説明

自動車用シートバック

【課題】軽量化でき薄型化できる自動車用シートバックを提供する。
【解決手段】シートバックフレーム4と、背面にサポート材7が貼着されたシートバックパッド5と、シートバックパッド5を覆う表皮6とを備え、表皮6の後ろ側表皮材6Cの中間部6C3が、シートバックパッド5の背面のサポート材7に対してシートバック後方側Rrに間隔を空けて位置し、後ろ側表皮材6Cの中間部6C3をサポート材7側に引き寄せる引き寄せ手段27が設けられ、引き寄せ手段27は、帯材15の一側部15Aを後ろ側表皮材6Cの中間部6C3の裏面に縫着するとともに、帯材15の他側部15Bに設けられた剛性部16をサポート材7に連結して構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
シートバックフレームと、
前記シートバックフレームに支持され、背面にサポート材が貼着されたシートバックパッドと、
前記シートバックパッドを覆う表皮とを備え、
前記表皮の後ろ側表皮材の中間部が、前記シートバックパッドの背面のサポート材に対してシートバック後方側に間隔を空けて位置し、
前記後ろ側表皮材の中間部を前記サポート材側に引き寄せる引き寄せ手段が設けられている自動車用シートバックに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車用シートバックでは、冒頭に記載したように、後席乗員のレッグスペースを確保する為、前記引き寄せ手段を設けて、前席のシートバックの背面を部分的にシートバック前方側に逃がす場合がある。
例えば特許文献1に記載された技術では、シートバックフレームに金属製のワイヤーを溶接固着し、シートバックパッド背面側を覆う表皮の後ろ側表皮材に樹脂製のリテーナを固定し、ワイヤーにリテーナを係止して前記引き寄せ手段を構成している。
また、特許文献2に記載された技術では、シートバックフレームに金属製の係止プレートを溶接固着し、表皮の内面に縫着した樹脂製のフック片を前記係止プレートに係止して前記引き寄せ手段を構成している。
その他にも、図13に示すように、シートバックパッド5の背面を覆う表皮6の後ろ側表皮材6Cを前記サポート材7側に引き寄せる為に、後ろ側表皮材6Cにマチ材13を介してJ形状樹脂材(以下、「Jトラ」と略称する)41を縫製し、シートバックフレーム4に取り付けられた金属ワイヤー40にJトラ41を引っ掛けるという方法もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平7−12000号公報
【特許文献2】特許第3640774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これらの方法は、前記後ろ側表皮材をサポート材側に引き込む手段として、シートバックに金属ワイヤーやプレートを設けなければならなかったため、シート重量増の要因となっていた。また、重量密度の高いJトラも、樹脂ではあるが重量増加の要因となっていた。
そして、Jトラを金属ワイヤーに引っ掛ける場合は、簡単に外れないようにある程度の引っ掛け代が必要になるため、シートバックの厚み方向の寸法を薄くすることができなかった。
本発明は上記実状に鑑みて成されたもので、その目的は、軽量化でき薄型化できる自動車用シートバックを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の特徴は、
シートバックフレームと、
前記シートバックフレームに支持され、背面にサポート材が貼着されたシートバックパッドと、
前記シートバックパッドを覆う表皮とを備え、
前記表皮の後ろ側表皮材の中間部が、前記シートバックパッドの背面のサポート材に対してシートバック後方側に間隔を空けて位置し、
前記後ろ側表皮材の中間部を前記サポート材側に引き寄せる引き寄せ手段が設けられている自動車用シートバックであって、
前記引き寄せ手段は、帯材の一側部を前記後ろ側表皮材の中間部の裏面に縫着するとともに、前記帯材の他側部に設けられた剛性部を前記サポート材に連結して構成されている点にある。(請求項1)
【0006】
この構成によれば、前記引き寄せ手段は、帯材の一側部を前記後ろ側表皮材の中間部の裏面に縫着するとともに、前記帯材の他側部に設けられた剛性部を前記サポート材に連結して構成されているから、金属製のワイヤーや金属製の係止プレートを必要としない。その結果、シートバックを軽量化できる。
そして、Jトラ(J形状樹脂材)を引っ掛けるための引っ掛け代を確保する必要がなく、さらに、シートバックパッドのサポート材からシートバック後方側に離れた位置にワイヤーや係止プレートを配置するスペースを確保する必要がないので、後ろ側表皮材の中間部を前記サポート材側に大きく引き寄せることができて、シートバックを薄型化することができる。
また、帯材の他側部に設けられた剛性部を前記サポート材に連結しているから、帯材の他側部とサポート材との連結強度を高めることができる。(請求項1)
【0007】
本発明において、
前記帯材の剛性部は、前記シートバックパッドのサポート材に縫製された樹脂材に連結されていると、次の作用を奏することができる。(請求項2)
【0008】
前記帯材の剛性部は、前記シートバックパッドのサポート材に縫製された樹脂材に連結されているから、サポート材の目付けを増やすことなくサポート材への連結強度をより高めることができる。(請求項2)
【0009】
本発明において、
前記樹脂材は前記シートバックパッドとサポート材とに挟み込まれていると、樹脂材をシートバックパッドとサポート材とでしっかり保持することができ、サポート材からの樹脂材の剥離を防ぐことができる。(請求項3)
【0010】
本発明において、
前記サポート材は前記シートバックパッドと一体に発泡成形されることで前記シートバックパッドの背面に貼着され、
前記樹脂材の上下両側に位置し、発泡成形型の上下一対の位置決めピンが各別に挿通される上下一対の位置決め孔が前記サポート材に形成されていると、次の作用を奏することができる。(請求項4)
【0011】
前記発泡成形型にセットされた樹脂材は、前記上下一対の位置決め孔に各別に挿通された上下一対の位置決めピンに上下方向で挟まれるから、サポート材が発泡樹脂原液(例えばウレタン原液)の発泡の圧力に押されても樹脂材が位置ずれしにくくなる。
また、前記帯材の他側部に設けられた剛性部を前記サポート材に例えばホグリングを介して連結する際に、前記上下一対の位置決め孔をホグリング挿通孔に兼用することができ、サポート材に形成される孔を少なくすることができて、サポート材の製作コストを低廉化することができる(請求項4)
【0012】
本発明において、
前記帯材は、前記後ろ側表皮材の中間部の裏面と前記シートバックパッドのサポート材との間に複数介在し、
1又は2以上の前記帯材はシートバック幅方向に沿い、
残りの前記帯材はシートバック上下方向に沿うと、次の作用を奏することができる。(請求項5)
【0013】
前記1又は2以上の前記帯材はシートバック幅方向に沿い、残りの前記帯材はシートバック上下方向に沿っているから、後ろ側表皮材の中間部を前記サポート材側にシートバック幅方向及びシートバック上下方向の広い範囲にわたって引き寄せることができる。そして、後ろ側表皮材の中間部を下側までしっかりとシート前方側に引き寄せることができ、後席乗員のレッグスペースをより確保しやすくすることができる(請求項5)
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、軽量化でき薄型化できる自動車用シートバックを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】シートバックの斜視図
【図2】図1のX−X断面図
【図3】シートバックの分解斜視図
【図4】(a)は図4(b)のY−Y断面図、(b)は帯材を示す図
【図5】樹脂材の斜視図
【図6】サポート材を示す図
【図7】サポート材に縫製された樹脂材を示す正面図
【図8】サポート材に縫製された樹脂材を示す縦断側面図
【図9】別実施形態を示す図であり、サポート材を示す図
【図10】別実施形態を示す図であり、図1のX−X断面に対応する図
【図11】別実施形態を示す図であり、サポート材を示す図
【図12】別実施形態を示す図であり、図1のX−X断面に対応する図
【図13】従来の技術を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図1に車両用シート1を示してある。この車両用シート1は、乗員の臀部及び大腿部を支持するシートクッション2と、乗員の背中を受け止め支持するシートバック3とから成る。
【0017】
図2,図3に示すように、前記シートバック3は、骨組み部材となる金属製のシートバックフレーム4と、シートバックフレーム4に支持されたシートバックパッド5と、シートバックパッド5を覆う表皮6とを備えている。シートバックパッド5は発泡ウレタンから成り、シートバックフレーム4にシート前方側Frから被されている。
【0018】
前記シートバックパッド5の背面には、シートバックフレーム4のSバネ12(S字状のバネ)との接触による亀裂や磨耗を防止できるように、フェルトから成る保護材としてのサポート材7が貼着されている。前記サポート材7はシートバックパッド5と一体に発泡成形されることでシートバックパッド5の背面に貼着されている。この貼着構造については後述する。サポート材7は、不織布、金巾、寒冷紗などであってもよく、一般的に、比較的すべりが良く摩擦に強い柔らかなシート状のものが使用される。
【0019】
[表皮6の構造]
図1〜図3に示すように、シートバック3の表皮6は、シートバックパッド5の前面を覆うメイン表皮材6Aと、シートバックパッド5の側面を覆うサイド表皮材6Bと、シートバックパッド5の後面を覆う後ろ側表皮材6Cとを備えて下方に開口する袋状に形成され、シートバックパッド5に被せられている。各表皮材6A,6B,6Cはレザーで形成されている。各表皮材6A,6B,6Cが布材で形成されていてもよく、レザーや布材以外の部材で形成されていてもよい。
【0020】
前記後ろ側表皮材6Cは、周縁部同士が縫製された複数の第1表皮素材6C1〜第4表皮素材6C4から成り、中央の第3表皮素材6C3(詳しくは、第3表皮素材6C3の下端部よりも上側の部分、「後ろ側表皮材6Cの中間部」に相当)が、シートバックパッド5の背面のサポート材7に対してシートバック後方側Rrに間隔を空けて位置している(図2参照)。
【0021】
図2に示すように、後席乗員のレッグスペースを確保するために、後ろ側表皮材6Cの第3表皮素材6C3をサポート材7側に引き寄せる引き寄せ手段27が設けられている。この引き寄せ手段27は、帯状のネットスリット15(帯材に相当)の一側部15Aを前記第3表皮素材6C3の裏面に帯状のマチ材13を介して縫着するとともに、前記ネットスリット15の他側部15Bに全長にわたって設けられた剛性部16を前記サポート材7に連結して構成されている。
【0022】
前記マチ材13の一側部13Aは、上下方向で隣り合う第1表皮素材6C1と第3表皮素材6C3とのシート幅方向に延びる縫製部19に共縫いされ、マチ材13の他側部13Bはネットスリット15の一側部15Aに縫製されている。
【0023】
[ネットスリット15の構造]
図4(a),図4(b)に示すように、前記ネットスリット15は樹脂によりネット状に成形されている。前記剛性部16はネットスリット15の幅方向外方側に窄まる断面台形状に形成され、ネットスリット15の厚さ方向で前記剛性部16の中央部に前記ネットスリット15の他側部15Bが埋設されている。
【0024】
前記ネットスリット15はマチ材13への縫い付けが可能な柔らかさを備え、剛性部16は後述のホグリング17の係止に耐えられる剛性を備えている。前記ネットスリット15を不織布や薄めのカーペット材などで形成してあってもよい。
【0025】
前記ネットスリット15の他側部15Bの前記剛性部16よりも幅方向中央側にホグリング挿通孔15Hが形成されている。そして、ネットスリット15が後ろ側表皮材6Cの第3表皮素材6C3の形状に追従するように、ネットスリット15の一側部15Aにノッチ15K(V字形の切り欠き)が形成されている。
【0026】
[樹脂材18の構造]
図2に示すように、前記ネットスリット15の剛性部16は、シートバックパッド5のサポート材7に縫製された樹脂材18に連結されている。図5に示すように、前記樹脂材18は、帯板状の平板部20と、平板部20の長手方向に沿うように前記平板部20の一側部に全長にわたって連設された断面円形の棒状部19とから成り、シートバックパッド5とサポート材7とに挟み込まれている。この樹脂材18はシートバックパッド5を発泡成形する前にサポート材7に縫着される。
【0027】
図6,図7に示すように、前記サポート材7に前記樹脂材18を挟んで位置する上下一対の第1位置決め孔7H(径が10mm)が二組形成されるとともに、前記上下一対の第1位置決め孔7Hと同一径の複数の第2位置決め孔がサポート材7に分散配設されている。前記第1位置決め孔7Hは樹脂材18をサポート材7に縫着する際の目印となる。
【0028】
図6〜図8に示すように、前記樹脂材18はサポート材7の二組の上下一対の第1位置決め孔7Hの間に配置されて、樹脂材18の平板部20がサポート材7に縫製されている。図7,図8の符号Lは縫着ラインである。前記平板部20はサポート材7に縫製可能な厚さとやわらかさを備えるように形状や樹脂の材質が選定されている。
【0029】
そして、シートバックパッド5の発泡成形の際に、前記樹脂材18がサポート材7の上側になるようにサポート材7が成形型に配置される。成形型の型面には、前記第1位置決め孔7Hと第2位置決め孔に対応する複数の位置決めピンが突設されており、前記複数の位置決めピンにサポート材7の第1位置決め孔7Hと第2位置決め孔が各別に差し込まれる。前記樹脂材18は、前記第1位置決め孔7Hに挿通された二組の上下一対の位置決めピンに上下方向で挟まれる。
【0030】
そして、発泡樹脂原液であるウレタン原液が成形型内に注入され、成形型が閉じられて加熱される。これにより、ウレタン原液がサポート材7と一体に発泡してサポート材7がシートバックパッド5の背面に貼着される。このように、前記サポート材7は前記シートバックパッド5と一体に発泡成形されることで、シートバックパッド5の背面に貼着される。
【0031】
前記樹脂材18は、前記第1位置決め孔7Hに挿通された二組の上下一対の位置決めピンに上下方向で挟まれるから、サポート材7がウレタン原液の発泡の圧力に押されても樹脂材18が位置ずれしにくくなる。また、前記樹脂材18はサポート材7の上側になるように成形型に配置されるから、シートクッションパッド5が発泡成形されると、シートバックパッド5とサポート材7の間に前記樹脂材18が挟み込まれた状態になる。
【0032】
[ネットスリット15と樹脂材18の連結構造]
図2に示すように、ネットスリット15と樹脂材18はホグリング17を介して連結され、ホグリング17は、サポート材7に形成された二組の前記上下一対の第1位置決め孔7Hとネットスリット15に形成されたホグリング挿通孔15H(図4参照)とに挿通される。
本発明の構成によれば、金属ワイヤーの代わりに前記樹脂材18が必要になるが、樹脂材18は金属ワイヤーに比べると安価であり軽量である。
【0033】
上記の構成によれば、
(1) 前記引き寄せ手段27は、ネットスリット15の一側部15Aを後ろ側表皮材6Cの第3表皮素材6C3の裏面にマチ材13を介して縫着するとともに、ネットスリット15の他側部15Bに設けられた剛性部16をサポート材7に連結して構成されているから、金属製のワイヤーや係止プレートを必要としない。その結果、シートバック3を軽量化できる。
そして、Jトラ(J形状樹脂材)を引っ掛けるための引っ掛け代を確保する必要がなく、さらに、シートバックパッド5のサポート材7からシートバック後方側Rrに離れた位置に金属ワイヤーや係止プレートを配置するスペースを確保する必要がないので、後ろ側表皮材6Cの第3表皮素材6C3を前記サポート材7側に大きく引き寄せることができて、シートバック3を薄型化することができる。
また、ネットスリット15の他側部15Bに設けられた剛性部16をサポート材7に連結しているから、ネットスリット15の他側部15Bとサポート材7との連結強度を高めることができる。
【0034】
(2) 前記ネットスリット15の剛性部16は、シートバックパッド5のサポート材7に縫製された樹脂材18に連結されているから、サポート材7の目付けを増やすことなくサポート材7への連結強度をより高めることができる。
【0035】
(3) 前記樹脂材18はシートバックパッド5とサポート材7とに挟み込まれているから、樹脂材18をシートバックパッド5とサポート材7とでしっかり保持することができ、サポート材7からの樹脂材18の剥離を防ぐことができる。
【0036】
(4) 前記サポート材7に形成された前記上下一対の位置決め孔7Hをホグリング挿通孔に兼用することができるので、サポート材7に形成される孔を少なくすることができて、サポート材7の製作コストを低廉化することができる。
【0037】
[別実施形態]
(1) 前記マチ材13の巾寸法を変更することで、前記後ろ側表皮材6Cの第3表皮素材6C3のサポート材7側への引き寄せ量を容易に変更することができる。
【0038】
(2) 図9,図10に示すように、前記ネットスリット15は、前記後ろ側表皮材6Cの第3表皮素材6C3の裏面と前記シートバックパッド5のサポート材7との間に複数介在し、1又は2以上のネットスリット15はシートバック幅方向に沿い、残りのネットスリット15はシートバック上下方向に沿っていてもよい。本実施形態では、シートバック幅方向に沿うネットスリット15の長手方向の両端部の下方に左右一対のシートバック上下方向に沿うネットスリット15が配置されている。
この構成によれば、後ろ側表皮材6Cの第3表皮素材6C3を前記サポート材7側にシートバック幅方向及びシートバック上下方向の広い範囲にわたって引き寄せることができる。そして、後ろ側表皮材6Cの第3表皮素材6C3を下側までしっかりとサポート材7側に引き寄せることができ、後席乗員のレッグスペースをより確保しやすくすることができる。
【0039】
(3) 図11に示すように、前記樹脂材を用いず、サポート材7に直接ネットスリット6を連結しても良い。この場合も、成形型の位置決めピンを差し込むサポート材7の位置決め孔7Hをホグリング挿通孔に兼用する。強度不足はサポート材7の目付け量(密度や板厚)を増やすことで対応することができる。
【0040】
図12に示すように、前記縫製部19にネットスリット15を直接縫製することでマチ材を廃止しても良い。この場合はさらに縫製部19をシートバックパッド5の裏面に近づけることができるため、よりシートバック3を薄型化することができ、後席乗員のレッグスペースをさらに拡大することができる。
【符号の説明】
【0041】
4 シートバックフレーム
5 シートバックパッド
6 表皮
6C 後ろ側表皮材
6C3 後ろ側表皮材の中間部(第3表皮素材)
7 サポート材
7H 位置決め孔
15 帯材(ネットスリット)
15A 帯材の一側部
15B 帯材の他側部
16 剛性部
18 樹脂材
27 引き寄せ手段
Rr シートバック後方側

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートバックフレームと、
前記シートバックフレームに支持され、背面にサポート材が貼着されたシートバックパッドと、
前記シートバックパッドを覆う表皮とを備え、
前記表皮の後ろ側表皮材の中間部が、前記シートバックパッドの背面のサポート材に対してシートバック後方側に間隔を空けて位置し、
前記後ろ側表皮材の中間部を前記サポート材側に引き寄せる引き寄せ手段が設けられている自動車用シートバックであって、
前記引き寄せ手段は、帯材の一側部を前記後ろ側表皮材の中間部の裏面に縫着するとともに、前記帯材の他側部に設けられた剛性部を前記サポート材に連結して構成されている自動車用シートバック。
【請求項2】
前記帯材の剛性部は、前記シートバックパッドのサポート材に縫製された樹脂材に連結されている請求項1記載の自動車用シートバック。
【請求項3】
前記樹脂材は前記シートバックパッドとサポート材とに挟み込まれている請求項2記載の自動車用シートバック。
【請求項4】
前記サポート材は前記シートバックパッドと一体に発泡成形されることで前記シートバックパッドの背面に貼着され、
前記樹脂材の上下両側に位置し、発泡成形型の上下一対の位置決めピンが各別に挿通される上下一対の位置決め孔が前記サポート材に形成されている請求項2又は3記載の自動車用シートバック。
【請求項5】
前記帯材は、前記後ろ側表皮材の中間部の裏面と前記シートバックパッドのサポート材との間に複数介在し、
1又は2以上の前記帯材はシートバック幅方向に沿い、
残りの前記帯材はシートバック上下方向に沿う請求項1〜4のいずれか一つに記載の自動車用シートバック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−111162(P2013−111162A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258792(P2011−258792)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)