説明

自動販売機の制御装置

【課題】自動販売機に別の自動販売機が接続された場合の親子自動販売機の汎用性を向上することを目的とする。
【解決手段】販売形態判定手段15にて自動販売機に接続される別自動販売機にて販売されたと判定した場合、子機用売上集計手段13にて集計されたデータを子機用売上集計データ記憶手段14にて記憶することにより、親機の集計データと子機の集計データを区別して集計することができ、親子自動販売機の汎用性を向上することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機に別の自動販売機が接続された場合に、別の自動販売機にて販売された際の集計を、自動的に記憶、表示等を行う自動販売機の制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自動販売機(以降、親機と記載)に、貨幣制御装置、機能操作部や表示部等を持たない別の自動販売機(以降、子機と記載)を接続し、収納商品を増加させたり、また、親機が販売している商品とは別種の商品を販売することを可能にしたりする。子機は貨幣制御装置、機能操作部や表示部等を持たないため、有線や無線等にて、親機と信号のやり取りを行い、親機の操作にて子機の機能を動作させている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭62−55793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の構成では、子機が接続され、子機にて販売された場合、子機用の集計データや表示モード等を設けていないため、親機用の集計データや表示モードを流用するため、親機の集計データと子機の集計データの区別がつけにくく、オペレーターの操作性が悪いという課題を有していた。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、子機用の集計データや表示モードを設け、子機にて販売された場合、子機用の集計データに集計を行い、子機用の表示モードにて、子機の集計のみを表示することで、オペレーターの操作性を向上させる自動販売機の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記従来の課題を解決するために、本発明の自動販売機の制御装置は、自動販売機にて販売された売上を集計する親機用売上集計手段と、前記親機用売上集計手段にて集計されたデータを記憶する親機用売上集計データ記憶手段と、自動販売機に接続される別自動販売機にて販売された売上を集計する子機用売上集計手段と、前記子機用売上集計手段にて集計されたデータを記憶する子機用売上集計データ記憶手段と、自動販売機に接続される別自動販売機にて販売されたかを判定する販売形態判定手段と、前記親機用売上集計手段と前記親機用売上集計データ記憶手段と前記子機用売上集計手段と前記子機用売上集計データ記憶手段と前記販売形態判定手段に接続された演算制御部を備え、前記演算制御部は、前記販売形態判定手段にて自動販売機に接続される別自動販売機にて販売されたと判定した場合、前記子機用売上集計手段にて集計されたデータを子機用売上集計データ記憶手段にて記憶するものである。
【0007】
これによって、子機を接続して、子機の販売が行われた場合、子機用の集計データに集計されるため、親機の集計データと子機の集計データを区別して集計することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の自動販売機の制御装置は、親子自動販売機において、子機を接続して、子機の販売が行われた場合、子機用の集計データに集計されるため、親機の集計データと子機の
集計データを区別して集計することができるので、親子自動販売機の汎用性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明による自動販売機の制御装置の実施の形態1のブロック図
【図2】同実施の形態の自動販売機の制御装置の動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
請求項1に記載の発明は、自動販売機にて販売された売上を集計する親機用売上集計手段と、前記親機用売上集計手段にて集計されたデータを記憶する親機用売上集計データ記憶手段と、自動販売機に接続される別自動販売機にて販売された売上を集計する子機用売上集計手段と、前記子機用売上集計手段にて集計されたデータを記憶する子機用売上集計データ記憶手段と、自動販売機に接続される別自動販売機にて販売されたかを判定する販売形態判定手段と、前記親機用売上集計手段と前記親機用売上集計データ記憶手段と前記子機用売上集計手段と前記子機用売上集計データ記憶手段と前記販売形態判定手段に接続された演算制御部を備え、前記演算制御部は、前記販売形態判定手段にて自動販売機に接続される別自動販売機にて販売されたと判定した場合、前記子機用売上集計手段にて集計されたデータを子機用売上集計データ記憶手段にて記憶するものであり、子機を接続して、子機の販売が行われた場合、子機用の集計データに集計されるため、親機の集計データと子機の集計データを区別して集計でき、自動販売機の汎用性を向上することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記子機用売上集計データ記憶手段に記憶しているデータを表示する表示手段を備え、前記演算制御部は、前記表示手段にて前記子機用売上集計データ記憶手段に記憶しているデータを表示するものであり、親機の集計データと子機の集計データを、混合することなく別々に見ることができるので、オペレート性を向上することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記子機用売上集計データ記憶手段に記憶しているデータを別の制御装置に送受信できる通信手段を備え、前記演算制御部は、前記通信手段にて前記子機用売上集計データ記憶手段に記憶しているデータを送受信するものであり、販売管理や在庫管理がしやすくなり、さらなるオペレート性を向上することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明において、前記子機用売上集計データ記憶手段に記憶しているデータをプリンターに印字する印字手段を備え、前記演算制御部は、前記印字手段にて前記子機用売上集計データ記憶手段に記憶しているデータを印字するものであり、親機の集計データと子機の集計データを、混合することなく別々にプリンター等に印字することができるので、仕向け先別や商品別の領収書の発行や販売履歴を残すことができ、さらなるオペレート性を向上することができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明において、自動販売機の記憶手段のデータを操作できる操作手段と、自動販売機に接続される別自動販売機にて販売された場合の集計方法を記憶する集計方法記憶手段を備え、前記演算制御部は、前記操作手段にて設定されたデータを前記集計方法記憶手段にて記憶し、前記販売形態判定手段にて自動販売機に接続される別自動販売機にて販売されたと判定した場合、前記集計方法記憶手段に記憶しているデータに基づき集計を行うものであり、ロケーション先の設置状況や、ハンディターミナル等の設備に応じて、集計方法を変更できるので、さらなるオペレート性を向上することができる。
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の
形態によってこの発明が限定されるものではない。
【0016】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1による自動販売機の制御装置の機能ブロック図である。図2は、同実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【0017】
図2において、親機用売上集計手段11は、親機にて販売された売上を集計する。尚、集計する内容は、販売本数、販売金額、価格別の販売本数、価格別の販売金額等が挙げられる。親機用売上集計データ記憶手段12は、親機用売上集計手段11にて集計されたデータを記憶する。子機用売上集計手段13は、子機にて販売された売上を集計する。尚、集計する内容は、販売本数、販売金額、価格別の販売本数、価格別の販売金額等が挙げられる。子機用売上集計データ記憶手段14は、子機用売上集計手段13にて集計されたデータを記憶する。
【0018】
販売形態判定手段15は、販売を実施した際、親機にて販売されたか子機にて販売されたかを判定する。操作手段16は、自動販売機の記憶手段のデータを操作できる。尚、操作手段にはリモコン、スイッチ等などが挙げられる。表示手段17は子機用売上集計データ記憶手段14に記憶しているデータを表示する。尚、表示手段には7セグメント、LCD、液晶等が挙げられる。通信手段18は、子機用売上集計データ記憶手段14に記憶しているデータを別の制御装置に送受信できる。尚、別の制御装置にはハンディターミナル、集計センター、携帯電話等などが挙げられる。また、通信手段には光通信、有線通信、無線通信等が挙げられる。印字手段19は、子機用売上集計データ記憶手段14に記憶しているデータを印字する。尚、印字手段には感熱紙用プリンター、レーザー印字用プリンター等が挙げられる。
【0019】
集計方法記憶手段20は、子機にて販売された場合の集計方法を記憶する。演算制御部21は、操作手段16にて、集計方法記憶手段20が操作された場合、その操作された内容を集計方法記憶手段20に記憶する。また商品販売時、販売形態判定手段15にて子機の販売と判定された場合、子機用売上集計手段13にて子機用の売上データを集計し、子機用売上集計データ記憶手段14に記憶する。また操作手段16にて、子機用売上集計データ記憶手段14が操作された場合、表示手段17にて、子機用売上集計データ記憶手段14に記憶しているデータを表示する。
【0020】
また操作手段16あるいは通信手段18にて、別の制御装置との送受信時、通信手段18にて子機用売上集計データ記憶手段14に記憶しているデータを送受信する。また操作手段16にて、印字を実施した場合、印字手段19にて子機用売上集計データ記憶手段14に記憶しているデータを印字する。
【0021】
以上のように構成された自動販売機の制御装置について、以下その動作を図2のフローチャートをもとにして説明する。
【0022】
まず、演算制御部21は、操作手段16にて、オペレーター等が集計方法記憶手段20を操作しているか否かを判定する(STEP1)。集計方法記憶手段20が操作手段16にて操作されている場合、その内容を集計方法記憶手段20に記憶させる。(STEP2)。販売時、販売形態判定手段15にて子機の販売か否かを判定する(STEP3)。STEP3にて子機が販売されたと判定された場合、集計方法記憶手段20に記憶されている設定データが子機用の集計を行うか否かを判定する(STEP4)。
【0023】
STEP4にて子機用の集計を行うと判定された場合、子機用売上集計データ記憶手段14に記憶しているデータに基づき、子機用売上集計手段13にて子機用の売上データを
集計し、子機用売上集計データ記憶手段14に記憶する(STEP5)。STEP4にて子機用の集計を行うと判定されなかった場合、親機用売上集計データ記憶手段12に記憶しているデータに基づき、親機用売上集計手段11にて親機用の売上データを集計し、親機用売上集計データ記憶手段12に記憶する(STEP6)。
【0024】
操作手段16の操作にて、子機用売上集計データの表示を実施されたか否かを判定する(STEP7)。STEP7にて表示を実施すると判定された場合、表示手段17にて子機用売上集計データ記憶手段14に記憶しているデータを表示する(STEP8)。操作手段16による操作、あるいは通信手段18による操作等にて、子機用売上集計データの送信あるいは受信を実施するか否かを判定する(STEP9)。
【0025】
STEP9にて、子機用売上集計データの送信あるいは受信を実施すると判定された場合、通信手段18にて子機用売上集計データ記憶手段14に記憶しているデータを送信あるいは受信を実施する(STEP10)。操作手段16による操作にて、子機用売上集計データの印字を実施するか否かを判定する(STEP11)。STEP11にて印字を実施すると判定された場合、印字手段19にて子機用売上集計データ記憶手段14に記憶しているデータを印字する(STEP12)。
【0026】
以上のように本実施の形態1の自動販売機の制御装置によれば、子機を接続して、子機の販売が行われた場合、子機用の集計データに集計されるため、親機の集計データと子機の集計データを区別して集計でき、自動販売機の汎用性を向上することができる。
【0027】
また、親機の集計データと子機の集計データを、混合することなく別々に見ることができるので、オペレート性を向上することができる。
【0028】
また、親機の集計データと子機の集計データを、混合することなく別々に別の制御装置と送受信することができるので、販売管理や在庫管理がしやすくなり、さらなるオペレート性を向上することができる。
【0029】
また、親機の集計データと子機の集計データを、混合することなく別々にプリンター等に印字することができるので、仕向け先別や商品別の領収書の発行や販売履歴を残すことができ、さらなるオペレート性を向上することができる。
【0030】
また、ロケーション先の設置状況や、ハンディターミナル等の設備に応じて、集計方法を変更できるので、さらなるオペレート性を向上することができる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
以上のように、本発明にかかる自動販売機の制御装置は、親子自動販売機において、親機の集計データと子機の集計データを区別して集計することができ、親子自動販売機の汎用性を向上することができるので、親子接続できるあらゆる自動販売機器に適用できる。
【符号の説明】
【0032】
11 親機用売上集計手段
12 親機用売上集計データ記憶手段
13 子機用売上集計手段
14 子機用売上集計データ記憶手段
15 販売形態判定手段
16 操作手段
17 表示手段
18 通信手段
19 印字手段
20 集計方法記憶手段
21 演算制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動販売機にて販売された売上を集計する親機用売上集計手段と、前記親機用売上集計手段にて集計されたデータを記憶する親機用売上集計データ記憶手段と、自動販売機に接続される別自動販売機にて販売された売上を集計する子機用売上集計手段と、前記子機用売上集計手段にて集計されたデータを記憶する子機用売上集計データ記憶手段と、自動販売機に接続される別自動販売機にて販売されたかを判定する販売形態判定手段と、前記親機用売上集計手段と前記親機用売上集計データ記憶手段と前記子機用売上集計手段と前記子機用売上集計データ記憶手段と前記販売形態判定手段に接続された演算制御部を備え、前記演算制御部は、前記販売形態判定手段にて自動販売機に接続される別自動販売機にて販売されたと判定した場合、前記子機用売上集計手段にて集計されたデータを子機用売上集計データ記憶手段にて記憶することを特徴とした自動販売機の制御装置。
【請求項2】
前記子機用売上集計データ記憶手段に記憶しているデータを表示する表示手段を備え、前記演算制御部は、前記表示手段にて前記子機用売上集計データ記憶手段に記憶しているデータを表示することを特徴とした請求項1に記載の自動販売機の制御装置。
【請求項3】
前記子機用売上集計データ記憶手段に記憶しているデータを別の制御装置に送受信できる通信手段を備え、前記演算制御部は、前記通信手段にて前記子機用売上集計データ記憶手段に記憶しているデータを送受信することを特徴とした請求項1または2に記載の自動販売機の制御装置。
【請求項4】
前記子機用売上集計データ記憶手段に記憶しているデータをプリンターに印字する印字手段を備え、前記演算制御部は、前記印字手段にて前記子機用売上集計データ記憶手段に記憶しているデータを印字することを特徴とした請求項1から3のいずれか一項に記載の自動販売機の制御装置。
【請求項5】
自動販売機の記憶手段のデータを操作できる操作手段と、自動販売機に接続される別自動販売機にて販売された場合の集計方法を記憶する集計方法記憶手段を備え、前記演算制御部は、前記操作手段にて設定されたデータを前記集計方法記憶手段にて記憶し、前記販売形態判定手段にて自動販売機に接続される別自動販売機にて販売されたと判定した場合、前記集計方法記憶手段に記憶しているデータに基づき集計を行うことを特徴とした請求項1から4のいずれか一項に記載の自動販売機の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−76164(P2011−76164A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−223993(P2009−223993)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】