説明

自動車模擬運転装置

【課題】局在路面状況を反映させるとともに、道路の状態が変化した将来の走行状態を表現することで路面評価を行うことのできる自動車運転模擬装置を提供する。
【解決手段】本発明にかかる自動車運転模擬装置では、模擬走行の対象となる路面の位置と該位置に対応する路面高さのデータが、基準路面の波状特性(1)を複数種類の周波数(a, b, c, d, e, f)の波(2a, 2b, 2c, 2d, 2e 2f)に分解し、該分解により得られた波形(3)に現出する、振幅が他の連続部分よりも局所的に大きく変動する局在振動部(4)の特性に応じて定義された区分に分類されて、入力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車を実際に走行させることなく所定の条件における走行状態を表現できる自動車模擬運転装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、道路投資は新設に主眼がおかれていたが、日本全国の道路整備がほぼ完了したといえる近年では、これまでに建設された道路をどのように維持管理するかが重要な課題となっている。そして、路面のどの程度の傷みで人と車が快適に走行できる限界がどのように変わってくるのか或いはヒヤリ・ハット体験等の潜在的危険現象にはどのような道路要因が関与しているか等、路面状況が運転の安全性や快適性に与える影響は、道路の維持管理において特に重要な要素となっている。
【0003】
一方、道路の維持管理に関し、道路交通評価においては、自動車模擬運転装置の利用が提案されている(例えば、特開2002−157673号)。自動車模擬運転装置は、未熟な運転者の訓練において、事故を引き起こす危険性を回避しつつ運転者の技能を向上させるための手段であるが、近年の情報処理技術の向上に伴い、運転者の訓練のためのみならず、車両設計に必要なデータや上記道路交通評価のデータの収集等、幅広い目的に用いられている。そして、このように様々な目的に利用できる自動車運転模擬装置についての様々な改良が試みられており、例えば、特開2003−114607号公報に開示された技術では、ITS(高度道路交通システム)等に活用されるヒューマンインターフェイス評価に有効な低コストの仮想ドライビングシステムを提供するための試みがなされている。
【0004】
しかしながら、従来の自動車模擬運転装置は、様々なデータ収集の目的に適した改良がなされているものの、その主眼点は、視覚的な仮想空間の再現や迫力の追求におかれていた。そのため、従来の自動車運転模擬装置では、路面評価に必要なデータ収集に適用できるものが存在しなかった。
【0005】
そこで、本発明者の一人は、実走行状態をより忠実に再現するため、特願2004−131866号に開示されているように、路面状態を模擬走行に反映させることを試みている。この試みによれば、実路面の実車走行時において、画像撮影装置により撮影された映像と、運動センサ(加速度計及び角速度計)により収集されたデータに加え、更に、実測路面データをパワースペクトル密度(PSD)により分類して取り込み、これらのデータに基づいた視界表示装置と動揺装置による走行状態の再現がなされている。なお、路面性状をPSDで表現する手法は、ISO8608で決められている。
【特許文献1】特開2002−157673号公報
【特許文献2】特開2003−114607号公報
【特許文献3】特願2004−131866
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特願2004−131866号の装置においては、一応路面状態が考慮されることになるが、路面の大まかな変化のみが反映されるのみで、段差や細かいひび割れ等の局在路面状況を反映した路面評価に適用できる程度のものではなかった。
【0007】
また、特願2004−131866号にかかる装置を含め、従来の模擬走行装置では、いずれも道路の現状に基づく走行状態は再現できるものの、道路の状態が変化した将来の走行状態をうまく表現することができなかった。一方、路面評価において、経時劣化した路面状態における自動車の挙動に関するデータは有効かつ必要であるため、路面の経時劣化を反映した将来の走行状態をうまく表現できない従来の自動車運転模擬装置は、この点においても路面評価に適用できるものではなかった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、局在路面状況を反映させるとともに、道路の状態が変化した将来の走行状態を表現することで路面評価を行うことのできる自動車運転模擬装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明にかかる自動車運転模擬装置では、模擬走行の対象となる路面の位置と該位置に対応する路面高さのデータが、基準路面の波状特性を複数種類の周波数の波に分解し、該分解により得られた波形に現出する、振幅が他の連続部分よりも局所的に大きく変動する局在振動部の特性に応じて定義された区分に分類されて、入力される。
なお、分解により得られた波形に局在振動部が現出しない場合、局在振動部が現出しない区分、例えば、正常路面の区分、として定義することも、局在振動部の特性に応じた定義に含まれるものとする。
【0010】
該分解は、空間周波数分析により実行されてもよい。
【0011】
該空間周波数分析において、離散ウェーブレットが利用されてもよい。
【0012】
該離散ウェーブレットは、スケーリング関数に基づいて構成され、該分解が該多重解像度分析又はウェーブレットパケット分析により実行されていてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明にかかる自動車運転模擬装置によれば、段差や細かいひび割れ等の局在路面状況が、その路面の波状特性を複数種類の周波数の波に分解して得られる波形において、振幅が他の連続部分よりも局所的に大きく変動する局在振動部として現出する特徴を利用することにより、局在路面状況を模擬走行に反映させることができる。例えば、図2(a)に示すような、基準地点Oから段差を有する領域Aを経て地点Bに至る路面の波状特性(基準地点Oからの距離を横軸に、路面高さを縦軸にとって表現した路面高さの推移)を周波数aの波2a、周波数bの波2b、周波数cの波2c、周波数dの波2d、周波数eの波2e及び周波数fの波2fに分解し、領域Aにおいて波2c及び波2dのみが強くなる波形を得た場合、領域Aにおいてこの波2c及び波2dの波形に基づく振動を与えることにより、領域Aに局在する段差を模擬走行に反映させることができる。そして、段差、細かいひび割れ等、様々な局在路面状況に応じた局在振動部の特性を把握し、これら局在振動部の特性に応じた区分を定義しておき、路面のデータをその区分に分類して入力しておけば、模擬走行においてその分類に応じた振動を与えることで、様々な局在路面状況を反映させることができる。
【0014】
また、局在路面状況が局在振動部として表現されるため、その局在振動部を加工することにより、経時的変化を表現することができる。例えば、上記の例において、波2c及び2dの局在振動部の強さを大きくし、或いは横軸方向の長さを伸ばす等して、路面の経時劣化に起因する段差の拡大を表現することができる。そして、模擬走行において路面データの分類に応じて与える振動を、局在振動部の経時劣化を考慮した変更に適応させることにより、道路の状態が変化した将来の走行状態を表現することが可能となる。
【0015】
基準路面の波状特性の分解を、空間周波数分析により実行すれば、公知のウェーブレット変換技術を適用できる。なお、一般のウェーブレット理論においては、時間信号データが扱われることが多く、時間信号に対し時間周波数分析といわれていることに対応し、空間軸(距離軸)データである路面の波状特性に対してのウェーブレット変換による分析を空間周波数分析というものとする。
【0016】
空間周波数分析において、離散ウェーブレットを利用すれば、電子計算機による扱いに適したものとなるため、電子計算機による処理を必要とする自動車運転模擬装置の実現が可能となる。
【0017】
離散ウェーブレットをスケーリング関数に基づいて構成すれば、路面の波状特性の近似関数(スケーリング関数の一次結合)が解像度の階層構造で表現されるので、解像度ごとにその性質を分析することができる。そのため、実際に得られるデータの質、例えば路面高さデータの採取間隔の大小、に応じた解像度を適宜選択し、路面の波状特性の最適な分析を行うことができる。
なお、基準路面の波状特性の分解を多重解像度分析により実行すれば、路面に局在する段差や細かいひび割れ等を反映させながら、走行対象となる路面の全長のマクロ的特徴の反映を主体にできる。これは、多重解像度分析では、ローパス成分(Approximation)の取り出しを基本としていることによる。
一方、基準路面の波状特性の分解をウェーブレットパケット分析により実行すれば、ローパス成分に加えハイパス成分(Detail)の取り出しもローパス成分と同程度に行うことができる。そのため、走行対象となる路面の全長における、段差や細かいひび割れ等の任意成分のミクロ的特徴を、ハイパス成分を利用して反映させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は本発明にかかる自動車運転模擬装置の具体例の概念を示すブロック図である。図2及び3は同自動車運転模擬装置のデータ区分を定義するために用いられる基準路面データの例を示し、(a)は基準路面の波状特性を、(b)は同波状特性を複数種類の周波数の波に分解して得られる波形を示すグラフである。
【0019】
この自動車運転模擬装置は、通常の自動車と同様にハンドル、アクセルペダル、ブレーキペダル等が装備された操縦席11において、被験者が模擬走行を行うものである。この操縦席11の正面には視覚表示装置12が設けられ、被験者に対し、実際の走行と同様の視覚情報が与えられるようになっている。また、操縦席11は、動揺装置13を介し、被験者に対し、実際の走行と同様の振動情報が与えられるようになっている。
【0020】
視覚表示装置12と動揺装置13の動作は、制御装置14により制御されている。制御装置14は、入力データ15と操縦席11からの操縦情報を基にして視覚表示装置12及び動揺装置13を操作し、被験者に対し適切な情報を与えている。
なお、操縦席11、視覚表示装置12、動揺装置13及び制御装置14として、公知のもの、例えば、特願2004−131866に開示されたものを利用できる。
【0021】
入力データ15として、模擬走行の対象となる路面の位置と、その位置に対応する路面高さが利用されている。図2(a)及び図3(a)は、後述の基準路面の波状特性を示すグラフであるが、入力データ15も、図2(a)及び図3(a)と同様の形式のものを利用する。
【0022】
入力データ15は、基準路面の波状特性1を複数種類の周波数a、b、c、d、e及びfの波2a、2b、2c、2d、2e及び2fに分解し、分解により得られた波形3に現出する、振幅が他の連続部分よりも局所的に大きく変動する局在振動部4の特性に応じて定義された区分に分類されて、入力される。なお、区分は、基準路面として選択された実際の路面の状態に基づいて適宜定義すれば良いが、区分の一例として、図2及び図3に示す場合について説明する。
【0023】
図2に示す基準路面は領域Aに段差を有しており、路面の位置を横軸に路面高さを縦軸にとった場合、図2(a)に示すように領域Aにおいて大きく振動する波状特性1を有する。また、この波状特性1を波2a、2b、2c、2d、2e、2fに分解して得られる波形3には、波2c、2dにおいてその振幅が他の連続部分よりも局所的に大きく変動する局在振動部4が現出する。そこで、局在振動部4が波2c、2dに現出する区分を「段差路面」と定義する。そして、模擬走行の対象となる路面に段差が存在すれば、その部分のデータは区分「段差路面」に属するものとして入力する。
【0024】
図3に示す基準路面は何ら損傷等を有さず、路面の位置を横軸に路面高さを縦軸にとった場合、図3(a)に示すように路面の小さな凹凸によりわずかに振動する波状特性1を有する。また、この波状特性1を波2a、2b、2c、2d、2e、2fに分解して得られる波形3は定周波となり、局在振動部が存在しない。そこで、局在振動部が現出しない区分を「一般舗装路」と定義する。そして、模擬走行の対象となる路面が舗装されていれば、特に留意する損傷や段差がない限り、大部分のデータは区分「一般舗装路」に属するものとして入力する。
【0025】
なお、波状特性1を分解する波の数に制限はなく、得られるデータの精度に応じて適宜決めることができる。ただし、その数が多くなれば、局在路面状況をより正確に反映させることができるので、波の数はできるだけ多くすることが好ましい。
【0026】
この自動車運転模擬装置によれば、段差や細かいひび割れ等の局在路面状況が、その路面の波状特性を複数種類の周波数の波に分解して得られる波形において、振幅が他の連続部分よりも局所的に大きく変動する局在振動部として現出する特徴を利用することにより、局在路面状況を模擬走行に反映させることができる。例えば、図2に示す段差路面であれば、領域Aにおいてこの波c及び波dの波形に基づく振動を与えることにより、領域Aに局在する段差を模擬走行に反映させることができる。そして、段差、細かいひび割れ等、様々な局在路面状況に応じた局在振動部の特性を把握し、これら局在振動部の特性に応じた区分を定義しておき、路面のデータをその区分に分類して入力しておけば、模擬走行においてその分類に応じた振動を与えることで、様々な局在路面状況を反映させることができる。
【0027】
また、局在路面状況(図2の例における段差)が局在振動部4として表現されるため、局在振動部4を加工することにより、経時的変化を表現することができる。例えば、波2c及び波2dの局在振動部4の振幅を大きくし、或いは横軸方向の長さを伸ばす等して、路面の経時劣化に起因する段差の拡大を表現することができる。そして、模擬走行において路面データの分類に応じて与える振動を、局在振動部4の経時劣化を考慮した変更に適応させることにより、道路の状態が変化した将来の走行状態を表現することが可能となる。
【0028】
基準路面の波状特性1の分解は、空間周波数分析により実行されている。具体的には、数式1で表される公知のウェーブレット変換を利用した分析により実行されている。なお、数式1におけるf(x)が、分解する波状特性1の関数となる。
【数1】

【0029】
ただし、数式1の場合、aとbとによる無限積分が必要であり、現実的ではない。そこで、電子計算機である制御装置14による扱いに適したものとするため、数式1におけるaを2に、bを2kに置き換えて2進分割表現とした離散ウェーブレット(数式2)による変換を利用した空間周波数分析により実行されている。
【数2】

なお、jはレベルと呼ばれ、その値の小さいものは高周波数になる。一方、kはシフト距離(横軸方向の移動)を示す。ここで、数式2の離散ウェーブレットを適当に選択して直交系(内積がj=k以外の場合すべて0になる関数群)とすれば、波状特性1の関数f(x)は数式3の級数に展開される。
【数3】

なお、cjkは展開係数またはウェーブレット係数とよばれる。
【0030】
更に、数式2の離散ウェーブレットをスケーリング関数に基づいて構成することにより、波状特性1をスケーリング関数の一次結合で近似し、解像度の階層構造で表現することができる。スケーリング関数をφで表した近似関数の一般式は数式4の通りとなる。なお、スケーリング関数には、例えば、Haar関数を採用してもよい。
【数4】

ここに、djkはスケーリング係数とよばれる。
【0031】
j次以下の解像度のスケーリング係数及びウェーブレット係数は、djkを基に数式5及び数式6の繰り返し計算で求めることができる。
【数5】

【数6】

ここに、hとgは、それぞれローパス及びハイパスフィルタであり、これはφ(スケーリング関数)及びψ(離散ウェーブレット)から導かれる。また、j+1次のスケーリング係数dj+1は、j次より一つ下の低解像度表現であり、解析周波数及び距離解像度がj次の2分の1となる。このように、近似関数fを解像度の階層構造で表現すれば、解像度ごとにその性質を分析することができる。
【0032】
なお、ローパス成分(Approximation)である数式6のウェーブレット係数の取り出しを繰り返す多重解像度分析により近似関数fを求める場合、路面に局在する段差や細かいひび割れ等を反映させながら、走行対象となる路面の全長のマクロ的特徴の反映を主体にできる。
【0033】
一方、ローパス成分に加えハイパス成分(Detail)である数式5のスケーリング係数もローパス成分と同程度に取り出すウェーブレットパケット分析により近似関数fを求める場合、走行対象となる路面の全長における、段差や細かいひび割れ等の任意成分のミクロ的特徴を、ハイパス成分を利用して反映させることができる。
波状特性を、ウェーブレットパケット分析により複数種類の周波数の波に分解した場合に得られる波形の具体例を、図4及び図5に示す。
【0034】
図4は図2に示す基準路面(特定の領域に段差を有する路面)の波状特性を、図5は図3に示す基準路面(何ら損傷等を有さない路面)の波状特性を、ウェーブレットパケット分析により複数種類の周波数の波に分解した場合に得られる波形を示すグラフである。なお、図4及び図5において、波状特性1及び各周波数の波形は、対応地点における振幅を棒の高さとして表現したものとなっている。
この図4及び図5において、波状特性1の解析前の生データSは、まず、ローパス成分Aとハイパス成分Dとに分解されている。そして、ローパス成分Aをローパス成分Aとハイパス成分Dとに分解し、更に、ローパス成分Aをローパス成分Aとハイパス成分Dとに、ローパス成分Aをローパス成分Aとハイパス成分Dとに分解し、各ローパス成分を利用する手法が、多重解像度分析である。一方、ハイパス成分Dをローパス成分ADとハイパス成分DDとに分解し、更に、ハイパス成分DDをローパス成分ADDとハイパス成分DDDとに分解し、一次のハイパス成分Dを分解して得られる成分を利用する手法がウェーブレットパケット分析である。ただし、分解の程度は、任意成分のミクロ的特徴を反映させることができる範囲で適宜決定すればよい。例えば、ハイパス成分Dのハイパス成分DDのみでなく、そのローパス成分ADを分解して得られるローパス成分AADとハイパス成分DADを利用すること、或いはハイパス成分D(DA)を分解して得られるローパス成分ADAとハイパス成分DDAを利用することも可能である。
【0035】
なお、図4及び図5において、分解後に得られる波形の全長は、分解前の波形の全長の半分となっているが、これはダウンサンプリングによるものである。そして、分解後に得られる波形の各データ間に0値を挿入し、分解前の波形と全長をそろえた場合の位置が、各データに対応する位置となる。すなわち、ローパス成分とハイパス成分は、分解前の波形の左半分及び右半分に対応するものではなく、どちらの成分も、それずれ分解前の波形の全長に対応するものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明にかかる自動車運転模擬装置の具体例の概念を示すブロック図である。
【図2】同自動車運転模擬装置のデータ区分を定義するために用いられる基準路面データの例を示し、(a)は基準路面の波状特性を、(b)は同波状特性を複数種類の周波数の波に分解して得られる波形を示すグラフである。
【図3】同自動車運転模擬装置のデータ区分を定義するために用いられる基準路面データの別の例を示し、(a)は基準路面の波状特性を、(b)は同波状特性を複数種類の周波数の波に分解して得られる波形を示すグラフである。
【図4】図2に示す基準路面(特定の領域に段差を有する路面)の波状特性を、ウェーブレットパケット分析により複数種類の周波数の波に分解した場合に得られる波形を示すグラフである。
【図5】図3に示す基準路面(何ら損傷等を有さない路面)の波状特性を、ウェーブレットパケット分析により複数種類の周波数の波に分解した場合に得られる波形を示すグラフである。
【符号の説明】
【0037】
1 波状特性
a,b,c,d,e,f 周波数
2a,2b,2c,2d,2e,2f 波
3 波形
4 局在振動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
模擬走行の対象となる路面の位置と該位置に対応する路面高さのデータが、基準路面の波状特性(1)を複数種類の周波数(a, b, c, d, e, f)の波(2a, 2b, 2c, 2d, 2e 2f)に分解し、該分解により得られた波形(3)に現出する、振幅が他の連続部分よりも局所的に大きく変動する局在振動部(4)の特性に応じて定義された区分に分類されて、入力されることを特徴とする自動車運転模擬装置。
【請求項2】
該分解は、空間周波数分析により実行される請求項1に記載の自動車運転模擬装置。
【請求項3】
該空間周波数分析において、離散ウェーブレットが利用されている請求項2に記載の自動車運転模擬装置。
【請求項4】
該離散ウェーブレットは、スケーリング関数に基づいて構成され、該分解が多重解像度分析によりにより実行される請求項3に記載の自動車運転模擬装置。
【請求項5】
該離散ウェーブレットは、スケーリング関数に基づいて構成され、該分解がウェーブレットパケット分析により実行される請求項3に記載の自動車運転模擬装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−121401(P2007−121401A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−309726(P2005−309726)
【出願日】平成17年10月25日(2005.10.25)
【出願人】(505398941)東日本高速道路株式会社 (66)
【出願人】(505398952)中日本高速道路株式会社 (94)
【出願人】(505398963)西日本高速道路株式会社 (105)
【出願人】(504238806)国立大学法人北見工業大学 (80)