説明

自動車のフロントガラスの雨垂れ防止装置

【目的】 自動車のボディールーフ部からフロントガラスへの雨垂れを防止する雨垂れ防止装置に於いて、水をせき止める機能とその形状を保持する剛性とを両立させる。
【構成】 雨垂れ防止装置本体1の断面形状を中空三角形とし、面1aと面1bの挟み角を90度よりも大きくする。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、自動車のフロントガラスとボディールーフ部との境目に設置し、ボディールーフ部からフロントガラスへの雨垂れを防止する、自動車のフロントガラスの雨垂れ防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の自動車の多くは走行時の空気抵抗を減らすためフロントガラスからボディールーフ部にかけて滑らかにつながれている。このため雨水はボディールーフ部からフロントガラスへ流れ落ちてしまうので、ボディールーフに塗ったワックスがフロントガラスに流れ、油膜を作ってしまう。これを防止するためにフロントガラスとボディールーフ部との境目に取り付ける、実開昭61−48853号
や、実開平01−161841号のような凹形導水溝や、実開平03−15240号のV字形断面の雨垂れ防止装置が考案されている。
【0003】
しかしながら、該雨垂れ防止装置(凹形導水溝)は湾曲したボディールーフに密着させて固定する必要があり、材質は柔軟なものが要求される。これに反し、雨水をせき止める部分はボディールーフ部から流れ来る水をせき止めるに十分な高さを持たなければならないし、かつ長期間さまざまな環境のもとでその形状を保持するための剛性が必要となる。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
解決しようとする問題点は、実開昭61−48853号や、実開平01−161841号のような凹形導水溝や、実開平03−15240号のV字形断面の雨垂れ防止装置では、水をせき止める機能とその形状を保持する剛性を持たすことの両立ができない点である。
【0005】
【考案が解決するための技術手段】
本考案は、該雨垂れ防止装置に於いて、その断面形状が中空三角形であり、かつ、その中空三角形を成すボディールーフに接着する面と水をせき止める面との挟み角が90度よりも大きいことを特徴とする。
【0006】
【作用】
上記の構成にすれば、中空三角形の断面形状は、取りも直さず重量の低減、材料費の低減をもたらし、この断面形状によってできる高い剛性が雨垂れ防止装置の水をせき止める為に必要な高さを実現することができる。つまり、水をせき止める機能とその形状を保持する剛性を持たすことの両立ができる。さらに、車のブレーキング時に、ボディールーフに乗っている水が本考案に係る雨垂れ防止装置に勢い良くぶつかることがある。このような時、ボディールーフに接着する面と水をせき止める面の挟み角を90度よりも大きくすることにより、水は本考案に係る雨垂れ防止装置を乗り越えず、しっかりと水をせき止めることができる。
【0007】
【実施例】
添付図は、本考案に係る雨垂れ防止装置の一実施例について図示するものである。図1は本考案に係る雨垂れ防止装置の平面図、図2は本考案に係る雨垂れ防止装置のA−A線断面図をそれぞれ図示するものである。1は雨垂れ防止装置本体、2は自動車のボディールーフ、3は自動車のフロントガラスである。
【0008】
雨垂れ防止装置本体1はボディールーフ2とフロントガラス3の境目にそってボディールーフ2に接着する。接着方法は、両面テープ4を用いることが簡便である。
【0009】
また、図2のように、雨垂れ防止装置本体1の断面は中空三角形状であり、ボディールーフ2との接着面を面1a、水をせき止める面を面1bとして、面1aと面1bの挟み角は100度である。したがって、車のブレーキング時に、ボディールーフ2に乗っている水が面1bに勢い良くぶつかっても、水は雨垂れ防止装置本体1を乗り越えず、しっかりと水をせき止めることができる。
【0010】
さらに本形状は、柔軟性を有する合成樹脂にて安価に成型することができる。
【0011】
【考案の効果】
以上説明したように本考案に係る雨垂れ防止装置は、その断面形状から、水をせき止める機能とその形状を保持する剛性を持たすことの両立が可能であり、種々の車に簡単に、かつ安価に装着でき、雨垂れによるフロントガラスの視界不良を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る雨垂れ防止装置の平面図である。
【図2】本考案に係る雨垂れ防止装置のA−A線断面図である。
【符号の説明】
1 雨垂れ防止装置本体
2 自動車のボディールーフ
3 自動車のフロントガラス
4 両面テープ

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 自動車のフロントガラスとボディールーフ部との境目に設置し、ボディールーフ部からフロントガラスへの雨垂れを防止する、自動車のフロントガラスの雨垂れ防止装置に於いて、その断面形状が中空三角形であり、かつ、その中空三角形を成すボディールーフに接着する面と水をせき止める面との挟み角が90度よりも大きいことを特徴とする自動車のフロントガラスの雨垂れ防止装置。

【図1】
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【図2】
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【登録番号】第3009418号
【登録日】平成7年(1995)1月25日
【発行日】平成7年(1995)4月4日
【考案の名称】自動車のフロントガラスの雨垂れ防止装置
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平6−12888
【出願日】平成6年(1994)9月22日
【出願人】(591142884)