説明

自回転する清掃用回転ブラシ

【課題】 清掃用の回転ブラシを作業動作により自回転させ対象物の表面を擦り磨く機能を高める。
【解決手段】
ブラシ掛け作業はブラシを対象物に押し当て前後又は左右に動かせて作業をするが、ブラシを回転ブラシとして、対象物との間の摩擦抵抗を利用して回転ブラシを自回転させる。
ブラシかけの作業動作の方向に対して対象物との間でブラシ軸の左右の摩擦抵抗が不均衡であれば摩擦抵抗の差に応じた回転トルクが生じ、回転ブラシは自回転する。
回転ブラシの軸の左右を異なる接触抵抗とする一の方法として、ブラシの動きに対し回転ブラシの軸を僅かに左又は右に傾けて対象物に押し当てる。
回転ブラシの軸の左右を異なる接触抵抗とする二の方法として、ブラシの動きに対し回転ブラシの軸の左右で異なる押し当て力で対象物に押し当てる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はブラシかけの作業動作により自回転する清掃用の回転ブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、清掃用具としてブラシは多く用いられており、更に清掃能力を高めるために外部動力により回転させる回転ブラシも多用されている。
【0003】
外部動力としてはモーターや水流により回転させる回転ブラシがあるが構造が複雑であり簡便性に乏しく故障の原因ともなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
清掃用具として外部動力により回転させる回転ブラシは、構造が複雑となり重量も重くなり使い勝手が悪く、外部動力に頼らない自回転する回転ブラシとして簡便性を高める。
【0005】
構造を簡単なものとし故障の原因を少なくし、ブラシかけの方向性を少なくし、軽量化を計り使い勝手をよくする。
【0006】
自回転ブラシの材質や硬さを変えることで、洗車ブラシやワックスかけ等の多用途に対応出来るものとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ブラシ掛け作業はブラシを対象物に押し当て、前後又は左右に擦り磨くが、ブラシを回転ブラシ1、11とし作業動作による対象物との間の摩擦抵抗を利用して回転ブラシ1、11が自回転するようにする。
【0008】
ブラシかけ作業のブラシかけ動作の方向に対して、対象物との間で回転ブラシ1、11のブラシ軸2、12の左右の摩擦抵抗が異なれば、左右の摩擦抵抗の差に応じた回転トルクが生じ、回転ブラシ1、11は自回転する。
【0009】
ブラシかけ作業のブラシかけ動作の方向に対して、回転ブラシ1、11のブラシ軸2、12の左右で異なった摩擦抵抗を生じさせるには、ブラシ軸2、12の左右で異なる押し当て力で対象物に押し当てればよい。
【0010】
ブラシかけの動作方向に対して回転ブラシ1のブラシ軸2の左右で異なった摩擦力を生じさせる一の方法として、回転ブラシ1のブラシ軸2を僅かに左又は右方向に傾けて対象物に押し当てる。
【0011】
回転ブラシ1のブラシ軸2の傾斜角度4は大きい程左右の摩擦抵抗の差が大きくなり、強い回転力を生じるが、必要な回転力が得られれば傾斜角度4は小さい方が均一に磨けて好ましい。
【0012】
ブラシかけの動作方向に対して回転ブラシ軸12の左右で異なった摩擦抵抗を生じさせる二の方法として、回転ブラシ11のブラシ軸12の左と右で異なった押し当て力で対象物に押し当てる。
【0013】
作業動作により回転ブラシ1、11のブラシ軸2、12の左右の摩擦抵抗の差に応じた回転トルクを生じ、回転ブラシ1、11は自回転力を発生し自回転する。
【発明の効果】
【0014】
外部に自回転手段を付加する事無く、清掃用回転ブラシ1、11自らが回転力を発生するので構造を簡略にしメンテナンスを容易にする事が出来る。
【0015】
回転ブラシ1、11が自回転することでブラシかけの方向性を少なくし、タイルの目地等を均一に磨くことが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
清掃用回転ブラシ1、11自らが自回転力を発生するので構造を簡略にでき、ブラシかけの方向性を少なくし対象物を均一に擦り磨く事が出来る。
【実施例1】
【0017】
図を参照に本発明の清掃用自回転ブラシにつき詳細に説明する。
図1はブラシかけの動作方向に対しブラシ軸2の左右の摩擦抵抗を不均衡にするため、ブラシ軸を僅かに右又は左方向に傾けて対象物に押し当てるようにしたものである。
【0018】
図1では二個の回転ブラシ1を用いて、右側の回転ブラシ1のブラシ軸2を左側に、左側の回転ブラシ1のブラシ軸2を右側に傾けているので、対象物との間で両回転ブラシ1のブラシ軸2の内側の摩擦抵抗が大きくなる。
【0019】
ブラシかけ作業の動作により内側の摩擦抵抗が大きくなり、外側との差に応じた回転トルクが生じ回転ブラシ1は図1に図示する方向に自回転する。
【0020】
回転ブラシ1のブラシ軸2の傾斜方向は作業動作の方向に対し左右どちら方向でも可能であるが、傾斜の方向に応じて自回転方向は変わってくる。
【0021】
自回転ブラシの軸の傾斜角度は大きいほど強い自回転力を生じるが、必要な回転力が得られれば、傾斜の角度は小さい方が均一なブラシかけが出来て好ましい。
【0022】
回転ブラシ1のブラシ軸2の傾斜角度4は回転ブラシの材質や繊維の硬さ及び対象物により異なるが、数度程度とし、必要な回転力が得られる範囲でなるべく小さな角度とする。
【実施例2】
【0023】
図2はブラシかけの動作方向に対し対象物との間でブラシ軸12の左右の摩擦抵抗を不均衡にするため、ブラシ軸12の左右の押し当て力を不均衡にして対象物に押し当てるようにしたものである。
【0024】
ブラシかけの動作方向に対しブラシ軸12の左右に押し当てスプリング14及び補助押し当てスプリング15の二組の異なるスプリング係数のバネでブラシ軸12を押さえるようにしたもので、図2では押し当てスプリング14の方が強いスプリング係数としたものである。
【0025】
図2では対象物との間で両回転ブラシ軸12の内側で摩擦抵抗が強くなり、回転ブラシ11は図2に図示する方向に自回転する。
【0026】
異なるスプリングの強さ等は回転ブラシ11の材質や繊維の硬さ及び対象物等を考慮して、必要な回転力が得られる範囲で選定する。
【0027】
自回転ブラシの外部の形状は作業の目的に合わせて、ハンドルなどはデッキブラシの様に長い柄を付けても良く、回転ブラシ1、11の個数などは複数個横に並べて設けても良い。
【0028】
回転ブラシ1、11の回転方向は、回転すれば良いものであり、実施例と異なる方向に回転させても良い。
【0029】
軸受けは抵抗の少ないものがよく、ボールベアリング等を用いても良いが水などを扱うものでは錆の発生しないものとする必要がある。
【産業上の利用可能性】
【0030】
回転ブラシ1、11をスチール製の回転ブラシ1、11とすれば、鉄板の錆落としとしても利用可能であり、又、スポンジブラシとすれば自動車のワックスかけとしても利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施例1の自回転ブラシの作業方向に直交する左右方向の断面図
【図2】本発明の実施例2の自回転ブラシの作業方向に直交する左右方向の断面図
【符号の説明】
【0032】
1 回転ブラシ
2 ブラシ軸
3 軸受け
4 傾斜角度
5 傾斜方向
6 ハンドル
7 対象物
【0033】
11 回転ブラシ
12 ブラシ軸
13 軸受け
14 押し当スプリング
15 補助押し当スプリング
16 ハンドル
17 対象物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラシかけ作業はブラシを対象物に押し当て前後又は左右に擦り磨くが、ブラシを回転ブラシ1、11としてこの作業動作により回転ブラシ1、11と対象物との間の摩擦抵抗を利用して自回転する回転ブラシ1、11としたもので、作業動作の方向に対してブラシ軸2、12の左右の摩擦抵抗が不均衡であれば摩擦抵抗の差に応じた回転トルクを生じ自回転するが、ブラシ軸2の左右の摩擦抵抗を不均衡にする一の方法として作業動作の方向に対して少しブラシ軸2を右又は左方向に傾けて対象物に押し当てるようにしたもの、また二の方法としてブラシ軸12の左右の押し当て力を不均衡にしてブラシ軸12の左右の摩擦抵抗を不均衡にしたもので、作業動作により回転ブラシ1、11を自回転させるようにしてブラシかけの方向性を少なくし清掃能力を高めた清掃用の回転ブラシ1、11。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−279323(P2008−279323A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−123740(P2007−123740)
【出願日】平成19年5月8日(2007.5.8)
【出願人】(502140721)
【出願人】(504134380)
【Fターム(参考)】