説明

自動車シート

【課題】コスト低減を図ってシート・クッション上に回転座面を形成し、座り心地を向上させて乗降性を向上し、特に、降車し易くする。
【解決手段】シート・クッション11が、それの座面13上に回転型クッション14をのせて、そして、その回転型クッション14が、それのアウタ・リア・コーナー15でそのシート・クッション11に回転可能に支持されてそのシート・クッション11で回転座面17になり、そして、それのインナー・リア・コーナー16をそのシート・クッション11に伸縮可能なひも19でつないでその伸縮可能なひも19に抗して定位置20から乗降位置21に揺動され、また、その伸縮可能なひも19でその乗降位置21からその定位置20に戻される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車シートに関し、詳細には、シート・クッション上に回転座面を形成してそのシート・クッションに乗降し易くする自動車シートの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車シートには、回転シートもあるが、これは不経済である。また、シート・クッション上に座布団をのせる座布団付きシートもあるが、これは、走行中に回転されて座り心地が悪く、乗降性は向上されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
実開平5−41462公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明の課題は、コスト低減を図ってシート・クッション上に回転座面を形成し、座り心地を向上させて乗降性を向上し、特に、降車し易くするところの自動車シートを提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の自動車シートは、シート・クッションが、それの座面上に回転型クッションをのせて、そして、その回転型クッションが、それのアウタ・リア・コーナーでそのシート・クッションに回転可能に支持されてそのシート・クッションで回転座面になり、そして、それのインナー・リア・コーナーをそのシート・クッションに伸縮可能なひもでつないでその伸縮可能なひもに抗して定位置から乗降位置に揺動され、また、その伸縮可能なひもでその乗降位置からその定位置に戻される。
【発明の効果】
【0006】
この発明の自動車シートでは、その回転型クッションによってそのシート・クッション上に回転座面が簡単に形成されてコスト低減が図られ、走行中そのシート・クッションにずれ止めされて座り心地が向上され、そして、乗降性が向上され、特に、降車がし易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】乗用車のドライバー・シートに活用されるところのこの発明の自動車シートの具体例を上方から見て示した部分上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
この発明の自動車シートは、シート・クッションが、それの座面上に回転型クッションをのせて、そして、その回転型クッションが、それのアウタ・リア・コーナーでそのシート・クッションに回転可能に支持されてそのシート・クッションで回転座面になり、そして、それのインナー・リア・コーナーをそのシート・クッションに伸縮可能なひもでつないでその伸縮可能なひもに抗して定位置から乗降位置に揺動され、また、その伸縮可能なひもでその乗降位置からその定位置に戻される。
【0009】
そして、その伸縮可能なひもには、ゴムひもを用いる。
【実施例1】
【0010】
以下、特定されて図示された具体例に基づいて、この発明の自動車シートを説明するに、図1は、乗用車のドライバー・シートに活用されるところのこの発明の自動車シートの
具体例10を部分的に示し、そして、そのドライバー・シート10は、シート・クッション11、シート・バック12、およびヘッドレスト(図示せず)などで組み立てられ、そのシート・クッション11がシート・トラック(図示せず)およびシート・リフター(図示せず)を組み込んでそのシート・トラックでその乗用車のフロアに据え付けられ、そのシート・バック12が両側リクライニング・デバイス(図示せず)でそのシート・クッション11に前倒しおよび角度調整可能に支持され、そして、そのヘッドレストが左右のスティ(図示せず)をそのシート・バック12の左右のスティ・ホルダー(図示せず)に対応的に差し込んでそのシート・バック12の上面に取り外し可能に取り付けられる。
【0011】
さらに詳細に説明するに、このドライバー・シート10では、シート・クッション11が、それの座面13上に回転型クッション14をのせて、そして、その回転型クッション14が、それのアウタ・リア・コーナー15でそのシート・クッション11に回転可能に支持されてそのシート・クッション11で回転座面17になり、そして、それのインナー・リア・コーナー16をそのシート・クッション11に伸縮可能なひも19でつないでその伸縮可能なひも19に抗して定位置20から乗降位置21に揺動され、また、その伸縮可能なひも19でその乗降位置21からその定位置20に戻される。
【0012】
さらに具体的には、その回転型クッション14は、縦軸ピン18でそのシート・クッション11のフレーム(図示せず)に水平方向に回転可能にされ、また、その伸縮可能なひも19には、ゴムひもが用いられ、そして、そのゴムひも19は、一端をそのシート・クッション11に、他端をその回転型クッション14のそのインナー・リア・コーナー16にそれぞれ縫い付けられている。
【0013】
したがって、このドライバー・シート10では、その回転型クッション14によってそのシート・クッション11上に回転座面17が簡単に形成されてコスト低減が図られ、走行中はその回転型クッション14が座布団として機能し、そして縦軸ピン18とそのゴムひも19でそのシート・クッション11上にずれ止めされて座り心地が向上され、そして、ドライバーがドアを開いて降車する際、そのドライバーがそのドア側に体を向けると、そのドライバーの動作に伴ってその回転型クッション14がその定位置20からその乗降位置21に回転され、降車がし易くなり、そのようにしてその回転型クッション14がそのシート・クッション11に回転座面17となって乗降性が向上される。
【0014】
先に図面を参照して説明されたところのこの発明の特定された具体例から明らかであるように、この発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者にとって、この発明の内容は、その発明の性質(nature)および本質(substance)に由来し、そして、それらを内在させると客観的に認められる別の態様に容易に具体化される。勿論、この発明の内容は、その発明の課題に相応し(be commensurate with)、そして、その発明の成立に必須である。
【産業上の利用可能性】
【0015】
上述から理解されるように、この発明の自動車シートは、シート・クッションが、それの座面上に回転型クッションをのせて、そして、その回転型クッションが、それのアウタ・リア・コーナーでそのシート・クッションに回転可能に支持されてそのシート・クッションで回転座面になり、そして、それのインナー・リア・コーナーをそのシート・クッションに伸縮可能なひもでつないでその伸縮可能なひもに抗して定位置から乗降位置に揺動され、また、その伸縮可能なひもでその乗降位置からその定位置に戻されるので、この発明の自動車シートでは、その回転型クッションによってそのシート・クッション上に回転
座面が簡単に形成されてコスト低減が図られ、走行中そのシート・クッションにずれ止めされて座り心地が向上され、そして、乗降性が向上され、特に、降車がし易くなり、その結果、自動車シートにとって非常に有用で実用的である。
【符号の説明】
【0016】
10 ドライバー・シート
11 シート・クッション
12 シート・バック
13 座面
14 回転型クッション
15 アウター・リア・コーナー
16 インナー・リア・コーナー
17 回転座面
18 縦軸ピン
19 伸縮可能なひも/ゴムひも
20 定位置
21 乗降位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート・クッションが、それの座面上に回転型クッションをのせて、そして、その回転型クッションが、それのアウタ・リア・コーナーでそのシート・クッションに回転可能に支持されてそのシート・クッションで回転座面になり、そして、それのインナー・リア・コーナーをそのシート・クッションに伸縮可能なひもでつないでその伸縮可能なひもに抗して定位置から乗降位置に揺動され、また、その伸縮可能なひもでその乗降位置からその定位置に戻されるところの自動車シート。
【請求項2】
その伸縮可能なひもが、ゴムひもである請求項1に記載の自動車シート。

【図1】
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【公開番号】特開2012−236483(P2012−236483A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−106080(P2011−106080)
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(000133098)株式会社タチエス (454)
【Fターム(参考)】