬貨入出金口30について説明するための図である。図17左に示すように、硬貨入出金口30は、硬貨逐次投入口33から硬貨が投入される硬貨受け部31、および硬貨一括投入口37から硬貨が投入される硬貨受け部35を有する。硬貨逐次投入口33の近傍には、発光部15−1が設けられる。なお、硬貨受け部31および硬貨受け部35は、上述した各実施形態と同様に、図示しない搬送路から投入された硬貨を硬貨処理部5内に搬送する。
【0102】
このような構成を有する硬貨入出金口30の硬貨一括投入待ち状態を図17右上に示す。図17右上に示すように、硬貨一括投入待ち状態では、硬貨一括投入口シャッタ32が制御部9の制御によりスライド移動し、硬貨受け部35の開口部全体(硬貨一括投入口37)が開く。これにより、顧客は多量の硬貨を一度に投入することができる。
【0103】
一方、硬貨入出金口30の硬貨逐次投入待ち状態を図17右下に示す。図17右下に示すように、硬貨逐次投入待ち状態では、硬貨逐次投入口シャッタ34が制御部9の制御によりスライド移動し、硬貨逐次投入口33が開き、併せて発光部15−1が点灯する。これにより、顧客は少量の硬貨を硬貨逐次投入口33から投入することができる。
【0104】
また、本発明の実施形態による硬貨入出金口は、硬貨逐次投入口13および発光部15が設けられた硬貨一括投入口シャッタ12、および硬貨一括投入口シャッタ12上に設けられるスライド移動式のメインシャッタを有する構成であってもよい。この場合、硬貨一括投入時には、メインシャッタおよび硬貨一括投入口シャッタ12が制御部9の制御によりスライド移動して硬貨受け部11の開口部全体が開く。また、硬貨逐次投入待ち状態では、メインシャッタのみが制御部9の制御によりスライド移動して硬貨逐次投入口13が開き、発光部15が点灯/点滅する。このように、硬貨逐次投入の際に発光部15の点灯/点滅に加え、メインシャッタが開く動作が加わるので、より注意喚起を促すことができ、誘導効果が高まる。
【0105】
また、上述した各実施形態では、硬貨受け部11の開口部全体(硬貨一括投入口37)からも硬貨投入できる設定の自動取引装置を前提として説明したが、本発明による実施形態はこれに限定されない。例えば、硬貨入金は全て硬貨逐次投入口13から行い、硬貨受け部11の開口部全体(硬貨一括投入口37)は硬貨出金のためだけに利用する設定の自動取引装置に本発明を適用してもよい。
【0106】
また、本明細書の自動取引装置における処理を示す各ステップは、必ずしも図示された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、図4に示すステップS105およびS107は、同時に処理されてもよい。
【0107】
また、図2のブロック図で示した、自動取引装置1の各機能ブロックの処理を、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などのハードウェアで実現することができる。また、これらハードウェアを、自動取引装置1の各機能ブロックと同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信してもよい。
【符号の説明】
【0108】
1 自動取引装置
2 カード処理部
3 通帳処理部
4 紙幣入出金部
5 硬貨入出金部
6 音声発生部
7 操作表示部
8 メモリ部
9 制御部
10 硬貨入出金口
11 硬貨受け部
12 硬貨一括投入口シャッタ
13 硬貨逐次投入口
14 硬貨逐次投入口シャッタ
15、15−1〜15−4 発光部
16 センサ
17 硬貨一括投入口
19 通信部
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動取引装置に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、金融機関のATM(Automated teller machine)に代表される自動取引装置は、銀行、駅構内およびコンビニエンスストアなど、多様な場所に設置されている。顧客は、この自動取引装置に表示される表示画面において各種操作を行うことにより、入金、出金および残高照会などの取引を行うことができる。
【0003】
このような自動取引装置は、硬貨及び/又は紙幣を入金するための投入口を備える。硬貨及び/又は紙幣の投入口に関する技術として、例えば下記特許文献1が挙げられる。
【0004】
特許文献1では、硬貨を一枚ずつ投入させるためにスリット状の投入口(逐次投入口)を設けることが開示されている。このように硬貨を一枚ずつ投入させることで、硬貨投入口への異物混入を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3665943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の逐次投入口では、多量の硬貨を投入する場合に時間がかかり煩わしく、従来の一括で硬貨を投入できる一括投入口と選択的に利用できることが望ましい。
【0007】
また、いずれにしても逐次投入口を利用する際に、スリット状の投入口が小さいために、逐次投入口の位置が分かりにくいという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、逐次投入口への投入を誘導することが可能な、新規かつ改良された自動取引装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、硬貨一括投入口と、硬貨逐次投入口と、前記硬貨逐次投入口の近傍に設けられる一又は複数の発光部と、前記硬貨一括投入口または前記硬貨逐次投入口の一方を開くよう制御し、前記硬貨逐次投入口の開閉状態に応じて、前記発光部を制御する制御部と、を備える自動取引装置が提供される。
【0010】
また、前記制御部は、顧客により指定された硬貨投入量に応じて、前記硬貨一括投入口または硬貨逐次投入口の一方を開くよう制御してもよい。
【0011】
また、前記自動取引装置は、操作表示部を備え、前記制御部は、入金取引が選択された場合、投入する硬貨の量を入力するための入力画面を前記操作表示部に表示させ、前記制御部は、前記入力画面から入力された硬貨投入量に応じて、前記硬貨一括投入口または硬貨逐次投入口の一方を開くよう制御してもよい。
【0012】
また、前記制御部は、投入される硬貨が多量の場合に前記硬貨一括投入口を開き、投入される硬貨が少量の場合に前記逐次投入口を開いてもよい。
【0013】
また、前記制御部は、前記硬貨逐次投入口を開いている間、前記複数の発光部を順次点灯させてもよい。
【0014】
また、前記制御部は、前記複数の発光部のうち隣接する2以上の発光部の点灯時間が重複するよう前記複数の発光部を順次点灯させてもよい。
【0015】
また、前記制御部は、前記複数の発光部を繰り返し順次点灯させる際、時間経過に応じて点灯時間を短くしてもよい。
【0016】
また、前記自動取引装置は、音声出力部を備え、前記制御部は、前記硬貨逐次投入口の開閉状態に応じて、前記硬貨逐次投入口から硬貨投入を行うよう促す音声を前記音声出力部から出力させるよう前記音声出力部を制御してもよい。
【0017】
また、前記自動取引装置は、前記硬貨逐次投入口を開閉する第1のシャッタと、前記硬貨一括投入口を開閉する第2のシャッタと、を備え、前記硬貨逐次投入口は、前記第2のシャッタ上に設けられてもよい。
【0018】
また、前記自動取引装置は、前記硬貨一括投入口および前記硬貨逐次投入口から投入される硬貨を受け入れる一の硬貨受け部を備えてもよい。
【0019】
また、前記硬貨受け部には、硬貨の投入を検知するセンサが設けられ、前記制御部は、前記センサによる検知結果に応じて、前記第1または第2のシャッタの開閉を制御してもよい。
【0020】
また、前記制御部は、硬貨投入時に前記硬貨逐次投入口を開いて硬貨の投入を受け、硬貨出金時は前記硬貨一括投入口を開いて前記硬貨一括投入口から出金するよう制御してもよい。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように本発明によれば、逐次投入口への投入を誘導することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態である自動取引システムの全体構成を示した説明図である。
【図2】本発明の実施形態による自動取引装置の基本構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態による硬貨入出金口の構成を説明するための概略外観図である。
【図4】第1の実施形態における硬貨投入誘導の動作処理を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施形態における硬貨入出金口の硬貨逐次投入待ち状態を示す図である。
【図6】第1の実施形態における硬貨投入誘導の動作処理を示すフローチャートである。
【図7】第1の実施形態における硬貨入出金口の硬貨一括投入待ち状態を示す図である。
【図8】第1の実施形態における発光部の形状の一例を示す図である。
【図9】第2の実施形態による硬貨入出金口の構成を説明するための概略外観図である。
【図10】第2の実施形態の第1の点灯制御を示すタイミングチャートである。
【図11】第2の実施形態の第2の点灯制御を示すタイミングチャートである。
【図12】第2の実施形態の第3の点灯制御を示すタイミングチャートである。
【図13】第2の実施形態の第4の点灯制御を示すタイミングチャートである。
【図14】第2の実施形態における発光部の形状の一例を示す図である。
【図15】第3の実施形態の第1の動作処理を示すフローチャートである。
【図16】第3の実施形態の第2の動作処理を示すフローチャートである。
【図17】本発明の実施形態による硬貨入出金口の一例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0024】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成を、必要に応じて自動取引装置1−1a〜cのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、自動取引装置1−1a〜cを特に区別する必要が無い場合には、単に自動取引装置1−1と称する。
【0025】
また、本発明は、以下本明細書において詳細に説明するような各形態で実施され得る。ここで、本発明の実施形態による自動取引装置1は、
(A)硬貨一括投入口(17)と、
(B)硬貨逐次投入口(13)と、
(C)前記硬貨逐次投入口の近傍に設けられる一又は複数の発光部(15)と、
(D)前記硬貨一括投入口または前記硬貨逐次投入口の一方を開くよう制御し、前記硬貨逐次投入口の開閉状態に応じて、前記発光部を制御する制御部(9)と、
を備える。
【0026】
このような自動取引装置1について、まず自動取引装置1を用いた自動取引システムの概要を説明してから、各実施形態を説明する。
【0027】
<1.自動取引システムの概要>
[1−1.全体構成]
図1は、本発明の実施形態である自動取引システムの全体構成を示した説明図である。図1に示したように、自動取引システムは、複数の自動取引装置1−1a、1−1b、専用網40、および金融機関ホスト50を含む。なお、図1では、後述する第1の実施形態による自動取引装置1−1を自動取引装置の一例として複数挙げる。以下、自動取引装置1−1a〜bを各々区別する必要がないので、同一符号のみを付して説明する。図1に示す自動取引装置1−1a〜bの各構成についても同様に、同一符号のみを付して説明する。
【0028】
自動取引装置1は、金融機関の顧客による操作に基づいて金銭の取引を実行する顧客操作型端末である。この自動取引装置1は、金融機関の営業店、コンビニエンスストア、駅構内、ホテル、病院、アミューズメントパーク、飲食店、オフィスビルディングなどの多様な施設に設置される。
【0029】
専用網40は、金融機関のネットワークであり、例えばIP−VPN(Internet Protocol−Virtual Private Network)により構成される。金融機関ホスト50は、この専用網40を介して自動取引装置1と通信することができる。
【0030】
金融機関ホスト50は、専用網40を介して自動取引装置1と通信することにより、各種取引を制御する。例えば、金融機関ホスト50は、自動取引装置1を操作する顧客の認証を行ったり、自動取引装置1において顧客により指示された入金や振込などの金銭取引(勘定の取引処理)を実行したりする。また、金融機関ホスト50は、口座番号、暗証番号、氏名、住所、年齢、生年月日、電話番号、職業、家族構成、年収、預金残高などの顧客情報(口座の元帳)を管理する。
【0031】
以上、自動取引システムの全体構成について説明した。続いて、自動取引システムを構成する自動取引装置1について図2を参照して説明する。
【0032】
[1−2.基本構成]
図2は、本実施形態による自動取引装置1の構成を示すブロック図である。図2に示すように、自動取引装置1は、カード処理部2、通帳処理部3、紙幣入出金部4、硬貨入出金部5、発光部15、音声発生部6、操作表示部7、メモリ部8、制御部9、および通信部19を有する。
【0033】
カード処理部2は顧客のキャッシュカードの挿入および排出を行い、通帳処理部3は顧客の通帳の挿入および排出を行う。
【0034】
紙幣入出金部4は、顧客により紙幣入出金口20(図1参照)から投入される入金紙幣を鑑別、計数して紙幣収納部に収納する入金処理、および顧客が指定した金種、金額の紙幣を紙幣収納部から繰り出して鑑別、計数した後、紙幣入出金口20から出金する出金処理を行う。
【0035】
また、硬貨入出金部5は、硬貨入出金口10(図1参照)から顧客により投入される入金硬貨を鑑別、計数して硬貨収納部に収納する入金処理、および顧客が指定した金種、金額の硬貨を硬貨収納部から繰り出して鑑別、計数した後、硬貨入出金口10から一括して出金する出金処理を行う。なお、本実施形態による硬貨入出金部5の硬貨入出金口について、下記<2.各実施形態>において詳細に説明する。
【0036】
音声発生部6は、顧客操作を誘導するための音声をスピーカから出力する。本実施形態による音声発生部6での誘導については、下記[2−3.第3の実施形態]において詳細に説明する。
【0037】
操作表示部7は、顧客による操作の誘導画面を表示する表示部および顧客操作を検出する顧客操作部としての機能を包含する。表示部としての機能は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置により実現される。また、顧客操作部としての機能は例えばタッチパネルにより実現される。なお、図1においては表示部および顧客操作部の機能が自動取引装置1において一体的に構成される例を示しているが、表示部および顧客操作部の機能は分離して構成されてもよい。
【0038】
メモリ部8は、取引時における入力データ等を記憶する他、自動取引装置の動作を制御するための制御プログラムが格納されている。また、取引選択画面、各取引における処理ステップ毎の案内画面、および入力画面等もメモリ部8に格納されている。
【0039】
制御部9は、メモリ部8に格納されている制御プログラムに基づいて自動取引装置1の各構成を制御する。また、制御部9は、メモリ部8に格納されている画面を操作表示部7に表示して各種の取引を遂行する。このような取引の遂行に当たって、制御部9は通信部19を解して上位装置である金融機関ホスト50と通信を行い、必要な情報の授受を行う。
【0040】
また、本実施形態による制御部9は、硬貨投入操作時に、顧客により指定された硬貨投入量に応じて硬貨入出金部5を制御し、硬貨一括投入口または硬貨逐次投入口の一方を開く。また、制御部9は、硬貨逐次投入口を開く場合に、硬貨逐次投入口からの投入を誘導するために発光部15を点灯制御する。このような本実施形態の制御部9による硬貨投入操作時の制御については、下記<2.各実施形態>において詳細に説明する。
【0041】
通信部19は、専用網40を介して金融機関ホスト50と接続し、データの送受信を行う。例えば、通信部19は、取引において顧客により指示された入金や振込などの金銭取引のための情報を金融機関ホスト50に送信し、金融機関ホスト50から取引結果を受信する。
【0042】
発光部(発光体)15は、顧客による硬貨投入操作を誘導するための点灯を行う。本実施形態による発光部15は、例えばLED(Light Emitting Diode)等であってもよい。本実施形態による発光部15については、下記[2−1.第1の実施形態]〜[2−2.第2の実施形態]において詳細に説明する。
【0043】
以上、自動取引装置1について詳細に説明した。なお、本発明による実施形態は、特に上述した自動取引装置1に含まれる硬貨入出金部5の硬貨入出金口10に関する。以下、硬貨入出金口10に関し複数の実施形態を挙げて詳細に説明する。
【0044】
<2.各実施形態>
ここで説明する各実施形態の硬貨入出金口10は、基本的な構成が共通する。また、本実施形態による硬貨入出金口10は、多量の硬貨を一括で投入するための硬貨一括投入口、および硬貨を一枚若しくは数枚ずつ投入するための硬貨逐次投入口を備え、硬貨投入時には、制御部9の制御によってどちらか一方が開かれる。以下に説明する各実施形態は、特に硬貨逐次投入口が開かれた場合の硬貨投入誘導に関する。
【0045】
[2−1.第1の実施形態]
(第1の実施形態の構成)
図3は、第1の実施形態による硬貨入出金口10の構成を説明するための概略外観図である。図3に示すように、硬貨入出金口10は、硬貨受け部11、硬貨一括投入口シャッタ12、硬貨逐次投入口13、硬貨逐次投入口シャッタ14、発光部15−1、センサ16、および硬貨一括投入口17を有する。
【0046】
硬貨受け部11は、顧客により硬貨逐次投入口13または硬貨一括投入口17(硬貨受け部11の開口部)から硬貨を受け入れる。また、硬貨受け部11の最下端部には、硬貨を検知するためのセンサ16が設けられる。センサ16は、例えば図3に示すように一対の光センサであってもよい。また、硬貨受け部11の最下端部には、図示しない搬送路が設けられ、硬貨受け部11に投入された硬貨は、かかる搬送路から硬貨入出金部5内に常時搬送される。よって、センサ16は、硬貨受け部11から搬送路に搬送される硬貨が通過する箇所(例えば最下端部)に光軸を形成し、通過する硬貨により光軸が遮断されることで硬貨を検知する。
【0047】
硬貨一括投入口シャッタ12は、硬貨受け部11の開口部全体(硬貨一括投入口17)を覆う位置と開口部全体を開ける位置との間をスライド移動する部材である。硬貨一括投入口シャッタ12には、硬貨逐次投入口13、硬貨逐次投入口シャッタ14、および発光部15−1が設けられる。
【0048】
具体的には、図3に示すように、硬貨一括投入口シャッタ12のほぼ中央位置に硬貨を1枚若しくは数枚ずつ投入できる大きさの硬貨逐次投入口13が設けられる。また、かかる硬貨逐次投入口13の開口部全部を塞ぐ位置と開口部全体を開ける位置との間をスライド移動する硬貨逐次投入口シャッタ14が硬貨一括投入口シャッタ12の内側に設けられる。
【0049】
また、図3に示すように、硬貨一括投入口シャッタ12上であって、かつ硬貨逐次投入口13の近傍に、発光部15−1が設けられる。このように、本実施形態では、硬貨逐次投入口13の近傍に発光部15−1が設けられ、硬貨逐次投入口13が開口している際に発光部15−1が発光することで硬貨逐次投入口13からの投入操作を顧客に誘導することができる。なお、ここではLED等により実現される発光部15−1自体を硬貨一括投入口シャッタ12上に設ける例を説明したが、本発明による実施形態はこれに限定されない。例えば、硬貨一括投入口シャッタ12上以外の場所に設けた発光部(光源)からの光を、導光板を用いる等して導光し、図3に示すように硬貨逐次投入口13の近傍で発光させてもよい。
【0050】
以上、第1の実施形態の構成について説明した。続いて、第1の実施形態における硬貨投入誘導の動作処理について図4〜7を参照して説明する。
【0051】
(第1の実施形態の動作処理)
図4および図6は、第1の実施形態における硬貨投入誘導の動作処理を示すフローチャートである。まず、図示しないセンサが顧客を検知すると、制御部9は、操作表示部7を制御し、取引選択画面を表示させる。顧客が取引を選択し、カード処理部2にキャッシュカード、または通帳挿入部3に通帳を挿入すると、カード処理部2または通帳挿入部3は、それぞれキャッシュカードまたは通帳の磁気ストライプ等から顧客の口座情報を読み取る。制御部9は、読み取った口座情報をメモリ部8に記憶する共に、金融機関ホスト50に通信部19から送信し、口座の確認を依頼する。金融機関ホスト50で顧客の口座が確認されると、図4に示すステップS101において、制御部9は、顧客が選択した取引が入金取引か否かを判断する。選択された取引が入金取引でない場合、ステップS119において、制御部9は選択された取引を通常通り実行する。
【0052】
一方、選択された取引が入金取引の場合、ステップS103において、制御部9は、硬貨の入金枚数を確認する。具体的には、例えば制御部9は、入金枚数が10枚以下であるか否かを顧客に確認する確認画面を表示する。ここで、確認する入金枚数は運用に合わせて任意の枚数に設定される。顧客は、確認画面から入金枚数情報を入力する。なお、確認画面の具体例としては、例えば「11枚以上の硬貨入金」ボタンや、「大量硬貨入金」ボタンなどを画面に表示させる。
【0053】
次いで、入金枚数が10枚以下である場合、ステップS105およびステップS107において、制御部9は、硬貨入金部5を制御して硬貨逐次投入口シャッタ14を開くとともに、発光部15を制御して発光部15−1を点灯させる。なお、硬貨逐次投入口シャッタ14を開くタイミングと発光部15−1の点灯タイミングは、略同時でもよいし、どちらか一方が先であってもよい。このように、制御部9は、硬貨入出金口10を硬貨逐次投入待ち状態にする。ここで、硬貨入出金口10の硬貨逐次投入待ち状態を図5に示す。
【0054】
図5に示すように、硬貨逐次投入口シャッタ14が制御部9の制御によりスライド移動し、硬貨逐次投入口13が開く。そして、上述したように、硬貨逐次投入口13の近傍に設けられた発光部15−1が制御部9の制御により点灯される。このように、本実施形態では、発光部15−1を点灯させることで、硬貨逐次投入を誘導することができる。
【0055】
次いで、ステップS109において、制御部9は、センサ16の検知結果に基づき硬貨の投入があったか否かを検出する。硬貨投入がない場合、ステップS121において、制御部9は、所定時間をカウントする。ここで、カウントする所定時間は運用に合わせて任意の時間に設定される。本実施形態では、所定時間が例えば30秒に設定される。そして、30秒が経過するまでは、ステップS109に戻り、センサ16による硬貨検出を行う。30秒が経過した場合、ステップS123において、制御部9は発光部15−1を消灯する。
【0056】
次いで、制御部9は、上述したステップS109、S121、およびS125の処理をリトライするか否かを判断する。具体的には、例えばリトライ回数に基づいて判断する。ここで、リトライ回数は運用に合わせて任意の回数に設定される。本実施形態では、一例として3回に設定し、ステップS125において、制御部9は、リトライ3回以下であるか否かを判断する。リトライ3回以下である場合、制御部9は、上述したステップS109、S121、およびS125の処理をリトライする。
【0057】
一方、リトライを3回行った場合、制御部9は、ステップS127において、硬貨逐次投入口シャッタ14を閉じ、処理を終了する。
【0058】
次に、上記ステップS109において硬貨が検出された場合について説明する。硬貨の投入があった場合、ステップS111において、制御部9は硬貨逐次投入口シャッタ14を閉じる制御を行う。ここで、硬貨受け部11に投入される硬貨は、上述したように、図示しない搬送路に順次搬送されていく。よって、制御部9は、硬貨逐次投入口13からの硬貨投入が終了してから硬貨逐次投入口シャッタ14を閉じるために、例えばセンサ16による硬貨検知から所定時間経過後に、硬貨逐次投入口シャッタ14を閉じる制御を行う。
【0059】
次いで、ステップS113において、制御部9は発光部15−1を消灯する。次に、ステップ115において、硬貨入出金部5は、顧客により投入された硬貨を計数する。計数が終了すると、ステップS117において、制御部9は、硬貨の計数結果の表示し、追加投入があるかないかを確認する確認画面を操作表示部7に表示する。顧客は、追加投入のあるなしを確認画面から入力する。
【0060】
追加投入がある場合は、処理がステップS105に戻り、制御部9は、硬貨逐次投入口シャッタ14を開く。一方、追加投入がない場合は、処理が終了する。
【0061】
次に、上記ステップS103において入金枚数が10枚より多い場合の処理について図6を参照して説明する。入金枚数が10枚より多い場合、ステップS131において、制御部9は、硬貨一括投入口シャッタ12を開く。このように、制御部9は、硬貨入出金口10を硬貨一括投入待ち状態にする。
【0062】
ここで、硬貨入出金口10の硬貨一括投入待ち状態を図7に示す。図7に示すように、硬貨一括投入口シャッタ12が制御部9の制御によりスライド移動し、硬貨一括投入口17が開く。これにより、顧客は多量の硬貨を硬貨一括投入口17から投入することができる。
【0063】
次いで、ステップS133において、制御部9は、センサ16の検知結果に基づき硬貨の投入があったか否かを検出する。硬貨投入がない場合、ステップS141において、制御部9は、所定時間をカウントする。ここで、カウントする所定時間は運用に合わせて任意の時間に設定される。本実施形態では、所定時間が例えば90秒に設定される。そして、90秒が経過するまでは、ステップS133に戻り、センサ16による硬貨検出を行う。90秒が経過した場合、ステップS143において、制御部9は硬貨一括投入口シャッタ12を閉じ、処理を終了する。
【0064】
次に、上記ステップS133において硬貨が検出された場合について説明する。硬貨の投入があった場合、ステップS133において、制御部9は硬貨一括投入口シャッタ12を閉じる制御を行う。ここで、硬貨受け部11に投入される硬貨は、上述したように、図示しない搬送路に順次搬送されていく。よって、制御部9は、硬貨一括投入口17からの硬貨投入が終了してから硬貨一括投入口シャッタ12を閉じるために、例えばセンサ16による硬貨検知から所定時間経過後に、硬貨一括投入口シャッタ12を閉じる制御を行う。若しくは、制御部9は、図示しないセンサにより硬貨一括投入口17近傍における顧客の手の有無を検知し、手が硬貨一括投入口17近傍で検知されない場合に硬貨一括投入口シャッタ12を閉じる制御を行ってもよい。
【0065】
次に、ステップ137において、硬貨入出金部5は、顧客により投入された硬貨を計数する。計数が終了すると、ステップS139において、制御部9は、硬貨の計数結果の表示し、追加投入があるかないかを確認する確認画面を操作表示部7に表示する。顧客は、追加投入のあるなしを確認画面から入力する。
【0066】
追加投入がある場合は、処理がステップS131に戻り、制御部9は、硬貨一括投入口シャッタ12を開く。一方、追加投入がない場合は、処理が終了する。
【0067】
以上、本実施形態による硬貨投入誘導の動作処理について詳細に説明した。なお、紙幣投入の際の動作処理は以下のように行われる。顧客が入金紙幣を紙幣入出金口20に投入すると、制御部9は紙幣入出金口20のシャッタを閉じ、紙幣入出金部4で紙幣の計数を行う。
【0068】
そして、制御部9は、紙幣の計数結果を示し、顧客に追加投入の確認を行う。顧客の紙幣投入が終了すると、制御部9は、図示しないレシート印字部により取引内容を印字してカード処理部2からキャッシュカードとレシートを放出し、自動取引装置1を取引待ちの状態に戻す。または、制御部9は、通帳処理部3により通帳に取引内容を印字して通帳処理部3から通帳を放出し、自動取引装置1を取引待ちの状態に戻す。
【0069】
以上説明したように、本発明の第1の実施形態によれば、投入枚数に応じて硬貨逐次投入口13または硬貨一括投入口17のいずれかを開く制御を行うことで、多量の硬貨を投入する場合は一度に硬貨を投入することができ、顧客の利便性が向上する。また、少量の硬貨を投入する場合は一枚または数枚ずつ投入させるので、異物混入の恐れがない。
【0070】
さらに、第1の実施形態によれば、硬貨逐次投入口13を開いた場合に硬貨逐次投入口13の近傍に設けた発光部15−1を点灯することで硬貨逐次投入口13からの投入を誘導する。顧客は、発光部15−1の点灯により、硬貨投入の場所を瞬時に把握することができる。
【0071】
なお、上述した第1の実施形態において発光部15−1を点灯させる際、制御部9は、発光部15−1を点滅制御してもよいし、発光部15−1の発光色や輝度を変化させる制御を行ってもよい。
【0072】
また、本実施形態による発光部15−1の形状は、図1に示す例に限られない。例えば、図8に示す発光部15−2のような矢印の形状や、図示しない三角形の形状にしてもよい。これにより、発光部15による硬貨投入の誘導効果を高めることができる。
【0073】
[2−2.第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、発光部15が1つである場合を例に挙げたが、本発明による実施形態はこれに限定されず、発光部15が複数であってもよい。そこで、硬貨入出金口10に発光部15が複数設けられた場合の硬貨投入誘導に関して本発明による第2の実施形態として説明する。
【0074】
(第2の実施形態の概要)
図9は、第2の実施形態による硬貨入出金口10の構成を説明するための概略外観図である。図9では、硬貨逐次投入口シャッタ14が制御部9の制御によりスライド移動して硬貨逐次投入口13が開いた硬貨逐次投入待ち状態の硬貨入出金口10が示されている。
【0075】
また、図9に示すように、硬貨逐次投入口13の近傍には発光部15−3が複数設けられている。図9では、5つの発光部15−3a〜15−3eを示しているが、任意の数を適宜設けてよい。発光部15−3は、第1の実施形態と同様に、硬貨逐次投入口13が開かれる場合に制御部9により点灯制御される。以下、第2の実施形態の制御部9による発光部15−3a〜15−3eの点灯制御について、図10〜図13を参照して複数の実施例を説明する。
【0076】
(第2の実施形態の点灯制御)
図10は、第2の実施形態の第1の点灯制御を示すタイミングチャートである。第1の点灯制御は、図10に示すように、発光部15−3a〜15−3eを順次一定時間ずつ点灯させるサイクルを繰り返す。よって、例えば、発光部15−3aの点灯時間t1、発光部15−3bの点灯時間t2、発光部15−3cの点灯時間t3は、t1=t2=t3の関係にある。また、図10に示すように、各発光部のうち手前側(顧客側)の発光部15−3aから奥側の発光部15−3eを順次点灯させることで、誘導効果が高まる。
【0077】
図11は、第2の実施形態の第2の点灯制御を示すタイミングチャートである。第2の点灯制御は、図11に示すように、発光部15−3a〜15−3eを順次点灯させ、発光部15−3a〜15−3e全てを点灯してから同時に消灯するサイクルを繰り返す。これにより、隣接する2以上の発光部15−3の点灯時間が重複する。具体的には、例えば、発光部15−3aの点灯時間をt4、発光部15−3bの点灯時間をt5、発光部15−3cの点灯時間をt6とした場合、各点灯時間はt4>t5>t6の関係にある。また、図11に示す第2の点灯制御は、第1の点灯制御と同様に、各発光部において手前側から奥側に順次点灯を開始させることで誘導効果が高まる。
【0078】
上記第1および第2の点灯制御では、硬貨逐次投入口13からの硬貨投入待ちの間、上述した点灯制御が繰り返される。この他、硬貨投入待ちの時間経過に応じて点灯時間を短くすることで、誘導効果をさらに高めることができる。このような点灯制御について、以下、図12〜図13を参照して説明する。
【0079】
図12は、第2の実施形態の第3の点灯制御を示すタイミングチャートである。第3の点灯制御は、図12に示すように、発光部15−3aから発光部15−3eを順次点灯する時間を、点灯制御を繰り返す毎に短くする。よって、例えば1回目の発光部15−3aから発光部15−3eを順次点灯する時間t7、2回目の発光部15−3aから発光部15−3eを順次点灯する時間t8、3回目の発光部15−3aから発光部15−3eを順次点灯する時間t9は、t7>t8>t9の関係にある。このように、発光部15−3aから発光部15−3eを順次点灯する時間(点灯サイクル周期)を、繰り返す毎に短くすることで、誘導効果をさらに高めることができる。また、図12に示す第3の点灯制御は、上述した点灯制御と同様に、各発光部において手前側から奥側に順次点灯させることで誘導効果が高まる。
【0080】
図13は、第2の実施形態の第4の点灯制御を示すタイミングチャートである。第4の点灯制御は、図13に示すように、発光部15−3a〜15−3eを順次点灯させる制御を繰り返す場合に、各発光部における点灯時間を短くする。よって、例えば、発光部15−3aの点灯時間t10、発光部15−3bの点灯時間t11、発光部15−3cの点灯時間t12は、t10>t11>t12の関係にある。このように、各発光部の点灯時間を時間経過に伴って徐々に短くすることで、誘導効果をさらに高めることができる。また、図13に示す第4の点灯制御は、上述した点灯制御と同様に、各発光部において手前側から奥側に順次点灯させることで誘導効果が高まる。
【0081】
以上説明したように、本発明の第2の実施形態によれば、発光部15を複数設けることで、硬貨逐次投入の誘導効果をさらに高める点灯制御を実現することができる。また、本実施形態による発光部15の形状は、図9に示す例に限られない。例えば、図14に示す発光部15−4のような三角形の形状や、図示しない矢印の形状にしてもよい。これにより、発光部15による硬貨投入の誘導効果をより一層高めることができる。
【0082】
なお、上記第2の実施形態では、LED等により実現される発光部15自体を硬貨一括投入口シャッタ12上に設ける例を説明したが、本発明による実施形態はこれに限定されない。例えば、硬貨一括投入口シャッタ12上以外の場所に設けた発光部(光源)からの光を、導光板を用いる等して導光し、図9に示すように硬貨逐次投入口13の近傍で発光させてもよい。
【0083】
[2−3.第3の実施形態]
上記第1および第2の実施形態では、硬貨逐次投入を誘導するために発光部15を点灯することを説明したが、硬貨逐次投入の誘導は発光部15の点灯のみに限られない。例えば、発光部15の点灯に加えて音声誘導を行ってもよい。そこで、発光部15の点灯に加えて音声誘導を行う場合に関して本発明による第3の実施形態として説明する。
【0084】
(第3の実施形態の概要)
本実施形態による音声誘導は、制御部9によって図2に示す音声発生部6が制御され、硬貨投入の誘導を行うための音声が出力される。以下、このような音声誘導に関して図15〜図16を参照して複数の実施例を説明する。
【0085】
(第3の実施形態の動作処理)
図15は、第3の実施形態の第1の動作処理を示すフローチャートである。ここで、図15に示すステップのうち、上記第1の実施形態の動作処理で説明した図4に示すステップと異なる点について説明する。
【0086】
本実施形態では、制御部9によって硬貨逐次投入口シャッタ14が開かれて発光部15の点灯制御が行われると共に、ステップ209において、制御部9によって音声誘導制御が行われる。具体的には、制御部9は、音声発生部6から「操作画面左上のスリット状の穴から硬貨を投入してください。」等の音声を出力させることで、顧客に硬貨の投入を促す。このように、顧客が少量の硬貨を投入させる硬貨逐次投入口13が小さく、分かり難い場合でも、音声出力により誘導することで、顧客の利便性が向上する。
【0087】
図16は、第3の実施形態の第2の動作処理を示すフローチャートである。第2の動作処理では、硬貨投入待ちのリトライ回数に応じて音声誘導の音量を大きくする。
【0088】
具体的には、まず、ステップS309において、1回目の音声誘導が音声ボリューム1で出力される。次いで、ステップS311において硬貨が検出されず、ステップS323において30秒経過し、ステップS325において発光部15を消灯した後、ステップS327においてリトライ3回以下と判断されると、ステップS307に戻る。
【0089】
続いて、ステップS307において発光部15を点灯すると共に、ステップS309において、2回目の音声誘導が音声ボリューム2で出力される。このように、リトライ回数ごとに音声ボリュームを上げることで、さらに誘導効果を高めることができる。
【0090】
なお、図16では音量についてボリューム1〜3と表記したが、本実施形態はこれに限定されず、例えば1回目のボリュームを適宜設定し、リトライ回数に応じてボリュームを徐々に大きくしてもよい。
【0091】
以上説明したように、第3の実施形態においては、発光部15の点灯制御に加えて誘導制御を行うことで、硬貨逐次投入の誘導効果を高めることができる。
【0092】
なお、第3の実施形態における音声制御処理は、上記第1の実施形態による点灯制御、および第2の実施形態による各点灯制御の少なくともいずれかと組み合わせてもよい。
【0093】
また、例えば、本実施形態による制御部9は、上記第2の実施形態による第3の点灯制御と組み合わせ、発光部15−3a〜15−3eの点灯サイクル周期を短くするにつれて音声誘導のボリュームを徐々に大きくする制御を行ってもよい。これにより、硬貨逐次投入の誘導効果をより一層高めることができる。
【0094】
<3.まとめ>
以上説明したように、本発明の第1の実施形態によれば、投入枚数に応じて硬貨逐次投入口13または硬貨一括投入口17のいずれかを開く制御を行うことで、多量の硬貨を投入する場合は一度に硬貨を投入することができ、顧客の利便性が向上する。また、少量の硬貨を投入する場合は一枚または数枚ずつ投入させるので、異物混入の恐れがない。
【0095】
さらに、第1の実施形態によれば、硬貨逐次投入口13を開いた場合に硬貨逐次投入口13の近傍に設けた発光部15を点灯することで硬貨逐次投入口13からの投入を誘導することができる。
【0096】
また、本発明の第2の実施形態によれば、硬貨逐次投入口13の近傍に複数の発光部15を設け、各発光部を順次点灯制御することで、硬貨逐次投入の誘導の効果をより高めることができる。なお、第2の実施形態では、複数の発光部15を手前側から奥側に順次点灯させたが、本発明による第2の実施形態はこれに限定されず、他の点灯/点滅パタンによって誘導効果を高めてもよい。例えば、複数の発光部15を奥側から手前側に点灯、中央から奥側および手前側に点灯、奥側と手前側から中央に点灯、またはランダム点灯等させてもよい。
【0097】
また、本発明の第3の実施形態によれば、発光部15の点灯に加えて、投入を誘導する音声出力を行うことで、硬貨逐次投入の誘導の硬貨をさらに一層高めることができる。
【0098】
なお、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0099】
例えば、上述した各実施形態では、硬貨逐次投入口13が硬貨一括投入口シャッタ12上に設けられているが、本発明による実施形態はこれに限定されない。例えば、硬貨逐次投入口13は、硬貨一括投入口17の近傍に設けられ、硬貨逐次投入口13から硬貨受け部11に硬貨が投入される構成であってもよい。
【0100】
また、硬貨逐次投入口13が硬貨一括投入口17の近傍に設けられる場合、各投入口に対応するよう硬貨受け部が設けられてもよい。以下、図17を参照して具体的に説明する。
【0101】
図17は、本発明の実施形態による硬貨入出金口30について説明するための図である。図17左に示すように、硬貨入出金口30は、硬貨逐次投入口33から硬貨が投入される硬貨受け部31、および硬貨一括投入口37から硬貨が投入される硬貨受け部35を有する。硬貨逐次投入口33の近傍には、発光部15−1が設けられる。なお、硬貨受け部31および硬貨受け部35は、上述した各実施形態と同様に、図示しない搬送路から投入された硬貨を硬貨処理部5内に搬送する。
【0102】
このような構成を有する硬貨入出金口30の硬貨一括投入待ち状態を図17右上に示す。図17右上に示すように、硬貨一括投入待ち状態では、硬貨一括投入口シャッタ32が制御部9の制御によりスライド移動し、硬貨受け部35の開口部全体(硬貨一括投入口37)が開く。これにより、顧客は多量の硬貨を一度に投入することができる。
【0103】
一方、硬貨入出金口30の硬貨逐次投入待ち状態を図17右下に示す。図17右下に示すように、硬貨逐次投入待ち状態では、硬貨逐次投入口シャッタ34が制御部9の制御によりスライド移動し、硬貨逐次投入口33が開き、併せて発光部15−1が点灯する。これにより、顧客は少量の硬貨を硬貨逐次投入口33から投入することができる。
【0104】
また、本発明の実施形態による硬貨入出金口は、硬貨逐次投入口13および発光部15が設けられた硬貨一括投入口シャッタ12、および硬貨一括投入口シャッタ12上に設けられるスライド移動式のメインシャッタを有する構成であってもよい。この場合、硬貨一括投入時には、メインシャッタおよび硬貨一括投入口シャッタ12が制御部9の制御によりスライド移動して硬貨受け部11の開口部全体が開く。また、硬貨逐次投入待ち状態では、メインシャッタのみが制御部9の制御によりスライド移動して硬貨逐次投入口13が開き、発光部15が点灯/点滅する。このように、硬貨逐次投入の際に発光部15の点灯/点滅に加え、メインシャッタが開く動作が加わるので、より注意喚起を促すことができ、誘導効果が高まる。
【0105】
また、上述した各実施形態では、硬貨受け部11の開口部全体(硬貨一括投入口37)からも硬貨投入できる設定の自動取引装置を前提として説明したが、本発明による実施形態はこれに限定されない。例えば、硬貨入金は全て硬貨逐次投入口13から行い、硬貨受け部11の開口部全体(硬貨一括投入口37)は硬貨出金のためだけに利用する設定の自動取引装置に本発明を適用してもよい。
【0106】
また、本明細書の自動取引装置における処理を示す各ステップは、必ずしも図示された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、図4に示すステップS105およびS107は、同時に処理されてもよい。
【0107】
また、図2のブロック図で示した、自動取引装置1の各機能ブロックの処理を、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などのハードウェアで実現することができる。また、これらハードウェアを、自動取引装置1の各機能ブロックと同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信してもよい。
【符号の説明】
【0108】
1 自動取引装置
2 カード処理部
3 通帳処理部
4 紙幣入出金部
5 硬貨入出金部
6 音声発生部
7 操作表示部
8 メモリ部
9 制御部
10 硬貨入出金口
11 硬貨受け部
12 硬貨一括投入口シャッタ
13 硬貨逐次投入口
14 硬貨逐次投入口シャッタ
15、15−1〜15−4 発光部
16 センサ
17 硬貨一括投入口
19 通信部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬貨一括投入口と、
硬貨逐次投入口と、
前記硬貨逐次投入口の近傍に設けられる一又は複数の発光部と、
前記硬貨一括投入口または前記硬貨逐次投入口の一方を開くよう制御し、前記硬貨逐次投入口の開閉状態に応じて、前記発光部を制御する制御部と、
を備える、自動取引装置。
【請求項2】
前記制御部は、顧客により指定された硬貨投入量に応じて、前記硬貨一括投入口または硬貨逐次投入口の一方を開くよう制御する、請求項1に記載の自動取引装置。
【請求項3】
前記自動取引装置は、
操作表示部を備え、
前記制御部は、入金取引が選択された場合、投入する硬貨の量を入力するための入力画面を前記操作表示部に表示させ、
前記制御部は、前記入力画面から入力された硬貨投入量に応じて、前記硬貨一括投入口または硬貨逐次投入口の一方を開くよう制御する、請求項1または2に記載の自動取引装置。
【請求項4】
前記制御部は、投入される硬貨が多量の場合に前記硬貨一括投入口を開き、投入される硬貨が少量の場合に前記逐次投入口を開く、請求項1から3のいずれか1項に記載の自動取引装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記硬貨逐次投入口を開いている間、前記複数の発光部を順次点灯させる、請求項1から4のいずれか1項に記載の自動取引装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記複数の発光部のうち隣接する2以上の発光部の点灯時間が重複するよう前記複数の発光部を順次点灯させる、請求項1から5のいずれか1項に記載の自動取引装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記複数の発光部を繰り返し順次点灯させる際、時間経過に応じて点灯時間を短くする、請求項1から6のいずれか1項に記載の自動取引装置。
【請求項8】
前記自動取引装置は、
音声出力部を備え、
前記制御部は、前記硬貨逐次投入口の開閉状態に応じて、前記硬貨逐次投入口から硬貨投入を行うよう促す音声を前記音声出力部から出力させるよう前記音声出力部を制御する、請求項1から7のいずれか1項に記載の自動取引装置。
【請求項9】
前記自動取引装置は、
前記硬貨逐次投入口を開閉する第1のシャッタと、
前記硬貨一括投入口を開閉する第2のシャッタと、
を備え、
前記硬貨逐次投入口は、前記第2のシャッタ上に設けられる、請求項1から8のいずれか1項に記載の自動取引装置。
【請求項10】
前記自動取引装置は、
前記硬貨一括投入口および前記硬貨逐次投入口から投入される硬貨を受け入れる一の硬貨受け部を備える、請求項1から9のいずれか1項に記載の自動取引装置。
【請求項11】
前記硬貨受け部には、硬貨の投入を検知するセンサが設けられ、
前記制御部は、前記センサによる検知結果に応じて、前記第1または第2のシャッタの開閉を制御する、請求項10に記載の自動取引装置。
【請求項12】
前記制御部は、硬貨投入時に前記硬貨逐次投入口を開いて硬貨の投入を受け、硬貨出金時は前記硬貨一括投入口を開いて前記硬貨一括投入口から出金するよう制御する、請求項1に記載の自動取引装置。
【請求項1】
硬貨一括投入口と、
硬貨逐次投入口と、
前記硬貨逐次投入口の近傍に設けられる一又は複数の発光部と、
前記硬貨一括投入口または前記硬貨逐次投入口の一方を開くよう制御し、前記硬貨逐次投入口の開閉状態に応じて、前記発光部を制御する制御部と、
を備える、自動取引装置。
【請求項2】
前記制御部は、顧客により指定された硬貨投入量に応じて、前記硬貨一括投入口または硬貨逐次投入口の一方を開くよう制御する、請求項1に記載の自動取引装置。
【請求項3】
前記自動取引装置は、
操作表示部を備え、
前記制御部は、入金取引が選択された場合、投入する硬貨の量を入力するための入力画面を前記操作表示部に表示させ、
前記制御部は、前記入力画面から入力された硬貨投入量に応じて、前記硬貨一括投入口または硬貨逐次投入口の一方を開くよう制御する、請求項1または2に記載の自動取引装置。
【請求項4】
前記制御部は、投入される硬貨が多量の場合に前記硬貨一括投入口を開き、投入される硬貨が少量の場合に前記逐次投入口を開く、請求項1から3のいずれか1項に記載の自動取引装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記硬貨逐次投入口を開いている間、前記複数の発光部を順次点灯させる、請求項1から4のいずれか1項に記載の自動取引装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記複数の発光部のうち隣接する2以上の発光部の点灯時間が重複するよう前記複数の発光部を順次点灯させる、請求項1から5のいずれか1項に記載の自動取引装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記複数の発光部を繰り返し順次点灯させる際、時間経過に応じて点灯時間を短くする、請求項1から6のいずれか1項に記載の自動取引装置。
【請求項8】
前記自動取引装置は、
音声出力部を備え、
前記制御部は、前記硬貨逐次投入口の開閉状態に応じて、前記硬貨逐次投入口から硬貨投入を行うよう促す音声を前記音声出力部から出力させるよう前記音声出力部を制御する、請求項1から7のいずれか1項に記載の自動取引装置。
【請求項9】
前記自動取引装置は、
前記硬貨逐次投入口を開閉する第1のシャッタと、
前記硬貨一括投入口を開閉する第2のシャッタと、
を備え、
前記硬貨逐次投入口は、前記第2のシャッタ上に設けられる、請求項1から8のいずれか1項に記載の自動取引装置。
【請求項10】
前記自動取引装置は、
前記硬貨一括投入口および前記硬貨逐次投入口から投入される硬貨を受け入れる一の硬貨受け部を備える、請求項1から9のいずれか1項に記載の自動取引装置。
【請求項11】
前記硬貨受け部には、硬貨の投入を検知するセンサが設けられ、
前記制御部は、前記センサによる検知結果に応じて、前記第1または第2のシャッタの開閉を制御する、請求項10に記載の自動取引装置。
【請求項12】
前記制御部は、硬貨投入時に前記硬貨逐次投入口を開いて硬貨の投入を受け、硬貨出金時は前記硬貨一括投入口を開いて前記硬貨一括投入口から出金するよう制御する、請求項1に記載の自動取引装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−69233(P2013−69233A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209058(P2011−209058)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
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