説明

自動販売機

【課題】商品選択ボタンの数を減少させることにより商品選択ボタンの取付スペースを低減化させることができる自動販売機を提供すること。
【解決手段】商品毎に設けられ、かつ商品を選択する商品選択ボタン31と、予め決められた調合成分毎に設けられ、かつ該当する調合成分の量を調整する調合ボタン群321〜323とを備え、いずれかの商品選択ボタン31が押下された場合に、該当する商品を調理してカップに投入された状態で販売する自動販売機において、商品選択ボタン31は、調合ボタン群321〜323が押下されることなく自身が押下された場合に各調合成分が標準量で混合された商品の選択を示すものであり、調合ボタン群321〜323は、該当する調合成分の増量及び減量を示す調合ボタン以外に、該調合成分の投入を禁止、あるいは該調合成分以外の調合成分の投入を禁止するための禁止ボタン321a,322a,323aを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機に関し、より詳細には、例えばコーヒー飲料等の商品をカップに投入された状態で販売する自動販売機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の自動販売機として、特許文献1に示されたものが知られている。すなわち、いずれかの商品選択ボタンが押下された場合に、該当する商品を自動販売機本体内部で調理し、調理した商品をカップに投入された状態で取出口を臨む位置に搬送し、取り出し可能にするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平6−14389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したような自動販売機では、例えばコーヒー飲料のような商品においては、同一の商品であっても加温商品用(ホット商品用)の商品選択ボタンが設けられているとともに、冷温商品用(コールド商品用)の商品選択ボタンが設けられているのが一般的である。しかも、それぞれの商品選択ボタンは、利用者の操作容易性の観点からブラック用のボタン、クリーム入り用のボタン、砂糖入り用のボタン、クリーム・砂糖入り用のボタンの4つから構成されている。つまり、同一の商品でも8つの商品選択ボタンが必要になっている。また、上記自動販売機では、予め決められた調合成分、すなわちコーヒー豆、クリーム及び砂糖のそれぞれについて、増量ボタン及び減量ボタンからなる調合ボタン群が設けられている。
【0005】
そのため、従来の自動販売機では、商品選択ボタン等の取付スペースが過大になってしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みて、商品選択ボタンの数を減少させることにより商品選択ボタンの取付スペースを低減化させることができる自動販売機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係る自動販売機は、商品毎に設けられ、かつ商品を選択するための商品選択ボタンと、予め決められた調合成分毎に設けられ、かつ該当する調合成分の量を調整するための調合ボタンの集合体となる調合ボタン群とを備え、いずれかの商品選択ボタンが押下された場合に、該当する商品を調理してカップに投入された状態で販売する自動販売機において、前記商品選択ボタンは、前記調合ボタン群が押下されることなく自身が押下された場合に各調合成分が標準量で混合された商品の選択を示すものであり、前記調合ボタン群は、該当する調合成分の増量及び減量を示す調合ボタン以外に、該調合成分の投入を禁止、あるいは該調合成分以外の調合成分の投入を禁止するための禁止ボタンを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項2に係る自動販売機は、商品毎に設けられ、かつ商品を選択するための商品選択ボタンと、予め決められた調合成分毎に設けられ、かつ該当する調合成分の量を調整するための調合ボタンの集合体となる調合ボタン群とを備え、いずれかの商品選択ボタンが押下された場合に、該当する商品を調理してカップに投入された状態で販売する自動販売機において、前記商品選択ボタンは、前記調合ボタン群が押下されることなく自身が押下された場合に一の調合成分が標準量で混合された商品の選択を示すものであり、前記一の調合成分以外の調合成分に該当する調合ボタン群は、該当する調合成分の増量及び減量を示す調合ボタン以外に、該調合成分の標準量の投入を選択する標準量ボタンを備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項3に係る自動販売機は、上述した請求項1又は請求項2において、前記調合ボタン群の集合体となる調合ボタン部は、自身が押下された場合に冷温商品及び加温商品のいずれかを選択する冷加温選択ボタンを備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項4に係る自動販売機は、上述した請求項1又は請求項2において、前記商品選択ボタンは、同一の商品について加温商品用のものと、冷温商品用のものとがあり、これらが商品イメージが描かれたフレーバーカードを挟み込む態様で左右一対に配設されてなることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項5に係る自動販売機は、上述した請求項1〜4のいずれか一つにおいて、前記商品選択ボタンの側方で、かつ前記調合ボタン群の上方となる個所に、商品の調理工程の一部を外部より視認可能にする窓部を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項6に係る自動販売機は、上述した請求項4又は請求項5において、前記商品選択ボタンは、加温商品用のものどうしが上下方向に沿って並んで配設されているとともに、冷温商品用のものどうしが上下方向に沿って並んで配設されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の自動販売機によれば、商品選択ボタンが、調合ボタン群が押下されることなく自身が押下された場合に各調合成分が標準量で混合された商品の選択を示すものであり、調合ボタン群は、該当する調合成分の増量及び減量を示す調合ボタン以外に、該調合成分の投入を禁止、あるいは該調合成分以外の調合成分の投入を禁止するための禁止ボタンを備えているので、同一の商品についての商品選択ボタンについて従来のように8つも設ける必要がなく、商品選択ボタンの数を減少させることができる。従って、商品選択ボタンの数を減少させることにより商品選択ボタンの取付スペースを低減化させることができるという効果を奏する。
【0014】
また、本発明の自動販売機によれば、商品選択ボタンが、調合ボタン群が押下されることなく自身が押下された場合に一の調合成分が標準量で混合された商品の選択を示すものであり、一の調合成分以外の調合成分に該当する調合ボタン群は、該当する調合成分の増量及び減量を示す調合ボタン以外に、該調合成分の標準量の投入を選択する標準量ボタンを備えているので、同一の商品についての商品選択ボタンについて従来のように8つも設ける必要がなく、商品選択ボタンの数を減少させることができる。従って、商品選択ボタンの数を減少させることにより商品選択ボタンの取付スペースを低減化させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1である自動販売機を示す正面図である。
【図2】図2は、図1に示した自動販売機の内部構造を正面から示す正面図である。
【図3】図3は、図2で示したものの更に内部構造を正面から示す正面図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態1である自動販売機の原理図である。
【図5】図5は、図1に示した自動販売機の前面扉の要部、すなわち調合ボタン部を拡大して示す正面図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態1である自動販売機の変形例を示す正面図である。
【図7】図7は、図6に示した自動販売機の前面扉の要部、すなわち調合ボタン部を拡大して示す正面図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態1である自動販売機の変形例を示す正面図である。
【図9】図9は、図8に示した自動販売機の前面扉の要部、すなわち調合ボタン部を拡大して示す正面図である。
【図10】図10は、本発明の実施の形態2である自動販売機を示す正面図である。
【図11】図11は、本発明の実施の形態2である自動販売機の原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る自動販売機の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0017】
<実施の形態1>
図1〜図4は、それぞれ本発明の実施の形態1である自動販売機を示すもので、図1は正面図、図2は内部構造を正面から示す正面図、図3は図2で示したものの更に内部構造を正面から示す正面図、図4は原理図である。ここで例示する自動販売機は、レギュラーコーヒー飲料の他、ココア等のインスタント飲料を販売するカップ式の飲料自動販売機であって、より具体的には、クリーム、砂糖、ココア等の粉末原料をカップの内部で調理するカップ内ミキシング方式の飲料自動販売機であり、前面が開口した箱状の本体キャビネット1と、本体キャビネット1の前面開口を閉塞する前面扉2とを備えている。
【0018】
図2〜図4に示すように、本体キャビネット1の内部には、リザーバ11、温水タンク12、製氷器13、抽出装置14、粉末原料供給装置15、カップ供給装置16及びカップ搬送装置17を備えて構成してある。
【0019】
リザーバ11は、供給された水道水、あるいは図示せぬ給水タンクから供給された水を一時的に貯留するものである。このリザーバ11で一時的に貯留された水は、温水タンク12と製氷器13とに供給されるようにしている。
【0020】
温水タンク12は、抽出装置14の他、調理位置に搬送されたカップに供給する湯を貯留するもので、本体キャビネット1の内部上方右奥側、背壁に沿って設けてある。この温水タンク12には、ヒータ(図示せず)が内蔵してあり、リザーバ11から与えられた水を加熱して湯として貯留する。
【0021】
このような温水タンク12には、複数(図4の例では2つ)の湯弁が配設してある。一の湯弁121は、湯供給配管122を介して抽出装置14に接続してあり、該湯弁121を開成させることにより湯供給配管122を通じて抽出装置14に湯が供給されるようになっている。他の湯弁123は、湯供給配管124を介して調理位置に設けられたノズル125に接続してあり、該湯弁123を開成させることにより湯供給配管124を通じてノズル125に湯が供給されるようになっている。これにより、調理位置に搬送されたカップに対してノズル125より湯が注出されることになる。
【0022】
製氷器13は、リザーバ11から供給された水から調理用の氷を製造するもので、図3に示すように、本体キャビネット1の内部上方左奥側に取り付けてある。製氷器13は、図には明示しないが、円筒状の金属の内面に着氷した氷をオーガで連続的に掻き取り、上部に押し上げながら圧縮成形と切断とを行う製氷部と、製氷部でチップ状に形成された氷を貯蔵する氷ストッカー部とを備えている。氷ストッカー部にはアイスドアが設けてあり、このアイスドアは、氷供給配管131を介して調理位置に設けられたノズル(図示せず)に接続してある。アイスドアを開放させることにより、氷供給配管131を通じてノズルに氷が供給されるようになっている。これにより、調理位置に搬送されたカップに対してノズルより氷が投入されることになる。
【0023】
抽出装置14は、レギュラーコーヒー飲料を抽出するものであって、図3に示すように、本体キャビネット1の内部上方右側に取り付けてある。抽出装置14は、上方から下方に向けて順に、豆キャニスタ141、コーヒーミル142、コーヒーブリュア143を備えている。
【0024】
豆キャニスタ141は、透光性のある樹脂材料から構成されており、内部にコーヒー豆を収容している。尚、本実施の形態1における抽出装置14では2つの豆キャニスタ141を備えている。このような豆キャニスタ141は、内部に原料モータ(図示せず)が設けてあり、かかる原料モータが駆動することにより該豆キャニスタ141に収容されたコーヒー豆がコーヒーミル142に供給されるようになっている。一方、原料モータが駆動停止することにより該豆キャニスタ141に収容されたコーヒー豆の供給が停止される。
【0025】
コーヒーミル142は、豆キャニスタ141から供給されたコーヒー豆を挽くものである。このコーヒーミル142は、詳細は図示しないが、内部にシュート(水平方向に延びる円筒状の空間)が形成されたミル本体と、シュートに挿通され、外周に螺旋状の刃が形成されたオーガと、オーガを回転させるモータとを有している。そして、モータがオーガを回転させることによりコーヒーミル142に供給された豆は入口から出口に向けて送られ、その途中で粉砕されるようになっている。
【0026】
このようなコーヒーミル142においては、ミル本体が豆キャニスタ141と同様に、透光性のある樹脂材料から構成されている。
【0027】
コーヒーブリュア143は、コーヒーミル142から供給された挽き豆に温水タンク12から供給された湯を注ぐことにより、レギュラーコーヒー飲料を抽出するものである。コーヒーブリュア143は、コーヒー供給配管144を介して調理位置に設けられたノズル145に接続してあり、かかるコーヒー供給配管144を通じて該ノズル145にレギュラーコーヒー飲料が供給されるようになっている。これにより、調理位置に搬送されたカップに対してノズル145よりレギュラーコーヒー飲料が注出されることになる。
【0028】
粉末原料供給装置15は、クリーム、砂糖等の粉末原料を原料毎に収容し、必要に応じて払い出すもので、図3に示すように、本体キャビネット1の内部上方中央に設けてある。粉末原料供給装置15は、複数の原料キャニスタ151と、原料キャニスタ151毎に設けられた原料シュータ152とを備えている。
【0029】
原料キャニスタ151は、粉末原料を収容して払い出す容器であり、上面が前下がりとなるように傾斜しており、この上面に原料投入口(図示せず)が形成してある。また、原料投入口は、開閉可能な蓋によって閉成してあり、粉末原料に異物が混入しないようになっている。また、原料キャニスタ151の底部には、螺旋状に形成されたスクリュ(図示せず)が回転可能に設けられ、原料キャニスタ151の奥に取り付けた原料モータが駆動すると、スクリュが回転し、原料キャニスタ151の底部前面に形成された原料払出口(図示せず)から粉末原料が払い出されるようになっている。
【0030】
原料シュータ152は、対応する原料キャニスタ151から払い出された粉末原料を受け取り、一時的に収容するもので、原料キャニスタ151の前方から下方に延びる筒状をなしている。
【0031】
カップ供給装置16は、所定のカップ供給位置にカップを供給するもので、図2に示すように、本体キャビネット1の内部上方中央であって、上述した粉末原料供給装置15の前方側に設けてある。
【0032】
カップ搬送装置17は、カップ供給位置において供給されたカップを受取位置を経由して調理位置に搬送した後、後述する取出口21を臨む販売位置に搬送するものであって、本体キャビネット1の内部中央、粉末原料供給装置15の下方側に設けてある。カップ搬送装置17は、カップ供給位置において供給されたカップを把持するカップ把持部171と、カップ把持部171が把持したカップを左右方向及び前後方向に搬送する搬送装置172とを備えている。
【0033】
搬送装置172は、販売待機状態においてカップ把持部171を販売位置に待機させるものである。その後に商品が選択されると、カップ供給位置にカップ把持部171を搬送し、カップ供給装置16から供給されたカップをカップ把持部171に把持させるものである。カップ供給位置にてカップ把持部171にカップを把持させた後、搬送装置172は、カップ把持部171を受取位置に搬送する。ここで受取位置は、原料キャニスタ151から原料シュータ152に払い出された粉末原料を受け取る位置であって、粉末原料が払い出された原料シュータ152の下方が受取位置になる。例えばクリーム・砂糖入りレギュラーコーヒー飲料を販売する場合には、原料キャニスタ151から払い出されたクリームが一時的に収容される原料シュータ152の下方、並びに原料キャニスタ151から払い出された砂糖が一時的に収容される原料シュータ152の下方が受取位置になる。
【0034】
そして、カップを把持するカップ把持部171を受取位置に順次搬送させることにより、カップ内に所望の粉末原料が投入される。その後、搬送装置172は、当該カップを把持するカップ把持部171を調理位置に搬送する。調理位置は、湯、レギュラーコーヒー飲料が注出される他、氷が供給される位置であって、カップ内の飲料を撹拌するパドル18が昇降可能に設けてある。この調理位置にて湯、あるいはレギュラーコーヒー飲料の注出が完了すると、搬送装置172は、カップを把持するカップ把持部171を販売位置に搬送し、これにより、所望の商品がカップに投入された状態で利用者に提供することが可能になる。
【0035】
前面扉2は、本体キャビネット1の前面開口を開閉可能となる態様で該本体キャビネット1の一側縁部に揺動可能に配設してあり、閉扉動作した場合に、本体キャビネット1の前面開口を閉塞するものである。この前面扉2は、図1に示すように、中程中央に取出口21が設けてあり、その右方側に投入金額を表示する一体表示器22、硬貨を投入するための硬貨投入口23、返却レバー24が設けてある。また、取出口21の左方側には紙幣挿入口25が設けてあり、前面扉2の下部右側には硬貨返却口26が設けてある。
【0036】
上記前面扉2の上半分には、商品選択ボタン31、調合ボタン部32及び窓部33が設けてある。商品選択ボタン31は、前面扉2の上半分の左側に複数配設してある。これら商品選択ボタン31は、商品毎に設けてあり、同一の商品について加温商品用の商品選択ボタン31と、冷温商品用の商品選択ボタン31とが左右一対となる態様で設けてある。これら左右一対の商品選択ボタン31、すなわち同一商品の加温商品用の商品選択ボタン31と冷温商品用の商品選択ボタン31とは、当該商品のイメージが描かれたフレーバーカード311を挟み込む態様で設けてある。また、各商品のフレーバーカード311が上下方向に沿って並んで設けてあり、これにより、加温商品用の商品選択ボタン31どうしが上下方向に沿って並んで設けてあるとともに、冷温商品用の商品選択ボタン31どうしが上下方向に沿って並んで設けてある。
【0037】
上記商品選択ボタン31は、調合ボタン部32が押下されることなく自身が押下された場合には、予め決められた調合成分、すなわちコーヒー豆、クリーム及び砂糖が標準量で混合された商品の選択を示す入力手段である。
【0038】
図5は、図1に示した自動販売機の前面扉2の要部、すなわち調合ボタン部32を拡大して示す正面図である。この図5に示すように、調合ボタン部32は、前面扉2の上半分の下部右側に設けてあり、複数(図示の例では3つ)の調合ボタン群321,322,323から構成してある。調合ボタン群321,322,323は、予め決められた調合成分であるコーヒー豆、クリーム及び砂糖毎に設けられ、各調合成分の量を調整するための調合ボタンの集合体となるものである。
【0039】
調合ボタンについて説明すると、コーヒー豆については、コーヒー豆の減量を示す「うすめ」と表示された部位に配設された調合ボタン(コーヒー減量ボタン)321bと、コーヒー豆の増量を示す「濃いめ」と表示された部位に配設された調合ボタン(コーヒー増量ボタン)321cとを備える他、「ブラック」と表示された部位に配設された調合ボタン(ブラックボタン)321aとが設けてある。この「ブラック」と表示された部位に配設された調合ボタン(ブラックボタン)321aは、当該コーヒー豆以外の調合成分(クリーム及び砂糖)の投入を禁止する禁止ボタンである。
【0040】
クリームについては、クリームの減量を示す「少なめ」と表示された部位に配設された調合ボタン(クリーム減量ボタン)322bと、クリームの増量を示す「多め」と表示された部位に配設された調合ボタン(クリーム増量ボタン)322cとを備える他、「なし」と表示された部位に配設された調合ボタン(クリームなしボタン)322aとが設けてある。この「なし」と表示された部位に配設された調合ボタン(クリームなしボタン322a)は、当該調合成分(クリーム)の投入を禁止する禁止ボタンである。
【0041】
砂糖については、砂糖の減量を示す「少なめ」と表示された部位に配設された調合ボタン(砂糖減量ボタン)323bと、砂糖の増量を示す「多め」と表示された部位に配設された調合ボタン(砂糖増量ボタン)323cとを備える他、「なし」と表示された部位に配設された調合ボタン(砂糖なしボタン)323aとが設けてある。この「なし」と表示された部位に配設された調合ボタン(砂糖なしボタン)323aは、当該調合成分(砂糖)の投入を禁止する禁止ボタンである。
【0042】
窓部33は、商品選択ボタン31の右側であって、かつ調合ボタン部32の上方となる部位に設けてある。この窓部33は、透光性パネルが配設してあり、正面から内部を視認することを可能にするものである。この窓部33は、後述するように、調合ボタン群321,322,323が該当する調合成分の増量及び減量を示す調合ボタン以外に該調合成分の投入を禁止、あるいは該調合成分以外の調合成分の投入を禁止するための禁止ボタン(ブラックボタン321a、クリームなしボタン322a及び砂糖なしボタン323a)を有することにより、商品選択ボタン31の取付スペースを低減させて得られたスペースに設けたものである。
【0043】
この窓部33の奥側には、抽出装置14が設けてあり、しかも上述したように抽出装置14を構成する豆キャニスタ141やコーヒーミル142は、透光性のある樹脂材料から構成されていることから、当該窓部33を通じて、コーヒー豆の移動が見られるようになっており、商品の調理工程の一部を外部より視認することが可能になっている。つまり、窓部33は、商品の調理工程の一部を外部より視認可能にするものである。
【0044】
また、この窓部33より視認可能な内部領域の適当な個所には、当該内部領域を照射する例えばLED等の光源Lが配設してある。当該光源Lは、レギュラーコーヒー飲料に関連する商品の商品選択ボタン31が押下されることにより点灯するものである。
【0045】
以上のような構成を有する本実施の形態1である自動販売機は、次のようにして商品を販売することができる。
【0046】
硬貨投入口23、あるいは紙幣挿入口25から販売される商品の対価以上の硬貨又は紙幣が投入されると、該当する商品の商品選択ボタン31、並びに調合ボタン321a〜323cを有効化させる。
【0047】
このような状態で調合ボタン321a〜323cが押下されることなく、レギュラーコーヒー飲料の加温商品用の商品選択ボタン31が押下されたとする。上述したように、商品選択ボタン31は、調合ボタン群321,322,323が押下されることなく自身が押下された場合には、コーヒー豆、クリーム及び砂糖が標準量で混合された商品の選択を示す入力手段であるから、カップ供給装置16から供給されたカップには、所定の受取位置(クリームが一時的に収容される原料シュータ152の下方、並びに砂糖が一時的に収容される原料シュータ152の下方)にてクリーム及び砂糖が投入される。また、これと同時に光源Lが点灯されて抽出装置14が照射され、抽出装置14においてレギュラーコーヒー飲料の抽出が行われる。
【0048】
そして、受取位置にて粉末原料が投入されたカップは、調理位置に搬送されて、抽出装置14から抽出されたレギュラーコーヒー飲料が注出されるとともに、パドル18により撹拌される。レギュラーコーヒー飲料の注出が完了すると、カップは、販売位置に搬送され、取出口21を通じて利用者に提供され、これにより商品(レギュラーコーヒー飲料)が販売されることになる。
【0049】
次に、利用者によりブラックボタン321aが押下されてからレギュラーコーヒー飲料の加温商品用の商品選択ボタン31が押下されたとする。この場合には、ブラックのレギュラーコーヒー飲料が選択されたと判断して、次のようにして販売される。すなわち、光源Lが点灯されて抽出装置14が照射され、抽出装置14においてレギュラーコーヒー飲料の抽出が行われるのと同時に、カップ供給装置16から供給されたカップは調理位置に搬送され、該カップに抽出装置14から抽出されたレギュラーコーヒー飲料が注出される。注出が完了すると、カップは、販売位置に搬送され、取出口21を通じて利用者に提供され、これにより商品(ブラックのレギュラーコーヒー飲料)が販売されることになる。
【0050】
また、利用者によりクリームなしボタン322aが押下されてからレギュラーコーヒー飲料の加温商品用の商品選択ボタン31が押下されたとする。この場合には、砂糖入りのレギュラーコーヒー飲料が選択されたと判断して、次のようにして販売される。すなわち、カップ供給装置16から供給されたカップには、所定の受取位置(砂糖が一時的に収容される原料シュータ152の下方)にて砂糖が投入される。また、これと同時に光源Lが点灯されて抽出装置14が照射され、抽出装置14においてレギュラーコーヒー飲料の抽出が行われる。受取位置にて粉末原料が投入されたカップは、調理位置に搬送されて、抽出装置14から抽出されたレギュラーコーヒー飲料が注出されるとともに、パドル18により撹拌される。レギュラーコーヒー飲料の注出が完了すると、カップは、販売位置に搬送され、取出口21を通じて利用者に提供され、これにより商品(砂糖入りのレギュラーコーヒー飲料)が販売されることになる。
【0051】
更に、利用者により砂糖なしボタン323aが押下されてからレギュラーコーヒー飲料の加温商品用の商品選択ボタン31が押下されたとする。この場合には、クリーム入りのレギュラーコーヒー飲料が選択されたと判断して、次のようにして販売される。すなわち、カップ供給装置16から供給されたカップには、所定の受取位置(クリームが一時的に収容される原料シュータ152の下方)にてクリームが投入される。また、これと同時に光源Lが点灯されて抽出装置14が照射され、抽出装置14においてレギュラーコーヒー飲料の抽出が行われる。受取位置にて粉末原料が投入されたカップは、調理位置に搬送されて、抽出装置14から抽出されたレギュラーコーヒー飲料が注出されるとともに、パドル18により撹拌される。レギュラーコーヒー飲料の注出が完了すると、カップは、販売位置に搬送され、取出口21を通じて利用者に提供され、これにより商品(クリーム入りのレギュラーコーヒー飲料)が販売されることになる。
【0052】
このように本実施の形態1である自動販売機においては、商品選択ボタン31が、調合ボタン群321,322,323が押下されることなく自身が押下された場合に各調合成分が標準量で混合された商品の選択を示す入力手段であり、調合ボタン群321,322,323は、該当する調合成分の増量及び減量を示す調合ボタン以外に、該調合成分の投入を禁止、あるいは該調合成分以外の調合成分の投入を禁止するための禁止ボタン(ブラックボタン321a、クリームなしボタン322a及び砂糖なしボタン323a)を備えているため、同一の商品についての商品選択ボタン31は、加温商品用のものと、冷温商品用のものとでよく、これにより同一の商品について8つの商品選択ボタンを必要とした従来の自動販売機に比して、商品選択ボタン31の数を減少させることができる。従って、本実施の形態1である自動販売機によれば、商品選択ボタン31の数を減少させることにより商品選択ボタン31の取付スペースを低減化させることができる。
【0053】
このように商品選択ボタン31の数を減少させることができることから、配線の数を減少させることができ、これにより部品点数の削減を行ってコストの低減化を図ることができる。また、商品選択ボタン31の数を減少させることにより自動販売機全体の小型化を図ることができ、種々のロケーションに応じて設置することが可能になる。
【0054】
上記自動販売機においては、商品選択ボタン31の取付スペースを低減させたスペースに、調理工程の一部を外部より視認可能にする窓部33を設けたので、利用者は調理工程を目視することができ、商品販売の演出効果を向上させることが可能になる。このように演出効果を向上させることで、商品の売り上げ数の増大を期待することも可能になる。
【0055】
以上、本発明の実施の形態1について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
【0056】
上述した実施の形態1では、商品選択ボタン31は、調合ボタン群321,322,323が押下されることなく自身が押下された場合には、予め決められた調合成分、すなわちコーヒー豆、クリーム及び砂糖が標準量で混合された商品の選択を示す入力手段であり、各調合ボタン群321,322,323には、禁止ボタン(ブラックボタン321a、クリームなしボタン322a及び砂糖なしボタン323a)が設けられていたが、本発明においては、図6及び図7に示すようにしても良い。尚、上述した実施の形態と同一の構成を有するものには同一の符号を付してある。
【0057】
すなわち、商品選択ボタン31は、調合ボタン群421,422,423が押下されることなく自身が押下された場合に一の調合成分、すなわちコーヒー豆が標準量で混合された商品、つまりブラックのレギュラーコーヒー飲料の選択を示す入力手段である。また、各調合ボタン群421,422,423は、コーヒー豆については、コーヒー減量ボタン321bとコーヒー増量ボタン321cとを備えてある。クリームについては、クリーム減量ボタン322bと、クリーム増量ボタン322cとを備える他、「標準」と表示された部位に配設された調合ボタン(クリーム標準ボタン)422aが設けてある。この「標準」と表示された部位に配設された調合ボタン(クリーム標準ボタン)422aは、当該調合成分の標準量の投入を選択する標準量ボタンである。また、砂糖については、砂糖減量ボタン323bと、砂糖増量ボタン323cとを備える他、「標準」と表示された部位に配設された調合ボタン(砂糖標準ボタン)423aが設けてある。この「標準」と表示された部位に配設された調合ボタン(砂糖標準ボタン)423aは、当該調合成分の標準量の投入を選択する標準量ボタンである。
【0058】
このような構成によっても、同一の商品についての商品選択ボタン31は、加温商品用のものと、冷温商品用のものとでよく、これにより同一の商品について8つの商品選択ボタンを必要とした従来の自動販売機に比して、商品選択ボタン31の数を減少させることができる。従って、商品選択ボタン31の数を減少させることにより商品選択ボタン31の取付スペースを低減化させることができる。
【0059】
また、上述した実施の形態1では、商品選択ボタン31は、加温商品用の商品選択ボタン31と、冷温商品用の商品選択ボタン31とが設けられていたが、本発明においては、図8及び図9に示すようにしても良い。尚、上述した実施の形態1と同一の構成を有するものには同一の符号を付してある。
【0060】
すなわち、調合ボタン部52は、自身が押下された場合に冷温商品を選択する冷温選択ボタン521を備えるようにしても良い。これによれば、商品選択ボタン31としては、加温商品用のものだけでよく、商品選択ボタン31の数を更に減少させることができ、これにより商品選択ボタン31の取付スペースの低減化を図ることができる。
【0061】
また、上述した実施の形態1では、調合ボタン部32の上方に窓部33を設けたが、本発明においては、当該スペースに広告パネル等を配設しても良い。
【0062】
また、上述した実施の形態1では、光源Lは、商品選択ボタン31が押下されることにより点灯するものであったが、本発明においてはこれに限定されず、例えば前面扉2に設けられた人感センサが利用者を検知した場合に点灯するようにしても良いし、豆キャニスタ141からコーヒーミル142への移動に応じて光源Lの点灯位置、あるいは点灯色を変更するようにしても良い。
【0063】
<実施の形態2>
図10及び図11は、それぞれ本発明の実施の形態2である自動販売機を示すもので、図10は正面図、図11は原理図である。尚、上述した実施の形態1と同一の構成を有するものには同一の符号を付してその説明を省略する。
【0064】
ここで例示する自動販売機は、前面扉2の中程中央にウィンドウ部60が設けてある。かかるウィンドウ部60は、透光性パネルが配設してあり、正面から内部を視認することを可能にするものである。このウィンドウ部60の奥側は、カップ搬送装置17によるカップの搬送経路となっている。従って、図11の二点鎖線で囲繞したようなカップ内に各種原料が投入される工程を当該ウィンドウ部60を通じて外部より視認することが可能になっている。
【0065】
このようにウィンドウ部60を通じて外部より視認可能とするために、本実施の形態2である自動販売機では次のような工夫を施している。氷供給配管131の途中に氷受容部132を設け、かかる氷受容部132で氷を一時的に受け取ってからノズルを通じてカップ内に氷を投入するようにしている。これにより氷の投入落差を十分に小さくすることができ、カップに氷を投入した際の飲料等の液体物の飛散を抑制することができる。
【0066】
また、コーヒー供給配管144の途中に従来設けられていたエア抜き用のディフューザを取り外すとともに、コーヒー供給配管144の先端に取り付けられていたノズル145を昇降可能な構成にしている。これによりノズル145よりコーヒー飲料を吐出する際には、該ノズル145を下降移動させて、ノズル145の吐出口と、カップ内の液面との距離を十分に小さくすることができ、エアがはじける際の飛び散りを最小限レベルに抑制することができる。
【0067】
更に、原料シュータ152を取り外して原料キャニスタ151を下方に位置させている。これにより原料キャニスタ151の原料払出口と、受取位置に位置するカップとの距離を十分に小さくすることができ、原料がこぼれてしまうことによる汚染を防止することができる。
【0068】
このような工夫を施すことにより、カップ搬送装置17により搬送されるカップ内に各種原料が投入される際の各種原料の飛散等による汚染を良好に防止することができ、ウィンドウ部60を通じての良好な視認を確保することができる。
【0069】
このように本発明の実施の形態2である自動販売機によれば、ウィンドウ部60を通じて、調理工程におけるカップ内に各種原料が投入される様子を外部より視認可能にするので、利用者は調理工程を目視することができ、商品販売の演出効果を向上させることが可能になる。このように演出効果を向上させることで、商品の売り上げ数の増大を期待することも可能になる。
【0070】
以上、本発明の好適な実施の形態2について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
【0071】
例えば、上記ウィンドウ部60により視認可能な内部領域の適当な個所には、当該内部領域を照射する例えばLED等の光源が配設してあっても良い。これによれば、利用者にとってはカップ内に各種原料が投入される様子を良好に見ることが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
以上のように、本発明に係る自動販売機は、例えばコーヒー飲料等の商品をカップに投入された状態で販売するのに有用である。
【符号の説明】
【0073】
1 本体キャビネット
2 前面扉
14 抽出装置
141 豆キャニスタ
142 コーヒーミル
143 コーヒーブリュア
15 粉末原料供給装置
151 原料キャニスタ
152 原料シュータ
17 カップ搬送装置
31 商品選択ボタン
311 フレーバーカード
32 調合ボタン部
321〜323 調合ボタン群
321a〜323c 調合ボタン
33 窓部
60 ウィンドウ部
L 光源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品毎に設けられ、かつ商品を選択するための商品選択ボタンと、
予め決められた調合成分毎に設けられ、かつ該当する調合成分の量を調整するための調合ボタンの集合体となる調合ボタン群と
を備え、
いずれかの商品選択ボタンが押下された場合に、該当する商品を調理してカップに投入された状態で販売する自動販売機において、
前記商品選択ボタンは、前記調合ボタン群が押下されることなく自身が押下された場合に各調合成分が標準量で混合された商品の選択を示すものであり、
前記調合ボタン群は、該当する調合成分の増量及び減量を示す調合ボタン以外に、該調合成分の投入を禁止、あるいは該調合成分以外の調合成分の投入を禁止するための禁止ボタンを備えたことを特徴とする自動販売機。
【請求項2】
商品毎に設けられ、かつ商品を選択するための商品選択ボタンと、
予め決められた調合成分毎に設けられ、かつ該当する調合成分の量を調整するための調合ボタンの集合体となる調合ボタン群と
を備え、
いずれかの商品選択ボタンが押下された場合に、該当する商品を調理してカップに投入された状態で販売する自動販売機において、
前記商品選択ボタンは、前記調合ボタン群が押下されることなく自身が押下された場合に一の調合成分が標準量で混合された商品の選択を示すものであり、
前記一の調合成分以外の調合成分に該当する調合ボタン群は、該当する調合成分の増量及び減量を示す調合ボタン以外に、該調合成分の標準量の投入を選択する標準量ボタンを備えたことを特徴とする自動販売機。
【請求項3】
前記調合ボタン群の集合体となる調合ボタン部は、自身が押下された場合に冷温商品及び加温商品のいずれかを選択する冷加温選択ボタンを備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動販売機。
【請求項4】
前記商品選択ボタンは、同一の商品について加温商品用のものと、冷温商品用のものとがあり、これらが商品イメージが描かれたフレーバーカードを挟み込む態様で左右一対に配設されてなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動販売機。
【請求項5】
前記商品選択ボタンの側方で、かつ前記調合ボタン群の上方となる個所に、商品の調理工程の一部を外部より視認可能にする窓部を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の自動販売機。
【請求項6】
前記商品選択ボタンは、加温商品用のものどうしが上下方向に沿って並んで配設されているとともに、冷温商品用のものどうしが上下方向に沿って並んで配設されていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の自動販売機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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