説明

自動販売機

【課題】本発明は、特別な装置を新たに設けること無く、ロール紙交換をセットすることが可能な自動販売機を提供することにある。
【解決手段】用紙印字装置を備えた自動販売機において、用紙切れを検知する検知手段と、テスト印字用の起動手段と、前記検知手段により用紙切れを検知し、用紙交換後、前記起動手段が操作されるとテスト印字と用紙切れ解除を行う制御手段とを備えてなるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、領収書、売上データなどをロール紙に印字するためのロール紙用プリンタを搭載した自動販売機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動販売機などの無人機において、領収書を発行する装置を設けたものが知られており、ロール紙の有無を判定して、無しと判定された際には、販売を中止する方式が知られおり、ロール紙切れを予告する機能があれば、販売中止をする必要が無く、予告機能が望まれている(例えば、特許文献1参照)。
そこで、例えば、自動券売機において、新たにセットされたロール紙から発券できる総枚数を演算して、券切れ予告枚数をセットし、予告枚数と発券枚数を比較して、券切れ予告を行う方式が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平8−202928号公報
【特許文献2】特開平9−305801号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、前述した特許文献2の予告装置においては、新たにロール紙をセットした際に予告枚数をセットする必要があり、ロール紙を交換した際にセットをし忘れると、用紙切れ予告が行えないという問題点があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、特別な装置を新たに設けること無く、ロール紙交換をセットすることが可能な自動販売機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明は、用紙印字装置を備えた自動販売機において、用紙切れを検知する検知手段と、テスト印字用の起動手段と、前記検知手段により用紙切れを検知し、用紙交換後、前記起動手段が操作されるとテスト印字と用紙切れ解除を行う制御手段とを備えたことを特徴とする。
用紙はロール紙であり、用紙切れ解除はロール紙全長がセットされ、また、用紙印字装置に開閉可能なカバーを備え、カバー開放時に警報を報知することを特徴とする請求項1または2記載の自動販売機。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、自動販売機において、用紙交換時にテスト印字の起動手段により、用紙交換完了(ロール紙全長)をセットすることで、ロール紙セット用に新たなスイッチを設ける必要が無くなり、テスト印字の起動手段を兼用することでスイッチの押し忘れも防ぐことが可能となり、この結果、用紙切れ検出機能が確実作動するという効果が得られる。
また、用紙交換の際に、カバーを開くと警報することで、より確実にテスト印字用の起動手段の押し忘れも防ぐことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下に添付図面を参照しながら、本発明に係る自動販売機の実施の形態について説明する。
図3は、本発明の実施の対象となる自動販売機の概略正面図の一例を示すものであり、自動販売機3は、その本体キャビネット前面に外扉30を備えており、本体キャビネット内には複数種類の商品を個別に収納する複数(n個)のコラムを備えており、商品選択釦32が押され、販売指令が与えられた場合に押された商品選択釦32に対応する商品の払い出しを行う。
この外扉30には、その表面側に商品見本展示室31、販売可能ランプおよび売切ランプを内蔵する商品選択釦32、硬貨投入口33、返却レバー34、金額表示器35、硬貨返却口36、商品取出口37、レシート38aを発行するレシート発行口38が設けられている。
商品見本展示室31は、外扉30の上部に構成した透明の窓を有し、内部に配列した商品見本31aを外部に視認させることが可能である。商品見本展示室31を通じて視認される商品見本31aは、それぞれコラムに収納した商品を現し、商品選択釦32と対応して設けられている。
【0007】
次に、図4,図5は、レシート発行装置の一例を示すもので、以下に説明する。
プリンタユニット50には、その背面に開閉可能なカバー54を備え、内部にロール紙印字プリンタ51を内蔵し、その表面側には、領収書ボタン38b、用紙切れランプ38c、印字ランプ38dが設けられている。
なお、領収書ボタン38b、用紙切れランプ38c、印字ランプ38dは、利用者が操作可能なように自動販売機の外扉30にフラッパ41を介して露出している。
次に、ロール紙印字プリンタ51は、開閉可能なカバー51aを介し、内部に印字用のロール紙52が収容されており、図示しない開閉検知スイッチが設けられている。
また、プリンタユニット50のカバー54はその下端がヒンジ54aを介して連結し、カバー54を閉じることにより、ロール紙印字プリンタ51は所定位置に収容され、カバー上端を締結ねじ54bで閉位置に保持するようにしている。
次に、図1は、本発明の一実施の形態を示す構成ブロック図である。
1は自動販売機全体を制御し、制御プログラムを記憶するメモリ1aおよび各種データを記憶するメモリ1bを備える主制御部である。
この主制御部1には、金額表示器35、商品選択ボタン32、領収書発行制御部11、商品搬出装置12、表示部付きリモコン13、コインメカニズム14などが接続されている。
【0008】
領収書発行制御部11には、制御プログラムを記憶するメモリ11aおよび各種データを記憶するメモリ11bを備え上述したように領収書ボタン38b、用紙切れランプ38c、印字ランプ38d、ロール紙印字プリンタ51、印字テストスイッチ15、警報ブザー16が接続されている。
リモコン13は、ロール紙の全長を入力、用紙切れの警報を報知する設定値を入力したり、あるいは出力データの指令を入力したりする。
ロール紙印字プリンタ51による印字は、自動販売機における商品購入時において、主制御部1からの出力指令によりロール紙印字プリンタ51はロール紙52に購入内容を印字してレシート38aを発行する場合、また、販売データを集計して売上データを出力印字するために、リモコン13の入力に基づき、主制御部1では、出力するデータを出力指令としてロール紙印字プリンタ51に出力してロール紙52に売上データを印字する場合である。
このロール紙52の用紙切れ検知は、ロール紙全長とレシート発行長とを対比して、レシートを発行できない場合に用紙切れランプ38cを点滅させて、レシートが発行できないことを報知する。
【0009】
まず、簡単にレシート発行について説明すると、利用者が自動販売機にて商品を購入し、領収書ボタン38bが押されると、レシート発行口38から当該取引にかかわるデータをロール紙52に印字して、レシート38aを発行するものである。
このレシート38印字長の累積とロール紙印字長とを比較して、所定長以下になるとロール紙ランプ38cを点滅させて、ロール紙切れの警報を報知するものである。
このようなロール紙切れ検知時におけるロール紙52交換の処理手順に関し、図2のフローチャート図を用いて制御動作を説明する。
まず、ロール紙切れかを判断し(ステップS1)、ロール紙切れを検出すると(ステップS1,Yes)、用紙切れランプ38cを点滅する(ステップS2)。
次に、用紙交換のためにロール紙印字プリンタ51の開閉可能なカバー51aが開放されたかを判断し(ステップS3)、開閉可能なカバー51aが開放されると(ステップS3,Yes)、印字テストスイッチ15の押忘れ防止のために、「ピー、ピー」と警報ブザー16を鳴らす(ステップS4)。
次に、ロール紙52を交換し(ステップS5)、開閉可能なカバー51aを閉じ(ステップS6)、印字テストスイッチ15が押されたかを判断し(ステップS7)、印字テストスイッチ15が押されると(ステップS7,Yes)、警報ブザー16を停止する(ステップS8)。
【0010】
次に、印字ランプ38dが点滅し(ステップS9)、領収書ボタン38bが押されたかを判断し(ステップS10)、領収書ボタン38bが押されると(ステップS10,Yes)、ロール紙52にテスト印字を行い、レシート38aを発行し(ステップS11)、印字ランプ38d、用紙切れランプ38cを消灯する(ステップS12)。次に、ロール紙52の全長がセットされ(ステップS13)、ロール紙交換作業が終了する。
このように、ロール紙交換により用紙切れ検出のためのセット作業が、テスト印字を行うことで可能となるため、作業のし忘れを防止できる。
なお、テスト印字スイッチ15が操作されないときには、レシート発行機能を停止したままとする。
また、ロール紙全長を入力するため、リモコン13を用いた例について説明したが、メモリカードのような記憶媒体を用いてもよい。すなわち、メモリカードに予め印字出力フォーマットならびにロール紙の全長を記憶させておき、このメモリカードを領収書発行制御部11に接続することにより各種データが設定を行えるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施の形態である制御構成を示すブロック図
【図2】本発明における制御動作を示すフローチャート図
【図3】本発明の実施の対象となる自動販売機の概略正面図
【図4】本発明の実施の対象となるレシート発行装置の概略前面拡大図
【図5】本発明の実施の対象となるレシート発行装置一例を示す概略側面図
【符号の説明】
【0012】
1 主制御部
1a,1b メモリ
11 領収書発行制御部
11a,11b メモリ
15 印字テストスイッチ
16 警報ブザー
38a レシート
38b 領収書ボタン
38c 用紙切れランプ
38d 印字ランプ38d
50 プリンタユニット
51 ロール紙印字プリンタ
52 ロール紙


【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙印字装置を備えた自動販売機において、用紙切れを検知する検知手段と、テスト印字用の起動手段と、前記検知手段により用紙切れを検知し、用紙交換後、前記起動手段が操作されるとテスト印字と用紙切れ解除を行う制御手段とを備えたことを特徴とする自動販売機。
【請求項2】
用紙はロール紙であり、用紙切れ解除はロール紙全長がセットされることであることを特徴とする請求項1記載の自動販売機。
【請求項3】
用紙印字装置に開閉可能なカバーを備え、カバー開放時に警報を報知することを特徴とする請求項1または2記載の自動販売機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−70309(P2009−70309A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−240343(P2007−240343)
【出願日】平成19年9月18日(2007.9.18)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】