説明

自転車ヘルメット用シールド

【課題】シールドの付いていない自転車ヘルメットに容易に取り付けられる自転車ヘルメット用シールドを提供する。
【解決手段】ポリカーボネートなどのUVカットの軽量素材を用意し、上縁部には着脱可能にするマジックテープ(登録商標)などの取り付け用部材を備える。くもり防止などのためにシールド1上方には通風口4をあけ、シールド1は顔面横まで覆うようにし、継ぎ目などで視界を遮らないものとし、シールド素材の柔軟さを活かして、個々に異なるサイズや形状のヘルメットにフィットするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自転車ヘルメットに取り付けるシールド及びその取り付け方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一部の自転車競技用のヘルメットを除き、一般的な自転車ヘルメットにはバイクヘルメットのような風除けや日よけのためのシールドが無い。そのため目を異物や日差しから保護するためにサングラスやゴーグルを使用する。また長時間の走行で風や日差しを避ける場合、日焼け止めを使用したり、マスクまたは顔を保護する布などを着用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
自転車活動時に目を紫外線や異物から保護するためにはヘルメットにサングラスという組み合わせがほとんどであるが、眼鏡使用者はそのまま眼鏡で活動するか、度入りのサングラスを作る必要がある。またサングラスだけでの自転車走行時には露出された顔面が長時間風にさらされることや、日差しによる日焼けなどの害を気にしている場合、そのダメージを最小限にするために、特に女性などは予防効果のある日焼け止めやクリーム・マスクなどさまざまな準備が必要になる。似た形状でありながら図10に示すようなバイク用ヘルメット100には、目や顔面を防護するための硬質のシールド101が取り付けられている。しかしながら自転車ヘルメットは、軽量化された重量や素材、独特な形状のため、バイクヘルメットシールド101や図11のシールド102のような重く複雑な機構のシールドを備え付けることは困難である。
【0004】
そこでこの発明は、広い範囲で目や皮膚を外部刺激から保護し、眼鏡と併用もでき、一般的な自転車ヘルメットに容易に装着できる軽量かつシンプルな自転車ヘルメット用シールドを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の問題を解決するために(1)ポリカーボネートなどのUVカットの軽量素材を用意する。(2)上縁部には着脱可能にするマジックテープなどの取り付け用部材を備える。(3)くもり防止などのためにシールド上方には通風口をあける。(4)シールドは顔面横まで覆うようにし、継ぎ目などで視界を遮らない。(5)シールド素材の柔軟さを活かして、個々に異なるサイズや形状のヘルメットにフィットする。以上を特徴とする自転車ヘルメット用シールドである
【0006】
多くの自転車ヘルメットの内側には頭部パッド装着用のマジックテープがあり、本発明ではそのマジックテープを利用してシールドを装着し、その上に頭部パッドを取りつける。マジックテープで固定されるうえにヘルメットをかぶることで、シールドは、頭部とヘルメットの内側に挟まる状態となり固定される。取り付け素材は着脱可能なものであり、必要のない時には容易に外すことが可能である。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、シールドの柔軟な特性により、ヘルメットの形状に合わせて顔面を広く覆うため、サングラスなどを使用しなくても風や異物から目を保護することができ、顔面の日焼けや乾燥予防にも役立つ。またシールドと顔面にはスペースがあるため、その下に眼鏡を使用することも可能である。広いシールド面は継ぎ目がないため広範囲に視界を確保し、また軽量であるため取り扱いも容易で重量による負担が少ない。
【0008】
ほとんどの自転車ヘルメットは内側に着脱式頭部パッドを備える。このパッドを取り付けるヘルメット内側部分は発泡素材が使用されているため、スナップボタンなどの着脱用部品をつけるのには向いていない。そのためパッドの取り付けには通常マジックテープが使用されている。このマジックテープと頭部パッドの間にシールドを挟むため、ヘルメットに対して余計な加工を必要とせずに、シールドをマジックテープのみで固定することが可能となる。簡易にシールドを着脱することができ、また軽量かつ軟質であるため、出先などでヘルメットから急きょ外す場合にもその後の携帯が容易である。
【0009】
上部に通風口をあけることにより、シールド内に入る風の流れを良くし、シールドのくもるのを軽減する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明のヘルメット装着時の斜視図である。
【図2】本発明を装着するヘルメットの内面前方図の一例である。
【図3】本発明の正面図である。
【図4】本発明の背面図である。
【図5】本発明の斜視図である。
【図6】本発明を装着時の断面図である。
【図7】[図6]の装着部の拡大図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る自転車ヘルメット用シールドの正面図である。
【図9】本発明の実施の形態3に係る自転車ヘルメット用シールドの正面図である。
【図10】バイクヘルメット用シールドの形態の一例を示す斜視図である。
【図11】バイクヘルメット用シールドの形態の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0012】
(実施の形態1)
図3、図4、図5はこの発明の実施の形態1を示している。図3のようにこの自転車ヘルメット用シールド1は主として、上縁部2にマジックテープ3、上方に複数の通気口4を備えている。
【0013】
図2の示すようにヘルメットHの頭部パッドH1がヘルメット内面に取り付けられるために数か所にマジックテープH2が備えられている。図3に示すように、シールド1の上縁部2にはこれらのマジックテープH2の位置に当たるようにマジックテープ3が備えられている。ヘルメットのメーカーによってマジックテープH2の位置が異なることに対応するためマジックテープ3については広めの範囲にこれを配置する。
図4の背面図に示す通りマジックテープ5については範囲を小さくする。これはマジックテープ5の面がかぎ状のザラザラした面であり、頭部パッドH1よりはみ出してしまうと皮膚に触れ不快であるので、このことを避ける目的がある。
この自転車ヘルメット用シールドは、図10で示すようなバイク用ヘルメットで使われる固い留め具B1や、図11の上下可動式の固定具B2とは異なり、軽量なマジックテープを使用しているため、自転車走行の目的や、天候にあわせて容易にに着脱ができるという利点がある。
【0014】
図6の断面図のようにシールド1は通常、頭部クッションH1の取り付け用マジックテープH2の位置と同様にヘルメットHの端H3から1、2センチ程度の位置に配置する。図7で拡大したとおり、ヘルメットのマジックテープH2−シールド表面マジックテープ3−シールド本体1−シールド背面マジックテープ5−頭部パッドH1と固定される。ヘルメット1内面に装着したシールド1は柔軟な素材であるため、図3のように半円状に曲がった形状で固定される。その両端は顔面を耳の前あたりまで覆うため、走行時の風を避けることができる。またUVカット素材を使用することで日焼けを軽減できる。
【0015】
図1に示されるように装着されたシールド1の上方や後端には、通気口4が備えられる。これにより走行時にシールド1と顔面の間に入ってくる風のとおりをスムーズにし、冬場など外気の冷たい状態で起こりうるシールド内面の結露を軽減する効果がある。
【0016】
(実施の形態2)
図8はこの発明の実施の形態2を示している。実施の形態2が実施の形態1と異なるところはマジックテープ6の形態と設置方法である。実施の形態1においてはより多数種のヘルメットに適応させるために表面には広めの範囲にマジックテープ3を備えている。これを特定の種類の同じ規格のヘルメットを対象とする場合で、図2のようにヘルメット側のマジックテープH2の位置があらかじめわかっている場合には、そのマジックテープH2にあわせてシールドのマジックテープ6を特定の箇所に備える。このためマジックテープ6の大きさ、形態はヘルメットのマジックテープH2にあわせて丸や楕円といった形に用意される。
【0017】
また実施の形態2においてはヘルメットの使用者が、所持するそれぞれのヘルメットに合わせて自身でマジックテープ6をシールド1に貼ることにより、マジックテープの使用量を減らし、頭部への不快感やシールドの重量をより軽くし使用感を高めることができる。
【0018】
(実施の形態3)
図9はこの発明の実施の形態3を示している。実施の形態3が実施の形態1と異なるところは、通気口7の形態と正面中央部8の形態である。実施の形態1では通気口4の簡易な作成として単純な形の穴を備えているが、実施の形態3では通気口の作成時に穴を完全に打ち抜かず、通気口7の上部を残してカットする。これによって通気口7は上部を屋根のようにして開くこととなる。
実施の形態1における通気口4はほとんどがヘルメットの厚みの陰になるので、通気口4の穴から日焼け影響は少ないが、よりこの点を考慮して通気口に弁のような屋根を備え、より日差しを軽減する目的のものが実施の形態3における通気口7である。自転車で外出時にヘルメットをかぶったまま水分補給をする場合、実施の形態1のシールド1は帽子のつば状の形であるため、ドリンクボトルが大きい場合は、その扱いに若干気を遣わなくてはならない。実施の形態3においてはシールドの中心8、口元のあたりにへこみをつけることでその問題を軽減する。またゴーグルのような形態であるためスポーティな印象ともなる。
【符号の説明】
【0019】
1 自転車ヘルメット用シールド
2 シールドの上縁部
3 シールド表面用マジックテープ
4 通気口
5 シールド背面用マジックテープ
H 自転車ヘルメット
H1 頭部パッド
H2 ヘルメット側マジックテープ
100 バイクヘルメット
101 バイクヘルメット用シールド
102 バイクヘルメット用シールド
B1 留め具
B2 固定具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールドの上縁部にマジックテープを設け、上部に通気口を設けた自転車ヘルメット用シールド。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2012−241307(P2012−241307A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−127730(P2011−127730)
【出願日】平成23年5月21日(2011.5.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
【出願人】(310016407)
【Fターム(参考)】