説明

自動車の物品収納装置

【目的】 収納ボックスの持ち運びを便利にする。
【構成】 自動車のフロア1にシート支持フレーム2を設置し、該フレーム2にシートクッション4の前端部裏面を係合させてシートクッション4を車体前後方向に回動自在に支持するとともに、該シートクッション4を上記シート支持フレーム2に載置保持し、上記シートクッション4とフロア1との間に収納ボックス10を配置してなる物品収納装置において、棒材を略コ字型に成形してなる取手12を設け、該取手12の両端を上記収納ボックス10の上端部に回動自在に支持し、さらに上記取手12の中間部を着脱自在に係合すべきロック手段14を上記収納ボックス10の上端部に設ける。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車の物品収納装置に関し、特にシート下方のデッドスペースに収納ボックスを配置した装置に関する。
【0002】
【従来の技術】出願人は、先に自動車のシートの下方にアイスボックスなどを収納できる装置を提案した(特願平5ー167688号参照)。この装置は、図5に示すように自動車のフロア1にシート支持フレーム2を設置してある。そして、該フレーム2にブラケット3を取り付けるとともに、シートクッション4の前端部裏面にブラケット5を取り付け、これらブラケット3, 5をピン6で枢支結合してある。さらに、シートクッション4とフロア1の間に、上端に開口を有する収納ボックス7を配置してある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この装置では、通常、シートクッション4を前方へ回転し起立させてから、収納ボックス7に対する物品の出し入れを行うが、このボックス自体を持ち上げて車体から取り外し、これを持ち運ぶ場合もある。本発明は、このような事情に鑑み、収納ボックスの持ち運びに便利な自動車の物品収納装置の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための本発明は、自動車のフロアにシート支持フレームを設置し、該フレームにシートクッションの前端部裏面を係合させてシートクッションを車体前後方向に回動自在に支持するとともに、該シートクッションを上記シート支持フレームに載置保持し、上記シートクッションとフロアとの間に収納ボックスを配置してなる物品収納装置において、棒材を略コ字型に成形してなる取手を設け、該取手の両端を上記収納ボックスの上端部に回動自在に支持し、さらに上記取手の中間部を着脱自在に係合すべきロック手段を上記収納ボックスの上端部に設けたことを特徴とする。
【0005】
【実施例】図1に本発明の物品収納装置を示す。同図において、10は樹脂製の収納ボックスで、その上端には開口11を形成してある。12は棒材を略コ字型に成形してなる取手で、その両端には図3に示すように折り曲げ部12aをそれぞれ備えている。そして、これら折り曲げ部12aを、収納ボックス10の左右の側壁10a, 10bの上端で前後方向の中央にそれぞれ挿通し、その先端にEワッシャー13をそれぞれ装着してある。
【0006】収納ボックス10の上端には、取手12の中間部12bを係合すべきロック手段14を前後一対備えている。このロック手段14は、開口11の前後両側縁にそれぞれ延設したフック部10c, 10dに、一対のクリック15を一体成形してなるものである。これらクリック15は、図4に示すように断面がL字状をなし、その先端に設けた球形のガイド部15aを相対向させて配置してある。さらに、ロック手段14の左右にはストッパー部16をそれぞれ一体成形してある。いま、取手12を前後に倒しロック手段14に軽く押し付けると、取手12の中間部12bがクリック15を押し拡げて内部に侵入し、ストッパー部16に当接した位置で保持される。その他の構成は図5の従来例と同様なので、同一部材には同一符号を付し、説明を省略する。
【0007】本実施例はこのように構成してあるので、収納ボックス10を装置から取り外す場合には、まず図1R>1に示すように、シートクッション4を前方へ回転して起立させ、取手12をロック手段14から引き抜き、この取手12を握って収納ボックス10を持ち上げればよい。このボックス10の格納は以上の手順を逆に行えばよいが、格納時には前後のフック部10c, 10dがシート支持フレーム2の前後のクロスメンバー2a, 2bにそれぞれ係合し、収納ボックス10の位置決めが行われるようになっている(図4参照)。
【0008】また、取手12はロック手段14との係合時にストッパー部16に当接し、フック部10aの上面との間に隙間を形成している。よって、この隙間に指を入れて取手12の係合を解除すればよい。なお、本実施例では、収納ボックス10にクリック15を一体成形することによって、ロック手段14を構成してあるが、他の周知手段、例えば磁石で構成してもよい。
【0009】
【発明の効果】本発明によれば、取手を握って収納ボックスを持ち運べるので、非常に便利になる。さらに、この取手はロック手段に係合させて格納しておけるので、収納ボックスが高さの制約を受けたり、走行中の振動によって異音を発生したりすることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の物品収納装置を示す斜視図である。
【図2】図1の収納ボックスの格納状態を示す断面斜視図である。
【図3】図1の収納ボックスの取手を取り外して示す図である。
【図4】図2に示したA−A線による断面図である。
【図5】従来例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 フロア
2 シート支持フレーム
3 ブラケット
4 シートクッション
5 ブラケット
6 ピン
10 収納ボックス
11 開口
12 取手
12a 折り曲げ部
12b 中間部
14 ロック手段
15 クリック
15a ガイド部
16 ストッパー部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 自動車のフロアにシート支持フレームを設置し、該フレームにシートクッションの前端部裏面を係合させてシートクッションを車体前後方向に回動自在に支持するとともに、該シートクッションを上記シート支持フレームに載置保持し、上記シートクッションとフロアとの間に収納ボックスを配置してなる物品収納装置において、棒材を略コ字型に成形してなる取手を設け、該取手の両端を上記収納ボックスの上端部に回動自在に支持し、さらに上記取手の中間部を着脱自在に係合すべきロック手段を上記収納ボックスの上端部に設けたことを特徴とする自動車の物品収納装置。
【請求項2】 上記ロック手段を、先端を相対向させて上記収納ボックスに一体成形した一対のクリックによって構成したことを特徴とする請求項1に記載の自動車の物品収納装置。
【請求項3】 上記収納ボックスの上端に開口を設けたことを特徴とする請求項1に記載の自動車の物品収納装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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