説明

自然生産物履歴管理システム

【課題】消費者による自然生産物の生産情報等の取得を妨げることなく、重要な生産情報等の改竄や不正取得を防止して、セキュリュティレベルを高めることができる自然生産物履歴管理システムを得ることを目的とする。
【解決手段】アクセス権限を備えている特定端末4以外のアクセスを拒否する生産情報管理装置1の他に、生産情報管理装置1に管理されている生産情報のうち、公開が許可されている生産情報を管理している公開情報管理装置3を設け、情報取得端末5が自然生産物等に貼り付けられているQRコード付ラベルから自然生産物の識別コードを読み取り、公開情報管理装置3にアクセスして、その識別コードに対応する自然生産物の生産情報を取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自然生産物の生産状況や流通状況などを公開して、自然生産物の安心や安全を消費者に提供する自然生産物履歴管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の自然生産物履歴管理システムは、例えば、農畜産物の生産者、生産過程や流通過程などの情報を消費者に公開して、農畜産物の安心や安全を消費者に提供することができるようにするために、これらの情報を管理している公開センタコンピュータをインターネット上に設置するようにしている。
これにより、消費者がパソコンや携帯電話機などを操作して、公開センタコンピュータにアクセスすれば、農畜産物の生産者、生産過程や流通過程などの情報を取得することができる(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−94688号公報(段落番号[0010]、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の自然生産物履歴管理システムは以上のように構成されているので、消費者がパソコンや携帯電話機などを操作して、公開センタコンピュータにアクセスすれば、農畜産物の生産者、生産過程や流通過程などの情報を取得することができる。しかし、公開センタコンピュータが不特定多数の端末からのアクセスを受け付けるため、例えば、農畜産物の生産情報などを改竄されるなどの被害を受けることがあり、セキュリュティレベルが低いなどの課題があった。
【0005】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、消費者による自然生産物の生産情報等の取得を妨げることなく、重要な生産情報等の改竄や不正取得を防止して、セキュリュティレベルを高めることができる自然生産物履歴管理システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る自然生産物履歴管理システムは、アクセス権限を備えている特定端末以外のアクセスを拒否する生産情報管理装置の他に、その生産情報管理装置に管理されている生産情報のうち、公開が許可されている生産情報を管理している公開情報管理装置を設け、情報取得端末が自然生産物又は自然生産物の包装に貼り付けられているラベルから自然生産物の識別コードを読み取り、公開情報管理装置にアクセスして、その識別コードに対応する自然生産物の生産情報を取得するようにしたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、アクセス権限を備えている特定端末以外のアクセスを拒否する生産情報管理装置の他に、その生産情報管理装置に管理されている生産情報のうち、公開が許可されている生産情報を管理している公開情報管理装置を設け、情報取得端末が自然生産物又は自然生産物の包装に貼り付けられているラベルから自然生産物の識別コードを読み取り、公開情報管理装置にアクセスして、その識別コードに対応する自然生産物の生産情報を取得するように構成したので、消費者による自然生産物の生産情報等の取得を妨げることなく、重要な生産情報等の改竄や不正取得を防止して、セキュリュティレベルを高めることができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による自然生産物履歴管理システムを示す構成図であり、図において、生産情報管理装置1は例えばインターネットなどのネットワーク6に接続されているWebサーバであり、生産情報管理装置1は自然生産物(自然生産物は、自然界で生産可能な物の他、自然界で生産された物が加工された物を含み、例えば、米、大豆、人参、い草、魚、貝、食用の牛・豚・鳥、卵、松茸、いくら、豆腐、牛乳、スギ、ハム、酒、醤油、家具などが該当する)の生産情報(例えば、自然生産物の品種、圃場、農薬、肥料、栽培方法、栽培期間)を管理する機能や、アクセス権限を備えている特定端末4以外のアクセスを拒否する機能などを備えている。
出荷流通情報管理装置2はネットワーク6に接続されているWebサーバであり、出荷流通情報管理装置2は自然生産物の出荷情報及び流通情報を管理する機能や、アクセス権限を備えている特定端末4以外のアクセスを拒否する機能などを備えている。
【0009】
公開情報管理装置3はネットワーク6に接続されているWebサーバであり、公開情報管理装置3は生産情報管理装置1に管理されている生産情報のうち、公開が許可されている生産情報を管理している。また、公開情報管理装置3は出荷流通情報管理装置2に管理されている出荷情報及び流通情報のうち、公開が許可されている出荷情報及び流通情報を管理している。
特定端末4は自然生産物の生産農家や農協や流通センターなどに設置されているパソコンなどの端末であり、特定端末4は生産情報管理装置1及び出荷流通情報管理装置2に対するアクセス権限を備えている。
また、特定端末4は生産情報管理装置1に管理される自然生産物の生産情報と公開を許可する自然生産物の生産情報とを設定する機能や、出荷流通情報管理装置2に管理される自然生産物の出荷情報及び流通情報と公開を許可する自然生産物の出荷情報及び流通情報とを設定する機能を備えている。
【0010】
情報取得端末5は消費者が所有しているパソコンや携帯電話機、あるいは、自然生産物の販売店に設置されているPOS端末などが該当し、自然生産物又は自然生産物の包装に貼り付けられているQRコード付ラベルから自然生産物の識別コードを読み取り、公開情報管理装置3にアクセスして、その識別コードに対応する自然生産物の生産情報や出荷情報及び流通情報を取得する。
【0011】
図2はこの発明の実施の形態1による自然生産物履歴管理システムの生産情報管理装置1を示す構成図であり、図において、ネットワークI/F部11はネットワーク6に対するインタフェースであり、例えば、特定端末4などと各種の情報を送受信する処理を実施する。
認証情報格納部12は予めアクセス権限を備えている特定端末4の認証情報(例えば、特定端末4のID+パスワード)を格納しているメモリである。
アクセス権限確認部13はネットワークI/F部11が例えば特定端末4や不特定の端末からアクセスを受けると、アクセス元の端末に認証情報の送信を要求し、アクセス元の端末から送信された認証情報と認証情報格納部12に格納されている認証情報を比較して、アクセス元の端末がアクセス権限を備えているか否かを確認する処理を実施する。アクセス権限確認部13はアクセス元の端末がアクセス権限を備えている特定端末4であればアクセスを許可し、アクセス元の端末がアクセス権限を備えていない不特定の端末であればアクセスを拒否する。
【0012】
生産情報管理部14はアクセス権限確認部13によりアクセスが許可された特定端末4から管理対象の生産情報の設定を受け付けて、その生産情報を生産情報格納部15に蓄積するとともに、公開対象の生産情報の設定を受け付けて、その生産情報を情報送信部16に出力する処理を実施する。
生産情報格納部15は管理対象の生産情報を蓄積するメモリである。
情報送信部16はアクセス権限確認部13及びネットワークI/F部11を介して公開情報管理装置3とアクセスし、生産情報管理部14から出力された公開対象の生産情報を公開情報管理装置3に送信する処理を実施する。
【0013】
なお、アクセス権限確認部13、生産情報管理部14及び情報送信部16は、専用のハードウェア(例えば、MPUなどが実装されている半導体集積回路基板)から構成されていることを想定しているが、アクセス権限確認部13、生産情報管理部14及び情報送信部16の処理内容が記述されているプログラムを生産情報管理装置1のメモリに格納し、生産情報管理装置1のCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにしてもよい。
【0014】
図3はこの発明の実施の形態1による自然生産物履歴管理システムの出荷流通情報管理装置2を示す構成図であり、図において、ネットワークI/F部21はネットワーク6に対するインタフェースであり、例えば、特定端末4などと各種の情報を送受信する処理を実施する。
認証情報格納部22は予めアクセス権限を備えている特定端末4の認証情報(例えば、特定端末4のID+パスワード)を格納しているメモリである。
アクセス権限確認部23はネットワークI/F部21が例えば特定端末4や不特定の端末からアクセスを受けると、アクセス元の端末に認証情報の送信を要求し、アクセス元の端末から送信された認証情報と認証情報格納部22に格納されている認証情報を比較して、アクセス元の端末がアクセス権限を備えているか否かを確認する処理を実施する。アクセス権限確認部23はアクセス元の端末がアクセス権限を備えている特定端末4であればアクセスを許可し、アクセス元の端末がアクセス権限を備えていない不特定の端末であればアクセスを拒否する。
【0015】
出荷流通情報管理部24はアクセス権限確認部23によりアクセスが許可された特定端末4から管理対象の出荷情報及び流通情報の設定を受け付けて、その出荷情報及び流通情報を出荷流通情報格納部25に蓄積するとともに、公開対象の出荷情報及び流通情報の設定を受け付けて、その出荷情報及び流通情報を情報送信部26に出力する処理を実施する。
出荷流通情報格納部25は管理対象の出荷情報及び流通情報を蓄積するメモリである。
情報送信部26はアクセス権限確認部23及びネットワークI/F部21を介して公開情報管理装置3とアクセスし、出荷流通情報管理部24から出力された公開対象の出荷情報及び流通情報を公開情報管理装置3に送信する処理を実施する。
【0016】
なお、アクセス権限確認部23、出荷流通情報管理部24及び情報送信部26は、専用のハードウェア(例えば、MPUなどが実装されている半導体集積回路基板)から構成されていることを想定しているが、アクセス権限確認部23、出荷流通情報管理部24及び情報送信部26の処理内容が記述されているプログラムを出荷流通情報管理装置2のメモリに格納し、出荷流通情報管理装置2のCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにしてもよい。
【0017】
図4はこの発明の実施の形態1による自然生産物履歴管理システムの公開情報管理装置3を示す構成図であり、図において、ネットワークI/F部31はネットワーク6に対するインタフェースであり、例えば、生産情報管理装置1及び出荷流通情報管理装置2や情報取得端末5と各種の情報を送受信する処理を実施する。
公開情報管理部32はネットワークI/F部31が生産情報管理装置1から送信された公開対象の生産情報を受信すると、公開対象の生産情報を生産情報格納部33に出力し、ネットワークI/F部31が出荷流通情報管理装置2から送信された公開対象の出荷情報及び流通情報を受信すると、公開対象の出荷情報及び流通情報を出荷流通情報格納部34に出力する。
【0018】
生産情報格納部33は生産対象物毎に、公開対象の生産情報を保存しているメモリである。
出荷流通情報格納部34は生産対象物毎に、公開対象の出荷情報及び流通情報を保存しているメモリである。
アクセス処理部35は情報取得端末5からアクセスを受けて、情報取得端末5から生産対象物の識別コードを受けると、生産情報格納部33及び出荷流通情報格納部34から識別コードに対応する生産情報、出荷情報及び流通情報を取得して、その生産情報、出荷情報及び流通情報を情報取得端末5に送信する。
【0019】
なお、公開情報管理部32及びアクセス処理部35は、専用のハードウェア(例えば、MPUなどが実装されている半導体集積回路基板)から構成されていることを想定しているが、公開情報管理部32及びアクセス処理部35の処理内容が記述されているプログラムを公開情報管理装置3のメモリに格納し、公開情報管理装置3のCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにしてもよい。
【0020】
図5はこの発明の実施の形態1による自然生産物履歴管理システムの特定端末4を示す構成図であり、図において、ネットワークI/F部41はネットワーク6に対するインタフェースであり、例えば、生産情報管理装置1や出荷流通情報管理装置2と各種の情報を送受信する処理を実施する。
操作デバイス42は例えばキーボードやマウスなどのマンマシンインタフェースであり、管理対象の生産情報や公開対象の生産情報等を設定する際に、自然生産物の生産者や農協の職員などが使用する。
認証情報記憶部43は予め自然生産物履歴管理システムの管理者等から与えられた認証情報(例えば、特定端末4のID+パスワード)を記憶しているメモリである。
【0021】
アクセス要求受付部44は操作デバイス42から生産情報管理装置1に対するアクセス要求を受けると生産情報管理装置1にアクセスし、操作デバイス42から出荷流通情報管理装置2に対するアクセス要求を受けると出荷流通情報管理装置2にアクセスする処理を実施する。
また、アクセス要求受付部44は生産情報管理装置1又は出荷流通情報管理装置2にアクセスして、生産情報管理装置1又は出荷流通情報管理装置2から送信された認証情報の送信要求を受信する。
認証情報送信部45はアクセス要求受付部44が認証情報の送信要求を受信すると、認証情報記憶部43に記憶されている認証情報を生産情報管理装置1又は出荷流通情報管理装置2に送信する。
【0022】
生産情報設定部46は生産情報管理装置1からアクセス許可を受けると、管理対象及び公開対象の生産情報の設定を受け付けて、その生産情報を生産情報管理装置1に送信する処理を実施する。
出荷流通情報設定部47は出荷流通情報管理装置2からアクセス許可を受けると、管理対象及び公開対象の出荷情報及び流通情報の設定を受け付けて、その出荷情報及び流通情報を出荷流通情報管理装置2に送信する処理を実施する。
【0023】
なお、アクセス要求受付部44、認証情報送信部45、生産情報設定部46及び出荷流通情報設定部47は、専用のハードウェア(例えば、MPUなどが実装されている半導体集積回路基板)から構成されていることを想定しているが、アクセス要求受付部44、認証情報送信部45、生産情報設定部46及び出荷流通情報設定部47の処理内容が記述されているプログラムを特定端末4のメモリに格納し、特定端末4のCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにしてもよい。
【0024】
図6はこの発明の実施の形態1による自然生産物履歴管理システムの情報取得端末5を示す構成図であり、図において、ネットワークI/F部51はネットワーク6に対するインタフェースであり、例えば、公開情報管理装置3と各種の情報を送受信する処理を実施する。
操作デバイス52は例えばキーボードやマウスなどのマンマシンインタフェースであり、コードリーダ53の操作や公開情報管理装置3から生産情報等を取得する際に消費者が使用する。
コードリーダ53は自然生産物又は自然生産物の包装に貼り付けられているQRコード付ラベルから自然生産物の識別コードを読み取る処理を実施する。
なお、QRコード付ラベルには、自然生産物の識別コードや公開情報管理装置3のURL(ホームページアドレス)などが印刷されている。また、QRコード付ラベルは貼り換えが不可能なシールで構成されている。
【0025】
情報取得要求部54はコードリーダ53により読み取られたURL又は図示せぬメモリに格納されている公開情報管理装置3のURLにアクセス要求を送信することにより、公開情報管理装置3にアクセスし、コードリーダ53により読み取られた自然生産物の識別コードに対応する自然生産物の生産情報や出荷情報及び流通情報の取得要求を公開情報管理装置3に送信する。
情報取得処理部55は公開情報管理装置3から送信された自然生産物の生産情報や出荷情報及び流通情報を受信する処理を実施する。
情報表示部56は情報取得処理部55により受信された自然生産物の生産情報や出荷情報及び流通情報をディスプレイに表示する処理を実施する。
【0026】
なお、情報取得要求部54、情報取得処理部55及び情報表示部56は、専用のハードウェア(例えば、MPUなどが実装されている半導体集積回路基板)から構成されていることを想定しているが、情報取得要求部54、情報取得処理部55及び情報表示部56の処理内容が記述されているプログラムを情報取得端末5のメモリに格納し、情報取得端末5のCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにしてもよい。
【0027】
次に動作について説明する。
まず、自然生産物の生産者や農協の職員などが自然生産物を出荷する際、自然生産物の識別コードや公開情報管理装置3のURLを示すQRコードをラベルに印刷し、QRコード付ラベルを出荷対象の自然生産物又は自然生産物の包装に貼り付けるようにする。
例えば、自然生産物の生産者や農協の職員などが自然生産物の生産情報を生産情報管理装置1に設定する場合、自然生産物の生産者や農協の職員などが特定端末4の操作デバイス42を使用して、生産情報管理装置1に対するアクセス要求を入力する。
特定端末4のアクセス要求受付部44は、操作デバイス42から生産情報管理装置1に対するアクセス要求を受けると、ネットワークI/F部41を介して、生産情報管理装置1にアクセスする。
【0028】
生産情報管理装置1のアクセス権限確認部13は、ネットワークI/F部11が特定端末4からアクセスを受けると、アクセス元の端末である特定端末4がアクセス権限を備えている端末であるか否かを確認するために、ネットワークI/F部11を介して、認証情報の送信要求を特定端末4に送信する。
特定端末4のアクセス要求受付部44は、ネットワークI/F部41を介して、生産情報管理装置1から送信された認証情報の送信要求を受信する。
特定端末4の認証情報送信部45は、アクセス要求受付部44が認証情報の送信要求を受信すると、認証情報記憶部43に記憶されている認証情報(例えば、特定端末4のID+パスワード)を生産情報管理装置1に送信する。
【0029】
生産情報管理装置1のアクセス権限確認部13は、ネットワークI/F部11が特定端末4から送信された認証情報を受信すると、その認証情報と認証情報格納部12に格納されている認証情報を比較して、アクセス元の端末である特定端末4がアクセス権限を備えている端末であるか否かを確認する。
アクセス権限確認部13は、特定端末4から送信された認証情報と認証情報格納部12に格納されている認証情報が一致する場合、特定端末4がアクセス権限を備えていると判定し、特定端末4のアクセスを許可する。この場合、アクセス権限確認部13は、ネットワークI/F部11を介して、アクセス許可情報を特定端末4に送信する。
【0030】
ここでは、生産情報管理装置1がアクセス権限を備えている特定端末4からアクセスを受けているので、特定端末4のアクセスを許可するようにしているが、生産情報管理装置1がアクセス権限を備えていない不特定の端末からアクセスを受けた場合、生産情報管理装置1のアクセス権限確認部13が認証情報の送信要求を不特定の端末に送信しても、不特定の端末から正当な認証情報が送信されて来ないので(不特定の端末には、生産情報管理装置1の認証情報格納部12に格納されている認証情報と同じ認証情報が与えられていない)、不特定の端末にはアクセスが許可されない。
【0031】
特定端末4の生産情報設定部46は、ネットワークI/F部41が生産情報管理装置1から送信されたアクセス許可情報を受信すると、管理対象や公開対象の生産情報の設定を受け付ける処理を実施する。
生産情報設定部46は、例えば、図7に示すような生産情報の設定画面をディスプレイに表示する。
自然生産物の生産者や農協の職員などは、生産情報の設定画面が特定端末4のディスプレイに表示されると、特定端末4の操作デバイス42を使用して、管理対象や公開対象の生産情報を設定する。また、自然生産物の識別コード(ユニークなコード)を設定する。
図7の例では、自然生産物の生産情報として、自然生産物の品種、圃場、農薬、肥料、栽培方法、栽培期間を設定するようにしている。
自然生産物の生産者や農協の職員などは、特定端末4の操作デバイス42を使用して、公開対象フラグにチェックを入れれば、そのフラグに対応する生産情報は、公開が許可された公開対象の生産情報になる。
図7の例では、自然生産物の品種、肥料、栽培期間が、公開対象の生産情報になっている。
【0032】
特定端末4の生産情報設定部46は、上記のようにして、自然生産物の生産者や農協の職員などが、管理対象及び公開対象の生産情報と自然生産物の識別コードを設定すると、ネットワークI/F部41を介して、自然生産物の識別コードと一緒に、管理対象及び公開対象の生産情報を生産情報管理装置1に送信する。
生産情報管理装置1の生産情報管理部14は、ネットワークI/F部11が特定端末4から送信された自然生産物の識別コードと管理対象及び公開対象の生産情報を受信すると、管理対象の生産情報の設定を受け付けて、その生産情報を識別コードと対にして生産情報格納部15に蓄積する。
また、生産情報管理部14は、自然生産物の識別コードと公開対象の生産情報を情報送信部16に出力する。
【0033】
生産情報管理装置1の情報送信部16は、生産情報管理部14から自然生産物の識別コードと公開対象の生産情報を受けると、アクセス権限確認部13及びネットワークI/F部11を介して、公開情報管理装置3とアクセスし、自然生産物の識別コードと公開対象の生産情報を公開情報管理装置3に送信する。
公開情報管理装置3の公開情報管理部32は、ネットワークI/F部31が生産情報管理装置1から送信された自然生産物の識別コードと公開対象の生産情報を受信すると、自然生産物の識別コードと公開対象の生産情報を生産情報格納部33に出力する。
公開情報管理装置3の生産情報格納部33は、公開情報管理部32から自然生産物の識別コードと公開対象の生産情報を受けると、自然生産物の識別コードと公開対象の生産情報を対にして蓄積する。
【0034】
次に、例えば、農協の職員や流通業者などが自然生産物の出荷情報や流通情報を出荷流通情報管理装置2に設定する場合、農協の職員や流通業者などが特定端末4の操作デバイス42を使用して、出荷流通情報管理装置2に対するアクセス要求を入力する。
特定端末4のアクセス要求受付部44は、操作デバイス42から出荷流通情報管理装置2に対するアクセス要求を受けると、ネットワークI/F部41を介して、出荷流通情報管理装置2にアクセスする。
【0035】
出荷流通情報管理装置2のアクセス権限確認部23は、ネットワークI/F部21が特定端末4からアクセスを受けると、アクセス元の端末である特定端末4がアクセス権限を備えている端末であるか否かを確認するために、ネットワークI/F部21を介して、認証情報の送信要求を特定端末4に送信する。
特定端末4のアクセス要求受付部44は、ネットワークI/F部41を介して、出荷流通情報管理装置2から送信された認証情報の送信要求を受信する。
特定端末4の認証情報送信部45は、アクセス要求受付部44が認証情報の送信要求を受信すると、認証情報記憶部43に記憶されている認証情報(例えば、特定端末4のID+パスワード)を出荷流通情報管理装置2に送信する。
【0036】
出荷流通情報管理装置2のアクセス権限確認部23は、ネットワークI/F部21が特定端末4から送信された認証情報を受信すると、その認証情報と認証情報格納部22に格納されている認証情報を比較して、アクセス元の端末である特定端末4がアクセス権限を備えている端末であるか否かを確認する。
アクセス権限確認部23は、特定端末4から送信された認証情報と認証情報格納部22に格納されている認証情報が一致する場合、特定端末4がアクセス権限を備えていると判定し、特定端末4のアクセスを許可する。この場合、アクセス権限確認部23は、ネットワークI/F部21を介して、アクセス許可情報を特定端末4に送信する。
【0037】
ここでは、出荷流通情報管理装置2がアクセス権限を備えている特定端末4からアクセスを受けているので、特定端末4のアクセスを許可するようにしているが、出荷流通情報管理装置2がアクセス権限を備えていない不特定の端末からアクセスを受けた場合、出荷流通情報管理装置2のアクセス権限確認部23が認証情報の送信要求を不特定の端末に送信しても、不特定の端末から正当な認証情報が送信されて来ないので(不特定の端末には、出荷流通情報管理装置2の認証情報格納部22に格納されている認証情報と同じ認証情報が与えられていない)、不特定の端末にはアクセスが許可されない。
【0038】
特定端末4の出荷流通情報設定部47は、ネットワークI/F部41が出荷流通情報管理装置2から送信されたアクセス許可情報を受信すると、管理対象や公開対象の出荷情報及び流通情報の設定を受け付ける処理を実施する。
出荷流通情報設定部47は、例えば、図8に示すような出荷情報及び流通情報の設定画面をディスプレイに表示する。
農協の職員や流通業者などは、出荷情報及び流通情報の設定画面が特定端末4のディスプレイに表示されると、特定端末4の操作デバイス42を使用して、管理対象や公開対象の出荷情報及び流通情報を設定する。また、自然生産物の識別コードを設定する。
図8の例では、自然生産物の出荷情報及び流通情報として、自然生産物の出荷日時、流通日時、流通経路を設定するようにしている。
農協の職員や流通業者などは、特定端末4の操作デバイス42を使用して、公開対象フラグにチェックを入れれば、そのフラグに対応する出荷情報及び流通情報は、公開が許可された公開対象の出荷情報及び流通情報になる。
図8の例では、自然生産物の出荷日時、流通日時が、公開対象の出荷情報及び流通情報になっている。
【0039】
特定端末4の出荷流通情報設定部47は、上記のようにして、農協の職員や流通業者などが、管理対象及び公開対象の出荷情報及び流通情報と自然生産物の識別コードを設定すると、ネットワークI/F部41を介して、自然生産物の識別コードと一緒に、管理対象及び公開対象の出荷情報及び流通情報を出荷流通情報管理装置2に送信する。
出荷流通情報管理装置2の出荷流通情報管理部24は、ネットワークI/F部21が特定端末4から送信された自然生産物の識別コードと管理対象及び公開対象の出荷情報及び流通情報を受信すると、管理対象の出荷情報及び流通情報の設定を受け付けて、その出荷情報及び流通情報を識別コードと対にして出荷流通情報格納部25に蓄積する。
また、出荷流通情報管理部24は、自然生産物の識別コードと公開対象の出荷情報及び流通情報を情報送信部26に出力する。
【0040】
出荷流通情報管理装置2の情報送信部26は、出荷流通情報管理部24から自然生産物の識別コードと公開対象の出荷情報及び流通情報を受けると、アクセス権限確認部23及びネットワークI/F部21を介して、公開情報管理装置3とアクセスし、自然生産物の識別コードと公開対象の出荷情報及び流通情報を公開情報管理装置3に送信する。
公開情報管理装置3の公開情報管理部32は、ネットワークI/F部31が出荷流通情報管理装置2から送信された自然生産物の識別コードと公開対象の出荷情報及び流通情報を受信すると、自然生産物の識別コードと公開対象の出荷情報及び流通情報を出荷流通情報格納部34に出力する。
公開情報管理装置3の出荷流通情報格納部34は、公開情報管理部32から自然生産物の識別コードと公開対象の出荷情報及び流通情報を受けると、自然生産物の識別コードと公開対象の出荷情報及び流通情報を対にして蓄積する。
【0041】
消費者が例えば販売店の店頭に並んでいる自然生産物や、購入した自然生産物の生産情報や流通情報等を知りたい場合、情報取得端末5のコードリーダ53を操作して、自然生産物又は自然生産物の包装に貼り付けられているQRコード付ラベルから自然生産物の識別コードや公開情報管理装置3のURLを読み取る処理を実施する。
情報取得端末5の情報取得要求部54は、コードリーダ53が自然生産物の識別コードや公開情報管理装置3のURLを読み取ると、公開情報管理装置3のURLにアクセス要求を送信することにより、公開情報管理装置3にアクセスする。
ここでは、QRコードに公開情報管理装置3のURLが含まれているので、QRコード付ラベルから公開情報管理装置3のURLを読み取るようにしているが、予め、情報取得端末5のメモリ(図示せぬ)に公開情報管理装置3のURLが格納されている場合、QRコード付ラベルから公開情報管理装置3のURLを読み取ることなく、公開情報管理装置3にアクセスすることができる。
【0042】
そして、情報取得端末5の情報取得要求部54は、コードリーダ53により読み取られた自然生産物の識別コードに対応する自然生産物の生産情報、出荷情報及び流通情報の取得要求を公開情報管理装置3に送信する。
公開情報管理装置3のアクセス処理部35は、情報取得端末5からアクセスを受けて、情報取得端末5から生産情報等の取得要求を受けると、生産情報格納部33から生産対象物の識別コードに対応する生産情報を取得し、出荷流通情報格納部34から識別コードに対応する出荷情報及び流通情報を取得する。
アクセス処理部35は、生産対象物の生産情報、出荷情報及び流通情報を取得すると、ネットワークI/F部31を介して、生産対象物の生産情報、出荷情報及び流通情報を情報取得端末5に送信する。
【0043】
情報取得端末5の情報取得処理部55は、公開情報管理装置3から送信された自然生産物の生産情報、出荷情報及び流通情報を受信する。
情報取得端末5の情報表示部56は、情報取得処理部55が自然生産物の生産情報、出荷情報及び流通情報を受信すると、自然生産物の生産情報、出荷情報及び流通情報をディスプレイに表示する。
【0044】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、アクセス権限を備えている特定端末4以外のアクセスを拒否する生産情報管理装置1及び出荷流通情報管理装置2の他に、その生産情報管理装置1及び出荷流通情報管理装置2に管理されている生産情報、出荷情報及び流通情報のうち、公開が許可されている生産情報、出荷情報及び流通情報を管理している公開情報管理装置3を設け、情報取得端末5が自然生産物又は自然生産物の包装に貼り付けられているQRコード付ラベルから自然生産物の識別コードを読み取り、公開情報管理装置3にアクセスして、その識別コードに対応する自然生産物の生産情報、出荷情報及び流通情報を取得するように構成したので、消費者による自然生産物の生産情報等の取得を妨げることなく、重要な生産情報等の改竄や不正取得を防止して、セキュリュティレベルを高めることができる効果を奏する。
【0045】
即ち、情報取得端末5が公開情報管理装置3にアクセスすることで、公開が許可されている自然生産物の生産情報、出荷情報及び流通情報を取得することができる一方、アクセス権限を備えている特定端末4以外のアクセスを拒否する生産情報管理装置1及び出荷流通情報管理装置2が重要な生産情報、出荷情報及び流通情報を管理するようにしているので、消費者による自然生産物の生産情報等の取得を妨げることなく、重要な生産情報等の改竄や不正取得を防止して、セキュリュティレベルを高めることができる。
【0046】
また、この実施の形態1によれば、アクセス権限を備えている特定端末4が生産情報管理装置1にアクセスして、生産情報管理装置1に管理される自然生産物の生産情報と公開を許可する自然生産物の生産情報とを設定し、生産情報管理装置1が特定端末4により公開が許可された自然生産物の生産情報を公開情報管理装置3に送信するように構成したので、自然生産物の生産者等が簡単に管理対象の生産情報と公開対象の生産情報を設定することができる効果を奏する。
【0047】
また、この実施の形態1によれば、アクセス権限を備えている特定端末4が出荷流通情報管理装置2にアクセスして、出荷流通情報管理装置2に管理される自然生産物の出荷情報及び流通情報と公開を許可する自然生産物の出荷情報及び流通情報とを設定し、出荷流通情報管理装置2が特定端末4により公開が許可された自然生産物の出荷情報及び流通情報を公開情報管理装置3に送信するように構成したので、農協の職員等が簡単に管理対象の出荷情報等と公開対象の出荷情報等を設定することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】この発明の実施の形態1による自然生産物履歴管理システムを示す構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1による自然生産物履歴管理システムの生産情報管理装置を示す構成図である。
【図3】この発明の実施の形態1による自然生産物履歴管理システムの出荷流通情報管理装置を示す構成図である。
【図4】この発明の実施の形態1による自然生産物履歴管理システムの公開情報管理装置を示す構成図である。
【図5】この発明の実施の形態1による自然生産物履歴管理システムの特定端末を示す構成図である。
【図6】この発明の実施の形態1による自然生産物履歴管理システムの情報取得端末を示す構成図である。
【図7】生産情報の設定画面を示す説明図である。
【図8】出荷情報及び流通情報の設定画面を示す説明図である。
【符号の説明】
【0049】
1 生産情報管理装置、2 出荷流通情報管理装置、3 公開情報管理装置、4 特定端末、5 情報取得端末、6 ネットワーク、11 ネットワークI/F部、12 認証情報格納部、13 アクセス権限確認部、14 生産情報管理部、15 生産情報格納部、16 情報送信部、21 ネットワークI/F部、22 認証情報格納部、23 アクセス権限確認部、24 出荷流通情報管理部、25 出荷流通情報格納部、26 情報送信部、31 ネットワークI/F部、32 公開情報管理部、33 生産情報格納部、34 出荷流通情報格納部、35 アクセス処理部、41 ネットワークI/F部、42 操作デバイス、43 認証情報記憶部、44 アクセス要求受付部、45 認証情報送信部、46 生産情報設定部、47 出荷流通情報設定部、51 ネットワークI/F部、52 操作デバイス、53 コードリーダ、54 情報取得要求部、55 情報取得処理部、56 情報表示部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自然生産物の生産情報を管理しており、アクセス権限を備えている特定端末以外のアクセスを拒否する生産情報管理装置と、上記生産情報管理装置に管理されている生産情報のうち、公開が許可されている生産情報を管理している公開情報管理装置と、上記自然生産物又は上記自然生産物の包装に貼り付けられているラベルから上記自然生産物の識別コードを読み取り、上記公開情報管理装置にアクセスして、上記識別コードに対応する自然生産物の生産情報を取得する情報取得端末とを備えた自然生産物履歴管理システム。
【請求項2】
アクセス権限を備えている特定端末が生産情報管理装置にアクセスして、上記生産情報管理装置に管理される自然生産物の生産情報と公開を許可する自然生産物の生産情報とを設定し、上記生産情報管理装置が上記特定端末により公開が許可された自然生産物の生産情報を公開情報管理装置に送信することを特徴とする請求項1記載の自然生産物履歴管理システム。
【請求項3】
公開情報管理装置は、自然生産物毎に公開が許可されている生産情報を管理しており、情報取得端末から自然生産物の識別コードを受けると、上記識別コードに対応する自然生産物の生産情報を上記情報取得端末に送信することを特徴とする請求項1または請求項2記載の自然生産物履歴管理システム。
【請求項4】
自然生産物の出荷情報及び流通情報を管理しており、アクセス権限を備えている特定端末以外のアクセスを拒否する出荷流通情報管理装置と、上記出荷流通情報管理装置に管理されている出荷情報及び流通情報のうち、公開が許可されている出荷情報及び流通情報を管理している公開情報管理装置と、上記自然生産物又は上記自然生産物の包装に貼り付けられているラベルから上記自然生産物の識別コードを読み取り、上記公開情報管理装置にアクセスして、上記識別コードに対応する自然生産物の出荷情報及び流通情報を取得する情報取得端末とを備えた自然生産物履歴管理システム。
【請求項5】
アクセス権限を備えている特定端末が出荷流通情報管理装置にアクセスして、上記出荷流通情報管理装置に管理される自然生産物の出荷情報及び流通情報と公開を許可する自然生産物の出荷情報及び流通情報とを設定し、上記出荷流通情報管理装置が上記特定端末により公開が許可された自然生産物の出荷情報及び流通情報を公開情報管理装置に送信することを特徴とする請求項4記載の自然生産物履歴管理システム。
【請求項6】
公開情報管理装置は、自然生産物毎に公開が許可されている出荷情報及び流通情報を管理しており、情報取得端末から自然生産物の識別コードを受けると、上記識別コードに対応する自然生産物の出荷情報及び流通情報を上記情報取得端末に送信することを特徴とする請求項4または請求項5記載の自然生産物履歴管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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