説明

自動販売機

【課題】商品の補充、硬貨や紙幣の回収など、内部機器を操作している場合に、タッチパネルからの操作入力を制限する自動販売機を提供すること。
【解決手段】外扉を閉塞した場合にディスプレイに商品を選択するための販売表示画面を表示する一方、外扉を開放した場合にディスプレイにメンテナンス画面を表示する自動販売機において、外扉を開放した状態で外扉の内側または本体内部に設置した内部機器(ステップS3,S11,S12:Yes)を操作した場合に、タッチパネルからの操作入力を無効にする(ステップS4)ので、オペレータが商品の補充、硬貨や紙幣の回収など、内部機器を操作している場合に、タッチパネルから操作入力することができなくなる。これにより、権限のない第三者による、設定情報の参照、商品の設定、売上げの表示などの操作が防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイとタッチパネルとを組み合わせた表示部を外扉の前面に設けた自動販売機に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイとタッチパネルとを組み合わせた表示部を外扉の前面に設けた自動販売機は、外扉の内側に、硬貨処理装置、紙幣処理装置などを備えるとともに、本体キャビネットの内部に、缶入り飲料、ビン入り飲料、ペットボトル入り飲料などの商品を収納するラック、ラックに収納した商品を冷却または加温する冷却・加温装置などを備えている。そして、自動販売機は、外扉を閉塞した場合に販売待機状態となり、外扉の前面に設けた表示部に販売する商品の選択画面(販売中表示画面)を表示する。一方、自動販売機は、外扉を開放した場合に保守待機状態となり、外扉の前面に設けた表示部に、設定情報の参照、商品の設定、売上げの表示などの保守モードの選択画面(メンテナンス画面)を表示する(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−198853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した自動販売機は、商品の補充、硬貨や紙幣の回収など、内部機器を操作している場合にも、外扉の前面(接客面)に設けたタッチパネルからの操作入力が可能であり、設定情報の参照、商品の設定、売上げの表示などの操作入力を制限できない。これにより、オペレータが、商品の補充、硬貨や紙幣の回収など、内部機器を操作している場合に、権限のない第三者(たとえば、利用者)がタッチパネルから操作入力することにより、設定情報の参照、商品の設定、売上げの表示などの操作ができてしまう。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、商品の補充、硬貨や紙幣の回収など、内部機器を操作している場合に、タッチパネルからの操作入力を制限する自動販売機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、各種情報を表示するディスプレイと、該ディスプレイに表示された各種情報を操作入力するタッチパネルとを外扉の前面に設け、前記外扉を閉塞した場合に前記ディスプレイに商品を選択するための販売表示画面を表示する一方、前記外扉を開放した場合に前記ディスプレイにメンテナンス画面を表示する自動販売機において、前記外扉を開放した状態で前記外扉の内側または本体内部に設置した内部機器を操作した場合に、前記タッチパネルからの操作入力を無効にする制限手段を設けたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、上記発明において、前記外扉を開放した状態で前記内部機器を操作した場合に、前記ディスプレイに販売中止画面を表示することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上記発明において、前記内部機器が前記外扉の内側に設置されたコインメカニズム、ビルバリデータ、リモコンのいずれかであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明にかかる自動販売機は、外扉を開放した状態で外扉の内側または本体内部に設置した内部機器を操作した場合に、タッチパネルからの操作入力を無効にするので、オペレータが商品の補充、硬貨や紙幣の回収など、内部機器を操作している場合に、タッチパネルから操作入力することができなくなる。これにより、権限のない第三者による、設定情報の参照、商品の設定、売上げの表示などの操作が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の実施の形態である自動販売機の外観を示す正面図である。
【図2】図2は、図1に示した自動販売機の内部構成を示す斜視図である。
【図3】図3は、図1に示した自動販売機の制御構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、図1に示した自動販売機において、商品の補充、硬貨、紙幣の回収、リモコンの操作をした場合に実行する動作を示すフローチャートである。
【図5】図5は、図4に示したメンテナンス画面表示においてディスプレイに表示されるメンテナンス画面の一例を示す図である。
【図6】図6は、図4に示した販売中止画面表示においてディスプレイに表示される販売中止画面の一例を示す図である。
【図7】図7は、図4に示した販売表示画面表示においてディスプレイに表示される販売表示画面の一例を示す図である。
【図8】図8は、図1に示した自動販売機において、収納する商品、商品の価格、冷温の別を設定する場合に自動販売機が実行する動作を示すフローチャートである。
【図9】図9は、図8に示した投入商品設定一覧画面表示においてディスプレイに表示される投入商品設定一覧画面の一例を示す図である。
【図10】図10は、図8に示したコラム投入商品設定画面表示においてディスプレイに表示されるラック別商品設定画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明にかかる自動販売機の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、ここでは、缶入り飲料、ビン入り飲料、ペットボトル入り飲料などの商品を販売する自動販売機を例に説明するが、これに限定されるものではなく、たとえば、カップに飲料を注出するカップ式飲料自動販売機にも適用可能である。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態である自動販売機の外観を示す正面図であり、図2は、図1に示した自動販売機の内部構成を示す斜視図である。また、図3は、図1に示した自動販売機の制御構成を示すブロック図である。
【0013】
本発明の実施の形態である自動販売機は、缶入り飲料、ビン入り飲料、ペットボトル入り飲料などの商品を販売する自動販売機であって、図2に示すように、本体キャビネット1を有している。本体キャビネット1は、複数の鋼板を適宜組み合わせることにより、前面が開口した箱状に構成してあり、本体キャビネット1の前面開口は、開閉可能な外扉2によって閉塞される。
【0014】
本体キャビネット1の内部は、機械室3と商品収容室4とに画成されている。また、商品収容室4は、断熱仕切板によってさらに三つの商品収納庫4a,4b,4cに仕切られている。これら三つの商品収納庫4a,4b,4cのうち、正面向かって左側の商品収納庫(以下、「左庫」という)4aと中央の商品収納庫(以下「中庫」という)4bとは、冷温切り替えが可能である。そして、商品収納庫4a(4b)を冷却に設定した場合には、商品収納庫4a(4b)の内部を冷却し、商品収納庫4aに収納した商品を冷却する。一方、商品収納庫4a(4b)を加温に設定した場合には、商品収納庫4a(4b)の内部を加温し、商品収納庫4a(4b)に収納した商品を加温する。また、正面向かって右側の商品収納庫(以下、「右庫」という)4cは、冷却専用庫であり、商品収納庫4cの内部を冷却し、商品収納庫4cに収納した商品を冷却する。
【0015】
商品収納庫4a,4b,4cには、それぞれ商品収納ラック5が搭載してある。本発明の実施の形態である自動販売機は、左庫4aと右庫4cの幅方向に二列の商品収納ラック5が搭載してあり、中庫4bの幅方向に一列の商品収納ラック5が搭載してある。また、商品収納ラック5には、商品収納庫4a,4b,4cの奥行き方向に五つの通路(以下、この通路を便宜上、「ラック」と称する)が設けてあり、各通路には商品が収納可能となっている。
【0016】
図1に示すように、外扉2の前面右側中程には、メインドアロック21が設けてあり、外扉2を閉塞した状態で施錠される。また、外扉2の前面上方部には、表示部22が設けてある。表示部22は、大型のディスプレイ221(図3参照)とタッチパネル222(図3参照)とを組み合わせたものであり、販売表示画面(図7参照)が表示される。販売表示画面には、販売可能な商品が表示され、商品の表示領域に触れることにより商品が選択される。また、表示部22には、販売中、釣り銭切れ、準備中、お札中止のほか、投入金額等の各種情報が表示される。
【0017】
また、表示部22の下方となる外扉2の中程には、硬貨投入口23、紙幣挿入口24、返却レバー25、電子マネーリーダライタ26が設けてある。
【0018】
硬貨投入口23は、硬貨を受け付けるための開口であって、硬貨投入口23から投入された硬貨は、外扉2の内側に搭載したコインメカニズム(硬貨処理装置)31(図2参照)に収容される。コインメカニズム31は、各種硬貨の投入枚数を整理し、後述するメインコントローラ40(図3参照)に送信する一方、メインコントローラ40からの指令に従い、各種硬貨を払い出す。また、本実施の形態である自動販売機に搭載したコインメカニズム31は、自己の状態を監視する自己監視機能を備えており、内部に収納した硬貨を回収するために、硬貨を収容したカセットチューブ(図示せず)を取り外した場合や、インベントリスイッチ(図示せず)を操作した場合には、コインメカニズム31がその旨(硬貨の回収操作入力)を後述するメインコントローラ40に送信する。
【0019】
紙幣挿入口24は、紙幣を受け付けるための開口であって、紙幣挿入口24から挿入された紙幣は、外扉2の内側に搭載したビルバリデータ(紙幣処理装置)32(図2参照)に収容される。ビルバリデータ32は、紙幣の投入枚数を整理し、メインコントローラ40(図3参照)に送信する一方、メインコントローラ40からの指令に従い、紙幣を払い出す。また、本実施の形態である自動販売機に搭載したビルバリデータ32は、自己の状態を監視する自己監視機能を備えており、内部に収納した紙幣を回収するために、紙幣を収容したスタッカ(図示せず)を開放操作した場合には、ビルバリデータ32がその旨(紙幣の回収操作入力)を後述するメインコントローラ40に送信する。
【0020】
返却レバー25は、取引の中断を指示するためのもので、返却レバー25が操作されると、取引が中断され、釣り銭等を返却口27に放出する。電子マネーリーダライタ26は、カードを識別し、カードにチャージされた電子マネーにより決済を実行する。
【0021】
また、外扉2の下方となる位置には、取出口28が設けてある。取出口28は、商品収納ラック5から搬出された商品を取り出すための開口である。
【0022】
また、外扉2の内側には、リモコン33が配設してある。リモコン33は、各種設定操作、各種売上データの確認操作をおこなうためのもので、操作キー、冷温切替スイッチのほか、各種設定データや確認データが表示されるモニタ(液晶キャラクタディスプレイ)を備えている。そして、リモコン33から設定入力された設定データはメインコントローラ40に送信され、メインコントローラ40から送信された確認データを受信する。また、本実施の形態である自動販売機は、商品を補充(ローディング)する場合に操作する操作キー(補充操作キー)が設けてあり、当該操作キーを操作すると、リモコン33がその旨(商品の補充操作入力)を後述するメインコントローラ40に送信する。
【0023】
また、外扉2の内側には、ドアスイッチ34が設けてある。ドアスイッチ34は、外扉2の開閉状態を検出するためのもので、外扉2を開放した場合にオンとなり、閉塞した場合にオフとなる。
【0024】
図3に示すように、上述したコインメカニズム31、ビルバリデータ32、電子マネーリーダライタ26は、ライン41を介してメインコントローラ(主制御部)40に接続してあり、表示部22(ディスプレイ221およびタッチパネル222)、リモコン33は、ライン42を介してメインコントローラ40に接続してある。また、メインコントローラ40には、ライン43を介して本体スレーブ(制御部)44が接続してある。
【0025】
本体スレーブ44には、上述したドアスイッチ34のほか、冷熱装置45、搬出装置46が接続してあり、メインコントローラ40からの指令に従って冷熱装置45、搬出装置46を制御する。
【0026】
冷熱装置45は、上述した商品収納庫4a,4b,4cを設定された状態に管理するためのもので、冷却設定された商品収納庫の内部を冷却する一方、加温設定された商品収納庫の内部を加温する。
【0027】
搬出装置46は、ラックごとに設けられたベンドソレノイド、売切スイッチを管理するためのもので、メインコントローラ40から本体スレーブ44に送信された搬出命令に従ってラックから商品を搬出する一方、ラックに収納された商品のすべてを搬出した場合に売切信号を本体スレーブ44に出力する。
【0028】
図3に示すように、メインコントローラ40は、制御手段40a、設定記憶手段40b、登録規制手段40c、設定表示手段40d、登録表示手段40e、選択登録手段40fを備えている。
【0029】
制御手段40aは、電子マネーリーダライタ26、コインメカニズム31、ビルバリデータ32、表示部22(ディスプレイ221、タッチパネル222)、リモコン33、本体スレーブ44等の各スレーブの制御を集中管理するもので、設定記憶手段40bに記憶された各種設定データに基づいて各スレーブを制御する。本実施の形態である自動販売機の制御手段40aは、ドアスイッチ34がオフからオンになった場合に外扉2が開放したと判断し、ディスプレイ221にメンテナンス画面を表示し、ドアスイッチ34がオンからオフになった場合に外扉2が閉塞したと判断し、ディスプレイ221に販売表示画面を表示する。また、ドアスイッチ34がオンの状態で、リモコン33から商品の補充操作入力を受信した場合、コインメカニズム31から硬貨の回収操作入力を受信した場合、ビルバリデータ32から紙幣の回収操作入力を受信した場合、リモコン33からリモコンの操作入力を受信した場合には、タッチパネル222の操作入力を無効にし、ディスプレイ221に販売中止画面を表示する。
【0030】
設定記憶手段40bには、商品収納庫4a,4b、4cの状態(加温、冷却の別)、商品収納庫4a,4b,4cに関連づけられたラック(商品収納ラック5に画成された通路)およびラック番号、ラックに収納する商品の商品名、現金で販売するときの価格、カードで販売するときの価格、商品コード、商品の画像のほか、ラックが関連づけられたコラム、コラムが関連づけられたディスプレイ221の表示領域が記憶される。
【0031】
登録規制手段40cは、登録する商品をラックにより定まる条件を満たす商品群に規制するためのものである。ラックにより定まる条件とは、加温設定された商品収納庫(図9において左庫4a)に位置するラックの場合には、加温可能な商品群であることであり、冷却設定された商品収納庫(図9において中庫4b)に位置する場合には、冷却可能な商品群であることである。なお、ラックにより定まる条件は、加温設定または冷却設定に限定されるものではなく、商品の高さや、商品の胴径により定まることも想定される。
【0032】
設定表示手段40dは、ラックと該ラックに登録した商品とを関連づけてディスプレイ221に表示するためのもので、具体的には、ラックと該ラックに登録した商品とを関連づけた一覧表をディスプレイ221に表示する(図9参照)。
【0033】
登録表示手段40eは、ラックと該ラックにより定まる条件を満たす商品群とを関連づけてディスプレイ221に表示するためのもので、具体的には、ラックと該ラックにより定まる条件を満たす商品群の一覧を関連づけてディスプレイ221に表示する(図10参照)。たとえば、自動販売機に収納可能な商品群の一覧を用意しておき、ラックにより定まる条件を満たす商品群を通常表示する一方、条件を満たさない商品群をグレー表示してもよいし、ラックにより定まる条件を満たさない商品群を非表示にしてもよい。
【0034】
選択登録手段40fは、登録表示手段40eが表示した商品群の中から任意の商品を選択して登録するためのもので、具体的には、登録表示手段40eがディスプレイ221に表示した商品群の中から選択して登録する。たとえば、登録表示手段40eがディスプレイ221に表示した商品群の中の商品の表示に触れることにより、選択して登録する。
【0035】
図4は、商品の補充、硬貨、紙幣の回収、リモコンの操作をした場合に自動販売機が実行する動作を示すフローチャートである。図5は、図4に示したメンテナンス画面表示において表示されるメンテナンス画面の一例を示す図であり、図6は、図4に示した販売中止画面表示において表示される販売中止画面の一例を示す図である。また、図7は、図4に示した販売表示画面表示においてで表示される販売表示画面の一例を示す図である。
【0036】
上述した本発明の実施の形態である自動販売機において、商品の補充(ローディング)、硬貨または紙幣の回収、投入商品、商品の価格、冷温の別を設定する場合には、まず、外扉2を開放する。すると、ドアスイッチ34がオフからオンに移行し(ステップS1:Yes)、表示部22のディスプレイ221にはメンテナンス画面が表示される(ステップS2)。図5に示すように、メンテナンス画面には、投入商品、商品の価格、冷温の別などを設定する設定モード、売上げ、故障状況を表示する表示モードが表示される。
【0037】
ここで、商品の補充(ローディング)をする場合には、リモコン33の商品を補充する場合に操作する操作キー(補充操作キー)を操作する。すると、その旨(商品の補充操作入力)がリモコン33からメインコントローラ40に送信される。メインコントローラ40がリモコン33から商品の補充操作入力を受信すると(ステップS3:Yes)、メインコントローラ40は、表示部22のディスプレイ221に販売中止画面(図6参照)を表示するとともに、表示部22のタッチパネル222からの操作入力を無効にする(ステップS4,S5)。ちなみに、この状態で、硬貨および紙幣の回収、リモコン33の操作は可能である。そして、外扉2が閉鎖されるまで、すなわち、ドアスイッチ34がオンからオフに移行するまで、この状態を維持する(ステップS6:No)。そして、外扉2が閉鎖され、ドアスイッチ34がオンからオフに移行すると(ステップS6:Yes)、メインコントローラ40は、表示部22のディスプレイ221に販売表示画面(図7参照)を表示するとともに、表示部22のタッチパネル222からの操作入力を有効にする(ステップS7,S8)。
【0038】
また、硬貨の回収をする場合には、硬貨を収納したカセットチューブを取り外すか、インベントリスイッチを操作する。すると、コインメカニズム31は、その旨(硬貨の回収操作入力)をメインコントローラ40に送信する。メインコントローラ40がコインメカニズム31から硬貨の回収操作入力を受信すると(ステップS11:Yes)、メインコントローラ40は、表示部22のディスプレイ221に販売中止画面(図6参照)を表示するとともに、表示部22のタッチパネル222からの操作入力を無効にする(ステップS4,S5)。ちなみに、この状態で、紙幣の回収、リモコン33の操作は可能であり、リモコン33の商品を補充する場合に操作する操作キー(補充操作キー)を操作し、商品を補充することも可能である。そして、外扉2が閉鎖されるまで、すなわち、ドアスイッチ34がオンからオフに移行するまで、この状態を維持する(ステップS6:No)。そして、外扉2が閉鎖され、ドアスイッチ34がオンからオフに移行すると(ステップS6)、メインコントローラ40は、表示部22のディスプレイ221に販売表示画面(図7参照)を表示するとともに、表示部22のタッチパネル222からの操作入力を有効にする(ステップS7,S8)。
【0039】
また、紙幣の回収をする場合には、紙幣を収納したスタッカを開放操作する。すると、ビルバリデータ32は、その旨(紙幣の回収操作入力)をメインコントローラ40に送信する。ビルバリデータ32から紙幣の回収操作入力を受信すると(ステップS12:Yes)、メインコントローラ40は、表示部22のディスプレイ221に販売中止画面(図6参照)を表示するとともに、表示部22のタッチパネル222からの操作入力を無効にする(ステップS4,S5)。ちなみに、この状態で、硬貨の回収、リモコン33の操作は可能であり、リモコン33の商品を補充する場合に操作する操作キー(補充操作キー)を操作し、商品を補充することも可能である。そして、外扉2が閉鎖されるまで、すなわち、ドアスイッチ34がオンからオフに移行するまで、この状態を維持する(ステップS6:No)。そして、外扉2が閉鎖され、ドアスイッチ34がオンからオフに移行すると、メインコントローラ40は、表示部22のディスプレイ221に販売表示画面(図7参照)を表示するとともに、表示部22のタッチパネル222からの操作入力を有効にする(ステップS7,S8)。
【0040】
また、リモコン33を用いて各種設定操作、各種売上データの確認操作をする場合には、リモコン33を操作する。すると、リモコン33は、その旨(リモコンの操作入力)をメインコントローラ40に送信する。リモコン33からリモコンの操作入力を受信すると(ステップS13:Yes)、メインコントローラ40は、表示部22のディスプレイ221に販売中止画面(図6参照)を表示するとともに、表示部22のタッチパネル222からの操作入力を無効にする(ステップS4,S5)。ちなみに、この状態で、硬貨の回収、リモコン33の操作は可能であり、リモコン33の商品を補充する場合に操作する操作キー(補充操作キー)を操作し、商品を補充することも可能である。そして、外扉2が閉鎖されるまで、すなわち、ドアスイッチ34がオンからオフに移行するまで、この状態を維持する(ステップS6:No)。そして、外扉2が閉鎖され、ドアスイッチ34がオンからオフに移行すると、メインコントローラ40は、表示部22のディスプレイ221に販売表示画面(図7参照)を表示するとともに、表示部22のタッチパネル222からの操作入力を有効にする(ステップS7,ステップS8)。なお、従来の自動販売機は、リモコンを操作してから所定の時間(たとえば、30秒)が経過するまでにつぎの操作がされた場合に設定を継続する一方、リモコンを操作してからつぎの操作までに所定の時間が経過した場合に設定を中断するが、本実施の形態では、外扉2が閉鎖され、ドアスイッチ34がオンからオフに移行するまで、表示部22のディスプレイ221に販売中止画面を表示するとともに、表示部22のタッチパネル222からの操作入力を無効にするので、リモコン33を操作してからつぎの操作までに所定の時間が経過しても、表示部22のディスプレイ221に販売表示画面(図7参照)が表示されたり、メンテナンス画面(図5参照)が表示されたりすることがない。
【0041】
図8は、図1に示した自動販売機において、収納する商品、商品の価格、冷温の別を設定する場合に自動販売機が実行する動作を示すフローチャートである。図9は、図8に示した投入商品設定一覧画面表示においてディスプレイに表示される投入商品一覧画面の一例を示す図であり、図10は、図8に示したラック投入商品設定画面表示においてディスプレイに表示されるコラム別商品設定画面の一例を示す図である。
【0042】
図8に示すように、収納する商品、商品の価格、冷温の別を設定する場合には、コインメカニズム31、ビルバリデータ32、リモコン33を操作することなく、表示部22のディスプレイ221に表示されたメンテナンス画面において、設定モードを選択する(ステップS21:Yes)。具体的には、設定モードが表示された領域に触れることにより、設定モードを選択する。すると、図9に示すように、表示部22のディスプレイ221に投入商品設定一覧画面が表示される(ステップS22)。投入設定一覧画面には、商品収納庫の状態(加温、冷却の別)、ラックの位置、ラック番号、ラックに収納する商品の商品名、現金で販売するときの価格、カードで販売するときの価格、商品コード、商品の画像が表示され、収納する商品、商品の価格、冷温の別の設定が可能となる。
【0043】
図9には、左庫4aが加温設定され、中庫4bが冷却設定された例が示されている(右庫4cは冷却専用)。また、左庫4aと右庫4cには、幅方向に二列、奥行き方向に五つのラックが設けてあり、中庫4bには、幅方向に一列、奥行き方向に5つのラックが設けてある。そして、これらのラックには、ラック番号、商品の商品名、現金で販売するときの価格、カードで販売するときの価格、商品コード、商品の画像が関連づけて表示される。
【0044】
つぎに、投入商品一覧画面に表示されたラックの中から任意のラックを選択する(ステップS23)。具体的には、任意のラックの表示領域に触れることにより、任意のラックを選択する。任意のラックを選択すると、登録表示手段40eがラックと該ラックにより定まる条件を満たす商品群の一覧を関連づけて表示部22のディスプレイ221に表示する。具体的には、図10に示すように、ラック別投入商品設定画面を表示部22のディスプレイ221に表示する(ステップS24)。ラック別投入商品設定画面には、設定するラックのラック番号、現在設定、ラックにより定まる条件を満たす商品の一覧が表示される。なお、ここでは、自動販売機に収納可能な商品群のうち、ラックにより定まる条件を満たす商品群を通常表示する一方、条件を満たさない商品群をグレー表示することにより、ラックにより定まる条件を満たす商品群の一覧を明示している。
【0045】
図10には、ラック番号10のラックのラック別投入商品設定画面の例が示されている。投入商品設定画面には、ラック番号、現在設定、ラック番号10のラックにより定まる条件を満たす商品群の一覧が表示されている。なお、図10に示すように、ラック番号10のラックは、加温設定された左庫4aに位置するので、ラックにより定まる条件を満たす商品群は、加温可能な商品群に限られる。
【0046】
ここで、投入商品を変更する場合には、ラック別投入商品設定画面に通常表示された商品群の中から任意の商品を選択する(ステップS25:Yes)。具体的には、任意の商品の表示領域に触れることにより、任意の商品を選択する。任意の商品を選択すると、選択登録手段40fがその商品をラックに関連づけて登録する(ステップS26)。
【0047】
すると、ラックごとに登録した商品が入れ替わり、新たな商品がラックに登録した商品となる。このようにしてすべてのラックに商品を登録し、自動販売機が販売する商品の設定が終了する。
【0048】
一方、売上げ、故障状況を表示する場合には、コインメカニズム31、ビルバリデータ32、リモコン33を操作することなく、表示部22のディスプレイ221に表示されたメンテナンス画面において、表示モードを選択する。具体的には、表示モードが表示された領域に触れることにより、表示モードを選択する。すると、表示選択画面に移行する。表示選択画面には、売上を表示する売上表示モード、故障状況を表示する故障表示モードがあり、売上表示モードが選択されると、売上表示画面が表示され、故障表示モードが選択されると、故障状況が表示される。
【0049】
上述した本発明の実施の形態である自動販売機は、外扉2を閉塞した場合にディスプレイ221に商品を選択するための販売表示画面を表示する一方、外扉2を開放した場合にディスプレイ221にメンテナンス画面を表示する自動販売機において、外扉2を開放した状態で外扉2の内側または本体内部に設置した内部機器(リモコン33、コインメカニズム31、ビルバリデータ32)を操作した場合に、タッチパネル222からの操作入力を無効にするので、オペレータが商品の補充、硬貨や紙幣の回収など、内部機器を操作している場合に、タッチパネル222から操作入力することができなくなる。これにより、権限のない第三者による、設定情報の参照、商品の設定、売上げの表示などの操作が防止できる。
【0050】
また、内部機器を操作したか否かは、コインメカニズム31の自己監視機能、ビルバリデータ32の自己監視機能、リモコン33の送信機能により、識別可能なので、別途センサを設ける必要はない。
【0051】
なお、上述した実施の形態である自動販売機は、リモコン33に商品を補充(ローディング)する場合に操作する操作キーを設けることとしたが、リモコン33とは別に補充操作スイッチを設けてもよいし、ラック入口に商品検出スイッチを設けて、商品検出スイッチがオンになった場合に商品補充操作入力を出力するものとしてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 本体キャビネット
2 外扉
22 表示部
221 ディスプレイ
222 タッチパネル
23 硬貨投入口
24 紙幣挿入口
25 返却レバー
26 電子マネーリーダライタ
27 返却口
28 取出口
31 コインメカニズム
32 ビルバリデータ
33 リモコン
34 ドアスイッチ
40 メインコントローラ(主制御部)
40a 制御手段
40b 設定記憶手段
40c 登録規制手段
40d 設定表示手段
40e 登録表示手段
40f 選択登録手段
44 本体スレーブ(制御部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種情報を表示するディスプレイと、該ディスプレイに表示された各種情報を操作入力するタッチパネルとを外扉の前面に設け、前記外扉を閉塞した場合に前記ディスプレイに商品を選択するための販売表示画面を表示する一方、前記外扉を開放した場合にメンテナンス画面を表示する自動販売機において、
前記外扉を開放した状態で前記外扉の内側または本体内部に設置した内部機器を操作した場合に、前記タッチパネルからの操作入力を無効にする制限手段を設けたことを特徴とする自動販売機。
【請求項2】
前記外扉を開放した状態で前記内部機器を操作した場合に、前記ディスプレイに販売中止画面を表示することを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。
【請求項3】
前記内部機器が前記外扉の内側に設置されたコインメカニズム、ビルバリデータ、リモコンのいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載の自動販売機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−88936(P2013−88936A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227297(P2011−227297)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】