説明

自動車用騒音検査装置

【課題】軸合わせ作業の困難化を招来することなく、中間軸受の振動を好適に抑制して、防音箱外に中間軸受の振動に起因する騒音の発生を防止可能な自動車用騒音試験装置を提供する。
【解決手段】防音箱7内に設けた駆動モータ1に、中間軸2を介して自動車用回転体である供試体Tを防音箱7外において接続し、駆動モータ1により試験負荷を与えて供試体Tの騒音を測定する自動車用騒音試験装置Xにおいて、中間軸2を回転自在に支持する中間軸受3に、供試体Tを取り付けるための供試体取付部5を一体的に設け、中間軸受3と台座4との間に粘土状物質8を介在させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用騒音試験装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車に用いられる供試体の騒音を検査する装置として、中間軸受で支持された中間軸を介して駆動モータと同軸に供試体を取り付け、供試体以外の殆どの部品や部材を共通の防音箱内に収容した状態で、駆動モータの回転駆動により負荷(回転トルク)が与えられる供試体の騒音を測定するように構成されたものが挙げられる。このような騒音試験装置において、防音箱内で生じる音が防音箱外へ漏れると、供試体自体の騒音を正確に測定することができない。特に、駆動モータが設けられるベースの一部が仕様等の関係で防音箱外に配置される場合、駆動モータの振動がベースに伝播すれば、この振動による騒音が防音箱外においても発生することになる。
【0003】
このような不具合の発生を防止する態様として、ベースに鉄や鋼等からなる剛性の高い拘束板を硬化性接着剤で貼り合わせ、硬化性接着剤の弾性を利用してモータから発生した振動を吸収することにより、駆動モータから振動がベースに伝播することを抑制できるようにしたものが知られている(特許文献1参照)。
【0004】
ところで、防音箱内において駆動モータを駆動させた場合、駆動モータに同期して回転する中間軸を支持する中間軸受にも振動が生じる。中間軸受は、駆動モータと共通のベース上に設けた剛性の高い台座に安定した姿勢で載置されているが(特許文献2参照)、このような中間軸受に生じた振動は台座に伝播する。そこで、上述したベースに対する制振方法に倣って、台座に拘束板を硬化性接着剤で貼り合わせれば、中間軸受から台座への振動の伝播を抑制できるものと思われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−315281号公報(第5頁、第2図)
【特許文献2】特開2005−308664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、中間軸受から台座への振動を硬化性接着剤によって十分に吸収しきれない場合には、中間軸受の振動が台座に伝播する。また中間軸受には供試体を取り付けるための供試体取付部(例えば中間軸受に直結されるブラケットと、このブラケットに直結され供試体を固定する供試体取付面板とによって構成されたもの)が一体的に設けられていることから、この供試体取付部にも振動が伝播することになる。なお、中間軸受と台座との間に防振ゴムを介在させる態様も考えられる。しかしながら、防振ゴムの弾性が大きければ中間軸受の振動抑制を期待できるものの、中間軸受を安定した状態で保持することが困難であり、特に、振動が止んだ後に防振ゴムの弾性復帰力によって中間軸受が一時的にぐらつく事態が生じ得る。また、防振ゴムの弾性が小さければ中間軸受の振動を吸収しきれないケースが多くなると考えられる。これらの不具合を回避するためには、駆動モータにより供試体に与えられる試験負荷に応じた中間軸受の振動幅を予め把握しておき、その振動特性に応じた弾性の防振ゴムを適用せざるを得ず、汎用性に欠ける。また、供試体取付部が中間軸受と直結されていない試験装置もあるが、この場合、中間軸受をゴムで支持すれば、中間軸受で支持する中間軸の軸芯(ひいては駆動モータの回転軸の軸芯)と、供試体取付面板(供試体取付部の一部)に固定された供試体の回転軸の軸芯との相対位置がずれてしまい、自動車用騒音試験装置として正常に機能し難いと考えられる。
【0007】
また、中間軸受に一体的に設けられた供試体取付部は、防音箱外にセッティングする供試体を取り付けるためのものであるため、必然的に防音箱外に配置される。したがって、中間軸受に生じる振動は供試体取付部を通じて防音箱外へ伝播し、その振動による音が防音箱外で発生すれば、供試体の騒音試験に支障が生じる。特に、供試体取付部において供試体ブラケットから供試体取付面板に振動が伝播して音になることから、この供試体取付面板が発音体になる。
【0008】
このような不具合を解消するために、供試体取付部と中間軸受との構造的な一体性を無くし、供試体取付部を防音箱外で独立して設ける態様が考えられる。このような態様であれば、中間軸受の振動が供試体取付部に伝播する事態を回避することができる。
【0009】
しかしながら、中間軸受とは構造的に連続性の無い供試体取付部に供試体を取り付ける場合、駆動モータの回転軸と供試体の回転軸とを中間軸を介して同軸上に接続する軸合わせ作業が極めて困難となる。
【0010】
本発明は、このような問題に着目してなされたものであって、主たる目的は、軸合わせ作業の困難化を招来することなく、中間軸受の振動を好適に抑制して、防音箱外に中間軸受の振動に起因する騒音の発生を防止可能な自動車用騒音試験装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
すなわち本発明は、防音箱内に設けた駆動モータに、中間軸を介して自動車用回転体である供試体を防音箱外において接続し、駆動モータにより試験負荷を与えて供試体の騒音を測定する自動車用騒音試験装置に関するものである。ここで、自動車用回転体である供試体の具体例としては、各種モータやギアボックス、トランスミッション、或いはモータを兼ねた発電機等が挙げられるが、これらに限られず、自動車に適用される回転動作可能な部品や部材であれば本試験装置の供試体として用いることができる。また、「防音箱」は、箱型をしている空間を内部に形成するもの(例えば「防音室」)を包含する概念である。
【0012】
そして、本発明の自動車用騒音試験装置は、中間軸を回転自在に支持する中間軸受に、供試体を取り付ける供試体取付部を一体的に設け、中間軸受と、中間軸受を支持する台座との間に粘土状物質を介在させていることを特徴としている。
【0013】
ここで、「中間軸受に供試体取付部を一体的に設ける」とは、「中間軸受に供試体取付部を構造的に直接又は間接的に連続した状態で設ける」ことを意味し、言い換えれば、「中間軸受に振動が生じた場合にはその振動が供試体取付部に伝播し得る状態で設ける」ことである。また、「粘土状物質」とは、有機繊維、固形粒子、または両者の混合物を主な成分とするものであり、これらをオイルなどの不乾性流体を使って混合粘成させたものであり、減衰を得たい温度において粘着性及び可塑性を有するものである。
【0014】
このように、中間軸受と台座との間に粘土状物質を介在させることにより、拘束型制振構造となり、中間軸の回転動作中に、中間軸の回転動作に起因して中間軸受が振動しようとした際、その振動エネルギーを、中間軸受との間に介在させた粘土状物質のずれ剪断変形によって吸収することができ、中間軸受は制振される。その結果、中間軸受から台座や供試体取付部への振動伝播が低減され、中間軸受の振動に起因する騒音が供試体取付部を通じて防音箱外に生じるという事態を防止・抑制することができる。しかも、本発明の自動車用騒音試験装置は、供試体取付部を中間軸受に一体的に設けているため、この供試体取付部にセッティングした供試体の回転軸と駆動モータの回転軸とを中間軸を介して同軸上に接続する軸合わせ作業も容易に行うことができる。また、粘土状物質の減衰作用及び可塑性により、中間軸受の振動が止まった状態で、その時点の形状を保つことができ、安定した状態で中間軸受を支持することも期待できる。
【0015】
また、本発明の自動車用騒音試験装置では、台座上に、予め平らに形成した(潰した)粘土状物質を配置することによって中間軸受と台座との間に粘土状物質を介在させることも可能であるが、中間軸受と台座の両方をより粘土上物質に密着させて中間軸受と台座との間には極力空気を残らないようにしつつ、中間軸受の水平度を保つことができるような構成とするには、台座上に、紐状にした粘土状物質を配置する紐状粘土配置領域と、紐状にした粘土状物質を配置せず外部空間に連通する自由領域とを設定し、紐状粘土配置領域に配置した紐状の粘土状物質を台座と中間軸受との間で押し潰すことによって、紐状粘土配置領域の全域及び自由領域の略全域に粘土状物質を充填する構成を採用することができる。ここで、「紐状」とは、押し潰すことが可能な断面形状を有する長尺形状全般を包含する意味であり、断面形状が円形や楕円形或いは多角形状など特に限定されるものではない。また、台座上に設定する紐状粘土配置領域の数は1であってもよいし、複数であっても構わない。特に、台座上に1つだけの紐状粘土配置領域を設ける場合、その紐状粘土配置領域に載置した紐状の粘土状物質を押し潰した状態で台座上の大部分を粘土上物質で埋めることができるように、紐状粘土配置領域の形状を設定することが好ましい。また、「外部空間に連通する自由領域」とは、自由領域が紐状粘土配置領域や台座上の他の部材によって包囲されていないことを意味する。この条件は、例えば、紐状粘土配置領域を一筆書き可能な形状であって且つ両端部同士を連続させていない形状に設定することによって満たすことができる。紐状粘土配置領域の具体的なレイアウト例としては、台座上において所定方向に所定ピッチで複数設定したレイアウトや、台座上において螺旋状(渦巻状)に設定したレイアウトを挙げることができる。また、紐状にした粘土状物質を台座と中間軸受との間で押し潰した状態では、紐状粘土配置領域は例外なく全域が粘土状物質で充填され、自由領域は略全域が粘土状物質部で充填される。ここで本発明における「自由領域の略全域」とは、自由領域の全域は勿論のこと、自由領域の大部分を占める領域、或いは自由領域の全域に限りなく近い領域を包含する意味である。さらに、台座上に予め平らに形成した(潰した)粘土状物質を配置することによって中間軸受と台座との間に粘土状物質を介在させる構成であれば、手や治具などで粘土状物質を押し付けて、中間軸受や台座に対面する平らな面を作る作業が必須であり、この場合、押し付けた痕跡が凹凸形状として粘土状物質に残るため、中間軸受や台座に対して高い精度を有する平らな面を作ることが極めて困難である上に、凹凸形状が残ったままの粘土状物質を中間軸受と台座との間に挟み込んだ場合には、中間軸受と粘土状物質との間や台座と粘土状物質との間に、粘土の凹凸に起因した隙間が残り、中間軸受や台座に対する粘土状物質の密着面積がその隙間分だけ狭くなり、制振能力の低下を招来し得る。これに対して、台座上に、紐状にした粘土状物質を配置する紐状粘土配置領域と、紐状にした粘土状物質を配置せず外部空間に連通する自由領域とを設定し、紐状粘土配置領域に配置した紐状の粘土状物質を台座と中間軸受との間で押し潰すことによって、紐状粘土配置領域の全域及び自由領域の略全域に粘土状物質を充填する構成は、手や治具などで粘土状物質を押し付けて、中間軸受や台座に対面する平らな面に施工する処理が不要であり、中間軸受と粘土状物質との間、及び台座と粘土状物質との間に、粘土の凹凸に起因した隙間が残らず、中間軸受や台座に対する粘土状物質の密着面積を可及的に大きく確保することができ、制振能力低下を防止・抑制することができる。
【0016】
このように、紐状の粘土状物質を台座上の紐状粘土配置領域に配置し、紐状粘土配置領域に配置した紐状の粘土状物質を台座と中間軸受との間で押し潰すことによって、紐状粘土配置領域の全部及び自由領域の全部又は一部に粘土状物質を充填する構成を採用する場合には、台座上の自由領域に、台座と中間軸受とのギャップ高さに相当する高さ寸法を有するスペーサを配置すれば、このスペーサによって台座と中間軸受とのギャップ高さを正確に規定しつつ、中間軸受を介した駆動モータの回転軸と供試体の回転軸との同軸同心度のずれ(芯ずれ)を防止することができる。なお、自由領域に配置するスペーサの数は適宜選択することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、供試体取付部が一体的に設けられた中間軸受と台座との間に粘土状物質を介在させるという斬新な技術的思想を採用することによって、軸合わせ作業の困難化を招来することなく、中間軸受の振動を好適に抑制して、防音箱外に中間軸受の振動に起因する騒音の発生を防止し、供試体自体の騒音を高精度で測定することが可能な自動車用騒音試験装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る自動車用騒音装置を一部断面にして示す模式図。
【図2】図1におけるA−A線断面模式図。
【図3】同実施形態に係る自動車用騒音装置の制振機能を模式的に示すグラフ。
【図4】同実施形態に係る自動車用騒音装置の一変形例において台座上に紐状粘土状物質を載置した状態の平面模式図平面模式図。
【図5】図4のA方向矢視図。
【図6】同変形例において台座と中間軸受との間で紐状粘土状物質を押し潰した状態の図5対応図。
【図7】図6のB−B線断面模式図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0020】
本実施形態に係る自動車用騒音試験装置X(以下、「騒音試験装置X」と称する場合がある)は、図1に示すように、自動車用部品である供試体Tに駆動モータ1で試験負荷を与え、その試験条件下における供試体Tの騒音を測定するものである。ここで、供試体Tとしては、パワートレインが挙げられ、さらに詳しくは、車両のトランスミッション、エンジン等を挙げることができる。
【0021】
本実施形態の騒音試験装置Xは、駆動モータ1と、駆動モータ1及び供試体Tを相互に接続する中間軸2と、中間軸2を回転自在に支持する中間軸受3と、中間軸受3を載置するための台座4と、中間軸受3に一体的に設けられ、供試体Tを取り付けるための供試体取付部5(本実施形態では供試体ブラケット51と供試体取付面板52とを用いて構成している)と、床面Fに設置されてこれら各部共通の基礎となるベース6と、これら各部の殆どを内部空間に収容可能な防音箱7とを備えたものである。
【0022】
中間軸受3は、駆動モータ1の回転軸11と供試体Tの回転軸との連結の同心性を高めるために駆動モータ1と供試体Tとの間に配置され、中間軸2が挿通可能な内部空間を有する筒状のものである。中間軸受3の内部空間には中間軸2に直接接触するベアリング31を設けている。また、中間軸受3の下端部には、図2(同図は図1のA−A線断面模式図である)に示すように、他の領域より幅方向に突出させた鍔部32を形成している。左右一対の鍔部32にはそれぞれボルト挿通孔33を形成している。図1及び図2に示すように、本実施形態では、左右一対の鍔部32にそれぞれ中間軸2の軸方向に離間させて位置にボルト挿通孔33を形成している。すなわち、中間軸受3は計4箇所にボルト挿通孔33を形成している。
【0023】
中間軸受3のうち、供試体T側の端部には円筒状の供試体ブラケット51を一体的に設け、この供試体ブラケット51の先端(供試体T側の端部)に供試体取付面板52を一体的に設けている(図1参照)。この供試体取付面板52は防音箱7外に配置される。
【0024】
本実施形態の騒音試験装置Xは、駆動モータ1の回転軸11と、中間軸2のうち駆動モータ1側の端部とをカップリングCで接続するとともに、供試体Tの回転軸と、中間軸2のうち供試体T側の端部とをカップリングCで接続し、供試体Tを供試体取付面板52に固定している。なお、カップリングCは、連結すべき二軸の僅かなずれを効果的に吸収して、ずれに起因して発生する振動等を抑制するために使用している。
【0025】
ここで、図1に示すように、供試体取付面板52が防音箱7外に露出した状態となる。したがって、駆動モータ1を駆動させて供試体Tに試験負荷を与えている状態において、回転する中間軸2を支持する中間軸受3が振動した場合、その振動が供試体ブラケット51及び供試体取付面板52に伝播し、防音箱7外にある供試体取付面板52から騒音が生じ得る。この騒音を、供試体Tの騒音を測定するために防音箱7外における所定箇所(供試体Tの近く)に設けた図示しないマイクが拾えば、当然のことながら供試体T単独の騒音を正確に測定することができず、試験精度が低下する。
【0026】
そこで、本実施形態では、中間軸受3と台座4との間に粘土状物質8を介在させている。ここで、粘土状物質8は、有機繊維、固形粒子、両者の混合物を主な成分とし、これらをオイルなどの不乾性流体を使って混合粘成させたものであり、減衰を得たい温度において粘着性、可塑性を有する。本実施形態では、固形粒子として粒径サイズが5μm以下の物質を適用している。具体例としては、タルク、炭酸カルシウム、ケイ酸塩鉱物類(方解石、苦灰石、長石など)、エポキシ、ウレタン樹脂などのプラスチックアルミ、銅などの金属粒子等を挙げることができる。また、有機繊維としては、パルプなど木質繊維を粉砕したものを挙げることができる。また、オイルとしては、ポリブテン樹脂、シリコン樹脂など、減衰を得たい温度において蒸発が少なく安定しているものを挙げることができる。
【0027】
本実施形態では、減衰を得たい温度において針入度(JIS K2207 50g)が30乃至120(望ましくは40乃至90)程度となるように粘成された粘土状物質8を適用している。
【0028】
本実施形態では、制振対象である中間軸受3と、制振対象を拘束する拘束部材である台座4との間に0.1mm乃至1mmの隙間(ギャップ)を形成し、この隙間に振動を減衰する粘土状物質8を充填している。
【0029】
また、本実施形態では、図1に示すように、中間軸受3と台座4との間に0.1mm乃至1mm程度の隙間を確保するために、中間軸受3と台座4との間に部分的にスペーサSを設けている(なお、図2ではスペーサSを便宜上省略している)。スペーサSを配置する箇所は特に限定されることはないが、本実施形態では、中間軸受3の鍔部32のうち平面視において上述のボルト挿通孔33を形成した部分と重なり得る位置にスペーサSを設けている。そして、各スペーサSに形成したボルト挿通孔Saと鍔部32のボルト挿通孔33とが連通し得るように設定している。
【0030】
粘土状物質8を介して中間軸受3を台座4にセッティングするには、台座4に中間軸受3を載置する前に、所定箇所にスペーサSを配置した台座4の上面に所望の特性に粘成された粘土状物質8を敷き詰める。次いで、中間軸受3を、鍔部32のボルト挿通孔33と、各スペーサSのボルト挿通孔Saとが一致するように粘土状物質8を敷き詰めた台座4上に載置し、鍔部32のボルト挿通孔33及びスペーサSのボルト挿通孔Saに挿入したボルトBを台座4(図示例では台座4の天板の下向き面に配置したナットN)に固定する。この固定状態では、中間軸受3と台座4との隙間(ギャップ高さ)をスペーサSによって所望の値に保持(維持)することができるとともに、中間軸受3及びスペーサSが台座4に対して水平方向に相対移動することを防止し、これら中間軸受3、スペーサS及び台座4の相対位置を保持(維持)することができる。
【0031】
供試体Tは、防音箱7側の端面を直接または適宜のスペーサを介して供試体取付面板52の端面に押し当てた状態で適宜の固定手段(図示しないボルト等)によって供試体取付面板52に固定している。
【0032】
このようにして、中間軸受3と台座4との間に粘土状物質8を介在させているため、駆動モータ1で供試体Tに試験負荷を与えた場合に、中間軸受3が振動するが、その振動を粘土状物質8の減衰作用及び可塑性によって吸収することができる。したがって、中間軸受3の振動が台座4に伝播することを防止・抑制することができる。また、粘土状物質8によって中間軸受3自体の振動を抑制することによって、供試体ブラケット51及び供試体取付面板52に中間軸受3の振動が伝播することも防止・抑制することができる。供試体取付面板52は防音箱7外に配置されているため、この供試体取付面板52に中間軸受3の振動が伝播した場合には、その振動に起因する騒音が防音箱7外で生じるが、本実施形態では、上述したように、供試体取付面板52から騒音が生じる事態を防止・抑制することができ、供試体Tの騒音試験の精度を高めることができる。
【0033】
また、本実施形態では、ベース6のうち供試体T側の一部が防音箱7外に露出した状態となり、ベース6の振動に起因する騒音が防音箱7外に生じるおそれもある。そこで、本実施形態では、ベース6と床面Fとの間に粘土状物質9を介在させている。粘土状物質9をベース6のうちで最も振動し得る外縁部に配置することによって、ベース6の振動が床面Fに伝播することを防止・抑制することができる。また、ベース6と床面Fとの間に粘土状物質9とともに防振ゴムGを配置すればベース6の振動が床面Fに伝播する事態をより確実に防止・抑制することができる。また、防振ゴムGをスペーサSとして機能させることにより、ベース6と床面Fとのに粘土状物質9を介在させる隙間を確保することができ、好適である。この粘土状物質9の特性は中間軸受3と台座4との間に介在させた粘土状物質8の特性と同一または略同一である。
【0034】
図3に、同一試験条件下(駆動モータ1の回転速度が2000r/min)で本実施形態に係る自動車用騒音試験装置X、及び従来の自動車用騒音試験装置を運転した際の所定の騒音評価点(防音箱7外の評価点)における音圧レベル(騒音レベル)を示す(実線が本実施形態の試験装置Xの音圧レベルを示し、破線が従来の試験装置Xの音圧レベルを示す)。同図からも明らかなように、本実施形態に係る自動車用騒音試験装置Xでは、従来の試験装置よりも音圧レベルの起伏が小さい。これは、本実施形態の試験装置Xを運転した場合に、防音箱7外で生じ得る騒音(防音箱7内の部材の振動に起因して生じ得る騒音)を可及的に防止・抑制していることを意味する。
【0035】
このように、本実施形態の試験装置Xは、中間軸受3と台座4との間に粘土状物質8を介在させた拘束型制振構造を採用しているため、中間軸2の回転動作中に、中間軸2の回転動作に起因して、中間軸受3のうち粘土状物質8に接触している面と、台座4のうち粘土状物質8に接触している面との間がずれ剪断変形した場合に、粘土状物質8によって減衰を与えることによって中間軸受3は制振される。その結果、中間軸受3の振動が台座4や供試体取付面板52に伝播することを好適に防止・抑制することができ、中間軸受3の振動に起因する騒音が供試体取付面板52を通じて防音箱7外に生じるという事態を防止・抑制することができる。しかも、本実施形態の試験装置Xは、供試体ブラケット51及び供試体取付面板52とを用いて構成した供試体取付部5を中間軸受3に一体的に設けているため、供試体取付面板52にセッティングした供試体Tの回転軸と駆動モータ1の回転軸11とを中間軸2を介して同軸上に接続する軸合わせ作業も容易に行うことができる。また、粘土状物質8の減衰作用及び可塑性により、中間軸受3の振動が止まった状態で、その時点の形状を保つことができ、安定した状態で中間軸受3を支持することもできる。
【0036】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、台座4の上面に粘土状物質8を敷き詰めた状態で、台座4上に中間軸受3を載置してこれら台座4との中間軸受3との間に粘土状物質8の層を形成する態様を例示したが、台座4の上面に粘土状物質を紐状にして配置した状態で、台座4上に中間軸受3を載置してこれら台座4と中間軸受3との間で紐状の粘土状物質81(以下では「紐状粘土状物質81」と称する場合もある)を押し潰して、台座4と中間軸受3との間に所望の厚みを有する粘土状物質8を形成することも可能である。
【0037】
例えば、図4及び図5(図4は台座4上に紐状粘土状物質81を載置した状態の平面模式図であり、図5は図4のA方向矢視図である)に示すように、台座4上に、紐状にした粘土状物質81を配置する紐状粘土配置領域41と、紐状粘土状物質81を配置せず外部空間に連通する自由領域42とを設定し、押出機等の適宜の手段を用いて紐状にした粘土状物質81を紐状粘土配置領域41に載置する。図4及び図5では、略直線状をなす複数の紐状粘土配置領域41を、台座4上における所定方向に等間隔で設定した態様を例示している。ここで、紐状にした粘土状物質81を所定の厚さまで押し潰した場合に、隣り合う紐状粘土配置領域41に配置されて押し潰される粘土状物質81同士が高さ方向に相互に重なり合わない(オーバーラップしない)ように紐状粘土配置領域41を設定することが好ましい。
【0038】
また、台座4上の自由領域42には、台座4と中間軸受3とのギャップ高さに相当する高さ寸法を有するスペーサSを配置する。スペーサSを固定する位置は自由領域42上であれば特に限定されないが、図示例では、平面視略矩形状をなす台座4の四隅近傍であって且つ紐状粘土配置領域41に挟まれ得る位置にスペーサSを配置している。
【0039】
そして、紐状にした粘土状物質81(押し潰される前の粘土状物質81)の高さ寸法をスペーサSの高さ寸法よりも大きく設定しておき、台座4と中間軸受3との間で紐状の粘土状物質81を押し潰すことにより、紐状粘土配置領域41上で押し潰された粘土状物質8は、自由領域42にも押し広げられて行き渡る(図6及び図7参照、なお図6は台座4と中間軸受3との間で紐状の粘土状物質81を押し潰した状態の図5対応図であり、図7は図6のB−B線断面模式図である)。スペーサSに当接する位置まで中間軸受3を押し下げると、台座4と中間軸受3との間で紐状の粘土状物質81をスペーサSの高さ寸法に相当する厚みまで押し潰すことができ、台座4と中間軸受3との間には、スペーサSによって規定する所定のギャップ高さに相当する厚みの粘土状物質8を形成することができる。なお、図7では、押し潰される前の紐状粘土状物質81を想像線で示している。
【0040】
なお、図6及び図7では、自由領域42を介して隣り合う紐状粘土配置領域41にそれぞれ配置した紐状の粘土状物質81が、台座4と中間軸受3との間で押し潰されてそれぞれ自由領域42に進入し、それぞれの進入端同士が自由領域42上で隙間なく当接している状態を示しているが、自由領域42上において紐状粘土状物質81の進入端同士の間に多少の隙間が形成されても構わない。すなわち、自由領域42の一部に粘土状物質8が行き渡っていない状態であっても、台座4上の大部分に粘土状物質8を充填することができれば、台座4上に粘土状物質8を隙間無く充填した場合と同様の効果、すなわち、中間軸2の回転動作中に、中間軸2の回転動作に起因して、中間軸受3のうち粘土状物質8に接触している面と、台座4のうち粘土状物質8に接触している面との間がずれ剪断変形した場合に、粘土状物質8によって減衰を付与することにより中間軸受3は制振され、結果的に中間軸受3から台座4や供試体取付部5への振動伝播が低減され、中間軸受の振動に起因する騒音が供試体取付面板52を通じて防音箱7外に生じるという事態を防止・抑制することができるとともに、粘土状物質8の減衰作用及び可塑性により、中間軸受3の振動が止まった状態で、その時点の形状を保つことができ、安定した状態で中間軸受3を支持することもできるという効果を奏する。
【0041】
また、自由領域42に配置したスペーサSによって、紐状粘土状物質81が過度に潰され過ぎる事態を防止して中間軸受3と台座4との隙間(ギャップ高さ)を所望の値に保持(維持)することができる。さらに、例えば中間軸受3の鍔部に形成したボルト挿通孔に挿入したボルトを台座4に螺合(台座4に形成したネジ孔、あるいは台座4に設けたナットなどに螺合)させて固定する処理に伴って、台座4と中間軸受3との間で粘土状物質8を押し潰すようにすれば、粘土状物質8の押潰処理をスムーズ且つ的確に行うことができる。そして、ボルトを介して中間軸受3及び台座4を一体的に固定した状態では、中間軸受3及びスペーサSが台座4に対して水平方向に相対移動することがなく、これら中間軸受3、スペーサS及び台座4の相対位置を保持(維持)することができ、中間軸受3を介した駆動モータ1の回転軸11と供試体Tの回転軸との同軸同心度のずれ(芯ずれ)を防止することができる。したがって、芯ずれが生じた場合であれば起こり得る不具合、すなわち、回転時に芯ずれに起因する余計な振動が中間軸受3や駆動モータ1の回転軸11、供試体Tの回転軸に発生し、騒音や寿命低下を招来するという不具合を防止・抑制することができる。なお、台座4と中間軸受3との間で押し潰されて台座4や中間軸受3からはみ出した粘土状物質8はスクレーパ等の適宜の工具を用いて除去すればよい。
【0042】
図4及び図5では、相互に分離した複数の紐状粘土配置領域41にそれぞれ1本の紐状粘土状物質81を配置した態様を例示したが、1つの紐状粘土配置領域41に複数本の紐状粘土状物質81を並べて配置することもできる。また、台座4上に並ぶ紐状粘土配置領域41同士の間隔を不均等に設定したり、自由領域42を介して隣り合う紐状粘土配置領域41の長手方向が相互に平行ではない関係に設定してよい。さらに、紐状粘土配置領域41を直線状ではなく、曲線状(部分円弧状や部分楕円形状)や螺旋状(渦巻き状)に設定しても構わない。これら何れの態様でも、平面視において自由領域42が紐状粘土配置領域41により完全に囲まれないように設定すること、言い換えれば自由領域42を外部空間に連通させていることが重要である。これは、台座4と中間軸受3との間で紐状粘土状物質81を押し潰す過程で、粘土状物質8が自由領域42に存在する空気を自由領域42外へ押し出せるようにするためである。仮に、自由領域42が紐状粘土配置領域41や台座4上の他の部材などによって完全に囲まれ、外部に連通していなければ、台座4と中間軸受3との間で押し潰されて自由領域42に進入しようとする粘土状物質8の進入動作が、自由領域42内に滞留する空気(自由領域42外へ放出できない空気)によって妨げられ、所望の厚みまで押し潰すことができない事態が生じ得る。この場合、中間軸受3が粘土状物質8にのみ接触してスペーサSの上面に当接しない状態、つまり、中間軸受3と台座4とのギャップ高さがスペーサSによって規定される所定のギャップ高さとは異なる状態になるおそれがある。
【0043】
また、図5では、紐状粘土状物質81として、断面形状がほぼ円形のものを示したが、断面形状がほぼ楕円形のものや、多角形状であってもよい。特に、断面形状をほぼ四角形状に設定した紐状粘土状物質81は、「帯状粘土状物質」と表現した方が適切だが、これは表現上の問題に過ぎない。すなわち、本発明における「紐状」は、帯状や線状など長手方向が一義的に決められる長尺形状全般を包含する。
【0044】
さらには、自由領域42を介して隣り合う紐状粘土配置領域41の間隔を比較的広く設定した場合や、紐状にした粘土状物質81の高さ寸法が所定値よりも小さい場合には、紐状粘土配置領域41上に複数の紐状粘土状物質81を積み重ね、これら積み重ねた紐状粘土状物質81を台座4と中間軸受3との間で押し潰すように構成することもできる。
【0045】
以上に詳述したように、紐状粘土配置領域41に載置した紐状粘土状物質81を台座4と中間軸受3との間で押し潰して、紐状粘土配置領域41の全部及び自由領域42の全部又は一部を粘土状物質8で埋めるようにすれば、例えば、予め台座と中間軸受とのギャップ寸法よりも大きい厚み寸法で上面を精度高く平らに潰した粘土状物質を台座上に敷き詰め、さらにローラ等の工具で粘土状物質を伸ばすことによって、台座と中間軸受との間に粘土状物質を形成する態様と比較して、予め粘土状物質の上面を精度高く平らに形成する(潰す)作業や、ローラ等の工具で粘土状物質を伸ばす作業が不要であり、作業性において有利である。特に、流動性が皆無またはほぼ皆無であって流動抵抗が極めて高い粘土状物質は薄くなるほど流動抵抗が高くなり、予め台座4上全体に敷き詰めた粘土状物質を例えば1mm以下などの所定値以下に薄く押し潰すために必要な力が増大し、所定値の厚みに到達するまで押し潰すことが極めて困難になり、その結果、粘土状物質の厚みにムラが生じ、所望の制振性能を得ることができないおそれがある。しかしながら、外部空間に連通する自由領域42を介して隣り合う紐状粘土配置領域41に載置した紐状粘土状物質81を台座4と中間軸受3との間で押し潰す構成を採用すれば、粘土状物質8を自由領域42にまで押し広げることができ、紐状粘土配置領域41の全部及び自由領域42の全部又は一部を埋める粘土状物質8を所定値の厚みに到達するまで簡単且つスムーズに押し潰すことができる。その結果、粘土状物質8の厚みにムラが生じる事態を防止・抑制することができ、台座4と中間軸受3との間に介在する粘土状物質8によって所望の制振性能を得ることができる。さらに、台座上に予め平らに形成した(潰した)粘土状物質を配置することによって中間軸受と台座との間に粘土状物質を介在させる構成であれば、手や治具などで粘土状物質を押し付けて中間軸受や台座に対面する平らな面を作る作業によって、押し付けた痕が凹凸形状として粘土状物質に残り、このような凸形状が残ったままの粘土状物質を中間軸受と台座との間に挟み込んだ場合には、中間軸受と粘土状物質との間や台座と粘土状物質との間に、粘土の凹凸に起因した隙間が残り、中間軸受や台座に対する粘土状物質の密着面積がその隙間分だけ狭くなり、制振能力の低下を招来し得る。これに対して、台座4上に、紐状にした粘土状物質81を配置する紐状粘土配置領域41と、紐状にした粘土状物質81を配置せず外部空間に連通する自由領域42とを設定し、紐状粘土配置領域41に配置した紐状の粘土状物質81を台座4と中間軸受3との間で押し潰すことによって、紐状粘土配置領域41の全域及び自由領域42の略全域に粘土状物質を充填する構成は、手や治具などで粘土状物質を押し付けて中間軸受や台座に対面する平らな面に施工する処理が不要であり、中間軸受3と粘土状物質8との間、及び台座4と粘土状物質8との間に、粘土状物質8の凹凸に起因した隙間が残らず、中間軸受3や台座4に対する粘土状物質8の密着面積を可及的に大きく確保することができ、制振能力低下を防止・抑制することができる。
【0046】
なお、台座と中間軸受との隙間、すなわち、粘土状物質を充填する高さ寸法(粘土状物質の厚み)は、上述した範囲(0.1mm乃至1mm)に限定されることはなく、適宜変更することができる。
【0047】
また、隙間を一定に保持するためのスペーサ、中間軸受及び台座の相対位置を保持する保持部材としてボルト以外の部材を用いてもよい。さらには、台座と中間軸受との間にスペーサを設けずに粘土状物質だけを介在させることもできる。
【0048】
また、供試体のサイズに応じて防音箱内の容積を拡縮可能に構成した試験装置であってもよい。防音箱内の容積拡縮を実現するための具体例としては、防音箱を、固定箱と、固定箱に対して入れ子状に進退動可能な可動箱とによって構成し、ベースの移動に連動して可動箱が固定箱に対して進退移動させたり、或いはベースを移動させることなく可動箱だけを固定箱に対して進退移動させる態様を挙げることができる。
【0049】
また、試験装置が、供試体(トランスミッション等)のトルクも計測するものである場合には、駆動モータと中間軸と間にカップリングを介してトルク計を設ければよい。
【0050】
また、供試体は自動車に用いる部材であればよく、パワートレイン以外のものであっても構わない。
【0051】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0052】
1…駆動モータ
2…中間軸
3…中間軸受
4…台座
41…紐状粘土配置領域
42…自由領域
5…供試体取付部
7…防音箱
8…粘土状物質
81…紐状にした粘土状物質
S…スペーサ
T…供試体
X…自動車用騒音試験装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
防音箱内に設けた駆動モータに、中間軸を介して自動車用回転体である供試体を防音箱外において接続し、前記駆動モータにより試験負荷を与えて前記供試体の騒音を測定する自動車用騒音試験装置であって、
前記中間軸を回転自在に支持する中間軸受に、前記供試体を取り付ける供試体取付部を一体的に設け、
前記中間軸受と当該中間軸受を支持する台座との間に、粘土状物質を介在させていることを特徴とする自動車用騒音試験装置。
【請求項2】
前記台座上に、紐状にした前記粘土状物質を配置する紐状粘土配置領域と、前記紐状にした粘土状物質を配置せず外部空間に連通する自由領域とを設定し、前記紐状粘土配置領域に配置した前記紐状の粘土状物質を前記台座と前記中間軸受との間で押し潰すことによって、前記紐状粘土配置領域の全域及び前記自由領域の略全域に前記粘土状物質を充填した請求項1に記載の自動車用騒音試験装置。
【請求項3】
前記自由領域に、前記台座と前記中間軸受とのギャップ高さに相当する高さ寸法を有するスペーサを配置している請求項2に記載の自動車用騒音試験装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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