説明

自然素材水質浄化凝集沈殿材

【課題】即効性、確実性、環境安全性、コスト性を解決した、公共水域(河川、用水、湖沼、海浜等)で使用可能な、水質浄化凝集沈殿材を提供する。
【解決手段】汚染の進んだ、公共水域(河川、用水、湖沼、海浜等)の水質浄化を実現するため、自然素材水質浄化凝集沈殿材の構成素材の主成分に貝殻粉(ホタテ貝殻粉)を加えることを特徴とする水質浄化材で、主成分.貝殻粉(ホタテ貝殻粉)が浄化材の構成比の大半以上(70%)を占める場合は、撹拌行為を行わない、水面上からの噴霧、散水行為で、公共水域の水質浄化を可能にすることを特徴とする、自然素材水質浄化凝集沈殿材は即効性、確実性、環境安全性、コスト性を解決した、公共水域(河川、用水、湖沼、海浜等)の水質、底質環境を向上することができる、水質浄化材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は汚染の進んだ、公共水域(河川、用水、湖沼、海浜等)の水質、底質向上に関する。
【背景技術】
【0002】
公共水域の水質、底質向上のために発明された、特許第4655279号の自然素材水質浄化凝集沈殿材、発明の構成素材の一つの石粉、アラゴナイト、の市場価格が不安定(高騰)なため、公共水域浄化のためのコスト問題が発生しました。
そこで、本発明の構成素材に貝殻粉(ホタテ貝殻粉)を追加することにより水質浄化効果が、同等もしくは、それ以上で、かつコストを抑えることが可能です。
また、我が国、東北地方(青森県、岩手県)はホタテ貝の養殖産業が盛んで,廃棄した貝殻の有効利用が検討され、近年安定した、貝殻粉(ホタテ貝殻粉)の入手が可能になりました。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特許第4655279号、自然素材水質浄化凝集沈殿材
請求項 1
汚染の進んだ河川、湖沼の水中の汚染物質を凝集沈殿させるために、十和田石「安山岩質浮石質凝灰岩」、および、アラゴナイトからなる自然石粉末をベースに少量の硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム、炭酸ナトリウムからなる塩基類、および、ゼオライトを加えた、薬剤、自然素材水質浄化凝集沈殿材
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許第4655279号、自然素材水質浄化凝集沈殿材、発明の構成素材の主成分に貝殻粉(ホタテ貝殻粉)の項目を補足する、請求項 1。
【0005】
特許第4655279号、自然素材水質浄化凝集沈殿材、発明の構成素材に項目を補足された主成分.貝殻粉(ホタテ貝殻粉)が浄化材の大半以上(70%)を占める場合は、撹拌行為を、おこなわない、水面上からの噴霧、散水行為で、公共水域の水質浄化を可能にする、請求項 2。
【課題を解決するための手段】
【0006】
貝殻粉(ホタテ貝粉)はその成分の98%が炭酸カルシウム(CaCO3)で構成されると言われます(青森エコサイクル協同組合発表)水に溶出しやすく蒸留水で溶出させた時のpH値は9.6になります、また粉体の比重が低く(1.2前後)水中での沈降速度が比較的遅いと言えます。
同素材は水に融解するとミネラル類が溶け出し水中の微生物(バクテリア)の活動が活性します。
使用する粒子の大きさは、0.01ミリ〜0.10ミリの間です。
本発明での役割は凝集の核となり、沈降すると共に、水中での微生物(バクテリア)の活性化を促進する。
【0007】
副成分.塩基類(硫酸アルミニウム.Al2(SO4)3.nH2O.)について、粉末剤、液剤を使用します、蒸留水で溶出させた時のpH値は4.5になります。
本発明での役割は浄化処理初期、凝集を加速する働きをする。
【0008】
主成分.貝殻粉(ホタテ貝粉)の蒸留水溶出pH値が9.6のため、副成分.塩基類(硫酸アルミニウム.Al2(SO4)3.nH2O.)蒸留水溶出pH値が4.5と混合して使用するとpH調整剤を、必要としない。
【0009】
主成分.貝殻粉(ホタテ貝殻粉)粉体の比重が低く(1.2前後)水中での沈降速度が比較的遅いため、水中での撹拌行為をしないで、水面上からの噴霧行為、又は、水に溶出しやすいので、液状での水面上からの散水行為でも水質浄化凝集沈殿効果があります。
(注)液状での散水の場合、副成分.塩基類(硫酸アルミニウム.Al2(SO4)3.nH2O.)の添加は作業直前にする。
【発明の効果】
【0010】
平成22年8月、築地川浄化事業(中央区委託業務)にて石粉(アラゴナイト)に替えて、貝殻粉(ホタテ貝殻粉)を使用したところ、その効果に従来と変わりはなかった。
作業対象面積:約0.2ha、 対象汚泥量、水量:約6000トン、
自然素材水質浄化凝集沈殿の使用量:1m
表1に配合比率を記載します。
表2に処理前後の比較について記載します。
【表1】

【表2】

【0011】
平成21年8月、日比谷公園心字池から採取した水の水槽試験
主成分.貝殻粉(ホタテ貝殻粉)と副成分.塩基類.硫酸アルミニウム.Al2(SO4)3.nH2O.)による水槽試験、日比谷公園心字池から採取した水を、水槽に50リットル入れ 和金(5cm)5尾、ドジョウ(8cm)3尾を飼育後に、自然素材水質浄化凝集沈殿材、使用量10ccを散布した。
添加率1/5000、表3にその配合比率を記載します。
【表3】

図1に説明略図を記載します。
表4に処理前、処理後(72時間後)の水質濃度計量書を記載します。
【表4】

【0012】
時間の経過と共に水中の汚れは、水槽の底に凝集沈殿した。
また処理後6ヶ月間、魚類の飼育をしたがその死滅は観察されなかった。
【0013】
本発明の、自然素材水質浄化凝集沈殿材、の現場での汚染された水、底質汚泥との使用比率はその水質、底質汚泥により差があるが、1:5000〜1:10000の使用量で効果が発揮できる。
【0014】
本発明の、自然素材水質浄化凝集沈殿材、は環境面、コスト面共に、公共水域(河川、用水、湖沼、海浜等)の水質、底質向上に有効に使用できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の、自然素材水質浄化凝集沈殿材、は汚染された公共水域(河川、用水、湖沼、海浜等)の水質、底質向上のために開発されたものです。
本発明をより有効的に実施するためには、まず管理者(我国の公共水域はほとんど行政管理下にある)との協議、許可が必要になります、まず対象となる公共水域(河川、用水、湖沼、海浜等)の水質、底質、生態系の調査、把握が必要です、また処理後の凝集沈殿物を回収するか否か、処理後の維持、管理対策をどうするか等々、浄化対策の総合的な計画が必要です。
【0016】
上述した内容を検討したうえで、より効果的な、自然素材水質浄化凝集沈殿材、の配合比率を算出して、より効果的な散布、散水方法で処理をする。
表6に使用可能な、自然素材水質浄化凝集沈殿材、の成分構成比を記載します。
【表6】

【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】水槽試験の方法の説明図
【符号の説明】
【0018】
A 60L水槽
B 採取した池の水、50L
C 自然素材水質浄化凝集沈殿材、の散布量、10cc

【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚染の進んだ、公共水域(河川、用水、湖沼、海浜等)の水質浄化を実現するため、特許第4655279号、自然素材水質浄化凝集沈殿、の発明の構成素材の主成分に貝殻粉(ホタテ貝殻粉)を加えることを特徴とする、自然素材水質浄化凝集沈殿材。
【請求項2】
汚染の進んだ、公共水域(河川、用水、湖沼、海浜等)の水質浄化を実現するため、特許第4655279号、自然素材水質浄化凝集沈殿材、の発明の構成素材に加えられた、主成分.貝殻粉(ホタテ貝殻粉)が本浄化材の構成比の大半以上(70%)を占める場合は、撹拌行為を行わない、水面上からの噴霧、散水行為で、公共水域(河川、用水、湖沼、海浜等)の水質浄化を可能にすることを特徴とする、自然素材水質浄化凝集沈殿材。

【図1】
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【公開番号】特開2012−161777(P2012−161777A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−38991(P2011−38991)
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【出願人】(506085712)特定非営利活動法人まちなみ育成会 (3)
【Fターム(参考)】