説明

自動車積載消防機器昇降装置

【課題】梯子または救命道具入等を自動車の前後方向方向に水平移動するとともに、自動的に回動させることができる自動車積載消防機器昇降装置を提供する。
【解決手段】消防機器12を消防自動車11の前後方向に移動させるスライド機構14、モータにより回転する回転軸と、前記回転軸の回転により左右方向に移動するスライダー144とから構成されている。前記スライド機構の上部に設けられたベット13は、前記スライダーの移動によって水平方向に移動が可能である。また、前記ベットは、前記消防機器を乗せた状態で垂直方向に回動できる。アーム17に回動自在に連結されているベットは、前記スライダーの移動により、ヒンジ16、第1回動軸171、第2回動軸172を中心に回動する。前記ベットの上に取り付けられている消防機器は、前記ベットの回動により、ほぼ垂直状態になり、取り外しが容易にできる位置に停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消防自動車における積載梯子または救命道具入等の大型部材を狭い道路内においても、消防自動車の長さ方向に容易に着脱ができる自動車積載消防機器昇降装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、消防自動車に積載される梯子は、車のボディーの側部高所(最上部)に設けられたフック状の取付金具に掛け止められていた。また、特開平8−155049号公報に記載されている消防自動車は、車のボディー側部に回動軸を配設している。前記回動軸は、ボディー側面と直交する面内で旋回する回動アームを有し、基端を回動軸に止着している。前記回動アームの先端部は、梯子載置台を設け、前記回動軸にロータリアクチュエータを接続し、前記ロータリアクチュエータの駆動により、回動軸を回動して、前記梯子台を消防車ボディー上部の収納位置と下部の出入位置との間に昇降させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−155049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公開公報に記載されている消防自動車は、梯子を取り付ける載置台が車の左右方向に回動する回動軸によって取り付けられている。前記消防自動車は、たとえば、道幅の狭い道路に入った場合、梯子が載置されている載置台を回動させることができなくなるという問題を有していた。
【0005】
以上のような課題を解決するために、本発明は、消防機器を自動車の前後方向方向に水平移動するとともに、前後方向に自動的に回動させることにより、狭い路地であっても、簡単に、前記消防機器を着脱することができる自動車積載消防機器昇降装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(第1発明)
第1発明の自動車積載消防機器昇降装置は、自動車に積載した消防機器を長さ方向に摺動するとともに、下部で回動することによって、着脱できるようにしており、モータの回転により回転する回転軸上に設けられたスライダーを左右方向に移動できるスライド機構と、前記消防機器を乗せた状態で、摺動および回動できる前記スライド機構の上に取り付けられたベットと、前記スライド機構の下部に設けられ、端部にヒンジを介して、回動自在に取り付けられているとともに、前記ヒンジと所定距離だけ離れた位置に設けられた第1回動軸を備えたベースと、1端が前記ベースに設けられた前記第1回動軸に回動自在に取り付けらているとともに、他端が前記ベットに回動自在に取り付けられている第2回動軸を備えたアームと、前記アームの他端に設けられた第2回動軸をスライド移動できる溝を備えたガイド機構とから少なくとも構成されている。
【0007】
(第2発明)
第2発明の自動車積載消防機器昇降装置において、前記スライド機構と前記ガイド機構の着脱は、前記スライド機構に回動自在に取り付けられ、着脱が可能な上向き方向に開孔を有するフックと、前記フックが着脱する前記アームの他端に設けられた前記第2回動軸からなるガイドローラとから少なくとも構成されていることを特徴とする。
【0008】
(第3発明)
第3発明の自動車積載消防機器昇降装置において、前記フックは、上向きの開口部を備えており、前記開口部により前記ガイドローラと着脱が可能になることを特徴とする。
【0009】
(第4発明)
第4発明の自動車積載消防機器昇降装置において、前記ガイド機構は、前記フックを上向きに回動させる傾斜面と、前記ガイドローラと係合する係合状態を維持するスライドパッドとから構成されていることを特徴とする。
【0010】
(第5発明)
第5発明の自動車積載消防機器昇降装置において、前記ベットに設けられているダンパーは、消防機器本体の重量によって長さが短縮するとともに、軟停止するものであることを特徴とする。
【0011】
(第6発明)
第6発明の自動車積載消防機器昇降装置において、前記ベットおよびダンパーの軸中心は、軸中心が同じ位置にあることを特徴とする。
【0012】
(第7発明)
第7発明の自動車積載消防機器昇降装置において、前記フック、ガイド機構、スライドガイド、およびアームは、左右対になって構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、消防自動車が狭い路地に入った場合であっても、梯子または救命道具入等を前記消防自動車の前後方向に移動するとともに、自動的に回動できるため、消防自動車の後方から容易に着脱できる。
【0014】
本発明によれば、スライド機構、前記スライド機構の上部に設けられたベット、前記ベット上に取り付けられた梯子または救命道具入等、前記スライド機構を保持するベース、前記ベットを上昇させるアーム、前記アームを回動するガイド機構等を巧みに組み合わせて、移動可能にすることにより、狭い場所であっても、梯子または救命道具入等を消防自動車の前後方向に容易に着脱させることができる。
【0015】
本発明によれば、スイラダーに設けられたフックと、前記フックの形状、ガイド機構に設けられたガイドローラ、スライドパッドの傾斜面の形状を工夫することにより、消防自動車の前後方向における梯子または救命道具入等の着脱を巧みに行うことができる。
【0016】
本発明によれば、スライダーパッドに傾斜面を設けることにより、前記フックを容易に着脱することができる。
【0017】
本発明によれば、自動車積載消防機器昇降装置の中心軸を同じ位置とするとともに、左右対照に一対設けることにより、梯子または救命道具入等の水平移動、水平移動のバランス、回動をスムーズに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】消防自動車が梯子を収納した状態を説明するための全体正面図である。(実施例1)
【図2】積載された梯子を回転させながら、消防自動車の後方に下ろす状態を説明するための全体正面図である。
【図3】消防自動車に梯子を収納して積載した状態を説明するための正面図である。
【図4】消防自動車に積載した梯子を後方に移動させた状態を説明するための正面図である。
【図5】ベースに取り付けられたアームを回転させて、梯子を後方に回動させる状態を説明するための正面図である。
【図6】ベースに取り付けられた梯子を下方に移動させる状態を説明するための正面図である。
【図7】消防自動車に梯子を収納した状態を説明するための平面図である。
【図8】(イ)および(ロ)は、消防自動車のベットを説明するためのもので、図3におけるA−AおよびB−B断面図である。
【図9】フック、ガイドローラ、およびスライドパッドの係合および離脱状態を説明するための正面拡大図である。
【図10】スライダー、アーム、およびスライド溝等の動きを説明するための正面拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1発明)
第1発明の自動車積載消防機器昇降装置は、消防自動車に積載した消防機器、たとえば、梯子、救命道具入等を長さ方向に摺動しながら移動した後、自動的に回動して消防自動車から着脱が容易にできる構造のものであり、狭い路地であっても、前記消防自動車の後方において、前記消防機器を自在に着脱できるようになっている。前記自動車積載消防機器昇降装置は、前記消防機器を消防自動車の前後方向に移動させるスライド機構と、前記スライド機構の上部に設けられたベットと、前記ベット上に取り付けられた消防機器、たとえば、梯子、救命道具入等と、前記スライド機構を保持するベースと、前記ベットを上昇させるアームと、前記アームを回動するガイド機構とから少なくとも構成されている。
【0020】
前記スライド機構は、たとえば、モータと、前記モータにより回転する回転軸と、前記回転軸の回転により左右方向に移動するスライダーとから構成されている。前記ベットは、前記スライダーの移動によって水平方向に移動が可能である。また、前記ベットは、前記消防機器を乗せた状態で垂直方向に回動できる。前記ベースは、前記スライド機構の下部に設けられている。前記ベースは、消防自動車の上に固定されている。前記スライド機構は、前記ベースの一方の端部に設けられたヒンジを介して、ほぼ90度回動自在に取り付けられている。また、前記ベースは、前記ヒンジと所定距離だけ離れた位置に設けられた第1回動軸を備えている。
【0021】
前記アームの1端は、前記ベースの第1回動軸に回動自在に取り付けらている。また、前記アームの他端は、前記ベットに回動自在に取り付けられている、たとえば、ガイドローラからなる第2回動軸を備えている。前記ガイド機構は、前記アームの他端を前記第2回動軸の回動によって、回動しながらスライド移動ができるスライド溝を備えている。前記消防機器は、スライド機構によって駆動され、前記ベット上に取り付けられた状態で、消防自動車の後方に移動する。その後、前記ベットは、前記アームと連結される。前記アームは、スライダーの移動、第1回動軸、第2回動軸により、回動を開始する。前記アームに回動自在に連結されているベットは、前記スライダーの移動により、前記ヒンジ、第1回動軸、第2回動軸を中心に回動する。前記ベットの上に取り付けられている消防機器は、前記ベットの回動により、ほぼ垂直状態になり、取り外しが容易にできる位置に停止する。
【0022】
(第2発明)
第2発明の自動車積載消防機器昇降装置において、前記スライド機構と前記ガイド機構の着脱は、前記フックと、前記ガイドローラの係合によって行われる。前記スライド機構は、フックが回動自在に取り付けられており、前記アームの他端に設けられた前記第2回動軸からなるガイドローラに着脱が可能な上向き方向に開孔を有する。
【0023】
(第3発明)
第3発明の自動車積載消防機器昇降装置において、上向きの開口部を備えているフックは、前記開口部により前記ガイドローラと係合および離脱が可能なような形状になっている。また、前記フックは、自重または付勢により下方向に常時回動するような形状とすることが望ましい。
【0024】
(第4発明)
第4発明の自動車積載消防機器昇降装置において、前記フックとガイド機構は、前記ガイドローラとがスライドパッドの傾斜面の助けにより、係合または離脱できるようになり、着脱を容易にしている。前記フックは、前記スライド機構の上部に配置されているスライドパッド上に設けられている上り傾斜面によって自動的に上向きの開口部と前記ガイドローラとが係合し、前記傾斜面を降りる際に、離脱するような構成になっている。前記フックは、前記開口部と反対側に傾斜部を設けることができる。前記傾斜部は、前記スライドパッドの傾斜面と協働することにより、前記フックとスライド機構との係止および離脱をスムーズにすることが可能になった。
【0025】
(第5発明)
第5発明の自動車積載消防機器昇降装置におけるダンパーは、消防機器を回転して、縦方向に向けた際に、前記消防機器自体の重量によって、長さを短縮するとともに、前記消防機器の下方向への力が極端にかからないように軟停止できるような構造のものである。前記消防機器は、前記ダンパーが無い場合、ベットの取り付け部に極端に力が加わり、一部を破壊する恐れがある。前記自動車積載消防機器昇降装置は、前記ダンパーにより、前記破壊から保護するようにできている。
【0026】
(第6発明)
第6発明の自動車積載消防機器昇降装置におけるベットおよびダンパーは、軸中心を同じ位置にしている。また、前記ダンパーは、前記消防機器の重量を支える必要があるため、ベットと同じ軸中心とすることが望ましい。
【0027】
(第7発明)
第7発明の自動車積載消防機器昇降装置におけるフック、ガイド機構、スライドガイド、およびアームは、中心軸を中心にして、左右が一対になって構成されている。前記構成は、重量のある消防機器を水平移動および回転移動をさせる際に、安定した動きを行わせることができる。
【実施例1】
【0028】
図1に示す自動車積載消防機器昇降装置は、消防自動車が梯子を収納した状態を説明するための全体正面図である。図2は積載された梯子を回転させながら、消防自動車の後方に下ろす状態を説明するための全体正面図である。図3は消防自動車に梯子を収納して積載した状態を説明するための正面図である。図1から図3において、消防自動車11は、ベース15と、前記ベース15上に取り付けられ、左右方向に摺動できるスライド機構14と、前記スイラド機構14上に取り付けられたベット13と、前記ベット13上に取り付けられた梯子12とから少なくとも構成されている。
【0029】
ベット13は、ダンパー131、スライドガイド132、フック133、スライド溝付きアーム受(ガイド機構)134、スライドパッド135から少なくとも構成されており、後述のスライド機構14の上に設けられている。前記ダンパー131およびスライドガイド132は、前記ベット13に梯子12を取り付け、回転後下方に下ろす際の力を受けるとともに、前記梯子12をガイドするものである。前記フック133は、後述するアーム17およびガイド機構134とともに係合および/または離脱を容易にするものである。前記ダンパー131およびスライドガイド132は、構造が詳述されていないが、既製のものであり、前記ベット13の移動を安定に、しかも、衝撃を和らげる構造のものであれば、限定されない。
【0030】
前記スライダー144は、モータ142の回転により回転するネジ棒141に取り付けられており、図の左右方向に移動可能な状態になっている。前記スライダー144は、ベース15の上に設けられている。ベース15は、一端にヒンジ16が、また、前記ヒンジ16と所定距離離れた位置に第1回動軸171を備えたアーム17が設けられている。前記アーム17は、第1回動軸171の反対側に第2回動軸となるガイドローラ172が設けられている。
【0031】
前記スライド機構14は、たとえば、モータ142と、前記モータ142により回転するネジ棒141と、前記ネジ棒141を回転状態で受けるスライダー軸受143とから少なくとも構成されている。前記ネジ棒141の回転は、スライダー144を左右方向に移動させることができる。前記ベット13は、前記スライダー144の移動によって水平方向に移動が可能である。また、前記ベット13は、前記消防機器(たとえば、梯子12)を乗せた状態で垂直方向に回動できる。前記ベース15は、前記スライド機構14の下部に設けられている。なお、梯子12は、前記ベット13に固定される状態が省略されている。
【0032】
前記ベース15は、消防自動車11の上に固定されている。前記スライド機構14は、前記ベース15の一方の端部に設けられたヒンジ16を介して、回動自在に取り付けられている。また、前記ベース15は、前記ヒンジ16と所定距離だけ離れた位置に設けられた第1回動軸171を備えている。
【0033】
前記アーム17の他端に設けられたガイドローラ(第2回動軸)172は、前記ベット13に設けられているスライド溝付きアーム受134に回動自在に取り付けられている。前記ガイドローラ172は、前記スライダー144の移動(図の左側から右側へ)により、前記第2回動軸172がスライド溝付きアーム受134の中を移動しながら、前記アーム17の角度を右側に回動させる。前記消防機器(梯子12)は、スライド機構14によって駆動され、前記ベット13上に取り付けられた状態で、消防自動車11の後方に回動する。
【0034】
前記ベット13は、前記梯子12が取り付けられた状態で、スライダー144の移動、第1回動軸171、アーム17、第2回動軸172により、回動を開始する。前記アーム17に回動自在に連結されているベット13は、前記スライダー144の回動により、前記ヒンジ16およびアーム17により回動する。前記ベット13の上に取り付けられている消防機器12は、前記ベット13の回動により、ほぼ垂直状態になり、取り外しが容易にできる位置に停止する。前記自動車積載消防機器昇降装置は、消防自動車11に積載した梯子12を長さ方向に摺動しながら移動した後、自動的に回動して消防自動車11から前記梯子12の着脱を容易にできる構造であるため、狭い路地において、前記消防自動車11の後方に前記消防機器12等を自在に着脱できる。
【0035】
図4は消防自動車に積載した梯子を後方に移動させた状態を説明するための正面図である。図5はベースに取り付けられたアームを回転させて、梯子を後方に回動させる状態を説明するための正面図である。図6はベースに取り付けられた梯子を下方に移動させる状態を説明するための正面図である。図4から図6において、図4に示す梯子12は、スライダー144の右方向への移動により、ベット13とともに移動する。図5に示す梯子12は、スライダー144の右方向への移動と、ヒンジ16およびアーム17により傾斜した状態を示す。図5に示す梯子12は、さらに、回転した状態であり、自重によりスライドパッド135およびダンパー131により、ゆっくり下方に落下するようになっている。
【0036】
図7は消防自動車に梯子を収納した状態を説明するための平面図である。図7において、ダンパー131は、梯子12を回転して、縦方向に向けた際に、前記梯子12自体の重量によって、長さを短縮させるとともに、前記梯子12の下方向への力が極端にかからないように軟停止できるような構造のものである。前記ダンパー131が無い場合、前記梯子12は、ベット13の取り付け部に極端に力が加わり、一部を破壊する恐れがある。
【0037】
前記ダンパー131は、ベット13の軸中心と同じ位置に設けられている。また、前記ダンパー131は、前記梯子12の重量を支える必要があるため、両側にスライドガイド132が設けられている。
【0038】
図8(イ)および(ロ)は、消防自動車のベットを説明するためのもので、図3におけるA−AおよびB−B断面図である。図8(イ)において、スライダー機構14は、側部両端が互いに向き合ったコ字型になっており、その内部に走行ローラ81が設けられており、前記ベット13に取り付けられている梯子12の移動を少ない力で容易にしている。また、前記スライダー機構14は、長手端部にストッパー82が設けられており、前記梯子12の重さによる衝撃を和らげるためのものである。前記スライダー機構14は、ベース15上に設けられているとともに、中心枠83によって、所要の強度を備えている。
【0039】
図9はフック、ガイドローラ、およびスライドパッドの係合および離脱状態を説明するための正面拡大図である。図9において、スライド機構14は、スライダー144にフック133が回動自在に取り付けられている。前記フック133は、図示の方向に回動自在であるとともに、底部にテーパー1332および先端上部に上向きの開口1331を備えている。また、前記フック133、ガイド機構134、およびアーム17等は、中心軸を中心にして、左右が一対になって構成されている。前記構成は、重量のある梯子等を水平移動および回転移動をさせる際に、安定した動きを行わせることができる。
【0040】
前記フック133は、前記スライダー144の上部に配置されているスライドパッド135上に設けられている上り傾斜面136によって自動的に上向きの開口部1331と前記ガイドローラ(第2回動軸)172とが係合し、前記傾斜面136を降りる際に、離脱するような構成になっている。前記フック133は、前記開口部1331と反対側(下部)に傾斜部1332を設けることができる。前記傾斜部1332は、前記スライドパッド135の傾斜面136と協働することにより、前記フック133とガイドローラ172との係止および離脱をスムーズにすることができる。
【0041】
図10はスライダー、アーム、およびスライド溝等の動きを説明するための正面拡大図である。図10において、スライダー144の右方向の動きは、スライドパッド135の傾斜部1332の助けにより、フック133と前記ガイドローラ(第2回動軸)172との係止を容易にする。前記スライダー144は、さらに、右方向に移動することにより、図9に示すように、前記アーム17を回動させ、梯子12を水平方向からほぼ垂直方向に移動させる。
【0042】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではない。そして、本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。本発明の基本的機構以外の部分は、周知または公知の技術によって変えることができる。本発明のダンパー、スライドガイド、スライダー、ベット、ベース、および梯子(消防機器)は、公知のものに代えることができる。
【符号の説明】
【0043】
11・・・消防自動車
12・・・梯子(消防機器)
13・・・ベット
131・・・ダンパー
132・・・スライドガイド
133・・・フック
1331・・・開口
1332・・・テーパー
134・・・スライド溝付きアーム受(ガイド機構)
135・・・スライドパッド
136・・・傾斜面
14・・・スライド機構
141・・・ネジ棒
142・・・モータ
143・・・スライダー軸受
144・・・スライダー
15・・・ベース
16・・・ヒンジ
17・・・アーム
171・・・第1回動軸
172・・・第2回動軸(ガイドローラ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車に積載した消防機器を長さ方向に摺動するとともに、下部で回動することによって、着脱できる自動車積載消防機器昇降装置において、
モータの回転により回転する回転軸上に設けられたスライダーを左右方向に移動できるスライド機構と、
前記消防機器を乗せた状態で、摺動および回動できる前記スライド機構の上に取り付けられたベットと、
前記スライド機構の下部に設けられ、端部にヒンジを介して、回動自在に取り付けられているとともに、前記ヒンジと所定距離だけ離れた位置に設けられた第1回動軸を備えたベースと、
1端が前記ベースに設けられた前記第1回動軸に回動自在に取り付けらているとともに、他端が前記ベットに回動自在に取り付けられている第2回動軸を備えたアームと、
前記アームの他端に設けられた第2回動軸をスライド移動できる溝を備えたガイド機構と、
から少なくとも構成されていることを特徴とする自動車積載消防機器昇降装置。
【請求項2】
前記スライド機構と前記ガイド機構の着脱は、
前記スライド機構に回動自在に取り付けられ、着脱が可能な上向き方向に開孔を有するフックと、
前記フックが着脱する前記アームの他端に設けられた前記第2回動軸からなるガイドローラと、
から少なくとも構成されていることを特徴とする請求項1に記載された自動車積載消防機器昇降装置。
【請求項3】
前記フックは、上向きの開口部を備えており、前記開口部により前記ガイドローラと着脱が可能になることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された自動車積載消防機器昇降装置。
【請求項4】
前記ガイド機構は、前記フックを上向きに回動させる傾斜面と、前記ガイドローラと係合する係合状態を維持するスライドパッドとから構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載された自動車積載消防機器昇降装置。
【請求項5】
前記ベットに設けられているダンパーは、消防機器本体の重量によって長さが短縮するとともに、軟停止するものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載された自動車積載消防機器昇降装置。
【請求項6】
前記ベットおよびダンパーの軸中心は、軸中心が同じ位置にあることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載された自動車積載消防機器昇降装置。
【請求項7】
前記フック、ガイド機構、スライドガイド、およびアームは、左右対になって構成されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載された自動車積載消防機器昇降装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−143306(P2012−143306A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−2175(P2011−2175)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【出願人】(391043240)日本機械工業株式会社 (14)
【Fターム(参考)】