説明

自動販売機の広告照明装置

【課題】簡易な構造で高い広告照明効果が得られ、しかも広告の差し替え,照明光源のメンテナンスも簡単に行えて利便性を高めた自動販売機の広告照明装置を提供する。
【解決手段】周面に電照板6を配して自動販売機のキャビネット1の天板1a 上に立設した円筒形の広告タワーの内部中央に照明光源8を配して広告照明装置3を構成し、前記電照板の内面側に透光性の広告シート9を布設して照明するものとし、具体的には広告タワーを取付基台4と、該基台上に載置して一端をヒンジ結合した円筒形のタワー枠組体5と、該枠組体の全周面に敷設した電照板6と、枠組体の天井に着脱可能に被着した上蓋7から構成し、前記基台4の上に照明光源8として例えばサークルライン形蛍光灯を配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機のキャビネットの上に設置した広告照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自動販売機では、箱型キャビネットの前面外扉に照明付きの電照室を画成し、ここに販売商品の見本を展示するとともに、電照室内の背板に広告パネルを配して広告照明を行うようにしているのが一般的である。
【0003】
しかしながら、広告効果の面から前記自動販売機の電照室を見ると、電照室はキャビネットの正面に配置されていて側方からは見えず、このために広告効果が制約を受ける。また、周囲が暗い夜間では離れた場所から見る位置によっては自動販売機の存在もよく視認できないといった問題もある。
【0004】
一方、自動販売機で販売する商品の広告効果を高めるために立体的な広告を採用し、その立体広告体をキャビネットの上に立設した構成のものが知られている(例えば、特許文献1参照)
【特許文献1】実開昭50−22093号公報(第4頁,図9,図10)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
昨今では市中に展開している広告媒体の形態もますます多様化しており、この観点から街頭に数多く設置されている自動販売機を利用し、ここに広告手段として広告塔を設置することにより、販売商品のほか、会社名などを表す各種広告を有効に展開できると考えられるが、この場合に高い広告効果を発揮するには、自動販売機から離れた周囲四方の場所からでも広告塔の表示内容が良く見える高いアピール性が望まれる。
【0006】
かかる点、先記の特許文献1に開示されているような構造の立体広告体を自動販売機のキャビネットの上に立設することも考えられるが、広告対象も限られているほか、広告の表示変更,照明光源のメンテナンスが簡単には行えず,広告の照明効果,表示広告の汎用性,メンテナンスの利便性を高めるには構造面でさらなる改良の余地がある。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、簡易な構造で高い広告照明効果が得られ、しかも表示する広告の差し替え,照明光源の交換などのメンテナンスも簡単に行えて取扱い性の利便性を高めた自動販売機の広告照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明によれば、周面に電照板を配してキャビネット本体の天板上に立設した円筒形の広告タワーと、該広告タワーの内部中央に配した照明光源とで広告照明装置を構成し、前記電照板に印刷した広告,または電照板の内周に布設した透光性の広告シートを照明するものとし(請求項1)、具体的には次記のような態様で構成する。
(1)前記の広告タワーを、取付基台と、該基台上に載置して一端をヒンジ結合した円筒形の枠組体と、該枠組体の全周面に敷設した電照板と、枠組体の天井に着脱可能に被着した上蓋から構成し、前記基台上に照明光源を配置する(請求項2)。
(2)前記の広告シートが所定ピッチで並設された蒲鉾形レンズを有するレンチキュラーシートであり、前記蒲鉾形レンズが延在する方向を交差させるように重ね合わせて配置する(請求項3)。
(3)前記の照明光源として、サークルライン形蛍光灯(請求項4)、または発光ダイオード(請求項5)、または直管形蛍光灯(請求項6)、またはU形蛍光灯(請求項7)、または電球形蛍光灯(請求項8)、または白熱電球(請求項9)を用いることができる。
【発明の効果】
【0009】
上記の構成によれば、自動販売機から離れた場所でも、見る方向に関係なく四方から広告内容を視認できて高いアピール性と広告効果を発揮できる。また、広告内容を印刷したフィルム状の広告シートを電照板の内側に布設することにより、広告シートを交換するだけで広告の内容を簡単に変更することができて広告媒体としての汎用性が向上するし、またタワーの枠組体を取付基台にヒンジ結合したことで広告シートの交換,照明光源の清掃,交換などのメンテナンス作業が楽に行えて高い利便性を確保できるなどの実用的効果が得られる。さらに、広告シートとしてレンチキュラーシートを用いた場合には広告タワーがあたかも3次元の空間的ひろがりをもつように見えることから注目の的となり集客力を発揮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図4に示す実施例に基づいて説明する。まず、図4において、1は自動販売機キャビネット、2は外扉、2aは電照室であり、キャビネット1の天板1aの上に本発明による広告照明装置3が立設配置されている。
【0011】
ここで、広告照明装置3は、図1〜図3で示すように、キャビネット1の天板1aに固定した取付基台4と、該基台上に載置した円筒形のタワー枠組体5と、該枠組体5の全周面に敷設した電照板(透明樹脂板)6と、枠組体5の上面に被着してネジ止めした上蓋7と、枠組体5の内部中央に配した照明光源(サークルライン形蛍光灯)8からなり、電照板6の内周面には透明なフィルムに商品,会社名のロゴなどを印刷した広告シート9を布設して内側から照明するようにしている。また、前記のタワー枠組体5は、その一端が取付基台4にヒンジ具10を介して開け閉め可能に取付けられ、また照明光源6は取付基台4に立設した支持脚11で定位置に保持するようにしている。なお、12は蛍光灯のチョークコイルである。
【0012】
上記の構成で、照明光源8を点灯すると、広告タワーの全周で電照板6の内周面に布設した広告シート9が照明され、広告シート9に印刷した広告内容が表示される。これにより、自動販売機の周囲四方から広告内容が視認でき、また周囲が暗い夜間時には自動販売機から離れた位置でも照明された広告タワーが浮かび上がって見えてアピール性の高い広告効果を発揮できる。
【0013】
また、表示する広告シート9は必要に応じて随時簡単に取り替えることが可能であり、この場合には上蓋7を外した上で、タワー枠組体5を図2のようにヒンジ具10を支点に傾動することにより、広告シート9の貼り替え,タワー内部の清掃,蛍光灯交換などのメンテナンス作業が簡単に行える。
【0014】
なお、図示実施例では広告シート9を電照板6の内面に重ねて布設しているが、応用実施例として広告シートを回転ドラムの周面に布設してタワー枠組体6の内方に配置し、この回転ドラムを回して走馬灯のように広告シートを表示させることもできる。
【0015】
さらに、他の実施形態として前記広告シート9をレンチキュラーシートとすることもできる。レンチキュラーシートは良く知られているように樹脂製シート上に所定ピッチで並設された軌条の蒲鉾形レンズが形成されたものであり、2枚のレンチキュラーシートを蒲鉾形レンズの軌条方向が交差するように重ね合わせることにより形成される枡目の模様が奥行き,または前面に突き出すように視認される。これによって広告タワーはあたかも3次元の空間的広がりをもつように見えるので周囲の注目を集めることができる。
【0016】
なお、照明光源8はサークルライン形蛍光灯に限らず、直管形蛍光灯,U形蛍光灯,電球形蛍光灯などを用いることができるほか、発光ダイオードや白熱電球を用いることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例による広告照明装置の組立構造を表す俯瞰図
【図2】図1のタワー枠組体を開放した状態を表す俯瞰図
【図3】図1の組立状態を表す俯瞰図
【図4】図1の広告照明装置を装備した自動販売機の全体を表す俯瞰図
【符号の説明】
【0018】
1 自動販売機のキャビネット
1a 天板
2 外扉
3 広告照明装置
4 取付基台
5 タワー枠組体
6 電照板
7 上蓋
8 照明光源(サークルライン形蛍光灯)
9 広告シート
10 ヒンジ具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周面に電照板を配してキャビネット本体の天板上に立設した円筒形の広告タワーと、該広告タワーの内部中央に配した照明光源からなり、前記電照板に印刷した広告,または電照板の内周に布設した透光性の広告シートを照明することを特徴とする自動販売機の広告照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載の広告照明装置において、広告タワーが取付基台と、該基台上に載置して一端をヒンジ結合した円筒形の枠組体と、該枠組体の全周面に敷設した電照板と、枠組体の天井に着脱可能に被着した上蓋からなり、前記基台上に照明光源を配置した構成になることを特徴とする自動販売機の広告照明装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の広告照明装置において、広告シートが所定ピッチで並設された蒲鉾形レンズを有するレンチキュラーシートであり、前記蒲鉾形レンズが延在する方向を交差させるように重ね合わせて配置したことを特徴とする自動販売機の広告照明装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の広告照明装置において、照明光源がサークルライン形蛍光灯であることを特徴とする自動販売機の広告照明装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載の広告照明装置において、照明光源が発光ダイオードであることを特徴とする自動販売機の広告照明装置。
【請求項6】
請求項1または2に記載の広告照明装置において、照明光源が直管形蛍光灯であることを特徴とする自動販売機の広告照明装置。
【請求項7】
請求項1または2に記載の広告照明装置において、照明光源がU形蛍光灯であることを特徴とする自動販売機の広告照明装置。
【請求項8】
請求項1または2に記載の広告照明装置において、照明光源が電球形蛍光灯であることを特徴とする自動販売機の広告照明装置。
【請求項9】
請求項1または2に記載の広告照明装置において、照明光源が白熱電球であることを特徴とする自動販売機の広告照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−226590(P2007−226590A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−47718(P2006−47718)
【出願日】平成18年2月24日(2006.2.24)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】