説明

自動回答検索装置

【課題】ユーザーからの問合せを自然言語で入力しデータベースの中から自動的にかつ精度良くその回答を導き出す自動回答検索装置を提供する。
【解決手段】自動回答検索装置101は、入力された文字情報を品詞分解手段221と品詞抽出手段222にて品詞分解と品詞の抽出を行い、単語置換手段224にて意味の似た単語を記号に置き換え、同様に意味の似た単語を記号に置き換えた問合せ内容を記憶する問合せ記憶手段233を検索する構成としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザーからの問合せを自然言語で入力しデータベースの中から自動的にかつ精度良くその回答を導き出す自動回答検索装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
問合せに対して回答を行うようなことを必要とするところ、たとえば企業のお客様サービスセンタ等では、過去の問合せの内容とそれに対する回答内容とを蓄積されたデータベースを所有することが多く、新たな問合せに対しても過去の応答内容をもとに回答する方法がとられている。その際、データベースから問い合わせ内容を検索することが必要である。検索はキーワードを用いて行われ、このキーワードの選び方によっては得られる結果が異なるものになり、キーワードの選び方が非常に重要であった。
【0003】
キーワードを選ぶ方法として、特許文献1に開示されているように問合せの内容を文字情報として入力し、この文字情報から任意の品詞を抜き出してキーワードとする方法が知られている。
【特許文献1】特開平9−101966号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の方法の場合、ユーザーが問合せを文字情報として入力した場合、抽出された単語の同義語で表現されたデータベースの情報は検索で見つけることができず、必要とする回答が得られない場合があるという課題があった。また、問合せの本質には関係ないような単語をキーワードとして抽出する場合があり、検索条件が厳しくなり必要とする回答が得られないという課題があった。つまり、ユーザーが問合せを文字情報として入力する場合に考えられる表現の違いや不要な情報の入力により得られる回答が異なるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る自動回答検索装置は、文字情報を入力する入力手段と、前記文字情報を品詞ごとに分解する品詞分解手段と、任意の品詞の単語のみ抽出する品詞抽出手段と、複数の単語と前記複数の単語に対応する1つの記号とが対応して記憶された単語グループ記憶手段を検索し、前記抽出した単語が前記単語グループ記憶手段に含まれる場合には前記抽出した単語を対応する前記記号に置き換える単語置換手段と、前記抽出された単語および前記置き換えた記号から任意の単語もしくは記号をキーワードとして抽出するキーワード抽出手段と、前記品詞分解手段および前記単語置換手段によりあらかじめ品詞分解および記号への置換えのなされた問合せ内容と前記問合せ内容に対応する回答内容とを記憶する問合せ記憶手段に対して前記キーワードを用いて検索を行い該当する問合せ内容に対応する回答内容を出力する回答検索手段とを備える。
【0006】
また、本発明に係る自動回答検索装置はさらに、複数の単語が記憶された削除語記憶手段に前記品詞抽出手段により抽出された各単語がそれぞれ含まれているか否かを判定し、前記削除語記憶手段に含まれていない単語のみを抽出する単語削除手段、あるいは、複数の単語が記憶された削除語記憶手段に前記品詞抽出手段により抽出された各単語および前記単語置換手段により置換された各単語がそれぞれ含まれているか否かを判定し、前記削除語記憶手段に含まれていない単語のみを抽出する単語削除手段、あるいは、複数の単語が記憶された削除語記憶手段に前記品詞分解手段により分解された各単語がそれぞれ含まれているか否かを判定し、前記削除語記憶手段に含まれていない単語のみを抽出する単語削除手段を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、問合せを文字情報として入力する際の表現の違いや不要な情報による影響が少ない精度の良い回答内容を自動的に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面において実質的に同一の構成については同一の符号を付している。
【0009】
(実施の形態1)
本実施の形態は、本発明に係る自動回答検索装置を電化製品のユーザーによる問合せ回答に用いた場合の一例である。
【0010】
図1に本実施の形態に係るシステム構成図を示す。101は自動回答検索装置であり、ユーザー端末111,112,113,121,122,123,124とインターネットを介して通信可能になっている。ユーザー端末111,112,113,121,122,123,124はパーソナルコンピュータ111,112,113や、携帯電話121,122,123,124等のインターネット通信が可能な端末である。
【0011】
記憶装置102は削除語記憶手段である削除語記憶データベース231(以下、削除語DB231という)、単語グループ記憶手段である単語グループデータベース232(以下、単語グループDB232という)、問合せ記憶手段である問合せ記憶データベース233(以下、問合せDB233という)のすべてを備えている。記憶装置102は自動回答検索装置101と通信可能に接続されている。
【0012】
図2は本実施の形態の機能ブロック図である。自動回答検索装置101は文字情報を入力する入力手段211であるキーボード受信手段212ならびにインターネット受信手段213と、文字情報を品詞ごとに分解する品詞分解手段221と、任意の品詞の単語のみを抽出する品詞抽出手段222と、単語グループDB232を検索し抽出した単語が単語グループDB232に含まれる場合にはその単語を対応する記号に置き換える単語置換手段224と、抽出された単語および置き換えた記号から任意の単語もしくは記号をキーワードとして抽出するキーワード抽出手段225と、問合せDB233に対してキーワードを用いて検索を行い該当する問合せ内容に対応する回答内容を出力する回答検索手段226と、インターネットを介して情報を送信するインターネット送信手段242と、キーボード204と、表示手段241を備えている。
【0013】
さらに本実施の形態の自動回答検索装置101は、削除語DB231に品詞抽出手段222により抽出された単語がそれぞれ含まれているか否かを判定し、削除語DB231に含まれていない単語のみを抽出する単語削除手段223を備えている。
【0014】
さらに本実施の形態の自動回答検索装置101は、回答選択追加手段252と回答新規追加手段253を有する回答追加手段251を備えている。
【0015】
回答選択追加手段252は、品詞分解手段221および単語置換手段224によりあらかじめ品詞分解および記号への置換えのなされた文字情報と、回答検索手段226より出力された回答内容から選択された回答内容とを対応させて問合せ記憶手段に記憶する。
【0016】
回答新規追加手段253は、品詞分解手段221および単語置換手段224によりあらかじめ品詞分解および記号への置換えのなされた文字情報と、入力手段211に入力された回答とを対応させて問合せ記憶手段に記憶する。
【0017】
図3に削除語DB231のデータテーブルを示す。削除語DB231には複数の単語が登録されている。これらの単語は本装置の使用用途に関係のない、もしくは関係の小さく、キーワードとして検索を行った場合に検索結果を悪化させる単語が選択されている。本実施の形態では電化製品のユーザーによる問合せ回答を目的としているため、「私」、「父」といった人称代名詞、「朝」、「昼」、「夜」といった時間を表す単語、「1回」、「2回」といった頻度を表す単語などが記憶されている。
【0018】
図4に単語グループDB232のデータテーブルを示す。単語グループDB232は複数の単語と1つの記号とが対応して記憶されている。本実施の形態における複数の単語は、同義語、類義語、意味の近い言葉の単語の集合(以下、同義語グループ402という)であり、記号は同義語グループ402の同義語、類義語、意味の近い言葉のいずれかである1つの単語(以下、代表語401という)である。
【0019】
図5に問合せDB233のデータテーブルを示す。問合せDB233には過去の問合せ内容とその回答内容や、今後問い合わせされると予想される問合せ内容とその回答内容が記憶されている。問合せ内容は品詞分解手段221、品詞抽出手段222、単語置換手段224により品詞分解、品詞の抽出、代表語401への置換えが行われたもの(以下、問合せ内容変換後という)に変換され、問合せDB233に問合せ内容、回答内容と対応して記憶されている。
【0020】
図6に自動回答検索のフローチャートを示す。
【0021】
図7に回答内容新規追加のフローチャートを示す。
【0022】
図8にユーザー端末への表示例1を示す。
【0023】
図9にユーザー端末への表示例2を示す。
【0024】
以下、本実施の形態の自動回答検索装置101の動作について説明する。
【0025】
ユーザーがユーザー端末111,112,113,121,122,123,124から自動回答検索装置101にアクセスすると、図8のような画面がユーザー端末111,112,113,121,122,123,124に表示される。ユーザーは自然言語の問合せの内容を表す文字情報(以下、問合せ文字情報という)をユーザー端末111,112,113,121,122,123,124に入力し自動回答検索装置101に送信する(S601)。以下ではユーザーが「夜にハードディスクに録画したドラマが消える」と入力した実施の形態をもとに説明を行う。
【0026】
問合せ文字情報は自動回答検索装置101の入力手段211であるインターネット受信手段213にて受信され(S611)、品詞分解手段221にて品詞ごとに分解される(S612)。本実施の形態の問合せ文字情報では「夜・に・ハードディスク・に・録画・した・ドラマ・が・消える」となる。
【0027】
次に、品詞抽出手段222にて任意の品詞の抽出が行われる(S613)。本実施の形態では名詞と動詞のみを抽出している。この時点で問合せ文字情報は「夜・ハードディスク・録画・した・ドラマ・消える」となる。
【0028】
続いて、単語削除手段223にて単語の削除を行う(S614)。S614では削除語DB231を検索し、問合せ文字情報の各単語について、同一の単語が削除語DB231に含まれている場合にはその単語を問合せ文字情報から削除する。つまり、前記削除語記憶手段に含まれていない単語のみを抽出する。本実施の形態の問合せ文字情報「夜・ハードディスク・録画・した・ドラマ・消える」には削除語DB231に含まれる「夜」が含まれるため、これが削除され、それ以外の単語「ハードディスク・録画・した・ドラマ・消える」が抽出される。
【0029】
続いて、単語置換手段224にて単語の置換えを行う(S615)。ここでは単語グループDB232を検索し、問合せ文字情報の各単語が同義語グループ402に含まれている場合にその単語をその対応する代表語401に置き換える。本実施の形態の問合せ文字情報「ハードディスク・録画・した・ドラマ・消える」では、「ハードディスク」はその代表語401である「HDD」に、「録画」はその代表語401である「記録」に、「した」はその代表語401である「する」に、「ドラマ」はその代表語401である「番組」に、「消える」はその代表語401である「消去」に置き換えられ、「HDD・記録・する・番組・消去」となる。
【0030】
続いて、キーワード抽出手段225にてキーワードの抽出(S616)を行う。S616では問合せ文字情報の各単語から任意の単語を抽出する。本実施の形態ではすべての単語を抽出するものとし、問合せ文字情報「HDD・記録・する・番組・消去」からキーワード「HDD」「記録」「する」「番組」「消去」が抽出される。
【0031】
続いて、回答検索手段226において、キーワードを用いて問合せDB233の検索を行う(S617)。本実施の形態では問合せDB233の問合せ内容変換後を検索し、すべてのキーワードが含まれるものを抽出する。キーワード「HDD」「記録」「する」「番組」「消去」のすべてが含まれるものとして、問合せDB233のNo.000001とNo.000002の2件が該当した。
【0032】
さらに回答検索手段226では、該当件数が所定数n以上であるかを判定する(S618)。本実施の形態では所定数nを50とし、該当件数が2であるため、判定はNoとなり、S620へ進む。ここで、もし判定がYesの場合には、S619に進み、抽出する品詞を増やす。一例としては、抽出する品詞に形容詞を加え、S613に戻り名詞、動詞、形容詞の抽出を行うことになる。これにより、キーワードの数を増やし、該当件数を減らすことが可能となる。
【0033】
さらに回答検索手段226では、該当件数が所定数m以下であるかを判定する(S620)。本実施の形態では所定数mを0とし、該当件数が2であるため、判定はNoとなり、S622へ進む。ここで、もし判定がYesの場合には、S621に進み、抽出する品詞を減らす。一例としては、抽出する品詞から動詞を減らし、S613に戻り名詞の抽出を行うことになる。これにより、キーワードの数を減らし、該当件数を増やすことが可能となる。
【0034】
さらに回答検索手段226では、該当した問合せ内容および問合せ内容に対応する回答内容を出力し、インターネット送信手段242よりユーザー端末111,112,113,121,122,123,124へ送信する(S622)。
【0035】
ユーザー端末111,112,113,121,122,123,124では該当した問合せ内容および問合せ内容に対応する回答内容を受信(S602)し、表示画面に表示する。本実施の形態では、図9のような画面が表示され、該当した問合せDB233のNo.000001とNo.000002の2件について問合せ内容と回答内容が表示される。
【0036】
ユーザーは表示された回答内容をもとに課題の解決等を行う。表示画面上ではユーザーが自分の問合せにもっとも近い回答がどれであったかを選択するためのチェックボックス901が表示され、ユーザーがチェックボックス901をチェックし送信ボタン902をクリックすると選択された内容が自動回答検索装置101へ送信される(S603)。本実施の形態では検索結果1の「HDDに録画したつもりがDVDに録画していた。」が選択された。
【0037】
自動回答検索装置101では、選択された回答内容と、最初に入力された問合せ文字情報と、問合せ文字情報を品詞分解手段221、品詞抽出手段222および単語置換手段224により品詞分解、品詞の抽出および単語の置換による変換が行われたものとを問合せDB233に追加して記憶する(S623)。本実施の形態では問合せ内容「夜にハードディスクに録画したドラマが消える」と、問合せ内容変換後「夜・HDD・記録・する・番組・消去」と、回答内容「HDDに録画したつもりがDVDに録画していた。」が問合せDB233に追加される。このときの品詞抽出手段222は名詞、動詞、形容詞、副詞の抽出を行った。
【0038】
さらに、本実施の形態の自動回答検索装置101では、オペレータが問合せDB233へのデータの追加をすることが可能である。オペレータは問合せ文字情報をキーボード204に入力し(S701)、自動回答検索装置101はキーボード受信手段212にて問合せ文字情報を受信する(S711)。問合せ文字情報は品詞分解手段221、品詞抽出手段222、単語置換手段224にて品詞分解、任意の品詞の抽出、単語の置換えが行われ(S612,S613,S615)、キーボード204に入力された(S702)回答内容とともに問合せDB233に追加登録される(S621)。
【0039】
以上のように、本実施の形態では、入力された問合せ文字情報と問合せDB233の問合せ内容の双方を単語置換手段224にて置換しているため、表現の違いによらず精度のよい検索が可能である。また、削除語DB231に含まれる単語をキーワードとしないことで、問合せ文字情報に不要な語句が含まれている場合にもこれに影響されず検索することができる。また、該当件数が所定数以上である場合に抽出する品詞を増やしキーワードを増やすことで該当件数を自動的に所定数より小さく減らすことができ、また、該当件数が所定数以下である場合に抽出する品詞を減らしキーワードを減らすことで該当件数を自動的に所定数より大きく増やすことができる。また、問合せDB233の回答内容を追加で記憶していくことが可能であり、問合せに対する回答の事例を充実させることが可能である。
【0040】
(実施の形態2)
実施の形態2は、実施の形態1と単語の削除のステップの位置のみが異なるものである。
【0041】
図1に本実施の形態に係るシステム構成図を示す。構成は実施の形態1と同じものであるのでその説明を省略する。
【0042】
図10は本実施の形態の機能ブロック図である。実施の形態1と同じ構成のものには同じ符号を付し、その説明を省略する。実施の形態1との違いは単語削除手段1023のみである。単語削除手段1023は、削除語DB231に品詞抽出手段222により抽出された各単語および前記単語置換手段により置換された各単語がそれぞれ含まれているか否かを判定し、削除語DB231に含まれていない単語のみを抽出する。
【0043】
図3に削除語DB231のデータテーブルを示す。削除語DB231のデータテーブルは実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
【0044】
図4に単語グループDB232のデータテーブルを示す。単語グループDB232のデータテーブルは実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
【0045】
図5に問合せDB233のデータテーブルを示す。問合せDB233のデータテーブルは実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
【0046】
図11に自動回答検索のフローチャートを示す。実施の形態1と同じ構成のものには同じ符号を付し、その説明を省略する。実施の形態1と単語の削除のステップの位置のみが異なっている。
【0047】
図7に回答内容新規追加のフローチャートを示す。回答内容新規追加のフローチャートは実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
【0048】
図8にユーザー端末への表示例1を示す。ユーザー端末への表示例1は実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
【0049】
図9にユーザー端末への表示例2を示す。ユーザー端末への表示例2は実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
【0050】
以下、本実施の形態の自動回答検索装置101の動作について実施の形態1との違いのみ説明する。
【0051】
S613までは実施の形態1と同様の動作を示す。ユーザーが「夜にハードディスクに録画したドラマが消える」と入力した実施の形態ではS613の時点で問合せ文字情報は「夜・ハードディスク・録画・した・ドラマ・消える」となる。
【0052】
続いて、単語置換手段224にて単語の置換えを行う(S615)。ここでは単語グループDB232を検索し、問合せ文字情報の各単語が同義語グループ402に含まれている場合にその単語をその対応する代表語401に置き換える。本実施の形態の問合せ文字情報「夜・ハードディスク・録画・した・ドラマ・消える」では、「ハードディスク」はその代表語401である「HDD」に、「録画」はその代表語401である「記録」に、「した」はその代表語401である「する」に、「ドラマ」はその代表語401である「番組」に、「消える」はその代表語401である「消去」に置き換えられ、「夜・HDD・記録・する・番組・消去」となる。
【0053】
続いて、単語削除手段1023にて単語の削除を行う(S1114)。S1114では削除語DB231を検索し、問合せ文字情報の各単語について、同一の単語が削除語DB231に含まれている場合にはその単語を問合せ文字情報から削除する。つまり、前記削除語記憶手段に含まれていない単語のみを抽出する。本実施の形態の問合せ文字情報「夜・HDD・記録・する・番組・消去」には削除語DB231に含まれる「夜」が含まれるため、これが削除され、「HDD・記録・する・番組・消去」となる。
【0054】
以後、S616以降は実施の形態1と同じ動作をする。
【0055】
本実施の形態は実施の形態1と同様に、入力された問合せ文字情報と問合せDB233の問合せ内容の双方を単語置換手段224にて置換しているため、表現の違いによらず精度のよい検索が可能である。また、削除語DB231に含まれる単語をキーワードとしないことで、問合せ文字情報に不要な語句が含まれている場合にもこれに影響されず検索することができる。また、該当件数が所定数以上である場合に抽出する品詞を増やしキーワードを増やすことで該当件数を自動的に所定数より小さく減らすことができ、また、該当件数が所定数以下である場合に抽出する品詞を減らしキーワードを減らすことで該当件数を自動的に所定数より大きく増やすことができる。また、問合せDB233の回答内容を追加で記憶していくことが可能であり、問合せに対する回答の事例を充実させることが可能である。
【0056】
さらに本実施の形態によれば、単語の置換えを行った後に単語の削除を行うことにより実施の形態1と比べ削除語DBの単語の数を減らすことができる。つまり、削除したい単語のグループを同義語グループとして登録しておき、その代表語のみを削除後DBに入力することで削除したい単語すべての削除が行えるという効果がある。また、削除したい単語すべてを同義語グループとして登録しておき、そのすべてが1つの代表語へと置き換わるようにすることで削除後DBは最小でその代表語1つにすることもできる。
【0057】
(実施の形態3)
実施の形態3は、実施の形態1、2と単語の削除のステップの位置のみが異なる。
【0058】
図1に本実施の形態に係るシステム構成図を示す。構成は実施の形態1と同じものであるのでその説明を省略する。
【0059】
図12は本実施の形態の機能ブロック図である。実施の形態1と同じ構成のものには同じ符号を付し、その説明を省略する。実施の形態1との違いは単語削除手段1223のみである。単語削除手段1223は、削除語DB231に品詞分解手段221により抽出された各単語がそれぞれ含まれているか否かを判定し、削除語DB231に含まれていない単語のみを抽出する。
【0060】
図3に削除語DB231のデータテーブルを示す。削除語DB231のデータテーブルは実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
【0061】
図4に単語グループDB232のデータテーブルを示す。単語グループDB232のデータテーブルは実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
【0062】
図5に問合せDB233のデータテーブルを示す。問合せDB233のデータテーブルは実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
【0063】
図13に自動回答検索のフローチャートを示す。実施の形態1と同じ構成のものには同じ符号を付し、その説明を省略する。実施の形態1と単語の削除のステップの位置のみが異なっている。
【0064】
図7に回答内容新規追加のフローチャートを示す。回答内容新規追加のフローチャートは実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
【0065】
図8にユーザー端末への表示例1を示す。ユーザー端末への表示例1は実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
【0066】
図9にユーザー端末への表示例2を示す。ユーザー端末への表示例2は実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
【0067】
以下、本実施の形態の自動回答検索装置101の動作について実施の形態1との違いのみ説明する。
【0068】
S612までは実施の形態1と同様の動作を示す。ユーザーが「夜にハードディスクに録画したドラマが消える」と入力した実施の形態ではS612の時点で問合せ文字情報は「夜・に・ハードディスク・に・録画・した・ドラマ・が・消える」となる。
【0069】
続いて、単語削除手段1223にて単語の削除を行う(S1314)。S1314では削除語DB231を検索し、問合せ文字情報の各単語について、同一の単語が削除語DB231に含まれている場合にはその単語を問合せ文字情報から削除する。つまり、前記削除語記憶手段に含まれていない単語のみを抽出する。本実施の形態の問合せ文字情報「夜・に・ハードディスク・に・録画・した・ドラマ・が・消える」には削除語DB231に含まれる「夜」が含まれるため、これが削除され、「に・ハードディスク・に・録画・した・ドラマ・が・消える」となる。
【0070】
次に、品詞抽出手段222にて任意の品詞の抽出が行われる(S613)。本実施の形態では名詞と動詞のみを抽出している。この時点で問合せ文字情報は「ハードディスク・録画・した・ドラマ・消える」となる。
【0071】
以後、S615以降は実施の形態1と同じ動作をする。
【0072】
本実施の形態は実施の形態1と同様に、入力された問合せ文字情報と問合せDB233の問合せ内容の双方を単語置換手段224にて置換しているため、表現の違いによらず精度のよい検索が可能である。また、削除語DB231に含まれる単語をキーワードとしないことで、問合せ文字情報に不要な語句が含まれている場合にもこれに影響されず検索することができる。また、該当件数が所定数以上である場合に抽出する品詞を増やしキーワードを増やすことで該当件数を自動的に所定数より小さく減らすことができ、また、該当件数が所定数以下である場合に抽出する品詞を減らしキーワードを減らすことで該当件数を自動的に所定数より大きく増やすことができる。また、問合せDB233の回答内容を追加で記憶していくことが可能であり、問合せに対する回答の事例を充実させることが可能である。
【0073】
なお、本発明は上記実施の形態1,2,3に限られず、以下のような構成としてもよい。
【0074】
単語グループ記憶手段、削除語記憶手段、問合せ記憶手段は自動回答検索装置の内部に含まれていても良い。
【0075】
記号として代表語を用いたが、アルファベットや数字等、各単語グループを識別できるものであればなんでもよい。
【0076】
問合せDBは問合せ内容を品詞分解手段、単語置換手段により少なくとも品詞分解、代表語への置換えが行われたものに変換され、問合せDBに問合せ内容、回答内容と対応して記憶されていればよい。さらに品詞抽出手段、単語削除手段により品詞抽出、単語削除が行われてもよい。
【0077】
ユーザーに提示された回答内容に該当するものがない場合には、オペレータが問合せへの対応を行い、最終的な回答内容をキーボードにて入力し、その回答内容と最初に入力された問合せ文字情報と、問合せ文字情報を品詞分解手段、品詞抽出手段および単語置換手段により品詞分解、品詞の抽出および単語の置換による変換が行われたものとを問合せDBに追加して記憶してもよい。
【0078】
オペレータが自動回答検索装置のキーボードに直接問合せ文字情報を入力し回答を表示手段に表示させるようにして検索を行うことも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、データベースに記憶された問合せとその回答を検索するような、製品に対する問合せの用途や、製品の故障に関する指摘内容とその修理方法を検索する修理業務の用途等、質問とその回答を蓄積しその回答を検索するようなノウハウの蓄積・検索の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の実施の形態1,2,3に係るシステム構成図
【図2】本発明の実施の形態1に係る機能ブロック図
【図3】本発明の実施の形態1,2,3に係る削除語DBのデータテーブルを示す図
【図4】本発明の実施の形態1,2,3に係る単語グループDBのデータテーブルを示す図
【図5】本発明の実施の形態1,2,3に係る問合せDBのデータテーブルを示す図
【図6】本発明の実施の形態1に係るフローチャート
【図7】本発明の実施の形態1,2,3に係る回答内容新規追加のフローチャート
【図8】本発明の実施の形態1,2,3に係る問合せ内容入力画面の一例を示す図
【図9】本発明の実施の形態1,2,3に係る回答内容の表示画面の一例を示す図
【図10】本発明の実施の形態2に係る機能ブロック図
【図11】本発明の実施の形態2に係るフローチャート
【図12】本発明の実施の形態3に係る機能ブロック図
【図13】本発明の実施の形態3に係るフローチャート
【符号の説明】
【0081】
101 自動回答検索装置
102 記憶装置
111,112,113 ユーザー端末(パーソナルコンピュータ)
121,122,123,124 ユーザー端末(携帯電話)
204 キーボード
211 入力手段
212 キーボード受信手段
213 インターネット受信手段
221 品詞分解手段
222 品詞抽出手段
223 単語削除手段
224 単語置換手段
225 キーワード抽出手段
226 回答検索手段
231 削除語DB
232 単語グループDB
233 問合せDB
241 表示手段
242 インターネット送信手段
251 回答追加手段
252 回答選択追加手段
253 回答新規追加手段
291,292,293 ユーザー
401 代表語
402 同義語グループ
901 チェックボックス
902 送信ボタン
1023 単語削除手段
1223 単語削除手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字情報を入力する入力手段と、
前記文字情報を品詞ごとに分解する品詞分解手段と、
任意の品詞の単語のみ抽出する品詞抽出手段と、
複数の単語と前記複数の単語に対応する1つの記号とが対応して記憶された単語グループ記憶手段を検索し、前記抽出した単語が前記単語グループ記憶手段に含まれる場合には前記抽出した単語を対応する前記記号に置き換える単語置換手段と、
前記抽出された単語および前記置き換えた記号から任意の単語もしくは記号をキーワードとして抽出するキーワード抽出手段と、
前記品詞分解手段および前記単語置換手段によりあらかじめ品詞分解および記号への置換えのなされた問合せ内容と前記問合せ内容に対応する回答内容とを記憶する問合せ記憶手段に対して前記キーワードを用いて検索を行い該当する問合せ内容に対応する回答内容を出力する回答検索手段と、
を備える自動回答検索装置。
【請求項2】
複数の単語が記憶された削除語記憶手段に前記品詞抽出手段により抽出された各単語がそれぞれ含まれているか否かを判定し、前記削除語記憶手段に含まれていない単語のみを抽出する単語削除手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の自動回答検索装置。
【請求項3】
複数の単語が記憶された削除語記憶手段に前記品詞抽出手段により抽出された各単語および前記単語置換手段により置換された各単語がそれぞれ含まれているか否かを判定し、前記削除語記憶手段に含まれていない単語のみを抽出する単語削除手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の自動回答検索装置。
【請求項4】
複数の単語が記憶された削除語記憶手段に前記品詞分解手段により分解された各単語がそれぞれ含まれているか否かを判定し、前記削除語記憶手段に含まれていない単語のみを抽出する単語削除手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の自動回答検索装置。
【請求項5】
前記回答検索手段にて該当する問合せ内容の数が所定数以上の場合に前記キーワードの数を増やすことを特徴とする請求項1に記載の自動回答検索装置。
【請求項6】
前記品詞抽出手段にて抽出する品詞の種類を増やし再度前記キーワードの抽出を行うことを特徴とする請求項5に記載の自動回答検索装置。
【請求項7】
前記回答検索手段にて該当する問合せ内容の数が所定数以下の場合に前記キーワードの数を減らすことを特徴とする請求項1に記載の自動回答検索装置。
【請求項8】
前記品詞抽出手段にて抽出する品詞の種類を減らし再度前記キーワードの抽出を行うことを特徴とする請求項7に記載の自動回答検索装置。
【請求項9】
前記品詞分解手段および前記単語置換手段により品詞分解および記号への置換えのなされた前記文字情報と、前記回答検索手段より出力された回答内容から選択された回答内容とを対応させて前記問合せ記憶手段に記憶する回答選択追加手段を有することを特徴とする請求項1に記載の自動回答検索装置。
【請求項10】
前記品詞分解手段および前記単語置換手段により品詞分解および記号への置換えのなされた前記文字情報と、前記入力手段に入力された回答とを対応させて前記問合せ記憶手段に記憶する回答新規追加手段を有することを特徴とする請求項1に記載の自動回答検索装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−24071(P2006−24071A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−202849(P2004−202849)
【出願日】平成16年7月9日(2004.7.9)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】