説明

自律的床清掃ロボット

【課題】清掃機構の清掃能力および効率を最適化することが可能な自律的清掃ロボットを提供することを目的とする。
【解決手段】床表面上にロボットを移動させるため、モータ駆動部と接続される車輪と、清掃中に遭遇した障害物の付近でロボットを動かすようモータ駆動部を制御する制御部と、該障害物に最も近づいた際に、ロボットが自由に回転できるように形成されるハウジング外周部を規定するハウジングと、ハウジング外周部内の床表面と係合する位置に配置される清掃ヘッドと、ハウジング外周部を越えて延在し、清掃ヘッドの予想経路に向けて床表面上のデブリを掃引するサイド・ブラシと、を備える自律的床清掃ロボットが提供される。また、該自律的床清掃ロボットの制御部は、サイド・ブラシが壁部に隣接して配置される方向において、ロボットが該壁部に沿って自動的に移動するようモータ駆動部を制御することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は清掃デバイスに関し、より詳細には、ロボットのハウジング外周外の粉塵を清掃ヘッド・サブシステム内へと導向するサイド・ブラシ・アセンブリを備えた自律的床清掃ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
自律的ロボット清掃デバイスは当業界で公知である。たとえば米国特許第5,940,927号および第5,781,960号は、"自己案内式真空クリーナ用の自律的表面清掃装置およびノズル機構(Autonomous Surface Cleaning Apparatus and a Nozzle Arrangement for a Self-Guiding Vacuum Cleaner)"を開示している。自律的清掃デバイスに対する主な要件のひとつは自給式電源であり、もし斯かる自律的清掃デバイスが外部電源へのコンセントへの電力コードを利用するならば、それを直ちに排除しなければ自律的清掃デバイスの有用性は相当に低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
また、バッテリなどの自給式電源の駆動能力は明らかに改善されているが、今日の自給式電源は依然として電力提供の時間的制限がある。ブラシ・アセンブリおよび真空アセンブリなどの清掃デバイスに対する清掃機構は典型的に、効率的な清掃能力を提供すべく大きな電力負荷を必要とする。このことは特にブラシ・アセンブリおよび真空アセンブリが組合せ物として構成されたときに当てはまる、と言うのも、斯かる組合せ物のブラシ・アセンブリおよび/または真空アセンブリは典型的に協働作用に対して設計もしくは構成されていないからである。
【0004】
故に、協働作用に対して当該自律的清掃デバイスの清掃機構の清掃能力および効率を最適化する一方で斯かる清掃機構に対する電力要件を付随的に最小化もしくは減少すべく設計かつ構成された自律的清掃デバイスを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のひとつの目的は、人間が介在せずに指定領域を清掃すべく動作可能な清掃デバイスを提供することにある。
【0006】
本発明の別の目的は、協働作用に対して当該自律的清掃デバイスの清掃機構の清掃能力および効率を最適化する一方で斯かる機構に対する電力要件を付随的に最小化すべく設計かつ構成された自律的清掃デバイスを提供することにある。
【0007】
本発明のこれらのおよび他の目的は、自律的床清掃ロボットであって、床表面に渡ってロボットを移動させるよう、モータ駆動部と動作可能に接続される車輪と、モータ駆動部に電気的に接続する制御部であって、清掃動作の間に床表面で遭遇し検出された障害物の付近にて、自律的にロボットを動かすためにモータ駆動部を制御するよう構成される制御部と、清掃動作の間に、床表面で遭遇した障害物に最も近づいた際に、ロボットが自由に回転できるように形成されるハウジング外周部を規定するハウジングと、ハウジング外周部内において、床表面と係合するような位置に配置される清掃ヘッドと、ハウジング外周部を越えて延在し、ハウジング外周部を越えた位置から清掃ヘッドの予想経路に向けて床表面上のデブリを掃引するよう配置された、動力供給され回転するサイド・ブラシと、を備え、制御部は、サイド・ブラシが壁部に隣接して配置される方向において、ロボットが該壁部に沿って自動的に移動するようモータ駆動部を制御する、本発明の一実施例に係る自律的床清掃ロボットにより達成される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る自律的床清掃ロボットの概略図である。
【図2】本発明に係る自律的床清掃ロボットの一実施例の斜視図である。
【図3】図2の自律的床清掃ロボットの底部平面図である。
【図4】本発明に係る自律的床清掃ロボットの別実施例のカバーを取り外した部分的破断頂部平面図である。
【図5】図4の自律的床清掃ロボットの実施例の部分的破断底部平面図である。
【図6】図4の自律的床清掃ロボットの実施例の部分的破断側面図である。
【図7】図4の自律的床清掃ロボットの実施例のデッキおよびシャーシの平面図である。
【図8】B-B線に沿った図7の断面図である。
【図9】図4の自律的床清掃ロボットの実施例のデッキ調節サブアセンブリの斜視図である。
【図10】図4の自律的床清掃ロボットの実施例に対する粉塵カートリッジの第1分解斜視図である。
【図11】図10の粉塵カートリッジの第2分解斜視図である。
【図12】図4の自律的床清掃ロボットの実施例に対するフラッパ・ブラシおよび主要ブラシを含む二段階ブラシ・アセンブリの斜視図である。
【図13】図4の自律的床清掃ロボットの実施例に対するブレードおよび真空区画を示す斜視図である。
【図14】図13の自律的床清掃ロボットの実施例の部分的分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付図面に関して本発明の詳細な説明を参照すれば、本発明ならびに付随的な特徴および利点は更に完全に理解されよう。
【0010】
幾つかの図を通して同様の参照番号は対応するもしくは同様の要素を表す図面を参照すると、図1は本発明に係る自律的床清掃ロボット10の概略図である。ロボット10は、ハウジング基礎構造20、電力サブシステム30、駆動サブシステム40、センサ・サブシステム50、制御モジュール60、サイド・ブラシ・アセンブリ70および自己調節清掃ヘッド・サブシステム80を備える。以下の段落にて更に詳細に記述される如く、電力サブシステム30、駆動サブシステム40、センサ・サブシステム50、制御モジュール60、サイド・ブラシ・アセンブリ70および自己調節清掃ヘッド・サブシステム80は組み合わされて、ロボット10のハウジング基礎構造20に一体化される。
【0011】
自律的床清掃ロボット10の以下の説明において、“前方(forward)/前(fore)”という用語は自律的床清掃ロボット10の動作の主要方向を指し、前後軸心(fore-aft axis)(図4、図5の参照符号“FA”を参照)という用語はロボット10の前後直径と一致する動作の前方向を定義する。
【0012】
図2、図3および図4乃至図6を参照するとロボット10のハウジング基礎構造20は、シャーシ21、カバー22、変位可能バンパ23、先端車輪サブアセンブリ24および搬送用ハンドル25を備える。シャーシ21は好適には、該シャーシ21と組み合わせるべく特に電力サブシステム30、駆動サブシステム40、センサ・サブシステム50、サイド・ブラシ・アセンブリ70および自己調節清掃ヘッド・サブシステム80の要素を取付けもしくは一体化すべく事前形成された複数の凹み、凹所および構造部材を含む単体要素としてのプラスチックなどの材料から成形される。カバー22は好適には、構成においてシャーシ21と相補的な単体要素であってシャーシ21に取付けられた要素/構成要素且つ/又は自己調節清掃ヘッド・サブシステム80を構成する要素/構成要素を保護してそれに対するアクセスを提供する単体要素としてのプラスチックなどの材料から成形される。シャーシ21およびカバー22は協働してたとえばネジなどの任意の適切な手段により着脱可能に一体化されると共に、シャーシ21およびカバー22は協働して、前後軸心FAに沿い概略的に対称的である概略的に円筒状構成を有する最小高さの構造的包絡体を形成する。
【0013】
概略的に弧状構成を有する変位可能バンパ23は、シャーシ21の前部にて可動結合で取付けられることで、そこから外方にすなわち通常動作位置へと延在する。上記変位可能バンパの取付構成は、バンパ23が所定質量の静止対象物もしくは障害物に遭遇したときは常に該バンパ23が(通常動作位置から)シャーシ21に向けて変位されすなわち変位位置となり、かつ、(バンパ23の斯かる一切の変位に応じ、ロボット10を静止対象物もしくは障害物から回避させる“反動”モードを実施し、かつ、異なる方向における前方移動を再開すべくランダムなもしくは重み付きランダム転回を開始するなどの清掃ルーチンを継続するという制御モジュール60の動作により)静止対象物もしくは障害物との接触が終結したときにバンパ23が通常動作位置へと戻る如きものである。変位可能バンパ23の取付構成は、シャーシ21に関するバンパ23の移動を促進すべく作動する一対の回転可能支持部材23RSMを備える。
【0014】
一対の回転可能支持部材23RSMは、変位可能バンパ23の中心近位にて自律的床清掃ロボット10の前後軸心FAの回りに対称的に取付けられる。各支持部材23RSMの一端はたとえばピン/合せピンおよびスリーブ配置などの習用手段によりシャーシ21に回転可能に取付けられると共に、各支持部材23RSMの他端もまた同様の習用手段により変位可能バンパ23に回転可能に取付けられる。各支持部材23RSMと組み合わせて(不図示の)付勢スプリングが配設されると共に、該スプリングは、静止対象物もしくは障害物との接触が終結したときは常に(各支持部材23RSMの回転移動により)変位可能バンパ23を通常動作位置へと戻すに必要な付勢力を提供すべく作用する。
【0015】
本明細書中に記述される実施例は、変位可能バンパ23の中心の遠位にて自律的床清掃ロボット10の前後軸心FAの回りに平行に対称的に取付けられた一対のバンパ・アーム23BAを含む。これらのバンパ・アーム23BA自体は変位可能バンパ23に対する構造的支持を提供せず、寧ろ、変位可能バンパ23を介して遭遇した静止対象物もしくは障害物の箇所を決定すべく作用するセンサ・サブシステム50の一部である。静止対象物もしくは障害物との遭遇の間において一方もしくは両方のバンパ・アーム23BAがシャーシ21に関して線形に変位可能とされることで、制御モジュール60が“反動”モードを実施するための対応信号を提供するたとえばIR遮断ビームセンサ、機械的スィッチ、静電容量センサなどの関連センサを起動する如く、各バンパ・アーム23BAの一端は変位可能バンパ23に堅固に固定され且つ各バンパ・アーム23BAの他端はたとえばスロット配置などの様式でシャーシ21に組み合わせて取付けられる。センサ・サブシステム50のこの見地の作用ならびに静止対象物もしくは障害物との接触もしくは接近の検出に有用なセンサの代替実施例に関する更なる詳細は、本出願と同様に本出願人が所有する同時係属の“自律的ロボットに対するマルチモード適用のための方法およびシステム”と称されて2002年1月24日に出願された米国特許出願第10/056,804号に見られる。
【0016】
先端車輪サブアセンブリ24は、取付シャフトを含むUリンク部材(clevis member)24CMに組み合わせて回転可能に取付けられた車輪24Wを備える。Uリンク取付シャフト24CMは、自律的床清掃ロボット10の前後直径上でシャーシ21の前端部にて該シャーシの凹み内に配設される。Uリンク取付シャフト24CMと組み合わせて(図6においてUリンク部材24CMの脚部の背後に隠れた)付勢スプリング24BSが配設され、該スプリングは、先端車輪サブアセンブリ24が清掃されるべき表面との接触を喪失したときは常に先端車輪サブアセンブリ24を‘延伸’位置へと付勢すべく作用する。清掃動作の間において自律的床清掃ロボット10の重量は、付勢スプリング24BSにより及ぼされる力を克服することで、清掃されるべき表面上を車輪が自由に回転するという部分的に引込まれた作動位置へと先端車輪サブアセンブリ24を付勢するに十分である。上記Uリンク部材の各端部からは三角形状もしくは円錐状の翼部24TWが夫々外方に延在し、自律的床清掃ロボット10の転回移動の間において上記車輪の側部が低位の障害物に係合するのを防止する。翼部24TWは、上記ロボットが転回するときに隆起部を摺動して乗り越える際の傾斜部として作用する。
【0017】
搬送用ハンドル25の各端部25Eは、自律的床清掃ロボット10の前後軸心FAに関して中心合わせされたカバー22の前端部にて該カバー22に対して枢動すべく組み合わせて固定される。自律的床清掃ロボット10が清掃されるべき表面上に着座しまたは該表面上を移動するとき、搬送用ハンドル25はカバー22の表面と略々面一に位置する(ハンドル/カバー枢動構成の配置と関連する搬送用ハンドル25の重量は、重力作用により搬送用ハンドル25をこの面一位置へと自動的に戻すに十分である)。自律的床清掃ロボット10が搬送用ハンドル25により持ち上げられたとき、自律的床清掃ロボット10の後端部は該自律的床清掃ロボット10の前端部の下方に位置することから、自己調節清掃ヘッド・サブシステム80から粒状破片が脱落することはない。
【0018】
記述された実施例の電力サブシステム30は清掃動作の間において、駆動サブシステム40、センサ・サブシステム50、サイド・ブラシ・アセンブリ70および自己調節清掃ヘッド・サブシステム80の個々の要素/構成要素、ならびに、制御モジュール60の回路および構成要素に対し、関連回路32-4、32-5、32-7、32-8および32-6を介して夫々給電するためのエネルギを提供する(図1参照)。自律的床清掃ロボット10の記述実施例に対する電力サブシステム30は、NiMHバッテリパックなどの充電式バッテリパック34から成る。充電式バッテリパック34はシャーシ21に形成され(て特にバッテリパック34を取付け/保持すべきサイズとされ)た凹み内に取付けられると共に、たとえば(不図示の)スプリング・ラッチなどの任意の習用の手段により其処に保持される。上記バッテリ用凹みは、ネジなどの習用手段によりシャーシ21に固定された蓋部34Lによりカバーされる。蓋部34Lに対しては、自動作業終了(automatic shutdown)の間において自律的床清掃ロボット10の停止を促進する摩擦パッド36が固着される。摩擦パッド36は、上記ロボットが直立部(cliff)を乗り越えようと試行する際に該ロボットが停止するのを助力する。充電式バッテリパック34は、駆動サブシステム40、センサ・サブシステム50、サイド・ブラシ・アセンブリ70、自己調節清掃ヘッド・サブシステム80から成る要素/構成要素、ならびに、制御モジュール60の回路および構成要素の電力要件を満足し乍ら、最大充電時に60〜90分に亙り自律的床清掃ロボット10を動作させるに十分な電力を提供すべく構成される。
【0019】
駆動サブシステム40は、(1)清掃動作のために自律的床清掃ロボット10を推進し、(2)サイド・ブラシ・アセンブリ70を作動させ、且つ、(3)斯かる清掃動作の間に自己調節清掃ヘッド・サブシステム80を作動させる独立手段を備える。斯かる独立手段は、それら自体が独立動作モータ42AM、42BMを夫々有する左右の主要車輪サブアセンブリ42A、42Bと、サイド・ブラシ・アセンブリ70に対する独立電気モータ44と、一方46は上記真空アセンブリに対し且つ他方48は上記二段階ブラシ・アセンブリに対するものである2個の独立電気モータ46、48とを含む。
【0020】
左右の主要車輪サブアセンブリ42A、42Bは、シャーシ21の横方向直径の各端部に形成された該シャーシ21の凹み内に独立して取付けられる(該横方向直径は、ロボット10の前後軸心FAに対して直交する)。この箇所にて取付けると自律的床清掃ロボット10には強化された転回能力が提供される、と言うのも、主要車輪サブアセンブリ42A、42Bのモータはたとえば鋭角的転回、漸進的転回、原位置転回などの広範囲な転回動作を行うべく独立して作動され得るからである。
【0021】
主要車輪サブアセンブリ42A、42Bは夫々、Uリンク部材42ACM、42BCMと組み合わせて回転可能に取付けられた車輪42AW、42BWを備える。各Uリンク部材42ACM、42BCMは、車輪回転軸心の後方にてシャーシ21に枢動的に取付けられ(車輪回転軸心42AARを示す図6を参照;不図示の車輪サブアセンブリ42Bに対する車輪回転軸心は同一である)、すなわち、独立して懸架される。主要車輪サブアセンブリ42A、42Bの後方枢動軸心42APA、42BPA(図4参照)によれば、自律的床清掃ロボット10の移動性すなわち所定円弧に亙るサブアセンブリ42A、42Bの枢動移動が促進される。主要車輪サブアセンブリ42A、42Bに夫々関連するモータ42AM、42BMは、Uリンク部材42ACM、42BCMの後端部に取付けられる。引張スプリング42BTSの一端は、Uリンク部材42BCMの後方部分に取付けられると共に、引張スプリング42BTSの他端は夫々の車輪42AW、42BWの前方にてシャーシ21に取付けられる(右側車輪サブアセンブリ42Aに対する引張スプリングは図示されないが、左側車輪サブアセンブリ42Aの引張スプリング42BTSと同一である)。
【0022】
各引張スプリングは、自律的床清掃ロボット10が床部から取り去られたときに夫々の主要車輪サブアセンブリ42A、42Bを(対応するUリンク部材42ACM、42BCMの所定円弧に亙る枢動移動により)‘延伸’位置へと回転可能に付勢すべく作動する(この‘延伸’位置において上記車輪回転軸心はシャーシ21の底部平面の下方に位置する)。自律的床清掃ロボット10が清掃されるべき表面上に着座しまたは該表面上を移動するとき、該自律的床清掃ロボット10の重量により各主要車輪サブアセンブリ42A、42Bは引込もしくは作動位置へと重力的に付勢されるが、其処で各車輪の回転軸心はシャーシ21の底部平面と略々共面的である。主要車輪サブアセンブリ42A、42Bのモータ42AM、42BMは、(1)前方または後方に直線状に自律的床清掃ロボット10を推進すべく同一回転方向で同一速度にて、(2)(一方の車輪がゼロ速度で作動される状況を含め)自律的床清掃ロボット10に対する転回パターンを行うべく異なる速度で、または、(3)ロボット10が原位置転回すなわち“狭い場所での旋回”を行うべく逆回転方向で同一速度にて、各主要車輪を駆動すべく作動する。
【0023】
主要車輪サブアセンブリ42A、42Bの車輪42AW、42BWは好適には、“凹凸状”トレッド構成42AKT、42BKTを有する。この凹凸状トレッド構成42AKT、42BKTは、特に円滑表面を踏破するとき、および、たとえばむき出しの床部からカーペットへもしくはその逆の様に異なる組織の連続表面間を踏破するときに、自律的床清掃ロボット10に対して大きな牽引力を提供する。この凹凸状トレッド構成42AKT、42BKTはまた、自律的床清掃ロボット10の移動の間においてカーペット/敷物の房状布が車輪42AW、42BWに捕捉されて各車輪およびシャーシ21の間に巻き込まれることも防止する。但し当業者であれば、他のトレッド・パターン/構成は本発明の有効範囲内であることを理解し得よう。
【0024】
センサ・サブシステム50は、(1)制御検知ユニット52または(2)緊急事態検知ユニット54として広範囲に特徴付けられ得る種々の異なる検知ユニットを備える。名称が意味する如く、制御検知ユニット52は自律的床清掃ロボット10の通常動作を調整すべく作動し、且つ、緊急事態検知ユニット54は自律的床清掃ロボット10の作用に悪影響し得る状況(たとえば清掃されつつある表面から降下する階段)を検出して斯かる検出に応じた信号を提供することから自律的床清掃ロボット10は制御モジュール60により適切な応答を実施し得るべく作動する。自律的床清掃ロボット10の制御検知ユニット52および緊急事態検知ユニット54は以下の段落に要約して記述されるが、更に完全な記述は、本出願と同様に本出願人が所有する同時係属の“ロボット障害物検出システム”と称されて2001年1月24日に出願された米国特許出願第09/768,773号、“ロボット位置測定および局限用の方法およびシステム”と称されて2002年6月12日に出願された米国特許出願第10/167,851号および“自律的ロボットに対するマルチモード適用のための方法およびシステム”と称されて2002年1月24日に出願された米国特許出願第10/056,804号に見られる。
【0025】
制御検知ユニット52は、変位可能バンパ23の線形変位可能バンパ・アーム23BAに関連して取付けられた障害物検出センサ52ODと、変位可能バンパ23の右手部分に取付けられた壁部検知アセンブリ52WSと、自律的床清掃ロボット10の前後直径に沿い変位可能バンパ23の頂上に取付けられた仮想壁部検知アセンブリ52VWSと、各車輪サブアセンブリ42A、42Bに組み合わせて取付けられたIRセンサ/エンコーダ組合体52WEとを含む。
【0026】
各障害物検出センサ52ODは各線形変位可能バンパ・アーム23BAの一方と関連して位置されたエミッタ/検出器組合物を含むことから、センサ52ODはバンパ・アーム23BAの変位に応じて検出信号を制御モジュール60に送信すべく作動する。壁部検知アセンブリ52WSは、壁部もしくは他の類似構造の接近を検出して制御モジュール60に検出信号を送信すべく作動するエミッタ/検出器組合物を含む。各IRセンサ/エンコーダ組合体52WEは、関連する車輪サブアセンブリ42A、42Bの回転を測定し且つそれに対応する信号を制御モジュール60に送信すべく作用する。
【0027】
仮想壁部検知アセンブリ52VWSは、スタンドアロン・エミッタ(不図示の仮想壁部ユニット)により発せられた力場(force field)および平行ビームを検出して夫々の信号を制御モジュール60に送信すべく作動する。自律的床清掃ロボット10は上記平行ビームを通過しない様にプログラムされることから、上記仮想壁部ユニットは、たとえば上りの階段、清掃されるべきでない部屋に対するアクセスなどの禁止領域にロボット10が進入するのを防止すべく使用され得る。ロボット10は更に上記仮想壁部ユニットにより発せられた力場を回避すべくプログラムされることで、床部清掃動作の間においてロボット10が上記仮想壁部ユニットをオーバーランすることが防止される。
【0028】
緊急事態検知ユニット54は、変位可能バンパ23内に取付けられた‘直立部検出器’アセンブリ54CDと、左右の主要車輪サブアセンブリ42A、42Bおよび先端車輪アセンブリ24に関連して取付けられた車輪低下アセンブリ54WDと、各主要車輪サブアセンブリ42A、42Bのモータ42AM、42BMに対する夫々の電流停止検知ユニット54CSならびにモータ44、48(これらの2つのモータは記述実施例において共通回路を介して給電される)に対するひとつの電流停止検知ユニット54CSとを含む。自律的床清掃ロボット10の記述実施例に対しては、4個の直立部検出器アセンブリ54CDが変位可能バンパ23内に取付けられる。各直立部検出器アセンブリ54CDは、たとえば下り階段などのロボット10の経路における所定降下を検出して信号を制御モジュール60に送信すべく作動するエミッタ/検出器組合物を含む。車輪低下アセンブリ54WDは、対応する左右の主要車輪サブアセンブリ42A、42Bおよび/または先端車輪アセンブリ24がたとえば接触スィッチなどの延在位置に進入する時点を検出して対応信号を制御モジュール60に送信すべく作動する。電流停止検知ユニット54CSは、各構成要素に対応するモータの停止状態を表す夫々のモータの電流変化を検出して対応信号を制御モジュール60に送信すべく作動する。
【0029】
制御モジュール60は、床部清掃動作の間においてセンサ・サブシステム50により生成された信号に応じて自律的床清掃ロボット10の移動を制御するための、該ロボット10に対する制御回路(たとえば図1の制御ライン60-4、60-5、60-7および60-8を参照)およびマイクロコントローラを備える。本発明に係る自律的床清掃ロボット10の制御モジュール60は、(1)“スポット到達範囲”モード、(2)“壁部/障害物追随”モードおよび(3)“反動”モードと分類され得る3つの基本動作モードすなわち移動パターンを実施すべく(ハード結線、ソフトウェア、ファームウェアもしくはそれらの組み合わせで)事前プログラムされる。これに加えて制御モジュール60はセンサ・サブシステム50から受信した信号に基づき行動を開始すべく事前プログラムされるが、斯かる行動としては限定的なものとしてで無く、移動パターン(2)および(3)の実施、ロボット10の緊急停止、または、音響警報の発生が挙げられる。制御モジュール60によるロボット10の作用に関する更なる詳細は、本出願と同様に本出願人が所有する同時係属の“ロボット障害物検出システム”と称されて2001年1月24日に出願された米国特許出願第09/768,773号、“ロボット位置測定および局限用の方法およびシステム”と称されて2002年6月12日に出願された米国特許出願第10/167,851号および“自律的ロボットに対するマルチモード適用のための方法およびシステム”と称されて2002年1月24日に出願された米国特許出願第10/056,804号に詳述される。
【0030】
サイド・ブラシ・アセンブリ70は、自律的床清掃ロボット10のハウジング基礎構造20の外周よりも外側の大寸および小寸の粉塵を捕捉して斯かる粉塵を自己調節清掃ヘッド・サブシステム80へと導向すべく作動する。これによりロボット10に対しては、(壁部追随モードの間に)幅木(baseboard)の近傍の表面を清掃する能力が提供される。
【0031】
サイド・ブラシ・アセンブリ70は、(変位可能バンパ23の右端部の直後の右側主要車輪サブアセンブリ42Aの前方にて)シャーシ21の右前象限の下側表面に形成された凹所内に取付けられる。サイド・ブラシ・アセンブリ70は、トルク転送のために電気モータ44に回転可能に接続された一端を有するシャフト72と、シャフト72の他端に接続されたハブ74と、ハブ74を囲繞するカバー・プレート75と、ハブ74に固着されたブラシ手段76と、一群の剛毛(bristle)78とを備える。
【0032】
カバー・プレート75は、床部清掃動作の間においてブラシ手段76がシャーシ21の下方に詰まるのを防止する様にハブ74を取り囲むべく構成されてシャーシ21に固定される。
【0033】
図4乃至図6の実施例に対し、ブラシ手段76はハブ74から外方に延在する対置ブラシ・アームを備える。これらのブラシ・アーム76は、一定幅の“L”/ホッケースティック形状の弾性プラスチックもしくはゴム材料から形成される。ブラシ・アーム76の形状および構造の協働により、清掃動作の間において障害物もしくは障害に一時的に遭遇したときに該ブラシ・アーム76は弾性的に変形し得る。付随的に、一定幅の対置ブラシ・アーム76を用いることは、変位可能バンパ23における近傍の直立部検出器アセンブリ54CD(図5における最左部の直立部検出器アセンブリ54CD)の作動に対してサイド・ブラシ・アセンブリ70のブラシ手段76の作用が(すなわち閉塞により)悪影響しないことを確実にするための、(完全なもしくは部分的に円形のブラシ構成の使用に対する)代替策である。ブラシ・アーム76は、自律的床清掃ロボット10、特にその変位可能バンパ23の外周縁を越えて延在するに十分な長さを有する。斯かる長さによれば自律的床清掃ロボット10は、該ロボット10のシャーシ21および/または変位可能バンパ23により壁部/幅木を擦過することなく(壁部追随モードの間において)幅木の近傍の表面を清掃し得る。
【0034】
一群の剛毛78は、(歯ブラシ形状と同様に)各ブラシ・アーム76の最外側自由端部に設定されることで、サイド・ブラシ・アセンブリ70の掃引能力を提供する。剛毛78は、主要車輪サブアセンブリ42A、42Bおよび先端車輪サブアセンブリ24が作動位置に在るときに清掃されつつある表面に係合するに十分な長さを有する。
【0035】
自己調節清掃ヘッド・サブシステム80は、本発明に係る自律的床清掃ロボット10に対する清掃機構を提供する。自己調節清掃ヘッド・サブシステム80の好適実施例に対する清掃機構は、ブラシ・アセンブリ90および真空アセンブリ100を含む。
【0036】
図4乃至図6の記述実施例に対し、ブラシ・アセンブリ90は二段階ブラシ機構であり、且つ、二段階ブラシ・アセンブリ90および真空アセンブリ100は、効率的清掃能力を同時に提供し乍らロボット10の全体的電力要件を最小化すべくロボット10での使用のために適合かつ設計された、構造的および機能的に独立した清掃機構である。先行段落に記述された清掃機構に加えて自己調節清掃ヘッド・サブシステム80は、シャーシ21に枢動連結されたデッキ構造82と、自動デッキ調整サブアセンブリ84と、着脱可能粉塵カートリッジ86と、二段階ブラシ・アセンブリ90を遮蔽する一本以上の仕切枠(bail)88とを含む。
【0037】
デッキ82は好適にはプラスチックなどの材料から単体構造として作製されると共に、該デッキ82の後端部に形成されて対置かつ離間された各側壁82SWを含む(各側壁82SWの一方は、モータ46を収納するU形状構造と、ブラシ・アセンブリ凹み82Wと、下側デッキ表面の中間部に形成されることで二段階ブラシ・アセンブリ90と着脱可能粉塵カートリッジ86との間に開口を画成する横手開孔82LAと、モータ48に対して上側デッキ表面の前方部分に形成された取付ブラケット82MBとを含む)。
【0038】
各側壁82SWは、たとえば回転継手(図4の参照符号82RJを参照)などの習用手段によりデッキ82をシャーシ21に枢動組み合わせで取付けるべく位置かつ構成される。デッキ82/シャーシ21の組み合わせの枢動軸心は、自律的床清掃ロボット10の後端部において該ロボット10の前後軸心FAに対して直交する(図4において枢動軸心を特定する参照符号82PAを参照)。
【0039】
取付ブラケット82MBは、一定トルクモータ48をデッキ82の前方唇部に取付けるべく位置かつ構成される。取付けられたモータ48の回転軸心は、自律的床清掃ロボット10の前後直径に対して直交する(図4においてモータ48の回転軸心を特定する参照符号48RAを参照)。取付けられたモータ48からは、固定側の習用の二段出力変速機48Bの入力側に一定トルクを伝達するシャフト48Sが延在する(二段出力変速機48Bのハウジングはデッキ82の一部として作製される)。
【0040】
図7乃至図9に更に詳細に示されたデッキ調整サブアセンブリ84は、モータ48、デッキ82およびシャーシ21に組み合わせて取付けられると共に、電気モータ48と組み合わされて、二段階ブラシ・アセンブリ90が該二段階ブラシ・アセンブリ90の回転速度の所定減少に帰着する状況に遭遇したときは常に、枢動軸心82PAの回りにてシャーシ21に関してデッキ82を枢動する物理的機構および起動力を提供すべく作用する。自律的床清掃ロボット10が床部などの円滑表面とカーペット表面との間を遷移するときに最も一般的に生ずるこの状況は、本記述の残部における‘調節モード’として特徴付けられる。
【0041】
図4の記述実施例に対するデッキ調整サブアセンブリ84は、モータ・ケージ84MC、プーリ84P、プーリ・コード84C、アンカ部材84AMおよび相補的ケージ停止部84CSを含む。モータ48はモータ・ケージ84MC内に回転不能に固定され、且つ、モータ・ケージ84MCは各取付ブラケット82MB間に回転可能組み合わせで取付けられる。プーリ84Pは、モータ48のシャフト48Sが該プーリ84Pの中心を自由に通過する如き様式で、内部取付ブラケット82MBの逆側にてモータ・ケージ84MCに定置的に固着される。アンカ部材84AMは、プーリ84Pと整列してシャーシ21の頂面に定置的に固着される。
【0042】
プーリ・コード84Cの一端はアンカ部材84AMに固定され、且つ、他端は、‘下方’もしくは非枢動位置にデッキ82が在るときにプーリ・コード84Cが張設される如き様式で、プーリ84Pに固定される。各ケージ停止部84CSの一方はモータ・ケージ84MCに固着され、相補的ケージ停止部84CSはデッキ82に固着される。通常清掃動作の間において自己調節清掃ヘッド・サブシステム80の重量の故にデッキ82が‘下方’位置とされたときに、各相補的ケージ停止部84CSは当接係合する。
【0043】
通常清掃動作の間において、モータ48により生成されたトルクは、二段出力変速機48Bを介してシャフト48Sにより二段階ブラシ・アセンブリ90へと伝達される。上記モータ・ケージ・アセンブリは、プーリ84P上のプーリ・コード84Cにより生成された反作用トルクにより回転が防止される。回転するブラシが遭遇する抵抗が変化したとき、これを補償すべくデッキ高さが調節される。たとえばもし、当該装置が円滑床部からカーペット上へと転動するときにブラシ・トルクが増大したなら、モータ48のトルク出力は増大する。これに応じ、モータ48の出力トルクは増大する。この様に増大したトルクにより、プーリ84Pに対してプーリ・コード84Cにより及ぼされる反作用トルクは克服される。これによりプーリ84Pは、それ自体が実効的にプーリ・コード84Cを引張るべく回転する。これにより、上記デッキは上記枢動軸心の回りで枢動され、上記ブラシは上昇され、ブラシと床部との間の摩擦は減少され、且つ、二段階ブラシ・アセンブリ90により必要とされるトルクが減少される。このことは、モータ48と、プーリ・コード84Cによりプーリ84P上に生成された反作用トルクが再び平衡とされて新たなデッキ高さが確立されるまで継続する。
【0044】
換言すると、シャフト48Sが本質的に静止していることから調節モードの間において上記トルク伝達機構は遮断される。この条件によりモータ48は実効的にシャフト48Sの回りにて回動する。モータ48はモータ・ケージ84MCに対して回転不能に固定されることから、モータ・ケージ84MCおよび付随的にプーリ84Pは取付ブラケット82MBに関して回転する。プーリ84Pに対して与えられた回転動作によりプーリ84Pは、アンカ部材84AMに向けてプーリ・コード84PCに‘巻付き上昇’する。モータ・ケージ84MCは取付ブラケット82MBによりデッキ82の前方唇部に実効的に取付けられることから、プーリ84Pのこの移動によりデッキ82はその枢動軸心82PAの回りにて“上方”位置へと枢動する。この枢動動作によりデッキ82の前部は、自律的床清掃ロボットが踏破している表面から離間移動する。
【0045】
斯かる枢動動作はまた実効的に、二段階ブラシ・アセンブリ90が接触していた表面から該アセンブリを離間移動させることから、該二段階ブラシ・アセンブリ90は速度上昇すると共に(モータ48から伝達される一定トルクに一致する)定常状態回転速度を再開し得る。この際(二段階ブラシ・アセンブリ90がその定常状態回転速度に到達したとき)、デッキ82の前縁部の重量(主としてモータ48)によりデッキ82は‘下方’もしくは通常状態すなわちシャーシ21の底面と平面的になる様に戻り枢動すべく重力的に付勢され、其処で各相補的ケージ停止部84CSは当接係合する。
【0046】
先行段落に記述されたデッキ調整サブアセンブリ84は、本発明に係る自律的床清掃ロボット10の好適な枢動機構であるが、当業者であれば、上記調節モードにおいてデッキ82の枢動移動を誘起すべくデッキ調整サブアセンブリ84により発現されたトルクを利用すべく他の機構が採用され得ることを理解し得よう。たとえば上記デッキ調節サブアセンブリは、調節モードの間においてデッキ82を“上方”位置へと枢動させる図9に示され(て参照符号SLCMにより特定され)た如きスプリング負荷クラッチ機構、または、遠心クラッチ機構もしくはトルク制限クラッチ機構から成り得る。他の実施例においてモータ・トルクは、上記プーリをカムおよび定力スプリングにより置き換えてまたはプーリをラックおよびピニオンで置き換えることで、反作用トルクを生成するためにスプリングもしくは清掃ヘッドの重量のいずれかを用いて、清掃ヘッドの高さを調節すべく使用され得る。
【0047】
着脱可能粉塵カートリッジ86は、二段階ブラシ・アセンブリ90の作用により掃引された大寸および小寸粉塵、ならびに、真空アセンブリ100の作用により吸引された小寸粉塵の一時的格納を提供する。着脱可能粉塵カートリッジ86は、二段階ブラシ・アセンブリ90により掃引された大寸および小寸粉塵に対する第1格納チャンバ86SC1と、真空アセンブリ100の作用により吸引された小寸粉塵に対する第2格納チャンバ86SC2とを有する二重チャンバ構造として構成される。着脱可能粉塵カートリッジ86は更にデッキ82と組み合わせて挿入されるべく構成されることから、デッキ調整サブアセンブリ84のセグメントは自律的床清掃ロボット10の後方外部側壁構造の一部を画成する。
【0048】
図10および図11に示された如く着脱可能粉塵カートリッジ86は、対向する各側壁部材86SWにより相互に接合された底板部材86FMおよび天板部材86CMを備える。底板部材86FMおよび天板部材86CMは側壁部材86SWを越えて延在して開放端部86OEを画成し、且つ、底板部材86FMの自由端部は僅かに角度付けされて複数のバッフル突起86AJを含むことで、二段階ブラシ・アセンブリ90のブラシ機構に捕捉された破片(debris)を除去し、且つ、デッキ82と組み合わされた着脱可能粉塵カートリッジ86の挿入ならびに着脱可能粉塵カートリッジ86内へと掃引された粉塵の保持とを促進する。開放端部86OEの遠位にて底板部材86FMと天板部材86CMとの間には、側壁部材86SWと当接係合する後壁部材86BWが取付けられる。後壁部材86BWは、二段階ブラシ・アセンブリ90により掃引された粉塵が跳ねて該ブラシ・アセンブリ90内に戻るのを防止すべく、粉塵を角度的に偏向させる目的でバッフル構成を有する。底板部材86FM、天板部材86CM、側壁部材86SWおよび後壁部材86BWは組み合わされることで、第1格納チャンバ86SC1を画成する。
【0049】
着脱可能粉塵カートリッジ86は更に、自律的床清掃ロボット10の後方外部側壁構造を画成する湾曲弧状部材86CAMを備える。湾曲弧状部材86CAMは、天板部材86CM、底板部材86Fおよび側壁部材86SWに係合する。湾曲弧状部材86CAMと一方の側壁部材86SWとの間には、着脱可能粉塵カートリッジ86に対する真空取入口86VIを画成する間隙が形成される。底板部材86FMと組み合わせて弾性嵌合挿入すべく、交換可能フィルタ86RFが構成される。交換可能フィルタ86RF、湾曲弧状部材86CAMおよび後壁部材86BWは組み合わされて、第2格納チャンバ86SC1を画成する。
【0050】
着脱可能粉塵カートリッジ86はデッキ82の対向離間する各側壁82SW間に挿入されるべく構成されることから、着脱可能粉塵カートリッジ86の開放端部はデッキ82に形成された横手開孔82LAと整列する。天板部材86CMの外側面にはラッチ部材86LMが取付けられるが、該ラッチ部材は、デッキ82の上側表面に形成された相補的ショルダと係合することで着脱可能粉塵カートリッジ86をデッキ82に一体的に組み合わせて掛止すべく作用する。
【0051】
仕切枠88は、二段階ブラシ・アセンブリ90を覆う一本以上の狭幅ゲージワイヤ構造を備える。記述実施例に対して仕切枠88は、城砦的(castellated)形状すなわち交互的側部開放矩形に形成された連続的な狭幅ゲージワイヤ構造から成る。代替的に仕切枠88は、狭幅ゲージワイヤで形成された複数の側部開口単一矩形から成り得る。仕切枠88は、二段階ブラシ・アセンブリ90の両側の直近にてデッキ82に夫々形成された相補的保持溝88A、88B内へと圧力嵌め挿入されるべく設計かつ構成される。仕切枠88は清掃動作の間にカーペット飾り房、房状布、敷物縁部などの大きな外部物体から二段階ブラシ・アセンブリ90を遮蔽すべく作用し、すなわち、仕切枠88は斯かる物体を二段階ブラシ・アセンブリ90から離間偏向することで該物体がブラシ機構に絡むのを防止する。
【0052】
図4の記述実施例に対する二段階ブラシ・アセンブリ90は、図12に概略的に示されたフラッパ・ブラシ92および主要ブラシ94を備える。構造的には、フラッパ・ブラシ92および主要ブラシ94は相互に関して非対称的であり、主要ブラシ94はフラッパ・ブラシ92のOD(外径)よりも大きなODを有する。フラッパ・ブラシ92および主要ブラシ94は以下に更に詳細に記述される如くデッキ82の凹所に取付けられることで、それらの夫々の回転要素により画成される各掃引外周の間の間隔を最小とする。機能的にはフラッパ・ブラシ92および主要ブラシ94は相互に逆回転し、フラッパ・ブラシ92は大寸粉塵を着脱可能粉塵カートリッジ86内へと導向する第1方向に回転し、主要ブラシ94は大寸および小寸粉塵を着脱可能粉塵カートリッジ86内へと導向すべく、自律的床清掃ロボット10の前方移動とは逆の第2方向へと回転する。これに加えて主要ブラシ94のこの回転動作は、二段階ブラシ・アセンブリ90により掃引されない粉塵が自律的床清掃ロボット10の移動により引き続き真空アセンブリ100により吸引され(吸い込まれ)得る如く、大寸および小寸粉塵を真空アセンブリ100の拾い上げ領域に向けて導向するという二次的効果を有する。
【0053】
フラッパ・ブラシ92は、第1および第2端部を有する中央部材92CMを備える。この第1および第2端部は、フラッパ・ブラシ92の回転が電気モータ48から伝達されたトルクにより提供される如く、フラッパ・ブラシ92をデッキ82と二段出力変速機48Bの第1出力ポート48BO1とに対して夫々回転可能組み合わせで取付けるべく設計かつ構成される(変速機48Bはフラッパ・ブラシ92の回転速度が自律的床清掃ロボット10の速度に関連する如く構成され、ロボット10の記述実施例は約0.9フィート/秒の最高速を有する)。他の実施例においてフラッパ・ブラシ92は、踏破速度に関連してもしくは関連せずに踏破速度よりも実質的に高速で回転する。髪の毛および他の類似物体をフラッパ・ブラシ92から強制離間することで斯かる物体が中央部材92CMの各端部に絡まり二段階ブラシ・アセンブリ90が停止するのを防止すべく、中央部材92CMの第1および第2端部の近傍には斜面構成を有する各車軸ガード92AGが一体形成される。
【0054】
フラッパ・ブラシ92のブラシ要素は、各車軸ガード92AGの内端部間にて中央部材92CMに対して固定され且つ該中央部材に沿って延在する弾性プラスチック材料から形成された複数の清掃用セグメント帯片92CSを備える(図示実施例に対し、中央部材92CMに嵌合して固定されるべきスリーブは其処から外方に延在する一体的セグメント帯片を有する)。これらの清掃用セグメント帯片92CSをヘリングボーン(herringbone)パターンもしくはシェブロン(chevron)パターンで配置すると本発明に係る自律的床清掃ロボット10の二段階ブラシ・アセンブリ90に対して最適な清掃効果(機能およびノイズレベル)が提供されることが確認された。また清掃用セグメント帯片92CSをヘリングボーン/シェブロン・パターンで配置すると、帯片92CSにより捕捉された大寸粉塵はフラッパ・ブラシ92の回転により該フラッパ・ブラシの中心へと移動された。而して、線形/直線状パターンで配置された清掃用帯片はブラシが回転されたときに刺激的な羽ばたきノイズを起こすことが確認された。更に、螺旋パターンで配置された清掃用帯片は大寸粒状物をブラシの各端部に向けて移動し、粉塵は回転ブラシにより提供される掃引作用から離脱する結果とされた。
【0055】
記述実施例に対しては、6個の清掃用セグメント帯片92CSが、中央部材92CMの円周回りにヘリングボーン/シェブロン・パターンにて等距離離間された。当業者であれば、本発明の有効範囲から逸脱せずにこれより多いもしくは少ない個数の清掃用セグメント帯片92CSがフラッパ・ブラシ90に採用され得ることを理解し得よう。各清掃用帯片92Sは所定間隔にてセグメント化されるが斯かるセグメント化間隔は仕切枠88を形成する各ワイヤ間の構成(間隔)に依存する。上述の仕切枠88の実施例の結果、フラッパ・ブラシ92の記述実施例の各清掃用帯片92CSは5個のセグメントを有する。
【0056】
主要ブラシ94は、第1および第2の直線状端部を有する(すなわち螺旋の中心線に沿い整列された)中央部材94CMを備える(記述実施例に対し、中央部材94CMは螺旋構成を有する丸形金属部材である)。中央部材94CMに組み合わせて、セグメント化保護部材94PMが一体化される。保護部材94PMの各セグメントは、当該各半円形端部キャップの間に延在する一体リブ94IRを有すべく対向して離間された半円形端部キャップ94ECを含む。記述実施例に対し、各対の半円形端部キャップECはそれらの間に延在する2個の一体リブを有する。保護部材94PMは、組立てられた相補的半円形端部キャップ94ECが円形状を有する如く、たとえばネジなどの任意の習用の手段にて相補的端部キャップ94ECを接合することで組立てられる。
【0057】
保護部材94PMは中央部材94CMに組み合わせて一体化されることから中央部材94CMは保護部材94PMの中心線に沿い配設され、中央部材94CMの第1端部は一方の円形キャップ94ECで終端し且つ中央部材94CMの第2端部は他方の円形端部キャップ94ECを貫通延在する。中央部材94CMの第2端部はデッキ82に対して回転可能組み合わせで取付けられ、且つ、中央部材94CMの第1端部と協働する円形端部キャップ94ECは、変速機48Bを介して電気モータ48から伝達されるトルクにより主要ブラシ94の回転が提供される如く、変速機48Bの第2出力ポート48BO2に回転可能組み合わせで取付けられるべく設計かつ構成される。
【0058】
各剛毛94Bは中央部材94CMと組み合わされて、保護部材94PMの各一体リブ94IR間に且つ各円形端部キャップ94ECにより確立されたODを越えて延在すべく設定される。各一体リブ94IRは、主要ブラシ94による敷物飾り房および房状布などの物体の吸い込みを阻止すべく構成されて作用する。
【0059】
主要ブラシ94の剛毛94Bは、表面清掃作業に対する剛毛を形成すべく習用的に用いられる任意の材料から作製され得る。主要ブラシ94の剛毛94Bは、本発明に係る自律的床清掃ロボット10により行われる清掃動作の間に遭遇した粉塵に関して“軽打(flicking)”作用を提供すべく特に構成されることで大きな掃引能力を提供する。記述実施例に対して各剛毛94Bは、約0.254ミリメートル(0.010インチ)の直径、約22.86ミリメートル(0.90インチ)の長さ、および、丸形状の自由端部を有する。この形状は最適な軽打作用を提供することが確認された。約0.3556ミリメートル(0.014インチ)を超える直径を有する剛毛は更に長い摩耗寿命を有するが、斯かる剛毛は強靱すぎて本発明の二段階ブラシ・アセンブリ90に関して適切な軽打作用を提供し得ない。また0.254ミリメートル(0.010インチ)未満の剛毛直径は斯かる剛毛の自由端部の尚早な摩耗を受け、上記主要ブラシの掃引能力が低下する。好適実施例において上記主要ブラシは上記フラッパ・ブラシよりも僅かに下位に設定されることで、上記フラッパが硬質表面床部に接触しないのを確実とする。
【0060】
真空アセンブリ100は、電気モータ46により独立的に動力供給される。自己調節可能ブラシ・アセンブリ90から独立して真空アセンブリ100が動作することで、上記ブラシ・システムに依存して該真空アセンブリが動作した場合に可能なよりも、更に高い真空力がバッテリ電源を用いて生成かつ維持され得る。他の実施例において上記主要ブラシのモータは、真空を駆動し得る。本明細書中において、真空アセンブリ100に対する取入口は二段階ブラシ・アセンブリ90により画成される“掃引領域”に依存しない寸法を有する独立構造的ユニットである点に関し、独立的動作が用いられる。
【0061】
二段階ブラシ・アセンブリ90の直後に配置された真空アセンブリ100すなわち後端真空源は、上記真空取入口が二段階ブラシ・アセンブリ90の主要ブラシ94の直近にて前方を向く様に配向されることから、真空アセンブリ100の吸い込みもしくは真空引きの有効性が増進される。図13、図14を参照すると真空アセンブリ100は、真空取入口102、真空区画104、区画カバー106、真空チャンバ108、羽根車110および真空チャネル112を備える。真空取入口102は半硬質/弾性プラスチックもしくは弾性材料で形成された第1および第2ブレード102A、102Bを備えるが、これらのブレードは一定サイズ(横幅および間隙−以下の説明を参照)の真空取入口102を提供すべく構成かつ配置されることから、真空アセンブリ100は記述実施例に対し約4m/秒である一定の空気流入速度を確実に提供する。
【0062】
第1ブレード102Aは、該第1ブレード102Aの各端部が二段階ブラシ・アセンブリ90の横方向寸法を越えて延在する如き所定幅(横方向)寸法を備えた略矩形形状を有する。第1ブレード102Aの一方の横方向縁部は、自律的床清掃ロボット10の前後直径と実質的に対称的な配向にて主要ブラシ94の直近にて但し該ブラシから離間してデッキ82の下側表面に取付けられる(デッキ82に形成された横方向隆起部は、上述の仕切枠88に対する保持溝を具現することに加え、それらの間の分離を提供する)。この横方向縁部はまた真空区画104内に延在し、其処でそれは真空区画104の前縁部にシール係合する。第1ブレード102Aはデッキ82の底面に関して前方へと角度付けされると共に、該第1ブレード102Aの自由端部102AFEが清掃されるべき表面をまさに掠(かす)る如き長さを有する。
【0063】
自由端部102AFEは、清掃動作の間において真空取入口102が粉塵を押圧するのを防止する城砦的形状を有する。第1ブレード102Aの幅に沿い離間された、自由端部102AFEの城砦的セグメント102CSに対しては、所定高さを有する突起102Pが整列される。所定実施例に対し、突起102Pの高さは約2mmである。突起102Pの所定高さは、第1および第2ブレード102A、102B間の“間隙”を規定する。
【0064】
第2ブレード102Bは、幅および長さにおいて第1ブレード102Aと相補的である平坦な単体構成を有する。但し第2ブレード102Bは城砦的自由端部を有さず、代わりに、第2ブレード102Bの自由端部は直線状縁部を有する。第2ブレード102Bは、区画カバー106の前縁部に対してシール組み合わせで接合され、且つ、第1ブレード102Aに対して実質的に平行となるべく区画カバー106に関して角度付けられる。区画カバー106が真空区画104の所定位置に嵌合されたとき、第2ブレード102Bの平坦表面は第1ブレード102Aの複数の突起102Pに当接することで、第1および第2ブレード102A、102B間に“間隙”を形成する。
【0065】
真空取入口102と流体連通する真空区画104は、デッキ82の下側表面に形成された凹所を備える。この凹所は、区画底板104Fと、真空区画104の周縁部を線引きする連続的区画壁部104CWとを含む。底板104を貫通し且つ該底板104Fの一側に対してオフセットされて、開孔104Aが形成される。区画底板104Fの幾何中心からオフセットされたこの開孔104Aの箇所の故に、区画底板104Fから上方に突出する幾つかの案内リブ104GRを形成するのが賢明である。これらの案内リブ104GRは第1および第2ブレード102A、102Bの間の間隙を通り流入する空気を区画底板104の全体に亙り配分すべく作用することから、間隙全体に亙り一定の空気流入が生成かつ維持され、すなわち、真空取入口102は(大気圧に関して)実質的に一定の‘負’圧を有する。
【0066】
区画カバー106は、真空区画104の周縁部の形状と相補的な構成を有する。カバー106は更に連続的区画壁部104CWに対してシール組み合わせで圧力嵌めされるべく構成され、その場合に真空区画104および真空カバー106は組み合わされて真空アセンブリ100の真空チャンバ108を画成する。区画カバー106は、真空チャネル112から一切の破片を取出すべく取外され得る。区画カバー106は好適には透明もしくは半透明プラスチック材料で作製されることで、ユーザは目詰りが生じた時点を視覚的に決定し得る。
【0067】
羽根車110は、該羽根車110の取入口が開孔104A内に位置される如き様式でデッキ82に組み合わせて取付けられる。羽根車110は電気モータ46に対して作用的に接続されることから、モータ46からのトルクは羽根車110へと伝達され、一定速度にて該羽根車が回転されて真空チャンバ108から空気が吸引される。羽根車110の吐出口は、真空チャネル112の一端にシール組み合わせで一体化される。
【0068】
真空チャネル112は、別体構造として形成されてデッキ82に取付けられるか、または、デッキ82の一体部分として形成された中空構造部材である。真空チャネル110の他端は、着脱可能粉塵カートリッジ86の真空取入口86VIとシール組み合わせで一体化される。真空チャネル112の外側面は、着脱可能粉塵カートリッジ86の湾曲弧状部材86CAMの外部形状と相補的な形状である。
【0069】
上記教示に鑑みれば、本発明の種々の改変および変更が可能である。たとえば上述の好適実施例は自己調節式の清掃ヘッド・サブシステム80を含み、すなわち、調節モードの間において二段階ブラシ・アセンブリ90のブラシ・トルクにおける所定増加に応じてデッキ82はシャーシ21に関して自動的に枢動可能とされた。本発明に係る自律的床清掃ロボットの別実施例は、清掃ヘッド・サブシステムが調節可能でなくすなわち上記デッキがシャーシに関して枢動可能でないことを除き、上述された如きである。この実施例は、上述のデッキ調節サブアセンブリを含まず、すなわち、デッキはシャーシに対して堅固に固定される。代替的に上記デッキはシャーシの一体部分として作製され得るものであり、その場合にデッキは実際的構成、すなわち、上記清掃ヘッド・サブシステムを備える各構成要素の特定およびロボットに対するそれらの組み合わせ一体化を簡素化する構成である。
【0070】
故に添付の各請求項の有効範囲内において本発明は本明細書中に特に記述された以外の様式で実施され得ることは理解される。
【符号の説明】
【0071】
10…自律的床清掃ロボット
20…ハウジング基礎構造
21…シャーシ
22…カバー
23…バンパ
23RSM…回転可能支持部材
24…先端車輪アセンブリ
25…搬送用ハンドル
30…電力サブシステム
34…充電式バッテリパック
40…駆動サブシステム
42A、42B…車輪サブアセンブリ
42AAR…車輪回転軸心
42AM、42BM…モータ
44…電気モータ
48…モータ
48B…変速機
48S…シャフト
50…サブシステム
52…制御検知ユニット
60…制御モジュール
60…制御ライン
72…シャフト
74…ハブ
75…プレート
76…ブラシ手段
78…剛毛
82MB…取付ブラケット
82PA…枢動軸心
82SW…各側壁
84…自動デッキ調整サブアセンブリ
84AM…アンカ部材
84CS…相補的ケージ停止部
84MC…ケージ
86…着脱可能粉塵カートリッジ
86AJ…バッフル突起
86BW…後壁部材
86CAM…湾曲弧状部材
86CM…天板部材
86FM…底板部材
86LM…ラッチ部材
86OE…開放端部
86RF…交換可能フィルタ
86VI…真空取入口
94PM…セグメント化保護部材
94PM…保護部材
100…真空アセンブリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律的床清掃ロボットであって、
床表面に渡って前記ロボットを移動させるよう、モータ駆動部と動作可能に接続される車輪と、
前記モータ駆動部に電気的に接続する制御部であって、清掃動作の間に前記床表面で遭遇し検出された障害物の付近にて、自律的に前記ロボットを動かすために前記モータ駆動部を制御するよう構成される制御部と、
前記清掃動作の間に、前記床表面で遭遇した障害物に最も近づいた際に、前記ロボットが自由に回転できるように形成されるハウジング外周部を規定するハウジングと、
前記ハウジング外周部内において、床表面と係合するような位置に配置される清掃ヘッドと、
前記ハウジング外周部を越えて延在し、前記ハウジング外周部を越えた位置から前記清掃ヘッドの予想経路に向けて床表面上のデブリを掃引するよう配置された、動力供給され回転するサイド・ブラシと、を備え、
前記制御部は、前記サイド・ブラシが壁部に隣接して配置される方向において、前記ロボットが該壁部に沿って自動的に移動するよう前記モータ駆動部を制御する、自律的床清掃ロボット。
【請求項2】
前記制御部は、壁追従モードの場合に、前記サイド・ブラシが壁部に隣接して配置される方向において、前記ロボットが該壁部に沿って自動的に移動するよう前記モータ駆動部を制御する、請求項1に記載の自律的床清掃ロボット。
【請求項3】
前記サイド・ブラシは、前記床表面と垂直な軸の周りに回転する、請求項1または2に記載の自律的床清掃ロボット。
【請求項4】
前記ハウジング外周部は円形である、請求項1から3のいずれか一項に記載の自律的床清掃ロボット。
【請求項5】
前記モータ駆動部と、前記清掃ヘッドと、前記サイド・ブラシは、それぞれ独立して駆動される、請求項1から4のいずれか一項に記載の自律的床清掃ロボット。
【請求項6】
前記床表面における障害物または壁を検知する検知ユニットをさらに備え、
前記制御部は、前記検知ユニットからの出力に基づいて、前記モータ駆動部を制御する、請求項1から5のいずれか一項に記載の自律的床清掃ロボット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−125652(P2012−125652A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−85697(P2012−85697)
【出願日】平成24年4月4日(2012.4.4)
【分割の表示】特願2010−133228(P2010−133228)の分割
【原出願日】平成15年12月2日(2003.12.2)
【出願人】(502432084)アイロボット コーポレイション (40)
【Fターム(参考)】