説明

自動蛇口及び水洗装置のためのパッシブセンサ

【課題】標準的なバッテリーを交換することなく長期間にわたって動作することができる、自動蛇口又は自動水洗装置と共に使用するための、光センサが依然として必要とされている。自動蛇口又は自動水洗装置と共に使用するための高信頼性のセンサが依然として必要とされている。
【解決手段】例えば自動蛇口(10)又は自動水洗トイレの動作を制御するために、周囲(室内)光に感応する光検出器を含むパッシブ光センサ。該パッシブ光センサは、電子制御回路及び流量バルブを含む流量制御装置に信号を提供し、トイレ設備内のユーザを検知するのに極めて少量の電力しか必要とせず、このため多年にわたるバッテリーの動作が可能となる。周囲光に基づいて自動蛇口又は自動水洗トイレの動作を制御するために、前記制御装置は新規のアルゴリズムを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規の光センサに関し、詳細には、自動蛇口及び水洗装置の動作を制御するための新規の光センサに関し、特に、かかる蛇口で使用される電子機器へ制御信号を供給するための新規の流量制御センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動蛇口及び水洗装置は長年にわたり使用されてきた。自動蛇口は、一般に、物体の存在を検出する光センサその他のセンサと、該センサからの信号に基づき水の出水・止水を行う自動バルブとを含む。自動蛇口は、水の作動後に供給される温水と冷水との適当な混合比を提供するために温・冷水源に接続された混合バルブを含むことが可能である。自動蛇口の使用は、水を節約し、また手洗いひいては良好な衛生状態を促進させるものとなる。同様に、自動水洗装置は、センサと、作動後に便器又は小便器を洗浄するための水源に接続された洗浄バルブとを含む。自動水洗装置の使用は、一般に公共施設の清潔さを改善するものとなる。
【0003】
自動蛇口では、光センサその他のセンサが制御信号を提供し、ターゲット領域内に位置するオブジェクトの検出時に、水流を開くための信号をコントローラが提供する。自動水洗装置では、ユーザがターゲット領域を離れた後に光センサその他のセンサがコントローラに制御信号を提供する。かかるシステムは、オブジェクトセンサが妥当に識別能力のあるものである場合に最も良好に機能する。例えば、自動蛇口は、ユーザの手に応答すべきであり、蛇口が取り付けられたシンク、又は該シンク内に投入されたペーパータオルに応答すべきではない。システムに2つのものを区別させる方法の中でもとりわけ、シンクの場所を除外するようターゲット領域を制限することが知られている。しかし、コートその他のオブジェクトが依然として蛇口に対して誤ったトリガを提供する可能性がある。同様に、これは、トイレのドア又は何らかの同様のものの移動に起因して、自動水洗装置にも起こり得る。
【0004】
光センサは、光源(通常は赤外線発光器)と、該光源のIR波長に感応する光検出器とを含む。蛇口の場合、該発光器と検出器(すなわち受光器)は、蛇口の出口近傍でその噴出口に、又は該噴出口の基部近傍に、取り付けることができる。水洗装置の場合には、発光器及び検出器は、水洗装置本体に、又はトイレの壁に取り付けることが可能である。代替的に、(発光器及び受光器の代わりに)光学レンズのみをそれらの要素に取り付けることが可能である。該レンズは、光源からの光を伝搬させまた光検出器へと光を伝搬させる1つ又は2つ以上の光ファイバに結合される。該光ファイバは、発光器との間、及び蛇口の下方に取り付けられた受光器との間で光を伝搬させる。
【0005】
光学センサでは、シンク、トイレの壁、又はその他の設置されたオブジェクトからの反射を排除するように、発光器の出力及び/又は受光器の感度が制限される。特に、発せされるビームは有効なターゲット(通常は衣類又は人間の手の皮膚)にのみ投射されるべきであり、次いで反射されたビームが受光器により検出される。この種のセンサは、ターゲットの表面の反射率、及びその発光/受光能力に依存するものである。高反射率のドアや壁、鏡、高反射率のシンク、異なるシンクの形状、シンク内の水、生地の色及び粗い/光沢のある表面、歩いているが施設を使用していない移動中のユーザに起因して、問題がしばしば発生する。鏡、ドア、壁、及びシンクは、有効なターゲットではないが、直角の入射角では粗面よりも多くのエネルギーを反射して受光器へ戻す可能性がある。様々な生地等の有効なターゲットの反射は、それらの色及び表面の仕上げと共に変化する。生地によっては、入射ビームの殆どのエネルギーを吸収し及び散乱させ、これにより弱い反射光が受光器に返されることになる。
【0006】
多数の光学センサその他のセンサはバッテリーにより給電される。設計によっては、発光器(又は受光器)は大量の電力を消費する可能性があり、このため該バッテリーがやがて使い果たされることになる(又は大きなバッテリーが必要になる)。バッテリー交換のコストは、バッテリーのコストだけでなく、より重要な作業コストを含み、該作業コストは、熟練した要員の場合には比較的高価となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
標準的なバッテリーを交換することなく長期間にわたって動作することができる、自動蛇口又は自動水洗装置と共に使用するための、光センサが依然として必要とされている。自動蛇口又は自動水洗装置と共に使用するための高信頼性のセンサが依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、新規の光センサ及び光学的放射線を検知するための新規の方法に関するものである。該新規の光センサ及び該新規の光検知方法は、例えば、自動蛇口及び水洗装置の動作を制御するために使用される。該新規のセンサ及び流量制御手段(電子制御回路及びバルブを含む)は、トイレ設備のユーザを検知するのに少量の電力しか必要としないものであり、このため多年にわたるバッテリー動作が可能となる。パッシブ光センサは、自動蛇口又は自動水洗装置の動作を制御するために周囲(室内)光に感応する光検出器を含む。
【0009】
一実施形態によれば、電子式蛇口又は水洗装置のバルブを制御するための光センサは、光学的な入力ポートの位置に配設されると共に部分的に検出フィールドを画定するよう配置された光学要素を含む。該光センサはまた光検出器及び制御回路を含む。該光検出器は、前記光学要素及び前記入力ポートに光学的に結合され、周囲光を検出するよう構成される。前記制御回路は、流量バルブの開閉を制御するよう構成される。該制御回路はまた、検出された光に対応する光検出器からの信号を受信するよう構成される。
【0010】
前記制御回路は、検出器から定期的にサンプルを抽出するよう構成される。該制御回路は、周囲光の背景レベルと周囲光の現行レベルとに基づいて流量バルブの開閉を判定するよう構成される。該制御回路は、ユーザの到来を最初に検出し次いで該ユーザが立ち去ったことを検出したことに基づいて流量バルブの開閉を行うよう構成される。代替的に、該制御回路は、ユーザの存在を検出したことに基づいて流量バルブの開閉を行うよう構成される。
【0011】
前記光学要素は、光ファイバ、レンズ、ピンホール、スリット、又は光学フィルタを含む。前記光学的な入力ポートは、蛇口の通気装置内に配置され、又は蛇口の通気装置に隣接して配置される。
【0012】
別の実施形態によれば、電子式蛇口のための光センサは、光学的な入力ポート、光検出器、及び制御回路を含む。該光学的な入力ポートは光を受光するよう配置される。前記光検出器は、前記入力ポートに光学的に結合され、受光した光を検出するよう構成される。制御回路は、蛇口のバルブ又は水洗装置のバルブの開閉を制御する。
【0013】
この実施形態の好適な実施例は、以下の特徴の1つ又は2つ以上を含むものとなる。制御回路は、検出された光の量に基づいて検出器から定期的にサンプルを抽出するよう構成される。制御回路は、施設が使用中であるか否かを判定した後に、検出された光の量に基づいてサンプルを抽出する周期を調節するよう構成される。検出器は、光ファイバを使用して入力ポートに光学的に結合される。入力ポートは、電子式蛇口の通気装置内に配置することが可能である。本システムは、電子式蛇口を給電するためのバッテリーを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、センサにより制御される自動蛇口システム10を示しており、該センサは、自動バルブの動作を制御するよう構成され配置された制御回路へ信号を供給する。該自動バルブは、温水及び冷水を混合する前または混合した後にその流量を制御する。
【0015】
自動蛇口システム10は、蛇口本体12と、センサポート34を含む通気装置30を含む。自動蛇口システム10はまた、蛇口基部14と、該蛇口をデッキ18に固定するためのネジ16A,16Bを含む。冷水パイプ20A及び温水パイプ20Bが、特定の混合比の温水及び冷水を提供する混合バルブ22に接続される(該混合比は所望の水温に応じて変更することができる)。水導管24は、混合バルブ22をソレノイドバルブ38に接続する。流量制御バルブ38は、水導管24と水導管25との間の水流を制御する。水導管25は、バルブ38を図示のように部分的に蛇口本体12内に配置された水導管26に接続する。水導管26は通気装置30へ水を供給する。自動蛇口システム10はまた、バッテリー室39内に配置されたバッテリーにより給電され、及び蛇口センサ及びソレノイドバルブ38を制御する、制御モジュール50を含む。
【0016】
図1及び図1Aを参照すると、第1の好適な実施形態では、自動蛇口システム10は、制御モジュール50内に配設された光センサを含み、該光センサは、光ファイバケーブル52によって、通気装置30内に配置されたセンサポート34に光学的に結合される。該光ファイバケーブル52は、センサポート34の位置に配置された光学レンズに結合させることが可能である。該光学レンズは、所定の視界を有するよう構成され、該視界は好適には、蛇口がターンオンした際に、通気装置30から放出される水流内で該水流とある程度同軸となる。
【0017】
代替的には、光ファイバケーブル52の末端を磨いて、光の発射及び入射を直接行うようにする(すなわち光学レンズなし)。この場合も、光ファイバケーブル52の末端は、シンク11に向かって通気装置30から放出される水流内で該水流とある程度同軸となる視界(例えば図1Aの視界A)を有するよう構成される。代替的に、センサポート34は、所定のサイズ、配列、及び向きを有するピンホールアレイ又はスリットアレイといった、他の光学要素を含む。該ピンホールアレイ又は該スリットアレイのサイズ、配列、及び向きは、所定の検出パターン(蛇口の場合を図3〜3D、洗浄装置の場合を図5〜5Lに示す)を提供するよう設計される。
【0018】
図1及び図1Aを更に参照すると、光ファイバケーブル52は、好適には、水と接触した状態で水導管26の内部に配置される。代替的に、光ファイバケーブル52は、水導管26の外部であって蛇口本体12の内部に配置することが可能である。図1C、図1D、及び図1Eは、通気装置30内にセンサポート34を配設する代替的な態様、及び光学レンズ54に結合された光ファイバ52を配置する代替的な態様を示している。別の実施形態では、光学レンズ54がピンホールアレイ又はスリットアレイに置換される。
【0019】
図1Bは、自動蛇口システムの第2の好適な実施形態を示している。自動蛇口システム10Aは、蛇口本体12と、センサポート35に結合された光センサ37を含む通気装置30とを含む。光センサ37は、配線53によって、蛇口本体内部に配設された電子制御モジュール50へ電気的に接続される。別の実施形態では、電子制御モジュール50は、制御バルブ38(図1)に隣接して蛇口本体の外部に配設される。
【0020】
別の実施形態では、センサポート35は、検出パターン(又は光学的な視界)を画定するために光センサ37の正面に配置される光学レンズを受容する。好適には、該光学レンズは、蛇口がターンオンした際に通気装置30から放出される水流内である程度同軸の視界を提供するものとなる。更に別の実施形態では、センサポート35は、所定のサイズ、配列、及び向きを有するピンホールアレイ又はスリットアレイといった他の光学要素を含む。該ピンホールアレイ又は該スリットアレイのサイズ、配列、及び向きは、所定の検出パターン(蛇口の場合を図3〜3D、洗浄装置の場合を図5〜5Lに示す)を提供するよう設計される。
【0021】
光学センサは、センサポート34又はセンサポート35に光学的に結合された可視光又は赤外光検出器を含むパッシブ光センサである。該光センサに関連する光源(すなわち発光器)は存在しない。可視光又は近赤外線(NIR)光検出器が、センサポート34又はセンサポート35に到達した光を検出し、それに対応する電気信号を制御ユニット50又は制御ユニット55内に配設されたコントローラへ提供する。該光検出器(すなわち受光器)は、フォトダイオード又はフォトレジスタ(又は電気的な出力を有する他の何らかの光強度検知要素であって所望の光学的感度を有するもの)とすることが可能である。フォトダイオードを用いた光センサは増幅回路も含む。好適には、光検出器は、約400〜500nmから約950〜1000nmまでの範囲の光を検出する。該光検出器は、主に周囲光に感応するものであり、体熱(例えば赤外光または遠赤外光)にはあまり感応しないものである。
【0022】
図2及び図2Aは、自動蛇口システムの代替的な実施形態を示している。図2を参照すると、自動蛇口システム10Bは、デュアルフロー蛇口バルブ60から水を受容して通気装置31から水を提供する蛇口を含む。自動蛇口12はハンドル59により調整される混合バルブ58を含み、これはまたバルブ60の補助手動装置に接続することが可能である。デュアルフローバルブ60は、冷水パイプ20A及び温水パイプ20Bに接続され、冷水パイプ21A及び温水パイプ21Bのそれぞれへの水流を制御する。
【0023】
デュアルフローバルブ60は、単一のアクチュエータ201(図8A参照)による駆動時にパイプ21A,21Bの両者における水流を同時に制御するよう構成され配置される。詳細には、バルブ60は、それぞれの水路における温水及び冷水の流れを制御するよう構成された2つの流量バルブを含む。該2つの流量バルブを制御するためにソレノイドアクチュエータ201(図8A)がパイロット機構に結合される。該2つの流量バルブは好適にはダイアフラム操作バルブである(但し、ピストンバルブ又は図9及び図9Aに関連して説明する大流量「フラム(fram)」バルブとすることも可能である)。デュアルフローバルブ60は、各ダイアフラム操作バルブのダイアフラムチャンバ内の圧力を変更するよう構成された圧力解放機構を含み、これにより各ダイアフラムバルブを開閉させて水流を制御する。デュアルフローバルブ60については2001年11月20日出願のPCT出願PCT/US01/43277に詳細に記載されている。
【0024】
更に図2を参照すると、蛇口本体12には、光ファイバの末端に適応し又は光検出器に適応するためのセンサポート35が結合されている。光ファイバケーブルは、センサポート35から光検出器へと光を伝搬させる。一好適実施形態では、蛇口本体12は、図10及び図10Aに関して説明する光検出器及びコントローラを有する制御モジュールを含む。該コントローラは、電気ケーブル56を介してソレノイドアクチュエータ201へ制御信号を提供する。センサポート35は、通気装置31から放出される水流の外部に位置する検出視界を有する(図3A及び図3Bに示す)。
【0025】
図2Aを参照すると、自動蛇口システム10Cもまた、デュアルフロー蛇口バルブ60から水を受容して通気装置31から水を提供する蛇口本体12を含む。該自動蛇口10Cもまた、ハンドル59により調整される混合バルブ58を含む。デュアルフローバルブ60は、冷水パイプ20A及び温水パイプ20Bに接続され、冷水パイプ21A及び温水パイプ21Bのそれぞれへの水流を制御する。
【0026】
センサポート33は、蛇口本体12に結合され、及び図3C及び図3Dに示す視界を有するよう設計される。センサポート33は光ファイバ56Aの末端に適応する。光ファイバ56Aの始端は、デュアルフローバルブ60に結合された制御モジュール55A内に配置された光センサへ光を供給する。制御モジュール55Aはまた電子制御回路及びバッテリーを含む。光センサは、オブジェクト(例えば手)の存在を検出し、又はシンク領域におけるオブジェクトの存在の変化(例えば移動)を検出する。電子制御回路は、光検出器の動作及び光検出器からの読み出しを制御する。該電子制御回路はまた、バルブ60に関連するソレノイドの動作を制御する電力駆動回路を含む。光検出器からの信号に応じて、電子制御回路は、電力駆動回路に、ソレノイドバルブ60の開閉(すなわち水流の開始と停止)を行わせる。アクチュエータ201(図8A)の設計及び動作については、PCT出願PCT/US02/38757,PCT/US02/38758,PCT/US02/41576に詳細に説明されている。
【0027】
図1Cは、蛇口12の噴出口の放出端に配置された通気装置30Aの垂直断面を示している。通気装置30Aは、ネジ山63を用いて蛇口本体12に取付可能なバレル62を含む。該バレル62はリング64を支持し、該リング64がワイヤメッシュスクリーン65を支持する。バレル62はまた、環状部材70、ジェット形成部材72、及び上部ワッシャ74を含む。ジェット形成部材72は、水路を提供するための幾つかの細長いスロット76を含む。ジェット形成部材72及びスクリーン65は、光ファイバ52用の通路36を含む。水は、通気装置30Aを通って上から下へと流れる。通気装置30A内で、水流は、水導管26(図1A)から流れ、水ジェット形成部材72の垂直方向に細長いスロット76により粉砕される。次いで水は、リング64により支持されたワイヤメッシュスクリーン65へと流れる。リング64はまた、チャンバ66の内部のギャップ67(該リング64がそれ自体とバレル62との間に形成するもの)を介した吸気(吸入)を可能にする。ワイヤメッシュスクリーン65のすぐ上でチャンバ66内で空気が水と混合されて、空気と水との混合物がスクリーン65を通過する。上記の構成要素の中心で、レンズ54を保持する管状部材36の内部に光ファイバ52が配置される。
【0028】
図1Dは、パッシブセンサのためのポートが中心に配置された通気装置の第2の実施形態を示している。この実施形態では、通気装置30Bは、通路88のための中央開口部を提供する少なくとも2つの両凸状に配置されたワイヤメッシュ部材86A,86Bを含む。通気装置30Bはまた、複数の孔92と管状部材52に適応するための中央孔88とを含む挿入部材90を含む。通気装置30Bは、ネジ山83を用いて蛇口12に取り付けられる。水は、水導管26から上部チャンバ91へと流れ、次いで孔92を通って流れる。孔84を介してチャンバ93内に空気が入る。次いで水と空気の混合物が、両凸状に構成された2つのスクリーン86A,86Bを通って流れる。ハウジング82は、周方向の内向きの支持部を有し、該支持部が2つのスクリーン86A,86Bを支持する。光ファイバ52は、上部から通気装置30Bを通り及びワイヤメッシュスクリーン86A,86Bを通って水パイプ26(図1A)の内部に延びる。孔92により形成されるそれぞれの水ジェットが下部チャンバ93に入る際に、開口84を介してチャンバ93内に空気が引き込まれる。チャンバ93内で水が空気と混合され、その混合物がスクリーン86A,86Bに強制的に通される。
【0029】
図1E及び図1Fは、水流と位置合わせされた光学的な視界を提供するための代替的な態様(すなわち通気装置及びその内部に配設されるセンサポートの代替的な実施形態)を示している。図1Eは図1の自動蛇口システムで使用される通気装置30Cの斜視図、図1Fは該通気装置30Cの断面図である。該通気装置30Cは、ネジ山83を用いて蛇口本体12及び水導管26に結合される。光ファイバ52は、水導管の外部に配置され、アダプタ97を介して導入される。代替的に、アダプタ97は、光ファイバケーブル52の代わりに電気ケーブルを使用して制御モジュールに結合された光検出器を含むことが可能である。(単純化のため、図1E及び図1Fにはワイヤメッシュ部材及び空気開口は図示していない。)
図3は、自動蛇口12に配設されたパッシブ光センサのための第1の好適な検出パターン(A)の断面図を概略的に示している。該検出パターン(A)は、センサポート34に関するものであり、レンズにより、又は図6ないし図6Eに示す光学要素から選択された要素より、成形されるものである。検出パターンAは、主にシンク11から反射された周囲光を受容するよう選択される。パターンの幅は制御されるが、その範囲の制御は遥かに小さなものとなる(すなわち、検出範囲は実際には制限されないため、図3はパターンAを概略的にしか示していない)。
【0030】
蛇口の正面に立っているユーザは、シンクに到達する周囲(室内)光の量に影響を与えることになり、ひいては光検出器に到達する光の量に影響を与えることになる。一方、単に室内を移動している人は、検出される光の量に大きな影響を与えることはない。蛇口の下に手を出しているユーザは、光検出器により検出される周囲(室内)光の量に更に大きな影響を与えるものとなる。このため、パッシブ光センサは、ユーザの手を検出し、それに対応する制御信号を提供することができる。ここで、検出された光は、(発光器及び受光器の両者を使用する光センサとは異なり)ターゲットとなる表面の反射率に大きく依存することはない。手洗いの後、ユーザが蛇口の下から手をどかすと、光検出器により検出される周囲光の量が再び変化することになる。次いで、パッシブ光センサは、それに対応する制御信号をコントローラ(図10、図10A、及び図10Bに関して説明する)に提供する。
【0031】
図3A及び図3Bは、自動蛇口10B内に配設されたパッシブ光センサに関する第2の好適な検出パターン(B)を概略的に示したものである。該検出パターンBは、センサポート35に関するものであり、これもまた、レンズにより又は図6ないし図6Eに示す光学要素により成形することが可能である。ユーザが蛇口10Bの下に手を出すと、光検出器により検出される周囲(室内)光の量が変化する。上述のように、該検出される光は、(発光器及び受光器の両者を使用する光センサの場合とは異なり)ユーザの手の反射率に大きく依存することはない。このため、パッシブ光センサは、ユーザの手を検出し、それに対応する制御信号をコントローラに提供する。図13、図13A、及び図13Bは、前記検出パターンA,Bに使用される検出アルゴリズムを示している。
【0032】
図3C及び図3Dは、自動蛇口10C内に配設されたパッシブ光センサに関する別の検出パターン(C)を概略的に示したものである。該検出パターンCは、センサポート33に関するものであり、選択された光学要素により成形されるものである。該選択された光学要素は、検出パターンの所望の幅と向きを達成するが、その範囲の制御は一層困難なものである。この実施形態では、蛇口10Cの正面に立っているユーザは、検出される周囲光の量を、そこをユーザが通過する場合よりも幾分か多く変化させることになる。この実施形態では、シンク11からの光の反射は、検出される光に極めて小さな影響しか与えない。
【0033】
図4は、自動洗浄装置100を含むトイレの概略的な側面図、図4Aは、自動洗浄装置100を含む小便器の概略的な側面図を示している。洗浄装置100は、供給ライン112から加圧された水を受容し、パッシブ光センサを使用してターゲット領域103内のターゲットの動きに応答するものである。該ターゲット領域をユーザが離れた後、コントローラが洗浄バルブ102の開口を命じ、これにより供給ライン112から洗浄導管113及びトイレボウル116への水流が可能となる。
【0034】
図4Aは、自動水洗小便器120に使用される洗浄式装置100Aを示している。洗浄装置100Aは、供給ライン112から加圧された水を受容する。洗浄バルブ102は、ターゲット領域103内のターゲットの動きに応答するパッシブ光センサにより制御される。該ターゲット領域をユーザが離れた後、コントローラが洗浄バルブ102の開口を命じ、これにより供給ライン112から洗浄導管113への水流が可能となる。
【0035】
洗浄装置100,100Aは、モジュール式の設計とすることが可能であり、この場合には、それらのカバーを部分的に開いてバッテリー又は電子モジュールを交換することが可能となる。かかるモジュール式の設計の洗浄装置については、2003年2月20日出願の米国特許出願第60/448,995号に記載されている。
【0036】
図5及び図5Aは、図4の自動トイレ洗浄装置に配設されたパッシブ光センサにより使用される光検出パターンの概略的な側面図及び平面図を示している。この検出パターンは、センサポート108に関するものであり、レンズにより又は図6ないし図6Eに示す光学要素から選択された要素により成形される。該パターンは、水平(H)よりも下方に傾斜し、トイレ116に対して対称的に向けられる。その範囲は、壁(W)による影響を受けないようある程度制限される。これは検出感度を制限することで達成することもできる。
【0037】
図5B及び図5Cは、図4の自動トイレ洗浄装置に配設されたパッシブ光センサにより使用される第2の光検出パターンの概略的な側面図及び平面図を示している。この検出パターンは、レンズその他の光学要素により成形される。該パターンは、水平(H)の上下両方に傾斜するものである。更に、該パターンは、図5Cに示すようにトイレ116に対して非対称的に向けられる。
【0038】
図5D及び図5Eは、図4の自動トイレ洗浄装置に配設されたパッシブ光センサにより使用される第3の光検出パターンの概略的な側面図及び平面図を示している。この検出パターンもまたレンズその他の光学要素により成形される。該パターンは水平(H)の上方に傾斜するものである。更に、該パターンは、図5Eに示すようにトイレ116に対して非対称的に向けられる。
【0039】
図5F及び図5Gは、図4の自動トイレ洗浄装置に配設されたパッシブ光センサにより使用される第4の光検出パターンの概略的な側面図及び平面図を示している。この検出パターンは、水平(H)の下方に傾斜し、図5Gに示すようにトイレ116に対して非対称的に向けられる。該検出パターンは、2001年7月27日出願の米国特許出願第09/916,468号及び2001年10月6日出願の米国特許出願第09/972,496号に記載されている「トイレ脇洗浄装置(toilet side flushers)」の場合に特に有用なものとなる。
【0040】
図5H及び図5Iは、図4Aの自動小便器洗浄装置に配設されたパッシブ光センサにより使用される光検出パターンの概略的な側面図及び平面図を示している。この検出パターンはレンズその他の光学要素により成形される。該パターンは水平(H)の上下両方に傾斜し、小便器120の正面に立っている人に起因する周囲光の変化をターゲットとするようになっている。該パターンは、(図5Iに示すように)小便器120に対して非対称的に向けられ、例えば、小便器に隣接して立っている人に起因する光の変化を排除し又は少なくとも低減させるようになっている。
【0041】
図5J、図5K、及び図5Lは、図4Aの自動小便器洗浄装置に配設されたパッシブ光センサにより使用される別の光検出パターンの概略的な側面図及び平面図を示している。この検出パターンは上述のようにレンズその他の光学要素により成形される。該パターンは水平(H)の下方に傾斜し、天井のランプによる光の影響をなくすようになっている。該パターンは、(図5K又は図5Lに示すように)小便器120に対して左方又は右方へ非対称的に向けることが可能である。これらの検出パターンは、2001年7月27日出願の米国特許出願第09/916,468号又は2001年10月6日出願の米国特許出願第09/972,496号に記載されている「小便器脇洗浄装置(urinal side flushers)」の場合に特に有用なものとなる。
【0042】
一般に、パッシブ光センサの視界は、ビーム形成管、レンズ、光導体、反射器、ピンホールアレイ、及び所定の形状寸法を有するスロットアレイといった、光学要素を使用して形成することができる。これら光学要素は、鏡、ドア、及び壁といった無効なターゲットを排除する下方を見下ろす視界を提供することができる。垂直方向の視界と水平方向の視界との様々な比は、ターゲットの検出のための異なるオプションを提供するものとなる。例えば、水平方向の視界の幅を垂直方向の視界よりも1.2倍広くすること、又はその逆を実施することが可能である。適当に選択された視界は、隣接する蛇口又は小便器からの不要な信号をなくすことができる。検出アルゴリズムは、視界のサイズ及び向きを含む所定の視界を考慮する較正ルーチンを含む。
【0043】
図6ないし図6Eは、パッシブセンサの所望の検出パターンを生成するための異なる光学要素を示している。図6及び図6Bは、異なるピンホールアレイを示している。プレートの厚さ、サイズ、及びピンホールの向き(図6A及び図6Cに断面で示す)は、視界の特性を決定するものとなる。図6D及び図6Eは、図5B及び図5Hに示す検出パターンを生成するためのスリットアレイを示している。このプレートはまた、上部又は下部検出視界を覆うためのシャッターを含む。
【0044】
図7は、自動洗浄装置100又は自動洗浄装置100Aと共に使用するのに適した自動洗浄バルブを詳細に示している。その他の洗浄バルブは上記PCT出願に記載されている。更に別の適当な洗浄バルブが、米国特許第6,382,586号及び第5,244,179号に記載されている。何れの場合も、洗浄バルブは本書に記載するパッシブ光センサにより制御される。
【0045】
図7を参照すると、自動洗浄バルブ140は、高性能の電子的に制御され又は手動で制御されるタンクレス洗浄バルブである。自動洗浄バルブ140は、パッシブ光センサ130(図7に示す)を使用する。パッシブ光センサ130は、検出視界を画定し及び受光器132に周囲光を提供するためのレンズ134を含む。プラスチック製エンクロージャ135は光学窓136を含み、該光学窓136は図6ないし図6Eに関して説明した光学要素を含むことが可能である。回路基板138上にコントローラが配設される。プラスチック製エンクロージャ135はまた、洗浄システム全体を給電するためのバッテリーを収容する。
【0046】
更に図7を参照すると、洗浄バルブ140は入力ユニオン112を含み、該入力ユニオン112は好適には、適当な可塑性樹脂から作成される。該入力ユニオン112は、ビルディング水供給システムと相互作用する入力継手に対してネジ山を介して取り付けられる。更に、ユニオン112は、水が存在しない場合にそれ自体の軸上で回転するよう設計され、これにより入口供給ラインとの位置合わせが容易となる。ユニオン112は、固定具144及び半径方向シール146により入口パイプ142に取り付けられ、これによりユニオン112が入口パイプ142に沿って内外に移動することが可能となる。この移動により入口を供給ラインに整列させる。しかし、固定具144が固定されている場合には、ユニオン112により加えられた水圧が入口142に存在する。これにより、シール146を介して堅くシールされた1つのユニットが形成される。給水は、ユニオン112を介して入口142へ伝搬し、及び入口バルブアセンブリ150及び入口スクリーンフィルタ152を通過し、該入口スクリーンフィルタ152は、部材178により形成される通路内にあり、メインバルブシート156と連絡した状態にある。メインバルブ全体の動作は、図9及び図9Aも併せて参照することにより一層良好に理解することができよう。
【0047】
図8、図9、及び図9Aに関して説明するように、電磁アクチュエータ201は、メインバルブ、すなわち「フラムピストンバルブ」270の動作を制御する。開放状態では、水は、通路152、及び通路158を通って、通路159A,159B内へ、及びメイン出口114へと流れる。閉鎖状態では、フラム要素278(図9及び図9A)がバルブメインシート156をシールし、これにより通路158を通る流れが閉鎖される。自動洗浄装置140は、バルブ要素162,164と共にねじ込まれたバルブ要素174の回転により制御される調節可能な入力バルブ150を含む。バルブ要素162,164は、1つ又は2つ以上のOリング163を介して、本体170からシールされる。更に、バルブ要素162,164は、要素174が完全にねじ込まれている際に、ネジ付き要素160により押さえつけられる。この力は要素154,178へ伝達される。その結果として生じる力が要素180を下方に押圧する。
【0048】
バルブ要素160のねじ込みが完全に緩められると、この調節可能な入力バルブ内の案内要素186上に配置されたバネ184の力により、バルブアセンブリ150,151が上方に移動する。このバネ力がパイプ142からの入口流体圧力と相まって、構成要素151を強制的にバルブシートに対してOリング182と接触した状態にし、その結果としてOリング182のシール作用が得られる。Oリング182(又はその他のシール要素)は、152の内部通路への水の流れを遮断し、次いで、入口112における給水の閉鎖を必要とすることなく、遮断バルブ150の背後にある要素を含む全ての内部のバルブ要素のメンテナンスを行うことが可能となる。これは、この実施形態の大きな利点である。
【0049】
調節可能なバルブ140の他の機能によれば、ネジ付きリテーナが途中までねじ込まれ、その結果としてバルブ本体要素162,162がバルブシートを部分的にのみ下方に押圧する。バルブ150を通る入水の流れを低減させる流量制限を提供する部分的な開口が得られる。この新規の機能は、用途の特定の要件を満たすよう設計される。取り付けを行う者に流量制限を提供するために、バルブ本体の内面は、入水量を較正するための1.6 W.C 1.0 GPF 小便器といった用途固有のマークを含む。
【0050】
自動洗浄バルブ140には、ハウジング135内に配置された上述のセンサベースの電子システムが装着される。代替的に、センサベースの電子洗浄システムを、全てが機械的な駆動ボタン又はレバーに置換することが可能である。代替的に、洗浄バルブは、PCT出願PCT/US01/43273に記載されているような油圧遅延構成で動作する、油圧によりタイミング管理された機械式アクチュエータにより制御することが可能である。該油圧システムは、1.6 GPF W.Cといった所与の設備に必要とされる洗浄体積に対応する遅延期間に調節することが可能である。該油圧遅延機構は、取り付けた者がプリセットした値に等しい期間にわたり、電磁アクチュエータ201の代わりにパイロット部の出口オリフィスを開放させることができる。
【0051】
再び図7を参照すると、パッシブ光センサ信号に応じて、マイクロコントローラは、制御アルゴリズムを実行して、ON信号及びOFF信号をバルブアクチュエータ201へ提供し、次いで該バルブアクチュエータ201が水供給部を開閉させる。マイクロコントローラはまた、使用態様(例えば、便器、小便器、野球場内等の頻繁に使用される小便器)に応じて、半洗浄又は遅延洗浄を行うことができる。マイクロコントローラはまた、タイミング管理された洗浄(夏のスキー場等の施設における一日一回又は週一回の洗浄)を行ってウォータートラップの乾燥を防ぐことができる。
【0052】
図8、図8A、及び図8Bは、自動蛇口10における水流を制御するよう構成され配置された自動バルブ38を示している。詳細には、自動バルブ38は、バルブ入力ポート202で水を受容し、開放状態においてバルブ出力ポート204から水を提供する。自動バルブ38は、耐久性のあるプラスチック又は金属から形成された本体206を含む。好適には、バルブ本体206は、プラスチック材料から作成されるが、金属製の入力カプラ210及び金属製の出力カプラ230を含む。入力及び出力カプラ210,230は、金属(真鍮、銅、又は鋼鉄など)から作成され、これにより、それらを送水管24,25にそれぞれ接続するために使用されるレンチのための把持面を提供することが可能となる。バルブ本体206は、バルブ入力ポート240、バルブ出力ポート244、及び図8に示す個々のバルブ構成要素を受容するためのキャビティ207を含む。
【0053】
金属製の入力カプラ210は、金属製のC字クランプ212を使用して入力ポート240に回転可能な状態で取り付けられ、該金属製のC字クランプ212は、入力カプラ210の内部のスリット214内へスライドし、また入力ポート240の本体の内部のスリット242(図8)内へとスライドする。金属製の出力カプラ230は、金属製のC字クランプ232を使用して出力ポート244に回転可能な状態で取り付けられ、該金属製のC字クランプ232は、出力カプラ230の内部のスリット234内へスライドし、また出力ポート244の本体の内部のスリット246内へとスライドする。蛇口12のメンテナンスを行う際に、この回転可能な構成は、カプラ210,230の所定の表面にレンチを取り付けない限り、送水管の接続が2つのバルブカプラの何れかに締め付けられるのを防止するものとなる(すなわち、メンテナンスを行う者は、バルブ本体206を把持することにより水入力及び出力ラインを締め付けることはできない)。これは、自動バルブ38の比較的柔らかいプラスチック製の本体206を保護するものとなる。しかし、本体206は金属から作成することが可能であり、この場合には上述の回転可能な結合は不要となる。シーリングOリング216は入力カプラ210を入力ポート240に対してシールし、シーリングOリング238は出力カプラ230を出力ポート244に対してシールする。
【0054】
図8、図8A、及び図8Bを参照すると、金属製の入力カプラ210は、流量制御機構310(図8)と協働するよう構成された入口流量調節手段220を含む。入口流量調節手段220は、調節用ピストン222、及び調節用ピン226の周囲に配設されてピンリテーナ218を押圧する閉鎖用バネ224を含む。入力流量調節手段220はまた、調節用ピストン222に結合されて同ピストンを変位させる調節用ロッド228を含む。流量制御機構310は、ネジ314によって流量制御カム320と連絡した状態で調節用キャップ316に結合されたスピンキャップ312を含む。流量制御カム320は、調節用キャップ316の回転時に本体206の内部を直線的にスライドする。流量制御カム320は、入口流量開口部321、ロック機構323、及び斜面324を含む。斜面324は、調節用ロッド228の末端229と協働するよう構成される。流量制御カム320の直線運動は、バルブ本体206内で、斜面324を変位させ、ひいては調節用ロッド228を変位させる。調節用ピストン222はまた、入力カプラ210の入口シート211と協働するよう構成された内面223を含む。調節用ロッド228の直線運動は、調節用ピストン222を閉鎖位置と開放位置との間で変位させる。閉鎖位置では、シーリング面223が、閉鎖用バネ224の力により内側シート211をシールする。開放位置では、調節用ロッド228が閉鎖用バネ224に抗して調節用ピン222を変位させ、これにより、入口シート211とシーリング面223との間に選択的な大きさに設定された開口が提供される。このため、調節用キャップ316を回転させることにより、調節用ロッド228が入口調節手段220を開閉させる。入口調節手段220は、送水管24からの水流を制御し又は完全に閉鎖する。上述の手動調節は、マイクロコントローラにより制御される自動監視式調節機構に置換することが可能である。
【0055】
図8、図8A、及び図8Bを参照すると、自動バルブ38はまた、下部バルブハウジングの一部をなす入口フィルタホルダ332上に取り外し可能な状態で配設された取り外し可能な入口フィルタ330を含む。入口フィルタホルダ332はまた、図8に示すOリング及び一組の出口孔267を含む。「フラムピストン」270を図9及び図9Aに詳細に示す。図8Aを再び参照すると、水は、入力カプラ210の入力ポート202から、入口流量調節手段220を通り、次いで入口流量開口部321を通り、及び入口フィルタホルダ332の内側の入口フィルタ330を通って流れる。水は、次いで円筒形の入力要素276の内側の入力チャンバ268に到達し、可撓性部材278に対して圧力が提供される(図9)。
【0056】
自動バルブ38はまた、プラグ316を取り外した後に、取り付けられているアクチュエータ200を含むバルブアセンブリ全体を本体206の外部へと引き出すよう設計されたサービスループ340(又はサービスロッド)を含む。バルブアセンブリ全体の取り外しはまた、取り付けられているアクチュエータ200(又はアクチュエータ201)とPCT出願PCT/US02/38757及びPCT出願PCT/US02/38757に記載されているパイロットボタンを取り外すものとなる。容易な装着及びメンテナンスを可能にするために、アクチュエータ200の末端においてPCB上に回転式の電気接点が配設される。詳細には、アクチュエータ200は、その末端に、対応するピンのための接触面を提供する2つの環状の接点領域を含み、それら全てを金メッキにして高品質の接触を達成することができる。代替的に、静止状態のPCBが2つの環状の接点領域を含むことができ、アクチュエータを移動可能な接点ピンに接続することが可能である。かかる末端のアクチュエータ接点アセンブリは、バルブ本体206の内部に配設されたアクチュエータ200をスライドさせるだけの容易な回転式の接触を達成するものとなる。
【0057】
図8Cは、バルブ装置38を横断する水漏れ又は水流を示すための漏洩検出器を含む自動バルブ38を示している。該漏洩検出器は、電子測定回路350と、入力カプラ210及び出力カプラ230にそれぞれ結合された少なくとも2つの電極348,349とを含む(該漏洩検出器はまた、4点抵抗値測定のための4つの電極を含むことが可能である)。バルブ本体206は、プラスチックその他の非導電性材料から作成される。閉鎖状態において、入力カプラ210と出力カプラ230との間に水流が存在しないとき、電子回路350は、入力カプラ210と出力カプラ230との間で非常に高い抵抗値を測定する。開放状態では、入力カプラ210と出力カプラ230との間の抵抗値は劇的に低下する。これは、流水によって導電経路が提供されるからである。
【0058】
様々な電子回路350の実施形態が存在し、それらはDC測定や(当業界で周知の)ロックイン増幅器を用いたノイズの除去を含むAC測定を提供することができるものである。代替的に、電子回路350は、抵抗値の精確な測定のためにブリッジその他の測定回路を含むことが可能である。電子回路350は、抵抗値をマイクロプロセッサに提供し、これにより、バルブ38が開放状態にあるときを示す。更に、漏洩検出器は、入力カプラ210と出力カプラ230との間に望ましくない水漏れが存在するときを示す。バルブ38全体は、絶縁性のエンクロージャ内に配設され、これにより導電率の測定に影響を与え得る望ましくない接地経路が防止される。更に、漏洩検出器は、水がバルブ38からエンクロージャ内に漏洩した際に他の何らかのバルブ故障を示すことができる。このように、漏洩検出器は、それ以外の手段では観察するのが困難となる望ましくない水漏れを検知することができる。漏洩検出器は、自動蛇口システムの開放状態を検出してアクチュエータ200の正しい動作を確認するために構成されたものである。
【0059】
自動バルブ38は、標準的なダイアフラムバルブ、標準的なピストンバルブ、又は図9及び図9Aに関して詳述する新規の「フラムピストン」バルブ270を含むことが可能である。図9を参照すると、バルブ270は末端本体276を含み、該末端本体276は、可撓性部材278と共に環状リップシール275を含み、入力ポートチャンバ268と出力ポートチャンバ269との間にシールを提供する。末端本体276はまた、入力チャンバ268と出力チャンバ269との間に(開放状態において)連絡を提供する1つ又は2つ以上の水流チャンバ267(図8にも示す)を含む。可撓性部材278はまた、パイロットチャンバ292と出力チャンバ271との間でバルブ本体272に対してスライド式のシールを提供するよう構成されたシーリング部材279A,279Bを含む。シール279A,279B(図9)の様々な考え得る実施形態が存在する。このシールは、片側シール又は図9に示す279A,279Bのような両側シールとすることが可能である。更に、Oリング等を含むスライド式シールの様々な追加の実施形態が存在する。
【0060】
本発明は、様々なサイズを有するバルブ装置270を想定したものである。例えば、「フル」サイズの実施形態は、ピンの直径A=約1.78mm(0.070")、バネの直径B=約7.87mm(0.310")、可撓性部材の直径C=約18.5mm(0.730")、全体的なフラム及びシールの直径D=約10.5mm(0.412")、ピンの長さE=約11.4mm(0.450")、本体の高さF=約6.861mm(0.2701")、パイロットチャンバの高さG=約5.59mm(0.220")、フラム部材のサイズH=約4.06mm(0.160")、及びフラムの行程I=約2.54mm(0.100")となる。バルブの全体的な高さは、約34.3mm(1.35")であり、直径は約29.82mm(1.174")となる。
【0061】
「フラムピストン」バルブの「ハーフサイズ」の実施形態は、同じ符号に以下の寸法が与えられる。「ハーフサイズ」バルブでは、A=約1.78mm(0.070")、B=約7.6mm(0.30")、C=約14.2mm(0.560")、D=約16.5mm(0.650")、E=約8.64mm(0.34")、F=約7.87mm(0.310")、G=約5.46mm(0.215")、H=約3.18mm(0.125")、I=約15.2mm(0.60")となる。1/2実施形態の全体的な長さは、約34.3mm(約1.350")であり、直径は約11.6mm(約0.455")である。「フラムピストン」バルブ装置の異なる実施形態は、様々な一層大きな又は小さなサイズを有することが可能である。
【0062】
図9及び図9Aを参照すると、フラムピストンバルブ270は、入力ポート268で流体を受容し、これがダイアフラム状部材278上に圧力を加え、閉鎖状態のリップ部材275と共にシールを提供する。ピン286内の溝通路288は、パイロットチャンバ292との圧力の連絡を提供し、該パイロットチャンバ292は、連絡通路294A,294Bを介してアクチュエータキャビティ300と連絡している。(PCT出願PCT/US02/38757に記載の)アクチュエータは、表面298におけるシールを提供し、これにより、通路294A,294Bひいてはパイロットチャンバ300がシールされる。アクチュエータ200のプランジャが表面298から離れるよう移動すると、流体が通路294A,294Bを介して制御通路296及び出力ポート269へと流れる。これによりパイロットチャンバ292内の圧力が低下する。このため、ダイアフラム状部材278及びピストン状部材288は、キャビティ292内を直線的に移動し、これによりリップシール275の位置に比較的大きな流体開口部が提供される。大量の流体が入力ポート268から出力ポート269へと流れることができる。
【0063】
アクチュエータ200のプランジャが制御通路294A,294Bをシールすると、ガイドピン286内の「ブリード」溝288を介した入力ポート268からの流体に起因してパイロットチャンバ292内に圧力が形成される。パイロットチャンバ292内の増大した圧力、並びにバネ290の力が、ガイドピン286上のスライド動作で、部材270からシーリングリップ275に向かって直線的に移動させる。パイロットチャンバ292内に十分な圧力が存在するとき、ダイアフラム状可撓性部材278がリップシール275において入力ポートチャンバ268をシールする。柔軟性のある該部材278は、前記スライド動作時に溝288を清掃するようガイドピン286と共に設計された内側開口部を含む。すなわち、ガイドピン286の溝288は定期的に清掃される。
【0064】
図9の実施形態は、ベント通路294A,294B(及びアクチュエータ200のプランジャの位置)に対して対称的に構成された中央入力チャンバ268(及びガイドピン286)を有するバルブを示している。しかし、バルブ装置は、通路294A,294B及び出力ベント通路296に対して非対称的に構成された入力チャンバ268(及びガイドピン286)を有することが可能である。すなわち、かかる設計では、このバルブは、アクチュエータ200のプランジャの位置に対して非対称的に構成された入力チャンバ268及びガイドピン286を有している。該対称的な実施形態も非対称的な実施形態も互いに等価なものである。
【0065】
自動バルブ38は、その長期にわたる動作と容易なメンテナンス性に関して多数の利点を有している。自動バルブ38は入口調節手段220を含み、これにより別の場所で水の供給を停止させることなくバルブのメンテナンスを行うことが可能となる。キャビティ207及びアクチュエータ200の内側寸法を含むバルブ38の構成は、内部部品の容易な交換を可能にする。メンテナンス者は、ネジ314を外し、キャップ312を回し、次いで調節用キャップ316を外して、バルブ38を開く。バルブ38は、取り付けられたアクチュエータ200を含むバルブアセンブリ全体を本体206外に引き出すよう設計されたサービスループ340(又はサービスロッド)を含む。次いで、メンテナンス者は、アクチュエータ200を含むあらゆる欠陥部品、又はアセンブリ全体を交換し、修理したアセンブリをバルブ本体206内に挿入することが可能となる。バルブの設計によっては、かかる修理は数分しか必要としないものとなり、バルブ38を送水管から切断し又は水の供給を止める必要はない。有利なことに、「フラムピストン」設計270は、大きなストロークを提供するものとなり、このため、そのサイズに比較して大きな流量を提供するものとなる。
【0066】
「フラムピストン」バルブ装置の別の実施形態は、2002年12月4日出願のPCT出願PCT/US02/34757及び2003年6月24日出願のPCT出願PCT/US03/20117に記載に記載されている。この場合も、このバルブ装置の動作全体は単一のソレノイドアクチュエータにより制御され、該アクチュエータは、ラッチングソレノイドアクチュエータ又は2001年10月25日出願のPCT出願PCT/US01/51054に記載されている独立したアクチュエータとすることが可能である。
【0067】
図10は、バッテリー420により給電される電子制御回路400の概要を示したものである。電子制御回路400は、バッテリー調整ユニット422、無または低バッテリー検出ユニット425、パッシブセンサ、及び信号処理ユニット402、及びマイクロコントローラ405を含む。バッテリー調整ユニット422は、全コントローラシステムのための電力を供給する。該バッテリー調整ユニット422は、6.0V電源を「無バッテリー」検出器に供給し、6.0V電源を低バッテリー検出器に供給し、また6.0V電源を電力ドライバ408に供給する。バッテリー調整ユニット422は、調整された3.0V電源をマイクロコントローラ405に供給する。
【0068】
「無バッテリー」検出器は、マイクロコントローラ405に通知するための「否バッテリー」信号という形でマイクロコントローラ405へのパルスを生成する。低バッテリー検出器は、6.0V電源を介してバッテリー/電源調整回路に接続される。電源が4.2V未満に低下すると、該検出器がマイクロコントローラへパルス(すなわち低バッテリー信号)を生成する。該「低バッテリー」信号を受信すると、マイクロコントローラは、1Hzの周波数でインジケータ430(例えばLED)をフラッシュさせ、又は音声アラームを提供することが可能である。低バッテリー状態で2000回洗浄した後、マイクロコントローラは洗浄を停止させるが、LEDはフラッシュしたままにする。
【0069】
図10Bに関して説明するように、パッシブセンサ及び信号処理モジュール402は、フォトレジスタの抵抗値をパルスに変換し、該パルスが電荷パルス信号を介してマイクロコントローラへ送られる。パルス幅の変化は抵抗値の変化を表し、該抵抗値の変化は照明の変化に対応する。制御回路はまたクロック/リセットユニットを含み、該クロック/リセットユニットは、クロックパルスの生成を提供し、及びパルス生成をリセットする。該クロック/リセットユニットは、4kHzの周波数を有するリセットパルスを生成し、これはクロックパルスに従う同じ周波数である。該リセット信号が、「リセット」信号を介してマイクロコントローラ405へ送られて、マイクロコントローラがリセットされ、又はマイクロコントローラがスリープモードからウェイクアップされる。
【0070】
手動ボタンスイッチはリードスイッチ及び磁石により形成することが可能である。該ボタンがユーザにより押下されると、回路が手動信号IRQを介してクロック/リセットユニットへ信号を送出し、次いで該クロック/リセットユニットにリセット信号を生成させる。これと同時に、手動信号レベルのレベルが変化して、それが有効な手動洗浄信号であることをマイクロコントローラ405へ知らせる。
【0071】
図10を参照すると、電子制御回路400は、光センサユニット402からの信号を受信し、アクチュエータ412、コントローラ又はマイクロコントローラ405、入力要素(例えば光センサ)、電圧調整手段422により調節されたバッテリー420からの電力を受容するソレノイドドライバ408(電力ドライバ)を制御する。マイクロコントローラ405は、効率的な電力操作を行うよう設計される。電力を節約するために、マイクロコントローラ405は、最初は低周波数のスリープモードとなり、定期的に光センサにアクセスして、それがトリガされたか否かを確認する。トリガされた後、マイクロコントローラは消費電力コントローラ418へ制御信号を供給する。該消費電力コントローラ418は、電圧調整手段422(又は電圧ブースト422)、光センサユニット402、及び信号調整手段416に電源を投入するためのスイッチである(ブロック図の単純化のため、消費電力コントローラ418から光センサユニット402へ、及び信号調整手段416への接続は図示していない)。
【0072】
マイクロコントローラ405は、アクチュエータ410のための手動駆動又は制御入力のために設計された外部入力要素(例えばプッシュボタン)からの入力信号を受信することができる。詳細には、マイクロコントローラ405は、アクチュエータ410のソレノイドを駆動する電力ドライバ408へ制御信号406A,406Bを供給する。電力ドライバ408は、バッテリーからDC電力を受容し、電圧調整手段422が該バッテリー電力を調整して実質的に一定の電圧を電力ドライバ408へ供給する。アクチュエータセンサ412は、アクチュエータ410のアーマチュア位置を記録紙又は監視し、信号調整手段416へ制御信号415を供給する。低バッテリー検出ユニット425は、バッテリー電力を検出し、マイクロコントローラ405へ割り込み信号を供給することができる。
【0073】
アクチュエータセンサ412は、アクチュエータのアーマチュアの運動又は位置に関するデータを(信号調整手段416を介して)マイクロコントローラ405へ提供し、該データが、電力ドライバ408の制御に使用される。アクチュエータセンサ412は、電磁センサ(例えばピックアップコイル)、静電容量性センサ、ホール効果センサ、光センサ、圧力変換器、又はその他のあらゆるタイプのセンサとすることが可能である。
【0074】
好適には、マイクロコントローラ405は、東芝製の8ビットCMOSマイクロコントローラTMP86P807Mである。マイクロコントローラは、8kbyteのプログラムメモリ、及び256byteのデータメモリを有している。プログラミングは、汎用PROMプログラマを有する東芝製のアダプタソケットを使用して行われる。マイクロコントローラは、3つの周波数(fc=16MHz, fc=8MHz, fc=332.768kHz)で動作し、その最初の2つのクロック周波数は通常モードで使用され、3つ目の周波数は低電力モード(すなわちスリープモード)で使用される。マイクロコントローラ405は、様々な起動間にスリープモードで動作する。バッテリー電力を節約するために、マイクロコントローラ405は、定期的に光センサ402の入力信号をサンプリングし、次いで消費電力コントローラ418をトリガする。消費電力コントローラ418は、信号調整手段416その他の構成要素の電源を投入する。それ以外の場合には、光センサ402、電圧調整手段422(又は電圧ブースト422)、及び信号調整手段416には、バッテリー電力の節約のため電力は供給されない。動作時には、マイクロコントローラ405はまた、インジケータ430に指示データを供給する。電子制御回路400は、上述のパッシブ光センサ又はアクティブ光センサからの信号を受信することが可能である。パッシブ光センサは、マイクロコントローラ405へ検出信号を供給する光検出器のみを含むものである。
【0075】
低バッテリー検出ユニット425は、Microchip Technology社から販売されている低バッテリー検出器:モデル番号 TC54VN4202EMBとすることが可能である。電圧調整手段422もまた、Microchip Technology社(http://www.microchip.com)から販売されている電圧調整回路:部品番号 TC55RP3502EMBとすることが可能である。マイクロコントローラ405は、代替的に、National Semiconductor社から販売されているマイクロコントローラ:部品番号 MCUCOP8SAB728M9とすることが可能である。
【0076】
図10Aは、電子制御回路400の別の実施形態の概要を示したものである。電子制御回路400は、光センサユニット402からの信号を受信してアクチュエータ412を制御する。上述のように、電子制御回路400はまた、マイクロコントローラ405、ソレノイドドライバ408(すなわち電力ドライバ)、電圧調整手段422、及びバッテリー420を含む。ソレノイドアクチュエータ411は、2つのコイルセンサ411A,411Bを含む。該コイルセンサ411A,411Bは、前置増幅器416A,416B及びローパスフィルタ417A,417Bに信号をそれぞれ供給する。差分器419は、フィードバックループ構成でマイクロコントローラ405に差分信号を供給する。
【0077】
流路を開放するために、マイクロコントローラ405は電力ドライバ408にオープン信号を送る。該電力ドライバ408は、アクチュエータ410の駆動コイルに、アーマチュアを後退させることになる方向に駆動電流を供給する。これと同時に、コイル411A,411Bは、誘導された信号を、前置増幅器及びローパスフィルタを含む調整用フィードバックループに供給する。差分器419の出力が、後退したアーマチュアに関して較正された所定のしきい値よりも小さい(すなわちアーマチュアが所定の位置に達していなかった)ことを示す場合、マイクロコントローラ405はオープン信号406Bを表明し続ける。ソレノイドアーマチュアの運動が検出されない場合には、マイクロコントローラ405は、異なる(より高い)レベルのオープン信号406Bを加えて、電力ドライバ408により供給される駆動電流を(通常の駆動電流の最大数倍まで)増大させる。このようにして、本システムは、無機物の堆積又はその他の問題に起因して固着したアーマチュアを動かすことができる。
【0078】
マイクロコントローラ405は、調整用フィードバックループに配設されたコイル411A,411B内に誘導された信号を使用してアーマチュアの変位を検出することが(又はアーマチュアの運動を監視することすら)できる。差分器419からの出力がアーマチュアの変位に応じて変化する際に、マイクロコントローラ405は、異なる(より低い)レベルのオープン信号406Bを加えることができ、又はオープン信号406Bをターンオフさせることができ、次いで電力ドライバ408に異なるレベルの駆動電流を加えさせる。その結果として、通常は、駆動電流が低下することになり、又は駆動電流の持続時間が(アーマチュアセンサを用いることなく使用しなければならない)最悪の条件で流路を開放させるのに必要な時間よりも遥かに短くなる。このため、本制御システムは、かなりのエネルギーを節約し、それ故、バッテリーの寿命を延長させるものとなる。
【0079】
有利なことに、コイルセンサ411A,411Bの構成は、アクチュエータアーマチュアのラッチ及びラッチ解除動作を高い精度で検出することができる(但し、単一のコイルセンサ、又は多数のコイルセンサ、又は静電容量性センサを使用してアーマチュアの運動を検出することも可能である)。マイクロコントローラ405は、電力ドライバ408により加えられた所定のプロファイルの駆動電流を検出することができる。様々なプロファイルをマイクロコントローラ405に格納することが可能であり、該様々なプロファイルを、流体タイプ、流体圧力(水圧)、流体温度(水温)、装着され又はメンテナンスされてからアクチュエータ410が動作した時間、バッテリーレベル、外部センサ(例えば運動センサ又は圧力センサ)からの入力、又はその他のファクタに基づいて駆動することが可能である。水圧及びオリフィスの既知のサイズに基づいて、自動洗浄バルブは、既知の量の洗浄水を送ることができる。
【0080】
図10Bは、パッシブ光センサ50のために使用される検出回路の概要を示している。該パッシブ光センサは、光源を含まず(発光は生じず)、到来する光を検出する光検出器のみを含む。アクティブ光センサと比べて、パッシブセンサは消費電力の低減を可能にする。これは、IR発光器に関する全ての消費電力がなくなるからである。光検出器は、フォトダイオード、フォトレジスタ、又は受光した光の強度又は波長に応じて電気的な出力を提供する他の何らかの光学要素とすることが可能である。受光器は、350〜1500nm、好適には400〜1000nm、更に好適には500〜950nmの範囲でアクティブになるよう選定される。このため、光検出器は、蛇口10,10A,10B,又は10Cのユーザにより発せられた体熱、又は洗浄装置100又は100Aの正面に位置するユーザにより発せられる体熱に感応することはない。
【0081】
図10Bは、消費電力の大幅な削減を可能にするパッシブセンサにより使用される検出回路の概略図である。該検出回路は、検出素子D(例えばフォトダイオード又はフォトレジスタ)、及びHIGHパルスの受信時に検出素子からの読み出しを提供するよう接続された2つの比較器(U1A,U1B)を含む。好適には、検出素子はフォトレジスタである。電圧VCCは、電源から受容した+5V(又は+3V)である。抵抗R2,R3は、VCCとグランドとの間の分圧器である。ダイオードD1は、パルス入力と出力ラインとの間に接続され、光検出時に充電された静電容量C1の読み出しが可能となる。
【0082】
好適には、フォトレジスタは、光学レンズ54又は図6ないし図6Eに示す光学要素を適当に設計することにより、1〜1000ルクスの範囲の強度の光を受光するよう設計される。例えば、光学レンズ54は、光互変性材料又は可変サイズアパーチャを含むことが可能である。一般に、フォトレジスタは、適当な検出のために0.1〜500ルクスの範囲の強度の光を受光することができる。フォトダイオードの抵抗値は、低光強度では非常に大きく、強度の増大とと共に(通常は指数関数的に)低下する。
【0083】
図10Bを参照すると、入力接続で「HIGH」パルスを受信した際、比較器U1Aが「HIGH」パルスを受信し、該「HIGH」パルスをノードAに提供する。この時点で、対応するコンデンサの変化が比較器U1Bを介して出力7へ読み出される。該出力パルスは、(光検出期間中にコンデンサC1を充電した)光電流に依存した期間を有する矩形波である。こうして、マイクロコントローラ34は、検出された光に依存した信号を受信する。
【0084】
HIGH信号が存在しない場合には、比較器U1AはノードAに信号を提供せず、このため、コンデンサC1は、VCCとグランドとの間のフォトレジスタDで励起された光電流により充電されている。該充電及び読み出し(放電)プロセスは、制御入力にHIGHパルスを提供することにより、制御された態様で繰り返される。出力は、HIGH出力、すなわち、フォトレジスタで励起された光電流に比例する期間を有する矩形波を受信する。検出信号は、マイクロコントローラ405により実施される検出アルゴリズムに従うものである。
【0085】
アクティブ光センサの場合に使用されるエネルギーを消費するIR光源を採用する必要性をなくすことにより。本システムは、より長いバッテリー寿命(通常はバッテリーを交換せずに多くの年数又は多数回の動作)を達成するよう構成することができる。更に、パッシブセンサは、ユーザの存在、ユーザの動き、及びユーザの動く方向を一層精確に決定する手段を実施可能にする。
【0086】
如何なるタイプの光センサ要素を使用すべきかに関する好適な実施形態は、以下のファクタに依存するものとなる。フォトレジスタの応答時間は20〜50msecのオーダーであり、これによりフォトダイオードは数μsecのオーダーであり、それ故、フォトレジスタの使用は遥かに長い時間を必要とすることになり、これは全体的なエネルギーの使用に大きな影響を与えるものとなる。
【0087】
更に、パッシブ光センサは、施設内の明暗を判定し、次いで(蛇口検出アルゴリズムにおいて実施される)検知頻度を変更するために使用することが可能である。すなわち、暗い施設内では、蛇口又は洗浄装置はかかる状態では使用されないであろうという推定の下に、検知レートを低下させる。検知頻度の低下は、全体的なエネルギー消費を更に削減し、このためバッテリー寿命が更に延びる。
【0088】
図11は、パッシブ光学系の操作及び較正に影響を与える様々なファクタを示している。検出は周囲光の条件に依存するため、センサ環境は重要である。施設内の周囲光が通常の状態から明るく変化した場合には、検出アルゴリズムは、バックグランド及び検出スケールを再計算しなければならない。検出プロセスは、照明状態が変化した際に(585)、所与のアルゴリズムで示されているとおりに異なるものとなる。各施設毎に、壁、便器の位置、及びそれらの表面といった、幾つかの固定の状態(588)が存在する。所与のアルゴリズムは、かかる状態を考慮するよう検出信号を定期的に較正する。上述のファクタは、以下のアルゴリズムに含められる。
【0089】
図12ないし図12Iを参照すると、マイクロコントローラは、水洗トイレ116又は小便器120のための洗浄アルゴリズムを複数の異なる光レベルで実行するようプログラムされる。アルゴリズム600は、洗浄装置の正面に位置する異なるユーザを、該ユーザが装置に接近している際、該ユーザが便器又は小便器を使用している際、及び該ユーザが装置から離れるよう移動している際に検出する。それらの活動に基づいて、アルゴリズム600は異なる状態を使用する。適当な間隔でトイレを自動的に洗浄するために、各状態間には時間間隔が存在する。アルゴリズム600はまた、検出が無くトイレが使用されていなかったことを確認するために特定の間隔で洗浄を制御する。アルゴリズム600のためのパッシブ光検出器は、好適には図10Bに示す読出回路に接続されたフォトレジスタとなる。
【0090】
アルゴリズム200は、3つの光モード、すなわち、明モード(モード1)、暗モード(モード3)、及び通常モード(モード2)を有する。明モード(モード1)は、抵抗値が2kΩ(Pb)未満である(大量の検出光に対応する)場合にマイクロコントローラモードとして設定される(図12)。暗モード(モード3)は、抵抗値が2MΩよりも大きい(極めて小さな検出光に対応する)場合に設定される(図12)。通常モード(モード2)は、抵抗値が2kΩと2MΩとの間である(周囲の慣例的な量の光が存在する)場合に画定される。抵抗値は、パルス幅(図10Bにおけるフォトレジスタの抵抗値に対応する)に関して測定される。上記の抵抗値のしきい値は、異なるフォトレジスタ毎に異なるものであり、本書では例示として示している。
【0091】
マイクロコントローラは、アルゴリズム600を常に循環しており、この場合には(例えば)1秒毎に起動し、最後にどのモードにあったかを(前のサイクルで検出した光の量により)判定する。現在のモードから、マイクロコントローラは、現在のパルス幅(p)(フォトレジスタの抵抗値に対応する)に基づき、どのモードに移行すべきかを判定する。
【0092】
マイクロコントローラは、モード2では6つの状態を通過する。以下は、洗浄を開始するために必要な複数の状態を示したものである。Idle状態では、バックグランドの光の変化は生じず、及びマイクロコントローラが周囲光を較正し、Targetin状態では、ターゲットがセンサの視界内に入り始め、In8Seconds状態中には、ターゲットがセンサに向かって接近し、及び測定されたパルス幅が8秒間にわたり安定し(ターゲットが8秒後に立ち去った場合には洗浄は生じない)、After8Seconds状態では、ターゲットがセンサの視界内に入り、及びパルス幅が8秒間よりも長く安定して、その時間にわたりターゲットがセンサの正面に留まっていたことを意味し(ターゲットが8秒後に立ち去った場合(及びその後にターゲットが立ち去った場合)には保証洗浄が行われ)、TargetOut状態では、ターゲットがセンサの視界外へと立ち去っており、In2Seconds状態では、ターゲットが立ち去った後にバックグランドが安定している。この最後の状態の後、マイクロコントローラは洗浄を行い、Idle状態に戻る。
【0093】
ターゲットがセンサのより近くに移動する際に、該ターゲットは(特に暗色の光吸収性の服を着用している場合に)光を遮る可能性がある。このため、センサは、TargetIn状態でより小さな光を検出することになり、これにより抵抗値が高くなり(後にTargetInUp状態と称する状態が生じ)、またTargetOut状態でマイクロコントローラはより多くの光を検出することになり、これにより抵抗値が低下することになる(後述するTargetOutUp状態になる)。しかし、ターゲットが明色で反射性の服を着用している場合には、マイクロコントローラは、TargetIn状態で、ターゲットが接近する際により多くの光を検出することになり(後にTargetInDown状態として説明する状態が生じ)、TargetOut状態ではより少ない光を検出することになる(後述するTargetOutDown状態)。ターゲットが便器から立ち去ってから2秒後に、マイクロコントローラは便器を洗浄させ、Idle状態に戻る。
【0094】
ターゲットが存在するか否かをテストするために、マイクロコントローラは、パルス幅の安定性をチェックし、すなわち、特定の期間内に値pの変動可能性がどの程度であったかをチェックし、及び該パルス幅の変動可能性が、一定の選択されたバックグランドレベル又は該パルス幅の変動性(不安定)の所与のしきい値よりも高かったか否かをチェックする。本システムは、モード2で状態を設定するために値pの安定性をチェックする際に、アルゴリズム600において2つの他の一定の予め選択された値を使用する。これら2つの値のうちの一方は、Stable1であり、これはパルス幅の変動性の一定のしきい値である。それ未満の値は、測定された期間にわたり値pが変化しないことにより、装置の正面で何ら活動が存在しないことを意味する。値pの安定性を判定するために使用される第2の予め選択された値は、Stable2であり、これはパルス幅の変動性のもう1つの一定のしきい値である。この場合により、それ未満の値は、測定された期間にわたりマイクロコントローラの正面でユーザが動かなかったことを意味する。
【0095】
マイクロコントローラはまた、Target値、すなわちAfter8Sec状態における平均パルス幅を計算し、次いで該Target値がバックグランド光強度よりも特定のレベルだけ大きい(TargetInUpの場合)か又は小さい(TargetInDownの場合)かをチェックする(すなわち、TargetInUpの場合にはBackground×(1+PercentageIn)、TargetInDownの場合にはBackground×(1-PercentageIn))。TargetOutUp及びTargetOutDownの場合をチェックするために、マイクロコントローラは、第2組の値、すなわち、Background×(1+PercentageOut)及びBackground×(1-PercentageOut))を使用する。
【0096】
図12を参照すると、1秒毎に(601)、マイクロコントローラが起動してパルス幅pを測定する(602)。マイクロコントローラは次いで、それが前に如何なるモードにあったかを判定し、前にモード1にあった場合(604)にはモード1に入る(614)。同様に、前のサイクルでモード2にあった場合(606)にはモード2に入り(616)、また前のサイクルでモード3にあった場合(608)にはモード3に入る(618)。マイクロコントローラは、前のサイクルで如何なるモードに入ったかを判定できない場合には、デフォルトモード(610)としてモード2に入る。該モードサブルーチンが完了すると、マイクロコントローラは、次のサイクル600がステップ601で開始するまでスリープモード(612)に入る。
【0097】
図12A(モード1-明モード)を参照すると、値pが2kΩ以下であることに基づいてマイクロコントローラが前にモード1にあり、及び現在では値pがタイマ1により測定された8秒よりも長く60秒よりも短い期間にわたり2kΩ以上を維持している場合には、マイクロコントローラは洗浄を実行し(640)、全てのモード1タイマ(タイマ1,2)がリセットされ(630)、及び次のサイクル600がステップ601で開始されるまでマイクロコントローラがスリープに移行することになる(612)。しかし、タイマ1が8秒より長く又は60秒よりも短く(628)カウントする間に値pが変化した場合には、洗浄は行われない。単純に、全てのモード1タイマがリセットされ(630)、マイクロコントローラがスリープに移行し(612)、及び次のサイクル600が開始するまでマイクロコントローラモードとしてモード1が設定され続けることになる。
【0098】
マイクロコントローラが前にモード1にあったが、現在、タイマ1のカウントに基づき(632)60秒よりも長い期間にわたり(634)値pが2kΩよりも大きくて2MΩよりも小さい場合には(622)、全てのモード1タイマがリセットされ(644)、マイクロコントローラがシステムモードとしてモード2を設定して(646)、マイクロコントローラが次のサイクル600においてモード2で開始し、及びマイクロコントローラがスリープに移行することになる(612)。しかし、タイマ1が60秒をカウントする間に値pが変化した場合には(134〜148)、モード1がマイクロコントローラモードを維持し、及び次のサイクル600が開始するまでマイクロコントローラがスリープに移行することになる(612)。
【0099】
マイクロコントローラが前にモード1にあり、現在、タイマ2が8秒よりも長い期間(638)をカウントする(636)間に値pが2MΩ以上である(624)場合には、全てのモード1タイマがリセットされ(650)、マイクロコントローラが新たなシステムモードとしてモード3(652)にセットされ、次のサイクル600が開始するまでマイクロコントローラがスリープに移行することになる(612)。しかし、タイマ2が8秒をカウントする間に値pが変化した場合には、マイクロコントローラがスリープに移行し(ステップ638〜612)、及び次のサイクル600が開始するまでモード1がマイクロコントローラモードとして設定され続けることになる。
【0100】
図12B(モード3-暗モード)を参照すると、値pが2MΩ以上であることに基づいてマイクロコントローラが前にモード3にあり、及び現在では値pがタイマ3(812)により測定された8秒よりも長い期間にわたり(814)2kΩ以下である(810)場合には、マイクロコントローラはタイマ3,4(すなわち全てのモード3タイマ)をリセットし(816)、マイクロコントローラは次のサイクル600が開始されるまで状態としてモード1を設定して(818)、スリープに移行することになる(612)。しかし、タイマ3が8秒をカウントする間に値pが変化した場合には、マイクロコントローラはステップ814からステップ612へ移行してスリープし、次のサイクル600が開始するまでマイクロコントローラモードとしてモード3が設定され続けることになる。
【0101】
値pが2MΩ以上であることに基づいてマイクロコントローラが前にモード3にあり、該値pが依然として2MΩ以上である場合(820)には、マイクロコントローラはタイマ3,4をリセットし(822)、マイクロコントローラはスリープに移行し(612)、次のサイクル600が開始するまでマイクロコントローラモードとしてモード3が設定され続けることになる。
【0102】
マイクロコントローラが前にモード3にあったが、現在、タイマ4(826)により測定された2秒よりも長い期間にわたり(828)値pが2kΩと2MΩとの間にある場合には(824)、タイマ3,4がリセットされ(830)、次のサイクル600が開始するまで状態としてモード2が設定され(832)、マイクロコントローラがスリープに移行することになる(612)。しかし、タイマ4が2秒よりも長くカウントする間に値pが変化した場合には、モード3がマイクロコントローラモードを維持し、マイクロコントローラステップ828からステップ612へ移行し、次のサイクル600が開始するまでスリープに移行することになる。異常な値pが生じた場合には、マイクロコントローラ次のサイクルが開始するまでスリープ(612)へ移行することになる。
【0103】
図12C(モード2-通常モード)を参照すると、マイクロコントローラが前にモード2に設定されており、現在、タイマ5(662)により測定された8秒よりも長い期間にわたり(664)値pが2kΩ以下である(656)場合には、全てのモード2タイマがリセットされ(674)、マイクロコントローラモードとしてモード1(明モード)が設定され(676)、マイクロコントローラがスリープに移行することになる(612)。しかし、タイマ5が8秒よりも長くカウントする間に値pが変化した場合には、マイクロコントローラはスリープへ(ステップ664からステップ612へ)移行し、次のサイクル600が開始するまでモード2がマイクロコントローラモードを維持することになる。
【0104】
しかし、現在、タイマ6(668)により測定された8秒よりも長い期間にわたり(670)値pが2MΩ以上であり(658)、トイレがIdle状態でない(すなわちバックグランドの変化が存在する(680))場合には、タイマ6が5秒を越えてカウントする間に(688)値pが2MΩ以上を維持している場合に、システムは洗浄を行うことになる(690)。該洗浄後、タイマ5,6がリセットされ(692)、マイクロコントローラモードとしてモード3が設定され(694)、及びマイクロコントローラがスリープに移行することになる(612)。また、タイマ6が5よりも長くカウントする間に値pが変化した場合には、システムはステップ688からステップ612へ移行してスリープすることになる。
【0105】
マイクロコントローラが前にモード2に設定されており、現在、タイマ6(668)により測定された8秒よりも長い期間にわたり(670)値pが2MΩ以上であり(658)、トイレがIdle状態(680)である場合には、タイマ5,6がリセットされ(682)、マイクロコントローラモードとしてモード3が設定され(684)、マイクロコントローラがステップ612でスリープに移行することになる。
【0106】
値pが2MΩ以上であるが、タイマ6が8秒よりも長く(670)カウントする(668)間に該値pが変化した場合には、マイクロコントローラはスリープに移行し(612)、モード2がマイクロコントローラモードとして維持されることになる。値pが異なる値にある場合には、マイクロコントローラはステップ660に移行することになる(図12Dに示す)。
【0107】
代替的に、図12Dを参照すると、マイクロコントローラモードは前にモード2として設定されており、値pが2kΩよりも大きく2MΩよりも小さい場合(661)には、タイマ5,6がリセットされ(666)、最後の4つのパルス幅値の変動性(667)を評価することによりパルス幅のStability(安定性)がチェックされ、パルス幅の平均値を決定することにより(669)、Target値が見出される。
【0108】
この時点で、マイクロコントローラの状態がIdleであることが見出されると(672)、マイクロコントローラはステップ675へと進行する。該ステップ675で、前記Stabilityが、一定のUnstable(不安定)値よりも大きいことが見出され(これは装置の正面にユーザが存在することを意味する)、及びTarget値がBackground×(1+PercentageIn)値よりも大きい(これはマイクロコントローラにより検出された光が低下したことを意味する)場合、これはステップ679及びTargetInUp状態へ導くものとなり(すなわちユーザが装置に向かって接近したため光が遮断され又は吸収されて抵抗値が増大し)、マイクロコントローラはスリープに移行し(612)、マイクロコントローラモード及び状態としてモード2TargetInUpとなる。
【0109】
ステップ675に示した条件が真でない場合には、マイクロコントローラはステップ677の条件をチェックする。ステップ677で、ユーザが装置の正面に居ることに起因して、Stabilityが一定のUnstable値よりも大きいことが見出されたが、検出された光が増大したことに起因してTarget値がBackground×(1-PercentageIn)よりも小さい場合、これはステップ681の「TargetInDown」状態へ導くものとなり(すなわちユーザが接近するため該ユーザの衣服により光が反射されて抵抗値が低下し)、マイクロコントローラはスリープに移行し(612)、マイクロコントローラモード及び状態としてモード2TargetInDownとなる。しかし、マイクロコントローラの状態がIdleでない場合には(672)、マイクロコントローラはステップ673(図12Eに示す)に移行する。
【0110】
図12Eを参照すると、システムがTargetInUp状態で開始した場合(683)には、ステップ689で、該システムは、Stability値が定数Stable2未満であるか否か、及びTarget値がBackground×(1+PercentageIn)よりも大きいか否かをチェックする(689)。これらの条件の両方が同時に満たされる場合、これはユーザが装置の正面で不動状態で光を遮断していることを意味しており、マイクロコントローラはIn8SecUp状態へ進み(697)、及びスリープへと移行する(612)。ステップ689における2つの条件が満たされない場合には、システムは、StabilityがStable1よりも小さく且つTargetがBackground×(1+PercentageIn)よりも小さい(これは装置の正面にユーザが存在せず、該装置により大量の光が検出されていることを意味する)か否かをチェックする(691)。これが真である場合には、システムはモード2Idleとして設定され(699)、マイクロコントローラはスリープに移行する(612)。ステップ689,691の条件が何れも満たされない場合には、システムはスリープに移行する(612)。
【0111】
前のサイクルでTargetInDown状態(686)が設定されている場合には、システムは、ステップ693で、StabilityがStable2よりも小さく且つTargetがBackground×(1-PercentageIn)よりも小さいか否かを判定する。これが真である場合には、これはユーザが装置の正面で不動状態であり、及び一層多くの光が検出されていることを意味しており、マイクロコントローラは状態をIn8SecDown(701)へと進め、次いでスリープする(612)。
【0112】
ステップ693における2つの条件が満たされない場合には、マイクロコントローラは、ステップ698で、StabilityがStable1よりも小さく且つTargetがBackground×(1-PercentageIn)よりも大きいか否かをチェックする。その両方が真である場合には、これは、装置の正面で活動が全く存在せず、且つ該装置により大量の光が検出されていることを意味しているため、状態がモード2Idleに設定され(703)、次いでスリープに移行する(612)。Stability及びTargetがステップ693又はステップ698の何れの条件も満たさない場合には、マイクロコントローラはスリープに移行し(612)、モード2がマイクロコントローラ状態となり続ける。状態が、Idle、TargetInUp、又はTargetInDownでない場合には、マイクロコントローラはステップ695(図12Fに示す)の通り処理を続行する。
【0113】
図12Fを参照すると、状態としてIn8SecUpが設定されている場合(700)、StabilityがStable2よりも小さく且つTargetがBackground×(1+PercentageIn)よりも大きいか否かをステップ702でチェックする。これらの条件が満たされる場合、これは装置の前に不動状態のユーザが存在し及び依然として少量の光が検出されていることを意味しており、In8Sec状態のためのタイマがカウントを開始する(708)。2つの条件が同じ状態のままでありタイマが8秒よりも長くカウントした場合には、タイマ7がリセットされ(712)、マイクロコントローラはAfter8SecUp状態へと進み(714)、最後にスリープに移行する(612)。タイマが8秒を越えてカウントする間に2つの条件が変化した場合には(710)、マイクロコントローラはスリープに移行する(612)。ステップ702においてStability及びTargetの値により条件が満たされない場合には、In8Secタイマがリセットされ(704)、ステップ706でマイクロコントローラ状態がTargetInUpに設定され、マイクロコントローラはステップ673(図12E)へ進む。
【0114】
図12Eを参照すると、マイクロコントローラ状態がIn8SecDownに設定された場合に(716)、マイクロコントローラは、StabilityがStable2よりも小さく且つTargetがBackground×(1-PercentageIn)よりも小さいか否かをステップ718でチェックして、ユーザが装置の前で不動状態であるか否か、及び該装置が大量の光を検出し続けているか否かをチェックする。該2つの値が条件を同時に満たす場合には、In8Sec状態タイマがカウントを開始する(724)。前記2つの条件が満たされている間に該タイマが8秒よりも長くカウントした場合には(726)、タイマ7がリセットされ(728)、状態がAfter8SecDownへと進み(730)、マイクロコントローラはスリープに移行する(612)。
【0115】
Stability及びTargetがそれぞれの範囲を維持している間にタイマが8秒よりも長くカウントしない場合には、マイクロコントローラは状態を進行させず、スリープに移行する(612)。ステップ718の条件がStability及びTarget値により満たされない場合には、In8Secタイマがリセットされ(720)、マイクロコントローラがTargetInDownに設定され(722)、マイクロコントローラはステップ673(図12E)へと続く。モード2状態が図12Cないし図12Fでカバーされるものの何れでもない場合には、システムはステップ732(図12Gに示す)を介して進行する。
【0116】
図12Gを参照すると、ステップ734で、システムがAfter8SecUp状態にあった場合(734)、該システムはStabilityがStable1よりも小さいか否か、すなわち装置の前で何ら活動がなかったか否かをチェックする。これが真である場合には、タイマ7はカウントを開始し(742)、該タイマ7が15分よりも長くカウントするまで(744)StabilityがStable1よりも小さい状態を維持している場合には、マイクロコントローラは洗浄を行い(746)、Idle状態が設定され(748)、マイクロコントローラはスリープに移行する(612)。タイマ7が15分よりも長くカウントするまでStabilityがStable1値よりも小さい状態を維持しなかった場合には、マイクロコントローラは次のサイクルまでスリープに移行する(612)。
【0117】
StabilityがStable1よりも小さくない場合には、マイクロコントローラはStabilityがUnstableよりも大きいか否か、及びTargetがBackground×(1+PercentageOut)よりも大きいか否かをチェックする(738)。それら判定基準を両方とも同時に満たしている場合、これは、装置の正面で動いているユーザが存在するが、該ユーザが離れていくため一層多くの光が検出されていることを意味し、マイクロコントローラはマイクロコントローラ状態としてモード2TargetOutUpに進み(740)、マイクロコントローラはスリープに移行する(612)。Stability及びTargetがステップ738の2つの判定基準を満たさない場合には、マイクロコントローラはスリープに移行する(612)。
【0118】
マイクロコントローラがAfter8SecDownにあった場合には(750)、マイクロコントローラは、StabilityががStable1よりも小さいか否かをステップ752でチェックする。これが真である場合には、タイマ7がカウントを開始し(754)、該タイマ7が15分よりも長くカウントした場合に(756)、マイクロコントローラが洗浄を行い(758)、Idle状態が設定され(760)、マイクロコントローラはスリープに移行する(612)。タイマ7が15分よりも長くカウントするまでStabilityがStable1値よりも小さい状態を維持しなかった場合には、マイクロコントローラは次のサイクルまでスリープに移行する(612)。
【0119】
ステップ752でStabilityがStable1よりも小さくないことが判明した場合には、マイクロコントローラはStabilityがUnstableよりも大きく且つTargetがBackground×(1-PercentageOut)よりも小さいか否かをチェックする(738)。これが真である場合、これは、装置の正面にユーザが存在し、該ユーザが離れていくため一層少ない光が検出されることを意味し、マイクロコントローラはステップ764でその状態をTargetOutDownへと進め、及びスリープに移行する(612)。また、ステップ762の条件が両方とも満たされない場合には、Stability及びTargetがステップ738の2つの判定基準を満たさない場合には、マイクロコントローラはスリープに移行する(612)。モード2状態が図12Cないし図12Gでカバーされるものの何れでもない場合には、システムはステップ770(図12Hに示す)を介して処理を続行する。
【0120】
図12Hを参照すると、TargetOutUpが状態として設定されていた場合には(772)、マイクロコントローラは、ステップ774で、StabilityがStable1よりも小さく且つTargetがBackground×(1+PercentageOut)よりも小さいか否かをチェックする。これが真である場合には、マイクロコントローラは状態をIn2Secに設定して(776)スリープに移行する(612)。しかし、Stability及びTargetがステップ774の判定基準を同時に満たさない場合には、マイクロコントローラは、StabilityがUnstableよりも大きく且つTargetがBackground×(1+PercentageOut)よりも大きいか否かをステップ778でチェックする。これが真である場合には、マイクロコントローラは状態をAfter8SecUpに設定し(780)、ステップ732へ進んで処理を続行する(図12参照)。Stability及びTargetがステップ774又は778の判定基準を満たさない場合には、マイクロコントローラはスリープに移行する(612)。
【0121】
マイクロコントローラがTargetOutDown状態にある場合には(782)、マイクロコントローラは、StabilityががStable1よりも小さく且つTargetがBackground×(1-PercentageOut)よりも大きいか否かをチェックする(783)。これが真である場合、これは、装置の正面で活動が全く存在せず、及び該装置に到達する光が一層少ないことを意味し、このため、マイクロコントローラは状態をIn2Secへと進め(784)、スリープに移行する(612)。しかし、Stability及びTargetがステップ783の判定基準を両方とも満たさない場合には、マイクロコントローラは、StabilityがUnstableよりも大きく且つTargetがBackground×(1-PercentageOut)よりも小さいか否かをステップ785でチェックする。これが真である場合には、マイクロコントローラは状態をAfter8SecDownに設定し(788)、ステップ732に進んで処理を続行する(図12G参照)。Stability及びTargetがステップ783又は785の判定基準を何れも満たさない場合には、マイクロコントローラはスリープに移行する(612)。
【0122】
図12Iを参照すると、マイクロコントローラが前のサイクルでIn2Sec状態に設定された場合には(791)、マイクロコントローラは、StabilityがStable1よりも小さいか否かをチェックする(792)。これは非常に重要な条件である。なぜなら、ユーザが立ち去った後には抵抗値を介して検出される光の変動が存在しないからである。同ステップ792はまた、Target値がBackground×(1-PercentageIn)よりも大きいか又はBackground×(1+PercentageIn)よりも小さいか否かをステップ792でチェックする。これが真である場合には、装置の正面に何ら活動は存在せず、検出される光は、ユーザによる遮断又は反射を示すために必要となる2つのレベルの何れでもなく、これは装置の正面にユーザが存在しないことを示している。システムは次いで、ステップ794でIn2Sec状態タイマを開始させ、これら条件が維持されたまま該タイマが2秒よりも長くカウントした場合に、マイクロコントローラは洗浄を行い(798)、ステップ799で全てのモード2タイマがリセットされ、ステップ800で状態がIdleに戻り、マイクロコントローラがスリープに移行する(612)。In2Secタイマが2秒よりも長くカウントする間にStability及びTarget値が変化した場合には(796)、マイクロコントローラは次のサイクル600が開始するまでスリープに移行する(612)。
【0123】
Stability及びTarget値がステップ792で設定された2つの条件を満たさない場合には、In2Secタイマがリセットされ(802)、ステップ804で状態がTargetOutUp又はTargetOutDownに戻され、マイクロコントローラはステップ770(図12H)に進む。マイクロコントローラがIn2Sec状態にない場合には、マイクロコントローラはスリープに移行し(612)、及びアルゴリズム600を再び開始する。
【0124】
図13、図13A、及び図13Bは、蛇口10,10A,10Bのための制御アルゴリズムを示している。アルゴリズム900は2つのモードを含む。モード1は、パッシブセンサが水流の外部に配置される(蛇口10Bの)場合に使用され、モード2は、パッシブセンサの視界が水流の内部にある(蛇口10,10Aの)場合に使用される。モード1(アルゴリズム920)では、水流の外部に配置されたセンサが、近傍のユーザの手による光の遮断を検出し、少ない光が安定状態を維持している期間をチェックし、これをユーザがシンクの前に居ることと解釈するが、装置が配置された部屋が暗くなったことを同様の信号として除外する。このセンサは次いで、ユーザが蛇口から立ち去ったとき、又は不安定な低レベルの光を検出しなくなったときに、水を直接オフにする。
【0125】
モード2(アルゴリズム1000)では、水流の内部のフォトレジスタがやはり上述の変量を使用するが、更に別のファクタを考慮し、すなわち、流れる水もまた光を反射し得るものであり、このため、センサはユーザが蛇口から立ち去ったことを完全に検証することができない可能性がある、ということを考慮する。この場合には、該アルゴリズムはまた、タイマを使用して水をオフにするが、この場合にはユーザが依然としてそこに居るか否かを能動的にチェックする。モード1又は2は、例えばディップスイッチにより、選択可能なものとすることができる。
【0126】
図13を参照すると、アルゴリズム900は、電源がオンになった後に開始し(901)、ステップ902で装置がモジュールを初期化する。次いでマイクロコントローラがバッテリー状態をチェックし(904)、全てのタイマ及びカウンタをリセットし(906)、ステップ908でバルブを閉鎖させる(図1、図2、図4、及び図4Aに示す)。全ての電子回路が較正され(910)、ステップ914でマイクロコントローラがバックグランド光しきい値レベル(BLTH)を確立する。マイクロコントローラは次いで、ステップ914で使用すべきモードを決定し、モード1では、マイクロコントローラはアルゴリズム920を実行し(図13Aのステップ922へ)、モード2では、マイクロコントローラはアルゴリズム1000を実行する(図13Bのステップ1002へ)。
【0127】
図13Aを参照すると、マイクロコントローラはモード1を使用し、パッシブセンサが1/8秒毎にターゲットをスキャンする(924)。該スキャン及びスリープ時間は、異なる光センサ(フォトダイオードやフォトレジスタその他及びそれらの読出回路)毎に異ならせることが可能である。例えば、スキャン頻度は、1/4秒毎または3/4秒毎とすることができる。また、図12に示したアルゴリズムと同様に、マイクロコントローラは、該アルゴリズムを進行し、次いで実行された各サイクル間でスリープする。スキャン後、マイクロコントローラは、ステップ925で、センサレベル(SL)すなわちフォトレジスタの抵抗値に対応する値を測定する。マイクロコントローラは次いで該センサレベルをバックグランド光しきい値レベル(BLTH)と比較し、SLがBLTHの25%以上である場合には、マイクロコントローラは更に、SLがBLTHの85%以上であるか否かを判定する(927)。これら比較は周囲光のレベルを決定し、SLが、ステップ912で計算されたBLTHの85%以上である場合、これは部屋内が現在急に非常に暗くなったことを意味し(947)、このためマイクロコントローラはIdle状態になり、SLがBLTHの80%よりも小さくなった(これは現在では一層多くの周囲光が存在することを意味する(949))ことを検出するまで5秒毎にスキャンを行う(948)。これが検出されると、マイクロコントローラは、部屋のための新たなBLTHを確立し(950)、ステップ924へ戻り、前記新たなBLTHを用いて1/8秒毎にターゲットをスキャンし続ける。
【0128】
SLが、前に確立されたBLTHの25%よりも小さい場合、これは部屋内の光が(例えば直射日光により)急に劇的に増大したことを意味する。この変化が、マイクロコントローラがステップ924,925,926,928,929を5サイクルする間ずっと安定しているか否かを確認するために、スキャンカウンタがカウントを開始する(928)。同じ条件下で5サイクルした場合には、現在の明るい部屋についてステップ930で新たなBLTHを確立し、この新たなBLTHを使用してステップ922で新たなサイクルを開始する。
【0129】
しかし、SLが、(ステップ926,927で)BLTHの25%以上であってBLTHの80%以下である場合には、光は極端な範囲にはなく通常光であり、マイクロコントローラはステップ932でスキャンカウンタをゼロに設定し、SLを再び測定してユーザをチェックし(934)、該SLがBLTHの20%よりも大きくてBLTHの25%よりも小さい(20%BLTH<SL<25%BLTH)か否かをステップ936で評価する。これが偽である場合、これは、光が通常の周囲光よりも低いため、装置のセンサの正面にユーザが存在することを意味し、このため、マイクロコントローラがステップ944に移行して、該ユーザのために水をオンにする。水がオンになると、マイクロコントローラは、スキャンカウンタをゼロに設定し(946)、1/8秒毎にターゲットをスキャンし(948)、SLがBLTHの20%よりも小さいか否かをステップ950でチェックすることにより、高いSLすなわち低光量をチェックし続ける。SLが低下してBLTHの20%よりも小さくなる(これは検出された光が増大したことを意味する)(950)と、マイクロコントローラはステップ952へ移行してスキャンカウンタをオンにする。該スキャンカウンタは、ステップ948,950,952,954を通過して、1/8秒毎のスキャン、及び5サイクルを越えて(954)SLが依然としてBLTHの20%よりも小さい(これは、該5サイクルよりも多くの期間にわたって続いた光の増大が現在存在し、ユーザがもはや存在しないことを意味する)ことのチェックを、マイクロコントローラに続行させるものとなる。該チェック結果が真となった時点で、マイクロコントローラは水をオフにする(956)。水がオフにされると、全サイクルが最初から繰り返される。
【0130】
図13B(蛇口10のためのアルゴリズム1000)を参照すると、マイクロコントローラは、1/8秒毎にターゲットをスキャンするが(1004)、この場合も各スキャン間に要する時間は他の時間(例えば1/4秒毎)に変更することが可能である。マイクロコントローラはそのアルゴリズムを進め、図12に示したアルゴリズムの場合と全く同様に各サイクル間でスリープに移行する。スキャン後、マイクロコントローラは、センサレベルを測定して(1006)SLをBLTHと比較する。この場合も、SLはBLTHの25%以上である場合に、マイクロコントローラは、該SLがBLTHの85%以上であるか否かをチェックする。これが真である場合、これは部屋が急に暗くなったに違いないことを意味する(1040)。マイクロコントローラは次いで、ステップ1042でIdleモードへと移行し、SLがBLTHの80%よりも小さい(これは現在一層多くの光を検出していることを意味する)ことを検出するまで(1044)5秒毎にスキャンを行う。SLがBLTHの80%よりも小さいことを検出すると、マイクロコントローラは、新たに照明された部屋のための新たなBLTHを確立し(1046)、ステップ1004に戻り、該新たなBLTHを用いて新たなサイクルを開始する。
【0131】
SLがBLTHの25%以上で該BLTHの80%よりも小さい場合には、マイクロコントローラは、ステップ1015を介して処理を続行し、スキャンカウンタをゼロに設定する。マイクロコントローラは、ステップ1016でSLを測定し、該SLがBLTHの20%よりも大きくてBLTHの25%よりも小さい(20%BLTH<SL<25%BLTH)か否かをステップ1017で評価する。これが偽である場合、これは何かがセンサへの光を遮断していることを意味し、マイクロコントローラは、水をオンにし(1024)、これはまた水オフタイマすなわちWOFFをオンにする(1026)。次いで、マイクロコントローラは、1/8秒毎のターゲットのスキャンへと処理を続ける(1028)。新たなSLがBLTHに対してチェックされ、該SLの値がBLTHの20%よりも大きくてBLTHの25%よりも小さいという条件を満たさない場合には、マイクロコントローラはステップ1028にループバックしてターゲットのスキャンを続行すると共に水を流す。SLが前記範囲内にある場合(1030)、WOFFタイマがカウントを開始し(1032)、ステップ1028にループバックする。該タイマの機能は、単純に、ユーザがもはや検出されなくなったときと水がオフにされるときとの間に何らかの時間を経過させるのを可能にすることである。これは、例えば、ユーザが手を動かしており、又は石鹸を取っており、及び何らかの時間にわたりセンサの視界内にいない可能性があるからである。該タイマ(2秒)は、装置の用途に応じて様々に設定することが可能である。2秒が経過すると、マイクロコントローラは、ステップ1036で水をオフにし、ステップ1002にサイクルバックして、サイクル全体を繰り返す。
【0132】
しかし、ステップ1017でSLがBLTHの20%よりも大きくてBLTHの25%よりも小さい(20%BLTH<SL<25%BLTH)場合には、マイクロコントローラがステップ1016,1017,1018,1020を循環した回数のカウントを、該循環が5サイクルを越えるまで、スキャンカウンタが開始する。次いで、ステップ1022に進んで、部屋内の光について新たなBLTHを確立し、マイクロコントローラは、ステップ1002にサイクルバックして、新たなBLTHを使用して、アルゴリズム1000を介した新たなサイクルが生じる。
【0133】
本発明の様々な実施形態及び実施態様について説明してきたが、上記は例示のみを目的としたものであり、制限的なものではなく、本発明の実例として提示したものである、ということが当業者には理解されよう。上記実施形態に適した他の実施形態または構成要素が存在し、それらは本願の優先権主張の基礎とした出願に記載されている。何れの構成要素の機能も、代替的な実施形態において様々な態様で実施することが可能である。また、幾つかの構成要素の機能は、代替的な実施形態では、より少数の若しくは単一の構成要素により実施することが可能である。
【0134】
以下においては、本発明の種々の構成要件の組み合わせからなる例示的な実施態様を示す。
1.電子式蛇口又は水洗トイレの流量バルブを制御するための光センサを含むシステムであって、
光入力ポートに配置され、及び無効なターゲットを排除する所定のサイズ及び向きを有する検出視界を画定するよう構成され配置された、光学要素と、
該光学要素及び前記光入力ポートに光学的に結合され、前記検出視界から到達した周囲光を検出するよう構成された、光検出器と、
前記流量バルブの開閉を制御するための制御回路であって、前記検出された周囲光に対応する前記光検出器からの信号を受信し、及び検出アルゴリズムを実行することにより該周囲光のバックグランドレベル及び該周囲光の現在のレベルに基づいて前記流量バルブの前記開閉を決定するよう構成されている、制御回路と
を含み、
前記検出アルゴリズムが、前記検出視界内におけるユーザの存在に起因して前記光検出器により検出される周囲光の増減の検出を生じさせるユーザの考え得る動きに基づく幾つかの所定の状態と、前記光学要素により画定される前記検出視界のサイズ及び向きを考慮する較正ルーチンとを含み、前記所定の状態が、前記ユーザの動き及び前記検出された周囲光の安定性に起因する検出されたレベルへと移行し、及び前記所定の状態が、各状態間で所定期間だけ離れており、特定の一連の前記所定の状態の後に前記流量バルブの開閉が開始される、
システム。
2.前記光学要素が、水平よりも下方に傾斜した前記検出視界を提供するよう更に構成されている、前項1に記載のシステム。
3.前記光学要素が、水平よりも下方に傾斜すると共にトイレ又は小便器に対して対称的である前記検出視界を提供するよう更に構成されている、前項1に記載のシステム。
4.前記光学要素が、水平よりも下方に傾斜すると共にトイレ又は小便器に対して非対称的である前記検出視界を提供するよう更に構成されている、前項1に記載のシステム。
5.前記光学要素が、水平よりも下方に及び水平よりも上方に傾斜する前記検出視界を提供するよう更に構成されている、前項1に記載のシステム。
6.前記光検出器が、400〜1000nmの範囲の光を検出するよう構成されている、前項1ないし前項5の何れか一項に記載のシステム。
7.前記制御回路が、前に検出された光の量に基づいて前記光検出器を定期的にサンプリングするよう構成されている、前項1ないし前項5の何れか一項に記載のシステム。
8.前記制御回路が、最初にユーザの到来を検出し次いで該ユーザが立ち去ったことを検出したことに基づいて前記流量バルブを開閉させるよう構成されている、前項1ないし前項5の何れか一項に記載のシステム。
9.前記制御回路が、ユーザの存在の検出に基づいて前記流量バルブを開閉させるよう構成されている、前項1ないし前項5の何れか一項に記載のシステム。
10.前記光学要素が光ファイバを含む、前項1ないし前項5の何れか一項に記載のシステム。
11.前記光学要素がレンズを含む、前項1ないし前項5の何れか一項に記載のシステム。
12.前記光学要素がピンホールを含む、前項1ないし前項5の何れか一項に記載のシステム。
13.前記光学要素がスリットを含む、前項1ないし前項5の何れか一項に記載のシステム。
14.前記光学要素が光学フィルタを含む、前項1ないし前項5の何れか一項に記載のシステム。
15.前記光入力ポートが蛇口の通気装置内に配置される、前項1ないし前項5の何れか一項に記載のシステム。
16.前記光入力ポートが蛇口の通気装置に隣接して配置される、前項1ないし前項5の何れか一項に記載のシステム。
17.前記制御回路が、前記光検出器が光の量の増大を検出した後にユーザの到来を確認する、前項1に記載のシステム。
18.前記流量バルブが電子式蛇口システム内に含まれる、前項1に記載のシステム。
19.前記流量バルブが水洗トイレシステム内に含まれる、前項1に記載のシステム。
20.前記光検出器がフォトダイオードを含む、前項18又は前項19に記載のシステム。
21.前記光検出器がフォトレジスタを含む、前項18又は前項19に記載のシステム。
22.前記光検出器が1〜1000ルクスの範囲の光を受光するように前記光学要素及び前記光入力ポートが構成されている、前項18又は前項19に記載のシステム。
23.光センサを使用して電子式蛇口又は水洗トイレの流量バルブを制御する方法であって、
光入力ポートに配置され、及び無効なターゲットを排除する所定のサイズ及び向きを有する検出視界を画定するよう構成され配置された、光学要素を配設し、
該光学要素及び前記光入力ポートに光学的に結合された光検出器を配設し、
前記検出視界から前記光検出器に到達した周囲光を定期的に検出し、
該検出された周囲光に対応する信号を前記光検出器から制御回路へ定期的に提供し、
前記検出視界内におけるユーザの存在に起因して前記光検出器により検出される周囲光の増減の検出を生じさせるユーザの考え得る動きに基づいて幾つかの所定の状態を決定する前記信号の値と、前記光学要素により画定される前記検出視界のサイズ及び向きを考慮する較正ルーチンにおける前記信号の値との計算及び比較を行うことを含む、検出アルゴリズムを実行し、前記所定の状態への移動が、ユーザの動き及び前記検出された周囲光の安定性に起因して検出されたレベルに基づくものであり、及び前記所定の状態が、各状態間で所定期間だけ離れており、
特定の一連の前記所定の状態の後に前記流量バルブの開閉の開始を制御回路により提供する、
という各ステップを含む、流量バルブの制御方法。
24.水平よりも下方に傾斜した前記検出視界を前記光学要素により提供するステップを含む、前項23に記載の流量バルブの制御方法。
25.水平よりも下方に傾斜すると共にトイレ又は小便器に対して対称的である前記検出視界を前記光学要素により提供するステップを含む、前項23に記載の流量バルブの制御方法。
26.水平よりも下方に傾斜すると共にトイレ又は小便器に対して非対称的である前記検出視界を前記光学要素により提供するステップを含む、前項23に記載の流量バルブの制御方法。
27.水平よりも下方に及び水平よりも上方に傾斜する前記検出視界を前記光学要素により提供するステップを含む、前項23に記載の流量バルブの制御方法。
28.前記制御回路が、前に検出された光の量に基づいて前記光検出器の定期的なサンプリングを実行するよう構成されている、前項23ないし前項27の何れか一項に記載の流量バルブの制御方法。
29.前記制御回路が、施設が使用中であるか否かを判定した後に検出された光の量に基づいてサンプリング周期を調節するよう構成される、前項23ないし前項27の何れか一項に記載の流量バルブの制御方法。
30.前記制御回路が、スリープ及び測定期間を循環するよう構成される、前項23ないし前項27の何れか一項に記載の流量バルブの制御方法。
31.前記流量バルブが電子式蛇口内に含まれる、前項23に記載の流量バルブの制御方法。
32.前記流量バルブが水洗トイレ内に含まれる、前項23に記載の流量バルブの制御方法。
33.前記光検出器がフォトダイオードを含む、前項23ないし前項27の何れか一項に記載の流量バルブの制御方法。
34.前記光検出器がフォトレジスタを含む、前項23ないし前項27の何れか一項に記載の流量バルブの制御方法。
35.前記光検出器が1〜1000ルクスの範囲の光を受光するように前記光学要素及び前記光入力ポートが構成されている、前項23ないし前項27の何れか一項に記載の流量バルブの制御方法。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】水流を制御するための制御回路、バルブ、及びパッシブ光センサを含む自動蛇口システムの概略図である。
【図1A】パッシブ光センサへの光ファイバによる結合を用いた図1の自動蛇口システムの噴出口及びシンクの断面図である。
【図1B】パッシブ光センサへの電気的な結合を用いた図1の自動蛇口システムの噴出口及びシンクの断面図である。
【図1C】図1の自動蛇口システムで使用される通気装置の断面図である。
【図1D】図1の自動蛇口システムで使用される通気装置の別の実施形態の断面図である。
【図1E】図1の自動蛇口システムで使用される通気装置の別の実施形態の斜視図である。
【図1F】図1Dに示す通気装置の断面図である。
【図2】水流を制御するためのバルブ及びパッシブ光センサの別の実施形態を含む、自動蛇口システムの他の実施形態を概略的に示している。
【図2A】水流を制御するためのバルブ及びパッシブ光センサの別の実施形態を含む、自動蛇口システムの他の実施形態を概略的に示している。
【図3】図1、図1B、図2、及び図2Aの自動蛇口システムで採用されるパッシブ光センサにより用いられる異なる光検出パターンに関して蛇口及びシンクを概略的に示している。
【図3A】図1、図1B、図2、及び図2Aの自動蛇口システムで採用されるパッシブ光センサにより用いられる異なる光検出パターンに関して蛇口及びシンクを概略的に示している。
【図3B】図1、図1B、図2、及び図2Aの自動蛇口システムで採用されるパッシブ光センサにより用いられる異なる光検出パターンに関して蛇口及びシンクを概略的に示している。
【図3C】図1、図1B、図2、及び図2Aの自動蛇口システムで採用されるパッシブ光センサにより用いられる異なる光検出パターンに関して蛇口及びシンクを概略的に示している。
【図3D】図1、図1B、図2、及び図2Aの自動蛇口システムで採用されるパッシブ光センサにより用いられる異なる光検出パターンに関して蛇口及びシンクを概略的に示している。
【図4】自動水洗装置を含む便器の概要を示す側面図である。
【図4A】自動水洗装置を含む小便器の概要を示す側面図である。
【図5】図4の自動便器水洗装置で採用されるパッシブ光センサにより用いられる異なる光検出パターンの概要を示す側面図及び平面図である。
【図5A】図4の自動便器水洗装置で採用されるパッシブ光センサにより用いられる異なる光検出パターンの概要を示す側面図及び平面図である。
【図5B】図4の自動便器水洗装置で採用されるパッシブ光センサにより用いられる異なる光検出パターンの概要を示す側面図及び平面図である。
【図5C】図4の自動便器水洗装置で採用されるパッシブ光センサにより用いられる異なる光検出パターンの概要を示す側面図及び平面図である。
【図5D】図4の自動便器水洗装置で採用されるパッシブ光センサにより用いられる異なる光検出パターンの概要を示す側面図及び平面図である。
【図5E】図4の自動便器水洗装置で採用されるパッシブ光センサにより用いられる異なる光検出パターンの概要を示す側面図及び平面図である。
【図5F】図4の自動便器水洗装置で採用されるパッシブ光センサにより用いられる異なる光検出パターンの概要を示す側面図及び平面図である。
【図5G】図4の自動便器水洗装置で採用されるパッシブ光センサにより用いられる異なる光検出パターンの概要を示す側面図及び平面図である。
【図5H】図4Aの自動小便器水洗装置で採用されるパッシブ光センサにより用いられる異なる光検出パターンの概要を示す側面図及び平面図である。
【図5I】図4Aの自動小便器水洗装置で採用されるパッシブ光センサにより用いられる異なる光検出パターンの概要を示す側面図及び平面図である。
【図5J】図4Aの自動小便器水洗装置で採用されるパッシブ光センサにより用いられる異なる光検出パターンの概要を示す側面図及び平面図である。
【図5K】図4Aの自動小便器水洗装置で採用されるパッシブ光センサにより用いられる異なる光検出パターンの概要を示す側面図及び平面図である。
【図5L】図4Aの自動小便器水洗装置で採用されるパッシブ光センサにより用いられる異なる光検出パターンの概要を示す側面図及び平面図である。
【図6】図3〜3D及び図5〜5Lに示す異なる光検出パターンを形成するために用いられる光学要素の概要を示している。
【図6A】図3〜3D及び図5〜5Lに示す異なる光検出パターンを形成するために用いられる光学要素の概要を示している。
【図6B】図3〜3D及び図5〜5Lに示す異なる光検出パターンを形成するために用いられる光学要素の概要を示している。
【図6C】図3〜3D及び図5〜5Lに示す異なる光検出パターンを形成するために用いられる光学要素の概要を示している。
【図6D】図3〜3D及び図5〜5Lに示す異なる光検出パターンを形成するために用いられる光学要素の概要を示している。
【図6E】図3〜3D及び図5〜5Lに示す異なる光検出パターンを形成するために用いられる光学要素の概要を示している。
【図7】水洗便器及び水洗小便器で使用される自動水洗装置の一実施形態を示す断面図である。
【図8】図1、図1A、又は図1Bの自動蛇口システムで使用されるバルブ装置の分解斜視図である。
【図8A】図8に示すバルブ装置の拡大断面図である。
【図8B】図8Aに示すバルブ装置の拡大断面図であるが、メンテナンスを行うために部分的に分解されている。
【図8C】自動蛇口システムにおける水漏れを検出するための漏洩検出器を含む、図4のバルブ装置の斜視図である。
【図9】図7に示すバルブ装置、又は図8、図8A、及び図8Bに示すバルブ装置で使用される、移動するピストン状部材の拡大断面図である。
【図9A】図9に示す移動するピストン状部材を詳細に示す斜視図である。
【図10】図1〜2Aの自動蛇口システム又は図4及び図4Aの水洗トイレのバルブ動作を制御するための制御システムのブロック図である。
【図10A】図1〜2Aの自動蛇口システム又は図4及び図4Aの水洗トイレのバルブ動作を制御するための別の制御システムのブロック図である。
【図10B】自動蛇口システム又は自動水洗装置システムで使用されるパッシブ光センサにおいて使用される検出回路の概略図である。
【図11】パッシブ光学系の動作及び較正に影響を与える様々な要因を示すブロック図である。
【図12】自動水洗システムを動作させるパッシブセンサにより検出される光学データを処理するためのアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図12A】自動水洗システムを動作させるパッシブセンサにより検出される光学データを処理するためのアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図12B】自動水洗システムを動作させるパッシブセンサにより検出される光学データを処理するためのアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図12C】自動水洗システムを動作させるパッシブセンサにより検出される光学データを処理するためのアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図12D】自動水洗システムを動作させるパッシブセンサにより検出される光学データを処理するためのアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図12E】自動水洗システムを動作させるパッシブセンサにより検出される光学データを処理するためのアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図12F】自動水洗システムを動作させるパッシブセンサにより検出される光学データを処理するためのアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図12G】自動水洗システムを動作させるパッシブセンサにより検出される光学データを処理するためのアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図12H】自動水洗システムを動作させるパッシブセンサにより検出される光学データを処理するためのアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図12I】自動水洗システムを動作させるパッシブセンサにより検出される光学データを処理するためのアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図13】自動蛇口システムを動作させるパッシブセンサにより検出される光学データを処理するためのアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図13A】自動蛇口システムを動作させるパッシブセンサにより検出される光学データを処理するためのアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図13B】自動蛇口システムを動作させるパッシブセンサにより検出される光学データを処理するためのアルゴリズムを示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子式蛇口又は水洗トイレの流量バルブを制御するための光センサを含むシステムであって、
光入力ポートに配置され、及び無効なターゲットを排除する所定のサイズ及び向きを有する検出視界を画定するよう構成され配置された、光学要素と、
該光学要素及び前記光入力ポートに光学的に結合され、前記検出視界から到達した周囲光を検出するよう構成された、光検出器と、
前記流量バルブの開閉を制御するための制御回路であって、前記検出された周囲光に対応する前記光検出器からの信号を受信し、及び検出アルゴリズムを実行することにより該周囲光のバックグランドレベル及び該周囲光の現在のレベルに基づいて前記流量バルブの前記開閉を決定するよう構成されている、制御回路と
を含み、
前記検出アルゴリズムが、前記検出視界内におけるユーザの存在に起因して前記光検出器により検出される周囲光の増減の検出を生じさせるユーザの考え得る動きに基づく幾つかの所定の状態と、前記光学要素により画定される前記検出視界のサイズ及び向きを考慮する較正ルーチンとを含み、前記所定の状態が、前記ユーザの動き及び前記検出された周囲光の安定性に起因する検出されたレベルへと移行し、及び前記所定の状態が、各状態間で所定期間だけ離れており、特定の一連の前記所定の状態の後に前記流量バルブの開閉が開始される、
システム。

【図1】
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【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図2】
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【図2A】
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【図3】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【図4A】
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【図5】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図5F】
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【図5G】
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【図5H】
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【図5I】
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【図5J】
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【図5K】
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【図5L】
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【図6】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図7】
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【図8】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図9A】
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【図10】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図12E】
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【図12F】
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【図12G】
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【図12H】
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【図12I】
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【図13】
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【図13A】
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【図13B】
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【公開番号】特開2011−242384(P2011−242384A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−39611(P2011−39611)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【分割の表示】特願2004−557614(P2004−557614)の分割
【原出願日】平成15年12月4日(2003.12.4)
【出願人】(592022660)スローン バルブ カンパニー (5)
【Fターム(参考)】