説明

自動車両洗浄システムの回転ブラシ組立体を製造するための改良された清掃ブレード条片要素

自動車両洗浄システムの回転ブラシ組立体を製造するための改良された清掃ブレード条片要素は、洗浄要素主体を形成する板様体(2)を備え、板様体上に、洗浄、乾燥、および艶出し作用を提供するように適合された洗浄ビロード織物材料(3)、フェルト、または他の材料が貼り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車両洗浄システムの回転ブラシ組立体を製造するための改良された清掃ブレード条片要素に関する。
【背景技術】
【0002】
既知のように、自動車両を洗浄する自動洗浄システムは従来、回転部材に結合された、通常は円柱形構成の支持部材を含む洗浄回転ブラシ組立体を備える。
【0003】
支持部材の外面には、複数の隣接した可撓性清掃要素の一端部が、支持部材に垂直に上記支持部材に取り付けられる。
【0004】
例えば、自動車両体の自動清掃および洗浄は、回転ブラシ組立体により生み出される遠心力の下で現在の構成を保つ可撓性条片要素が、水および/または適した洗浄液もしくは乳濁液の介在により、自動車両体に影響を及ぼすように、上記種類の複数のブラシ組立体を回転可能に駆動することにより実行される。
【0005】
従来技術による洗浄ブラシ組立体または可動式カーテンは、一般にフェルト材料、合成材料剛毛、または合成発泡材料ストリングで構成されるフラップ部材、ストリング部材、またはバンド部材を備える。
【0006】
フェルトは、その性質により、水を吸収し、洗浄中の自動車両の塗装された本体から除去された泥粒子をメッシュ内に拘束する。
【0007】
しかし、この動作モードは、自動車両体に塗装された塗料の適切な寿命に悪影響を及ぼす。
【0008】
実際に、発泡剛毛は、塗装された車両体に接触して回転駆動されるため、その(または星形、十字型、平坦、または円形型の)形状とは無関係に、動作および通過のしるしまたは痕跡を残す。
【0009】
実際に、合成発泡材料は、塗装表面に対する保護作用に関して非常に良好な性能を有するが、非常に重く、ひいては泥を除去する効率に劣るという欠点を有する。
【0010】
上記に対して、各ブラシ組立体に、回転材料の種類により重量およびテクスチャが異なるため、洗浄システムまたは洗浄機械の異なる機械的および電子的設定に対応するものをさらに追加すべきである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の目的は、従来技術に影響する上記欠点を解消するように適合された、特に、自動車両洗浄システムに使用される回転ブラシ組立体用のそのような改良された清掃要素を提供することである。
【0012】
上記目的の範囲内で、本発明の主な目的は、洗浄システム機械の事前較正の基となった既存の製品の開始特徴を保持するように適合されると共に、洗浄すべき表面とブラシ組立体の回転清掃要素との間に効率的なビロード状の構造物を提供するように適合された、そのようなビロード状ブレード条片清掃要素を提供することである。
【0013】
本発明の別の目的は、泥粒子を吸収せずに除去するように適合され、改良された洗浄効率または洗浄力を有するそのような改良されたブレード条片清掃要素を提供することである。
【0014】
本発明のさらに別の目的は、洗浄中の自動車両の塗装面または本体上に不快なしるしまたは痕跡を残さない、はるかに効率的に動作するビロード状のブレード条片清掃要素を提供することである。
【0015】
本発明のさらに別の目的は、洗浄動作中に塗装面上に適用される水の層内に沈むことなく、洗浄中の自動車両の表面上を浮動する傾向を低減しながら、非常に高い動作効率を有する、そのようなビロード状の清掃要素を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一態様によれば、上記目的および目標ならびに以下においてより明らかになるさらに他の目標は、自動車両洗浄システムの回転洗浄ブラシを製造するための改良された層状条片清掃要素であって、上記清掃要素の基体を形成する板体を備え、板体上に、ビロード織物、フェルト材料、または他の洗浄、乾燥、および艶出し材料が貼り付けられることを特徴とする改良された層状条片清掃要素により達成される。
【0017】
本発明のさらなる特徴および利点が、今後、限定ではなく暗示として添付図面に示された以下の本発明の好ましいが排他的ではない実施形態の詳細な開示からより明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明によるビロードまたはビロード状の条片清掃要素を含む回転ブラシを示す部分斜視図である。
【図2】回転ブラシ組立体内に折り畳まれて係合する前の、拡張または展開された本発明による清掃要素のさらなる斜視図である。
【図3】ビロード材料織物の取り付け中のブラシ組立体の基体または主体を示すさらに別の斜視図である。
【図4】ビロード状材料が主体または基体に固定される、ブラシ組立体製造プロセスまたは方法の別のステップを示すさらに別の斜視図である。
【図5】本発明のさらなる態様により作られるビロード状清掃要素のさらなる斜視図である。
【図6】リブ状のビロード織物材料3が取り付けられる本発明による清掃要素の正面図であり、上記ビロード織物材料は、板様清掃要素の縦延びに対して傾斜した複数のリッジを含む。
【図7】リッジが上記清掃要素の縦延びに対して平行に配置されたリブ状ビロード織物材料で覆われた清掃要素を示す。
【図8】上記清掃要素の縦延びを横断して配置された複数のリッジを含むリブ状ビロード織物材料が取り付けられた本発明による清掃要素の正面図である。
【図9】リッジ状ビロード織物材料要素が、傾斜した構成を有する複数のリッジを含むさらなる清掃要素を示す。
【図10】突出要素またはリッジ要素がおおよそ正弦波パターンを有するリブ状ビロード織物材料層で覆われたさらなる清掃要素を示す。
【図11】突出要素またはリッジ要素が先の尖ったパターンまたは構成を有する清掃要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
上記図の参照番号を参照しながら、全体的に参照番号1で示される本発明による清掃要素は、有利なことに、発泡独立気泡プラスチック材料で製造し得る板様主体2を備える。
【0020】
特に、上記板様体2は、可撓性を有するならば、非発泡プラスチック材料または他の任意の適した材料で製造してもよい。
【0021】
好ましくは、清掃要素の基体または主体を構成する板様体は、ポリエチレン、EVA、または他の任意の適した可撓性独立気泡発泡材料等のプラスチック発泡材料で作られる。
【0022】
上記材料は、10〜350Kg/mの重量を有し得る。
【0023】
本発明によれば、上記板様体2の面もしくは表面上に、洗浄、乾燥、および艶出しまたは磨き作用を提供するように適合されたビロード織物材料3、他のビロード材料、またはフェルト材料が貼り付けられるか、または上記板様体2の面もしくは表面を覆う。
【0024】
上記材料は、好ましくは、一方の面は、接着材料を広げることにより覆われ、他方の面にはビロードパターンまたはビロード材料で覆われた合成織物を含む。
【0025】
板様体2への合成織物の結合は、接着剤による結合に加えて、他の任意の適したホットメルト接着剤を熱的に溶融するか、またはホットメルトすることにより達成し得る。
【0026】
例えば、織物材料3は、所望のビロード様相またはパターンを提供するようにカード処理および/または起毛処理された機械的にカード処理または起毛処理された織物を含み得る。
【0027】
さらに、ビロード織物材料は、ポリアミド、ポリエステル、またはそれらの誘導体を含み得る。
【0028】
接着するために、ポリウレタン接着剤または他の任意の適した接着物質を使用することが可能である。
【0029】
示されるように、板様体2は、バンド要素の長手軸に沿って延びる実質的に細長い構成を有し、切り欠きまたはカット5が設けられ、それにより、複数の平行する条片要素4を生成する。
【0030】
板様体2は、長手軸を中心として180°折り畳まれるか、または折り曲げられて、全体的に参照番号6および7で示され、図1に明確に示されるように、使用構成時に互いに重なる2つのセクタを提供し得、本発明による清掃要素1は、ブラシ組立体中央シャフト8に取り付けられる。
【0031】
本発明のさらなる態様によれば、自動車両体を洗浄し、乾燥させ、艶出しするように適合されたビロード織物、フェルト、または他の材料を、例えば、商業的に「Velcro」と呼ばれる種類の、着脱可能な固定システムにより、支持基礎部材2に取り付け得る。
【0032】
ビロード織物3またはフェルトおよび他の洗浄・乾燥・艶出し材料は、例として図5に示されるように、主体または基体2の全体面も覆い得る。
【0033】
したがって、板様体2は合成発泡材料で作られるため、清掃要素全体は、はるかに改良された清掃効率を有し、その一方で、従来技術による同様の要素は、洗浄動作中に車両本体の塗装上に適用される水の層に十分に貫入せずに、車両上を「浮動」しがちである。
【0034】
ビロードエンベロープ3は、条片または「剛毛」4に、上記条片または剛毛が洗浄中の車両の塗装面に痕跡を残さないようにしながら、非常に効率的な動作性を提供する。
【0035】
さらに、板様体に結合される材料が、自動車両体の艶出しをするように特に設計された構造特性を有する平滑またはリブ状のビロード織物、フェルト、または他の同様の材料を含んでもよいことを指摘すべきである。
【0036】
さらに、上記板様体に結合される上記材料は、水粒子を効率的に除去することにより、自動車両体を適宜乾燥させる特性を有するビロード織物、フェルト、または他の同様の材料を含んでもよい。
【0037】
本発明のさらなる態様によれば、上述したように、適切な洗浄作用、艶出し作用、および/または乾燥作用を提供するように特に設計された構造を有する平滑またはリブ状のビロード織物、他のフェルト、または同様の材料を含み得る、板様体に結合される材料は、交互になるように支持部材に取り付けられ、それにより、処理すべき表面に対する回転方向に応じて「二価値」要素を提供する。
【0038】
したがって、上に開示したビロード状表面を有する清掃要素が、織物リッジまたは突出部を有し、異なる構成および傾斜を有するリブ状パターンを含んでもよいことが明白であるはずである。
【0039】
特に、上記清掃要素のそれぞれは、様々に構成されたリッジおよび傾斜部を有し、長手方向配置、横断配置、傾斜したパターン、正弦波パターン、または先端突出要素を有し、それにより、清掃能力を大幅に増大させると共に、自動車両体から泥およびゴミを効率的に除去するリブ状被覆織物を含み得る。
【0040】
したがって、本発明の主旨をなす上に開示した交互手法を使用すれば、本発明による清掃要素の一面、特に洗浄面にフェルト部を取り付け、さらなるフェルト部を他方の面、すなわち艶出し面に取り付け、それにより、洗浄および艶出しの二重効果を提供することが可能である。
【0041】
上記から、さらに、本発明による清掃要素を、水を使用せずに、すなわち、一種の乾燥洗浄動作で泥、ゴミ/粉体、および埃を所望の表面から除去するためにも使用可能なことが明白であるはずである。
【0042】
本発明が意図する目的および目標を完全に達成することが分かっている。
【0043】
実際に、本発明は、洗浄機械の事前設定または事前較正の基となった既存の製品の開始特徴を保持するように適合されると共に、洗浄すべき表面と洗浄すべき表面に対して作用するブラシ組立体の回転清掃要素との間に効率的なビロード状の構造物または構造物を提供するように適合された改良された清掃要素を提供した。
【0044】
本発明を実施するに当たり、使用される材料並びに付随するサイズおよび形状は、要件および先端技術に応じて任意であり得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車両洗浄システムの回転洗浄ブラシを構成する改良された層状条片清掃要素であって、前記清掃要素が、前記清掃要素の基体を形成する板体を備え、前記板体上に、ビロード織物、フェルト材料、または他の洗浄・乾燥・艶出し材料が取り付けられることを特徴とする、改良された清掃要素。
【請求項2】
前記板体が独立気泡発泡プラスチック材料で作られることを特徴とする、請求項1に記載の改良された清掃要素。
【請求項3】
前記板体が、発泡ポリエチレン材料、EVA、または他の可撓性独立気泡発泡材料で作られることを特徴とする、請求項1または2に記載の改良された清掃要素。
【請求項4】
前記板要素が非発泡プラスチック材料または他の任意の可撓性材料で作られることを特徴とする、請求項1に記載の改良された清掃要素。
【請求項5】
前記ビロード織物材料の一面がビロードまたは合成織物を含み、接着剤が広げられ、他面はビロード性を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の改良された清掃要素。
【請求項6】
前記ビロード織物材料が、機械的にカード処理されて、ビロード様相を提供する織物材料を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の改良された清掃要素。
【請求項7】
前記ビロード体がポリアミド、ポリエステル材料、またはそれらの導出物で作られることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の改良された清掃要素。
【請求項8】
前記ビロード、フェルト、または他の材料体は、ポリウレタン接着剤、他の任意の適した接着材料、またはホットメルト接着剤により互いに接着されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の改良された清掃要素。
【請求項9】
前記板体が、バンド要素の長手軸に従って延びる実質的に細長い形状を有し、互いに平行に延びる複数のバンド条片を提供する複数の切り欠きが設けられ、前記板体が、長手軸を中心として180°折り畳まれ、それにより、使用構成時に互いに重ねられる2つのセクタを提供するように適合され、前記清掃要素が洗浄ブラシの中心シャフトに取り付けられる、ことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の改良された清掃要素。
【請求項10】
前記ビロード、フェルト織物材料、または他の材料が、「Velcro」システム等の着脱可能な固定システムにより前記基礎支持体に取り付けられることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の改良された清掃要素。
【請求項11】
前記ビロード織物材料が、前記基体の表面全体を覆うように配置されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の改良された清掃要素。
【請求項12】
前記板体に結合される前記材料が、自動車両艶出し性を有するビロード織物、フェルト、または他の同様の材料を含むことを特徴とする、請求項1に記載の改良された清掃要素。
【請求項13】
前記板体に結合された前記材料が、残留している水粒子を除去することにより、前記自動車両を乾燥し、且つ/または前記自動車両から粉体を乾燥して除去するように適合されたビロード織物、フェルト、または他の同様の材料を含むことを特徴とする、請求項1に記載の改良された清掃要素。
【請求項14】
自動車両の洗浄、艶出しおよび/または乾燥および/または乾燥粉体除去性を有するベルベット織物、フェルト、または他の同様の材料を含む前記板体に結合される前記材料が、交互に前記支持体に取り付けられて、処理すべき前記表面に対する前記ブラシの回転方向に応じて二価値要素を提供することを特徴とする、請求項1に記載の改良された清掃要素。
【請求項15】
前記清掃要素が、接着またはホットメルトにより、平坦型、リブ状型、または動作型であるビロード織物が結合される板様体を備え、前記ビロード織物は、複数の突出清掃領域および溝清掃領域を有する洗浄面を形成するような形状または配置の複数の様々な向きのリッジまたは突出部を備えることを特徴とする、請求項1に記載の改良された清掃要素。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2011−529007(P2011−529007A)
【公表日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−519288(P2011−519288)
【出願日】平成21年7月24日(2009.7.24)
【国際出願番号】PCT/IT2009/000329
【国際公開番号】WO2010/010593
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VELCRO
【出願人】(509066525)ファヴァグロッサ エドアルド エス.アール.エル. (3)
【Fターム(参考)】