自動車運転模擬装置
【課題】自動車運転模擬装置で運転者が季節的な変化のない景観地域を見て運転することによる、緊張感や心理的な圧迫感を軽減する。
【解決手段】制御装置は、季節対応景観データベース選択指令を景観データベースに出力し、所定の地域に対応した景観画像データを選択読み出し、計算手段に与える。計算手段は、運転者による前記模擬操作装置の操作に基づく自動車の運動を計算し、計算結果を基に、前記選択された景観画像データにより運転席から見える景観を計算する。模擬自動車運転席前方に位置する表示装置は景観データによる各季節に対応した景観を表示する
【解決手段】制御装置は、季節対応景観データベース選択指令を景観データベースに出力し、所定の地域に対応した景観画像データを選択読み出し、計算手段に与える。計算手段は、運転者による前記模擬操作装置の操作に基づく自動車の運動を計算し、計算結果を基に、前記選択された景観画像データにより運転席から見える景観を計算する。模擬自動車運転席前方に位置する表示装置は景観データによる各季節に対応した景観を表示する
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、自動車の運転及び走行を模擬する自動車運転模擬装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
自動車の運転・走行の教育・訓練及び研究のために、運転及び走行を模擬する自動車運転模擬装置が用いられる。
自動車運転模擬装置は、運転者が模擬の運転席に搭乗し、そのアクセル、ブレーキ、ハンドル等の操作から自動車の運動を計算し、また一方、道路や市街地といった景観データベースが設けられ、この運動の結果から運転席から見える景観の変化を計算し、表示装置上に映し出すものである。表示装置はブラウン管や液晶表示があるが、大規模な画面の要求に対しては、プロジェクタでスクリーン上に表示するものが用いられる。
【０００３】
本発明は、自動車運転模擬装置の表示装置に映し出す景観に関するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
自動車運転模擬装置では、運転者はコンピュータ・グラフィックスで作られた合成映像の景観を見て模擬運転を行う。この合成映像は、市街地にしても郊外の景色にしても、例えば街路樹や山肌の木々は運転時の実際の季節が冬季でも画一的な緑色であったり、空の色は平均的な青色のモノトーンであったりといったように、季節的な変化が考慮されていなかった。従って運転者は、運転技能の向上や安全運転の講習といった模擬運転の際、季節的な変化のない画一的で無味乾燥な景観を見て行うため、癒しや心の和みといったある種情緒的な満足感や安心感が得られず、運転に伴う被験者としての緊張感や心理的な圧迫感を感じることが多かった。
【０００５】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、自動車の運転模擬を行う際に、景観の季節的な変化を実感することで情緒的な満足を得て、運転に伴う緊張感や心理的な圧迫感を軽減できる自動車運転模擬装置を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
請求項１に係る自動車運転模擬装置は、模擬操作装置を備えた模擬自動車運転席と、計算手段と、制御装置と、複数季節の景観画像を記録した景観データベースと、表示装置とからなる自動車運転模擬装置において、制御装置は、季節対応景観データベース選択指令を景観データベースに出力し、所定の季節に対応した景観画像データを選択読み出し、計算手段に与え、前記計算手段は、運転者による前記模擬操作装置の操作に基づく自動車の運動を計算し、計算結果を基に、前記選択された景観画像データにより運転席から見える景観を計算し、前記模擬自動車運転席前方に位置する表示装置は景観データによるそれぞれの季節に対応した景観を表示することを特徴とするものである。
【０００７】
請求項２に係る自動車運転模擬装置は、請求項１における季節対応景観データベース選択指令を、制御装置に代えて模擬自動車運転席から出力することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【０００８】
請求項１に係る自動車運転模擬装置によると、制御装置からの季節対応景観データベース選択指令により、所定の季節に対応した景観データベースから選択された画像が表示される。例えば、春においては街路樹の桜並木が満開であったり、初夏においては木々が鮮やかな新緑の緑であったり、盛夏においては青空と積乱雲の対比であったり、秋においては燃えるような紅葉であったり、冬季においては雪景色であったりといった具合である。これにより運転手は、運転技能の向上や安全運転の講習といった模擬運転のさい、季節的な景観から得られる癒しや心の和みといったある種情緒的な満足感や安心感により、運転に伴う被験者としての緊張感や心理的な圧迫感が軽減され、落ち着いた心理状態での運転が実現できる。
【０００９】
請求項２に係る自動車運転模擬装置によると、季節対応景観データベース選択指令を模擬自動車運転席から出力することができ、現在季節においてその季節に運転するのにふさわしい地域の景観を選択することができ、複数地域から運転者が任意に選択することができ、選択された画像が表示される。これにより運転手は、運転技能の向上や安全運転の講習といった模擬運転のさい、自己が選択した季節的な景観から得られるある種情緒的な近親感とか愛着により、運転に伴う被験者としての緊張感や心理的な圧迫感が軽減され、落ち着いた心理状態での運転が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
【図１】本発明による自動車運転模擬装置の構成図である。（実施例１）
【図２】本発明による自動車運転模擬装置の構成図である。（実施例２）
【実施例１】
【００１１】
図１は、本発明装置の第１の実施例を示す構成図であって、１０１は模擬自動車運転席、１０２は表示装置、１０３は計算手段、１０４は制御装置、１０５は景観データベースである。
模擬自動車運転席１０１は模擬する自動車の模擬操作装置を備え、その前方に表示装置１０２が配置される。計算手段１０３及び制御装置１０４はコンピュータにより構成される。景観データベース１０５は記憶装置から構成され、制御装置１０４からの季節対応景観データベース選択指令により選択され読み出される。
【００１２】
模擬運転運用開始時に、運転者が模擬自動車運転席１０１に着くと、例えば教官が自動車運転模擬装置を作動して、制御装置１０４からの季節対応景観データベース選択指令により、それぞれの季節に対応した景観画像を景観データベース１０５から選択される。景観映像は、各季節のあらかじめ定めた一定の地域、各季節のあらかじめ定めた順位にある地域が、制御装置１０４により選択され、あるいは現在季節についてランダムに選択される。又は、教官が、運転者からの希望を聞いて又は運転者の運転技量を考慮して現在季節について選択することができる。
計算手段１０３は、選択された景観画像データにより運転席から見える景観を計算し、表示装置１０２はそれぞれの季節の景観画像を表示する。さらに、運転者の模擬操作装置のアクセル、ブレーキ、ハンドル等の操作（図１の１０３ａ）に基づく自動車の運動（図１の１０３ｂ）を計算し、運転席から見える景観変化を計算し、表示装置１０２は景観画像変化を表示する。運転者は、季節的な景観から得られるある種情緒的な近親感とか愛着により、運転に伴う被験者としての緊張感や心理的な圧迫感が軽減され、落ち着いた心理状態での運転が実現できる。
【実施例２】
【００１３】
図２は、本発明装置の第１の実施例を示す構成図であって、１０１は模擬自動車運転席、１０２は表示装置、１０３は計算手段、１０５は景観データベースである。
模擬自動車運転席１０１は模擬する自動車の模擬操作装置を備え、その前方に表示装置１０２が配置される。計算手段１０３及び制御装置１０４はコンピュータにより構成される。景観データベース１０５は記憶装置から構成され、模擬自動車運転席１０１からの季節対応景観データベース選択指令により選択され読み出される。
模擬運転運用開始時に、運転者が模擬自動車運転席１０１に着くと、例えば作動スイッチを作動して自動車運転模擬装置を運用開始させ、模擬自動車運転席１０１からの季節対応景観データベース選択指令により、運転しようとする地域におけるそれぞれの季節に対応した景観画像が景観データベース１０５から選択される。例えばナビゲーションシステム開始の操作を模擬することにより、季節対応景観データベース選択指令が模擬自動車運転席１０１から景観データベース１０５に出力され、運転者により希望選択された景観画像データが読み出される。
計算手段１０３は、選択された景観画像データにより運転席から見える景観を計算し、表示装置１０２はそれぞれの地域の景観画像を表示する。さらに、運転者の模擬操作装置のアクセル、ブレーキ、ハンドル等の操作（図２の１０３ａ）に基づく自動車の運動（図２の１０３ｂ）を計算し、運転席から見える景観変化を計算し、表示装置１０２は景観画像変化を表示する。運転者は、季節的な景観から得られるある種情緒的な近親感とか愛着により、運転に伴う被験者としての緊張感や心理的な圧迫感が軽減され、落ち着いた心理状態での運転が実現できる。
【符号の説明】
【００１４】
１０１ 模擬自動車運転席
１０２ 表示装置
１０３ 計算手段
１０４ 制御装置
１０５ 景観データ
【技術分野】
【０００１】
本発明は、自動車の運転及び走行を模擬する自動車運転模擬装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
自動車の運転・走行の教育・訓練及び研究のために、運転及び走行を模擬する自動車運転模擬装置が用いられる。
自動車運転模擬装置は、運転者が模擬の運転席に搭乗し、そのアクセル、ブレーキ、ハンドル等の操作から自動車の運動を計算し、また一方、道路や市街地といった景観データベースが設けられ、この運動の結果から運転席から見える景観の変化を計算し、表示装置上に映し出すものである。表示装置はブラウン管や液晶表示があるが、大規模な画面の要求に対しては、プロジェクタでスクリーン上に表示するものが用いられる。
【０００３】
本発明は、自動車運転模擬装置の表示装置に映し出す景観に関するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
自動車運転模擬装置では、運転者はコンピュータ・グラフィックスで作られた合成映像の景観を見て模擬運転を行う。この合成映像は、市街地にしても郊外の景色にしても、例えば街路樹や山肌の木々は運転時の実際の季節が冬季でも画一的な緑色であったり、空の色は平均的な青色のモノトーンであったりといったように、季節的な変化が考慮されていなかった。従って運転者は、運転技能の向上や安全運転の講習といった模擬運転の際、季節的な変化のない画一的で無味乾燥な景観を見て行うため、癒しや心の和みといったある種情緒的な満足感や安心感が得られず、運転に伴う被験者としての緊張感や心理的な圧迫感を感じることが多かった。
【０００５】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、自動車の運転模擬を行う際に、景観の季節的な変化を実感することで情緒的な満足を得て、運転に伴う緊張感や心理的な圧迫感を軽減できる自動車運転模擬装置を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
請求項１に係る自動車運転模擬装置は、模擬操作装置を備えた模擬自動車運転席と、計算手段と、制御装置と、複数季節の景観画像を記録した景観データベースと、表示装置とからなる自動車運転模擬装置において、制御装置は、季節対応景観データベース選択指令を景観データベースに出力し、所定の季節に対応した景観画像データを選択読み出し、計算手段に与え、前記計算手段は、運転者による前記模擬操作装置の操作に基づく自動車の運動を計算し、計算結果を基に、前記選択された景観画像データにより運転席から見える景観を計算し、前記模擬自動車運転席前方に位置する表示装置は景観データによるそれぞれの季節に対応した景観を表示することを特徴とするものである。
【０００７】
請求項２に係る自動車運転模擬装置は、請求項１における季節対応景観データベース選択指令を、制御装置に代えて模擬自動車運転席から出力することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【０００８】
請求項１に係る自動車運転模擬装置によると、制御装置からの季節対応景観データベース選択指令により、所定の季節に対応した景観データベースから選択された画像が表示される。例えば、春においては街路樹の桜並木が満開であったり、初夏においては木々が鮮やかな新緑の緑であったり、盛夏においては青空と積乱雲の対比であったり、秋においては燃えるような紅葉であったり、冬季においては雪景色であったりといった具合である。これにより運転手は、運転技能の向上や安全運転の講習といった模擬運転のさい、季節的な景観から得られる癒しや心の和みといったある種情緒的な満足感や安心感により、運転に伴う被験者としての緊張感や心理的な圧迫感が軽減され、落ち着いた心理状態での運転が実現できる。
【０００９】
請求項２に係る自動車運転模擬装置によると、季節対応景観データベース選択指令を模擬自動車運転席から出力することができ、現在季節においてその季節に運転するのにふさわしい地域の景観を選択することができ、複数地域から運転者が任意に選択することができ、選択された画像が表示される。これにより運転手は、運転技能の向上や安全運転の講習といった模擬運転のさい、自己が選択した季節的な景観から得られるある種情緒的な近親感とか愛着により、運転に伴う被験者としての緊張感や心理的な圧迫感が軽減され、落ち着いた心理状態での運転が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
【図１】本発明による自動車運転模擬装置の構成図である。（実施例１）
【図２】本発明による自動車運転模擬装置の構成図である。（実施例２）
【実施例１】
【００１１】
図１は、本発明装置の第１の実施例を示す構成図であって、１０１は模擬自動車運転席、１０２は表示装置、１０３は計算手段、１０４は制御装置、１０５は景観データベースである。
模擬自動車運転席１０１は模擬する自動車の模擬操作装置を備え、その前方に表示装置１０２が配置される。計算手段１０３及び制御装置１０４はコンピュータにより構成される。景観データベース１０５は記憶装置から構成され、制御装置１０４からの季節対応景観データベース選択指令により選択され読み出される。
【００１２】
模擬運転運用開始時に、運転者が模擬自動車運転席１０１に着くと、例えば教官が自動車運転模擬装置を作動して、制御装置１０４からの季節対応景観データベース選択指令により、それぞれの季節に対応した景観画像を景観データベース１０５から選択される。景観映像は、各季節のあらかじめ定めた一定の地域、各季節のあらかじめ定めた順位にある地域が、制御装置１０４により選択され、あるいは現在季節についてランダムに選択される。又は、教官が、運転者からの希望を聞いて又は運転者の運転技量を考慮して現在季節について選択することができる。
計算手段１０３は、選択された景観画像データにより運転席から見える景観を計算し、表示装置１０２はそれぞれの季節の景観画像を表示する。さらに、運転者の模擬操作装置のアクセル、ブレーキ、ハンドル等の操作（図１の１０３ａ）に基づく自動車の運動（図１の１０３ｂ）を計算し、運転席から見える景観変化を計算し、表示装置１０２は景観画像変化を表示する。運転者は、季節的な景観から得られるある種情緒的な近親感とか愛着により、運転に伴う被験者としての緊張感や心理的な圧迫感が軽減され、落ち着いた心理状態での運転が実現できる。
【実施例２】
【００１３】
図２は、本発明装置の第１の実施例を示す構成図であって、１０１は模擬自動車運転席、１０２は表示装置、１０３は計算手段、１０５は景観データベースである。
模擬自動車運転席１０１は模擬する自動車の模擬操作装置を備え、その前方に表示装置１０２が配置される。計算手段１０３及び制御装置１０４はコンピュータにより構成される。景観データベース１０５は記憶装置から構成され、模擬自動車運転席１０１からの季節対応景観データベース選択指令により選択され読み出される。
模擬運転運用開始時に、運転者が模擬自動車運転席１０１に着くと、例えば作動スイッチを作動して自動車運転模擬装置を運用開始させ、模擬自動車運転席１０１からの季節対応景観データベース選択指令により、運転しようとする地域におけるそれぞれの季節に対応した景観画像が景観データベース１０５から選択される。例えばナビゲーションシステム開始の操作を模擬することにより、季節対応景観データベース選択指令が模擬自動車運転席１０１から景観データベース１０５に出力され、運転者により希望選択された景観画像データが読み出される。
計算手段１０３は、選択された景観画像データにより運転席から見える景観を計算し、表示装置１０２はそれぞれの地域の景観画像を表示する。さらに、運転者の模擬操作装置のアクセル、ブレーキ、ハンドル等の操作（図２の１０３ａ）に基づく自動車の運動（図２の１０３ｂ）を計算し、運転席から見える景観変化を計算し、表示装置１０２は景観画像変化を表示する。運転者は、季節的な景観から得られるある種情緒的な近親感とか愛着により、運転に伴う被験者としての緊張感や心理的な圧迫感が軽減され、落ち着いた心理状態での運転が実現できる。
【符号の説明】
【００１４】
１０１ 模擬自動車運転席
１０２ 表示装置
１０３ 計算手段
１０４ 制御装置
１０５ 景観データ
【特許請求の範囲】
【請求項１】
模擬操作装置を備えた模擬自動車運転席と、計算手段と、制御装置と、複数季節の景観画像を記録した景観データベースと、表示装置とからなる自動車運転模擬装置において、
制御装置は、季節対応景観データベース選択指令を景観データベースに出力し、所定の季節に対応した景観画像データを選択読み出し、計算手段に与え、
前記計算手段は、運転者による前記模擬操作装置の操作に基づく自動車の運動を計算し、計算結果を基に、前記選択された景観画像データにより運転席から見える景観を計算し、
前記模擬自動車運転席前方に位置する表示装置は景観データによるそれぞれの季節に対応した景観を表示することを特徴とする自動車運転模擬装置。
【請求項２】
季節対応景観データベース選択指令を、制御装置に代えて模擬自動車運転席から出力することを特徴とする請求項１に記載の自動車運転模擬装置。
【請求項１】
模擬操作装置を備えた模擬自動車運転席と、計算手段と、制御装置と、複数季節の景観画像を記録した景観データベースと、表示装置とからなる自動車運転模擬装置において、
制御装置は、季節対応景観データベース選択指令を景観データベースに出力し、所定の季節に対応した景観画像データを選択読み出し、計算手段に与え、
前記計算手段は、運転者による前記模擬操作装置の操作に基づく自動車の運動を計算し、計算結果を基に、前記選択された景観画像データにより運転席から見える景観を計算し、
前記模擬自動車運転席前方に位置する表示装置は景観データによるそれぞれの季節に対応した景観を表示することを特徴とする自動車運転模擬装置。
【請求項２】
季節対応景観データベース選択指令を、制御装置に代えて模擬自動車運転席から出力することを特徴とする請求項１に記載の自動車運転模擬装置。
【図１】
【図２】
【図２】
【公開番号】特開２０１３−３３０８２（Ｐ２０１３−３３０８２Ａ）
【公開日】平成２５年２月１４日（２０１３．２．１４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−１６８１８０（Ｐ２０１１−１６８１８０）
【出願日】平成２３年８月１日（２０１１．８．１）
【出願人】（０００１７６７３０）三菱プレシジョン株式会社 (97)
【公開日】平成２５年２月１４日（２０１３．２．１４）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年８月１日（２０１１．８．１）
【出願人】（０００１７６７３０）三菱プレシジョン株式会社 (97)
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