説明

自動車運搬船における車両管理装置

【課題】背打ち防止警報機能と、車両カウント機能と、速度制御警報機能という3つの機能を簡単な構成でもって発揮させる。
【解決手段】車両の通過を検出する第1〜第3のセンサー11〜13を、ランプウェイまたは船内車両通路に対し入庫方向に沿って間隔を存して順に設置する。第2のセンサー12は、第1および第3のセンサー11,13よりも高い位置に設置される。制御ユニット16は、第1〜第3のセンサー11〜13よりの信号を受け背打ち防止警報機能、カウント機能および速度制限警報機能を発揮する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車運搬船における車両管理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車運搬船は、船内に十数層の車両積載甲板を有し、約5000台の車両が積載/荷揚げされる。そして、船内に積載される車両台数の確認、あるいは船内から荷揚げされる車両台数の確認は、専ら作業員の目視確認によって行われていた。そのため、従来の車両台数の管理においては、目視確認をするための作業員が必要とされ、車両の搬出入口が複数箇所ある場合には複数人の作業員が必要となっていた。
【0003】
そこで、作業員によることなく管理できるように、ランプウェイ上に複数のテープスイッチを設け、そのテープスイッチを用いて車両の通過を検出し、車両の台数を正確にカウントできるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)
また、車両検出機構として、上下方向に間隔を置き複数の光学センサーを廃して構成されるゲートを、車両通過方向に間隔を置いて複数設け、車両の台数をカウントするだけでなく、車両が頭打ち(背打ち)するおそれがある場合には報知信号を出力するようにしたものも提案されている(例えば特許文献2参照)。
【0004】
さらに、自動車運搬船への自動車の積み込みにおいて、目的地表示盤や走行方向表示盤を用いて、目的地およびその目的地への最適順路を表示させ、自動車を誘導するようにしたものも提案されている(例えば特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−352968号公報
【特許文献2】特許第3088424号公報
【特許文献3】特開2001−253386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、自動車運搬船において、車両の積み降ろし時に、開発途上国などにおいては、技量の低さや船のデッキ配置の認識不足などのドライバー要因による事故が発生しており、自動車としての商品価値を喪失してしまう場合がある。
【0007】
そこで、発明者は、(i)そのような事故は、車両の走行速度が設定速度を超えないようにすれば、低減できること、(ii)そのような走行速度を検出する手段を、車両台数をカウントしたり背打ちを防止したりするのに利用できることに着想し、本発明をなしたものである。
【0008】
つまり、本発明は、共通のセンサーを用いるという簡単な構成でもって、車両の高さを検出し通行不可であることを警告する背打ち防止警報機能と、車両の通過およびその通過方向検出して車両台数をカウントする車両カウント機能と、ある設定速度を超える速度で走行する車両が進入した場合に警告する速度制御警報機能という3つの機能を発揮させるものである。
【0009】
この発明は、背打ち防止警報機能と、車両カウント機能と、速度制御警報機能という3つの機能を簡単な構成でもって発揮させることができる自動車運搬船における車両管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、船内のランプウェイまたは船内車両通路に沿って設置される自動車運搬船における車両管理装置であって、車両の通過を検出する第1〜第3のセンサーを有し前記第1〜第3のセンサーが前記ランプウェイまたは船内車両通路に対し入庫方向に沿って設置される第1〜第3のセンサーユニットと、前記第1〜第3のセンサーよりの信号を受け背打ち防止警報機能、カウント機能および速度制限警報機能を発揮する制御ユニットとを備え、前記第2のセンサーは、前記第1および第3のセンサーよりも高い位置に設置されることを特徴とする。
【0011】
このようにすれば、背打ち防止警報機能と、車両カウント機能と、速度制御警報機能という3つの機能を、第1〜第3のセンサーを有する第1〜第3のセンサーユニットを用いることで発揮させることができ、構成の簡略化が図れる。よって、背打ち防止警報機能と、車両カウント機能と、速度制御警報機能という3つの機能を簡単な構成でもって発揮させることができる。
【0012】
また、ユニット化しているので、移動可能であり、1つの装置で自動車運搬船を特定せずに使用することができる。
【0013】
請求項2に記載のように、前記制御ユニットは、前記第1および第3のセンサーからの信号を受け車両の通過および通過方向を検出する車両検出手段と、この車両検出手段よりの信号を受け入庫台数カウント手段および出庫台数カウント手段と、前記第2のセンサーからの信号を受け車両高さが設定高さ以上であることを検出する背打ち検出手段と、タイマーを有し第1および第3のセンサーからの信号を受け車両速度が設定速度以上であることを検出する速度検出手段とを備える構成とすることができる。
【0014】
このようにすれば、背打ち防止警報機能と、車両カウント機能と、速度制御警報機能という3つの機能を実現できる。
【0015】
つまり、天井高さの制限により背の高い車が進入不可であるのに進入してしまう事故を防ぐことによって、車両の商品価値を保つことができ、事故処理の時間も削減される(背打ち防止警報機能)。
【0016】
また、人手で行っていた、大量の車両を数える手間が省けることや、人員ミスによる積み忘れや降し忘れを防止することによって、港に戻る無駄な運搬費や労力を軽減することが可能である(カウント機能)。
【0017】
スピードの出し過ぎを抑制することにより事故原因を減らすことによって、車両の商品価値を保つことが可能である(速度制限警報機能)。
【0018】
この場合、請求項3に記載のように、前記背打ち検出手段は、前記第2のセンサーからの信号に加えて、第1及び第3のセンサーからの信号も受け、前記第1〜第3のセンサーからの信号を順に受けた後それらの信号を同時に受ける状態があるときに車両高さが設定高さ以上の車両であると検出するものであることが望ましい。
【0019】
このようにすれば、第1〜第3のセンサーからの信号を順に受けた後それらの信号を同時に受ける状態があるときに車両高さが設定高さ以上の車両であると検出することで、車両高さが設定高さ以上の車両をより正確に検出することができる。
【0020】
請求項4に記載のように、前記制御ユニットからの信号を受け、車両高さが設定高さ以上である場合に停止指示を表示する第1の表示盤ユニットと、前記制御ユニットからの信号を受け、車両速度が設定値以上である場合に減速指示を表示する第2の表示盤ユニットとを備えることが望ましい。
【0021】
このようにすれば、第1および第2の表示盤ユニットを、入庫方向側のドライバーが運転中に視認可能な位置に設けることで、ドライバーの注意を喚起することができる。
【0022】
請求項5に記載のように、前記制御ユニットには、電源としてのバッテリーユニットが接続されていることが望ましい。
【0023】
このようにすれば、電源もユニット化でき、1つの装置で自動車運搬船を特定せずに使用する上で有利となる。
【0024】
請求項6に記載のように、前記第1〜3のセンサーユニットは、それぞれ、前記第1〜第3のセンサーを構成する投光器および受光器と、前記投光器および受光器をそれぞれ所定の高さに位置するように支持し前記ランプウェイまたは船内車両通路の両側に互いに対向するように設置するためのセンサー取付台とを有し、前記第2のセンサーの投光器および受光器のセンサー取付台は、高さの調整が可能であることが望ましい。
【0025】
このようにすれば、センサー取付台を所定の位置に設置するだけであるので、各センサーを所定の高さに簡単に設置することができ、第2のセンサーについてはその設置高さを調整することができる。
【0026】
請求項7に記載のように、前記第1〜第3のセンサーの投光器は、投光器接続ボックスを介して前記制御ユニットに接続され、前記第1〜第3のセンサーの受光器は、受光器接続ボックスを介して前記制御ユニットに接続されることが望ましい。
【0027】
このようにすれば、前記第1〜第3のセンサーの投光器や受光器と、制御ユニットの接続構造が簡単になる。
【0028】
請求項8の発明は、船内のランプウェイまたは船内車両通路に沿って設置される自動車運搬船における車両管理装置であって、車両の通過を検出する第1〜第3のセンサーを有し前記第1〜第3のセンサーが前記ランプウェイまたは船内車両通路に対し入庫方向に沿って設置される第1〜第3のセンサーユニットと、前記第1〜第3のセンサーよりの信号を受け背打ち防止警報機能、カウント機能および速度制限警報機能を発揮する制御ユニットと、前記制御ユニットからの信号を受け、車両高さが設定高さ以上である場合および車両速度が設定値以上である場合に警告を表示する表示盤ユニットと、電源としてのバッテリーユニットとを備え、ユニット化により移動可能に構成されていることを特徴とする。
【0029】
このようにすれば、各構成要素をユニット化し、現地で接続して所定位置に設置するだけで装置化できるので、いずれの場所にも移動可能であり、1つの装置で自動車運搬船を特定せずに使用することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明は、以上のように構成したから、背打ち防止警報機能と、車両カウント機能と、速度制御警報機能という3つの機能を、3つのセンサー手段を用いる簡単な構成でもって行うことができる。また、ユニット化しているので、移動可能であり、1つの装置で自動車運搬船を特定せずに使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る自動車運搬船における車両管理装置の一実施の形態を示す説明図である。
【図2】前記装置の制御系のブロック図である。
【図3】第1〜第3のセンサーの取付位置の説明図である。
【図4】車両カウントについてのタイムチャート図である。
【図5】背打ち防止についてのタイムチャート図である。
【図6】背打ち防止についての別の実施例のタイムチャート図である。
【図7】背打ち防止についてのさらに別の実施例のタイムチャート図である。
【図8】センサーの入力モードのタイムチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態を図面に沿って説明する。
【0033】
図1および図2に示すように、自動車運搬船における車両管理装置1は、船内のランプウェイ2(または船内車両通路)に対し、自動車の積み降ろしの邪魔にならない設置される。
【0034】
この車両管理装置1は、入庫方向に沿って間隔を存して順に設置され車両の通過を検出する第1〜第3のセンサー11,12,13と、第1および第2のLED表示盤ユニット14,15と、マイコンを有する制御ユニット16と、電源となるバッテリーユニット17とを備える。
【0035】
各センサー11〜13は、ランプウェイ2を挟んで対向して設置される投光器11A,12A,13Aと受光器11B,12B,13Bとを有し、投光器11A〜13Aからの投光を受光器11B〜13Bが受光できる場合にはOFF信号が出力されるが、車両の通過により投光器11A〜13Aからの投光を受光器11B〜13Bが受光できない場合に、ON信号が出力されるようになっている。これらの信号は、投光器接続ボックス18や受光器接続ボックス19を介して制御ユニット16に送られる。なお、投光器11A〜13Aと受光器11B〜13Bとの間隔は、例えば4000mmとされる。
【0036】
各センサー11〜13の投光器11A〜13Aおよび受光器11B〜13Bは、それぞれ、センサー取付台21〜26によって支持され、設定高さに設置されるようになっている。この第1〜第3のセンサー11〜13とセンサー取付台21〜26とによって、第1ないし第3のセンサーユニットが構成される。
【0037】
第2のセンサー12の投光器12Aおよび受光器12Bのセンサー取付台22,25は、第1および第3のセンサー11,13のセンサー取付台21,23,24,26よりも高く、また、その高さを調整可能となっている。例えば第1および第3のセンサー11,13を構成する投光器11A,13Aおよび受光器11B,13Bの取付高さは800mm、第2のセンサー12を構成する投光器12Aおよび受光器12Bの取付高さは1700mmとされる。これは、第2のセンサー12の投光器12Aおよび受光器12Bの取付高さを、背打ち防止警報機能を発揮するために、第1およびは第3のセンサー11の投光器11A,13Aおよび受光器11B,13Bよりも、高い位置に設置できるようにするためであり、調整できるようにしているのは車両通過高さの制限を自動車運搬船に応じて変更できるようにするためである。
【0038】
そして、図3に示すように、第1〜第3のセンサー11〜13は、一定間隔(図3においては一例として1mの場合を示す)でもって入庫方向に沿って順に設置されている。
【0039】
制御ユニット16は、第1〜第3のセンサー11〜13よりの信号を受け、背打ち防止警報機能、カウント機能および速度制限警報機能を発揮するようになっている。制御ユニット16の前面には、2つのLCD表示カウンター(図示せず)が取り付けられており、入庫車数、出庫車数の両方をカウントする。
【0040】
また、第1のLED表示盤ユニット14は、制御ユニット16からの信号を受け停止表示であるSTOP表示部14Aと進行を許可表示である矢印表示部14Bとを有する。第2のLED表示盤ユニット15は、減速表示であるSLOW表示部15Aを有する。これらのLED表示盤ユニット14,15は、入庫方向側のドライバーが運転中に視認可能な位置(例えば天井部の骨の前など)に設けられ、認識性を高め警告するために表示部14A,14B,15Aが点滅するようになっている。この点滅は、例えば、0.4secの点灯と、0.1sec消灯とを繰り返し、点灯時間が消灯時間より長くなっている。
【0041】
制御ユニット16は、第1および第3のセンサー11,13からの信号を受け車両の通過および通過方向を検出する車両検出手段16Aと、この車両検出手段16Aよりの信号を受け入庫台数カウント手段16Bおよび出庫台数カウント手段16Cと、第1〜第3のセンサー11〜13からの信号を受け車両高さが設定高さ以上であることを検出する背打ち検出手段16Dと、タイマー16Eを有し第1および第3のセンサー11,13からの信号を受け車両速度を検出する速度検出手段16Fと、青色LED、赤色LED、緑色LEDおよび黄色LEDを有するLED表示部16Gとを備える。なお、LED表示部16Gの青色LEDは第1および第3のセンサー11,13が同時にON状態になった車両確認時に点灯し、また、赤色LED、緑色LEDおよび黄色LEDは、それぞれ、STOP表示部14A、矢印表示部14BおよびSLOW表示部15Aが点滅するときに同時に点灯するようになっている。
【0042】
上記装置によれば、次のように動作する。
(車両カウント機能)
通常は、矢印表示部14Bが点滅し、積み荷役時は、車両が入庫方向に進入し、第1のセンサー11がON状態になり、次に、第3のセンサー13がON状態になると、1台入庫とカウントされ、制御ユニット16の、図示しないLCD表示カウンター(入庫)の入庫車数が1台増加する。
【0043】
逆に第3のセンサー13がON状態になり、次に第1のセンサー11がON状態になると、一台出庫とカウントされ、図示しないLCD表示カウンター(出庫)の車両台数が1台増加する。
【0044】
つまり、図4に示すように、第1のセンサー11からの信号入力後に、第3のセンサー13からの入力で入庫カウントされ、逆の場合に出庫カウントされ、入庫あるいは出庫がある場合に、制御ユニット16の、図示しない車両認識LED(青色LED)が点灯し、入庫あるいは出庫のいずれかのカウンタに表示される台数に加算される。
【0045】
なお、制御ユニット16のLED表示部16Gの青色LEDが例えば0.5sec点灯し、車両認識を行うのは、第1および第2のセンサー11,13がOFF状態で、センサー11,13を順番にON状態にさせ、同時にON状態になる場合である。つまり、センサー11,13を順番にON状態にさせ、センサー11,13を同時にON状態にさせないと、車両とは認識せず、カウントされないので、作業員などのカウントが防止される。ここで、第2のセンサー12は、車両カウント機能には関与しない。
(背打ち防止警報機能)
第2のセンサー12の投光器12Aおよび受光器12Bの設置高さによって設定された高さ(例えば1700mm)以上の背高車が進入した場合には、図5に示すように、第1〜第3のセンサー11〜13が同時にON状態になったときに、第1のLED表示盤ユニット14の矢印表示部14Bが消え、STOP表示部14Aが点滅する。それと共に制御ユニット16のLED表示部16Gの赤色LEDが点滅する。なお、この実施の形態では、車両の進行方向とは関係なく、高さを検出し、STOP表示部14Aと、制御ユニット16のLED表示部16Gの赤色LEDとを点滅するようになっている。
(速度制御警報機能)
車両が入庫方向より進入し、第1および第3のセンサー11,13の投光器11A,13Aおよび受光器11B,13Bを同時に遮り、両センサー11,13がON状態になることで、車両認識を行う。
【0046】
第1のセンサー11が、車両の通過によりON状態からOFF状態に変化すると、制御ユニット16(マイコン)のタイマー16Eが起動し、時間計測が開始される。
【0047】
それから、第3のセンサー13がON状態からOFF状態に変化すると、タイマー16Eが停止し、時間計測を終了する。
【0048】
第1および第3のセンサー11,13間の距離が2mであるので(図3参照)、前記計測時間から車両速度が検出される。この車両速度が、設定速度(例えば20km/h)を超過している場合には、第1のLED表示盤ユニット14の矢印表示部14Bが消え、第2のLED表示盤ユニット15のSLOW表示部15Aが点滅する。このとき、制御ユニット16のLED表示部16Gの黄色LEDが点滅する。
【0049】
出庫方向の場合は、第1のセンサー11と第3のセンサー13との働きが逆になるものの、同様にして速度を演算し、設定速度(例えば20km/h)を超過している場合には、矢印表示部14Bが消え、第2のLED表示盤ユニット15のSLOW表示部15Aが点滅する。
【0050】
本発明は、前述したほか、次のように変更して実施することができる。
【0051】
(i)前記実施の形態では、第2のセンサー12が第1のセンサー11と第3のセンサー13との間に設け、入庫方向に沿って間隔を存して3カ所に設置するようにしているが、前記第2のセンサーを、第1のセンサー11あるいは第3のセンサー13のいずれか一方のセンサーのセンサー取付台に一緒に取り付けるようにして、入庫方向に沿って間隔を存して2カ所に設置することも可能である。この場合には、2つのセンサーユニットで構成されることになる。
【0052】
(ii)前記実施の形態では、入出庫のいずれの時にも高さを検出するようになっているが、図6に示すように、車両の進行方向が入庫の時に、高さを検出して、ストップ表示部14Aと、制御ユニット16のLED表示部16G上の赤色LEDが点滅するようにし、出庫時には嵩高車両を検出しても、STOP表示部14Aを点滅させないようにすることも可能である。
【0053】
また、前記実施の形態では、総てのセンサー11〜13が同時にON状態になった場合にストップ表示部14Aを点滅させるようにしているが、図7に示すように、センサー11,13には関わりなく、センサー12がON状態になったことで、STOP表示部14Aを点滅させ、制御ユニット16のLED表示部16G上の赤色LEDを点滅させるようにすることも可能である。
【0054】
(iii)前記実施の形態では、各センサユニットの投光器と受光器とを所定の位置に正確に設置する必要があるので、図8に示すように、STOP表示部14A、矢印表示部14B,SLOW表示部15Aの点灯と、制御ユニット16のLED表示部16G上の青色LED、赤色LED、緑色LEDおよび黄色LEDの点灯との関係で、正確に設置されていることを確認することも可能である。
【符号の説明】
【0055】
1 自動車運搬船における車両管理装置
2 ランプウェイ
11 第1のセンサー
11A 投光器
11B 受光器
12 第2のセンサー
12A 投光器
12B 受光器
13 第3のセンサー
13A 投光器
13B 受光器
14 第1のLED表示盤ユニット
14A STOP表示部
14B 矢印表示部
15 第2のLED表示盤ユニット
15A SLOW表示部
16 制御ユニット
17 バッテリーユニット
18 投光器接続ボックス
19 受光器接続ボックス
21〜26 センサー取付台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
船内のランプウェイまたは船内車両通路に沿って設置される自動車運搬船における車両管理装置であって、
車両の通過を検出する第1〜第3のセンサーを有し前記第1〜第3のセンサーが前記ランプウェイまたは船内車両通路に対し入庫方向に沿って設置される第1〜第3のセンサーユニットと、
前記第1〜第3のセンサーよりの信号を受け背打ち防止警報機能、カウント機能および速度制限警報機能を発揮する制御ユニットとを備え、
前記第2のセンサーは、前記第1および第3のセンサーよりも高い位置に設置されることを特徴とする自動車運搬船における車両管理装置。
【請求項2】
前記第1〜第3のセンサーユニットは、入庫方向に沿って間隔を開けて順に設置され、
前記制御ユニットは、前記第1および第3のセンサーからの信号を受け車両の通過および通過方向を検出する車両検出手段と、この車両検出手段よりの信号を受け入庫台数カウント手段および出庫台数カウント手段と、前記第2のセンサーからの信号を受け車両高さが設定高さ以上であることを検出する背打ち検出手段と、タイマーを有し第1および第3のセンサーからの信号を受け車両速度が設定速度以上であることを検出する速度検出手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の自動車運搬船における車両管理装置。
【請求項3】
前記背打ち検出手段は、前記第2のセンサーからの信号に加えて、第1及び第3のセンサーからの信号も受け、前記第1〜第3のセンサーからの信号を順に受けた後それらの信号を同時に受ける状態があるときに車両高さが設定高さ以上の車両であると検出するものであることを特徴とする請求項2記載の自動車運搬船における車両管理装置。
【請求項4】
前記制御ユニットからの信号を受け、車両高さが設定高さ以上である場合に停止指示を表示する第1の表示盤ユニットと、前記制御ユニットからの信号を受け、車両速度が設定値以上である場合に減速指示を表示する第2の表示盤ユニットとを備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の自動車運搬船における車両管理装置。
【請求項5】
前記制御ユニットには、電源としてのバッテリーユニットが接続されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の自動車運搬船における車両管理装置。
【請求項6】
前記第1〜3のセンサーユニットは、それぞれ、前記第1〜第3のセンサーを構成する投光器および受光器と、前記投光器および受光器をそれぞれ所定の高さに位置するように支持し前記ランプウェイまたは船内車両通路の両側に互いに対向するように設置するためのセンサー取付台とを有し、
前記第2のセンサーの投光器および受光器のセンサー取付台は、高さの調整が可能であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の自動車運搬船における車両管理装置。
【請求項7】
前記第1〜第3のセンサーの投光器は、投光器接続ボックスを介して前記制御ユニットに接続され、前記第1〜第3のセンサーの受光器は、受光器接続ボックスを介して前記制御ユニットに接続されることを請求項6記載の自動車運搬船における車両管理装置。
【請求項8】
船内のランプウェイまたは船内車両通路に沿って設置される自動車運搬船における車両管理装置であって、
車両の通過を検出する第1〜第3のセンサーを有し前記第1〜第3のセンサーが前記ランプウェイまたは船内車両通路に対し入庫方向に沿って設置される第1〜第3のセンサーユニットと、
前記第1〜第3のセンサーよりの信号を受け背打ち防止警報機能、カウント機能および速度制限警報機能を発揮する制御ユニットと、
前記制御ユニットからの信号を受け、車両高さが設定高さ以上である場合および車両速度が設定値以上である場合に警告を表示する表示盤ユニットと、
電源としてのバッテリーユニットとを備え、
ユニット化により移動可能に構成されていることを特徴とする自動運搬船における車両管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−116526(P2011−116526A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−277184(P2009−277184)
【出願日】平成21年12月7日(2009.12.7)
【出願人】(000000974)川崎重工業株式会社 (1,710)
【Fターム(参考)】