説明

自動締付け靴

【課題】 自動締付け靴を提供する。
【解決手段】 自動締付け靴(110)は、交差された紐(136、137)および締付け機構(158)を有しており、この締付け機構は、靴を着用者の足のまわりに締付けるために交差された紐の自動的な締付けを引起こすために1つの方向に作動し、そして靴を着用者の足から取外すことができるように、容易に解放されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
同時出願中の出願に対するクロスリファレンス
本特許出願は、同じ発明者により1998年3月26日に出願された「自動締付け靴」と称する出願第09/048,772号の一部継続である。
【0002】
本発明は、靴に関し、より詳細には、自動締付け靴に関する。この靴は、着用者の足のまわりでの靴の自動締付けを生じるように一方向に作動し、且つ靴を着用者の足から容易に取外すことができるように容易に解放されることができる締付け機構を有する自動締付け装置を備えている。本発明は、主として、スポーツまたは運動靴種類の自動締付け靴に関しているが、本発明の原理は、多くの他の種類および型の靴に適用可能である。
【背景技術】
【0003】
自動締付け装置を組み入れた靴が従来技術で知られている。しかしながら、これまで考案された自動締付け装置のどれも全く好首尾ではなく、或いは満足ではなかった。従来技術の自動締付け装置の主要な欠点は、靴が着用者の足にぴったり一致するようにこれらの装置が靴を両側から締付けることができないと言う点、および靴を着用者の足から取外したいときに靴をすばやく緩めるためのいずれの対策を欠いていると言う点である。好首尾さおよび満足さを欠如の一因となる自動締付け装置の面は、(1)多くの部品を伴う点における複雑さ、(2)小さい電気モータのような高価な部品を含むこと、(3)周期的な変位を必要とする部品、例えば、バッテリを使用すること、および(4)頻繁な保守を必要とする部品の存在であった。これらの面ならびに詳細には述べない他の面は、完全に好首尾および満足である自動締付け靴を達成するためにかなりの改良が必要とされることを示している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一般的な目的は、従来技術に既存するこの種類の靴の特徴の種々の短所および欠点の無い自動締付け靴を提供することである。
【0005】
従って、本発明の主目的は、着用者の足のまわり両側からにぴったり締り、容易に緩められることができる自動締付け靴、特にスポーツまたは運動靴を製造することである。本発明の更なる目的は、複雑または高価な部品を必要とせず、頻繁な保守または周期的な変位を必要とする部品を有していない自動締付け靴を提供することによって主目的を達成することである。本発明の他の目的は、作動容易であり、且つ使用中、問題の無い自動締付け靴を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の前記に一般的な目的および更なる目的は、本発明の自動締付け靴により完全に達成される。先に述べたように、本発明の原理は、多くの種類および型の靴に適用可能であるが、特にスポーツまたは運動種類の靴に適用可能である。従って、本発明の原理を示すために選択されたのは、この種類の靴である。
【0007】
本発明の自動締付け靴は、靴底と、この靴底に連結された任意の一般的なスポーツまたは運動靴材料で構成された一体部材または靴上部とを有している。一体部材または靴上部は、つま先部と、舌部と、この舌部の上方の隙間と、舌部に跨る強化紐締めパッドとを有しており、強化紐締めパッドは、隙間の周囲に設けられた多数対の紐穴を有している。また、靴は、ヒールに隣接した靴底内のチャンバーと、この靴底のチャンバーと連通していて、チャンバーからヒールの頂部近くまでヒールに沿って上方に延びているヒール内の通路とを有している。隙間のところで靴を締付けるための1対の紐が設けられている。各紐は、固定ボタンにより、靴のつま先部に最も近い各紐穴に固定された一端部を有しており、舌部の上方で交差して紐穴のうちの別の紐穴を通って延びていて、次いで靴底のチャンバー内まで靴上部の材料を通っており、そこで締付け機構と作動的に関連されている。この締付け機構は、幾つかの異なる形態のうちの1つであることができる。
【0008】
これらの締付け機構の形態の各々は、靴底のチャンバー内に部分的に、およびヒールの通路に部分的に存在する係合紐を有している。この係合紐は、靴底のチャンバーに沿っておよびヒールの通路に沿って締付け方向に移動可能である。第1の形態では、締付け機構は、係合紐に加えて、靴底のチャンバー内に収容された2対のばね押し把持カムを有している。これらの2対のばね押し把持カムは、靴底のチャンバーの両側に位置決めされていて、靴底と平行な共通の平面にある。紐の各々は、各対のばね押し把持カム間を通っている。これらの紐は、夫々の対のばね押し把持カム間を通った後、互いにおよび係合紐の一端に接合されている。係合紐の他端部は、ヒールの通路内から延びており、そして係合紐を把持して締付け方向に移動させるために引張りループを有している。ループを引張ることによって、紐は、舌部のまわりに締り、それにより靴を締付ける。ばね押し把持カムは、締付け中、これらの把持カム間の紐の移動を許容し、締付けが完了された後、紐の逆方向の移動を防ぐ。更に、靴底のチャンバー内に位置決めされた跳ね返しばねが設けられている。この跳ね返しばねは、係合紐に連結された第1の端部と、靴底のチャンバー内の壁面に連結された第2の端部とを有している。跳ね返しばねは、締付けが完了された後、係合紐を靴底のチャンバーの中へ引き戻すように作用する。ばね押し把持カムと、ヒールの通路から外方に突出している解放レバーとに連結された解放紐により、靴を緩めて着用者の足から取外したいときに、ばね押しカムを紐から離脱させて紐の自由な逆方向の移動を許容することができる。
【0009】
第2の形態の締付け機構は、2対のばね押し把持カムの位置決め以外、あらゆる点で第1の形態と同じである。第2の形態では、2対のばね押し把持カムが靴底と平行な共通の平面に靴底のチャンバーの両側に位置決めされている代わりに、2対のばね押し把持カムは、靴底のチャンバーの中央で垂直方向に整合して互いの上方に位置決めされていて、分離板により分離されている。
【0010】
第3の形態の締付け機構は、係合紐に加えて、ヒールの後部に沿って垂直方向に延びている軌道と、この軌道に摩擦係合されたスライドとを有している。係合紐は、ヒールの通路内でスライドに連結されていて、スライドの対応する移動によりヒールの通路内で上方および下方に移動可能である。
【0011】
第4の形態の締付け機構は、係合紐に加えて、靴底のチャンバー内に位置決めされていて、ラチェット歯付きのラチェットホイールが設けられている軸を有している。ラチェット歯と係合可能な爪がヒールに取付けらており、この爪は、ヒールの後部から突出している解放レバーに連結されている。紐は、靴底のチャンバーに入った後、軸の両端部のまわりに同じ方向にコイル巻きされており、係合紐は、前記紐がコイル巻きされている方向と反対の方向にコイル巻きされた紐間のほぼ中間の位置で軸のまわりにコイル巻きされている。係合紐は、ヒールの通路内から延びている端部を有しており、且つこれを把持して締付け方向に移動させるために引張りループを有している。係合紐が引張りループにより引張られると、紐は、軸のまわりに更にコイル巻きし、それにより靴が締付けられる。爪は、ラチェットホイールのラチェット歯に漸次係合して逆方向の移動を防ぐ。
【0012】
以上に列挙した自動締付け靴の態様および特徴のすべては、本発明の目的の達成に重要であり、靴の全体の優れた品質、容易な作動および問題の無い性能に寄与するが、或る自動締付け靴が、特に重要であり、特別の認識に値する。
【0013】
本発明の1つのこのような重要な態様および特徴は、両側からの自動締付け靴の締付けを行なう交差紐の配置であり、かくして着用者の足のまわりにぴったりした嵌合をもたらす。
【0014】
本発明の他のこのような重要な態様および特徴は、紐に連結されていて、これらの紐を締付けるために締付け方向に移動可能である係合紐である。
【0015】
本発明の更に他のこのような重要な態様および特徴は、締付け中、紐の移動を許容し、締付けが完了された後、紐を把持して紐の逆方向の移動を防ぐ1対のばね押し把持カムである。
【0016】
本発明の更に他のこのような重要な態様および特徴は、着用者の足から取外すために靴を緩めることができるように紐の逆方向の移動を許容するために、ばね押し把持カムを紐から離脱させるための解放紐および解放レバーである。
【0017】
本発明の更に他のこのような重要な態様および特徴は、締付けが完了された後、係合紐を逆方向に引き戻すための跳ね返しばねである。
【0018】
本発明の更に他のこのような重要な態様および特徴は、軌道およびスライドを有する締付け気候である。
【0019】
本発明の更に他のこのような重要な態様および特徴は、軸に設けられていて、爪により係合可能なラチェット歯を有するラチェットホイールを有する締付け機構である。
【0020】
本発明の他の目的および本発明の付随する利点の多くは、同様な参照符号が図全体にわたって同様な部品を示している添付図面と関連して考察された場合の下記の詳細な説明を参照することにより良好に理解されると、容易に認められるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は、開状態における本発明の自動締付け靴110の上面図を示しており、図2は、第1の形態の締付け機構を有する自動締付け靴110の部分切取り側面図を示している。
【0022】
自動締付け靴110は、図示のように、靴底120と、舌部116、つま先部113、ヒール118および強化紐締めパッド114を含む一体部材または靴上部112とを有するスポーツまたは運動靴であり、これらのすべては、任意の一般スポーツまたは運動靴材料で構成されている。舌部116の端部のつま先部113には、一端がそれぞれ靴紐136、137に取着される2つの固定ボタン122、124が設けられている。靴紐136、137は、図示のように、下部116の上方で交差し、そして紐収容ループ142を通る前に紐穴126、128を通る。紐収容ループ142を通った後、紐136は、強化紐締めパッド114の穴146を通り、そして靴上部112の外側および内側材料間を通るチューブ150の一部を通って下方および後方に移動し、紐137は、強化紐締めパッド114の穴146を通り、そして図示のように、靴上部112の外側および内側材料間を通るチューブ148の一部を通って下方および後方に移動する。チューブ148およびチューブ150の下端部は、自動締付け靴110の靴底120内のチャンバー160に入り、そこで、靴紐136、137は、チューブ148、150を去り、そしてチャンバー160の内側の靴底120の内部に取着されている機構基部162に取着されている第1の形態の締付け機構158を通る。また、締付け機構158を覆い、且つ機構基部162と共に締付け機構158を包囲する収容板178が設けられている。
【0023】
締付け機構158を通った後、靴紐136、137は、相互に交差し、そして係合紐164に取着する。次いで、係合紐164は、ヒール118内の通路161内に上方に通っているチューブ152の一部を通る。次いで、係合紐164は、チューブ152および通路161から出て、引張りループ154で終わっている。また、締付け機構158に取着されている解放紐166が設けられており、この解放紐166は、解放レバー156がチューブ152に入っているところのチューブ152のほぼ途中までチューブ152を下方に通っている。解放紐166は、解放レバー156を通り、チューブ152を下方に通っていて、締付け機構158に取着されている。解放紐166は、これが適切に取着されているときには常にぴんと張っている。解放レバー156は、下方に押されると、締付け機構158を解除するトグルスイッチとして作用する。また、係合後に係合紐164をチャンバー160の中へ引き戻す跳ね返りばね168が設けられている。第1の形態の締付け機構158およびその作動モードは、より容易に理解されるであろうが、これらを、図3を参照して更に説明する。
【0024】
図3は、締付け機構158の詳細を現すべく図示の簡単化のために靴底120および機構基部162を取除いた状態の自動締付け靴110の底面図を示しており、先に出てきた符号すべては、先に述べた要素に対応している。特に、締付け機構158およびその構成部品の配向が示されている。チューブ148、150は、それぞれ、靴紐137、136を靴底120のチャンバー160の中へ案内する。次いで、靴紐136は、1対のばね押し把持カム170、172間に案内され、靴紐137は、1対のばね押し把持カム174、176間に案内される。次いで、両靴紐136、137は、相互に交差し、そしてチャンバー160内に位置決めされた交差点165のところで係合紐164に取着する。次いで、係合紐164は、通路161内のチューブ152を上方に通って引張りループ154に合流する。靴紐136、137が締まるまで引張りループ154が上方に引張られると、自動締付け靴110は、着用者の足にぴったり嵌る。それで、ばね押し把持カム170、172、174、176は、紐136、137が逆方向に移動するのを防ぐ。跳ね返しばね168は、緩みを係合紐164から引張り、過剰の紐締付けをチャンバー160の中へ引き戻す。
【0025】
自動締付け靴110を取外すためには、解放レバー156を下方に押して解放紐166によりばね押し把持カム170、176を同時に紐136、137から引き離して自由な移動を生じる。この自由な移動により、使用者は、自動締付け靴110を取外せる。
【0026】
図4は、第2の形態の締付け機構258の詳細を現すべく図示の簡単化のために靴底120および機構基部162を取除いた状態の自動締付け靴110の底面図を示しており、図5は、第2の形態の締付け機構258を備えた自動締付け靴110の後部分の横断面図を示しており、前述の符号すべては、先に述べた要素に対応している。これらの図は、図2および図3に示された構成部品の別の構成を示している。第2の形態の締付け機構258は、分離板280により垂直方向に整合されて分離されている2対のばね押し把持カム270および272、274および276を有して、第1の形態の締付け機構158と同様に機能し、且つ構成されている。靴紐136は、押し把持カム270、272間を通っており、靴紐137は、押し把持カム274、276を通っている。分離板280は、靴紐136、137が絡まるのを防ぎ、そして2対のばね押し把持カム270および272、274および276を互いに干渉することなしに機能するように垂直方向に整合させている。靴紐136、137は、これらが2対のばね押し把持カム270および272、274および276を通った後、相互に交差し、そして係合紐164に取着する。この第2の形態の締付け機構は、第1の形態の締付け機構と同様に機能し、構成部品の構成のみが変えられている。
【0027】
図6は、締付け機構258の横断面図を示しており、この際、先に現われた符号すべては、先に述べた要素に対応する。特に、一端が機構基部162に取着され、反対端が係合紐164の上方およびまわりに取着されている跳ね返りばね268が示されている。引張りループ154(図5)が所望の締り度まで引張られると、この跳ね返りばね268は、係合紐164から緩みを引き出し、そして過剰の紐締めをチャンバー160に引き戻して、引張りループ154をその元の位置に戻す。また、収容板178に対する機構基部162の配向が示されている。
【0028】
図7は、軌道/スライド機構288、すなわち、第3の形態の締付け機構を組み入れた自動締付け靴110の後面図を示しており、この際、先に現われた符号すべては、先に述べた要素に対応する。図5に関しては、軌道/スライド機構288は、引張りループ154および解放レバー156に代って使用されることができる。この軌道/スライド機構は、軌道290を組み入れており、この軌道290は、その長さに沿って垂直方向に走行するスライド292により摩擦係合されている。スライド292を軌道290に沿って上方に移動させることによって、係合紐164が作動されて自動締付け靴110を締付ける。逆に、スライド292を軌道290に沿って下方に移動させることによって、係合紐164が解放され、それによって自動締付け靴110を緩めることができる。
【0029】
図8は、第4の形態の締付け機構358を現すべく図示の簡単化のために靴底120および機構基部162を取除いた状態の自動締付け靴110の底面図を示しており、図9は、締付け機構358を部分横断面図で示しており、この際、先に現われた符号すべては、先に述べた要素に対応する。締付け機構358は、機能または範囲に影響することなしに先の実施の形態の締付け機構158に代わって使用されることができる。この締付け機構358は、1対の軸支持部材372、374が取着されていて、直交して解放に延びてラチェットホイール軸370を受入れる収容板178で構成されている。軸支持部材372、374間の中間でラチェットホイール軸370の上方およびまわりに取着されているラチェット歯366付きのラチェットホイール364が設けられている。収容板178には、解放レバー360が、その後部で解放レバー軸362により枢着されている。解放レバー360の内端部は、図示のようにラチェット歯366に漸次係合する解放レバー爪368を組み入れている。靴紐136、137が、ラチェットホイール軸370の上方およびまわりにコイル巻きしていて、それに適切に取着されている。また、係合紐164が、ラチェットホイール軸370の上方およびまわりに反対方向にコイル巻きしていて、それに取着されている。係合紐164が引張られると、ラチェットホイール軸370およびラチェットホイール364は、反時計方向に回転して、靴紐136、137を更にコイル巻きし、それにより自動締付け靴110を締付ける。係合時に生じられる張力により、解放レバー爪368をラチェット歯366に掛け係合させて係合中のスリップを防ぐ。解放レバー360が係合されると、解放レバー爪368は、ラチェット歯366を離脱し、ラチェットホイール軸370およびラチェットホイール364は、時計方向に走行して靴紐136、137を巻きほどき、そして自動締付け靴110の紐張力を解放する。また、靴紐137が係合紐164に絡まるのを防ぐ拘束ワッシャ376が設けられている。ラチェットホイール364は、紐136が係合紐164と絡まるのを防ぐ拘束装置として作用する。係合時に係合紐164に生じられる緩みは、先に述べたように、靴の中へ引き戻されるか、或いは同じ結果を達成するのに、芝刈り機がコードを引くのに使用されるもののようなクラッチ機構が組み込まれることができる。
【0030】
本発明の明らかな範囲を逸脱することなしに本発明に対して種々の変更例を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】開放状態にある本発明の自動締付け靴の上面図である。
【図2】第1の形態の締付け機構を有する自動締付け靴の部分切り取り側面図である。
【図3】第1の形態の締付け機構を現すために靴底および機構基部を取除いた状態の自動締付け靴の底面図である。
【図4】第2の形態の締付け機構を現すために靴底および機構基部を取除いた状態の自動締付け靴の底面図である。
【図5】第2の形態の締付け機構を備えた自動締付け靴の後部分の横断面図である。
【図6】第2の形態の締付け機構の横断面図である。
【図7】軌道/スライド機構、すなわち、第3の形態の締付け機構を組み入れた自動締付け靴の後面図である。
【図8】第4の形態の締付け機構を現すために靴底および機構基部を取除いた状態の自動締付け靴の底面図である。
【図9】第4の形態の締付け機構の部分横断面図である。
【符号の説明】
【0032】
110 自動締付け靴 152 チューブ
112 一体部材または靴上部 154 引張りループ
113 つま先部 156 解放レバー
114 強化紐締めパッド 158 締付け機構
116 舌部 160 チャンバー
118 ヒール 161 通路
120 靴底 162 機構基部
122 固定ボタン 164 係合紐
124 固定ボタン 165 交差点
126 紐穴 166 解放紐
128 紐穴 168 跳ね返しばね
130 紐穴 170 ばね押し把持カム
132 紐穴 172 ばね押し把持カム
136 靴紐 174 ばね押し把持カム
137 靴紐 176 ばね押し把持カム
142 紐拘束ループ 178 収容板
144 穴 258 締付け機構
146 穴 268 跳ね返しばね
148 チューブ 270 ばね押し把持カム
150 チューブ 272 ばね押し把持カム
274 ばね押し把持カム
276 ばね押し把持カム
280 分離板
288 軌道/スライド機構
290 軌道
292 スライド
358 締付け機構
360 解放レバー
362 解放レバー軸
364 ラチェットホイール
366 ラチェット歯
368 解放レバー爪
370 ラチェットホイール軸
372 軸支持部材
374 軸支持部材
376 拘束ワッシャ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)靴底、およびこの靴底に連結された上部を有しており、この上部が、つま先部と、ヒールと、このつま先部に隣接した固定端部および前記つま先部から後方に間隔を隔てられた自由端部を有する舌部と、この舌部を跨っており、前記舌部の前記固定端部に隣接したところから前記舌部の前記自由端部に隣接したところまで両側に沿って間隔を隔てられた紐穴を有する紐締めパッドとを有している靴と、
b)前記ヒールに隣接して前記靴底内に設けられ、前記靴底から前記ヒールの頂部の近くまで延びている前記ヒール内の通路と連通しているチャンバーと、
c)前記靴の後部に組み込まれており、かつ、前記靴底の前記チャンバー内に部分的におよび前記ヒールの前記通路内に部分的に存在し、前記靴底の前記チャンバーに沿っておよび前記ヒールの前記通路に沿って締付け方向に移動可能である係合紐を有する締め付け機構と、
d)各々が、前記舌部の前記固定端部に最も近い各紐穴に一端で固定され、次いで前記舌部の上方において交差して前記紐穴のうちの別の紐穴を通り、次いで前記上部の材料を通って前記靴底の前記チャンバーに達しており、最終的に、締付け方向の前記係合紐の移動により前記舌部のまわりに締付けられ、それにより前記靴を締付けるように、前記靴底の前記チャンバー内で前記係合紐と作動的に関連されている1対の紐とを、具備している自動締付け靴。
【請求項2】
前記係合紐は、第1および第2の端部を有しており、前記1対の紐は、前記靴底の前記チャンバー内に位置決めされた交差点で互いにおよび前記係合紐の前記第1の端部に接合されており、前記係合紐の前記第2の端部は、前記係合紐を把持して締付け方向に移動させるために前記ヒールの前記通路内から延びている、請求項1に記載の自動締付け靴。
【請求項3】
前記締付け機構は、更に、前記靴底の前記チャンバーに収容された2対のばね押し把持カムを有しており、前記紐の各々は、これらが互いにおよび前記係合紐に接合されている交差点の前方で各対の前記ばね押し把持カム間を通っており、前記対のばね押し把持カムは、前記係合紐による前記靴の締付け中、これらのばね押し把持カム間の前記紐の移動を許容し、そして前記靴の締付けが完了した後、前記紐の逆方向の移動を防ぐ、請求項2に記載の自動締付け靴。
【請求項4】
前記2対のばね押し把持カムは、前記靴底の前記チャンバーの両側に位置決めされていて、前記靴底と平行な共通平面にある、請求項3に記載の自動締付け靴。
【請求項5】
前記交差点は、前記2対のばね押し把持カム間の中間に位置決めされている、請求項4に記載の自動締付け靴。
【請求項6】
前記靴底の前記チャンバー内に位置決めされた跳ね返しばねを更に具備しており、この跳ね返しばねは、前記係合紐に連結された第1の端部と、前記靴底の前記チャンバー内の表面に連結された第2の端部とを有しており、前記跳ね返しばねは、前記靴の締付けが完了された後、前記係合紐を前記靴底の前記チャンバーの中へ引き戻すように作用する、請求項5に記載の自動締付け靴。
【請求項7】
前記2対のばね押し把持カムは、前記靴底の前記チャンバーの中央で垂直方向に整合して互いの上に位置決めされている、請求項3に記載の自動締付け靴。
【請求項8】
前記2対のばね押し把持カムは、分離板により分離されている、請求項7に記載の自動締付け靴。
【請求項9】
前記靴底の前記チャンバー内に位置決めされた跳ね返しばねを更に具備しており、前記跳ね返しばねは、前記係合紐に連結された第1の端部と、前記靴底の前記チャンバー内の表面に連結された第2の端部とを有しており、前記跳ね返しばねは、前記靴の締付けが完了された後、前記係合紐を前記靴底の前記チャンバーの中へ引き戻すように作用する、請求項8に記載の自動締付け靴。
【請求項10】
前記ばね押し把持カムおよび解放レバーに連結された解放紐を更に具備しており、前記解放レバーは、前記ばね押し把持カムを前記紐から離脱させて前記紐の自由な逆方向の移動を許容し、かくして靴を解放することができるために前記ヒールの前記通路から外方に延びている、請求項3に記載の自動締付け靴。
【請求項11】
前記係合紐の前記第2の端部は、引張りループを有している、請求項2に記載の自動締付け靴。
【請求項12】
前記締付け機構は、更に、前記ヒールの後部に沿って垂直方向に延びている軌道と、この軌道に摩擦係合されるスライドとを有しており、前記係合紐は、前記ヒールの前記通路内で前記スライドに連結されていて、前記スライドの対応する移動により前記ヒールの前記通路内で上方および下方の両方に移動可能である、請求項1に記載の自動締付け靴。
【請求項13】
前記締付け機構は、更に、前記靴底の前記チャンバー内に位置決めされた軸と、前記軸に設けられたラチェット歯を有するラチェットホイールと、前記ラチェット歯と係合可能な爪とを有しており、この爪は、前記ヒールの後部から突出している解放レバーに連結されており、前記紐は、前記軸の両端部のまわりにコイル巻きされており、前記紐は、前記コイル巻きされた紐間のほぼ中間の位置で前記軸のまわりにコイル巻きされており、前記紐は、共に、前記軸のまわりに同じ方向にコイル巻きされており、前記係合紐は、前記紐がコイル巻きされている方向と反対の方向に前記軸のまわりにコイル巻きされている、請求項1に記載の自動締付け靴。
【請求項14】
前記係合紐は、これを把持して締付け方向に移動させるために前記ヒールの前記通路内から延びている端部を有している、請求項13に記載の自動締付け靴。
【請求項15】
前記ヒールの前記通路内から延びている前記係合紐の端部は、引張りループを有している、請求項14に記載の自動締付け靴。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2006−502797(P2006−502797A)
【公表日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−545161(P2004−545161)
【出願日】平成14年10月17日(2002.10.17)
【国際出願番号】PCT/US2002/031580
【国際公開番号】WO2004/034831
【国際公開日】平成16年4月29日(2004.4.29)
【出願人】(505138495)
【Fターム(参考)】